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この章は,日本語機能に関する新規機能および制限事項について説明します。
日本語DECwindows Motif V1.2-5Aでは,日本語OpenVMS V7.2から提供されている日本語ファイル名サポート機能を使用することによって日本語ファイル名を使用することができます。
以下のアプリケーションで日本語ファイル名を使用することができます。
日本語Motif V1.2-5Aでは,ODS-5ディスク上で最長40文字の日本語ファイル名を使用することができます。 日本語ファイル名の使用できる長さは, ファイルが存在するディレクトリの長さにも依存します。制限を超えた場合, ファイル名はファイルID,ディレクトリID形式に変換されます。
日本語Motif V1.2-5Aの日本語ファイル名サポート機能は,日本語OpenVMS V7.2以降で提供されている機能を使用しています。したがって,日本語OpenVMS V7.2 より前のOS上にインストールされた場合,日本語Motif 1.2-5Aのアプリケーションで日本語ファイル名を使用することはできません。
アプリケーションからRMSを使用してファイルの読み込みあるいは書き込みを行う場合,SDECKANJI コードでファイル名の指定あるいは取得を行うことができます。 ウィンドウ・アプリケーションのファイル・セレクション等で, 日本語ファイル名を使用することができます。
使用する場合は以下の論理名定義を行います.
$ DEFINE /SYSTEM JDECW$RMS_ENCODING SDECKANJI
また,使用を中止する場合は以下の論理名定義を行います。
$ DEFINE /SYSTEM JDECW$RMS_ENCODING DEFAULT あるいは $ DEASSIGN /SYSTEM JDECW$RMS_ENCODING
日本語DECwindows Motif V1.2-5は日本語OpenVMS VAX V5.5-2に対応しています。
これまで日本語OpenVMS VAX V5.5-2で使用可能な日本語DECwindows Motif はV1.0,V1.1*およびV1.2-4Aでした。それ以外のV1.2,V1.2-3およびV1.2-4 は日本語OpenVMS VAX V5.5-2に対応していません。
西暦2000年以降も日本語OpenVMS VAX V5.5-2上で日本語DECwindows Motif をご使用になる場合は,V1.2-4Aに西暦2000年対応パッチを適用するか, 西暦2000年に対応している本バージョンの日本語DECwindows Motifをご使用ください。
日本語OpenVMS VAX V5.5-2上で日本語DECwindows Motif V1.2-5をご使用になる場合は, 次の点に注意してください。
この節では,日本語機能の制限事項について説明します。
日本語OpenVMS Alpha V6.2およびV7.0では,共通システム・ディスクのイメージBACKUP の復元を実行した場合,実行前は正しくSYSCOMMON.DIRがVMS$COMMON.DIR の同義(または別名)ディレクトリであったものが,実行後はVMS$COMMON.DIR がSYSCOMMON.DIRの同義ディレクトリになり,逆になってしまいます。 この結果,lib$fid_to_name関数から,正しくない共通ルート・ ディレクトリに常駐するファイルのファイル名が返されることになります。
lib$fid_to_name関数はsetlocaleとcatopenが間接的に使用するため,ファイル名が正しくない場合は,setlocale が正常に動作を完了しなかったり,catopen がNew Desktopが使用するカタログを検索しなかったりする( またはその両方)可能性があります。
この問題を解決するには,イメージBACKUPの復元後,次のプロシージャを実行してください。
$SET PROCESS/PRIVILEGE=SYSPRV RENAME SYS$SYSDEVICE:[000000]VMS$COMMON.DIR - $_ SYS$SYSDEVICE:[000000]SYSCOMMON.DIR RENAME SYS$SYSDEVICE:[000000]SYSCOMMON.DIR - $_ SYS$SYSDEVICE:[000000]VMS$COMMON.DIR_
以上のプロシージャにより,SYSCOMMON.DIRの別名ディレクトリをVMS$COMMON.DIR にするのではな,VMS$COMMON.DIRの別名ディレクトリをSYSCOMMON.DIR にするように,ファイル・ヘッダのバックリンク・ポインタを修正することができます。
候補リストボックスは入力中のウィンドウがフォーカスを失うと消えてしまいます。 したがって,ウィンドウ・マネージャの設定によっては,候補の選択をマウスでは行わない場合があります。 そのような場合には,キーボードの矢印キーを使用して候補の選択を行ってください。
X Toolkit Warning: locale not supported by C library, locale unchanged
なお,SYS$LIBRARY:EN_US_ISO8859-1.LOCALEをEN_US_ISO8859_ 1.LOCALEにコピーすると,メッセージは表示されなくなります。
Can't find font -ADECW-Screen-Medium-R-Normal--24-*-*-*-*-*-*-*
日本語環境でセッション・マネージャを使用してパブリック・プロファイルを作成しようとすると,"File specification syntax error" というエラー・ ダイアログが表示されますが,ファイルは作成されます。
また,このパブリック・プロファイルがデフォルトで作成される場所であるVUE$LIBRARY_JA_JP ( 正確にはSYS$COMMON:[VUE$LIBRARY.USER.JA_JP]) にこのファイルを置くだけならば,その設定内容はログイン時に反映されますが,VUE$PUBLIC_PROFILE という論理名にパブリック・プロファイルのフル・ パスを定義すると,ログイン時に上記と同じ"File specification syntax error"というエラー・ダイアログが表示され,設定は反映されません。
以上の問題は日本語ロケールがja_JP.deckanji,ja_JP.sdeckanjiおよびja_JP.eucJP の時に発生します。セッション・マネージャの日本語ロケールをja_JP に設定すればこの問題は回避できます。将来のリリースでこの問題は解決される予定です。
$ mcr jsy$control set rms /filename=sdeckanji $ edit /xtpu /interface=decwindows <filename>