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2 漢字フィルタの使用方法

2.1 FTPでの漢字フィルタ使用方法

FTPクライアントでの漢字フィルタの設定には,コマンド・インタフェースによる方法と, 論理名で指定する方法の2通りがあります。コマンドと論理名の両方で別々のフィルタを指定した場合は, コマンドによる指定が優先されます。

UNIX形式のコマンドを用いる場合

(UNIX形式のコマンドの使用方法については, 『DIGITAL TCP/IP Services for OpenVMS User's Guide』を参照してください。)

$ FTP/FILTER=フィルタ名

または

FTP> filter [フィルタ名]

OpenVMS形式のコマンドを用いる場合

$ FTP/FILTER=フィルタ名

または

FTP> set filterフィルタ名

論理名を用いる場合

$ DEFINE [/SYSTEM] TCPIP$FTP_KANJI_FILTERフィルタ名

設定したフィルタの確認は,以下のコマンドで行います。

UNIX形式のコマンドを用いる場合

FTP> status

OpenVMS形式のコマンドを用いる場合

FTP> show status

あらかじめ提供されるフィルタは,以下の4つです。

表 2-1 標準で提供される漢字フィルタ

フィルタ名
7ビットJIS漢字フィルタ(1) JIS
7ビットJIS漢字フィルタ(2) JISM
シフトJIS漢字フィルタ SJIS
UJIS漢字フィルタ UJIS

それぞれのフィルタについての詳細は第4 章を参照してください。

FTPサーバでのフィルタの指定は,FTPのプロトコルで定義されている"QUOTE" と"SITE"コマンドを使用してリモートのFTPクライアントから行います。 以下に,設定例を示しますが,ユーザの使用するコマンドの形式は, クライアント・システムにより,異なる場合もありますのでご注意ください。

なお,FTPサーバでは論理名でフィルタを指定することはできません。

ftp> quote "site filterフィルタ名"

設定したフィルタを解除するには,次のようにフィルタ名を指定せずにSITE FILTER コマンドを実行します。

ftp> quote "site filter"


注意
FTPでは,バイナリ・モードのときにはFILTER の指定を無視します。

2.2 TELNETでの漢字フィルタ使用方法

TELNETクライアントでの漢字フィルタの設定には,コマンド・インタフェースによる方法と, 論理名で指定する方法の2通りがあります。コマンドと論理名の両方で別々のフィルタを指定した場合は, コマンドによる指定が優先されます。

コマンドでの指定は以下のようになります。

$ TELNET/FILTER=フィルタ名

または

TELNET> CONNECT/FILTER=フィルタ名

論理名での指定は以下のようになります。

$ DEFINE [/SYSTEM] TCPIP$TELNET_KANJI_FILTERフィルタ名

TELNETクライアントでは,サーバ(リモート・ノード)からクライアント( 自ノード)方向の転送のみにフィルタ機能が提供されます。また,TELNET サーバとしては,フィルタ設定はできません。あらかじめ提供されるフィルタは, 以下の4つです。

表 2-2 標準で提供される漢字フィルタ

フィルタ名
7ビットJIS漢字フィルタ(1) JIS
7ビットJIS漢字フィルタ(2) JISM
シフトJIS漢字フィルタ SJIS
UJIS漢字フィルタ UJIS

フィルタについての詳細は第4章を参照してください。

設定したフィルタの確認は,以下のコマンドで行います。

TELNET> status

または

TELNET> show status


注意
マルチセッションの場合, "$ TELNET/FILTER=フィルタ名 ホスト名" で指定した漢字フィルタは最初のセッションのみに有効で, "TELNET> CONNECT/FILTER=フィルタ名 ホスト名" で指定した漢字フィルタは,そのセッションのみに有効です。 マルチセッションの詳細に関しては, 『DIGITAL TCP/IP Services for OpenVMS User's Guide』を参照してください。

2.3 SMTPでの漢字フィルタ使用方法

SMTPでは以下のように,TCPIP$SMTP_KANJI_FILTERという論理名に,設定したいフィルタ名を定義します。

形式:

     $ DEFINE [/SYSTEM] TCPIP$SMTP_KANJI_FILTER フィルタ名

SMTP受信フィルタの設定は,システム(/SYSTEM)論理名定義で行います。 個別ユーザの設定は行えません。SMTP送信フィルタの設定は,/SYSTEMで定義された設定が全てのユーザに適用されますが, 各ユーザが個別に(プロセス) 論理名を定義すれば,そのフィルタ設定が有効となります。

SMTPで漢字フィルタを使用する場合,以下のことに注意してください。

あらかじめ提供されるフィルタは,以下の4つです。

表 2-3 標準で提供される漢字フィルタ

フィルタ名
7ビットJIS漢字フィルタ(1) JIS
7ビットJIS漢字フィルタ(2) JISM
シフトJIS漢字フィルタ SJIS
UJIS漢字フィルタ UJIS

それぞれのフィルタについての詳細は第4章を参照してください。

2.4 リモート・プリントでの漢字フィルタ使用方法

リモート・プリント・クライアントで漢字フィルタを使用するにはTCPIP$PRINTCAP.DAT 中に以下のエントリを追加します。PRINTCAPファイルの設定方法については, 『DIGITAL TCP/IP Services for OpenVMS Management』を参照してください。

     :kf=フィルタ名

この時,以下のように,PRINTコマンドの中にフィルタの指定がある場合は, 指定されたフィルタが優先的に選択されます。

$ PRINT/PARAMETER=(FILTER=フィルタ名)

あらかじめ提供されるフィルタは,以下の4つです。

表 2-4 標準で提供される漢字フィルタ

フィルタ名
7ビットJIS漢字フィルタ(1) JIS
7ビットJIS漢字フィルタ(2) JISM
シフトJIS漢字フィルタ SJIS
UJIS漢字フィルタ UJIS

それぞれのフィルタについての詳細は, 第4章を参照してください。

リモート・プリント・サーバで漢字フィルタを使用する場合,同様にTCPIP$PRINTCAP.DAT 中に以下のエントリを追加します。この場合は,リモート・ ノードからのフィルタ設定の変更はできません。

     :kf=フィルタ名

2.5 COPY/FTPでの漢字フィルタ使用方法

COPYコマンドを用いてFTPを行う場合,以下のようにTCPIP$FTP_KANJI_ FILTERという論理名に,設定したいフィルタ名を定義します。なお,COPY コマンドでは,/FILTER修飾子は指定できません。

形式:

     $ DEFINE [/SYSTEM] TCPIP$FTP_KANJI_FILTER フィルタ名

表 2-5 標準で提供される漢字フィルタ

フィルタ名
7ビットJIS漢字フィルタ(1) JIS
7ビットJIS漢字フィルタ(2) JISM
シフトJIS漢字フィルタ SJIS
UJIS漢字フィルタ UJIS

2.6 SET HOST/TELNETでの漢字フィルタの使用方法

SET HOSTコマンドを用いてTELNETを行う場合,以下のようにTCPIP$TELNET_KANJI_FILTER という論理名に,設定したいフィルタ名を定義します。 なお,SET HOSTコマンドでは/FILTER修飾子は指定できません。

表 2-6 標準で提供される漢字フィルタ

フィルタ名
7ビットJIS漢字フィルタ(1) JIS
7ビットJIS漢字フィルタ(2) JISM
シフトJIS漢字フィルタ SJIS
UJIS漢字フィルタ UJIS


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