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RECOVER BUFFER ALL
バッファのジャーナル・ファイルを使って,システムの中断前に存在した,すべてのバッファの内容を回復します。別の編集セッションのバッファも同時に回復することができます。RECOVER BUFFER ALLコマンドは,各種設定,キー定義,システム・バッファの内容は回復しません。
システムに問題が発生したときに編集していたすべてのバッファを回復するには以下のようにします。
- DCL コマンド EDIT/XTPU/NOJOURNAL を使って日本語 EVE を起動します。 /RECOVER 修飾子を指定する必要はありません。
- 日本語EVEのRECOVER BUFFER ALLコマンドを実行してください。
Command: RECOVER BUFFER ALL
日本語 EVE は,論理名 XTPU$JOURNAL で指定されるディレクトリに存在するジャーナル・ファイルに対応するバッファを回復します。XTPU$JOURNAL は標準設定ではSYS$SCRATCH に定義されています。
バッファ名やジャーナル・ファイル名を指定しなくてよいこと以外は, RECOVER BUFFER コマンドを繰り返し実行することと同じ結果が得られます。
それぞれのバッファについて,日本語 EVE はバッファ名や,バッファに対応するファイル名,ジャーナル・ファイル作成の日時などを表示します。日本語 EVE は以下の1つを選ぶようにユーザに聞いてきます。
- YES ---そのバッファを回復し,次のバッファを回復するかどうかを聞いてきます。これが単に [ Return ] キーを押したときの省略時の動作です。
- NO ---バッファの回復をスキップします。他に回復するバッファがあれば,日本語 EVE はそのバッファについて回復するかどうか聞いてきます。
- QUIT ---回復をキャンセルします。
REFRESH
画面をリフレッシュ(再表示)します。この操作は通常,システム同報通信の結果として表示された余分な文字を削除するために使用します。REFRESHは,日本語 EVE 画面の一番下に表示されるメッセージ・ウィンドウもクリアします。しかし,すべてのメッセージはまだ Messages バッファに登録されています。Messages バッファの内容を表示するには,次のコマンドを使用します。
Command: BUFFER MESSAGES
その後,編集中のバッファに戻るには,BUFFERコマンドを使用し,編集するバッファの名前の指定するか,またはSHOW BUFFERSコマンドを使用し,リストから適切なバッファを選択します。
REFRESHコマンドは選択領域や検索領域の高輝度表示を取り消しません。したがって,高輝度表示を取り消すには,RESETコマンドを使用します。
REMEMBER
学習シーケンスを終了(記憶)し,シーケンスに対して定義するキーを押すように要求するプロンプトを表示します(LEARNコマンドの説明を参照)。REMEMBER コマンド自体を入力しないでください。 REMEMBER と入力すると,そのコマンド自体が学習シーケンスの一部として記憶されます。したがって,[ Ctrl/R ] を使用するか,または REMEMBER として定義されているキーを使用します。
【操作方法】
- [ Ctrl/R ]を押すか,またはREMEMBERとして定義されているキーを押します。
日本語 EVE は学習シーケンスに対して定義するキーを押すように要求するプロンプトを表示します。
- 定義するキーを押します。次のキーを押すことができます。記憶しているシーケンスで使用したキーは押さないでください。
- [ PF4 ],[ KP7 ],[ Enter ],[ F20 ] などのファンクション・キー
- [ Ctrl/N ]などの制御キー
- [ GOLD-KP7 ]や[ GOLD-A ]などの GOLD キーの組み合わせ
定義を取り消す場合には,[ Return ]キーまたは [ Ctrl/M ]を押します。これらのキーの定義を変更することはできません。
REMOVE
選択領域または検索領域を削除します。削除した領域は他の場所に挿入できます
(CUTコマンドと同じ)。Buffer List バッファでは,カーソルが設定されている名前を持つバッファが削除されます。【操作方法】
- SELECT,FIND,WILDCARD FIND コマンドのいずれかを使用して,削除するテキストを高輝度表示します ( 選択領域は検索領域より優先します )。
- REMOVEコマンドを使用します。
- 削除したテキストを他の場所に挿入する場合には,INSERT HERE コマンドまたはPASTEコマンドを使用します。
削除したテキストは,設定に応じて日本語 EVE の Insert Here バッファまたは DECwindows クリップボードに格納され,その前に削除または複写した記憶領域の内容と置き替えられます。省略時の設定は NOCLIPBOARD であり,この場合には Insert Here バッファが使用されます。詳しい説明は,SET CLIPBOARD コマンドの説明を参照してください。
変更不可能なバッファでREMOVEを使用した場合には,日本語 EVEは STORE TEXT コマンドを実行し,強調表示されているテキストを削除せずに,単に複写します。
現在の位置が Buffer List バッファの内部である場合には,REMOVE コマンドはバッファを削除し,そのとき,バッファ名を入力する必要はありません。
- SHOW BUFFERSコマンドを使用してユーザが作成したバッファのリストを表示します。
- 削除するバッファの名前の上にカーソルを移動します。
- REMOVEコマンドを使用してそのバッファを削除します。
バッファの削除についての詳しい説明は, DELETE BUFFER コマンドの説明を参照してください。
REPEAT integer
ユーザが指定した回数だけ次のコマンドまたはキーストロークを繰り返し,再入力不要にします。たとえば,矢印キー([↑],[↓],[→],[←]) やカーソル移動コマンドを繰り返したり,タイピング・キー ( ダッシュなど ) や編集操作 ( ERASE コマンドなど ) を繰り返すことができます。まだ終了していない繰り返しカウントを取り消すには, RESET コマンドを使用します。
別のREPEATコマンドをさらに繰り返すために, REPEAT コマンドを使用することはできません。同じ行で 2 つの REPEAT コマンドを使用した場合には, 2 番目のコマンドは最初のコマンドを無効にします。
EDT キーパッドまたは WPS キーパッドを使用している場合には,GOLD キーと数字キーの組み合わせを使用して繰り返しカウントを指定することができます。たとえば,カーソルを5行だけ下に移動する場合には,次の操作を実行できます。
- GOLD キー(通常は [ PF1 ])を押し,5 と入力します。
- [↓]キーを押します。
注意
REPEAT 操作を取り消すために [ Ctrl/C ] を使用することはできません。 [ Ctrl/C ] を押すと,操作は取り消されますが, [ Ctrl/C ] はジャーナル・ファイルに記録されず,システム障害によって編集セッションが異常終了したときに,作業結果を回復できなくなります。操作を取り消すために [ Ctrl/C ] を使用する場合には,編集セッションをただちに終了し,編集結果を保存し,その後,編集セッションを再起動してください。
integer
次の操作を繰り返す回数。1より大きい値でなければなりません。値を指定しなかった場合には,日本語 EVE は値を要求するプロンプトを表示します。プロンプトに対して [ Return ]または[ Do ]だけを押し,値を指定しなかった場合には,操作は取り消されます。
次の例は,ERASE WORDコマンドを 5 回繰り返します。つまり,現在の単語と次の 4 つの単語を消去します。
Command: REPEAT 5 次のコマンドを 5 回繰り返します Command: ERASE WORD
REPLACE {"old-string"["new-string"]}
{old-string[new-string]}
old-string
削除するテキスト。文字列が複数の単語で構成される場合には,文字列全体を引用符で囲むか,または日本語 EVE が文字列を要求するプロンプトを表示するようにします。大文字と小文字を区別せずに検索する場合には,すべて小文字を使用します。大文字と小文字を正確に区別して検索する場合には,大文字と小文字の組み合わせまたはすべて大文字を使用します。古い文字列を指定しなかった場合には,日本語 EVE は文字列を要求するプロンプトを表示します。プロンプトに対して [ Return ]または[ Do ]だけを押し,文字列を指定しなかった場合には,操作は取り消されます。new-string
古い文字列を置換するテキスト。文字列が複数の単語で構成される場合には,文字列全体を引用符で囲むか,または日本語 EVE が文字列を要求するプロンプトを表示するようにします。新しい文字列を指定しなかった場合,つまり,プロンプトに対して [ Return ] だけを押した場合には,REPLACE は古い文字列を単に削除し,新しい文字列を挿入しません。
1つのテキスト文字列を別のテキスト文字列と置き換えます。つまり日本語 EVEは,ユーザが指定した old string を検索し,それを new string に変更します。日本語 EVE は最初に現在の方向に古い文字列を検索し,必要に応じて,反対の方向にも検索します。古い文字列を反対方向に検索できる場合には,日本語 EVE は検索の方向を変更するかどうかを質問します。検索の方向を変更する場合には, [ Return ] を押します。検索の方向を変更しない場合には,NO と入力し, [ Return ] を押します。
古い文字列を検索できた場合には,日本語 EVE は文字列の先頭にカーソルを移動し,検索したテキストを強調表示し,次のいずれかを選択するように要求します。応答を入力する場合には,最初の文字だけを入力すれば十分です(最後に[ Return ] を押してください)。
応答 結果 YES 古い文字列のこの発生箇所を新しい文字列に変更し,次の発生箇所を検索する。これは省略時の設定である。この応答を選択する場合には, [ Return ] だけを押してもかまわない。 NO この発生箇所を置換せず,次の発生箇所を検索する。 ALL この発生箇所から順にすべての発生箇所を置換し,カーソルを各発生箇所に順に移動しない。 LAST この発生箇所を置換し,置換操作をここで停止する。 QUIT この発生箇所を置換せず,置換操作をここで停止する ( [ Ctrl/Z ]を押してもかまわない)。
YES または ALL を応答したときに,バッファ全体を2回以上検索している場合には,日本語 EVE は操作を継続するかどうかを質問します(古い文字列と新しい文字列が類似しているときに,文字列を再度置換するのを防止できます)。
操作が終了した場合には,日本語 EVE は実行した置換の回数を表示します。
REPLACE コマンドでは,大文字と小文字は区別されます。古い文字列がすべて小文字の場合には,日本語 EVE は大文字と小文字を区別せずにすべての発生箇所を検索します ( FIND コマンドと同じ )。新しい文字列もすべて小文字の場合には,日本語 EVE は次に示すように,各置換操作で大文字と小文字を適切に設定します。
- 古い文字列の1文字目が大文字であり,2文字目以降が小文字である場合には,新しい文字列も1文字目を大文字にし,2文字目以降を小文字にする。
- 古い文字列がすべて大文字である場合には,新しい文字列もすべて大文字に変換される。
- それ以外の場合には,新しい文字列はすべて小文字になる。
次の表は,日本語 EVE が文字列の大文字と小文字をどのように使用するかを示しています。
古い文字列 新しい文字列 対象となる文字列 置換後 butter margarine butter
Butter
BUTTER
BUtteRmargarine
Margarine
MARGARINE
margarineButter margarine Butter margarine butter Margarine butter
Butter
BUTTER
BUtteRMargarine
Margarine
Margarine
MargarineButter Margarine Butter Margarine
古い文字列は次の FINDのための検索文字列になります。したがって,butter を margarine に変更した後,FIND NEXT コマンドを実行すると,butter が検索されます。
次の例は,1つのテキスト文字列を別のテキスト文字列に置換する方法を示しています。複数の単語で構成される文字列の場合も示しています。
Command: REPLACE butter margarine 置き換えますか?(Yes, No, All, Last, Quit): A 8 個置き換えました
butter という単語のすべての発生箇所を margarine という単語に変更します。古い文字列はすべて小文字であるため,日本語 EVE は大文字と小文字を区別せずに,butter のすべての発生箇所を検索します。新しい文字列もすべて小文字であるため,日本語 EVE は置換するときに新しい文字列の大文字と小文字を適切に設定します。
Command: REPLACE computer VAX
computer を VAX に変更します。古い文字列はすべて小文字であるため,日本語 EVE はすべての発生箇所を検索しますが,新しい文字列は大文字であるため,新しい文字列はこのまま正確に挿入されます(この例では,すべて大文字で挿入されます)。
Command: REPLACE "Samuel L. Clemens" "Mark Twain"
フレーズ(複数の単語)を置換する場合には,文字列を引用符で囲むか,または日本語 EVE が文字列を要求するプロンプトを表示するようにします。古い文字列と新しい文字列には大文字が含まれているため,検索操作でも置換操作でも,大文字と小文字は正確に区別されます。
RESET
次のいずれかを取り消し,バッファの方向を順方向に設定します。
- 選択領域または検索領域の高輝度表示
- GOLD キー,または繰り返しカウントとしての GOLD キーと数字キーの組み合わせ (EDT キーパッドまたは WPS キーパッドの場合)
- 不完全なコマンド・ラインまたは再呼び出ししたコマンド・ライン,または曖昧なコマンドを入力したときの Choices バッファの表示
- SHOW コマンド,SHOW DEFAULTS BUFFER コマンド, SHOW SUMMARYコマンド,SHOW WILDCARDS コマンドからの表示 ( この場合は操作中のバッファに戻る )
RESETはターミナルの設定を変更したり,画面を再表示するわけではありません。画面を再表示する場合には, REFRESH コマンド([ Ctrl/W ])を使用します。
次の例では,テキストを選択し,RESETを使用することにより,選択を取り消しています。
Command: SELECT . . . Command: RESET SELECT をキャンセルします
RESTORE
ERASE コマンドまたはそれに類似した EDT キーパッドや WPS キーパッドのキーによって最後に消去した内容を現在の位置に再挿入します。これは最後に消去した内容に応じて,RESTORE LINE コマンド, RESTORE SENTENCE コマンド,RESTORE WORD コマンドを使用する操作と同じです。【操作方法】
- 消去した内容を再挿入する位置にカーソルを移動します。
- RESTOREコマンドを使用します。
バッファのモードが挿入モードの場合も,重ね書きモードの場合も,復元されたテキストは挿入されます。既存のテキストは左から右へ,または上から下に移動されます。復元されるテキストの量と現在の位置に応じて,テキストは右マージンより右に移動されたり,表示されなくなる可能性があります。必要に応じてテキストの書式を変更する場合には ( 再ラップ ), FILLコマンドを使用します。
次のコマンドは,1つの単語を消去し,それを再挿入します。
Command: ERASE WORD . . . Command: RESTORE
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