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この章では,OpenVMS Alpha V7.3 に添付されている Compaq OpenVMS e-Business Infrastructure Package に含まれる e-Business テクノロジについて説明します。このパッケージは,主要なインターネット e-Business ソフトウェア・テクノロジを提供し,基本の OpenVMS Alpha オペレーティング・システムの機能を強化します。これらのテクノロジのライセンスは,OpenVMS Alpha オペレーティング・システムに含まれています。
Compaq OpenVMS e-Business Infrastructure Package バージョン 1.1 には,次のソフトウェアおよびドキュメントが含まれています。
詳細については,e-Business パッケージに添付されている『Compaq OpenVMS e-Business Infrastructure Package Version 1.1 CD-ROM Booklet』と『Compaq OpenVMS e-Business Infrastructure Package Version 1.1 Software Product Description, 80.58.00』を参照してください。
OpenVMS e-Business テクノロジの最新の情報については,次の Web サイトを参照してください。
http://www.openvms.compaq.com/ebusiness/index.html |
ここでは,e-Business ソフトウェアについて簡単に説明し,詳細情報の参照先および Web サイトを示します。テクノロジについての説明,その他のソフトウェアの要件,ライセンス情報については,『Compaq OpenVMS e-Business Infrastructure Package SPD』を参照してください。e-Business CD-ROM で提供されるテクノロジは,OpenVMS Alpha バージョン 7.2-1 以上でテストされ,問題なく動作することが確認されています。
2.1 Compaq Secure Web Server for OpenVMS Alpha
Compaq Secure Web Server for OpenVMS Alpha (CSWS) は,Apache Software Foundation から提供されるポピュラーな Apache Web Server をベースにしています。 Compaq OpenVMS エンジニアリング部門は Apache Software Foundation (http://www.apache.org) から提供されるソース・コードをもとに,OpenSSL を mod_ssl (SSL のインプリメンテーションでは最も広く利用されているオープン・ソース・インプリメンテーション) と完全に統合しました。
この製品は,CSWS Web サイトからダウンロードすることもできます。アドレスは次のとおりです。
http://www.openvms.compaq.com/openvms/products/ips/apache/csws.html |
COM (Component Object Model) は,Microsoft が提供するテクノロジであり,開発者が分散ネットワーク・オブジェクトを作成できるようにするためのテクノロジです。Digital Equipment Corporation 社と Microsoft 社が COM 仕様を共同開発しました。e-Business CD-ROM に格納されている Compaq COM for OpenVMS キットでは,Compaq COM for OpenVMS のインストールと, COM アプリケーションの開発に必要なすべてのコードとドキュメントが提供されます。
2.3 Compaq Java 2 SDK,Standard Edition for OpenVMS Alpha
Java SDK (Software Development Kit) は,OpenVMS Alpha で Java アプリケーションを開発し,運用するための環境を提供します。 Java アプリケーションは,いったん作成しておくと,Java 実行時環境をインプリメントしているオペレーティング・システムであれば,どのシステムでも実行できます。この環境はおもに JVM (Java Virtual Machine) で構成されます。
Java 2 SDK,Standard Edition for OpenVMS Alpha キットは e-Business CD-ROM に格納されていますが,次の Web アドレスの Compaq Java ホーム・ページからダウンロードすることもできます。
http://www.compaq.com/java/download/index.html |
2.4 Compaq Fast VM (Fast Virtual Machine) for the Java 2 Platform
Compaq Fast VM for Java 2 は,OpenVMS Alpha システムで最適な Java 実行時パフォーマンスを提供できるように設計された新しい JIT (Just-In-Time) コンパイラ・テクノロジです。 Fast VM for Java 2 は,Compaq Java 2 SDK,Standard Edition で提供される Classic JIT よりはるかに優れたパフォーマンスを実現します。
Fast VM for OpenVMS Alpha キットは e-Business CD-ROM に格納されていますが,次の Web アドレスの Compaq Java ホーム・ページからダウンロードすることもできます。
http://www.compaq.com/java/download/index.html |
次のコンポーネントは,Apache Software Foundation から提供されるオープン・ソース・ソフトウェアを使用しており,e-Business CD-ROM で提供されます。
このテクノロジを利用すると,アプリケーションは XML (Extensible Markup Language) ドキュメントとデータの解析,生成,操作,検査,変換を行うことができます。
2.6 Attunity Connect "On Platform" Package
Attunity Connect はオブジェクト指向ミドルウェアであり,広範囲にわたるオペレーティング・システム・プラットフォーム間で複数の種類の異なるソースからのデータへのアクセス,統合,更新を行うアプリケーションの開発を容易にします。 Attunity Connect を使用すると,既存のデータとアプリケーションの寿命を延ばすことができ,膨大な IT 投資を保護できます。
Attunity Connect "On Platform" Package for OpenVMS Alpha は e-Business CD-ROM に格納されています。また,次の OpenVMS Web サイトからダウンロードすることもできます。
http://www.openvms.compaq.com/openvms/products/ips/attunity/ |
2.7 Compaq Enterprise Directory Services for e-Business
Compaq OpenVMS Enterprise Directory for e-Business は,業界標準の LDAPv3 と X.500 の両方の最高の機能を組み合わせたものであり,イントラネット,エクストラネット,インターネットを介して,顧客,納入業者,パートナに強力で拡張性のあるディレクトリ・サービスを提供します。 LDAP (Lightweight Directory Access Protocol) のサポートにより,多くの LDAP ベースのクライアント,ユーザ・エージェント,アプリケーションからのアクセスが可能になります。一方,X.500 のサポートにより,企業全体で高いパフォーマンス,回復機能,高度なアクセス制御,容易な複製機能を実現できるようになります。
詳細については,e-Business CD-ROM の Enterprise Directory Services ドキュメント・ディレクトリに格納されている『Compaq OpenVMS Enterprise Directory for e-Business Software Product Description (SPD 40.77.xx)』を参照してください。
2.8 Reliable Transaction Router (RTR)
RTR (Reliable Transaction Router) はフォールト・トレラント機能を備えたトランザクション・メッセージング・ミドルウェアであり,クライアント/サーバ・テクノロジを使用して大規模な分散アプリケーションを実現するために使用されます。 Reliable Transaction Router を使用すると,コンピューティング企業は OpenVMS Alpha および VAX システムで分散アプリケーションを運用できます。
詳細については,e-Business CD-ROM の『Reliable Transaction Router for OpenVMS Software Product Description (SPD 51.04.xx)』を参照するか,次のアドレスの RTR Web サイトをご覧ください。
http://www.compaq.com/rtr/ |
Compaq BridgeWorks は OpenVMS 3GL アプリケーションのための分散アプリケーション開発/導入ツールです。BridgeWorks は Windows NT デスクトップ上の GUI 開発ツール,OpenVMS 上のサーバ・マネージャ・コンポーネント,広範囲にわたるオンライン・ヘルプで構成されます。BridgeWorks を利用すると,開発者はエンタープライズ・サーバとして OpenVMS,部門サーバとして Windows NT を使用して,簡単に分散アプリケーションを開発できます。
Compaq BridgeWorks の詳細については,『Compaq OpenVMS e-Business Infrastructure Package Software Product Description』を参照してください。
この章では,Compaq OpenVMS オペレーティング・システムのすべてのユーザに関連する新機能について説明します。
3.1 DCL コマンドとレキシカル関数
ここでは,OpenVMS バージョン 7.3 で追加および変更された DCL コマンド,修飾子,レキシカル関数について説明します。次の表はこれらの変更の概略を示しています。
詳細については,『Compaq OpenVMS DCL ディクショナリ』を参照してください。
DCL コマンド | ドキュメントの更新 |
---|---|
ANALYZE/IMAGE | 新しい修飾子 /SELECT とその例が追加された。 |
ANALYZE/OBJECT | 新しい修飾子 /SELECT とその例が追加された。 |
ANALYZE/PROCESS | 新しい修飾子 /[NO]IMAGE_PATH とその例が追加された。 |
DELETE | Write Bitmap をサポートするために,新しい修飾子 /BITMAP が追加された。 |
DELETE/INTRUSION | クラスタ単位の侵入検出機能をサポートするために,新しい修飾子 /NODE とその例が追加された。 |
DIRECTORY | Extended File Cache (XFC) をサポートするために,新しい修飾子 /CACHING_ATTRIBUTE が追加された。 |
DISMOUNT | Write Bitmap をサポートするために,新しい修飾子 /POLICY が追加された。
Volume Shadowing をサポートするために,新しい修飾子 /FORCE_REMOVAL が追加された。 |
DUMP | 新しい修飾子 /PROCESS が追加された。 |
INITIALIZE | Extended File Cache (XFC) に関する情報を盛り込むために, INITIALIZE の説明が更新された。
Volume Shadowing をサポートするために,新しい修飾子 /SHADOW が追加された。 |
MOUNT | MOUNT コマンドの説明が『Compaq OpenVMS システム管理ユーティリティ・リファレンス・マニュアル』から『Compaq OpenVMS DCL ディクショナリ』に移動された。
Extended File Cache (XFC) に関する情報を盛り込むために, MOUNT の説明が更新された。 Write Bitmap をサポートするために,新しい修飾子 /POLICY が追加された。 |
SET AUDIT | 新しいキーワード SERVER が LOGFAILURE,LOGIN,LOGOUT キーワードの下に追加された。
新しい説明文が /NEW_LOG 修飾子に追加された。 |
SET CACHE/RESET | Extended File Cache (XFC) をサポートするために,この新しい DCL コマンドが追加された。 |
SET DEVICE | Volume Shadowing をサポートするために, /FORCE_REMOVAL,/MEMBER_TIMEOUT,/MVTIMEOUT, /READ_COST,/SITE,/COPY_SOURCE,/ABORT_VIRTUAL_UNIT 修飾子が追加された。 |
SET DISPLAY | このコマンドに論理名 DECW$SETDISPLAY_DEFAULT_TRANSPORT が追加された。 |
SET FILE | 2 つの新しい修飾子 /SHARE と /CACHING_ATTRIBUTE が追加された。/CACHING_ATTRIBUTE 修飾子は Extended File Cache (XFC) をサポートする。 |
SET PROCESS | 他のプロセスを含むように,/[NO]DUMP 修飾子の機能が拡張された。別のプロセスの即時ダンプを直ちに開始するために, /DUMP 修飾子に新しいオプション NOW が追加された。 |
SET RMS_DEFAULT | 2 つの新しい修飾子 /CONTENTION_POLICY と /QUERY_LOCK が追加され,例が更新された。 |
SET SERVER | 新しい修飾子と例も含めて,Registry のサポートに関する説明が追加された。 |
SET VOLUME | Extended File Cache (XFC) をサポートするために,新しい修飾子 /[NO]WRITETHROUGH が追加された。
/HIGHWATER 修飾子は Files-11 On-Disk Structure Level 5 ディスクに対して使用できる。 |
SHOW CPU | 新しい修飾子 /EXACT,/HIGHLIGHT,/OUTPUT,/PAGE, /SEARCH,/WRAP が追加された。 |
SHOW DEVICES | Write Bitmap をサポートするために,新しい修飾子 /BITMAP とその例が追加された。
/FULL 修飾子は Fibre Channel テープ・デバイスの WWID (ワールドワイド識別子) を表示するようになった。 |
SHOW INTRUSION | クラスタ単位の侵入検出機能をサポートするために,新しい修飾子 /NODE とその例が追加された。 |
SHOW LICENSE | /UNIT_REQUIREMENTS 修飾子の同意語として,修飾子 /CHARGE_TABLE が追加された。 |
SHOW MEMORY | Extended File Cache (XFC) をサポートするために,/CACHE 修飾子と例が更新された。
大きなページ・ファイルをサポートするために,/FILES 修飾子および /FULL 修飾子と例が更新された。 |
SHOW RMS_DEFAULT | 例が更新された。 |
SHOW SERVER | Registry をサポートするために,このコマンドが追加された。 |
UNLOCK | このコマンドはサポートされなくなった。今後はこのコマンドの代わりに SET FILE/UNLOCK コマンドを使用する。 |
3.2 ユーティリティ・ルーチンに関する新しいオンライン・ヘルプ・トピック
バージョン 7.3 では,次のルーチンも含めて,『OpenVMS Utility Routines Manual』に説明されているすべての OpenVMS ユーティリティ・ルーチンがオンライン・ヘルプで提供されるようになりました。
ACL_Editor
BACKUP_API
CLI_Routines
CONV$_Routines
CQUAL_Routines
DCX_Routines
DECTPU
EDT_Routines
FDL_Routines
LBR_Routines
LDAP_Routines
LGI_Routines
MAIL_Routines
NCS_Routines
PSM_Routines
SMB_Routines
SOR_Routines
OpenVMS バージョン 7.3 では,次に示すように,複数のオンライン・ヘルプ・トピックの名前が変更されました。
旧トピック名 | 新トピック名 |
---|---|
BACKUP | BACKUP_Command |
FDL | FDL_Files |
MAIL_Command | |
NCS | NCS_Command |
MIME (Multipurpose Internet Mail Extension) ユーティリティに次の新しいコマンドと修飾子が追加されました。
コマンド | 説明 |
---|---|
ADD/BINARY | Content-Type を application/octet-stream に設定し, Content-Transfer-Encoding を Base64 に設定する。この形式を使用すると,任意のバイナリ・データ・ストリームを表現できる。 |
SHOW option | MIME 環境に関する情報を表示する。指定できるオプションは CONTENT_TYPE,FILE_TYPES,VERSION である。 |
MIME ユーティリティのコマンドおよび修飾子の詳細については, OpenVMS User's Manual を参照してください。
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