Compq OpenVMS
システム管理ユーティリティ・リファレンス・マニュアル


前へ 次へ 目次 索引


RESERVED_MEMORY MODIFY (Alpha のみ)

Alphaシステムにおいて,Reserved Memory Registryデータ・ファイルの既存のエントリの変更を許可します。

形式

RESERVED_MEMORY MODIFY gs_name


パラメータ

gs_name

削除するエントリに関連付けられたメモリ常駐グローバル・セクションの名前です。この名前は必ず指定する必要があります。

修飾子

/ALLOCATE

/NOALLOCATE (省略時の設定)

システムを次に再ブートするときに,コマンド・ラインに指定されたように連続的なアラインされたページを割り当てます (省略時の設定は,既存のReserved Memory Registry エントリから設定されます)。割り当てられるメモリはシステムの流動ページ・カウントから引き算されます。また,メモリ常駐グローバル・セクションが作成されることにより,割り当てオプションが使用されます。ページの物理的なアラインメントは,予約されるメモリのサイズに応じて,ページの対応付けに使用できる最大粒度ヒント係数に基づいて決定されます。

粒度ヒント係数としては,512ページ(4MB)と64ページ(512KB)があります。したがって,システム・ページ・サイズを8KBとすると,予約されるメモリは次のように物理的にアラインされます。

/NOALLOCATE は暗黙に /NOZERO を意味します。これは /ZERO は /NOALLOCATE と互換性がないからです。

/NOALLOCATE を指定した場合,または /ALLOCATE を指定しなかった場合には,システムの次の再ブートの際に予約済みメモリは割り当てられません。予約済みメモリはシステムの流動ページ・カウントから引き算されるだけで,メモリ常駐グローバル・セクションの作成によりフォルト・オプションが使用されます。

/GLOBAL_SECTION (省略時の値)

/NOGLOBAL_SECTION

/NOGLOBAL_SECTION は,メモリ修飾子がグループまたはシステム・グローバル・セクション用ではなく特権アプリケーション用であることを表しています (/GLOBAL_SECTION は,メモリ修飾子がグループまたはシステム・グローバル・セクション用であることを表しています )。 /NOGLOBAL_SECTION 修飾子は /GROUP, /SYSGBL, /PAGE_TABLES と同時に指定することはできません。

AUTOGEN は,GETDATAフェーズで Reserved Memory Registry データ・ファイルを処理します。すべてのエントリのサイズは,使用可能な物理メモリ容量に依存するシステム・パラメータを算出する際に計算に入れられます。

予約サイズは, /NOGLOBAL_SECTIONと指定しない限りグローバル・ページ・テーブルの初期サイズを算出する際にも使用されます。

/GROUP=n

予約済みメモリがグループ・グローバル・セクションのためのメモリであることを指定します。値n は,グループ・グローバル・セクションを作成するプロセスのUICグループ番号(8進)を指定します。グローバル・セクションへのアクセスは,作成者のUICグループ番号に属するプロセスだけが行えます。たとえば,UICが[6,100]のプロセスがグループ・グローバル・セクションの作成者である場合,/GROUP修飾子のグループ番号は6になります。

/GROUP 修飾子は,/SYSGBL,/NOGROBAL_SECTION 修飾子とともに指定することはできません。

/PAGE_TABLES (省略時の設定)

/NOPAGE_TABLES

コマンド・ラインに指定したように共用ページ・テーブル用に追加のメモリを予約します (省略時の設定は,既存のReserved Memory Registry エントリから設定されます)。メモリ常駐グローバル・セクションが作成されると,グローバル・セクションのための共用ページ・テーブルが作成されます。 /ALLOCATE を指定しない場合(または /NOALLOCATE を指定する場合),追加の予約済みメモリはシステムの流動ページ・カウントから引き算されるだけです。/ALLOCATE を指定すると,システムの次の再ブートの際に共用ページ・テーブルのために追加の連続的なアラインされたページが割り当てられ,追加の予約済みメモリはシステムの流動ページ・カウントから引き算されます。

/PAGE_TABLES を指定しなかった場合,または /NOPAGE_TABLES を指定した場合は,共用ページ・テーブルのための追加のメモリは予約されません。メモリ常駐グローバル・セクションが作成されるときも,グローバル・セクションのための共用ページ・テーブルは作成されません。

予約が /NOGLOBAL_SECTION 属性をもっている場合, /PAGE_TABLES 修飾子を指定することはできません。

/SIZE=[予約済みメモリのサイズ。単位: MB]

システムの初期化の際に VMS$RESERVED_MEMORY.DATAデータ・ファイルが読み込まれるときに,このメモリ常駐グローバル・セクションのためにシステムの流動ページ・カウントから引き算されるメガバイト数を指定します。 /SIZE の省略時の設定は,既存のReserved Memory Registry エントリから設定されます。

/SYSGBL

予約はグローバル・メモリ常駐セクション用であることを示します。

/GROUP 修飾子と /NOGROBAL_SECTION 修飾子は同時に指定できません。この修飾子は,/GROUP または /NOGLOBAL_SECTION 修飾子を指定しない限り省略時の設定です。

/ZERO

/NOZERO (省略時の設定)

/ZERO修飾子は /ALLOCATE修飾子を暗黙に指定しています。 /ZERO を指定すると,システムの初期化の際に,事前に割り当てられるページはゼロにされます。メモリ常駐グローバル・セクションでは,ゼロにされたページが必要です。ただし,必ずシステムの初期化の際にページをゼロにしなければならないというわけではありません。省略時の設定は既存の Reserved Memory Registry エントリから設定されます。

/NOALLOCATE 修飾子は /NOZERO 修飾子を暗黙に指定します。これは /ZERO 修飾子は /NOALLOCATE 修飾子と互換性がないからです。 /ZERO を指定しなかった場合,または /NOZERO を指定した場合は,システムの初期化の際に,事前に割り当てられるページはゼロにされません。これらのページは,グローバル・セクションの作成時にゼロにされます。


説明

変更されるReserved Memory Registry エントリは,次の項目の組み合せです。
gs_name
/[NO]GLOBAL_SECTION
/GROUP=n
/SYSGBL

これらの修飾子の値は, RESERVED_MEMORY ADD コマンド用の値と同じです。


#1

SYSMAN>  RESERVED_MEMORY MODIFY 
X234567890123456789012345678901/SIZ=2/ZERO
$ TYPE SYS$SYSTEM:VMS$RESERVED_MEMORY.DATA

! VMS$RESERVED_MEMORY.DATA 
! Do NOT edit this file 
! Modify with SYSMAN RESERVED_MEMORY commands 
! A = /ALLOCATE, Z = /ZERO, P = /PAGE_TABLES, VERSION = 1 
! SIZE (MB) RESERVATION NAME                            GROUP  A Z P 
1          X23456789012345678901234567890               1      0 0 1 
2          X234567890123456789012345678901              SYSGBL 1 1 1 
1          X2345678901234567890123456789012             NOGBL  0 0 0 

SYSMAN> EXIT $

この例のコマンドは,割り当て用の2MBのメモリを予約し,ブート時にゼロにクリアするようにエントリを変更します。

RESERVED_MEMORY REMOVE (Alpha のみ)

実行中のAlphaシステムにおいて,予約済みメモリ・エントリを削除します。このコマンドは実行中のシステムのメモリ割り当てには影響を与えません。 Reserved Memory Registry エントリから連続したページ・フレーム番号 (PFN: Page Frame Number) のブロックを削除するために RESERVED_MEMORY REMOVE 修飾子を使用することもできます。

Reserved Memory Registryの詳細については,『OpenVMS Alpha 64 ビット・アドレッシングおよび VLM 機能説明書』を参照してください。


形式

RESERVED_MEMORY REMOVE gs_name


パラメータ

gs_name

実行中のシステム内の,削除されるエントリに関連付けられたメモリ常駐グローバル・セクションの名前です。必ず指定する必要があります。

指定されたメモリ常駐グローバル・セクション用のページ・テーブルが既に予約されている場合,追加された予約メモリも削除されます。


修飾子

/GLOBAL_SECTION (省略時の設定)

/NOGLOBAL_SECTION

/NOGLOBAL_SECTION は,メモリ修飾子がグループまたはシステム・グローバル・セクション用ではなく特権アプリケーション用であることを表しています (/GLOBAL_SECTION は,メモリ修飾子がグループまたはシステム・グローバル・セクション用であることを表しています )。 /NOGLOBAL_SECTION 修飾子は /GROUP, /SYSGBL, /PAGE_TABLES と同時に指定することはできません。

AUTOGEN は,GETDATAフェーズで Reserved Memory Registry データ・ファイルを処理します。すべてのエントリのサイズは,使用可能な物理メモリ容量に依存するシステム・パラメータを算出する際に計算に入れられます。

予約サイズは, /NOGLOBAL_SECTIONと指定しない限りグローバル・ページ・テーブルの初期サイズを算出する際にも使用されます。

/GROUP=n

メモリ常駐グローバル・セクションがグループ・グローバル・セクションである場合は, /GROUPを指定する必要があります。メモリ常駐グローバル・セクションがシステム・グローバル・セクションである場合は, /GROUPを指定してはなりません。値 n は,解放するメモリ常駐グローバル・セクションに関連付けられた UICグループ番号(8進)です。 /GROUP 修飾子は /SYSGBL, /NOGLOBAL_SECTION と同時に指定することはできません。

/SYSGBL

予約は,システム・グローバル・メモリ常駐セクション用であると指定します。

/SYSGBL 修飾子は /GROUP,/NOGLOBAL_SECTION と同時に指定することはできません。


#1

SYSMAN> RESERVED_MEMORY ADD DFW$GS1/SIZE=1
SYSMAN> RESERVED_MEMORY REMOVE DFW$GS1

1行目のコマンドは DFW$GS1を追加しています。2行目のコマンドはこれを削除しています。

RESERVED_MEMORY SHOW (Alpha のみ)

実行中のAlphaシステムにおいて,予約済みのメモリを表示します。表示には,指定されたグローバル・セクションによってどれほどの量のメモリが現在予約されているかの情報も含まれています。また,ページ・テーブルが存在している場合ページ・テーブルが現在が予約しているメモリ,および連続するページ・フレーム番号(PFN)のブロックも含んでいます。

Reserved Memory Registryの詳細については,『OpenVMS Alpha 64 ビット・アドレッシングおよび VLM 機能説明書』を参照してください。


形式

RESERVED_MEMORY SHOW gs_name


パラメータ

gs_name

実行中のシステムで表示されるエントリに関連付けられたメモリ常駐グローバル・セクションの名前。gs_name を指定しないと,システムは登録されたすべてのグローバル・セクション用に予約されたメモリを表示します。

修飾子

/GLOBAL_SECTION (省略時の設定)

/NOGLOBAL_SECTION

/NOGLOBAL_SECTION は,メモリ修飾子がグループまたはシステム・グローバル・セクション用ではなく特権アプリケーション用であることを表しています (/GLOBAL_SECTION は,メモリ修飾子がグループまたはシステム・グローバル・セクション用であることを表しています )。 /NOGLOBAL_SECTION 修飾子は /GROUP, /SYSGBL, /PAGE_TABLES と同時に指定することはできません。

AUTOGEN は,GETDATAフェーズで Reserved Memory Registry データ・ファイルを処理します。すべてのエントリのサイズは,使用可能な物理メモリ容量に依存するシステム・パラメータを算出する際に計算に入れられます。

予約サイズは, /NOGLOBAL_SECTIONと指定しない限りグローバル・ページ・テーブルの初期サイズを算出する際にも使用されます。

/GROUP=n

メモリ常駐グローバル・セクションがグループ・グローバル・セクションである場合は, /GROUPを指定する必要があります。メモリ常駐グローバル・セクションがシステム・グローバル・セクションである場合は, /GROUPを指定してはなりません。値 n は,表示するメモリ常駐グローバル・セクションに関連付けられた UICグループ番号(8進)です。/GROUP 修飾子は gs_nameを指定する場合だけ使用できます。 /GROUP 修飾子は /SYSGBL, /NOGLOBAL_SECTION と同時に指定することはできません。

/SYSGBL

予約は,システム・グローバル・メモリ常駐セクション用であると指定します。

/SYSGBL 修飾子は /GROUP,/NOGLOBAL_SECTION と同時に指定することはできません。


#1

SYSMAN> RESERVED_MEMORY SHOW
%SYSMAN-I-OUTPUT, command execution on node PIPER 
Name                     Pages  In Use Group    PTs  Alloced Zeroed 
DFW$GS_3                  384        0 SYSGBL    No  No      No 
DFW$GS_2                  256        0 SYSGBL    No Yes     Yes 
DFW$GS_1                  128        0 00000100  No  No      No 
DFW$GS_3                    1        0 SYSGBL   Yes  No      No 
DFW$GS_2                    1        0 SYSGBL   Yes Yes      No
 

この例のコマンドは,実行中のシステムのメモリ予約状況を表示します。

SET ENVIRONMENT

SET ENVIRONMENT 以降のコマンドを適用するノードまたはクラスタを指定します。

ターゲット環境内のすべてのノードに対し,OPER 特権または SETPRV 特権が必要です。


形式

SET ENVIRONMENT


パラメータ

なし

修飾子

/CLUSTER

SET ENVIRONMENT 以降のすべてのコマンドを,クラスタ内のすべてのノードに適用することを指定します。省略時の設定では,管理環境がローカル・クラスタです。ローカル以外のクラスタを指定するには,/NODE 修飾子でクラスタ・メンバを指定します。

/NODE=(ノード1,ノード2,...)

SET ENVIRONMENT 以降のコマンドを指定 DECnet ノードで実行することを指定します。 /CLUSTER 修飾子を付けて指定すると,指定 DECnet ノードをメンバとするクラスタとして環境が設定されます。ノード名には,システム名,クラスタの別名,論理名を使用することができます。ただし,論理名でコマンド環境を定義する場合は,あらかじめ,論理名テーブル SYSMAN$NODE_TABLE を設定する必要があります。 SYSMAN 論理名テーブルの指定の詳細については,『Compaq OpenVMS システム管理者マニュアル』を参照してください。

/USERNAME=ユーザ名

別のノードにおけるアクセス制御に使用するユーザ名を指定します。この修飾子には,/CLUSTER 修飾子または /NODE 修飾子を付ける必要があります。ユーザ名を指定しない場合,現在のユーザ名が使用されます。新しいユーザ名を指定すると,パスワードの入力を指示するプロンプトが出力されます。

注意

指定するアカウントには第 1 パスワードだけを割り当てなければなりません。第 2 パスワードが割り当てられたアカウントはサポートされません。


説明

SET ENVIRONMENT コマンドは,このコマンドの後で実行するコマンドのターゲット・ノードまたはターゲット・クラスタを定義します。始動時,SYSMAN を実行しているローカル・ノードがシステム管理環境です。クラスタ内の他のノード,クラスタ全体, DECnet を通して利用できるノードやクラスタのいずれかに,環境を変更することができます。

OpenVMS Cluster環境は,/CLUSTER 修飾子で指定します。ローカル以外のクラスタを指定する場合は,/NODE 修飾子でクラスタを指定します。

環境にVAXノードとAlphaノードの両方が接続されている場合には,環境として各プラットフォームを管理するための論理名の作成について,DOコマンドの説明を参照してください。

SHOW ENVIRONMENT コマンドを実行すれば,現在の環境を表示できます。現在の環境における特権と省略時の値を調整するには,SET PROFILE コマンドを使用します。

環境は,SYSMAN を終了するまで,または SET ENVIRONMENT コマンドで別のコマンド・コンテキストを設定するまでの間存在し続けます。


#1

SYSMAN> SET ENVIRONMENT/CLUSTER
%SYSMAN-I-ENV, Current command environment:
        Clusterwide on local cluster
        Username ALEXIS    will be used on nonlocal nodes
 

この例は,コマンド環境をローカル・クラスタとして定義しています。新しい環境は,SYSMAN によって確認されます。

#2

SYSMAN> SET ENVIRONMENT/NODE=NODE21/CLUSTER
Remote Password: 
 
%SYSMAN-I-ENV, Current command environment:
        Clusterwide on remote node NODE21
        Username ALEXIS    will be used on nonlocal nodes
 

このコマンドは,NODE21 が属するクラスタに,管理環境を設定しています。非ローカル環境であるため,パスワード入力を指示するプロンプトが出力されています。

#3

SYSMAN> SET ENVIRONMENT/NODE=(NODE21,NODE223,NODE23)
%SYSMAN-I-ENV, Current command environment:
        Individual nodes: NODE21,NODE22,NODE23
        Username ALEXIS   will be used on nonlocal nodes
 

このコマンドは,3 つのノードを,管理環境として定義しています。

#4

$ CREATE/NAME_TABLE/PARENT=LNM$SYSTEM_DIRECTORY -
_$ SYSMAN$NODE_TABLE
$ DEFINE LAVCS SYS1,SYS2,SYS3,SYS4/TABLE=SYSMAN$NODE_TABLE
$ RUN SYS$SYSTEM:SYSMAN
SYSMAN> SET ENVIRONMENT/NODE=(LAVCS)
%SYSMAN-I-ENV, Current command environment:
        Individual nodes: SYS1,SYS2,SYS3,SYS4
        Username ALEXIS   will be used on nonlocal nodes
 

この例でコマンドは,SYSMAN$NODE_TABLE という論理名テーブルを設定し,論理名 LAVCS を定義し,この論理名でコマンド環境を定義しています。


前へ 次へ 目次 索引