日本語Compaq DECprint Supervisor for OpenVMS
ユーザーズ・ガイド


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第 19 章
プリンタ固有の情報

この章では,特定のプリンタで DCPS を使用する場合の,一般的なユーザ情報を提供します。プリンタ固有の情報についての詳細は,『日本語 DECprint Supervisor for OpenVMS システム・マネージャーズ・ガイド』および『日本語 DECprint Supervisor for OpenVMS リリース・ノート』を参照してください。

19.1 DIGITAL Colorwriter LSR 2000+ プリンタ

DIGITAL Colorwriter LSR 2000+ プリンタは, DIGITAL Colorwriter LSR 2000 のアップグレード機種です。 DCPS ドキュメントの DIGITAL Colorwriter LSR 2000 についての記述は, DIGITAL Colorwriter LSR 2000+ プリンタについても適用されます。

19.1.1 装着されていない用紙サイズへの印刷要求

プリンタでサポートされていても,現在給紙トレイに装着されていない用紙サイズを指定した場合,プリンタは指定した用紙サイズを装着するよう要求します。別のプリンタの場合は,SIZNOTAVL エラーを表示して要求を拒否します。

19.1.2 INPUT_TRAY および PAGE_SIZE あるいは SHEET_SIZE パラメータ

Colorwriter LSR 2000 プリンタの制限により, DCPS では用紙サイズと給紙トレイの両方を指定することはできません。両方を指定しようとした場合,NOSHEETANDTRAY エラーが表示されます。いずれか一方だけであれば指定することができます。

19.1.3 ANSI トランスレータの 64 行出力の制限

Colorwriter LSR 2000 プリンタの上部マージンの最小値は 0.5 インチです。このため,A4 サイズの用紙に省略時のフォント・サイズで表示する場合に必要な 66 行よりも短い行に印刷領域を制限します。各ページの先頭行が印刷領域からはずれることを避けるために, ANSI トランスレータは通常の出力を 64 行に制限します。

(NUMBER_UP=1) あるいは (LAYUP=COLORWRITER-2000-FULL-PAGE)パラメータを指定することにより,66 行を出力することができます。これらのパラメータにより,DCPS はイメージを縮小して印刷領域に収まるようにします。

19.2 DIGITAL DECcolorwriter 1000 プリンタ

19.2.1 プリンタ固有のセットアップ・モジュール

次の表に示すセットアップ・モジュールを使用することにより,各種プリンタの属性をユーザのプリント・ジョブ用に変更することができます。

セットアップ・モジュール 説明
DCW1000_STANDARD 300 x 300 dpi,2 ppm の最速印刷
DCW1000_ENHANCED 300 x 300 dpi,ディザ拡張,1.5 ppm
DCW1000_HIGHRES 300 x 600 dpi,ディザ拡張,1 ppm
DCW1000_VIVDBLUE 紫よりも青
DCW1000_DISPLAY 写真輝度,モニタ表示のシミュレーション
DCW1000_SIMPRESS 新聞印刷シミュレーション
DCW1000_NOCORECT 色補正なし,省略時の設定

たとえば,次のコマンドでは,300 x 600 DPI で鮮明な青色を印刷します。


$ PRINT /NOTIFY /SETUP=(DCW1000_VIVDBLUE,DCW1000_HIGRES) filename

19.3 DIGITAL DEClaser 1152 プリンタ

19.3.1 AppleTalk 使用時のジョブ削除後のプリンタのハング

DEClaser 1152 プリンタに印刷中のジョブを削除した場合に,次のすべての条件が存在すると,その次のジョブがハングします。

次のジョブは印刷されず,"Printing" 状態でキューに残り,キューは "Stalled" 状態となります。この問題は,プリンタが AppleTalk 接続がレディ状態となる前に AppleTalk 接続を受け付けたためです。ハングしたジョブは一度削除した後に,再度登録しなければなりません。ジョブを削除するために,最大 90 秒かかります。

19.4 DIGITAL DEClaser 3500 プリンタ

19.4.1 プリンタ固有のセットアップ・モジュール

この項で説明されるモジュールは,DEClaser 3500 プリンタのみに適用されます。これらのモジュールは,解像度を拡張したり,トナー節約モードを有効にしたり, DECimage-Lite イメージ拡張技術のバージョンをプリンタにダウンロードするものです。

19.4.1.1 解像度の拡張用のセットアップ・モジュール

解像度の拡張用のセットアップ・モジュールは,テキストおよびグラフィックスの両方についてスムージング処理を行います。スムージングのレベルは,DARK セットアップ・モジュールで増加させ, LIGHT セットアップ・モジュールで減少させます。 DARK 設定は細い線をやや太くしますが,望ましいものでない可能性があります。プリンタの工場出荷時の設定は,medium です。

19.4.1.2 トナー節約モード用のセットアップ・モジュール

トナー節約モード用のセットアップ・モジュール DL3500_TSAVER は,すべての文字をアウトラインで印刷し,同様にグラフィックスの暗い部分もアウトラインで印刷します。この機能は文書のドラフトの印刷に有用であり,ページの解像度を medium とします。

19.4.1.3 DECimage-Lite 用のセットアップ・モジュール

DECimage-Lite 用のセットアップ・モジュールは,次の 5つの異なるコントラスト (パンチ) を提供します。

DL3500_DI_HC コントラストを 20% だけ増加させます
DL3500_DI_LC コントラストを 20% だけ減少させます
DL3500_DI_BRIGHTER 輝度を 10% だけ増加させます
DL3500_DI_DARKER 輝度を 10% だけ減少させます
DL3500_DI_FLAT グレイ・レベルの調整なしで,特別なハーフトーンを適用します。

注意:

19.4.1.4 セットアップ・モジュールの使用例

次の例は,特定のプリント・ジョブに対して暗さを強調するものです。


$  PRINT /SETUP=(DL3500_RET_DARK) filename

19.4.2 FAX オプションの使用

[SYSHLP.EXAMPLES.DCPS] にあるファイルの例を使用することにより, DEClaser 3500 プリンタで FAX メッセージを送信することができます。また,これらのファイルをドライバ開発者およびエンド・ユーザに自由に配布することも可能です。これらのファイルは,DEClaser 3500 を FAX 送信機として使用するアプリケーションを持たない OpenVMS,UNIX,DOS の各オペレーティング・システム上でも使用することができます。 Microsoft Windows 3.1 および Macintosh システムについては, FAX 送信用のドライバが利用可能であり,上記のファイルの代わりにそのドライバを使用しなければなりません。

DEClaser 3500 プリンタから FAX 送信する実際の PostScript ファイルあるいはテキスト・ファイルの前にこれらのヘッダ・ファイルを送信し,各アプリケーションに応じてヘッダ・ファイルを変更するようにします。各ファイルには多くのコメント行が含まれており,それらのファイルの編集法および使用法についての情報を含んでいます。さらに,[SYSHLP.EXAMPLES.DCPS]FAX_3500_PRINTME.PS ファイルは,ヘッダ・ファイルの使用法を説明しています。

DEClaser 3500のファックス・オプションを使用すると,すでにサポートされているPostScriptおよびテキスト・ファイルだけでなく ANSI 文書をファックス送信することができます。印字可能なASCII文字列だけで構成された文書は, SYS$COMMON:[SYSHLP.EXAMPLES.DCPS]FAX_3500_PRINTME.PSに記述されている命令に従うテキスト・ファイルとして送信することができます。あるいは,次に説明するANSI文書として送信することができます。タブ,改行,その他の制御文字,ANSIエスケープ・シーケンスを含む文書は,次に示す命令を使用して送信しなければなりません。

ANSI文書をファックス送信するには,最初にOpenVMS特権ユーザがファックス受信者に関する情報を含むファックス設定モジュールを作成する必要があります。設定モジュールが作成されると, PRINT/SETUPコマンドを使用してANSI文書を受信者に送信することができます。

  1. 特定の受信者のファックス情報を含むファックス設定ファイルを作成します。ファックスをCCITT標準ファックス・マシンに送信するのか, DEClaser 3500などのPostScriptファックス・デバイスに送信するかに応じて, SYS$COMMON:[SYSHLP.EXAMPLES.DCPS]DL3500_SEND_FAX_PS.PSあるいは DL3500_SEND_FAX_PS_SENDPS.PSをテンプレートとして使用します。

  2. ユーザ独自の PostScript 装置制御ライブラリがない場合は,システム管理者に作成を依頼してください。


    $ LIBRARY /CREATE /TEXT SYS$COMMON:[SYSLIB]library_name
    


    ここで library_name は,ライブラリとして選択する名前です。

  3. システム管理者は,DCPS_LIB論理名が DCPS装置制御ライブラリ (DCPS$DEVCTL) およびユーザ独自の装置制御ライブラリの両方を示していることを確認しなければなりません。詳細については,『日本語DECprint Supervisor for OpenVMSシステム・マネージャーズ・ガイド』およびSYS$STARTUP:DCPS$STARTUP.COMコマンド・プロシージャのコメント行を参照してください。
    DCPS_LIBの定義を変更した場合,ファックス送信に使用しているDCPSキューを一度停止した後に,再度起動する必要があります。

  4. 続いて,システム管理者はファックス設定ファイルからファックス設定モジュールを作成します。


    $ LIBRARY /INSERT /TEXT -
    _$ SYS$COMMON:[SYSLIB]library_name fax_settings_file
    


    ここで,fax_settings_file はファックス情報を含むファイルです。

以上の設定が完了すると,次のコマンドを使用してANSI文書をファックス送信することができます。


$ PRINT /PARAMETERS=DATA_TYPE=ANSI -
_$ /SETUP=fax_settings_module fax_file

ここで,fax_settings_module はシステム管理者が作成した設定モジュールで, fax_file はファックス送信しようとしている ANSI文書です。

19.5 DIGITAL DEClaser 5100 プリンタ

19.5.1 プリンタ固有のセットアップ・モジュール

次のページ保護セットアップ・モジュールは,出力されるページのビットマップを調整します。

表 19-1 DEClaser 5100 プリンタ・ページ保護セットアップ・モジュール
セットアップ・モジュール 説明
DL5100_PAGEPROT_ON フル・ページ・ビットマップ
DL5100_PAGEPROT_OFF 部分ページ・ビットマップおよびバンディング

フル・ページ・ビットマップの使用はページ保護と呼び,この場合には,ページが印刷できないほど複雑になる可能性はほとんどありません。しかし,メモリ容量が少ない場合には,要求された解像度を実現できない可能性があります。

ページ保護設定は解像度設定より優先順位が高くなります。メモリ容量の不足により 2つのグループで矛盾が発生する場合には,要求されたぺージ保護モードの方が優先されます。これらのモジュールを使用する場合に, PRINTコマンド・ラインに /NOTIFYスイッチを追加すると,プリンタから通知されるメッセージを見ることができます。モジュールは次のとおりである。

これらのモジュールをPRINTコマンド・ラインに指定する順序に,特に制限はありません。

注意

要求を満足するのに必要なメモリ容量がプリンタに不足しており,ジョブを印刷するためにパラメータを変更した場合には,そのことを示すメッセージが出力されます。また,変更されたパラメータもメッセージに示されます。次の例はこのメッセージを示しています。データはそれぞれの状況に応じて異なります。


 %%[ ConfigInfo: Insufficient printer resources. 
 Resolution set to [300 300] - Page-Protection ON ]%% 
 

次は,600 DPI で印刷し,ページ保護を有効とする例です。


$ PRINT /NOTIFY /SETUP=(DL5100_PAGEPROT_ON,RES_600X600) filename

19.5.2 LocalTalk ポート上の PCL ジョブのエラー

LocalTalk ポートを経由してネイティブ PCL インタプリタを使用した PCL ファイルを印刷する場合, PCL ジョブの最後で次のエラーが発生する可能性があります。


%DCPS-W-UNDEF, undefined: Name not known - offending command 
               is <1B>E<1B> 
 
%DCPS-E-FLUSHING, Rest of Job (to EOJ) will be ignored 

ファイル全体は印刷されますが,プリンタがハングしている可能性があります。フロント・パネルに PS Localtalkと表示している場合は,ハングしていることを示します。通常の操作に復帰するには,プリンタのフロント・パネルの Resetを押してください。

19.6 DIGITAL Laser Printer LN15+

DIGITAL Laser Printer LN15+ プリンタは, DIGITAL Laser Printer LN15 のアップグレード機種です。 DCPS ドキュメントの DIGITAL Laser Printer LN15 についての記述は, DIGITAL Laser Printer LN15+ についても適用されます。

19.6.1 無関係な USERDATA メッセージの表示

DCPS ジョブが出力待ちである場合, LN15+ に現在出力中のジョブから USERDATA メッセージが表示されます。たとえば出力時に /NOTIFY 修飾子を指定した場合は,このようなメッセージは画面に表示されます。ジョブには影響しないため,このメッセージは無視してください。

19.6.2 給紙トレイの選択

オプションの下段トレイに上段トレイとは異なるサイズの用紙が装着されていた場合,下段トレイに出力しようとすると,不正な出力となるか,あるいはエラー・メッセージが表示されます。 INPUT_TRAY=BOTTOM および PAGE_SIZE あるいは SHEET_SIZE のいずれかのパラメータを使用して,給紙トレイおよび用紙サイズの両方を指定した場合, SIZNOTRAY エラーが発生します。用紙サイズを指定しないで INPUT_TRAY=BOTTOM を指定した場合は,不正な位置に出力されたり,一部が欠けて出力されます。この問題の回避策は,用紙サイズだけを指定して下段トレイを選択することです。

19.6.3 エラーの発生したジョブが完了しない可能性

不正なジョブ・パラメータを指定した場合,あるいはジョブで PostScritp エラーが発生した場合,ジョブが完了しない可能性があります。これは,LN15+ プリンタが DCPS に対して常にエラー・メッセージを送信しているわけではないためです。 DELETE/ENTRY コマンドを使用してキューからそのジョブを削除し,プリンタが別のジョブからも使用できるようにします。また,プリンタが "PS Error 19" を表示している場合は,プリンタの CONTINUE ボタンを押して出力を再開させる必要があります。プリンタの PostScript タイムアウト値を 0 に設定しておくと,プリンタのボタンを押す必要がありません。

19.6.4 ジョブが障害通知を行わない可能性

/NOTIFY 修飾子を指定して出力中に,障害が発生したジョブは,障害メッセージを通知しない可能性があります。そのようなエラーが発生した場合には, DCPS エラー・ページが出力されます。


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