OpenVMS
システム管理ユーティリティ・リファレンス・マニュアル


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前述の例は表形式による CLUSTER 表示です。


MONITOR> MONITOR CLUSTER/CURRENT
 
 


 
  
 
  
 
Statistic: CURRENT          OpenVMS Monitor Utility      5-JUN-2000 
10:46:53 
                               CLUSTER STATISTICS 
                   CPU                   |               MEMORY 
                                         | 
CPU Busy            0   25   50   75  100|%Memory In Use   0   25   50   75  100 
                    +----+----+----+----+|                 +----+----+----+----+ 
BRS004          100 |********************|BRS004        37 |******* 
                    |                    |                 | 
                    |                    |                 | 
                    |                    |                 | 
                    |                    |                 | 
                    |                    |                 | 
-----------------------------------------+-------------------------------------- 
                   DISK                  |                LOCK 
                                         | 
I/O Operation Rate  0  125  250  375  500|Tot ENQ/DEQ Rate 0  250  500  750 1000 
                    +----+----+----+----+|                 +----+----+----+----+ 
$1$DIA1:         52 |**                  |BRS004       183 |*** 
                    |                    |                 | 
                    |                    |                 | 
                    |                    |                 | 
                    |                    |                 | 
                    |                    |                 | 
 

前述の例は,バー・グラフ形式による CLUSTER/CURRENT 表示です。

MONITOR DECNET

MONITOR DECNET コマンドは,DECNET クラスの監視を起動します。 DECnet for OpenVMS ネットワーク動作の情報も対象となります。

形式

MONITOR DECNET


コマンド修飾子

/修飾子 [,...]

1 つ以上の修飾子。本章の「コマンド修飾子の説明」を参照してください。

クラス名修飾子

/ALL

すべてのクラスについて,この修飾子が省略時の値です。要約出力以外の場合,CLUSTER,MODES,PROCESSES,STATES,SYSTEM, VECTOR を除くすべてのクラスについて,この修飾子が省略時の値です。

/AVERAGE

平均統計のバー・グラフを表示出力と要約出力に含めることを指定します。

/CURRENT

現在の統計のバー・グラフを表示出力と要約出力に含めることを指定します。この修飾子は,CLUSTER,MODES,STATES, SYSTEM,VECTOR の各クラスの省略時の値です。

/MAXIMUM

最大統計のバー・グラフを表示出力と要約出力に含めることを指定します。

/MINIMUM

最小統計のバー・グラフを表示出力と要約出力に含めることを指定します。

説明

DECNET クラスのデータ項目は,次のとおりです。

データ項目 説明
Arriving Local Packet Rate ローカル・パケットが受信される速度。
Departing Local Packet Rate ローカル・パケットが送信される速度。
Arriving Transit Packet Rate トランジット・パケットが着信する速度。
Transit Congestion Loss Rate トランジット輻輳損失率。
Receiver Buffer Failure Rate レシーバ・バッファ障害率。



MONITOR> MONITOR DECNET
 
 


 
  
 
  
                            OpenVMS Monitor Utility 
                               DECNET STATISTICS 
                                 on node SAMPLE 
                              29-APR-2000 22:22:44 
 
                                       CUR        AVE        MIN        MAX 
 
     Arriving Local Packet Rate       9.54       5.08       0.00      11.25 
 
     Departing Local Packet Rate      9.22       4.66       0.00      10.92 
 
     Arriving Trans Packet Rate       0.00       0.00       0.00       0.00 
 
     Trans Congestion Loss Rate       0.00       0.00       0.00       0.00 
 
     Receiver Buff Failure Rate       0.00       0.00       0.00       0.00 

制御パケットを含むネットワーク・パケットの発着量がほぼ同じであり,ネットワーク動作が監視開始以来の平均値より高いレベルにあるが,最高ではないことを示しています。

MONITOR DISK

MONITOR DISK コマンドは,DISK 統計クラスの監視を起動します。監視できるディスクの数の上限は,レコード出力については 909,表示および要約出力については 1817 です。

形式

MONITOR DISK


コマンド修飾子

/修飾子 [,...]

1 つ以上の修飾子。本章の「コマンド修飾子の説明」を参照してください。

クラス名修飾子

/ALL

すべての統計項目 (現在,平均,最小,最大) を表示出力と要約出力に含めることを指定します。要約出力の場合,すべてのクラスについて,この修飾子が省略時の値です。要約出力以外の場合,CLUSTER,MODES, PROCESSES,STATES,SYSTEM,VECTOR を除くすべてのクラスについて,この修飾子が省略時の値です。

/AVERAGE

平均統計のバー・グラフを表示出力と要約出力に含めることを指定します。

/CURRENT

現在の統計のバー・グラフを表示出力と要約出力に含めることを指定します。この修飾子は,CLUSTER,MODES,STATES, SYSTEM,VECTOR の各クラスの省略時の値です。

/ITEM=(キーワード [,...])

表示出力と要約出力の対象とする 1 つ以上のデータ項目を選択します。複数のキーワードを指定する場合は,括弧で囲み,コンマで区切ってください。省略時の値は,/ITEM=OPERATION_RATE です。

次の表は /ITEM 修飾子のキーワードを示しています。

キーワード 説明
ALL ディスクに対して収集したすべてのデータ項目に関する統計情報を一連の画面に表示することを指定する。
OPERATION_RATE 入出力操作の割合に関する統計情報をディスクごとに表示することを指定する。
QUEUE_LENGTH サービスを受ける入出力要求パケットの数 (現在サービスを受けているものと待機中のもの) をディスクごとに表示することを指定する。

/MAXIMUM

最大統計のバー・グラフを表示出力と要約出力に含めることを指定します。

/MINIMUM

最小統計のバー・グラフを表示出力と要約出力に含めることを指定します。

/PERCENT

/NOPERCENT (省略時の設定)

統計をパーセント値として表示出力と要約出力で表すかどうかを制御します。/PERCENT 修飾子が適用されるのは, DISK,MODES,SCS,STATES のクラスだけです。省略時の設定では,統計はパーセント値として表されません。

説明

DISK クラスは,構成要素クラスです。このクラスのデータ項目は,単一ノード・システムまたはクラスタ・システムにマウントされている各ディスク装置について収集されます。DISK クラスのデータ項目は,次のとおりです。

データ項目 説明
I/O Operation Rate 各ディスクにおける入出力動作発生率。システム内のすべてのディスクの処理率を比較することにより,負荷の高いディスクと低いディスクを調べることができる。ただし,個々の処理に要した時間は出力されないので,その点を考慮する。
I/O Request Queue Length 未処理の入出力要求パケット数。現在処理中の要求と待ち状態の要求が含まれる。精度を高くするために,この項目は, /INTERVAL コマンド修飾子で指定した値には関わらず,必ず 1 秒間隔でサンプリングされる。

監視できるディスクの数の上限は,レコード出力については 909,表示および要約出力については 1817 である。以前のバージョンでは,両方のタイプの出力で上限は 799 だった。

次の代表的なクラスタ環境例では,各ディスクを 3 つの要素で識別しています。

クラスタ構成では,MSCP サーバ・ソフトウェアにより,ローカル・ノード上の HSC ディスクを他のノードが使用できるようになります。ノードが別の VAX ノードを経由してディスクにアクセスする場合 (MSCP サーバにより),遠隔アクセスを使用します。ノードがローカル・ノード上のディスクまたは HSC ディスクにアクセスする場合,直接アクセスを使用します。

装置名の後の "R" は,遠隔アクセスを使用してノードが要求した入出力動作を表していることを示します。

装置名の後に "R" がない場合,直接アクセスによってノードが実行した入出力動作を表していることを示します。遠隔要求を MSCP サーバが代行して実行した入出力動作が含まれる場合もあります。



MONITOR> MONITOR DISK/ITEM=QUEUE_LENGTH
 
 


 
  
 
  
                            OpenVMS Monitor Utility 
                              DISK I/O STATISTICS 
                                 on node SAMPLE 
                              29-APR-2000 14:19:56 
 
I/O Request Queue Length                   CUR        AVE        MIN        MAX 
 
SAMPLE$DBA0:          SAMPLE09APR         0.00       0.00       0.00       0.00 
SAMPLE$DRA2:          SAMPLEPAGE          2.00       1.43       0.00       4.00 
SAMPLE$DRB1:          ACCREG              0.00       0.00       0.00       0.00 
$1$DRA5:     (MOE)    MOE$$PAGE           0.00       0.00       0.00       0.00 
$1$DBA3:     (CURLEY) UMASTER             0.00       0.00       0.00       0.00 
$1$DBA5:     (CURLEY) MIDNITE             0.00       0.00       0.00       0.00 
$2$DRA7:     (LARRY)  RES26APR            0.00       0.00       0.00       0.00 
$2$DRB6:     (LARRY)  CLUSTERDUMP1        0.00       0.00       0.00       0.00 
$255$DUA4:   (SHEMP)  RES06AUG            0.00       0.00       0.00       0.00 
$255$DUA5:   (SHEMP)  VMSDOCLIB           0.00       0.00       0.00       0.00 

代表的なクラスタ環境の一例です。各ディスクについて,処理待ち状態または処理中の入出力パケット数が表示されています。装置 SAMPLE$DRA2 は,キューの長さが 0 以外である唯一の装置です。収集間隔設定値に関わらず,MONITOR によってキューの長さは毎秒サンプリングされます。

MONITOR DLOCK

MONITOR DLOCK コマンドは,DLOCK (分散ロック管理) 統計クラスの監視を起動します。

形式

MONITOR DLOCK


コマンド修飾子

/修飾子 [,...]

1 つ以上の修飾子。本章の「コマンド修飾子の説明」を参照してください。

クラス名修飾子

/ALL

すべての統計項目 (現在,平均,最小,最大) を表示出力と要約出力に含めることを指定します。要約出力の場合,すべてのクラスについて,この修飾子が省略時の値です。要約出力以外の場合,CLUSTER,MODES,PROCESSES,STATES,SYSTEM, VECTOR を除くすべてのクラスについて,この修飾子が省略時の値です。

/AVERAGE

平均統計のバー・グラフを表示出力と要約出力に含めることを指定します。

/CURRENT

現在の統計のバー・グラフを表示出力と要約出力に含めることを指定します。この修飾子は,CLUSTER,MODES,STATES, SYSTEM,VECTOR の各クラスの省略時の値です。

/MAXIMUM

最大統計のバー・グラフを表示出力と要約出力に含めることを指定します。

/MINIMUM

最小統計のバー・グラフを表示出力と要約出力に含めることを指定します。

説明

DLOCK クラスは,クラスタ環境でロック管理サブシステムを監視する場合に便利です。DLOCK クラスのデータ項目は,次のとおりです。

データ項目 説明
New ENQ Rate (Local) 対象システムが起動し実行する新しいロック (ENQ) 要求の割合
New ENQ Rate (Incoming) 他のシステムが起動し,対象システムが実行する新しいロック要求の割合
New ENQ Rate (Outgoing) 対象システムが起動し,別のシステムが実行する新しいロック要求の割合
Converted ENQ Rate (Local) 対象システムが起動し実行するロック (ENQ) 変換要求の割合
Converted ENQ Rate (Incoming) 他のシステムが起動し,対象システムが実行するロック変換要求の割合
Converted ENQ Rate (Outgoing) 対象システムが起動し,別のシステムが実行するロック変換要求の割合
DEQ Rate (Local) 対象システムが起動し実行するアンロック (DEQ) 要求の割合
DEQ Rate (Incoming) 他のシステムが起動し,対象システムが実行するアンロック要求の割合
DEQ Rate (Outgoing) 対象システムが起動し,別のシステムが実行するアンロック要求の割合
Blocking AST Rate (Local) 対象システムが起動し実行するロック・マネージャ・ブロッキング AST の割合
Blocking AST Rate (Incoming) 他のシステムが起動し,対象システムが実行するロック・マネージャ・ブロッキング AST の割合
Blocking AST Rate (Outgoing) 対象システムが起動し,別のシステムが実行するロック・マネージャ・ブロッキング AST の割合
Directory Function Rate (Incoming) 対象ノードが管理しているロックに対する要求の割合
Directory Function Rate (Outgoing) 他のノードが管理しているロックに対する要求の割合
Deadlock Message Rate デッドロック検出に要する発着メッセージの割合



MONITOR> MONITOR DLOCK
 
 


 
  
 
  
                            OpenVMS Monitor Utility 
                     DISTRIBUTED LOCK MANAGEMENT STATISTICS 
                                 on node SAMPLE 
                              29-APR-2000 11:02:20 
 
                                       CUR        AVE        MIN        MAX 
 
    New ENQ Rate       (Local)       15.84      11.59       1.54      26.88 
                    (Incoming)        1.67       2.62       0.11      25.05 
                    (Outgoing)        0.05       0.63       0.00       5.99 
    Converted ENQ Rate (Local)       23.67       9.13       0.99      41.22 
                    (Incoming)        4.48       5.71       0.00      70.19 
                    (Outgoing)        0.00       1.43       0.00      15.90 
    DEQ Rate           (Local)       15.86      11.58       1.64      26.68 
                    (Incoming)        1.66       2.59       0.00      24.85 
                    (Outgoing)        0.05       0.63       0.00       5.99 
    Blocking AST Rate  (Local)        0.00       0.00       0.00       0.01 
                    (Incoming)        0.00       0.00       0.00       0.00 
                    (Outgoing)        0.00       0.00       0.00       0.00 
    Dir Functn Rate (Incoming)        8.00       7.33       4.66      11.00 
                    (Outgoing)        1.00       0.77       0.00       2.66 
    Deadlock Message Rate             0.00       0.00       0.00       0.00 

現在のロック管理動作がローカル・ノードで発生していること,ただし,監視期間中のある時点で相当量の着信動作があったことを示しています。

MONITOR FCP

MONITOR FCP コマンドは,ファイル制御プリミティブ統計クラスの監視を起動します。ファイル制御プリミティブ統計クラスには,ローカル・ノード上の Files-11 補助制御プロセス (ACP) と拡張 QIO プロセッサ (XQP) すべての情報が含まれます。

形式

MONITOR FCP


コマンド修飾子

/修飾子 [,...]

1 つ以上の修飾子。本章の「コマンド修飾子の説明」を参照してください。

クラス名修飾子

/ALL

すべての統計項目 (現在,平均,最小,最大) を表示出力と要約出力に含めることを指定します。要約出力の場合,すべてのクラスについて,この修飾子が省略時の値です。要約出力以外の場合,CLUSTER,MODES,PROCESSES,STATES,SYSTEM, VECTOR を除くすべてのクラスについて,この修飾子が省略時の値です。

/AVERAGE

平均統計のバー・グラフを表示出力と要約出力に含めることを指定します。

/CURRENT

現在の統計のバー・グラフを表示出力と要約出力に含めることを指定します。この修飾子は,CLUSTER,MODES,STATES, SYSTEM,VECTOR の各クラスの省略時の値です。

/MAXIMUM

最大統計のバー・グラフを表示出力と要約出力に含めることを指定します。

/MINIMUM

最小統計のバー・グラフを表示出力と要約出力に含めることを指定します。

説明

FCP クラスのデータ項目は,次のとおりです。すべての項目について, 1 秒あたりの発生率が表示されます。

FCP Call Rate ファイル・システムが受信した QIO 要求の割合
Allocation Rate ディスク空間を割り付けた呼び出しの割合
Create Rate 新しいファイルの作成率
Disk Read Rate ファイル・システムによるディスクの読み込み動作率
Disk Write Rate ファイル・システムによるディスクの書き込み動作率
Volume Lock Wait Rate 送信権の争奪によってボリューム同期ロックが待ち状態となった割合。ファイルの作成,削除,拡張,切り捨て時に XQP が削除したボリューム同期ロック数が表示されます。
CPU Tick Rate ファイル・システムが使用した CPU 時間 (10 ミリ秒刻み)
File System Page Fault Rate ファイル・システムにおけるページ・フォルト発生率
Window Turn Rate ファイル・マップ・ウィンドウ・ミス率
File Lookup Rate ファイル・ディレクトリにおけるファイル名検索動作率
File Open Rate ファイルをオープンした割合
Erase Rate ファイル・システムによる消去動作起動率



MONITOR> MONITOR /INTERVAL=10 FCP
 
 


 
  
 
  
                            OpenVMS Monitor Utility 
                           FILE PRIMITIVE STATISTICS 
                                 on node SAMPLE 
                              29-APR-2000 16:13:38 
 
                                       CUR        AVE        MIN        MAX 
     FCP Call Rate                    4.62       3.80       0.33       7.61 
     Allocation Rate                  0.99       0.24       0.00       0.99 
     Create Rate                      2.31       0.57       0.00       2.31 
 
     Disk Read Rate                   1.98       2.48       0.33       6.95 
     Disk Write Rate                  3.30       2.39       0.33       5.62 
     Volume Lock Wait Rate            4.62       3.06       0.00       6.95 
 
     CPU Tick Rate                    3.63       3.88       0.33      10.26 
     File Sys Page Fault Rate         0.00       0.00       0.00       0.00 
     Window Turn Rate                 1.98       0.99       0.00       1.98 
 
     File Lookup Rate                 0.33       1.40       0.00       4.63 
     File Open Rate                   2.00       3.54       2.00       5.10 
     Erase Rate                       0.00       0.00       0.00       0.00 

最後の収集間隔である 10 秒で,ファイルがオープンされた割合が 2.0 であることを示しています (総数は 20)。 MONITOR コマンド入力後の平均率は 3.54,最高率は 5.10,最低率は最後の 10 秒間の 2.0 です。


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