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この付録では,DECprint Supervisor for
OpenVMSとDECprintプリンティング・サービスの相違点について説明し,
共存できる機能についても説明します。
"DCPS"はDECprint Supervisor for OpenVMSのことを示しており,"CPS"
はDECprintプリンティング・
サービスのことを示しています。
DCPSは,CPS V4.1をインストールしたシステムと同じシステムに共存できます。DCPS
をインスートルすることによって,CPSの構成要素が削除されたり,
変更されることはありません。どちらの製品も同じシステムで使用でき,
既存のキュー構造をCPS
からDCPSに移行することもできます。
DCPSでは,弊社の新しいプリンタがサポートされます。DCPS-Openライセンスがロードされている場合には,
弊社以外の特定のプリンタもサポートされます。
詳しくは『日本語DECprint Supervisor Version 1.6 for OpenVMS
ソフトウェア仕様書』を参照してください。
DCPSのファイル名,論理名,メッセージはすべて,DCPS$という接頭語から始まります。
このため,今後もCPSを使用して一部のキューを駆動し,
他のキューを駆動するためにDCPSを追加できます。省略時のVMSフォームはDCPS$DEFAULT
です。
しかし,特定のファイルはシステム・リソースであると解釈され,
DCPSとCPS,および他の製品との間で共用されます。
これらの共用リソースは次のとおりです。
2次メッセージ(RMSなどの別の機能によって生成され,DCPS製品に渡されたメッセージ)
には,メッセージの原因となった機能のコードが含まれています。
変換ツールであるCPS_TO_DCPS_STARTUP.COMは,CPSのスタートアップ・ファイルを変換し,DCPS
と同じ名前を使用するようにします。このツールについては,
第3.2節を参照してください。
次の表はCPSのファイル名と,それに対応するDCPSのファイル名の変換を示しています。
CPSのファイル名 | DCPSのファイル名 |
CPS$STARTUP | DCPS$STARTUP |
CPS$EXECUTION_QUEUE | DCPS$EXECUTION_QUEUE |
CPS$REQUIRED |
DCPS$REQUIRED |
CPS$GENERIC |
DCPS$GENERIC |
CPS_LIB |
DCPS_LIB |
CPS$DEVCTL |
DCPS$DEVCTL |
LPS$queuename_PARAMETER |
DCPS$queuename_PARAMETER |
CPS$queuename_STALL_TIME |
DCPS$queuename_STALL_TIME |
LPS$LAYUP | DCPS$LAYUP |
DECprint Printing Services | DECprint Supervisor |
この変換ツールでは,キューの名前やキューの構造は変更されません。
DCPS-Plusライセンスと組み合わせて使用した場合,DCPSはデータ・タイプを自動的に検出できます。
したがって,ジェネリック・キューの数を削減でき,
まったく不要にすることもできます。自動的なデータ・タイプ検出についての詳しい説明は,
『日本語DECprint Supervisor for OpenVMSシステム・マネージャーズ・
ガイド』を参照してください。
DCPSでは,ジョブで次のパラメータを指定した場合,出力用紙におさまるように論理ページ・
イメージを拡大/縮小できます。
PAGE_SIZE=p,SHEET_SIZE=s
p と s は異なる値です。
ジョブはパラメータNUMBER_UP=1を想定しています。CPSの場合には,ページの拡大/
縮小機能を起動するために,NUMBER_UPパラメータも同様に指定しなければなりませんでした。
PostScriptレベル2ソフトウェアを搭載しているプリンタに接続した場合,
DCPSのレイアップ機能はPostScriptレベル2オペレータをサポートします。
また,
複数のレベル1オペレータのサポートを修正したり,機能を拡張しています。
MacintoshおよびPCアプリケーションで作成されたレベル1のPostScriptプログラムは一般に,CPS
で印刷した場合より,DCPSで印刷した場合の方が印刷品質を向上できます。CorelDraw
およびMacintoshプログラムで発生していた問題は修正されています。
DCPSでは,LAYUP_DEFINITIONSパラメータにレイアップ・オプションを直接指定でき,
また,これらのオプションを.LUPファイルに記録し,
その名前をパラメータに指定することもできます。
レイアップ・オプションをPRINTコマンドで指定すれば,
Distributed Queuing Services製品を介して別のシステムで印刷されるジョブとの間で,
これらのオプションを受け渡しすることができます。
CPS V4.1では.LUPファイル・オプションだけしか提供されていません。
レイアップ定義ファイルに記録したレイアップ・オプションの例と,PRINT
パラメータとして指定したレイアップ・オプションの例については,
『日本語DECprint Supervisor for OpenVMSユーザーズ・ガイド』を参照してください。
CPS V4.1では,次のページ・サイズは存在しないか,または正しく解釈されていませんでした。DCPS
では,これらのページ・サイズが定義され,正しく解釈されるようになりました。
A6
C
D
7x9
7_envelope
10x14
11x14
PostCard
DCPSを使用して代替トレイからジョブ・セパレータ・ページを選択するには,
次のシステム論理名を定義します。
$ DEFINE/SYSTEM/EXECUTIVE DCPS$queuename_SEPARATOR_TRAY number
ただし,number はそのキューによってサービスされるプリンタの正しいトレイ番号であり,
プリンタ固有の値です。正しい値については,プリンタのマニュアルを参照してください。
弊社のプリンタの値は次のとおりです。
DEClaser 3250:
0 マニュアル・フィーダ/汎用フィーダ
1* 上段トレイ
2 下段トレイ
3 大容量トレイ (レター/A4 のみ)
DEClaser 2150 or 2250:
0 マニュアル・トレイ
1* 下段トレイ
2 上段トレイ (両面印刷のみ)
3 エンベロープ・フィーダ
DEClaser 1150 or 1152:
0* マニュアル・トレイ
1 オプションの給紙カセット
PrintServer 20, 32, or 40:
1 上段トレイ
2 下段トレイ
3* 大容量トレイ
PrintServer 17:
1 上段トレイ
2 下段トレイ
* 工場出荷時の初期値
この機能にはDCPS-Plusライセンスが必要です。
オペレータがSTOP/QUEUE/RESETを実行したときに,キューが到達不可能なPrintServer
プリンタに接続されている場合にも,そのキューは正しく停止されます。
しかし,CPS V4.1の場合には,常に正しく停止されるとは限りませんでした。
CPS V4.1では,レコードがフォーム・フィードから始まる場合,一番上の行が重ね書きされていました。DCPS
では,この問題はありません。
CPS V4.1では,直接接続されたシリアル・プリンタに対してストール・タイマが起動されていませんでした。DCPS
では,タイマが起動されます。
CPS V4.1では,ストール・メッセージの時間切れの初期値は1分でした。
この初期値を使用した場合,
プリンタが処理中で,実際にまったくストールしていないときに,
"queue stalled"というメッセージが出力されることがありました。
DCPSでは,ストール時間切れは4分です。
プリンタに接続しているときにネットワーク・エラーが発生した場合には,
CPS V4.1は/HOLD属性を使用してジョブをキューに再登録します。DCPSでは/HOLD
属性を使用せずに,ジョブをキューに再登録します。
PostScriptファイルのレコード属性がSTREAM,STREAM_LF,STREAM_CRのいずれか場合,
このファイルはブロック・モードで読み込まれます。このため,
DCPSでは,CPSで印刷できなかった非常に長いストリーム・レコードを印刷できます。
このタイプのファイルはPCの通信プログラムで書き込まれることがあります。
/COPIES=n で,n が2以上の場合には,NUMBER_UPやSIDES=2
を指定して印刷しても,各コピーは新しい用紙に印刷されます。CPS V4.1でPostScript
ジョブを印刷した場合には,このようにはなりません。
シャットダウン時に,OpenVMSは実行キューを停止しますが,ジェネリック・
キューは停止しません。この結果,システムを再起動すると,ジェネリック・
キューは誤った属性が設定されている場合でも,動作を開始します。CPS
V4.1でジェネリック・キューを起動すると,キューがすでに実行中であることを示す警告メッセージが表示されます(OpenVMS V5.5
の場合)。DCPSでジェネリック・
キューを起動した場合には,すでに実行中のキューは停止され,
再起動されます。
DCPSには,ProprinterからPostScript形式へ変換する新しいトランスレータが含まれていますが,CPS
ではこのトランスレータは提供されていませんでした。PROPRINTER
データ・タイプの使用についての一般的な説明は,
『日本語DECprint
Supervisor for OpenVMSユーザーズ・ガイド』を参照してください。
PATHWORKS for OpenVMS (Macintosh)では,独自の装置制御ライブラリ,
MSAP$DEVCTL.TLBが作成され,CPSライブラリが存在する場合には,そのライブラリにもモジュールが登録されます。
これらのモジュールは,DCPSライブラリには登録されません。
この問題を解決するには,DCPSライブラリとPATHWORKS
ライブラリの両方を指すサーチ・リストとして,DCPS_LIBを定義してください。
この操作方法については,DCPS$STARTUP.TEMPLATEの例に示されています。
DCPSには新しいPostScriptサンプル・ファイルが含まれており,弊社のPrintServer
プリンタでMacintoshファイルとPCファイルの印刷を改善できます。
Colormate PSのカラー転送機能は,グレイ・スケール・イメージが茶色になる問題や,
自然イメージで人間の肌色がきれいに表現されないという問題を回避するように変更されています。Colormate PS
は,よりよいグレイ・スケール・
イメージと自然な肌色を実現できるように,新しい初期設定のカラー転送機能を使用して印刷を実行します。
したがって,Colormate PSで印刷する場合には,
次のことに注意してください。
- グラフィックス・イメージがこれまでほど鮮やかに見えないことがある
- グレイは正確にグレイとしてレンダリングされ,茶色では表示されない
- 一部の図形は黄色の割合が低く,青の割合が高い状態で表示されることがある
DCPSには,新しいサンプル・ファイルが添付されています。
SYS$COMMON:[SYSHLP.EXAMPLES.DCPS]CONFIDENTIAL.PS
このファイルには,各ページの一番上と一番下にオーバレイとして(つまり,
ページの内容を出力した後),"Confidential"を出力するためのshowpageオペレータの再定義方法が示されています。
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