この章では,日本語DECprint Supervisor V1.1 for OpenVMS (以下,DCPS V1.1)の新機能や制限事項について記述しますが, これらの内容はV1.2およびV1.3/1.3Aにもあてはまります。
本バージョンから,AppleTalk経由でのデスクトップ・プリンタへの印刷と,TCP/IP を使用した弊社のPrintServerプリンタへの印刷のサポートが追加されました。
DCPS$
として表示されます。
実際のデバイス名は,以下の形式で論理名に格納されます。
DCPS$<queue-name>_DEVICE_NAME
クラスタの環境でDCPSを使用していて,UAFファイルが各クラスタのメンバ間で異なっているとき, 以下のようなOPCOMメッセージが出力されて, 印刷は正常に終了することがあります。
%%%%%%%%%%% OPCOM 1-JAN-1994 18:43:55.87 %%%%%%%%%%% Message from user SYSTEM on LITERA Queue SHARIE: %DCPS-W-USERNOTFOUND, user name FOO not found, no log files created -RMS-E-RNF, record not found
しかし,ユーザ名が見つからないため,シンビオントは,messages=keep やmessages=print の要求を処理することができません。
このOPCOMメッセージを保存するには,DCPS$<queue-name>_ IGNORE_UNKNOWN_USERの論理名を TRUEにしてください。
新しいANSIプロローグ・ファイルが,新しいANSIトランスレータの一部として含まれており, 別々のファイルとしても使用可能です。ファイルは, SYS$COMMON:[SYSHLP.EXAMPLES.DCPS]LPS_ANSI_PROLOGUE.PSにあります。 このプロローグは,従来のANSIトランスレータと互換性があります。
PostScriptプリンタは,1つのバージョンのANSIプロローグしか持つことができません。 パフォーマンスの問題を最小限にとどめるために,DCPS V1.1ソフトウェアをインストールした後,PrintServerでないプリンタは電源を入れ直し,DCPS ソフトウェアが新しいプロローグをロードするようにさせます。
PrintServerプリンタの場合は,サポーティング・ホスト・システムのANSI トランスレータ・プロローグをアップデートするために,次のコマンドを入力します。
$ @SYS$COMMON:[SYSHLP.EXAMPLES.DCPS]UPDATE-ANSI-PROLOGUE.COM
この後,PrintServerを再ブートしてください。
このコマンド・プロシージャは,DCPSソフトウェアがサポーティング・ホスト・ システムにインストールされていることを仮定しています。また, すべてのPrintServerがアップデートされます。
この節では,DCPS V1.0がリリースされてから解決された問題を示します。
以前は,論理名DCPS$<queue-name>_SEPARATOR_TRAYは汎用キュー( ジェネリック・キュー)にしか指定できませんでした。V1.1では実行キューでも同じように指定できます。
これらのマニュアルにないメッセージは,表示されなくなりました。
8Cキャリッジ・コントロールを持つVFCファイルが,正しく印刷できるようになりました。
RELATIVEまたはINDEXED構成のVFCフォーマット・ファイルの印刷はサポートされていません。DCPS V1.1 はこの状態を検出し,エラー・メッセージを返します。
いままでのスタート・ページまたはエンド・ページの最大は9999でしたが,999999 に変更されました。
DCPSでは,以下のコマンドによりすべてのメッセージが出ない状態でジョブ・ コントローラをスタートしても,%STR-F-STRTOOLONメッセージを出して終了することはありません。
$ SET MESSAGE/NOTEXT/NOFACILITY/NOIDENT/NOSEVERITY
いくつかのタイプのプリンタで,まわりの文字より低い位置に印刷される強調された大文字のあるANSI データ・タイプのエラーは解決されました。
DCPS V1.0では,SYS$LIBRARY論理名が検索リストとして定義されると,システム固有のライブラリ・ ディレクトリにある,装置制御ライブラリを見つけることができませんでした。
DCPS V1.1はこの問題を解決しています。本ソフトウェアは,指定された装置制御ライブラリに対するSYS$LIBRARY 論理名の,すべてのディレクトリ要素を正しく検索します。
空のセットアップ・モジュールをロードするように構成されていると, DCPS V1.0のキューはストールし,ソフトウェアは無限ループでハングしました。DCPS V1.1 ではこの問題はありません。
DCPS V1.1では,データ・タイプがAUTOMATICで,省略時のテキスト・トランスレータがANSI/KANJI/KANJI78/LA_KANJI の場合,フォームや/SPACE, /HEADER修飾子でファイル中のテキスト部分のフォーマットが可能になりました。
/PARAMETERS=PAGE_LIMIT修飾子と /COPIES修飾子を一緒に指定して,複数のファイルをひとつのジョブで印刷したときの問題は解決されました。 以前は, 指定されたPAGE_LIMITよりもページ数の少ないファイルがあると, DCPSはハングすることがありました。現在では,そのようなジョブも正しく印刷できます。
.IMGファイル拡張子は,自動データ・タイプ検出に使用されるDCPS$FILE_ EXTENSION_DATA_TYPE.DAT_DEFAULTファイルから削除されました。.IMGファイル拡張子は, 以前はANSIファイルとして定義されていました。そのシステム固有のDCPS$FILE_EXTENSION_DATA_TYPE.DAT ファイルを作成している場合は, 合わせて変更してください。
レイアップ機能でのidtransformとsetpagedevice PostScriptコマンドの扱いが修正されました。
DCPS V1.0で,OKI MICROLINE 800PSIILTプリンタに印刷すると,OPCOMにUnrecognized printer のメッセージが出力されましたが,本バージョンで修正されました。
INPUT_TRAY=LCITパラメータは,日本語PrintServer 17/600 プリンタの大容量給紙トレイを選択するために使用できます。
OUTPUT_TRAY=SIDEは現在,すべてのPrintServerファミリに対して下段トレイを選択します。
Hewlett-Packard LaserJet III,IIIDおよびIIISiと,サポートされるApple LaserWriter プリンタの手差し給紙スロットへ給紙するときに遅延を発生させるコードが修正されました。
『Digital PostScript Printers Programmer's Supplement』のAppendix C,C.6およびAppendix D, D.6で,PostScript印刷ジョブの初期状態のクリッピング・パスは用紙のサイズと同じ大きさであると記述していますが, 実際には用紙の内側に収まる大きさに設定されています。LN82R では用紙の周囲から約5mm〜7mm 内側に設定されています。また,日本語turbo PrintServer ,日本語PrintServer 32プリンタのレター・サイズに対するクリッピング・パスは,日本語PrintServer 40 シリーズ・プリンタでのレター・ サイズのクリッピング・パスよりも幅が約1mm程狭くなっています。
この節では,V1.1の制限事項を記述します。
Ryumin-Light.RomanおよびGothicBBB-Medium.Romanなどの日本語フォントには,JIS ローマ字セット以外の文字は含まれていません。このため,装置制御ライブラリ,DCPS$DEVCTL.TLB にある拡張されたfindfontオペレータを用いて, これらのフォントに対してISOLatin1およびDECマルチナショナル文字セットを使用することはできません。
キューをスタートするときには,そのキューで使用されるすべての装置制御ライブラリが存在しなくてはなりません。 たとえば,以下のようにライブラリの検索リストが定義されている場合,
$ DEFINE/SYSTEM/EXEC DCPS_LIB DCPS$DEVCTL, "ANSI/DATA=ANSI", "PS/DATA=PS"
SYS$LIBRARYのディレクトリに,DCPS$DEVCTL.TLB,ANSI.TLB,PS.TLBのライブラリが存在しなくてはなりません。
DCPS V1.1で提供される構成要素の大部分は,従来のバージョンで提供されたものと互換性がありません。 ひとつのホストにはひとつのバージョンのDCPS しかインストールできません。
DCPS V1.1はICPS V1.xソフトウェアとは共存できません。DCPS V1.1はこのソフトウェアを置き換えます。DCPS V1.1 をインストールすると,イメージ・ ファイルSYS$LIBRARY:TRN$DDIF_IMAGE.EXEが置き換えられます。この新しいイメージはICPS ソフトウェアと互換性がありません。
DDIFのイメージ・ファイルを印刷するためには,DECimage Application Services for VMS V3.1が必要です。
LaserWriter 8.0または8.1.1や,Adobe社の2.1.1のWindowsドライバ, WindowsNT V3.1のPostScriptドライバを使用して生成されたPostScriptファイルを,NUMBER_UP パラメータに2以上の値を指定して印刷すると,正常に印刷されないことがあります。PostScript エラーになるか,ページがクリップされたり, ページス・ポットの外に印刷されたり,不適切にスケールされることがあります。
ファイルのデータ・タイプがANSI/KANJI/KANJI78/LA_KANJIの場合には, 印刷機能として /HEADERと /FORMおよび /SPACEを使用できます。データ・ タイプがこれらのうちの一つであることが認識されるのは,次のような場合です。
また,次のような場合には,データ・タイプがANSIとなります。
ここに示した規則に従って,データ・タイプがANSI/KANJI/KANJI78/LA_ KANJIであると認識されない場合には, /HEADERと /FORMおよび /SPACEは無視されます。
DEClaser 5100やHP LaserJet 4ファミリのように,PJLプリンタのためのファイルを作成するドライバは,Hewlett-Packard Printer Job Language (PJL)のプリンタ制御コマンドを含んでいます。DCPSはこのデータを除去します。 つまり,これらのドライバで選択されたプリンタ・オプションは, 印刷ジョブに影響を与えません。
これらのドライバを使用するときは,バイナリ・モードを選択しないでください。 バイナリ・モードを選択すると,ファイルにコマンドが追加され, それをDCPSで印刷するときに不正な動作を起こす可能性があります。
DCPS V1.1がネイティブPCLモードをサポートしているプリンタで,シリアル接続を使用する場合は,XON/XOFF のかわりにハードウェア・フロー・コントロールを使用しなければなりません。 ネイティブPCLデータは8ビット・ バイナリ・データを含んでいる可能性があり,それがソフトウェアXON/XOFF フロー・コントロールを妨げます。
ハードウェア(DTR)ハンドシェーク・フロー・コントロールを有効にするには, プリンタのマニュアルとターミナル・サーバのマニュアルを参照してください。
ジョブを分離するジョブのシフト出力が有効であるとき,ジョブ本体とそのトレーラ・ ページの間にシフト出力を行うプリンタがあります。これは, そのプリンタがトレーラ・ページをひとつのジョブとして扱うためです。
この動作を起こすことがわかっているプリンタは以下のものです。
/PARAMETERS=OUTPUT=FACE_UPをHewlett-Packard LaserJet 4SiMXで指定すると, トレーラ・ページは上段トレイに排紙されます。
DEClaser 1152プリンタに印刷しているジョブを削除した場合,次のジョブの印刷時にプリンタがハングすることがあります。 これは,以下の状態のときに起こります。
次のジョブは印刷されず,キューにprintingの状態で残り,最終的にはキューがストールします。 この問題は,プリンタがIdle状態になる前に, AppleTalkの接続を受け付けてしまうために発生するものです。このジョブは, 一度削除して,もう一度発行する必要がありますが,削除するときにしばらく時間がかかります。
Apple LaserWriter Plusプリンタでは,LPS$PERSISTENT_RESOURCESモジュールのロード機能をサポートしません。
LaserWriter Pro 600,LaserWriter Pro 630,LaserWriter IIgおよびLaserWriter IIf のAppleTalkポートを使用して印刷するときは, Unreliable communicationが認められることがあります。この問題はPostScript インタプリタがPostScriptエラーなどのエラー状態を検出したときに起こります。 エラーが起きるとPostScriptインタプリタはFLUSHING, Rest of Job (to EOJ) will be ignored と報告するか,または手差しトレイへの給紙を待つ間に時間切れエラーとなります。 このとき, 以下のような動作が生じることがあります。
失敗したジョブが完了すると,続くジョブが正しく印刷されるため,システム・ オペレータの操作は必要ありません。
HP XL300に印刷するファイルに複数のユーザ・データが含まれる場合,一部のメッセージが失われたり正しく戻って来ない場合があります。 また, まれにDCPSが必要なメッセージが正しく受けとれず, /NOTIFY修飾子を指定しているときには, 不正確なメッセージがターミナルに表示されることがあります。
PrintServerのキューにStarting状態のジョブが残っていて,そのPrintServer の電源が入っていなかったり,ブート中などで,PrintServer に接続することができないときに,STOP/QUEUE/RESETコマンドを実行すると, キューはストップしますが,まれにシンビオント・プロセスが終了しないことがあります。PrintServer が使用可能になるまでは,このコマンドは実行しないでください。
PostScriptファイルを, /COPIES修飾子で2以上の値を指定して印刷したときに,DCPS はプリンタの仮想メモリ(VM)を使い果たしてしまうことを避けるために, それぞれのファイルをPostScriptのsaveとrestore命令で囲んでプリンタに送ります。
しかし,このときinvalid restoreのエラー・メッセージで,ジョブが終了してしまうことが, まれに起きます。このようなときは, /COPIES修飾子の代わりに /JOB_COUNT 修飾子を使用してください。
以下のPostScriptプログラムを出力したとき,USERDATAとしての文字ストリングがログ・ メッセージとして記録されないことがあります。
(文字ストリング) print flush
この場合,文字ストリングの後ろに改行文字を付け加えると,ログ・メッセージとして記録されるようになります。
AppleTalkを使用して印刷するときは,ジョブの削除要求(DELETE/ENTRY) はプリンタへの接続を閉じることで完了します。AppleTalkプロトコルは,PostScript インタプリタを中断することはしません。つまりプリンタは, ジョブの印刷を中止する前にバッファにあったページ内容の印刷を続けます。 ジョブ・トレーラ・ページは印刷されません。
またプリンタがバッファに残ったページの内容を処理中に次のジョブを発行すると, そのジョブがエラーになることがあります。
次のDCPSプリント・パラメータは,DCPS V1.1がネイティブPCL機能を使用するプリンタでのPCL ファイルの印刷には影響しません。
これらの場合,プリンタの省略時の設定が有効になります。適切なPCLエスケープ・ シーケンスを印刷するファイルやセットアップ・モジュールに含めることで,PCL プリンタのトレイを選択してください。
かわりに,ホスト上で強制的にPostScriptプログラムへ変換することにより, これらのパラメータをジョブに対して有効にすることができます。 強制的に変換するためには,NUMBER_UPやLAYUP_DEFINITIONなどの機能を使用するか,PAGE_SIZE とSHEET_SIZEパラメータを一緒に指定してください。
Hewlett-Packard LaserJet IIISiプリンタは,ネイティブPCLファイルを印刷する間, ページ・カウントの更新をしません。ジョブの最後に,トレーラ・ ページ上とOpenVMSアカウンティング・システムの両方へ報告されるページ・ カウントは,ジョブ・セパレーション・ページのようにPostScript モードで印刷されたページのみを含みます。この問題に対する回避策は現在ありません。
Hewlett-Packard LaserJet IIID, IIISi, 4SiMXプリンタでは,物理的な用紙を内部的にカウントしませんが, かわりにイメージとしてのページをカウントします。 つまり,トレーラ・ページの Sheets printedのデータは, 処理されたイメージの数を反映します。たとえば,バースト・ページとトレーラ・ ページが有効で /PARAMETERS=(SIDES=2)を指定した6ページの印刷ジョブは, 用紙5枚にしか印刷されなくても Sheets printedは8となります。
LN82Rプリンタの印字可能領域は,用紙の周囲から約5mm〜7mm (用紙のサイズによって異なります) 内側までです。このため,用紙の外縁に印刷される文字や図形はクリッピングされることがあります。
PrintServerの印字可能領域はLN82Rより広いため,PrintServerでは表示できていた文字や図形が,LN82R ではクリッピングされて見えなくなったり欠けたりすることがあります。 これを避けるために, DCPS$STARTUP.COMでは,LN82Rに対するキューの設定として,レイアップ定義LPS$PRINTERMARGIN を使用することをお勧めします。これにより, ページが自動的にLN82Rの印字可能領域に収まるように縮小されます。
また,LN82R以外のプリンタでも,同様に用紙の外縁の文字や図形がクリッピングされることがあります。 この場合もプリンタに対するキューの設定で,LPS$PRINTERMARGIN を使用してください。
ただし,これらの設定を実行キューに対して行うと,そのプリンタのすべてのジョブに対して有効となってしまいます。 特定のデータ・タイプのジョブにだけ有効としたい場合は, ジェネリック・キューに対してレイアップ定義を行ってください。
LaserWriterII NTX-JおよびMICROLINE PSシリーズで,PostScriptファイルを印刷する場合, 弊社の一部のアプリケーションのファイルで文字の部分が正しく出力されないことがあります。 この問題を避けるため,PostScript プリンタ設定(Usr/Start)用PostScriptファイルSYS$COMMON:[SYSHLP.EXAMPLES.DCPS]DCPS$USERSTART.PS を印刷することにより, ハードディスク上のUsr/Startファイルを変更した後,プリンタの電源を入れ直してください。
また,ハードディスクのないOKI MICROLINEシリーズで印刷する場合は, /SETUP修飾子にDCPS$SETUP_OKI装置制御モジュールを指定してください。
PRINTコマンドでは,INPUT_TRAYパラメータでTOPまたはENVELOPE_ FEEDERを指定することにより,トレイ1を選択してください。
MICROLINEの封筒カセットやハガキ・カセットは,必ずトレイ1で使用されますが, ジョブ・セパレータ・ページは操作パネルで選択されたトレイの用紙を使用します。 プリンタの操作パネルでは,トレイ2を選択してください。
また,ファイル・セパレータ・ページは印刷ファイルと同じトレイの用紙を使用します。 封筒やハガキへ印刷する場合は,ファイル・セパレータ・ ページを出力する修飾子を,PRINTコマンドで指定しないでください。
LZR1560プリンタのfolio用紙はサポートされません。
LN82Rプリンタには,欧文フォントは13種しかありません。このため,以下のフォントを利用しているPostScript ファイルは印刷結果が異なります。 なお,印刷結果の改善のためSETUPモジュールLPS$DECFONT_FALLBACK が,提供されています。
LubalinGraph-Book LubalinGraph-BookOblique LubalinGraph-Demi LubalinGraph-DemiOblique
NewCenturySchlbk-Roman NewCenturySchlbk-Italic NewCenturySchlbk-Bold NewCenturySchlbk-BoldItalic
Souvenir-Light Souvenir-LightItalic Souvenir-Demi Souvenir-DemiItalic
LPS$DECFONT_FALLBACKモジュールでは,欧文フォントを以下のように置き換えることで印刷結果をより本来の結果に近いものにします。
AvantGardeファミリ | → | Helveticaファミリ |
LubalinGraph ファミリ | → | Helveticaファミリ |
NewCenturySchlbkファミリ | → | Times-Romanファミリ |
Souvenirファミリ | → | Times-Roman ファミリ |
このモジュールを指定しない場合,持っていない欧文フォントはCourier に置き換えられますが,この処理が頻繁に起こるとFatal disk error; reinitialize font cashe というエラーでプリンタが停止します。プリント・ キューのジョブを削除し,プリンタの電源を入れ直してLPS$DECFONT_ FALLBACKを指定して再度印刷することで,この現象を回避できます。
上記のPostScriptフォントをLN82Rプリンタにダウンロードすることができますが, 現時点では,弊社からこのためのフォント・キットは販売されていません。
LN82RのproductストリングはLuna0.3PS ですが,デフォルトのprintername はLN82R です。
LN82Rは400dpi (ドット/インチ)のプリンタです。漢字LN03/LN05や弊社の他のPostScript プリンタは300dpi/600dpiなので,それらのプリンタに印刷していたビットマップ・ イメージをLN82Rに印刷した場合,見映えが異なります。 場合によっては縞模様が生じることがあります。
LN82Rに対して,用紙の印字可能範囲を越える位置に文字を出力しようとした場合, 黒い縞模様がページ横方向に現れることがあります。
漢字LN05の標準設定では,フォーム・データ用のメモリは16ページあわせて64 K バイトとなっています。この値は,グラフィック・オプションなどの使用で増やすことができます。 トランスレータによるフォーム・ オーバーレイでは,1ページあたり64 Kバイトまでのフォーム・ データを登録することができます。1ページあたり64 Kバイトを越えるフォーム・ データを登録しようとすると,DECLKFシーケンスそのものが無効になります。PRINT コマンドでマルチファイル指定をした場合, あるファイル内で登録したフォーム・データを他のファイルで使用することはできません。 複数のファイルで共通のフォームを使用したい場合は, フォーム・データをセットアップ・モジュールとして登録し, そのモジュールをPRINTコマンドの /SETUP修飾子で指定してください。
複数ファイルを1つのプリント・ジョブで印刷する場合,各ファイルの先頭で初期設定が行われます。 このため,あるファイルの中で行った設定を, 次のファイルで利用することはできません。このようなときは, セットアップ・モジュールに必要なエスケープ・シーケンスを登録しておくことにより, 各ファイルの初期状態を制御することができます。
LN82Rに印刷されるファイルに外字が含まれ,かつイタリック属性が漢字に対して指定されると,PostScript のFATALエラーになる場合があります。 この場合,プリント・キューを停止し,キューからジョブを削除し, プリンタの電源を入れ直してください。
テキスト・トランスレータで日本語文書を印刷する場合,必ずしもプリンタ・ ハードウェアの最高速度では印刷できません。白黒反転や網かけ, 倍角文字,縦書き,外字があるとき,および1バイト文字と2バイト文字が頻繁に交互に現われるような場合には, 印刷速度はさらに遅くなります。
日本語PostScriptプリンタの内蔵漢字フォントは,PostScriptのアウトライン・ フォントです。外字は日本語VMSのFEDITユーティリティ, またはCHARACTER_MANAGERユーティリティで作成することができますが, このフォントは,40ドット×40ドットまたは32ドット×32ドットのビットマップ・ フォントです。したがって,外字の倍角文字は内蔵フォントの倍角文字に比べて, 印字品質が劣ります(ギザギザが見えます) 。
テキスト・トランスレータで使用している罫線文字は,文字間隔/行間隔が文字サイズに比べてかなり大きいときにはつながりません。
また,この罫線はPostScriptフォントを使用して表示しているため, 表示される位置やサイズによっては装置上で1ピクセル程度のずれを生じることがあり, 結果として,罫線が一直線にならない場合があります。
SIXELとテキストを座標指定(VPA,HPAなど)で位置を指定して,同じページ上で重ね合わせるとき, 印刷可能領域上端付近(通常トップ・ マージンの位置)の座標を指定した場合,結果として表示される文字やSIXEL の縦方向(Y座標)の位置がLN03/漢字LN03 とテキスト・トランスレータでは異なります。SIXEL では,どちらも通常はSIXELの上端の座標が, 指定されたY座標から70ピクセル上になるように表示しますが,LN03/ 漢字LN03では,この表示方法を取ったときにSIXELが印刷可能領域上端を超える場合には,SIXEL の上端の座標が,印刷可能領域上端になるように位置を下げて表示します。 このため,印刷可能領域上端付近の座標を指定して文字とSIXEL を重ねた場合に,LN03/漢字LN03 とテキスト・トランスレータの出力を比べると,LN03/漢字LN03のSIXEL はテキスト・トランスレータよりもやや下にずれます。印刷可能領域上端から離れた位置を指定した場合には, 両者に違いは見られません。
テキスト・トランスレータは,印刷ジョブの開始時に,大量のPostScript プロローグ処理(初期設定)を行います。この処理は印刷ジョブの内容によらず常に同じなので, 初めからプリンタに常駐させておけば, ジョブの最初の1ページが出力されるまでの時間を短縮することができます。 デフォルトでは,プロローグを常駐させることにしていますが, このことはテキスト・トランスレータ以外の印刷ジョブにとっては, 利用できるPostScript VM (Virtual Memory)が減少していることを意味します。 弊社では,PostScriptアプリケーションがVM を400KB以上使わないようにお勧めしますが,もしもこの制限を守っていないソフトウェアがあると,PrintServer プリンタではVMが足りないというエラーで実行できなくなる場合があります。PrintServer プリンタとシリアル・ プリンタではプロローグを常駐させる処理が異なります。
このサポーティング・ホスト・ソフトウェアを使ってブートされたPrintServer では,DCPSと互換性のあるプロローグが常駐しているので, 特別に処理をする必要はありません。また,このサポーティング・ ホストでは,プロローグは必ず常駐していなければなりません。
PostScriptシリアル・プリンタでは,プリンタの電源投入後の最初のプリント・ ジョブで,プロローグが常駐しているかどうかをチェックし, していなければダウンロードします。この時,PostScript パスワードがプリンタ出荷時の設定になっていない場合(LN82Rでは0 でない場合),プロローグは常駐されません。つまり,PostScript パスワードをデフォルト以外の値に設定することによって,常駐をやめることができます。
テキスト・トランスレータでは,使用するPostScriptフォントに対して,UniqueID を指定しています。3658490から4194312のUniqueIDは他のPostScript アプリケーションでは使用しないでください。
PrintServerでは,内蔵PostScriptフォントのRyumin-Light.Romanおよび GothicBBB-Medium.Roman の半角ローマ字フォントは,JISローマ字以外の文字セットをサポートしません。 このため,テキスト・トランスレータでは明朝体半角ローマ字フォントをPostScript Courier フォントで代用しています。
ゴシック体半角ローマ字はPostScriptの半角ローマ字を使用しているため,JIS ローマ字またはASCII文字セット以外の文字セットを指定した場合, 存在しない文字は空白(スペース)文字で置き換えられます。
ANSI(ASCII),KANJI,KANJI78またはLA_KANJIデータ・タイプのSETUP モジュールを作成し,その中で文字を印刷することができますが, この文字をPRINTコマンドで指定したファイルの先頭ページに印刷することはできません。SETUP モジュールの中で印刷した場合には, PRINTコマンドのファイルを印刷する前に改ページが行われます。 ANSI(ASCII),KANJI,KANJI78またはLA_KANJIデータ・タイプでSETUP モジュールを作成し,その中でフォント・ローディング命令またはピッチ指定命令を使用したときには, 空白(スペース)文字を含む実際の文字の印刷をSETUP モジュールの中で行うことはできません。
可変ページ・フォーマット選択命令(DECVPFS)でページ・オリエンテーションを変更する場合, オリエンテーション変更後のページ・マージン( 上下マージン,左右マージン) も同時に指定してください。
マージンを新たに指定しない場合,従来のマージンの値が採用され, シートの外にマージンが設定された状態になることがあります。
漢字LN05とテキスト・トランスレータの8ポイント・フォントの高さは, それぞれ768 centipointと922 centipointとして定義されています。 このため,フォントの高さをもとに位置を制御する命令を使うと, 出力結果が異なってしまいます。これを避けるため,行ピッチの指定はSPI などで明示的に行うようにしてください。また,8ポイント・ フォントを使っていないファイルでもGSM (文字サイズ指定命令) の後に,DECVERP,DECSHORPのパラメータで0を指定すると,漢字LN05 とテキスト・トランスレータで行ピッチ/文字ピッチの違いが生じることがあります。 この場合もSPIなどで行ピッチ/文字ピッチを明示的に指定する事により, 同様に互換性を保つことができます。
A4ページ・サイズに対して,デフォルト状態での文字属性指定命令(SGR) で,Ps=10または11によりフォント指定後,文字ピッチ指定命令(DECSHORP) のPs=0を指定した時の文字ピッチは,10cpiでなく10.3cpi となります。
SS2またはSS3に続いてコントロール・コードがあった時の処理が, LN05などと異なる場合があります。SS2またはSS3は,対象となる文字コードの直前に入れるようにしてください。
SUBコードが漢字コードの1/2バイト間に割り込んだ場合の処理が, LN05などと異なります。LN05ではSUBコードを漢字の2バイト目とみなして全角のリバース・ クエスチョンを出力しますが,テキスト・トランスレータはSUB コードを先に処理するため,漢字は正常に出力されます。
DEC DUTCH文字セットの4/0と7/11およびDEC FRENCH文字セットの7/14 は,マニュアルの記述と違う文字が出力されます。
下線,上線,二重下線は,PLD,PLUを行っても移動しません。
VTによって次の垂直タブ位置まで移動する場合,行間隔が狭すぎるとさらに次の垂直タブ位置まで移動することがあります。 このときには, 行間隔をひろげるか,または今より小さいフォントを使うことにより, 所要のタブ位置に移動することができます。
DECVERP (行ピッチ選択命令)を行った場合,垂直タブはホーム・ポジションを基準とした位置にすべて再設定されます。 このため,最初のVT による垂直方向の移動量は,現在の位置によって変化しますが,次のVT からはDECVERPによって設定された行ピッチと等しくなります。
LA_KANJIデータ・タイプで,DECDHLT (行拡大命令・4倍角)がすでに有効となっている行でDECDWL ( 行拡大命令・横倍角)を指定した場合, DECDWLは無視されます。同じ行のなかで行拡大命令を組み合わせることは避けてください。
LA_KANJIデータ・タイプでは,DECSTBM (上下マージン設定命令)で設定されたマージンはDECVERP ( 行ピッチ選択命令)ではクリアされません。 この場合,DECSTBMによってマージンを再設定してください。
SHS (水平ピッチ選択命令)とDECSHORP (水平ピッチ選択命令)の組み合わせ, または GSM (文字サイズ指定命令)とDECSHORPの組み合わせで, 水平タブ位置がLN05などと合わないことがあります。この場合,水平タブのかわりにスペースを使うことにより, 同じ出力を得ることができます。
JFY (行揃え)をオフに設定した行は,その1行すべてが行揃えされなくなります。
DECVERP (行ピッチ選択命令)によって行ピッチが指定されていた場合,DECSLPP ( 用紙長設定命令)で設定した行数より1行早く改ページする場合があります。 このときには,行間隔をひろげるか,または今より小さいフォントを使うことにより, 指定した行数で改ページするようになります。
LA_KANJIデータ・タイプでは,GSM(文字サイズ変更命令)による縦倍角指定は,DECVERP ( 行ピッチ選択命令)によって解除されます。
テキスト・ファイルの先頭が,改ページ・コードまたは改行+改ページで始まる場合, 漢字LN03に比べて余分な白紙が1枚多く出力されることがあります。 このようなときは,先頭の不要な改ページ・コードを取り除くか, またはファイル・フォーマットをstream_LFに変更することにより, 漢字LN03と同様な動きになります。
DEClaser 2400で提供されている以下の機能は,テキスト・トランスレータでは利用できません。
文字属性にアンダーライン,二重アンダーライン,抹消ライン,反転, または網かけが設定されている場合,文字ピッチの設定およびそのときに使用される文字フォントの組み合せによっては漢字と英数字との間で文字属性に1 ピクセル程度のずれを生じることがあります。
テキスト・トランスレータと他のプリンタとの上記以外の機能の違いは, 「日本語トランスレータ リファレンス・マニュアル」を参照してください。
この節では,DCPS製品に関する一般的な情報で,他のドキュメントに含まれないもの, または差し換えとなるものを示しています。
日本語PrintServer Software V5.0, V5.1では, 日本語PrintServer 17/600プリンタに給紙トレイの自動切り替え機能を提供しています。 これにより,現在の給紙トレイが空になったとき, プリンタは同じサイズの用紙が入っている別の給紙トレイに, 自動的に切り替えます。この機能は省略時設定で有効です。
現在色つきの紙のフラグ・ページを使用している場合,この給紙トレイ切り替え機能を無効にできます。 以下のステップを実行してください。
/TraySwitch true % Controls input tray failover. % false = disable % true = enable
/TraySwitch false % Controls input tray failover. % false = disable % true = enable
詳しくは『DEC PrintServer Supporting Host Software for OpenVMS Management Guide』を参照してください。
DEClaser 5100プリンタは,プリンタ内でPostScriptインタプリタのエラーが起きたときに, 現在印刷中の用紙を排出し,詳しいPostScriptエラー情報を印刷する機能を持っています。
この機能は,PostScriptの問題を分析するのために有効な手段を提供しますが, 以下のような理由により,DCPSソフトウェアでの日常的な使用にはお勧めできません。
DCPSでプリント・キューをスタートする前に,DEClaser 5100のフロント・ パネルで Print Errors 機能を無効にしてください。この機能は, PostScriptの問題を分析したいときだけ有効に設定してください。
DEClaser 5100やHP LaserJet 4siMXなどのプリンタは,プリント・ジョブのデータ・ タイプを認識する機能を持っています。そのようなプリンタは, 接続チャンネルごとに,自動認識機能を有効にするかどうか,フロント・ パネルで設定することができます。
この機能を提供するほとんどのプリンタで,プリンタがPostScriptモードか, またはAutomaticモードに設定されているときは,DCPSソフトェアは適切に動作します。DCPS キューをスタートする前にどちらかのモードで動作するように, プリンタを設定しなければなりません。プリンタがPCLモードに設定されていると,DCPS ソフトウェアは適切に動作しません。