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9 64ビット・アドレッシングをサポートする OpenVMS Alphaツールおよびユーティリティ

本章では,64ビット仮想アドレッシングをサポートするように強化された次の OpenVMS Alphaツールについて,簡単に説明します。


9.1 OpenVMSデバッガ

OpenVMS Alphaシステムのデバッガは, 64ビット・アドレッシングのサポートによって実現される拡張メモリにアクセスすることができます。 完全な64ビット・アドレス空間の中で,データを検査したり操作することができます。

新しい[Quad]オプションを使用することによって, 変数をクォドワードとして扱うことができます。このオプションは,[Monitor] プルダウン・メニューおよび[Examine]ダイアログ・ボックスの,[Typecast] メニューにあります。

デバッガの省略時の設定の型はロングワードです。これは, 32ビット・アプリケーションをデバッグするのに適しています。 64ビット・アドレス空間を使用するアプリケーションをデバッグするには, 省略時の設定の型をクォドワードに変更することをおすすめします。 この操作を行うには,SET TYPE QUADWORDコマンドを使用します。

16進アドレスは,Alpha上では16桁の数値であることに注意してください。 この例を次に示します。

     DBG> EVALUATE/ADDRESS/HEX %hex 000004A0
     00000000000004A0
     DBG>
デバッガは32ビット・ポインタおよび64ビット・ポインタをサポートします。

OpenVMSデバッガの使用についての詳細は, 『OpenVMSデバッガ説明書』を参照してください。


9.2 OpenVMS Alphaシステム・コード・デバッガ

OpenVMS Alphaシステム・コード・デバッガは64ビット・アドレスを受け取り, 64ビット・アドレス全体を使用して情報を検索します。


9.3 Delta/XDelta

XDELTAは,OpenVMS Alpha上で常に64ビット・アドレッシングをサポートしています。 クォドワード表示モードは,情報をすべてクォドワードで表示します。また, 64ビット・アドレス表示モードは,すべてのアドレスを 64ビットの長さとして受け取り,表示します。

XDELTAは,PFNデータベースの内容を表示するコマンド文字列をあらかじめ定義しています。 OpenVMS Alpha Version 7.0における PFNデータベース・レイアウトの変更に伴い, 表示用のコマンド文字列およびその形式が合わせて変更されました。

Delta/Xdeltaについての詳細は, 『OpenVMS Delta/XDelta Debugger Manual』を参照してください。


9.4 OpenVMSランタイム・ライブラリのLIB$およびCVT$機能

OpenVMS RTLライブラリのLIB$機能およびCVT$機能の, 64ビット・アドレッシング・サポートについての詳細は, 『OpenVMS RTL Library (LIB$) Manual』を参照してください。


9.5 ウォッチポイント・ユーティリティ

ウォッチポイント・ユーティリティは, 64ビット・アドレスにウォッチポイントを設定することにより, 共用システム空間内の特定の位置に加えられた修正の履歴を保持するデバッグ・ツールです。 これはS0,S1,またはS2空間の,任意のシステム・アドレスをウォッチします。

ウォッチポイント・ユーティリティに対する$QIOインタフェースは, 64ビット・アドレスをサポートします。WATCHPOINTコマンド・インタプリタ(WP)は, DCL構文の標準規則に従うコマンドから,WATCHPOINTドライバ(WPDRIVER)に対して, $QIO要求を発行します。

コマンドはWATCHPOINT>プロンプトに対して入力し, ウォッチポイントからの情報の設定,削除,および取得を行います。 WATCHPOINTコマンド・インタプリタ(WP)を起動する前に,または WATCHPOINTドライバをロードする前に,まず,SYSGEN MAXBUFダイナミック・パラメータを64000に設定しなければなりません。 この操作は次の手順で行います。

     $ RUN SYS$SYSTEM:SYSGEN
     SYSGEN> SET MAXBUF 64000
     SYSGEN> WRITE ACTIVE
     SYSGEN> EXIT

WPを起動する前に,SYSMANでWPDRIVERをインストールしなければなりません。 次の手順で行います。
     $ RUN SYS$SYSTEM:SYSMAN
     SYSMAN> IO CONNECT WPA0/DRIVER=SYS$WPDRIVER/NOADAPTER
     SYSMAN> EXIT

次のコマンドでWPを起動します。
     $ RUN SYS$SYSTEM:WP
WATCHPOINT>プロンプトに対してコマンドを入力し, ウォッチポイントからの情報の設定,削除,および取得を行います。

ターミナルの表示幅を132桁に設定すると, ウォッチポイント・ユーティリティへの出力および WPヘルプ画面を最適に表示することができます。この設定は次の手順で行います。

     $ SET TERM/WIDTH=132


9.6 SDA

OpenVMS Alpha Version 7.0の場合,SDAは,ユーザが式の中で 64ビット・アドレスおよび64ビット値を指定することを認めています。また, 適切な場所で完全な64ビット値も表示します。

SDAの64ビット・アドレッシング・サポートの使用についての詳細は, 『OpenVMS Alpha System Dump Analyzer Utility Manual』を参照してください。


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