この章では,日本語入力プロセス(FIP)の起動と終了の方法について説明します。
FIPは,DCLコマンドのINPUTコマンドによって起動することができます。またこの際, DCLのコマンド・ライン上で,かな漢字変換で使用される個人辞書名や PROFILE名を指定することもできます。
DCLのコマンド・ライン上で次のように入力します。
$ INPUT START
すると
%FIP-I-WAITCONFIP, Wait establish FIP connection... %FIP-S-CONCOM, connect FIP successfully completion
というメッセージが出力されて,FIPが起動されます。
FIP起動時に,かな漢字変換で使用される個人辞書や,かな漢字変換の環境設定のための PROFILEを指定することができます。詳しくは 『ユーザ・キー定義 利用者の手引き』を参照してください。
DCLのコマンド・ライン上で次のように入力します。
$ INPUT START
このように個人辞書指定を省略した場合, まず論理名JSY$KOJINに個人辞書ファイル名が定義されているかどうか調べます。 もし定義されている場合は,その個人辞書が用いられます。 論理名JSY$KOJINがない場合は,SYS$LOGIN:JSYKOJIN.JISHOが使われます。 同様にPROFILE指定を省略した場合,まず論理名IM$PROFILEが参照されます。 この論理名がない場合は,PROFILEとしてIM$DEFAULTS:IM$PROFILE.DATが使われます。
この例では,個人辞書としてSYS$LOGIN:JSYKOJIN.JISHO,PROFILEとして IM$DEFAULTS:IM$PROFILE.DATを使用します。
$ DEFINE JSY$KOJIN KOJIN $ DEFINE IM$PROFILE IM$PROFILE_EVEJ $ INPUT START
この例では,個人辞書としてSYS$LOGIN:KOJIN.JISHO,PROFILEとして IM$DEFAULTS:IM$PROFILE_EVEJ.DATを使用します。
DCLのコマンド・ライン上で,次のように個人辞書指定の修飾子を付加します。
$ INPUT START/DICTIONARY=[ 個人辞書指定 ]
[個人辞書指定]では,ディレクトリ名から個人辞書ファイルを指定することができます。 ファイル名のみ指定した場合は,ディレクトリ名はSYS$LOGIN,ファイル・タイプは .JISHOが適用されます。ただしこの修飾子が付加されない場合は, 論理名JSY$KOJINで定義されたファイル名が参照されます。
$ INPUT START/DICTIONARY=PRIVATE
この例では,個人辞書としてSYS$LOGIN:PRIVATE.JISHOを使用します。
$ INPUT START/DICTIONARY=SYS$LOGIN:PRIVATE.JISHO
この例では,個人辞書としてSYS$LOGIN:PRIVATE.JISHOを使用します。
DCLのコマンド・ライン上で,次のようにPROFILE指定の修飾子を付加します。
$ INPUT START/PROFILE=[ PROFILE 指定 ]
[ PROFILE指定]では,ディレクトリ名からPROFILEを指定することができます。 ファイル名のみ指定した場合は,ディレクトリ名はIM$DEFAULTS,ファイル・タイプは .DATが適用されます。
$ INPUT START/PROFILE=IM$PROFILE_TARO
この例では,PROFILEとしてIM$DEFAULTS:IM$PROFILE_TARO.DAT を使用します。
DCLのコマンド・ライン上に次のように修飾子を付加します。
$ INPUT START/DICTIONARY=[ 個人辞書指定 ]/PROFILE = [ PROFILE 指定 ]
指定方法の詳細は,2,3を参照してください。
一旦起動されたFIPは,何らかの障害が発生しない限りそのまま動作し続けます。 FIPを停止させたい場合にはINPUTコマンドを使用します。
DCLのコマンド・ライン上で,次のように入力します。
$ INPUT STOP %FIP-S-DSCCOM, disconnect FIP successfully completion
というメッセージを出力して,FIPが停止されます。