[ 前のページ ] [ 次のページ ] [ 目次 ] [ DOC Home ]

16 ロック・プログラミング・インタフェース

Galaxyプラットフォームの主な機能の1つに,オペレーティング・システムの複数のインスタンス間でリソースを共用できる機能があります。 リソースを共用する場合, そのリソースへのアクセスの同期をとる必要があります。 この章で説明するサービスは,Galaxy内の共用リソースへのアクセスの同期をとるために, 協調動作スキームを作成する基礎となるものを提供します。

galaxyロックは,スピンロックとミューテックスの組み合わせです。 所有されているgalaxyロックを取得しようとする間,スレッドは短期間スピンします。 スピン中にロックが使用可能にならないと,スレッドは待ち状態になります。 これはSMPスピンロックと異なります。SMPスピンロックでは, スピンが時間切れになると,システムがクラッシュしますが, このような動作はGalaxyでは認められません。

galaxyロックの性質上,これらのロックは共用メモリのどこかに存在します。 その共用メモリはユーザまたはgalaxyロック・サービスによって割り当てることができます。 ユーザがメモリを割り当てる場合は,ロック・サービスはロックの場所だけを追跡します。 ロック・サービスがメモリを割り当てる場合は, ユーザの代わりにメモリを管理します。

execletsのMONバージョンの一部でしかない他のモニタリング・コードと異なり,galaxy ロックのモニタリング・コードは常にロードされます。

galaxyロックを取り扱うために複数のルーチンが提供されています。これらのルーチンは, ロックに関係する基礎的な機能だけを提供します。SMP をサポートするために使用されるスピン・ロックより少し豊富な機能を備えていますが, ロック・マネージャが提供する機能より,はるかに劣ります。


$ACQUIRE_GALAXY_LOCK (Alphaのみ)
GALAXYロックの取得

OpenVMS Galaxyのロックの所有権を取得します。

フォーマット

    SYS$ACQUIRE_GALAXY_LOCK   handle ,timeout ,flags

Cプロトタイブ

    int sys$acquire_galaxy_lock   (unsigned __int64 lock_handle,
                                 unsigned int timeout, unsigned int
                                 flags);

引数

handle
OpenVMS使用法   galaxy lock handle
タイプ          quadword (unsigned)
アクセス        read
メカニズム      input by value
取得するロックを識別する64ビットのロック・ハンドル。この値はSYS$CREATE_GALAXY_LOCK から返されます。

timeout
OpenVMS使用法   wait timeout
タイプ          longword (unsigned)
アクセス        read
メカニズム      input by value
10マイクロ秒単位で指定される32ビットの待ちの時間切れまたはスピン時間切れ。 指定しなかった場合のデフォルトは10マイクロ秒です。

flags
OpenVMS使用法   bit mask
タイプ          longword (unsigned)
アクセス        read
メカニズム      input by value
GLOCKDEFマクロによって定義される制御フラグ: GLOCK$C_NOBREAK, GLOCK$C_NOSPIN,GLOCK$C_NOWAIT。

説明

このサービスは,OpenVMS Galaxyロックの所有権を取得するために使用されます。 ロックが空き状態の場合は,呼び出しプロセスが所有者になり, 制御はただちに返されます。ロックが所有されている場合は,入力フラグとタイムアウト値をもとに, 呼び出しプロセスは待ち状態になるか, またはエラーが返されます。

所有されているロックを取得しようとしたときにデフォルトで実行される動作は,10 マイクロ秒だけスピンし,その後待ち状態になるという動作です。 待ちタイムアウト値が指定されている場合は,その値が使用されます。 指定されていない場合は,$CREATE_GALAXY_LOCKでロックに設定されたタイムアウト値が使用されます。 この動作は,入力フラグを使用して変更できます。

GLOCK$C_NOSPINだけが指定されており,ロックが所有されている場合は, スピンは実行されません。

GLOCK$C_NOWAITだけが指定されており,ロックが所有されている場合は, 呼び出しプロセスはロックでスピンします。タイムアウト値が呼び出しに指定されている場合は, その値がスピン時間として使用されます。それ以外の場合は, 呼び出しプロセスは10マイクロ秒だけスピンします。スピンの間にロックが使用可能にならないと, ロックは取得されず,SS$_NOWAIT が返されます。

GLOCK$C_NOSPINとGLOCK$C_NOWAITが指定されており,ロックが所有されている場合は, 制御がただちに返されます。ロックは取得されず,SS$_ NOWAITが返されます。

OpenVMS Galaxyインスタンスのシャットダウンなどのシステム・イベントのために, 存在しないエンティティによってロックが所有されることがあります。 この場合には,$ACQUIRE_GALAXY_LOCKのデフォルト動作は,以前のロック所有権を破棄するという動作になります。 呼び出しプロセスが新しい所有者になり, サービスはSS$_BROKENを返します。GLOCK$C_NOBREAK が指定されている場合は,$ACQUIRE_GALAXY_LOCKはロック所有権を破棄せず,SS$_NOBREAK を返します。

必要なアクセス権または特権

OpenVMS Galaxyロック・テーブルへの書き込みアクセスには,取得するロックが含まれます。

必要なクォータ

なし

関連サービス

$CREATE_GALAXY_LOCK,
$CREATE_GALAXY_LOCK_TABLE,
$DELETE_GALAXY_LOCK,
$DELETE_GALAXY_LOCK_TABLE,
$GET_GALAXY_LOCK_INFO,
$GET_GALAXY_LOCK_SIZE,
$RELEASE_GALAXY_LOCK

戻り値

SS$_NORMAL 正常終了しました。
SS$_BADPARAM パラメータ値が不正です。
SS$_ BROKEN ロック所有権が破壊された後,ロックが取得されました。
SS$_IVLOCKID ロックIDが無効です。
SS$_ IVLOCKOP ロック操作が無効です。
SS$_IVLOCKTBL ロック・テーブルが不正です。
SS$_LOCK_TIMEOUT ロックの取得が失敗しました。 要求は時間切れになりました。
SS$_NOBREAK ロックの取得が失敗しました。 ロック所有権が破壊されています。
SS$_NOWAIT ロックの取得が失敗しました。NOWAITが指定されています。


$CREATE_GALAXY_LOCK (Alphaのみ)
OpenVMS Galaxyロックの作成

OpenVMS Galaxyロック・ブロックを$CREATE_GALAXY_LOCK_TABLEサービスで作成されたロック・ テーブルから割り当てます。

フォーマット

    SYS$CREATE_GALAXY_LOCK   lcktbl_handle ,name ,timeout ,size
                            ,ipl,rank ,handle

Cプロトタイブ

    int sys$create_galaxy_lock   (unsigned int lcktbl_handle, char
                                *name, unsigned int size, unsigned
                                int timeout, unsigned int ipl,
                                unsigned int rank, unsigned __int64
                                *lock_handle);

引数

lcktbl_handle
OpenVMS使用法   lock table handle
タイプ          longword (unsigned)
アクセス        read
メカニズム      input by value
ロックを作成するロック・テーブルを識別する32ビットのロック・テーブル・ ハンドル。この値はSYS$CREATE_GALAXY_LOCK_TABLEから返されます。

name
OpenVMS使用法   address
タイプ          zero-terminated string
アクセス        read
メカニズム      input by reference
nameパラメータは,最後が0の文字列を指すポインタです。名前は15 文字以内でなければなりません。ロック名が一意の名前であるかどうかは確認されません。 したがって,同じ名前で複数のロックを作成できます。

timeout
OpenVMS使用法   wait timeout
タイプ          longword (unsigned)
アクセス        read
メカニズム      input by value
10マイクロ秒単位で指定される32ビットの待ちの時間切れまたはスピン時間切れ。 指定しなかった場合のデフォルトは10マイクロ秒です。

size
OpenVMS使用法   byte count
タイプ          longword (unsigned)
アクセス        read
メカニズム      input by value
galaxyロックのサイズ(バイト数)。galaxyロックには2つの有効なサイズがあります。 これらの値はSYS$GET_GALAXY_LOCK_SIZEから返されます。 SYS$CREATE_GALAXY_LOCKに渡された値は,SYS$CREATE_GALAXY_LOCK_TABLEへの呼び出しに渡す値に等しくなければなりません。

ipl
OpenVMS使用法   IPL of lock
タイプ          longword (unsigned)
アクセス        read
メカニズム      input by value
カーネル・モードで取得されたgalaxyロックの場合,ロックが保有されている間に上昇するIPL 。このパラメータは他のすべてのアクセス・モードでは無視されます。

rank
OpenVMS使用法   rank of lock
タイプ          longword (unsigned)
アクセス        read
メカニズム      input by value
galaxyロックに適用されるランク。ランクは可能性のあるデッドロックを検出するために使用されます。 このパラメータは現在無視されます。

handle
OpenVMS使用法   address
タイプ          quadword (unsigned)
アクセス        write
メカニズム      output by reference
handleパラメータはクォドワードを指すポインタです。返される値は, galaxy全体で有効なロックを一意に識別する64ビットのハンドルです。

説明

このサービスは,$CREATE_GALAXY_LOCK_TABLEサービスで作成されたロック・ テーブルからOpenVMS Galaxyロック・ブロックを割り当てます。

必要なアクセス権または特権

システム・ロックの場合: CMKRNL,SHMEM ユーザ・ロックの場合: SHMEM ロック・テーブルへの書き込みアクセス権

必要なクォータ

なし

関連サービス

$ACQUIRE_GALAXY_LOCK,
$CREATE_GALAXY_LOCK_TABLE,
$DELETE_GALAXY_LOCK,
$DELETE_GALAXY_LOCK_TABLE,
$GET_GALAXY_LOCK_INFO,
$GET_GALAXY_LOCK_SIZE,
$RELEASE_GALAXY_LOCK

戻り値

SS$_NORMAL 正常終了しました。
SS$_ACCVIO パラメータに対するアクセス違反。
SS$_ BADLCKTBL OpenVMS Galaxyロック・テーブルが壊れています。
SS$_BADPARAM パラメータ値が不正です。
SS$_ IVLOCKID ロックIDが無効です。
SS$_IVLOCKTBL ロック・テーブルが不正です。
SS$_INSFMEM ロック・ テーブルのメモリが不足しています。
SS$_NOCMKRNL この操作にはCMKRNL特権が必要です。
SS$_NOSHMEM この操作にはSHMEM 特権が必要です。


$CREATE_GALAXY_LOCK_TABLE (Alphaのみ)
OpenVMS Galaxyロック・テーブルの作成

OpenVMS Galaxyロック・テーブルを割り当てます。

フォーマット

    SYS$CREATE_GALAXY_LOCK_TABLE   name ,accmode ,section_size
                                  ,section_type ,prot ,lock_size
                                  ,lcktbl_handle

Cプロトタイブ

    int sys$create_galaxy_lock_table   (char *name, unsigned int
                                      accmode, unsigned __int64
                                      section_size, unsigned int
                                      section_type, unsigned int
                                      prot, unsigned int lock_size,
                                      unsigned int *lcktbl_handle);

引数

name
OpenVMS使用法   address
タイプ          zero-terminated string
アクセス        read
メカニズム      input by reference
nameパラメータは,最後が0の文字列を指すポインタです。名前はgalaxy ロックを格納するために作成されるグローバル・セクションに付けられます。

accmode
OpenVMS使用法   access mode
タイプ          longword (unsigned)
アクセス        read
メカニズム      input by value
マップ時に作成されるページの所有者になるアクセス・モード。accmode 引数は,アクセス・モードを格納するロングワードです。

$PSLDEFマクロは,4つのアクセス・モードに対して次のシンボルを定義します。

シンボル アクセス・モード
PSL$C_KERNEL カーネル
PSL$C_EXEC エグゼクティブ
PSL$C_SUPER スーパバイザ
PSL$C_USER ユーザ

使用される最高特権のアクセス・モードは,呼び出しプロセスのアクセス・ モードです。

section_size
OpenVMS使用法   byte count
タイプ          quadword (unsigned)
アクセス        read
メカニズム      input by value
作成されるグローバル・セクションの長さ(バイト数)。サイズはCPU固有のページ・ サイズの倍数として指定しなければなりません。サイズとして0を指定することはできません。

section_type
OpenVMS使用法   bit mask
タイプ          longword (unsigned)
アクセス        read
メカニズム      input by value
グローバル・セクションが作成される仮想メモリ内の場所を制御します。GLCKTBL$C_PROCESS を指定すると,セクションはP2 (プロセス)空間に作成されます。GLCKTBL$C_SYSTEM を指定すると,セクションはS0/S1 (システム) 空間に作成されます。これらの定数はGLOCKDEFマクロに定義されます。

prot
OpenVMS使用法   protection
タイプ          longword (unsigned)
アクセス        read
メカニズム      input by value
グローバル・セクションに適用される保護。

マスクには4つの4ビット・フィールドが含まれます。ビットは各フィールドの右から左に読み込まれます。

クリアされているビットは,読み込みアクセス,書き込みアクセス,実行アクセス, 削除アクセスが,この順に特定のユーザ・カテゴリに与えられることを示します。

ロック・セクションの保護の場合,読み込みアクセスと書き込みアクセスだけが意味があります。 削除アクセス・ビットは無視されます。

lock_size
OpenVMS使用法   byte count
タイプ          longword (unsigned)
アクセス        read
メカニズム      input by value
galaxyロックのサイズ(バイト数)。galaxyロックには2つのサイズがあります。 正しいサイズはSYS$GET_GALAXY_LOCK_SIZEから返されます。

lcktbl_handle
OpenVMS使用法   address
タイプ          longword
アクセス        write
メカニズム      output by reference
ロングワードを指すポインタ。返される値は,galaxy全体で有効なロック・ テーブルを一意に識別する32ビットのハンドルです。

説明

このサービスは,OpenVMS Galaxyロック・テーブル構造を割り当てます。 この構造は,やはりこのサービスが作成する共用メモリ・セクションに関する情報を管理するために使用されます。 固有のロック・テーブル名を使用してこのサービスを最初に呼び出すプロセスがセクションを作成します。 その後の呼び出しプロセスはセクションをマッピングします。この共用メモリ・ セクションにはGalaxyロックの集合が格納されます。セクション内に存在するすべてのロックは同じサイズです。 ロック・テーブルが作成された後,$CREATE_GALAXY_LOCK サービスを使用してロックを作成し, テーブルから割り当てることができます。

フラグGLCKTBL$C_PROCESSとGLCKTBL$C_SYSTEMは,共用メモリ領域がシステム空間にマッピングされるのか, プロセス空間にマッピングされるのかを指定します。 プロセス空間セクションを作成するには,SHMEM特権が必要です。 システム空間セクションを作成するには,SHMEM特権とCMKRNL特権が必要です。

必要なアクセス権または特権

CMKRNL, SHMEM

必要なクォータ

なし

関連サービス

$ACQUIRE_GALAXY_LOCK,
$CREATE_GALAXY_LOCK,
$DELETE_GALAXY_LOCK,
$DELETE_GALAXY_LOCK_TABLE,

$GET_GALAXY_LOCK_INFO,
$GET_GALAXY_LOCK_SIZE,
$RELEASE_GALAXY_LOCK

戻り値

SS$_NORMAL 正常終了しました。
SS$_ACCVIO パラメータに対するアクセス違反。
SS$_ BADPARAM パラメータ値が不正です。
SS$_CREATED ファイルまたはセクションが存在しません。 新規作成されました。
SS$_ IVLOCKID ロックIDが無効です。
SS$_NOPRIV 実行しようとした操作に必要な特権がありません。
SS$_NOCMKRNL この操作にはCMKRNL特権が必要です。
SS$_NOSHMEM この操作にはSHMEM特権が必要です。


$DELETE_GALAXY_LOCK (Alphaのみ)
OpenVMS Galaxyロックの削除

OpenVMS Galaxyロックを無効にし,削除します。

フォーマット

    SYS$DELETE_GALAXY_LOCK   handle

Cプロトタイブ

    int sys$delete_galaxy_lock   (unsigned __int64 lock_handle);

引数

handle
OpenVMS使用法   galaxy lock handle
タイプ          quadword (unsigned)
アクセス        read
メカニズム      input by value
削除するロックを識別する64ビットのロック・ハンドル。この値はSYS$CREATE_GALAXY_LOCK から返されます。

説明

このサービスはOpenVMS Galaxyロックを無効にし,削除します。ロックのためのメモリが実際に削除されるわけではなく, 後で使用できるようにフリー・ リストに格納されるだけです。

必要なアクセス権または特権

CMKRNL,SHMEM

必要なクォータ

なし

関連サービス

$ACQUIRE_GALAXY_LOCK,
$CREATE_GALAXY_LOCK,
$CREATE_GALAXY_LOCK_TABLE,
$DELETE_GALAXY_LOCK_TABLE,
$GET_GALAXY_LOCK_INFO,
$GET_GALAXY_LOCK_SIZE,
$RELEASE_GALAXY_LOCK

戻り値

SS$_NORMAL 正常終了しました。
SS$_BADLCKTBL Galaxy ロック・テーブルが壊れています。
SS$_ IVLOCKID ロックIDが無効です。
SS$_IVLOCKTBL ロック・テーブルが不正です。
SS$_LOCKINUSE 不正な操作;ロックは使用中です。
SS$_NOCMKRNL この操作にはCMKRNL特権が必要です。
SS$_NOSHMEN この操作にはSHMEM 特権が必要です。


$DELETE_GALAXY_LOCK_TABLE (Alphaのみ)
OpenVMS Galaxyロック・テーブルの削除

OpenVMS Galaxyロック・テーブルを削除します。

フォーマット

    SYS$DELETE_GALAXY_LOCK_TABLE   lcktbl_handle

Cプロトタイブ

    int sys$delete_galaxy_lock_table   (unsigned int *lcktbl_handle);

引数

lcktbl_handle
OpenVMS使用法   lock table handle
タイプ          longword (unsigned)
アクセス        read
メカニズム      input by value
削除するテーブルを識別する32ビットのロック・テーブル・ハンドル。 この値はSYS$CREATE_GALAXY_LOCK_TABLEから返されます。

説明

このサービスは,OpenVMS Galaxyロック・テーブルを削除します。 テーブルが管理しているロック・テーブル・セクションのマッパーが存在しない場合は, ロック・テーブルは削除されます。

必要なアクセス権または特権

CMKRNL, SHMEM

必要なクォータ

なし

関連サービス

$ACQUIRE_GALAXY_LOCK,
$CREATE_GALAXY_LOCK_TABLE,
$DELETE_GALAXY_LOCK,
$DELETE_GALAXY_LOCK,
$GET_GALAXY_LOCK_INFO,
$GET_GALAXY_LOCK_SIZE,
$RELEASE_GALAXY_LOCK

戻り値

SS$_NORMAL 正常終了しました。
SS$_BADPARAM パラメータ値が不正です。
SS$_ IVLOCKID ロックIDが無効です。
SS$_IVLOCKTBL ロック・テーブルが無効です。
SS$_NOCMKRNL この操作にはCMKRNL特権が必要です。
SS$_NOSHMEM この操作にはSHMEM特権が必要です。


$GET_GALAXY_LOCK_INFO (Alphaのみ)
OpenVMS Galaxyロック情報を得る

指定されたロックから"interesting"フィールドを返します。

フォーマット

    SYS$GET_GALAXY_LOCK_INFO   handle ,name ,timeout ,size ,ipl, rank
                              ,flags

Cプロトタイブ

    int sys$get_galaxy_lock_info   (unsigned __int64 lock_handle,
                                  char *name, unsigned int *timeout,
                                  unsigned int *size, unsigned int
                                  *ipl, unsigned int *rank, unsigned
                                  short int *flags);

引数

handle
OpenVMS使用法   handle for the galaxy lock
タイプ          quadword (unsigned)
アクセス        read
メカニズム      input by value
情報が必要なロックを識別する64ビットのロック・ハンドル。この値はSYS$CREATE_GALAXY_LOCK から返されます。

name
OpenVMS使用法   address
タイプ          zero-terminated string
アクセス        write
メカニズム      output by reference
バッファを指すポインタ。このバッファはロックの名前を格納できるだけの十分な大きさでなければなりません。 ロック名は最後が0の文字列であり, 最大サイズは16バイトです。

timeout
OpenVMS使用法   address
タイプ          longword (unsigned)
アクセス        write
メカニズム      output by reference
ロングワードを指すポインタ。返される値はロックの時間切れの値です。

size
OpenVMS使用法   address
タイプ          longword (unsigned)
アクセス        write
メカニズム      output by reference
ロングワードを指すポインタ。返される値はロックのサイズ(バイト数)です。

ipl
OpenVMS使用法   address
タイプ          longword (unsigned)
アクセス        write
メカニズム      output by reference
ロングワードを指すポインタ。返される値はロックのIPLです。

rank
OpenVMS使用法   address
タイプ          longword (unsigned)
アクセス        write
メカニズム      output by reference
ロングワードを指すポインタ。返される値はロックのランクです。

flags
OpenVMS使用法   address
タイプ          word (unsigned)
アクセス        write
メカニズム      output by reference
ワードを指すポインタ。返される値はロック・フラグのワード・マスクです。

説明

このサービスは,指定されたロックからすべての"interesting"フィールドを返します。

これらの値の詳細については,$CREATE_GALAXY_LOCKサービスを参照してください。

必要なアクセス権または特権

ロックに対する読み込みアクセス権

必要なクォータ

なし

関連サービス

$ACQUIRE_GALAXY_LOCK,
$CREATE_GALAXY_LOCK,
$CREATE_GALAXY_LOCK_TABLE,
$DELETE_GALAXY_LOCK,
$DELETE_GALAXY_LOCK_TABLE,
$GET_GALAXY_LOCK_SIZE,
$RELEASE_GALAXY_LOCK

戻り値

SS$_NORMAL 正常終了しました。
SS$_IVLOCKID ロックID が無効です。
SS$_IVLOCKTBL ロック・テーブルが無効です。


$GET_GALAXY_LOCK_SIZE (Alphaのみ)
OpenVMS Galaxyロック・サイズを得る

OpenVMS Galaxyロックの最小サイズと最大サイズを返します。

フォーマット

    SYS$GET_GALAXY_LOCK_SIZE   min_size ,max_size

Cプロトタイブ

    int sys$get_galaxy_lock_size   (unsigned int *min_size, unsigned
                                  int *max_size);

引数

min_size
OpenVMS使用法   address
タイプ          longword (unsigned)
アクセス        write
メカニズム      output by reference
ロングワードを指すポインタ。返される値はgalaxyロック構造の最小サイズです。

max_size
OpenVMS使用法   address
タイプ          longword (unsigned)
アクセス        write
メカニズム      output by reference
ロングワードを指すポインタ。返される値はgalaxyロック構造の最大サイズです。

説明

このサービスは,OpenVMS Galaxyロックの最小サイズと最大サイズを返します。 最大サイズのロックが作成されると,ロック・サービスは取得情報(acquire information) と解除情報(release information)をロックに記録します。

ロック・サイズは,$CREATE_GALAXY_LOCK_TABLEサービスに渡すsection_ sizeパラメータの値を判断するために使用できます。

必要なアクセス権または特権

ロックに対する読み込みアクセス権

必要なクォータ

なし

関連サービス

$ACQUIRE_GALAXY_LOCK,
$CREATE_GALAXY_LOCK,
$CREATE_GALAXY_LOCK_TABLE,
$DELETE_GALAXY_LOCK,
$DELETE_GALAXY_LOCK_TABLE,
$GET_GALAXY_LOCK_INFO,
$RELEASE_GALAXY_LOCK

戻り値

SS$_NORMAL 正常終了しました。


$RELEASE_GALAXY_LOCK (Alphaのみ)
OpenVMS Galaxyロックの解除

OpenVMS Galaxyロックの所有権を解除します。

フォーマット

    SYS$RELEASE_GALAXY_LOCK   handle

Cプロトタイブ

    int sys$release_galaxy_lock   (unsigned __int64 lock_handle);

引数

handle
OpenVMS使用法   galaxy lock handle
タイプ          quadword (unsigned)
アクセス        read
メカニズム      input by value
解放するロックを識別する64ビットのロック・ハンドル。この値はSYS$CREATE_GALAXY_LOCK から返されます。

説明

このサービスは,OpenVMS Galaxyロックの所有権を解除します。 Galaxyロックは同じ所有者によって2回以上取得されることがあるため(ネストした所有権) ,所有権カウントが0になるまで,ロックは解除されません。 ロック所有権が完全に解除され,そのロックを待っている他のスレッドがある場合は, 待ち状態から解放されます。

必要なアクセス権または特権

ロックに対する書き込みアクセス権

必要なクォータ

なし

関連サービス

$ACQUIRE_GALAXY_LOCK,
$CREATE_GALAXY_LOCK,
$CREATE_GALAXY_LOCK_TABLE,
$DELETE_GALAXY_LOCK,
$DELETE_GALAXY_LOCK_TABLE,
$GET_GALAXY_LOCK_INFO,
$GET_GALAXY_LOCK_SIZE

戻り値

SS$_NORMAL 正常終了しました。
SS$_IVLOCKID ロックID が無効です。
SS$_IVLOCKOP ロック操作が無効です。
SS$_ IVLOCKTBL ロック・テーブルが無効です。


16.1 ロック・エラー・メッセージ


[ 前のページ ] [ 次のページ ] [ 目次 ] [ DOC Home ]