[ 前のページ ] [ 次のページ ] [ 目次 ] [ 索引 ] [ DOC Home ]

1 日本語メール・ユーティリティ(JMAIL)

この章では,日本語メール・ユーティリティ (JMAIL) について説明します。


1.1 機能概要

日本語メール・ユーティリティJMAILはOpenVMS標準の MAILユーティリティに日本語入力の機能およびエディタとして XTPU/JEVEの呼び出しを追加したものです。このユーティリティによって,

を行うことができます。メール・ファイルなどはJMAILとMAILで共通に使用され, どちらを使用しても同じメール・ファイルを読むことができます。

詳しくは『OpenVMSユーザーズ・マニュアル』を参照してください。


1.2 JMAILコマンド

この節では,JMAILコマンドの形式,パラメータ,修飾子について説明します。


JMAIL

日本語メール・ユーティリティを起動します。

形式

    JMAIL [ファイル指定] [宛先利用者名[,...] ]

パラメータ

ファイル指定

指定した利用者に送りたい文章を含むファイルを指定します。 ファイル・タイプを省略した場合にはTXTが適用されます。 ワイルドカード文字は使用できません。

ファイル指定を省略した場合は日本語メール・ユーティリティが起動され, 会話的にコマンドを実行します。

宛先利用者名[,...]

メッセージを受け取る1人または複数の利用者を指定します。 メッセージを含むファイルが指定された場合はこのパラメータも必要です。 利用者名はその利用者がログインするときに使用する名前です。 遠隔ノードにいる利用者には遠隔ノードの名前の後に2つのコロン (::)を付けたものを利用者名の前につける必要があります。

日本語OpenVMS V6.2より,トランスポート名または引用符を指定しなくても, インターネット形式の宛先を指定できます。

たとえば,日本語DEC TCP/IP Servicesがインストールされている場合, V6.2より前のバージョンの日本語OpenVMSでは,次のように指定します。

     SMTP%"user@node.org"

これがV6.2以降では次のように指定することができます。

     user@node.org

インターネット・トランスポートがSMTPでない場合,論理名MAIL$INTERNET_TRANSPORT を定義して,別のトランスポートを選択できます。user@node構文は,DECnet Phase IV ノード名またはDECnet/OSI別名を指定する時にも使用できます。この場合, node::userとして処理されます。

利用者名を複数指定するには, 利用者名を含む配布リスト・ファイルを指定する方法があります。 単に配布リスト・ファイルの前に単価記号(@)を付け引用符(")で囲むだけです。 配布リスト・ファイルには1行につき1人の利用者名を記述します。

遠隔ノード上の利用者についても前述のとおりです。

配布リスト・ファイルのファイル・タイプを省略したときはDISが適用されます。 ファイル指定にはワイルドカード文字は使用できません。


ファイル指定および宛先利用者名を指定して使用する場合に有効な修飾子

/PERSONAL_NAME=個人名

メッセージを送信するときに使用する送信者の個人名を指定します。 この修飾子によって指定された個人名は SET PERSONAL_NAMEで指定した省略時の個人名より優先されます。 /NOPERSONAL_NAMEは,個人名なしで送ることを指定します。

/SELF

メッセージのコピーを自分自身にも送ることを指定します。

/SUBJECT=文字列

メッセージの表題を指定します。 文字列に空白が含まれる場合または大文字変換したくないときは引用符 (")で囲んでください。この修飾子を省略した場合には, メッセージは表題なしで送られます。


会話的にJMAILを使用する場合有効な修飾子

/EDIT=[(send,reply[=extract],forward)]

SEND,REPLYおよびFORWARDコマンドで/EDITを省略時設定とします。


1.3 使用例

この節では日本語メール・ユーティリティの使用例を示します。

  1. JMAILを会話型で使用する場合。
         $ JMAIL
         JMAIL>
    

  2. PROJECT.DOCという名前のファイルを利用者IWASAWAおよび KOBAYASHIにNew Projectという表題をつけて送る場合。
         $ JMAIL/SUBJECT="New Project" PROJECT.DOC IWASAWA,KOBAYASHI
    

  3. NEWSLETTR.TXTという名前のファイルを USERS.DISというファイルに登録されているすべての利用者に送る場合。 表題は,Vacation Policy Changeです。
         $ JMAIL/SUBJECT="Vacation Policy Change" NEWSLETTR "@USERS"
    


1.4 フォルダについて

フォルダは,受信したメッセージを分類するためにあります。 日本語メール・ユーティリティによって用意されるフォルダは,次の3種類です。

表 1-1 JMAILフォルダの一覧

フォルダ名 内容
NEWMAIL 未読の受信メッセージが置かれる
MAIL 1度読んだ受信メッセージが置かれる
WASTEBASKET DELETE コマンドで削除した受信したメッセージが一時的に置かれる (メール・ユーティリティを終了するまでの間)

また,各々の利用者は利用者定義のフォルダを作成することもできます。 フォルダを作成するには,JMAILコマンドのMOVEを使用します。

フォルダ名には英小文字も使用できます。ただし, その場合はフォルダ名を二重引用符で囲む必要があります。


1.5 キーパッドについて

VT100キーボード/LK201キーボード/LK401キーボードでは, 図 1-1に示すようにコマンドをキーパッドに定義していますので, キーパッドの使用により,コマンド入力を簡単にすることができます。

図 1-1 キーパッド配列図 (日本語メール・ユーティリティ) : (クリックで表示)


1.6 主なJMAILサブコマンドの使用方法

この節では,表 1-2に示す,主な JMAILサブコマンドを説明します。他のコマンドについては, 『OpenVMSユーザーズ・マニュアル』を参照してください。


表 1-2 JAMILの主なサブコマンド一覧

コマンド 機能
DELETE 受信したメッセージの中で不必要なものを削除する
DIRECTORY 受信し,保存しているメッセージの一覧を表示する
EXIT 日本語メール・ユーティリティを終了する
EXTRACT 受信したメッセージを DCL コマンド・レベルからアクセスできるファイルに転記する
FORWARD 受信したメッセージのコピーを他の利用者に送信する
HELP 日本語メール・ユーティリティの情報を得る
MOVE 受信したメッセージを指定フォルダに移動する
PRINT 受信したメッセージをプリンタに出力する
READ 受信したメッセージを読む
REPLY 受信したメッセージに対し,返信する
SELECT フォルダを選択する
SEND メッセージを送信する
SET 日本語メール・ユーティリティの特性を定義したり変更したりする


1.6.1 DELETEコマンド

現在読んでいる, あるいは直前に読み終えたメッセージまたは指定メッセージを削除します。

<形式>

       JMAIL>DELETE [修飾子][メッセージ番号]

<パラメータ>

メッセージ番号 現在のメッセージ以外のメッセージを削除したいときに, そのメッセージ番号を指定します。

たとえば,下記のリストの2番目のメッセージを削除したい場合は,

	# 発信人            日付          表題

	1 FARR::ITO         11-APR-1996   レーザ・プリンタの使用について
	2 ELLOT::HOSODA     12-APR-1996   新入社員歓迎会のお知らせ
	3 BRIAN::OOTANI     20-APR-1996   OOP seminar tommorow,10AM

次のように入力します。

     JMAIL> DELETE 2

メッセージ(1つまたは複数)を削除してからDIRECTORYコマンドを入力すると, リストに削除を示すマークが記入されます。

	# 発信人            日付          表題

	1 FARR::ITO         11-APR-1996   レーザ・プリンタの使用について
	2 (削除)
	3 BRIAN::OOTANI     20-APR-1996   OOP seminar tommorow,10AM

このマークは,メールを終了すると自動的に消えます。

<修飾子>

/ALL 現在のフォルダにはいっているすべてのメッセージを削除します。


1.6.2 DIRECTORYコマンド

保存している受信メッセージの一覧を表示します。

<形式>

       JMAIL>DIRECTORY [修飾子][フォルダ名]

<パラメータ>

省略可能です。

フォルダ名 表示したいメッセージが入っているフォルダ名を指定します。

たとえば,DIRECTORYコマンドにより,次のようなリストが表示されます。

	# 発信人            日付          表題

	1 FARR::ITO         11-APR-1996   レーザ・プリンタの使用について
	2 ELLOT::HOSODA     12-APR-1996   新入社員歓迎会のお知らせ
	3 BRIAN::OOTANI     20-APR-1996   OOP seminar tommorow,10AM

<修飾子>

/BEFORE=日時 指定した日時 以前に受信したすべてのメール・メッセージのリストを表示します。
/CC_SUBSTRING=文字列 メッセージのCC フィールドに文字列 を含むメッセージのリストを表示します。
/EDIT エディタを起動して DIRECTORY コマンドの出力を読み込ませます。 フォルダやリストをスクロールすることにより簡単にメッセージが探せます。
/FROM_SUBSTRING=文字列 メッセージの FROM フィールドに 文字列 を含むメッセージのリストを表示します。
/FOLDER 現在のメール・ファイルに含まれるすべてのフォルダのリストを表示します。
/FULL 受信メッセージの詳しい情報を表示します。メッセージのレコードサイズ, 返信の有無,メッセージがマークされているか, 新しく届いたメッセージかなどの情報が表示されます。
/[NO]MARKED MARK コマンドによってマークされたメッセージのリストを表示します。 /NOMARKED はマークされていないメッセージを選択します。
/NEW 新しい(未読の)メール・メッセージのリストを表示します。
/PAGE[=キーワード] 画面表示を制御します。次のキーワードが指定できます。

CLEAR_
SCREEN
ページモードで表示する (各ページの表示前に画面を消去する)
SCROLL スクロールモードで表示する(1行ずつスクロールする)
SAVE[=n] 画面操作機能を有効にする。n は保存されるページ数。

/[NO]REPLIED REPLY コマンドでによって返事を出したメッセージのリストを表示します。 /NOREPLIED は返事を出していないメッセージを選択します。
/SINCE=日時 指定した日時以後に受信したすべてのメール・ メッセージのリストを表示します。
/START=開始点 表示するディレクトリ・リストの開始点を指定するための修飾子です。 たとえば,メッセージ番号 3 以上のすべてのメッセージを表示させたいときは, DIRECTORY/START=3というコマンド行を入力します。 同様にフォルダを表示させたいときは,/START 修飾子と /FOLDER 修飾子を使って最初のフォルダ名を指定してください。たとえば, アルファベット順で PLEAT の後にくるフォルダをすべて表示させたいときは, DIRECTORY/START=PLEAT/FOLDERというコマンド行を入力します。
/SUBJECT_SUBSTRING[=文字列] メッセージの SUBJECT フィールドに文字列 を含むメッセージのリストを表示します。文字列を省略すると, プロンプトが出て日本語入力ができます。
/TO_SUBSTRING=文字列 メッセージの TO フィールドに 文字列 を含むメッセージのリストを表示します。


1.6.3 EXITコマンド

日本語メール・ユーティリティを終了します。

<形式>

       JMAIL>EXIT


1.6.4 EXTRACTコマンド

受信したメッセージを DCLコマンド・レベルからアクセスできるファイルとしてメールの外に作成します。

<形式>

       JMAIL>EXTRACT [修飾子][ファイル指定]

<パラメータ>

ファイル指定 メッセージ転記先の出力ファイル名を指定します。 ファイル・タイプの省略時設定は .TXT です。

たとえば,この例ではメール・メッセージをGAMES.DATという名前のファ イルに出力しています。

     JMAIL> EXTRACT
     _File: GAMES.DAT
     %MAIL-I-CREATED, DISK:[BERGMAN]GAMES.DAT;1    が作られました。

     JMAIL>

<修飾子>

/ALL 現在選択されているメッセージをすべて指定ファイルに転記します。
/APPEND 指定ファイルの末尾に選択されたメッセージを付加させるための修飾子です。 指定ファイルが存在しないときには,このファイルが新たに作成されます。
/MAIL 出力ファイルを省略時設定のファイル・タイプが MAI で,保護コードが (S:RW,O:RW, G, W) の順次編成メール・ファイルとすることを指定します。
/NOHEADER メール・メッセージから見出し情報 (To: From: Subj:) を取り除いてメッセージだけを転記します。


1.6.5 FORWORDコマンド

現在読んでいる,または直前に読み終えたメッセージを転送します。

<形式>

       JMAIL>FORWARD [修飾子]
       To : [ノード名::]利用者名
       Subj :表題 ・・・(ここではローマ字・かな漢字変換ができます。)

<修飾子>

/[NO]CC_PROMPT メッセージのコピー (CC:) を送るユーザ名を聞いてきます。
/[NO]EDIT エディタを起動してこれから転送するメッセージを編集することを指定します。
/NOHEADER メール・メッセージから見出し情報を取り除いて,メッセージだけを転送します。 省略時設定は /HEADER です。
/[NO]PERSONAL_NAME[=個人名] メッセージを転送するときに使う個人名を指定します。 名前 を省略するとプロンプトが出て,日本語入力ができます。 /NOPERSONAL_NAME は,個人名なしで送ることを指定します。
/[NO]SELF 転送するメッセージのコピーを転送者自身に送り返すことを指定します。 省略時設定は /NOSELF です。
/SIGNATURE_FILE=ファイル名 SET SIGNATURE_FILE コマンドで指定した 署名ファイルとは別の署名ファイルを指定し,メッセージに付加できます。
/SUBJECT[=文字列] 転送するメッセージの表題を指定します。文字列 を省略すると, プロンプトが出て日本語入力ができます。


1.6.6 HELPコマンド

日本語メール・ユーティリティに関するあらゆる情報, たとえばコマンドの利用方法などを知ることができます。

<形式>

       JMAIL>HELP [トピック]

<パラメータ>

トピック 表示させたい情報の個々のコマンドまたはトピックを指定します。 全情報を必要とする場合,*(ワイルドカード)を入力します。


1.6.7 MOVEコマンド

現在読んでいる,または直前に読み終えたメッセージを指定フォルダに移動します。

<形式>

       JMAIL>MOVE [修飾子]フォルダ名 [ファイル指定]

<パラメータ>

フォルダ名 現在のメッセージを移動する宛先のフォルダ名を指定してください。 指定フォルダが存在しないときは, そのフォルダを新たに作成するかどうか聞いてきます。 フォルダ名は英数字で 1 〜 39 文字までの長さです。
ファイル指定 現在のメッセージを移動する宛先のファイルを指定してください。 指定ファイルが存在しないときは, そのファイルを新たに作成するかどうか聞いてきます。 ファイル指定を省略すると, メッセージは現在のファイルの中の指定フォルダに移されます。

たとえば以下のようになります(フォルダ名はWINNERS, 省略時のメール・ファィル指定です)。指定されたフォルダ名が存在しないと, そのフォルダを作成するかどうか尋ねてきます。

<修飾子>

/ALL 現在選択されているメッセージのすべてを指定フォルダに移動します。
/[NO]CONFIRM 新しいファイルまたはフォルダを作成するときに利用者自身による確認を行います。 省略時設定は,/CONFIRM です。

     JMAIL> 2
     JMAIL> MOVE
     _Folder: WINNERS
     _File: <RET>

     フォルダ WINNERS は存在しません。
     このフォルダを作成しますか (Y/N ,省略時は N です)? Y
     %MAIL-I-NEWFOLDER ,フォルダ WINNERS が作成されました。


1.6.8 PRINTコマンド

現在読んでいるメッセージ, または直前に読み終えたメッセージをプリント・キューに加えます。 ただし,JMAIL終了時までプリントされません。

<形式>

       JMAIL>PRINT [修飾子]

<修飾子>

/AFTER=日時 指定された日時になるまでプリントしないようにします。 絶対時間かデルタ時間を指定することができます。
/ALL 現在選択しているすべてのメッセージをプリントします。
/[NO]BURST[=キーワード]) メッセージの前にバースト・ページをプリントするかどうか指定します。
/CANCEL 現在のセッション中にプリント・キューに入れられたすべてのメッセージをキャンセルします。
/COPIES=n プリントするコピーの数を指定します。 省略時設定は 1 です。
/[NO]FEED PRINT コマンドが,ページの終わりに近づいたときに自動的にホーム・ フィードを挿入するかどうか指定します。省略時設定は /FEED です。
/[NO]FLAG[=キーワード] メッセージの前にフラグ・ページをプリントするかどうか指定します。
/FORM=フォーム名 プリント・ジョブに対して指定したいフォームの名前または番号を指定します。
/[NO]HOLD メッセージをすぐにプリントするかどうか指定します。
/NAME=ジョブ名 プリント・ジョブに名前を付けます。
/[NO]NOTIFY ファイル(単数または複数)のプリント終了を通知させます。 省略時設定は /NONOTIFY です。
/NOW PRINT コマンドでプリント・キューに加えられたメッセージを実際にプリントします。 /PRINT と同じです。
/PARAMETERS=(パラメータ [,...]) プリント・ジョブに対し指定するパラメータを1個から8個指定します。
/PRINT PRINT コマンドでプリント・キューに加えられたメッセージを実際にプリントします。
/QUEUE=キュー名 メッセージをプリントするキューの名前を指定します。/QUEUE 修飾子を指定しないと, メッセージは SYS$PRINT プリンタのキューに加えられます。
/[NO]SPACE 出力をダブル・スペースにするかどうか指定します。 省略時設定は /NOSPACE です。
/[NO]TRAILER=(ONE:ALL) メッセージの前にトレイラー・ページをプリントするかどうか指定します。


1.6.9 READコマンド

受信したメッセージを読みます。新しい(未読の)メッセージを読みたいときには, 修飾子やパラメータは必要ありません。

<形式>

       JMAIL>READ [修飾子][フォルダ名][メッセージ番号]

<パラメータ>

省略可能です。

フォルダ名 これから読むメッセージが入っているフォルダ名を指定します。
メッセージ番号 表示したいメッセージの番号を指定します。

<修飾子>

/BEFORE=日時 指定した日時以前に受信したメール・メッセージを表示します。
/CC_SUBSTRING=文字列 uメッセージの CC フィールドに 文字列を含むメッセージを表示します。
/EDIT エディタを呼び出してメッセージを読み出します。
/FROM_SUBSTRING=文字列 メッセージの FROM フィールドに文字列を含むメッセージを表示します。
/[NO]MARKED MARK コマンドによってマークされたメッセージを表示します。 /NOMARKED はマークされていないメッセージを表示します。
/NEW JMAIL 使用中に着信した新しいメール・メッセージを表示します。
/PAGE[=キーワード] 画面表示を制御します。次のキーワードが指定できます。

CLEAR_
SCREEN
ページモードで表示する(各ページの表示前に画面を消去する)
SCROLL スクロールモードで表示する(1行ずつスクロールする)
SAVE[=n] 画面操作機能を有効にする。n は保存されるページ数。

/[NO]REPLIED REPLY コマンドでリプライしたメッセージを表示します。 /NOREPLIED はリプライしていないメッセージを表示します。
/SINCE=日時 指定した日時以後に受信したメール・メッセージを表示します。
/SUBJECT_SUBSTRING[=文字列] メッセージの SUBJECT フィールドに文字列を含むメッセージを表示します。 文字列を省略すると,プロンプトが出て日本語入力ができます。
/TO_SUBSTRING=文字列 メッセージの TO フィールドに 文字列を含むメッセージを表示します。


1.6.10 REPLYコマンド

現在読んでいる,または直前に読み終えたメッセージの発信者に返信します。

<形式>

       JMAIL>REPLY [修飾子][ファイル指定]

<パラメータ>

省略可能です。

ファイル指定 返信メッセージが書かれているファイルのファイル名を指定します。

返信メッセージの編集を終えたら,[CTRL/Z]を押してください。中止する場合は [CTRL/C]を押してください。[CTRL/C]が入力された場合, 編集したメッセージは返信されません。

<修飾子>

/[NO]CC_PROMPT メッセージのコピー (CC:) を送るユーザ名を聞いてきます。
/[NO]EDIT エディタを起動してこれから発信する返信メッセージを編集することを指定します。
/EXTRACT エディタを起動して,現在のメッセージ(これに対して返信を行う)を編集します。
/LAST これまでに発信したメッセージのうち最後に発信したものを, 返信メッセージのテキストとして使用することを指定します。
/[NO]PERSONAL_NAME[=個人名] メッセージを送信するときに使う個人名を指定します。 名前 を省略するとプロンプトが出て,日本語入力ができます。 /NOPERSONAL_NAME は,個人名なしで送ることを指定します。
/[NO]SELF 返信者自身に返信メッセージのコピーを送り返すかどうかを指定します。 省略時設定は /NOSELF です。
/SIGNATURE_FILE=ファイル名 SET SIGNATURE_FILE コマンドで指定した 署名ファイルとは別の署名ファイルを指定し,メッセージに付加できます。


1.6.11 SELECTコマンド

フォルダ内のメッセージを選択します。

<形式>

       JMAIL>SELECT [修飾子][フォルダ名]

<パラメータ>

フォルダ名 選択するフォルダ名を指定します。省略時には現在のフォルダが選択されます。

いくつかのフォルダを作っておけば,これらのフォルダ間で移動が可能となります。 その移動はこのSELECTコマンドを使用します。たとえば, WINNERSフォルダへ移動したい場合は,次のコマンドを入力してください (フォルダ中のメッセージの数が表示されます)。

     JMAIL> SELECT WINNERS
     %MAIL-I-SELECTED ,12 通のメッセージが選択されました。

今選択したフォルダに入っているメッセージのリストを見たいときは, DIRECTORYコマンドを入力してください。

<修飾子>

/BEFORE=日時 指定した日時以前に受信したすべてのメール・メッセージを選択します。
/CC_SUBSTRING=文字列 メッセージの CC フィールドに文字列を含むメッセージを選択します。
/FROM_SUBSTRING=文字列 メッセージの FROM フィールドに 文字列を含むメッセージを選択します。
/[NO]MARKED MARK コマンドによってマークされたメッセージを選択します。 /NOMARKED はマークされていないメッセージを選択します。
/NEW 新しい(未読の)メッセージを選択します。
/[NO]REPLIED REPLY コマンドによって返事を出したメッセージを選択します。 /NOREPLIED は返事を出していないメッセージを選択します。
/SINCE=日時 指定した日時以後に受信したすべてのメール・メッセージを選択します。
/SUBJECT_SUBSTRING[=文字列] メッセージの SUBJECT フィールドに 文字列を含むメッセージを選択します。 文字列を省略すると,プロンプトが出て日本語入力ができます。
/TO_SUBSTRING=文字列 メッセージの TO フィールドに 文字列を含むメッセージを選択します。


1.6.12 SENDコマンド

メッセージに表題を付けて,1人あるいは複数利用者に向けて送信します。

<形式>

       JMAIL>SEND [修飾子][ファイル名]
       To : [ノード名::]利用者名
       Subj :表題 ・・・ここではローマ字・かな漢字変換ができます。

<パラメータ>

省略可能です。

ファイル名 送信メッセージが書かれているファイルのファイル名を指定します。

メッセージ・テキストの入力が終了したら,[CTRL/Z]を押してください。 中止する場合は[CTRL/C]を押してください。

<修飾子>

/[NO]CC_PROMPT メッセージのコピー (CC:) を送るユーザ名を聞いてきます。
/[NO]EDIT エディタを起動して,これから送信するメッセージを編集することを指定します。
/LAST これまでに送信したメッセージのうち最後に送信したものを, 送信メッセージのテキストとして使用することを指定します。
/[NO]PERSONAL_NAME[=個人名] メッセージを送信するときに使う個人名を指定します。 名前を省略するとプロンプトが出て,日本語入力ができます。 /NOPERSONAL_NAME は,個人名なしで送ることを指定します。
/[NO]SELF メッセージの送信者自身にメッセージのコピーを送り返すかどうかを指定します。 省略時設定は,/NOSELF です。
/SIGNATURE_FILE=ファイル名 SET SIGNATURE_FILE コマンドで指定した 署名ファイルとは別の署名ファイルを指定し,メッセージに付加できます。
/SUBJECT=文字列 送信するメッセージの表題を指定するための修飾子です。 文字列を省略すると,プロンプトが出て日本語入力ができます。


1.6.13 SETコマンド

SETコマンドは他のコマンドと組み合わせて, メール・ユーティリティの特性を定義したり変更したりするときに使用します。

<形式>

       JMAIL>SET [キーワード]

<キーワード>

AUTO_PURGE

JMAIL>SET [NO]AUTO_PURGE

EXITコマンドまたはSET FILEコマンド入力時に WASTEBASKETフォルダに残っているメッセージを削除するかどうかを 決定することができます。

CC_PROMPT

JMAIL>SET [NO]CC_PROMPT

メッセージを送るときにカーボン・コピー・プロンプト(CC:) を出すかどうか決定します。

COPY_SELF

JMAIL>SET COPY_SELF コマンド名

SENDまたはREPLYまたはFORWARDコマンドが入力されたときに メッセージのコピーを送信者に返送するかどうかを決定します。

SEND,NOSEND,REPLY,NOREPLY,FORWARD,NOFORWARDのいずれかを指定します。

EDITOR

JMAIL>SET [NO]EDITOR エディタ名

SEND,REPLY,FORWARD,EDITコマンドで使用するエディタを指定することができます。

エディタ名

使用するエディタを指定します。あなたのシステムにあるすべてのコーラブル・ エディタを指定することができます。XTPUエディタを使用する場合には,

SET EDIT XTPU

とします。

FILE

JMAIL>SET FILE ファイル名

指定されたファイルをメール・ファイルとして設定し,オープンします。 COPYコマンド,FILEコマンド,または, MOVEコマンドを使って他のメール・ファイルを作成しておけば,その後は SET FILEコマンドでそのメール・ファイルをオープンすることができます。

ファイル名

オープンするメール・ファイルの名前を指定します。 ファイルをオープンするときには,メール・ファイル・ディレクトリと MAIというファイル・タイプが使われます。

FORM

JMAIL>SET [NO]FORM フォーム名

省略時設定のプリント・フォームを設定します。 SET NOFORMコマンドは設定したプリント・フォームを解除し,省略時設定を SYS$PRINTにします。

フォーム名

設定するプリント・フォーム名です。

FORWARD

JMAIL>SET [NO]FORWARD アドレス

メールの転送先アドレスをセットすることができます。 SET FORWARDコマンドを入力すると, 受信メッセージはこのコマンドで指定したアドレスに転送されます。

アドレス

メール転送先のアドレス(NODE::NAME)を指定します。

MAIL_DIRECTORY

JMAIL>SET [NO]MAIL_DIRECTORY [修飾子]サブディレクトリ名

すべてのメール・ファイルをメール・ディレクトリ SYS$LOGIN:から指定サブディレクトリへ移動させます。

サブディレクトリ名

サブディレクトリ名を指定します。このサブディレクトリにすべての .MAIファイルが移動されます。

PERSONAL_NAME

JMAIL>SET [NO]PERSONAL_NAME 個人名

送信するメール・メッセージの"From:"フィールドの末尾に,もう 1つのフィールドを付け足すことができます。このフィールドには, 送信者の氏名などの情報を入れることができます。

個人名

送信するメール・メッセージの"From:"フィールドに入れるストリングを指定します。 省略すると,プロンプトが出て日本語入力ができます。

QUEUE

JMAIL>SET [NO]QUEUE キュー名

ユーザ・プロファイル中のプリント・キューの省略時設定をセットします。 SET NOQUEUEコマンドは,セットしていた設定を解除し,プリント・キューを SYS$PRINTに設定します。

キュー名

設定するプリント・キューの名前です。

SIGNATURE_FILE

JMAIL>SET SIGNATURE_FILE ファイル名

署名ファイルを指定します。 すべてのメッセージに自動的に指定した署名ファイルが付加されます。 SET NO SIGNATURE_FILEは,署名ファイルの設定を解除します。

ファイル名

署名ファイルの名前です。省略時のファイル・タイプは.SIGです。

WASTEBASKET_NAME

JMAIL>SET WASTEBASKET_NAME フォルダ名

WASTEBASKETフォルダの名前を変更します。

フォルダ名

削除したメッセージを一時保存するためのWASTEBASKETフォルダの名前をセットします。 フォルダ名には,どの英数字を使用してもかまいませんが,MAILまたは NEWMAILという文字列を指定してはいけません。


1.7 コマンド表示における画面操作機能

日本語OpenVMS V7.0よりJMAILの次のコマンドで/PAGE修飾子を指定すると, 画面操作機能を有効にすることができます。

/PAGE修飾子では次のキーワードが指定できます。

CLEAR_SCREEN ページモードで表示(各ページの表示前に画面を消去する)
SCROLL スクロールモードで表示(1行ずつスクロールする)
SAVE[=n] 画面操作機能を有効にする。n は保存されるページ数

/PAGE=SAVE修飾子を使用すると,最大5画面,255桁分の画面を保存できます。 この時,次のキーを使って画面の移動などができます。

キー名 動作
上矢印(↑),Ctrl/B 1行スクロールアップ
下矢印(↓) 1行スクロールダウン
左矢印(←) 1桁左へシフト
右矢印(→) 1桁右へシフト
Find(E1) 文字検索を起動
Insert Here(E2) 半画面右シフト
Remove(E3) 半画面左シフト
Select(E4) 80/132 桁切り替え
Prev Screen(E5) 前画面に移動
Next Screen(E6),Return,Enter,Space 次画面に移動
F10,Ctrl/Z 終了
Help(F15) MAIL, JMAIL では使用できない
Do(F16) 最新(現在)画面と(履歴内で)最古画面の入れ換え
Ctrl/W 再表示

省略時の設定は/NOPAGEです。


[ 前のページ ] [ 次のページ ] [ 目次 ] [ 索引 ] [ DOC Home ]