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Exchange ユーティリティ (EXCHANGE) を起動します。このユーティリティは,オペレーティング・システムが通常認識できない形式で書き込まれた,大容量記憶ボリュームを操作します。EXCHANGE を使用すると,次の操作を行うことができます。
- フォーリン・ボリュームの作成
- ファイルをボリュームに転送,ボリュームからファイルを転送
- ボリュームのディレクトリの一覧作成
RT-11 ディスクのようなブロック・アドレス指定可能な装置の場合, EXCHANGE は,ファイル名の変更やファイルの削除などの操作も実行できます。 EXCHANGE は,フォーリン・ボリュームのイメージである Files-11 ファイルも操作できます。これらのファイルは 仮想装置 と呼ばれます。
EXCHANGE についての詳細は,『OpenVMS Exchange Utility Manual』 ( ドキュメンテーション CD-ROM に用意されています ),またはオンライン・ヘルプを参照してください。
EXCHANGE [サブコマンド] [ファイル指定] [ファイル指定]
このコマンドを使用すると,OpenVMS オペレーティング・システムと, OpenVMS のファイル編成をサポートしないオペレーティング・システムとの間でファイルを転送できるようになります。転送は,OpenVMS システムと OpenVMS 以外のオペレーティング・システムのノードを接続する DECnet ネットワーク通信リンク上で行われます。DECnet サービスを使用すると, EXCHANGE/NETWORK コマンドで次の操作を行うことができます。
- OpenVMS ノードと OpenVMS 以外のシステムのノード間でファイルを転送する。
- 入力ファイルのグループを出力ファイルのグループとして転送する。
- OpenVMS 以外の 2 つのノードが,EXCHANGE/NETWORKコマンドを実行する OpenVMS ノードに DECnet で接続されている場合に,これらのノード間でファイルを転送する。
EXCHANGE/NETWORK 入力ファイル指定[,...] 出力ファイル指定
入力ファイル指定[,...]
転送したい既存のファイル名を指定します。ワイルドカード文字のアスタリスク (*) とパーセント記号 (%) が使用できます。 2 つ以上のファイルを指定する場合には,ファイル指定をコンマ (,) で区切ります。出力ファイル指定
入力ファイルを転送する出力ファイル名を指定します。出力ファイル指定には,フィールドを最低 1 つ指定しなければなりません。装置またはディレクトリを省略すると,現在の省略時の設定の装置およびディレクトリが使用されます。その他に不明なフィールド ( ファイル名,ファイル・タイプ,およびバージョン番号 ) がある場合は,EXCHANGE/NETWORK コマンドによって,入力ファイル指定の対応するフィールドに置き換えられます。
EXCHANGE/NETWORK コマンドは,指定した各入力ファイルにつき新しい出力ファイルを 1 つ作成します。
ファイル名,ファイル・タイプ,またはバージョン番号の代わりに,ワイルドカード文字のアスタリスク (*) を使用できます。 EXCHANGE/NETWORK コマンドは,関連する入力ファイルの対応するフィールドを使用して,出力ファイルをに名前を付けます。また,出力ファイル指定でワイルドカード文字のアスタリスク (*) を使用すると,EXCHANGE/NETWORK で 2 つ以上の出力ファイルを作成するよう指定することができます。次の例を参照してください。
$ EXCHANGE/NETWORK A.A,B.B MYPC::*.C
この EXCHANGE/NETWORK コマンドは, OpenVMS 以外のターゲット・ノード MYPC にファイル A.C および B.C を作成します。
ワイルドカード文字のアスタリスク (*) とパーセント記号 (%),およびバージョン番号についての詳細は,次の「説明」を参照してください。
EXCHANGE/NETWORK コマンドには,次の制限事項があります。
- ファイルが転送できるのは,ディスク装置間だけです。転送するファイルをディスク装置に永久的に格納しない場合は,このコマンドを実行する前にファイルをディスクに移動するか,またはコマンドが終了したあとディスクからファイルを取り出す必要があります。
- 遠隔システムには,512 バイトのブロック・サイズが必要です。ここで 1 バイトは 8 ビット長です。
- ファイルを転送するノードは, DECnet Data Access Protocol (DAP) をサポートしていなければなりません。
OpenVMS レコード管理サービス (RMS) を使用すると,オペレーティング・システムは OpenVMS RMS ファイルのレコードにアクセスできます。どちらも OpenVMS ノードである 2 つのノード間で OpenVMS RMS ファイルを転送するには,他の DCL コマンド (COPY,APPEND,CONVERT など) から適切なものを 1 つ使用します。これらのコマンドは,RMS ファイル編成を認識して,ファイルの転送時に RMS レコード構造を保持するように設計されています。
OpenVMS ノードと OpenVMS 以外のノード間でファイルを転送するには, EXCHANGE/NETWORK コマンドを使用します。このコマンドを使用すると,ファイル編成の違いが原因で転送ができなかったり,予期しない結果になったりするのを防ぐことができます。 COPY コマンドを使用した場合でも,コピーされたファイルの内容や属性は確実に保持されますが,EXCHANGE/NETWORK コマンドにはそれ以上の利点があります。 EXCHANGE/NETWORK コマンドを使用すると,ファイル転送時にレコード属性を明示的に制御でき,数種類のオペレーティング・システムでファイルを使用可能にすることができます。
EXCHANGE/NETWORK コマンドは,同じ DECnet ネットワークに接続された OpenVMS ノードと OpenVMS 以外のノード間でファイルを転送します。 OpenVMS 以外のシステムが OpenVMS ファイル編成をサポートしていない場合でも, EXCHANGE/NETWORK コマンドを使用すれば,転送時にファイルおよびレコードの各属性を変更したり廃棄したりできます。ただし,ターゲット・システムが OpenVMS ノードである場合は,この節で後述するように,ファイル定義言語 (FDL) ファイルを使用すれば,出力ファイルのファイル属性およびレコード属性を変更することができます。 EXCHANGE/NETWORK コマンドには,多様な転送を正しく処理できるように,いくつかの省略時の設定が用意されています。ただし,転送の種類によっては,両方のノードのファイル形式またはレコード形式の必要条件を知っている必要もあります。
OpenVMS 環境のすべての RMS ファイルには,ファイル属性およびレコード属性を示す,ファイル属性およびレコード属性と呼ばれる情報が含まれています。ファイル属性には,ファイル編成,ファイルの保護,ファイル割り当て情報などの項目があります。レコード属性には,レコード形式,レコード・サイズ,索引編成ファイルのキー定義,キャリッジ制御情報などの項目があります。これらの属性が, OpenVMS RMS ファシリティが用いるデータ形式やアクセス方法を定義します。
OpenVMS ファイル編成をサポートしない OpenVMS 以外のオペレーティング・システムには,ファイルのファイル属性およびレコード属性を保存する機能がありません。ファイル属性およびレコード属性を保存または処理できない OpenVMS 以外のシステムに OpenVMS ファイルを転送すると,これらの情報の大部分が廃棄されてしまいます。これらの属性をファイルから削除すると, OpenVMS システムで再使用しなければならない場合に,そのファイルは元どおりの使い方はできません。
OpenVMS 以外のシステムから OpenVMS システムにファイルを転送すると,ファイルは通常,省略時の設定のファイル属性およびレコード属性を持つと仮定されます。ただし,ファイル定義言語 (FDL) ファイルを使用して,ファイルの属性を指定することもできます。また,CDAドキュメントを転送する場合には, EXCHANGE/NETWORK コマンドの後に次のコマンドを入力します。
$ SET FILE/SEMANTICS=[ddif,dtif] ドキュメント名.doc
/FDL 修飾子で FDL ファイルを指定する場合には, FDL ファイルが出力ファイルの属性を決めます。 OpenVMS 以外のシステムから OpenVMS システムにファイルを転送し,互換性のあるファイル属性およびレコード属性を設定する時,この機能は便利です。ただし,FDL ファイルを使用する場合,必要な属性を決めるのはユーザです。
FDL ファイルについての詳細は,『OpenVMS Record Management Utilities Reference Manual』を参照してください。
EXCHANGE/NETWORK コマンドは,OpenVMS ファイル編成をサポートしない OpenVMS 以外のシステムへの転送を行う場合に, OpenVMS ファイルに対応するファイル属性およびレコード属性を廃棄します。転送時のファイル属性およびレコード属性の消失によって,ほとんどのアプリケーションで使用できない出力ファイルが作成される可能性があります。
EXCHANGE/NETWORK コマンドには,AUTOMATIC,BLOCK,RECORD,および CONVERT の, 4 つの転送モード・オプションがあります。ほとんどのファイル転送には, AUTOMATIC が使用できます。AUTOMATIC 転送モード・オプションを使用すると,ブロック入出力またはレコード入出力のいずれかを使用して,ファイルを転送できます。入出力の選択は,入力ファイルのファイル編成とオペレーティング・システムによります。
BLOCK 転送モード・オプションを選択すると,EXCHANGE/NETWORK コマンドは,ブロック入出力アクセス用に入力ファイルと出力ファイルの両方をオープンします。これによって,入力ファイルは,ブロック単位で出力ファイルに転送されます。実行可能なイメージを転送する場合には,この転送モードを使用します。また,このモードは,ファイル内容を正確に保持しなければならない場合に使用すると便利です。これは,別のシステムで一時的にファイルを保存する場合や,共同で動作するアプリケーションがシステムに存在する場合に必要となります。
RECORD 転送モード・オプションを選択すると,EXCHANGE/NETWORK コマンドは,レコード入出力アクセス用に入力ファイルと出力ファイルの両方をオープンします。これによって,入力ファイルは,逐次アクセスで出力ファイルに転送されます。この転送モードは主に,テキスト・ファイルを転送する場合に使用します。
CONVERT 転送モード・オプションを選択すると,EXCHANGE/NETWORK コマンドは, RECORD アクセス用に入力ファイルをオープンし, BLOCK アクセス用に出力ファイルをオープンします。これによって,レコードは入力ファイルから読み込まれ,ブロックにパックされてから,出力ファイルに書き込まれます。この転送モードは主に,暗黙のキャリッジ制御なしでファイルを転送する場合に使用します。たとえば,DIGITAL Standard Runoff (DSR) で作成したファイルを DECnet DOS システムに転送するには, CONVERT 転送モード・オプションを使用しなければなりません。結果の出力ファイルを OpenVMS ノードに返送するには, AUTOMATIC 転送モード・オプションを使用します。
ファイル指定には,ワイルドカード文字のアスタリスク (*) とパーセント記号 (%) を使用できます。また,その動作内容は,OpenVMS ノードに対して他の OpenVMS システム・コマンドを使用した場合と同じです。
2 つ以上の入力ファイルが指定されて,出力ファイル指定にワイルドカード文字のアスタリスク (*) やパーセント記号 (%) が指定されていない場合には,最初の入力ファイルが出力ファイルにコピーされます。後続の各入力ファイルは転送された後,同じファイル名でバージョン番号が大きい出力ファイル名になります。複数の入力ファイルが,1 つの出力ファイルに連結されるわけではありません。また,バージョン番号をサポートしないフォーリン・システムにファイルを転送する場合には,最後に指定した入力ファイルに対応する出力ファイルが 1 つだけ作成されます。
複数の出力ファイルを作成するには,複数の入力ファイルを指定します。次のいずれかの方法を使用してください。
- 出力ファイル名,ファイル・タイプ,またはバージョン番号の各フィールドでワイルドカード文字のアスタリスク (*) を1つ使用します。
- 出力ファイル指定として,ノード名,装置名,またはディレクトリ名だけを使用します。
複数の出力ファイルを作成する場合,EXCHANGE/NETWORK コマンドは,対応する入力ファイルのフィールドを使用して,出力ファイルを指定します。
複数の入力ファイルと出力ファイルを指定する場合には,/LOG 修飾子を使用すると,意図したとおりにファイルがコピーされていることを確かめることができます。
ターゲット・ノードのファイル形式でバージョン番号が使用できる場合には,次のガイドラインを参照してください。
入力ファイル,および出力ファイルのバージョン番号が指定されていない場合, EXCHANGE/NETWORK コマンドは,出力ファイルに次のいずれかのバージョン番号を割り当てます ( 省略時の設定 )。
- 入力ファイルのバージョン番号
- 同じファイル名およびファイル・タイプを持つ既存のファイルの,最高のバージョン番号より1つ大きいバージョン番号
出力ファイルのバージョン番号をワイルドカード文字のアスタリスク (*) で指定した場合,EXCHANGE/NETWORK コマンドは,対応する入力ファイルのバージョン番号を,出力ファイルのバージョン番号として使用します。
出力ファイルのバージョン番号を明示的に指定した場合, EXCHANGE/NETWORK コマンドは通常,出力ファイル指定にそのバージョン番号を使用します。ただし,同じかまたはそれ以上のバージョンの出力ファイルが存在している場合には,警告メッセージが発行されずにファイルがコピーされて,バージョン番号は,現在ある最高のバージョン番号より 1 つ大きい値に設定されます。
出力ファイル名の一部が明示的に指定されている場合, EXCHANGE/NETWORK コマンドは,出力ファイルを新しいファイルとして処理します。出力ノードが OpenVMS システムである場合,新しいファイルの作成日は,現在の日時に設定されます。ただし,出力ファイル指定が,ワイルドカード文字のアスタリスク (*) とパーセント記号 (%) のみで構成されている場合,出力ファイルは新しいファイルとして処理されないため,出力ファイルの作成日は入力ファイルの作成日と同じになります。
出力ファイルの更新日は常に,現在の日時に設定されます。バックアップの日付はゼロに設定されます。出力ファイルには,新しい満了日が割り当てられます。保持が許可されている場合は,満了日はファイル・システムによって設定されます。保持が禁止されている場合,満了日はゼロに設定されます。
ターゲット・ノードが OpenVMS ノードである場合には,出力ファイルの保護およびアクセス制御リスト (ACL) は,次のパラメータによって以下の順序で決まります。
- 出力ファイルの既存バージョンの保護
- 出力ディレクトリの省略時の設定の保護および ACL
- プロセスでの省略時の設定のファイルの保護
ACL の概要については,『OpenVMS Guide to System Security』を参照してください。
OpenVMS システムでは,出力ファイルの所有者は通常,出力ファイルの作成者と同じです。ただし,拡張された特権を持つユーザが出力ファイルを作成する場合,その所有者は親ディレクトリの所有者か,または,出力ファイルの前バージョンが存在する場合にはその所有者になります。
拡張特権には,次のものがあります。
- SYSPRV(システム特権)またはBYPASS
- システム利用者識別コード(UIC)
- GRPPRV (グループ特権)。親ディレクトリ ( または出力ファイルの前バージョン ) の所有者が,新しい出力ファイルの作成者と同じグループに属する場合。
- 親ディレクトリ ( または出力ファイルの前バージョン ) の所有者を表す識別子 ( リソース属性を持つ )
/BACKUP
/BEFORE または /SINCE 修飾子を適用する時刻属性を指定します。この修飾子を指定すると,最新のバックアップの日時をもとにファイルを選択します。この修飾子は他の時刻属性を指定する修飾子,/CREATED,/EXPIRED,および /MODIFIED 修飾子とは同時に指定できません。これら 4 つの修飾子のいずれも指定しない場合には,省略時の設定として /CREATED 修飾子が使用されます。/BEFORE[=時刻]
指定された時刻以前の時刻属性をもつファイルを選択します。絶対時刻,または絶対時刻とデルタ時間の組み合わせを指定します。また,BOOT,LOGIN,TODAY( 省略時の設定 ),TOMORROW,および YESTERDAY というキーワードも指定できます。適用する時刻属性は,/BACKUP,/CREATED( 省略時の設定 ),/EXPIRED,または /MODIFIED 修飾子のいずれかで指定します。時刻指定の詳細は,『OpenVMS ユーザーズ・マニュアル』,またはオンライン・ヘルプの DCL_Tips トピックの Date_Time を参照してください。
/BY_OWNER[=uic]
指定した所有者 UIC と一致する所有者 (UIC) を持つファイルだけを選択します。省略時の UIC (利用者識別コード) は,現在処理中のプロセスのUICです。『OpenVMS Guide to System Security』の説明に従って,標準形式を使用して UIC を指定します。
/CONFIRM
/NOCONFIRM (省略時の設定)
各ファイルを転送する前に,ファイルの転送について確認するよう要求するかどうかを制御します。次の応答が有効です。
YES NO QUIT TRUE FALSE Ctrl/Z 1 0 ALL [Return]
応答には,大文字と小文字の任意の組み合わせが使用できます。一意に認識できれば単語での応答を 1 つまたは複数の文字に短縮しても構いません。たとえば,TRUEの場合は T,TR,または TRU に短縮できます。肯定の応答は,YES,TRUE,または 1 です。否定の応答は,NO,FALSE,0 を押して,Return を押します。 QUIT を入力するか,または Ctrl/Z を押すと,その時点でコマンドの処理を終了することを意味します。 ALL と応答すると,コマンドは処理を続けますが,プロンプトは再表示されません。上記のリストにない応答を入力すると, DCL はエラー・メッセージを発行してプロンプトを再表示します。
/CREATED (省略時の設定)
/BEFORE または /SINCE 修飾子を適用する時刻属性を指定します。この修飾子を指定すると,作成日時をもとにファイルを選択します。この修飾子は他の時刻属性を指定する修飾子,/BACKUP,/EXPIRED,および /MODIFIED 修飾子とは同時に指定できません。これら 4 つの修飾子のいずれも指定しない場合には,省略時の設定として /CREATED 修飾子が使用されます。/EXCLUDE=(ファイル指定[,...])
指定したファイルをファイル転送の操作から除外します。ファイル指定にディレクトリは指定できますが,装置は指定できません。ファイル指定には,ワイルドカード文字のアスタリスク (*) とパーセント記号 (%) を使用できます。ただし,特定のバージョンを除外する場合には,相対的なバージョン番号は使用できません。 1 ファイルだけを指定する場合は,括弧を省略できます。/EXPIRED
/BEFORE または /SINCE 修飾子を適用する時刻属性を指定します。この修飾子を指定すると,満了日時をもとにファイルを選択します ( 満了日は,SET FILE/EXPIRATION_DATE コマンドで設定します )。この修飾子は他の時刻属性を指定する修飾子,/BACKUP,/CREATED,および /MODIFIED 修飾子とは同時に指定できません。これら 4 つの修飾子のいずれも指定しない場合には,省略時の設定として /CREATED 修飾子が使用されます。/FDL=FDLファイル指定
ファイル定義言語 (FDL) ファイルの記述を用いて,出力ファイルの属性を指定します。出力ファイルに特別な属性を必要とする場合には,この修飾子を使用します。 FDL ファイルについての詳細は,『OpenVMS Record Management Utilities Reference Manual』を参照してください。/FDL 修飾子を使用すると,転送モードを暗黙のうちにブロック単位にします。ただし,/TRANSFER_MODE 修飾子で指定した転送モードが優先します。
/LOG
/NOLOG (省略時の設定)
EXCHANGE/NETWORK コマンドが,コピーされる各ファイルのファイル指定を表示するかどうかを制御します。/LOG 修飾子を使用すると, EXCHANGE/NETWORK コマンドは各コピー操作について次の項目を表示します。
- 入力ファイルと出力ファイルのファイル指定
- コピーされるブロック数またはレコード数 ( ファイルがブロック単位または逐次アクセスのいずれでコピーされるかにより異なる )
/MODIFIED
/BEFORE または /SINCE 修飾子を適用する時刻属性を指定します。この修飾子を指定すると,最新の変更日時をもとにファイルを選択します。この修飾子は他の時刻属性を指定する修飾子,/BACKUP,/CREATED,および /EXPIRED 修飾子とは同時に指定できません。これら 4 つの修飾子のいずれも指定しない場合には,省略時の設定として /CREATED 修飾子が使用されます。/SINCE[=時刻]
指定された時刻以降の時刻属性をもつファイルを選択します。絶対時刻,または絶対時刻とデルタ時間の組み合わせを指定します。また,BOOT,LOGIN,TODAY( 省略時の設定 ),TOMORROW,および YESTERDAY というキーワードも指定できます。適用する時刻属性は,/BACKUP,/CREATED( 省略時の設定 ),/EXPIRED,または /MODIFIED 修飾子のいずれかで指定します。時刻指定の詳細は,『OpenVMS ユーザーズ・マニュアル』,またはオンライン・ヘルプの DCL_Tips トピックの Date_Time を参照してください。
/STYLE=キーワード
表示するファイル名の書式を指定します。この修飾子のキーワードは CONDENSED および EXPANDED です。意味は次の表のとおりです。
キーワード 説明 CONDENSED
(省略時の設定)ファイル名を 255 文字長の文字列に適合するように表示します。このファイル名の場合,ファイル指定に DID あるいは FID 短縮形を含むことが可能です。 EXPANDED ファイル名をディスクに格納されているとおりに表示します。このファイル名の場合,ファイル指定に DID あるいは FID 短縮形は含みません。
キーワード CONDENSED と EXPANDED を同時に指定することはできません。この修飾子は,確認が要求された場合に,出力メッセージに表示されるファイル名の書式を指定します。
EXPANDED キーワードが指定されていない場合,ファイル・エラーは CONDENSED ファイル指定で表示されます。
詳細は『OpenVMS システム管理者マニュアル (上巻)』を参照してください。
/TRANSFER_MODE=オプション
転送に使用する入出力方式を指定します。この修飾子は,すべてのファイル形式で使用できます。次のオプションのいずれかを指定できます。
オプション 機能 AUTOMATIC EXCHANGE/NETWORKコマンドが,適切な転送モードを選択します。これが省略時の設定の転送モードです。 BLOCK ブロック入出力用に入力ファイルと出力ファイルの両方をオープンし,ファイルをブロック単位で転送します。 CONVERT[=オプション[,...]] 入力ファイルからレコードを読み込み,ブロックにパックして,ブロック・モードで出力ファイルに書き込みます。次の表にリストしたオプションによって,転送時にどのような付加情報が挿入されるかが決まります。 RECORD レコード入出力用に入力ファイルと出力ファイルをオープンして,ファイルを逐次アクセスで転送します。ターゲット・システムは,レコード操作をサポートしていなければなりません。また,入力ファイルは,レコード入出力アクセスでオープンしなければなりません。
CONVERT 転送モードでは,次の 4 つのオプションを使用して,レコードへの特別な文字の挿入を制御できます。
オプション 機能 CARRIAGE_CONTROL 入力ファイルのキャリッジ制御情報が解釈され,実際の文字に展開されて各レコードに書き込まれます。 COUNTED 各レコードのバイト長がレコードの先頭に書き込まれます。この長さには,各レコードの FIXED_CONTROL,CARRIAGE_CONTROL,および RECORD_SEPARATOR の情報のすべてが含まれます。 FIXED_CONTROL 固定長制御部レコード (VFC) 情報を持つすべての可変長が,データの一部として出力ファイルに書き込まれます。 COUNTED オプションが指定されている場合には,この情報の前にレコード長情報が書き込まれます。 RECORD_SEPARATOR= 区切り文字 各レコードに 1 バイトまたは 2 バイトのレコード区切り文字が挿入されます。レコード区切り文字は,レコード内の最後の文字です。区切り文字には,次の3つのいずれかを指定できます。
- CR: キャリッジ・リターンだけを指定します。
- LF: 行送りだけを指定します。
- CRLF: キャリッジ・リターンと行送りを指定します。
#1 |
---|
$ EXCHANGE/NETWORK VMS_FILE.DAT KUDOS::FOREIGN_SYS.DAT |
この例で EXCHANGE/NETWORK コマンドは,現在の省略時の設定の装置およびディレクトリにある VMS_FILE.DAT ファイルを, OpenVMS 以外のノード KUDOS 上の FOREIGN_SYS.DAT ファイルに転送します。 /TRANSFER_MODE 修飾子が明示的に指定されなかったため, EXCHANGE/NETWORK コマンドは自動的に,転送モードをブロック入出力またはレコード入出力のいずれかに決めます。
#2 |
---|
$EXCHANGE/NETWORK/TRANSFER_MODE=BLOCK- _$:KUDOS:FOREIGN_SYS.DAT VMS_FILE.DAT |
この例で EXCHANGE/NETWORK コマンドは, OpenVMS 以外のノード KUDOS にある FOREIGN_SYS.DAT ファイルを,現在の省略時の設定の装置およびディレクトリにある VMS_FILE.DAT ファイルに転送します。転送モードとして,ブロック入出力を指定します。
#3 |
---|
$ EXCHANGE/NETWORK/FDL=VMS_FILE_DEFINITION.FDL- _$:KUDOS:REMOTE_FILE.TXT VMS_FILE.DAT |
この例で EXCHANGE/NETWORK コマンドは,ノード KUDOS の REMOTE_FILE.TXT ファイルを VMS_FILE.DAT ファイルに転送します。出力ファイル VMS_FILE.DAT のファイル属性は,ファイル定義言語 (FDL) ソース・ファイルの VMS_FILE_DEFINITION.FDL から取得されます。 /FDL 修飾子が指定され /TRANSFER_MODE 修飾子が省略されているので,転送モードには,省略時の設定であるブロック入出力を使用します。
FDL ファイルの作成についての詳細は,『OpenVMS Record Management Utilities Reference Manual』を参照してください。
#4 |
---|
$ EXCHANGE/NETWORK - _$ /TRANSFER_MODE=CONVERT=(CARRIAGE_CONTROL,COUNTED, - _$ RECORD_SEPARATOR=CRLF,FIXED_CONTROL) - _$ PRINT_FILE.TXT KUDOS::* |
この例で EXCHANGE/NETWORK コマンドは,現在の省略時の設定の装置およびディレクトリにある PRINT_FILE.TXT ファイルを, OpenVMS 以外のノード KUDOS の PRINT_FILE.TXT ファイルに転送します。 /TRANSFER_MODE 修飾子に CONVERT オプションが指定されているため,入力ファイルは逐次アクセスで読み込まれ,その後の CONVERT オプションで指定されたように変更されて,ブロック単位で出力ファイルに書き込まれます。出力ブロックとして,収容できるだけの数のレコードがパックされます。
CONVERT オプション CARRIAGE_CONTROL が指定されているので,キャリッジ制御情報は ASCII 文字へ変換されます。また,接頭辞制御と接尾辞制御の使用状況に応じて,キャリッジ制御情報をレコードの前に挿入するか,レコードの後に追加するかを指定します。
CONVERT オプション FIXED_CONTROL は,任意の固定長制御部情報を, ASCII 文字に変換してレコードの先頭に挿入するように指定します。
CONVERT オプション RECORD_SEPARATOR=CRLF は,指定した 2 文字のキャリッジ・リターンおよび行送りをレコードの終端に追加します。
CONVERT オプション COUNTED は,レコードの全体の長さ ( 前の CONVERT オプションのすべての実行結果が追加された後の長さ ) をカウントしたり,結果をレコードの先頭の 2 バイトに挿入したりすることを指定します。
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