OpenVMS
DCL ディクショナリ


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REQUEST

システム・オペレータ端末にメッセージを表示し,オプションとして応答を要求します。すべてのメッセージは,オペレータ・コンソールに表示され,オペレータのログ・ファイルが初期化されている場合はログ・ファイルに記録されます。

このコマンドを使用するには,利用者サイト固有のスタートアップ・コマンド・ファイル SYS$MANAGER:SYSTARTUP.COM 内で, @SYS$SYSTEM:STARTUP OPCOM DCL コマンドを指定することによって,ブート時にオペレータ通信プロセス (OPCOM) を起動しておく必要があります。


形式

REQUEST メッセージ・テキスト


パラメータ

メッセージ・テキスト

表示させるメッセージのテキストを指定します。文字列は最大 128 文字まで指定できます。文字列に空白,特殊文字,あるいは小文字を含む場合は,引用符 (" ") で囲まなければなりません。

説明

REQUEST コマンドを使用してオペレータにメッセージを送信する場合は, /TO 修飾子で指定されるオペレータ端末にメッセージが表示されます。

/REPLY 修飾子を指定した場合,メッセージには識別番号が割り当てられ,オペレータがそのメッセージに応答することができます。システムは次のようなメッセージを表示します。


%OPCOM-S-OPRNOTIF, operator notified, waiting...hh:mm:ss

オペレータがユーザの要求に応答した場合,システムは次のようなメッセージを表示します。


%OPCOM-S-OPREPLY, message text entered by operator

応答を要求した場合,ユーザはオペレータが応答するまでコマンドを入力することができません。 Ctrl/C を押した場合,システムは次のようなメッセージを表示します。


REQUEST - Enter message or cancel with ^Z
REQUEST - Message?

この時点で,別のメッセージを入力することもできますし, Ctrl/Z を押して要求をキャンセルすることもできます。別のメッセージを入力した場合,そのメッセージはオペレータに送信され,ユーザは継続してオペレータからの応答を待たなければなりません。

すべてのメッセージは中央オペレータ・コンソールに表示され,オペレータのログ・ファイルが初期化されている場合はログ・ファイルに記録されます。


修飾子

/REPLY

メッセージに対する応答を要求し,オペレータが応答するための一意的な識別番号を割り当てます。システムはオペレータに通知されたメッセージを表示します。ユーザは,オペレータが応答するまでコマンドを入力することはできません。オペレータが応答する前に Ctrl/C を押すことにより,オペレータに対する別のメッセージを入力することもできますし, Ctrl/Z を押して要求をキャンセルすることもできます。

/TO=(オペレータ[,...])

メッセージを送信したい 1 人あるいは複数のオペレータを指定します。可能なキーワードは次のとおりです。

CARDS カード・リーダ要求に応答する役割のオペレータにメッセージを送信します。
CENTRAL 中央システム・オペレータにメッセージを送信します。
CLUSTER クラスタ関連要求に応答する役割のオペレータにメッセージを送信します。
DEVICES ディスクのマウントおよびディスマウントを行うオペレータにメッセージを送信します。
DISKS ディスク・ボリュームのマウントおよびディスマウントを行うオペレータにメッセージを送信します。
NETWORK ネットワーク・オペレータにメッセージを送信します。
OPER1 〜 OPER12 OPER1 〜 OPER12 で識別されるオペレータにメッセージを送信します。
PRINTER プリント要求を扱う役割のオペレータにメッセージを送信します。
SECURITY セキュリティ関連の要求に応答する役割のオペレータにメッセージを送信します。
TAPES テープ・ボリュームのマウントおよびディスマウントを行う役割のオペレータにメッセージを送信します。


#1

$ PRINT/COPIES=2/QUEUE=LQ_PRINT  REPORT.OUT/FORM=LETTER
  Job REPRT (queue LQA1, entry 401) pending
$ REQUEST/REPLY/TO=PRINTER -
_$"Have queued job 401 as FORM=LETTER;  can you print it?"
%OPCOM-S-OPRNOTIF, operator notified, waiting...10:42:16.10
%OPCOM-S-OPREPLY, AFTER 11:00
 14-DEC-2001 10:25:32.40, request 3 completed by operator OPA0

この例では,特殊な用紙 (/FORM=LETTER) を使用してファイルの複数のコピーを出力するように PRINT コマンドを実行します。ジョブがプリンタにキューイングされた後, REQUEST コマンドによりシステム・オペレータにメッセージを送信します。

オペレータはユーザからの要求を完了した後,ユーザに応答します。

#2

$ REQUEST/REPLY  "Are you there?"
%OPCOM-S-OPRNOTIF, operator notified, waiting...14:54:30.33
[Ctrl/C]
REQUEST-Enter message or cancel request with ^Z
REQUEST-Message?[Ctrl/Z]
%OPCOM-S-OPRNOTIF, operator notified, waiting... 14:59:01.38
%OPCOM-F-RQSTCAN, request was canceled

この例では, REQUEST コマンドによりメッセージを送信し,応答を要求します。問い合わせに対するオペレータからの応答がないため, Ctrl/C を使用して要求を中断し,Ctrl/Z を使用してキャンセルします。


RETURN

GOSUB サブルーチン・プロシージャを終了し, GOSUB コマンドの次のコマンドに制御を返します。

形式

RETURN [状態コード]


パラメータ

状態コード

予約グローバル・シンボル $STATUS に数値を定義します。状態コードは,サブルーチンの終了状態を与える ( ロングワードの ) 整数値,または整数値に等しい式を指定することができます。値は,次の外側のコマンド・レベルでチェックすることができます。ロングワード整数値の下位 3 ビットは,予約グローバル・シンボル $SEVERITY の値を変更します。状態コードを指定すると, DCL は条件コードとしてそのコードを解釈します。偶数の数値は警告,エラーまたは重大エラーのメッセージを生成し,基数の数値はメッセージを表示しないか,成功または情報のメッセージを表示します。

状態コードを指定しない場合には,$STATUS の現在の値が保存されます。制御が外側のコマンド・レベルに返る時, $STATUS は最も最近実行されたコマンドまたはプログラムの状態を含みます。


説明

RETURN コマンドは GOSUB サブルーチンを終了し, GOSUB コマンドの次のコマンドに制御を返します。

DCL コマンド,ユーザ・プログラム,またはコマンド・プロシージャの実行が終了すると,コマンド・インタプリタはグローバル・シンボル $STATUS に状態コード値を保存します。システムは,この値を 16 進形式で保守します。 RETURN コマンドで明示的に $STATUS の値を設定しないと,コマンド・インタプリタは $STATUS の現在の値を使用してエラー状態を決めます。

$STATUS に含まれる状態値の下位 3 ビットは,状態の重大度を示します。予約グローバル・シンボル $SEVERITY には,状態コードのこの部分が含まれています。重大度は 0 から 4 までの値で示します。次の表を参照してください。

重大度
0 警告
1 成功
2 エラー
3 情報
4 重大(回復不可能)エラー

成功コードおよび情報コードは奇数値,警告コードおよびエラー・コードは偶数値である点に注意してください。


#1

$ SHOW TIME 
  14-DEC-2001 14:25:42 
$ GOSUB SYMBOL 
$ EXIT 
$ SYMBOL: 
$     SHOW SYMBOL RED 
      RED = "SET DEFAULT [LOWE.DCL]" 
$     RETURN 1 

GOSUB コマンドは,SYMBOL というラベルのサブルーチンに制御を移します。サブルーチンの実行後,RETURN コマンドは,$STATUS と $SEVERITY に 1 という値を与えて,GOSUB 文の次のコマンドに制御を返します。その後,プロシージャは終了します。


RUN (イメージ)

イメージをプロセス・コンテキストの中で実行します。 RUN コマンドは,R という 1 文字に短縮することができます。

注意

1 つまたは複数のパラメータを必要とするイメージを起動する場合には, Automatic Foreign Command 形式か Foreign Command 形式を使用する必要があります。詳細は,『OpenVMS ユーザーズ・マニュアル』を参照してください。


形式

RUN ファイル指定


パラメータ

ファイル指定

実行する,実行可能イメージを指定します。ファイル・タイプを指定しない場合には, RUN コマンドは,省略時のファイル・タイプとして,EXE を使用します。ファイル指定には,ワイルドカード文字 ( アスタリスク (*) とパーセント記号 (%)) は使用できません。

説明

このコマンドは,プロセスのコンテキストの中でイメージを実行します。 RUN コマンドは R の 1 文字に短縮することができます。

インストール済みイメージを使用している場合,コマンド行で明示的なバージョン番号 ( またはセミコロン ) を付けてイメージ名を指定すると,イメージは現在のプロセス特権で実行されます。明示的なバージョン番号 ( またはセミコロン ) を指定しないと,イメージはインストール時に指定された特権で実行されます。インストール・ユーティリティについての詳細は,『OpenVMS システム管理ユーティリティ・リファレンス・マニュアル (上巻 ) 』を参照してください。

イメージをローカルに起動する場合は,そのイメージに対する読み込み (R) または実行 (E) アクセス権が必要です。 DECnet ソフトウェアをインストールしており,ネットワーク経由でイメージを実行したい場合は,そのイメージに対する読み込み (R) アクセス権が必要です。

1 つまたは複数のパラメータを必要とするイメージを起動する場合は, Automatic Foreign Command 形式または Foreign Command 形式を使用する必要があります。詳細は,『OpenVMS DCL ディクショナリ: A--M』の文字列代入文 (:=) の項と,『OpenVMS ユーザーズ・マニュアル』を参照してください。


修飾子

/DEBUG

/NODEBUG

デバッガの制御下でイメージを実行します。省略時の設定では,イメージが /DEBUG 修飾子を指定してリンクされている場合には, /DEBUG 修飾子が指定されているとみなし, /DEBUG 修飾子がリンク時に指定されなかった場合には, /NODEBUG 修飾子が指定されているとみなされます。 /NOTRACEBACK 修飾子を指定してイメージがリンクされている場合には, /DEBUG 修飾子は無効です。/NODEBUG 修飾子は,LINK/DEBUG コマンドに優先します。 /TRACEBACK 修飾子を指定してイメージがリンクされている場合には,エラーが発生したときにトレースバック報告がなされます。

イメージがデバッガとリンクされていない場合には,/DEBUG 修飾子の指定により,実行時にデバッガを使用できます。しかし,イメージのリンク時に /NOTRACEBACK 修飾子が指定されていた場合には, /DEBUG 修飾子は使用できません。

OpenVMS デバッガについての詳細は,『OpenVMS デバッガ説明書』を参照してください。

DCL レベルからデバッガ・コマンドのヘルプを参照するためには,次のコマンドを入力してください。


$ HELP/LIBRARY=SYS$HELP:DBG$HELP


#1

$ RUN LIBRA
 

プロセス内で,LIBRA.EXE というイメージの実行を開始します。このコマンドでは,バージョン番号もセミコロンも明示的には指定されていないため, LIBRA イメージが特権付きでシステムにインストールされている場合には,実行する時にそれらの特権が適用されます。また,RUN コマンドを次のように入力する場合も, LIBRA.EXE というイメージはやはり,システムへのインストール時に指定された特権を使用して実行されます。


$ RUN LIBRA.EXE

#2

$ MACRO/ENABLE=DEBUG ORION
$ LINK/DEBUG ORION
$ RUN ORION
 
     VAX DEBUG Version 5.4
 
%DEBUG-I-INITIAL, language is MACRO, module set to 'ORION'
DBG>
   .
   .
   .
$ RUN/NODEBUG ORION
 

この例では,プログラムがコンパイルされ,リンクされ,デバッガを使用して実行されます。その後,RUN/NODEBUG コマンドで,イメージに結合されているデバッガが,プロンプトを表示しないように設定しています。したがって,イメージの実行中にエラーが発生すると,デバッガはトレースバックとエラーに関する報告を行うことができます。

#3

$ RUN AQUARIUS.EXE;1

プロセス内で,AQUARIUS.EXE というイメージの実行を開始します。 AQUARIUS.EXE というイメージが,特権付きでインストールされている場合でも,このコマンドにバージョン番号が指定されているため,実行時にはそれらの特権は使用されません。その代わり,イメージは現在のプロセス特権だけを使用して実行されます。バージョン番号(またはセミコロンだけ)を指定した場合,イメージ・アクティベータは,特権をつけてインストールされた特殊なイメージのリストを検索しません。 RUN コマンドを次のように入力した場合も, AQUARIUS プロセスは通常のプロセス特権だけで実行されます。


$ RUN AQUARIUS.EXE;

ただしこの場合には,AQUARIUS イメージの最新バージョンが実行されます。


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