OpenVMS
DCL ディクショナリ


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SET TIME

システム時計を再設定します。この時計は,いろいろな内部事象の時間間隔を記録するためのタイマーとして,また日時を表示する際に元になる時計として使用されます。

OPER(オペレータ)特権,および LOG_IO(論理入出力)特権が必要です。


形式

SET TIME [=時刻]


パラメータ

時刻

日付と時刻のどちらか一方,または両方を,それぞれ day-month-year 形式と hour:minute:second.hundredth 形式で指定します。各フィールドには,以下の値を指定します。

フィールド 範囲
Day 整数 1 から 31
Month 文字列 JAN, FEB, MAR, APR, MAY, JUN, JUL, AUG, SEP, OCT, NOV, または DEC
Year 整数 1858 から 9999(VAX の場合)
Year 整数 1957 から 2056(Alpha の場合)
Hour 整数 0 から 23
Minute 整数 0 から 59
Second 整数 0 から 59
Hundredth 整数 0 から 99

ハイフン (-), コロン (:), ピリオド (.) は,区切り文字として必要です。日付と時刻の両方を指定する場合には,コロン (:) で区切って指定します。パラメータを指定する場合には,次の形式を使用します。


[dd-mmm-yyyy[:]] [hh:mm:ss.cc] 

Alpha システムでは,次のように year を 2 桁で指定することもできます。


[dd-mmm-yy[:]] [hh:mm:ss.cc] 

year を 2 桁で指定した場合は, Alpha がサポートする日付の範囲(1957 から 2056)に対応する年により,省略された year の上位 2 桁が決まります。

時刻を明示的に指定しない場合には,システム時計は,自動的にタイム・オブ・イヤー時計 ( カレンダーの役割りをする時計 ) に従って再設定されます。

一部のプロセッサでは,タイム・オブ・イヤー時計はオプションです。タイム・オブ・イヤー時計についての詳細は,各コンピュータのハードウェア・マニュアルを参照してください。

注意

電源が切れていて,システムがダウンしている間でも, Alphaシステムはシステムの時刻を維持します。システムがブートされた時,最後に修正された時刻よりも早い時刻が認識された場合,あるいは現在から数えて 5 年以降の時刻が認識された場合,コンソールのプロンプトに時刻を入力するように通知されます。


説明

システム時計をリセットします。さまざまな内部イベントの時間間隔を記録するタイマとして,および時刻を表示する時のソース時計として,システム時計を使用します。

注意

ユーザが使用しているシステム,または OpenVMS Cluster で使用可能なタイム・サービスがある場合は, SET TIME コマンドは動作しません。


修飾子

/CLUSTER

OPER および LOG_IO 特権を必要とします。また,OpenVMS Cluster 環境では,SYSLCK 特権が必要です。

クラスタ内のすべてのノード上に同じシステム時刻を設定します。 SET TIME/CLUSTER コマンドのフォーマットは次のとおりです。


形式

SET TIME[=時刻] [/CLUSTER]


#1

$ SET TIME=14-DEC-2001:19:31:0.0

この SET TIME コマンドは,システム時刻を,2001 年 12 月 14 日午後 7時 31 分に設定します。

#2

$ SET TIME
$ SHOW TIME
14-DEC-2001 03:21:27.53
 

この SET TIME コマンドは,システム時刻をタイム・オブ・イヤー時計にしたがって設定します。 SHOW TIME コマンドは,現在の時刻を表示することを要求します。

#3

$ SET TIME=14-DEC-2001:15:31:0.0/CLUSTER
 

この例では,コマンドが実行されたクラスタの中のすべてのノード上で,日時を 2001 年 12 月 14 日午後 3 時 31 分に設定しています。


SET VERIFY

コマンド・プロシージャ中のコマンド行とデータ行を,ターミナルに表示するか,またはバッチ・ジョブ・ログに印刷するかどうかを制御します。 SET VERIFY コマンドによって表示される情報は,コマンド・プロシージャをデバッグするときに利用することができます。

形式

SET VERIFY [=([NO]PROCEDURE, [NO]IMAGE)]

SET NOVERIFY


パラメータ

([NO]PROCEDURE, [NO]IMAGE)

片方,または両方のベリファイ・タイプを指定します。プロシージャ・ベリファイを指定する場合,コマンド・プロシージャに含まれる各 DCL コマンド行が,出力装置に書き込まれます。イメージ・ベリファイを指定する場合,データ行(SYS$INPUT 入力ストリームの一部として含まれている入力データ)が,出力装置に書き込まれます。

省略時の設定では,SET VERIFY および SET NOVERIFY コマンドは,両方のベリファイ・タイプを設定または解除します。 1 つのキーワードのみ指定した場合は,もう一方のファイ・タイプは変更されません。また,キーワードを 1 つしか指定しない場合には,括弧を省略できます。


説明

省略時の設定では,SET VERIFY および SET NOVERIFY コマンドは,両方のベリファイ・タイプを設定または解除します。会話型で実行されるコマンド・プロシージャの省略時の設定は,SET NOVERIFY です。ただし,システム応答とエラー・メッセージは,常に表示されます。バッチ・ジョブの省略時の設定は,SET VERIFY です。

SET VERIFY コマンドを使用して省略時の設定を上書きすると,システムは,各コマンドおよびコマンド・プロシージャのデータ行を読み込みながら表示します。ベリファイが有効になっている場合,コマンド・インタプリタは,最初の走査が終了し,コマンドが解析および実行される前に,各コマンド行を表示します。走査中に行われるシンボルの置換の結果は表示されますが,解析と評価に行われるシンボルの置換の結果は表示されません。

ベリファイの設定を変更すると,新しい設定は,以後実行するすべてのコマンド・プロシージャで有効です。

SET VERIFY コマンドでチェックを設定するには,ファイルの読み込み (R) アクセス権が必要です。


#1

$ SET VERIFY = PROCEDURE

プロシージャ・ベリファイを設定します。イメージ・ベリファイの設定は変更されません。設定されている場合には設定されたままですし,解除されている場合には解除されたままです。

#2

$ SET VERIFY 
$ INDEX == "$INDEX.EXE" 
$ CONTENTS == "$CONTENTS.EXE" 
$ TABLE == "$TABLE.EXE" 
$ SET NOVERIFY 
$ EXIT 
 

この例では,コマンド・プロシージャを開始するときに,プロシージャ・ベリファイとイメージ・ベリファイがどちらも設定されます。このため,システムは,プロシージャのすべてのコマンド行とデータ行を,それを読み込んだ際に表示します。プロシージャの最後で, SET NOVERIFY コマンドが実行され,システムの省略時設定 (プロシージャ・ベリファイもイメージ・ベリファイも解除されている状態 ) に戻されます。

#3

$ PROC_VER = F$ENVIRONMENT("VERIFY_PROCEDURE") 
$ IMAGE_VER = F$ENVIRONMENT("VERIFY_IMAGE") 
$ HOLD_PREFIX = F$ENVIRONMENT("VERIFY_PREFIX") 
$ SET PREFIX "(!%T)" 
$ SET VERIFY 
   .
   .
   .
$ TEMP = F$VERIFY(PROC_VER, IMAGE_VER) 
$ SET PREFIX "''HOLD_PREFIX'" 
 

このコマンド・プロシージャでは,現在のプロシージャ・ベリファイ設定,およびイメージ・ベリファイ設定を保存するために,レキシカル関数 F$ENVIRONMENT を使用しています。現在のベリファイ前置文字列も保存しています。SET PREFIX コマンドで,現在のコマンド・プロシージャで使用する前置文字列を設定します。前置文字列には,コマンド・インタプリタ (DCL) が各コマンドを読み込んだ時刻を生成するための FAO 制御文字列と,それを囲む括弧を使用します。そのあと,SET VERIFY コマンドでプロシージャ・ベリファイとイメージ・ベリファイを設定します。その後,レキシカル関数 F$VERIFY を使用して,もとのベリファイ設定に戻しています。また,SET PREFIX コマンドにシンボル HOLD_PREFIX を使用して,もとのベリファイ前置文字列に戻します。このシンボルには,大文字と小文字の区別や特殊文字も保存されています。

#4

$ SET VERIFY
$ @TEST
$ RUN AVERAGE
1
2
3
$ EXIT
 

この例の SET VERIFY コマンドは,プロシージャ・ベリファイとイメージ・ベリファイを設定します。 TEST.COM というコマンド・プロシージャが会話型モードで実行されると, AVERAGE というプログラムのコマンド行とデータ行がターミナルに表示されます。データ行は,コマンド・プロシージャ中の DCL プロンプトで始まらない行で入力します。

#5

$ SET VERIFY 
$ COUNT = 1 
$ IF P'COUNT' .NES. "" THEN GOTO &P'COUNT' 
   .
   .
   .
$ EXIT 
 

このコマンド・プロシージャが会話型モードで実行されると, SET VERIFY コマンドによって,コマンド行とデータ行が表示されます。シンボル置換の第 1 段階で置換されるシンボル ( たとえば,'COUNT' など ) は, SET VERIFY コマンドによって表示されますが,他のシンボルは表示されません。このプロシージャを会話型モードで実行すると,次の行が表示されます。


$ COUNT = 1 
$ IF P1 .NES. "" THEN GOTO &P1 
   .
   .
   .

&P1,P1 の値は表示されませんが,P1 の値はシンボル置換の第 3 段階で置換され, &P1 の値は第 2 段階で置換されます。


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