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SUBMIT

バッチ・キューに,1 つまたは複数のコマンド・プロシージャを登録します。

キューに対する登録 (S) アクセス権が必要です。


形式

SUBMIT ファイル指定[,...]

パラメータ

ファイル指定[,...]

1 つまたは複数のコマンド・プロシージャのファイル名を指定します。ワイルドカード文字 ( アスタリスク (*) とパーセント記号 (%)) は,ディレクトリ指定,ファイル指定,ファイル・タイプ指定,およびバージョン番号フィールドに使用できます。省略時のファイル・タイプは,前に指定したファイル・タイプになります。前のファイル指定で明示的にファイル・タイプが指定されていない場合には, SUBMIT コマンドは省略時のファイル・タイプとして .COM を使用します。

複数のファイルを指定する場合には,ファイル指定をコンマ (,) またはプラス記号 (+) で区切らなければなりません。

ファイル指定にノード名を含む場合には, /REMOTE 修飾子を指定しなければなりません。


説明

SUBMIT コマンドは,後で実行するために,指定ファイルをバッチ・キューに登録します。省略時の設定では,キューは SYS$BATCH です。単一の SUBMIT コマンドでキューに登録されるすべてのファイルは, 1 つのジョブとして連続的に処理されます。省略時のバッチ・ジョブの名前は, SUBMIT コマンドで指定した最初のファイルの名前になります。

キュー内のバッチ・ジョブごとに,一意なエントリ番号が割り当てられます。 SUBMIT コマンドを入力すると,省略時の設定で,ジョブ名,キュー名,エントリ番号,およびジョブの状態が表示されます。

SUBMIT コマンドが正常終了すると,システムによりローカル・シンボル $ENTRY が自動的に作成または更新されます。 $ENTRY の値は,最後にキューに登録されたジョブのエントリ番号を表す文字列です。後でジョブのエントリ番号を参照したい場合は, $ENTRY の値を別のシンボルに保存してください。

バッチ・ジョブをキューに登録すると,バッチ・ジョブを実行する前に新しいバージョンのファイルが作成されている場合でも,登録されたバージョンのファイルが処理されます。また,キューに登録されたファイルと同じ名前と同じバージョン番号を持つ別のファイルで,登録されたファイルを置き換えることはできません。

バッチ・キューに登録されたコマンド・プロシージャを実行すると,コマンドを実行するために独立プロセスが作成されます。このプロセスは,所有者のディスクとディレクトリの省略時の設定,およびログイン時に所有者の会話型プロセスに与えられたものと同じ資源制限値と特権を受け取ります。

複数のプロシージャをキューに登録する場合,エラーまたは重大 ( 致命的 ) エラー状態で終了するプロシージャがあると,ジョブはただちに終了します。

OpenVMS Cluster 環境では, OpenVMS Cluster 内のノード間でシステム時刻の差が変化することがあるので, SET TIME/CLUSTER コマンドを使用して定期的にクラスタの同期を保つ必要があります。これによって,ジョブが指定時刻より少し前または後に実行を開始することがあります。これは,バッチおよび印刷システムに組み込まれた冗長設計によって,クラスタ内の複数のジョブ・コントローラが,ジョブに対するタイマ非同期システム・トラップ (AST) を受信して,その実行をスケジューリングできるからです。

バッチ・ジョブの出力

省略時の設定では,バッチ・ジョブの各コマンド・プロシージャからのすべての出力は,ログ・ファイルに書き込まれます。バッチ・ジョブが終了すると, SYS$PRINT で印刷するために,このログ・ファイルはキューに登録されます。省略時の設定では,このログ・ファイルは印刷後に削除されます。 STOP/QUEUE/ENTRY,STOP/IDENTIFICATION,またはDELETE/ENTRY コマンドを使用してバッチ・ジョブを停止させると,ログ・ファイルは印刷用にキューに登録されません。

システムによるログ・ファイルの扱いを変更する方法については, /LOG_FILE,/PRINTER,および /KEEP 修飾子の説明を参照してください。


修飾子

/AFTER=時刻

/NOAFTER

指定した時刻までジョブを保留状態にすることを要求します。指定した時刻がすでに経過している場合には,ジョブは直ちに処理されます。

時刻には絶対時刻,または絶対時刻とデルタ時間の組み合わせを指定できます。時刻の指定方法についての詳細は,『OpenVMS ユーザーズ・マニュアル』またはオンライン・ヘルプの DCL_Tips トピック (Date_Time サブトピック) を参照してください。

OpenVMS Cluster 環境では,メンバ・システム間で時計の同期をとっていません。このため,時刻を指定してバッチ・ジョブを実行しようとした場合,実行開始時刻に多少の誤差が生じることがあります。たとえば,SUBMIT/AFTER=TOMORROW でキューに登録したジョブは,そのホスト・システムの時計では 23:58 に実行を開始するかもしれません。

バッチ / プリント・システムに組み込まれた冗長性により,ジョブの実行開始時刻を通知する非同期システム・トラップ (AST) がクラスタ内のどのジョブ・コントローラでも受信可能なため,キューに登録したマシンとジョブが実行されるマシンが同じ場合にも,この問題は起こり得ます。バッチ・ジョブが,処理終了後直ちに自分自身 ( バッチ・ジョブ ) を翌日実行するように再登録している場合に,この問題はより顕著になります。この場合,同じジョブがいくつも実行する可能性があります ( これは,TOMORROW が数分後であるかも知れないからです )。

この問題を回避するためには,クラスタ内のシステム間の時計の誤差よりも大きな時間で待機させるような WAIT コマンドを, SUBMIT コマンドの前に入れておくことです。各システムの時計の誤差を調べるには,SHOW TIME コマンドを使用します。クラスタ内の各システムの時計を同期させるには, SYSMAN の CONFIGURATION SET TIME コマンドを使用します。 SYSMAN コマンド CONFIGURATION SET TIME についての詳細は,『OpenVMS システム管理ユーティリティ・リファレンス・マニュアル』を参照してください。

/BACKUP

/NOBACKUP

/BEFORE または /SINCE 修飾子を適用する時刻属性を指定します。この修飾子を指定すると,最新のバックアップの日時をもとにファイルを選択します。この修飾子は他の時刻属性を指定する修飾子,/CREATED,/EXPIRED,および /MODIFIED 修飾子とは同時に指定できません。これら 4 つの修飾子のいずれも指定しない場合には,省略時の設定として /CREATED 修飾子が使用されます。

/BEFORE[=時刻]

/NOBEFORE

指定された時刻以前の時刻属性をもつファイルを選択します。絶対時刻,または絶対時刻とデルタ時間の組み合わせを指定します。また,BOOT,LOGIN,TODAY( 省略時の設定 ),TOMORROW,および YESTERDAY というキーワードも指定できます。適用する時刻属性は,/BACKUP,/CREATED( 省略時の設定 ),/EXPIRED,または /MODIFIED 修飾子のいずれかで指定します。

時刻指定の詳細は,『OpenVMS ユーザーズ・マニュアル』,またはオンライン・ヘルプの DCL_Tips トピックの Date_Time を参照してください。

/BY_OWNER[=利用者識別コード]

/NOBY_OWNER

ファイル所有者の利用者識別コード (UIC) が,指定した所有者 UIC と一致する場合にだけ,そのファイルを選択します。 UIC を指定しない場合には,現在のプロセスの UIC が省略時の値として使用されます。

UIC は,『OpenVMS Guide to System Security』に説明されている,標準的な UIC 形式を使用して指定します。

/CHARACTERISTICS=(属性[,...])

ジョブに対して必要な,1 つまたは複数の属性の名前または番号を指定します。属性でインクの色などを参照できます。属性を 1 つだけ指定する場合には,括弧を省略できます。

属性番号の範囲は,0 〜 127 までの数値です。システム上でどの属性が定義されているかを調べるためには, SHOW QUEUE/CHARACTERISTICS コマンドを使用します。また,特定のキューに対して使用できる属性を調べるには, SHOW QUEUE/FULL コマンドを使用します。

SUBMIT コマンドに /CHARACTERISTICS 修飾子を指定する場合,指定する属性はすべて,ジョブを実行するキューに対しても指定されていなければなりません。つまり,ジョブの属性はキューの属性のサブセットでなければなりません。そうでない場合には,次に示す条件のいずれかが満たされるまで,そのジョブは待ち状態のまま実行されません。

/CLI=ファイル名

ジョブを処理するときに使用する,コマンド言語インタプリタ (CLI) を指定します。ファイル指定における装置名には SYS$SYSTEM:,ファイル・タイプには .EXE(SYS$SYSTEM: ファイル名.EXE) が仮定されています。省略時の設定では,利用者登録ファイル (UAF) に定義されている CLI が使用されます。

/CONFIRM

/NOCONFIRM (省略時の設定)

各ファイルをキューに登録する前に,そのファイルに対する操作の実行を確認するためのプロンプトを表示するかどうかを指定します。システムがプロントを表示したら,次の応答のいずれかを入力します。

YES NO QUIT
TRUE FALSE Ctrl/Z
1 0 ALL
  [Return]  

単語による応答には,大文字と小文字を任意に組み合わせることができ,また 1 文字または複数の文字に短縮することもできます ( たとえば,TRUE は T,TR,TRU に短縮することができます )。ただし,応答は一意に認識できなければなりません。肯定応答は,YES,TRUE,1 です。否定応答は,NO,FALSE,0,Return です。 QUIT または Ctrl/Z は,その時点でコマンドの処理を中止することを示します。 ALL と応答すると,コマンドの処理は継続されますが,そのあとプロンプトは表示されなくなります。上記に示されていない応答を入力すると,DCL はエラー・メッセージを出力し,同じプロンプトが再度表示されます。

/CPUTIME=時間

バッチ・ジョブの CPU 時間の上限値を定義します。デルタ時間,0 または NONE,INFINITE というキーワードが指定できます。ジョブが実行されるキューに対して CPUMAXIMUN 値 ( 上限値 ) が定義されている場合は,SUBMIT コマンドで指定された値とキューの上限値とを比較して小さい方が使用されます。ジョブが実行されるキューに対して上限値が定義されていない場合は, SUBMIT コマンドで指定された値と利用者登録ファイル (UAF) に設定されている値とを比較して小さい方が使用されます。キューに対して上限値が設定されておらず,利用者登録ファイル (UAF) に CPU 上限値として NONE が設定されている場合は, 0 またはキーワード INFINITE を指定すると CPU 時間は無制限です。 NONE を指定すると,キューまたは UAF に設定された値になります。CPU 時間は,システム・パラメータ PQL_MCPULM の値よりも大きいか等しくなくてはなりません。 CPU 時間の上限値の指定についての詳細は, INITIALIZE/QUEUE コマンドの表「CPU 時間制限値と処理」を参照してください。

/CREATED (省略時の設定)

/NOCREATED

/BEFORE または /SINCE 修飾子を適用する時刻属性を指定します。この修飾子を指定すると,作成日時をもとにファイルを選択します。この修飾子は他の時刻属性を指定する修飾子,/BACKUP,/EXPIRED,および /MODIFIED 修飾子とは同時に指定できません。これら 4 つの修飾子のいずれも指定しない場合には,省略時の設定として /CREATED 修飾子が使用されます。

/DELETE

/NODELETE (省略時の設定)

位置修飾子

処理が終了したあと,コマンド・プロシージャ・ファイルを削除するかどうかを指定します。 SUBMIT コマンドのコマンド名のあとに /DELETE 修飾子を指定すると,ジョブに含まれるすべてのファイルが削除されます。ファイル指定のあとに /DELETE 修飾子を指定した場合には,対応するファイルだけが処理後に削除されます。

/DELETE 修飾子を使用するためには,ジョブをキューに登録したユーザの利用者識別コード (UIC) に対し,入力ファイルの保護コードで削除 (D) アクセスが許可されていなければなりません。削除 (D) アクセスが許可されていない,またはコマンド・パラメータ・リストの中のファイルが入力オープンできない場合には,コマンドの処理は中止されバッチ・ジョブは生成されません。

/EXCLUDE=(ファイル指定[,...])

/NOEXCLUDE

指定したファイル指定と一致するファイルを, SUBMIT 操作から除外することを指定します。ファイル指定にはディレクトリを含めることができますが,装置を含めることはできません。ファイル指定には,ワイルドカード文字 ( アスタリスク (*) とパーセント記号 (%)) を使用できます。ファイルを1つだけ指定する場合には,括弧を省略できます。

/EXPIRED

/NOEXPIRED

/BEFORE または /SINCE 修飾子を適用する時刻属性を指定します。この修飾子を指定すると,満了日時をもとにファイルを選択します ( 満了日は,SET FILE/EXPIRATION_DATE コマンドで設定します )。この修飾子は他の時刻属性を指定する修飾子,/BACKUP,/CREATED,および /MODIFIED 修飾子とは同時に指定できません。これら 4 つの修飾子のいずれも指定しない場合には,省略時の設定として /CREATED 修飾子が使用されます。

/HOLD

/NOHOLD (省略時の設定)

ジョブを直ちに処理するかどうかを指定します。 /HOLD 修飾子を指定した場合には,SET ENTRY/NOHOLD コマンド,または SET ENTRY/RELEASE コマンドを使用してジョブを解放するまで,そのジョブは処理されません。

/IDENTIFY (省略時の設定)

/NOIDENTIFY

キューに登録された時に,ジョブ名,登録したキューの名前,ジョブ・エントリ番号,およびジョブ状態を表示するかどうかを指定します。

/KEEP

/NOKEEP

ログ・ファイルを印刷したあとで,そのログ・ファイルを削除するかどうかを指定します。 /NOPRINTER 修飾子が使用されている場合を除き,省略時には /NOKEEP 修飾子が使用されます。

/LOG_FILE[=ファイル指定]

/NOLOG_FILE

ログ・ファイル名を指定します。ファイル指定には,ワイルドカード文字 ( アスタリスク (*) とパーセント記号 (%)) は使用できません。

/LOG_FILE 修飾子を使用した場合,システムはバッチ・ジョブの出力を指定したファイルに書き込みます。 /NOLOG_FILE 修飾子を使用した場合には,ログ・ファイルは作成されません。省略時の設定では,UAF で論理名 SYS$LOGIN に定義されるディレクトリに,バッチ・ジョブ名と同じファイル名でファイル・タイプが .LOG であるファイルが作成されます。

/LOG_FILE 修飾子を使用すると,別の装置にログ・ファイルを書き込むことができます。ファイル指定に含まれる論理名は,ジョブをキューに登録したプロセスのコンテキストで変換されます。バッチ・ジョブを実行しているプロセスは,ログ・ファイルが存在する装置へのアクセス権を持っていなければなりません。

/LOG_FILE 修飾子と /NAME 修飾子を指定すると, /NAME 修飾子で指定したファイルと同じファイル名を持ち,ファイル・タイプが .LOG のファイルに,ログを書き込みます。 /LOG_FILE 修飾子を省略する場合は, /NAME 修飾子で使用したファイル名値は有効なファイル名でなければなりません。

/MODIFIED

/NOMODIFIED

/BEFORE または /SINCE 修飾子を適用する時刻属性を指定します。この修飾子を指定すると,最新の変更日時をもとにファイルを選択します。この修飾子は他の時刻属性を指定する修飾子,/BACKUP,/CREATED,および /EXPIRED 修飾子とは同時に指定できません。これら 4 つの修飾子のいずれも指定しない場合には,省略時の設定として /CREATED 修飾子が使用されます。

/NAME=ジョブ名

ジョブ名を指定します (おそらくバッチ・ジョブ・ログ・ファイルのファイル名としても使用される文字列です)。ジョブ名は,1 〜 39 文字までの英数字です。名前の中で英数字,アンダースコア (_),ドル記号 ($) 以外の文字を使用する場合には,名前を引用符 (" ") で囲まなければなりません。省略時のジョブ名は,ジョブの最初の (または唯一の) ファイルのファイル名です。

/LOG_FILE 修飾子を省略している場合には,ジョブ名はファイル名として有効でなければなりません。ジョブ名は,SHOW ENTRY または SHOW QUEUE/FULL コマンドによって表示されます。

/NOTE=テキスト

255 バイト以内のメッセージ文字列を指定します。このメッセージ文字列は, SHOW QUEUE/FULL コマンドの一部として表示され,ジョブに関する情報を示すのに使用できます。この修飾子に指定されたメッセージは, (ファイルが印刷された場合は) ログ・ファイルのフラグ・ページにも印刷されます。

/NOTIFY

/NONOTIFY (省略時の設定)

ジョブの正常終了または強制終了を示すメッセージを,ログインしているターミナルに表示するかどうかを指定します。

/PARAMETERS=(パラメータ[,...])

ジョブに対して,最大8個までのパラメータをオプションとして指定します (これらのパラメータは,ジョブの各コマンド・プロシージャで, P1 〜 P8までのシンボル名に与えられる値を定義します)。シンボルは,指定されたコマンド・プロシージャ内でだけ使用できます。

各パラメータはコンマ(,)で区切ります。パラメータを1 つだけ指定する場合には,括弧を省略できます。

スペースや特殊文字,小文字を含むパラメータを指定する場合には,パラメータを引用符で囲まなければなりません。各パラメータは,1 〜 255 バイトの長さです。

/PRINTER[=キュー名](省略時の設定)

/NOPRINTER

ジョブが終了したときに,ジョブ・ログ・ファイルを印刷するためにキューに登録するかどうかを指定します。 /PRINTER 修飾子を使用すれば,特定のプリント・キューを指定できます。省略時のプリント・キューは SYS$PRINT です。 /NOPRINTER 修飾子を指定した場合は,/KEEP 修飾子も指定されていると解釈されます。

バッチ・キューおよび出力キューが同じキュー・マネージャによって管理されている場合は, SUBMIT/PRINTER コマンドで指定されたキューが出力キューかどうか,またユーザが出力キューに対してアクセス権があるかどうかをチェックします。 SUBMIT コマンドで指定されたバッチ・キュー,および /PRINTER 修飾子により指定された出力キューが異なるキュー・マネージャによって管理されている場合は,これらのチェックは行われません。

バッチ・ジョブを登録する時に,ログ・ファイルに対して明示的に出力キューを指定する場合は, /PRINTER 修飾子で指定するキューは出力キューであり,バッチ・キューでないことを確認してください。また,出力キューに対してのアクセス権を持っているかも確認してください。

/PRIORITY=n

登録したキューのスケジューリング優先順位の最高値より大きな優先順位を設定するためには,OPER ( オペレータ ) 特権,または ALTPRI ( 優先順位変更 ) 特権が必要です。

指定したジョブの,同一キュー内の他のジョブと比較した,ジョブ・スケジューリングにおける優先順位を指定します。優先順位の値は,0 〜 255 までの範囲です。このうち,0 はもっとも低い優先順位であり,255 は最高の優先順位です。

省略時の値は,システム・パラメータ DEFQUEPRI の値です。システム・パラメータ MAXQUEPRI の値より低い優先順位を設定する場合には,特権は不要です。

/PRIORITY 修飾子が,ジョブのプロセス優先順位に影響を与えることはありません。プロセスの実行優先順位は,INITIALIZE/QUEUE/BASE_PRIORITY コマンドによって与えられる基本の優先順位属性によって決まります。

/QUEUE=キュー名[:]

ジョブを登録する,バッチ・ジョブ・キューの名前を指定します。省略時のキューは SYS$BATCH です。

/RAD=n (Alpha のみ)

発行されたバッチ・ジョブを実行する RAD 番号を指定します。

RAD が設定されていないバッチ・キューにジョブが発行された場合,ジョブは指定された RAD を使用して実行されます。バッチ・キューに RAD が設定されていた場合には,ジョブはそのキューに対して指定された RAD を使用して実行されます。

バッチ・ジョブに対して RAD を指定すると,ジョブ・コントローラは, $CREPRC home_rad 引数がジョブの RAD 値に設定されたプロセスを作成します。ジョブに対して指定された RAD がターゲット・システムで無効な場合には,ジョブの実行は失敗し,ジョブ・コントローラは,正しくない RAD が指定されたことを示すメッセージをオペレータ・コンソールに出力します。正しくない RAD 値がバッチ・キューの RAD 設定に一致した場合,バッチ・キューは停止し,ジョブはキューに残されます。

AlphaServer GS シリーズ・システム上でのみサポートされます。

/REMOTE

指定した遠隔ノードの SYS$BATCH にジョブを登録します。 /REMOTE 修飾子を指定した場合には,ノードの名前をファイル指定に含まなければなりません。

ローカル・ノードの場合と異なり, 1つの SUBMIT/REMOTE コマンドによってキューに登録された複数のコマンド・プロシージャは,別々のジョブであると解釈されます。

/REMOTE 修飾子と同時に指定できるのは,次の修飾子だけです。

/BACKUP /BEFORE /BY_OWNER /CONFIRM
/CREATED /EXCLUDE /EXPIRED /MODIFIED
/SINCE      

/RESTART

/NORESTART (省略時の設定)

システム障害が発生したあと,または STOP/QUEUE/REQUEUE コマンドを実行したあとで,ジョブを再始動するかどうかを指定します。

/RETAIN=オプション

ジョブをキュー内に保持する状況を指定します。ジョブが保持された場合は,ジョブ終了後に SHOW QUEUE コマンドを用いてジョブの状態を確認できます。保持しなかった場合は,ジョブ終了後にキューにはジョブの記録は残りません。

以下のオプションを指定します。

注意

SUBMIT コマンドで /NORETAIN 修飾子は使用できません (システム管理者は INITIALIZE/QUEUE, START/QUEUE や SET QUEUE コマンドで指定できます)が,/RETAIN=DEFAULT を指定できます。この場合,キューの保持ポリシーに従ってジョブは保持されます。システム管理者が,キューにジョブ保持を設定していなかった場合は,ジョブは保持されません。

ジョブ保持の仕掛け

ジョブ保持オプションは,ジョブ登録時の指定よりも実行キューの設定が優先されます。ジョブを汎用キューに登録した場合には,汎用キューの設定がジョブ登録時の設定に優先されます。

ジョブ保持設定は,汎用キューよりも実行キューの設定が優先されます。ただし,ジョブの終了状態が実行キューの保持設定に合致しない場合は,汎用キューの保持設定が適用されます。さらに,汎用キューの設定とも合致しない場合には,ジョブ登録時の指定が適用されます。実行キューに直接登録したジョブは,汎用キューの設定の影響を受けません。

ジョブは,実行キューの設定が適用されれば実行キュー内に,汎用キューのものが適用されれば汎用キュー内に,ジョブ登録時の指定が適用されればその登録されたキュー内に保持されます。

次の例は,キュー・マネージャがどのようにしてジョブを保持するかを示しています。

/RETAIN=ALWAYS 修飾子を指定して汎用キューにジョブを登録し,ジョブが正常終了したとします。

キュー・マネージャは,最初にジョブの終了状態を実行キューの保持設定と比較します。実行キューの保持設定が /RETAIN=ERROR( 正常終了でない時のみ保持する ) であるとすると,実行キューには保持されません。

次に,汎用キューの保持設定と比較します。汎用キューには保持設定が無かったとすると,汎用キューにも保持されません。

最後に,ジョブを登録したキューの保持設定と比較します。登録時の指定が /RETAIN=ALWAYS であるため,ジョブを登録したキュー ( この場合には汎用キュー ) に保持されます。

キューのタイプについては INITIALIZE/QUEUE コマンドの説明を,保持オプションについては INITIALIZE/QUEUE, START/QUEUE,および SET QUEUE コマンドの説明を参照してください。

時限保持

UNTIL= 時間 オプションを使用すると,必要な間だけジョブを保持しておくことができます。これにより,ジョブを削除する手間が省けます。

たとえば次のコマンドでを入力すると,ジョブ MYFILE は 12 月 14 日 7 時 31 分まで保持されますが,その後削除されます。


$ SUBMIT/RETAIN=UNTIL=14-DEC-2001:07:31:0.0 MYFILE.COM

キューのジョブ保持ポリシーの設定によっては,ジョブはずっと保持されるかもしれません。これは,キューのジョブ保持ポリシーの設定が,ジョブ登録時の保持指定に優先されるためです。システム管理者がキューに時限保持を設定することはできないので,キューの設定によって保持されたジョブが自動的に削除されることはありません。

/RETAIN=UNTIL= 時間 オプションを使用する場合は,必ず時間を指定してください。ここで指定した時間はデルタ時間,絶対時刻との組み合わせ,絶対時刻の順に解釈されます。デルタ時間はジョブ終了時を起点とします。たとえば,SUBMIT/RETAIN=UNTIL="+3:00" と指定すれば,ジョブ終了後 3 時間保持されます。時間の指定方法についての詳細は,『OpenVMS ユーザーズ・マニュアル』を参照してください。

/SINCE[=時刻]

/NOSINCE

指定された時刻以降の時刻属性をもつファイルを選択します。絶対時刻,または絶対時刻とデルタ時間の組み合わせを指定します。また,BOOT,LOGIN,TODAY( 省略時の設定 ),TOMORROW,および YESTERDAY というキーワードも指定できます。適用する時刻属性は,/BACKUP,/CREATED( 省略時の設定 ),/EXPIRED,または /MODIFIED 修飾子のいずれかで指定します。

時刻指定の詳細は,『OpenVMS ユーザーズ・マニュアル』,またはオンライン・ヘルプの DCL_Tips トピックの Date_Time を参照してください。

/STYLE=キーワード

表示するファイル名の書式を指定します。

この修飾子のキーワードは CONDENSED および EXPANDED です。意味は次の表のとおりです。

キーワード 説明
CONDENSED
(省略時の設定)
ファイル名を 255 文字長の文字列に適合するように表示します。このファイル名の場合,ファイル指定に DID あるいは FID 短縮形を含むことが可能です。
EXPANDED ファイル名をディスクに格納されているとおりに表示します。このファイル名の場合,ファイル指定に DID あるいは FID 短縮形は含みません。

キーワード CONDENSED と EXPANDED を同時に指定することはできません。この修飾子は,確認が要求された場合に,出力メッセージに表示されるファイル名の書式を指定します。

EXPANDED キーワードが指定されていない場合,ファイル・エラーは CONDENSED ファイル指定で表示されます。

詳細は『OpenVMS ユーザーズ・マニュアル』を参照してください。

/USER=ユーザ名

CMKRNL (カーネルへのモード変更) 特権と,利用者登録ファイル (UAF) に対する読み取り (R) アクセス権および書き込み (W) アクセス権が必要です。

この修飾子を使用すると,他のユーザの代わりにジョブをキューに登録できます。ジョブは,ここで指定したユーザがキューに登録したときと同じように実行されます。また,ジョブはそのユーザのユーザ名と UIC を使って実行され,会計情報もそのユーザのアカウントに記録されます。この修飾子を指定しなかった場合には,ユーザ指定は,コマンドを要求しているプロセスと同じになります。ユーザ名として指定できるのは,システムに登録されているユーザ名だけです。ユーザ名は,1 〜 12文字の英数字です。

/WSDEFAULT=n

バッチ・ジョブのワーキング・セットの省略時の値,つまりジョブの使用可能な物理ページ数の省略時の値を定義します。キューに対して指定されているワーキング・セットの省略時の値が0以外の場合は,ジョブに対して指定された値とキューに設定されている値の小さい方が使用されます。キューに対して指定されているワーキング・セットの省略時の値が0の場合は,ジョブに対して指定された値と利用者登録ファイル (UAF) に登録されている値の小さい方が使用されます。

OpenVMS Alpha では 512 バイトのページレットの数で, OpenVMS VAX では 512 バイトのページの数で,n を指定します。 OpenVMS Alpha では,指定された値よりも実際に割り当てられる物理メモリが大きくなるように,最も近いその CPU 特有のページ値にこの値を切り上げます。 0 または NONE を指定した場合は, UAF の値またはキューに対して指定されている値が使用されます。ワーキング・セットの省略時の値は,システム・パラメータ PQL_MWSDEFAULT と WSMAX の範囲内でなければなりません。

/WSEXTENT=n

バッチ・ジョブのワーキング・セット超過値,つまりジョブが使用可能な物理ページの最大値を定義します。ジョブは,システムが余分なフリー・ページを持っている場合にだけ,物理メモリの最大値を使用します。キューに対して設定されているワーキング・セット超過値が 0 以外の場合は,ジョブに対して指定された値とキューに設定されている値の小さい方が使用されます。キューに対して設定されているワーキング・セット超過値が 0 の場合は,ジョブに対して指定された値と利用者登録ファイル (UAF) に登録されている値の小さい方が使用されます。

OpenVMS Alpha では 512 バイトのページレットの数で, OpenVMS VAX では 512バイトのページの数で,n を指定します。 OpenVMS Alpha では,指定された値よりも実際に割り当てられる物理メモリが大きくなるように,最も近いその CPU 特有のページ値にこの値を切り上げます。 0 または NONE を指定した場合は, UAF の値またはキューに対して指定されている値が使用されます。ワーキング・セット超過値は,システム・パラメータ PQL_MWSEXTENT と WSMAX の範囲内でなければなりません。

/WSQUOTA=n

バッチ・ジョブのワーキング・セット・クォータ値,つまりジョブに対して保証されている物理ページの値を定義します。キューに対して指定されているワーキング・セット・クォータ値が 0 以外の場合は,ジョブに対して指定された値とキューに設定されている値の小さい方が使用されます。キューに対して指定されているワーキング・セット・クォータ値が 0 の場合は,ジョブに対して指定された値と利用者登録ファイル (UAF) に登録されている値の小さい方が使用されます。

OpenVMS Alpha では 512 バイトのページレットの数で, OpenVMS VAX では 512 バイトのページの数で,n を指定します。 OpenVMS Alpha では,指定された値よりも実際に割り当てられる物理メモリが大きくなるように,最も近いその CPU 特有のページ値にこの値を切り上げます。 0 または NONE を指定した場合は, UAF の値またはキューに対して指定されている値が使用されます。ワーキング・セット・クォータ値は,システム・パラメータ PQL_MWSQUOTA と WSMAX の範囲内でなければなりません。


#1

$ SUBMIT/AFTER=16:30 TRANSLATE
Job TRANSLATE (queue SYS$BATCH, entry 1401) holding until 14-DEC-2001 16:30

この例で,コマンド・プロシージャ TRANSLATE.COM は SYS$BATCH に登録されます。このコマンド・プロシージャは午後 4 字 30 分以降に実行されます。正常に終了すると,ログ・ファイル TRANSLATE.LOG は印刷のため SYS$PRINT に登録され,その後削除されます。

#2

$ SUBMIT /PARAMETERS=(TXT,DOC,MEM) BACKUP, AVERAGE, RUNMASTER
  Job BACKUP (queue SYS$BATCH, entry 416) pending
 

この例では,3 つのコマンド・プロシージャを 1 つのジョブとして登録します。ジョブには,3 つのパラメータが与えられます。P1 には TXT,P2 には DOC,また P3 には MEM という文字列がそれぞれ割り当てられています。 BACKUP.COM プロシージャが実行されたあと, AVERAGE.COM と RUNMASTER.COM というプロシージャが実行されます。

#3

$ SUBMIT/NAME=BATCH24/HOLD TESTALL
  Job BATCH24 (queue SYS$BATCH, entry 467) holding

この例では,TESTALL.COM プロシージャをバッチ・ジョブとしてキューに登録し,あとで処理するためにそのジョブを保留状態にします。このジョブは,SET QUEUE/ENTRY/RELEASE コマンドを実行するまで解放されません。 /NAME 修飾子は,バッチ・ジョブを BATCH24 として識別することを指定しています。

#4

$ SUBMIT TEST.COM
  Job TEST (queue SYS$BATCH, entry 493) pending
$ BATCH_JOB = $ENTRY
   .
   .
   .
$ DELETE/ENTRY='BATCH_JOB'

この例では,キュー・ファイル中の特定のジョブを識別するために,シンボル $ENTRY が使用されています。この SUBMIT コマンドは,コマンド・プロシージャ TEST.COM を実行するためのバッチ・ジョブを作成し,ジョブのエントリ番号 ( この例では 493) を表すローカル・シンボル $ENTRY を割り当てています。 2 行目のコマンドは $ENTRY の値をローカル・シンボル BATCH_JOB に割り当て,最後のコマンドはシンボル BATCH_JOB を使用してバッチ・ジョブを削除しています。

#5

$ DEFINE JUNE WORKZ:[SCHREURS]ANNUAL_REPORT.COM
$ SUBMIT JUNE
Job ANNUAL_REPORT (queue SYS$BATCH, entry 229) started on ZOO_BATCH
 

この例では, DEFINE コマンドで論理名 JUNE を ANNUAL_REPORT.COM に定義しています。そして,この論理名を使用して ANNUAL_REPORT.COM をバッチ・キューに登録しています。ANNUAL_REPORT.COM がバッチ・キューに登録される前に,論理名 JUNE は ANNUAL_REPORT.COM に展開されます。また,ログ・ファイル名は JUNE.LOG ではなく, ANNUAL_REPORT.COM になります。

ジョブは汎用キュー SYS$BATCH に登録されていますが,実行キュー ZOO_BATCH で実行されている点に注意してください。

#6

$ SUBMIT/HOLD/QUEUE=ANYRADQ /RAD=1  TEST.COM
Job TEST (queue ANYRADQ, entry 23) holding
 
$ SHOW ENTRY/FULL 23
 Entry  Jobname      Username     Blocks  Status
 -----  -------      --------     ------  ------
    23  TEST         SYSTEM               Holding
  On idle batch queue ANYRADQ
  Submitted 24-JUL-2001 14:19:37.44 /KEEP /NOPRINT /PRIORITY=100 /RAD=0
  File: _$1$DKB200:[SWEENEY.CLIUTL]TEST.COM;1

この例では,TEST.COM がキュー ANYRADQ に対して発行されます。 ANYRADQ キューには RAD は設定されていません。

#7

$ SUBMIT/HOLD/QUEUE=BATCHQ1 /RAD=1  TEST.COM
Job TEST (queue BATCHQ1, entry 24) holding
 
$ SHOW ENTRY 24/FULL
 Entry  Jobname      Username     Blocks  Status
 -----  -------      --------     ------  ------
    24  TEST         SYSTEM               Holding
  On idle batch queue BATCHQ1
  Submitted 24-JUL-2001 14:23:10.37 /KEEP /NOPRINT /PRIORITY=100 /RAD=0
  File: _$1$DKB200:[SWEENEY.CLIUTL]TEST.COM;2

この例では,キュー BATCHQ1 は/RAD=0 と定義されています。したがって,SUBMIT コマンドを使用すると,RAD 1 が指定された場合でも, RAD 0 で実行するジョブが作成されます。


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