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整数データの入力と表示のための基数モードを省略時の設定に戻します。
CANCEL RADIX
/OVERRIDE
前回の SET RADIX/OVERRIDE コマンドで設定された変更型の基数を上書きします。現在の変更型の基数を "none" に設定し,出力基数モードを前回の SET RADIX コマンドまたは SET RADIX/OUTPUT コマンドで設定された値に戻します。SET RADIX コマンドまたは SET RADIX/OUTPUT コマンドを使用して基数モードを変更していなかった場合は,CANCEL RADIX/OVERRIDE コマンドは基数モードをその省略時の設定に戻します。
CANCEL RADIX コマンドは前回の SET RADIX コマンドと SET RADIX/OVERRIDE コマンドの作用を取り消します。入力と出力の基数をそれぞれの省略時の設定に戻します。データのほとんどの言語の場合,入力と表示の両方に対する省略時の基数は 10 進数です。VAX プロセッサでは,例外は BLISS と MACRO-32 です。この 2 つの省略時の基数は 16 進数です。Alpha プロセッサでは,例外は BLISS と MACRO-32 と MACRO-64 です。この 3 つの省略時の基数は 16 進数です。
CANCEL RADIX/OVERRIDE コマンドの作用には制限がもっとあります。この作用については /OVERRIDE 修飾子で説明します。
関連コマンド
EVALUATE
(SET,SHOW)RADIX
#1 |
---|
DBG> CANCEL RADIX |
このコマンドは省略時の入出力の基数を復元します。
#2 |
---|
DBG> CANCEL RADIX/OVERRIDE |
このコマンドは SET RADIX/OVERRIDE コマンドで設定していた可能性のある変更型の基数を上書きします。
シンボル検索のための有効範囲検索リストを省略時の設定に戻します。
CANCEL SCOPE
CANCEL SCOPE コマンドは前回の SET SCOPE コマンドで設定された現在の有効範囲の検索リストを取り消し,省略時の有効範囲検索リスト,すなわち 0,1,2,...,n を有効にします。ここで n は呼び出しスタック内の呼び出しの数です。省略時の有効範囲検索リストは,パス名接頭識別子が付かないシンボルの場合,EXAMINE X のようなシンボル検索はまず現在実行中のルーチン(有効範囲 0)で X を探します。そこで X が可視状態になっていない場合,デバッガはそのルーチンの呼び出し元(有効範囲 1)を探し,呼び出しスタックを順におりていきます。X が有効範囲 n で見つからないと,デバッガは実行時シンボル・テーブル(RST)の残りを検索し,必要ならばグローバル・シンボル・テーブル(GST)を検索します。
関連コマンド
(SET,SHOW)SCOPE
DBG> CANCEL SCOPE |
このコマンドは現在の有効範囲を取り消します。
前回の SET SOURCE コマンドで設定された,ソース・ディレクトリの検索リストと検索方法のどちらか一方,あるいは両方を取り消します。
CANCEL SOURCE
/DISPLAY
前回の SET SOURCE/DISPLAY コマンドの作用を取り消します。SET SOURCE/DISPLAY コマンドは,ソース・コードを表示するときにデバッガが使用するディレクトリ検索リストを指定します。このコマンドの作用を取り消すと,デバッガはコンパイルされたディレクトリからソース・ファイルを検索するようになります。/EDIT
前回の SET SOURCE/EDIT コマンド(デバッガが EDIT コマンドの実行中に使用するディレクトリ検索リストを指定するコマンド)の作用を取り消します。CANCEL SOURCE/EDIT により,デバッガはソース・ファイルをコンパイル時のディレクトリから検索するようになります。/EXACT
前回の SET SOURCE/EXACT コマンド(ディレクトリ検索方法を指定するコマンド)の作用を取り消します。CANCEL SOURCE/EXACT により,デバッガはコンパイル以降の 正確に一致する バージョンのソース・ファイルの検索は行わなくなり,省略時の検索方法である 最新 バージョンのファイル検索に戻ります。/LATEST
前回の SET SOURCE/LATEST コマンド(ディレクトリ検索方法を指定するコマンド)の作用を取り消します。CANCEL SOURCE/LATEST により,デバッガはコンパイル以降の 正確に一致する バージョンのソース・ファイルを検索するようになります。/LATEST は省略時の設定であるため,この修飾子は他の修飾子(たとえば /MODULE)と一緒に使用した場合にのみ意味があります。/MODULE=module-name
同じモジュール名と修飾子が指定されていた前回の SET SOURCE/MODULE=module-name コマンドを取り消します。/MODULE 修飾子を使用すると,指定されたモジュールに対して個別のディレクトリ検索リストとディレクトリ検索方法のどちらか一方,あるいは両方を指定することができます。SET SOURCE/MODULE コマンドや CANCEL SOURCE/MODULE コマンドには,上に挙げた修飾子を追加することができます。他の修飾子を追加して CANCEL SOURCE/MODULE コマンドを実行すると,指定された各修飾子がモジュールに与える作用が取り消されます。他の修飾子を追加せずに CANCEL SOURCE/MODULE コマンドを実行すると,デバッガは指定されていたモジュールをディレクトリ内の他のモジュールと区別しなくなります。
/ORIGINAL
STDL プログラムにだけ適用されます。レイヤード・プロダクトであるコリレーション・ファシリティ(Correlation Facility)をインストールする必要があり,保持デバッガ(Kept Debugger)を起動する必要があります。前回の SET SOURCE/ORIGINAL コマンドの作用を取り消します。SET SOURCE/ORIGINAL コマンドは,STDL ソース・ファイルをデバッグしなければならず,他の言語で作成されたソース・ファイルをデバッグする場合には取り消さなければなりません。
CANCEL SOURCE は前回の SET SOURCE コマンドの作用を取り消します。この取り消しの種類は,前回の SET SOURCE コマンドによって有効にされた修飾子によって決まります。CANCEL SOURCE と SET SOURCE の相互関係については,CANCEL SOURCE の例を参照してください。SET SOURCE コマンドを実行する場合,2 つの修飾子 /LATEST と /EXACT のいずれかが必ず有効でなければなりません。これらの修飾子は,デバッガの検索方法に影響を与えます。/LATEST 修飾子は,最後に作成されたバージョン(ディレクトリ内の一番大きい番号のバージョン)を検索するようデバッガに指示します。/EXACT 修飾子は,最後にコンパイルされたバージョン(コンパイル時に作成されたデバッガ・シンボル・テーブルに記録されているバージョン)を検索するようデバッガに指示します。たとえば,SET SOURCE/LATEST コマンドは SORT.FOR;3 を検索し,SET SOURCE/EXACT コマンドは SORT.FOR;1 を検索するという具合です。
/DISPLAY または /EDIT 修飾子が指定されていない CANCEL SOURCE は,SET SOURCE/DISPLAY と SET SOURCE/EDIT の両方が前に指定されていた場合,これらのコマンドの作用を取り消します。
表示するファイルがコンパイル・ディレクトリに存在しない場合には,/DISPLAY 修飾子が必要です。
ソース・コードの表示用に使用されたファイルが編集可能ファイルと異なっている場合には,/EDIT 修飾子が必要です。Ada プログラムを使用する場合がそうです。Ada プログラムの場合,(SET,SHOW,CANCEL)SOURCE コマンドはソース表示に使用するファイル(Ada プログラム・ライブラリ内の" 複写された"ソース・ファイル)の検索に影響します。(SET,SHOW,CANCEL)SOURCE/EDIT コマンドは,EDIT コマンドを使用するときに編集するソース・ファイルの検索に影響します。
Ada プログラムに特有の情報については,HELP Language_Support Ada をタイプしてください。
関連コマンド
(SET,SHOW)SOURCE
#1 |
---|
DBG> SET SOURCE/MODULE=CTEST/EXACT [],SYSTEM::DEVICE:[PROJD] DBG> SET SOURCE [PROJA],[PROJB],[PETER.PROJC] ... DBG> SHOW SOURCE source directory search list for CTEST, match the exact source file version: [] SYSTEM::DEVICE:[PROJD] source directory list for all other modules, match the latest source file version: [PROJA] [PROJB] [PETER.PROJC] DBG> CANCEL SOURCE DBG> SHOW SOURCE source directory search list for CTEST, match the exact source file version: [] SYSTEM::DEVICE:[PROJD] all other source files will try to match the latest source file version |
この例では SET SOURCE コマンドによって,CTEST 以外のソース・ファイルにディレクトリの検索リストと検索方法(省略時の最新バージョン検索)を設定しています。CANCEL SOURCE コマンドは,ディレクトリ検索リストは取り消しますが,検索方法は取り消しません。
#2 |
---|
DBG> SET SOURCE/MODULE=CTEST/EXACT [],SYSTEM::DEVICE:[PROJD] DBG> SET SOURCE [PROJA],[PROJB],[PETER.PROJC] ... DBG> SHOW SOURCE source directory search list for CTEST, match the exact source file version: [] SYSTEM::DEVICE:[PROJD] source directory list for all other modules, match the latest source file version: [PROJA] [PROJB] [PETER.PROJC] DBG> CANCEL SOURCE/MODULE=CTEST/EXACT DBG> SHOW SOURCE source directory search list for CTEST, match the latest source file version: [] SYSTEM::DEVICE:[PROJD] source directory list for all other modules, match the latest source file version: [PROJA] [PROJB] [PETER.PROJC] DBG> CANCEL SOURCE/MODULE=CTEST DBG> SHOW SOURCE source directory list for all modules, match the latest source file version: [PROJA] [PROJB] [PETER.PROJC] |
この例では SET SOURCE/MODULE=CTEST/EXACT コマンドによって,ソース・ファイル CTEST にディレクトリの検索リストと検索方法(一致バージョンの検索)を設定しています。CANCEL SOURCE/MODULE=CTEST/EXACT コマンドは,CTEST の検索方法を取り消して省略時の最新バージョン検索に戻しています。また,CANCEL SOURCE/MODULE=CTEST コマンドは,CTEST のディレクトリ検索リストを取り消しています。
#3 |
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DBG> SET SOURCE /EXACT DBG> SHOW SOURCE no directory search list in effect, match the exact source file DBG> SET SOURCE [JONES] DBG> SHOW SOURCE source directory list for all modules, match the exact source file version: [JONES] DBG> CANCEL SOURCE /EXACT DBG> SHOW SOURCE source directory list for all modules, match the latest source file version: [JONES] |
この例では,最初の SET SOURCE/EXACT コマンドで設定した検索方法(一致バージョンの検索)は,SET SOURCE [JONES] コマンドでもそのまま有効です。CANCEL SOURCE/EXACT コマンドは,SET SOURCE/EXACT コマンドを取り消し,さらに SET SOURCE [JONES] に影響を与えています。
トレースポイントを取り消します。
CANCEL TRACE [address-expression[,...]]
address-expression
取り消すトレースポイントを指定します。ワイルドカード文字のアスタリスク(*)は使用できません。代わりに /ALL 修飾子を使用してください。/EVENT,/PREDEFINED,/USER 以外の修飾子を使用すると,アドレス式は指定できません。
/ACTIVATING
前回の SET TRACE/ACTIVATING コマンドの作用を取り消します。/ALL
省略時の設定では,すべてのユーザ定義トレースポイントを取り消します。/PREDEFINED といっしょに使用すると,定義済みトレースポイントはすべて取り消されますが,ユーザ定義トレースポイントは取り消されません。すべてのトレースポイントを取り消すには,/ALL/USER/PREDEFINED を使用します。/BRANCH
前回の SET TRACE/BRANCH コマンドの作用を取り消します。/CALL
前回の SET TRACE/CALL コマンドの作用を取り消します。/EVENT=event-name
前回の SET TRACE/EVENT=event-name コマンドの作用を取り消します。イベント名(および必要であればアドレス式)は SET TRACE/EVENT コマンドで指定したとおりに指定してください。現在のイベント機能とそれに対応するイベント名を表示するには,SHOW EVENT_FACILITY コマンドを使用します。/EXCEPTION
前回の SET TRACE/EXCEPTION コマンドの作用を取り消します。/INSTRUCTION
前回の SET TRACE/INSTRUCTION コマンドの作用を取り消します。/LINE
前回の SET TRACE/LINE コマンドの作用を取り消します。/PREDEFINED
ユーザ定義トレースポイントにはまったく影響を及ぼさずに指定の定義済みトレースポイントを取り消します。/ALL といっしょに使用すると,すべての定義済みトレースポイントが取り消されます。/TERMINATING
前回の SET TRACE/TERMINATING コマンドの作用を取り消します。/USER
定義済みトレースポイントにはまったく影響を及ぼさずに,指定のユーザ定義トレースポイントを取り消します。/PREDEFINED を指定した場合を除き,これが省略時の設定です。すべてのユーザ定義トレースポイントを取り消すには /ALL を使用します。/VECTOR_INSTRUCTION
(VAX のみ)前回の SET TRACE/VECTOR_INSTRUCTION コマンドの作用を取り消します。
トレースポイントには,ユーザが定義するものと定義済みのものとがあります。ユーザ定義のトレースポイントは,ユーザが SET TRACE コマンドで明示的に設定したトレースポイントです。定義済みのトレースポイントは,デバッグするプログラムの種類(Ada あるいはマルチプロセスなど)によって異なりますが,デバッガの起動時に自動的に設定されます。現在設定されているすべてのトレースポイントを表示するには,SHOW TRACE コマンドを使用します。定義済みのトレースポイントは定義済みのものとして表示されます。ユーザ定義トレースポイントと定義済みトレースポイントは,それぞれ別々に設定したり取り消したりします。たとえば,1 つの記憶位置またはイベントに,ユーザ定義トレースポイントと定義済みトレースポイントの両方を設定することができます。ユーザ定義トレースポイントを取り消しても,定義済みトレースポイントは影響を受けません。逆も同様です。
ユーザ定義トレースポイントだけを取り消すには,CANCEL TRACE コマンドを指定するときに /PREDEFINED を指定しないでください(省略時の設定は /USER)。定義済みトレースポイントだけを取り消すには,/USER ではなく /PREDEFINEDを指定します。定義済みトレースポイントとユーザ定義トレースポイントを両方とも取り消すには,CANCEL TRACE/ALL/USER/PREDEFINED を使用します。
通常,SET TRACE コマンドはユーザ定義トレースポイントに対してだけ使用されますが,CANCEL TRACE コマンドの作用は SET TRACE コマンドの作用の反対です。したがって,特定の記憶位置に設定されたトレースポイントを取り消すには,CANCEL TRACE コマンドでそれと同じ記憶位置(アドレス式)を指定します。命令またはイベントのクラスに対して設定されたトレースポイントを取り消すには,対応する修飾子(/LINE,/BRANCH,/ACTIVATING,/EVENT= など)を使用して命令またはイベントのクラスを指定します。詳しい説明は,修飾子の説明を参照してください。
デバッガがトレースポイントを一時的に無視するように設定し,しかもトレースポイントの定義はそのまま残しておきたい場合には,DEACTIVATE TRACE コマンドを使用します。トレースポイントは後で有効に設定できます(その場合は ACTIVATE TRACE を使用します)。
関連コマンド
(ACTIVATE,DEACTIVATE,SET,SHOW)TRACE
CANCEL ALL
(SET,SHOW,CANCEL)BREAK
(SET,SHOW)EVENT_FACILITY
#1 |
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DBG> CANCEL TRACE MAIN\LOOP+10 |
This command cancels the user-defined tracepoint at the location MAIN\LOOP+10.
#2 |
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DBG> CANCEL TRACE/ALL |
このコマンドはすべてのユーザ定義トレースポイントを取り消します。
#3 |
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all> CANCEL TRACE/TERMINATING |
このコマンドは前回の SET TRACE/TERMINATING コマンドを取り消します。取り消すと,プロセスがイメージの終了を行っても,ユーザ定義トレースポイントは検出されません。
#4 |
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DBG> CANCEL TRACE/EVENT=RUN %TASK 3 |
このコマンドはタスク 3(タスクID = 3)が RUN 状態に入ったときに検出されるように設定されたトレースポイントを取り消します。
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