日本語 Compaq OpenVMS
日本語EVE ユーザーズ・ガイド


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2.5.6 /INITIALIZATION


     /INITIALIZATION[=ファイル名] (省略時設定) 
     /NOINITIALIZATION 

DEC XTPU を使って書かれたアプリケーションが,イニシャライゼーション・ファイルを実行するかどうかを指定します。

/INITIALIZATION 修飾子と/NOINITIALIZATION 修飾子のどちらも指定しない場合, DEC XTPU は省略時設定として/INITIALIZATION と解釈し,イニシャライゼーション・ファイルを実行します。

イニシャライゼーション・ファイルの省略時の値は,JEVE$INIT_V3.EVEです。 論理名 JEVE$INIT_V3 を使って,省略時の値以外のイニシャライゼーション・ファイルを指定することもできます。

イニシャライゼーション・ファイルのデバイスやディレクトリを指定しないと,日本語 EVE はまず最初に,現在のディレクトリを捜します。指定された(または省略時の)イニシャライゼーション・ファイルがそこに存在しない場合には,SYS$LOGIN ディレクトリを捜します。イニシャライゼーション・ファイルが見つかれば,そのファイル中のコマンドを実行します。

イニシャライゼーション・ファイルについては,『 DEC XTPU リファレンス・マニュアル』の第 1.5.2 項を参照してください。

2.5.7 /JOURNAL


     /JOURNAL=ファイル名.TJL (省略時設定) 
     /NOJOURNAL 

割り込まれたセッションから回復できるように,DEC XTPU が編集セッションのジャーナル・ファイルを保存するかどうかを指定します。DEC XTPU は2種類のジャーナリングをサポートします。

/JOURNAL 修飾子と/NOJOURNAL 修飾子のどちらも指定しないか,または,/JOURNAL 修飾子を指定してジャーナル・ファイル名を指定しないときには,バッファ・ジャーナリングが行われます。バッファ・ジャーナリングの,ジャーナル・ファイルの省略時のファイル・タイプは .XTPU$JOURNAL です。

/JOURNAL=ファイル名 というようにジャーナル・ファイル名を指定すると,キー・ジャーナリングを行います。キー・ジャーナリングの,ジャーナル・ファイルの省略時のファイル・タイプは .TJL です。

日本語 EVE で,キー・ジャーナリング,バッファ・ジャーナリングの両方を使わないときには,修飾子に /NOJOURNAL を指定してください。たとえば,以下のコマンドは,日本語 EVE に対してジャーナリングをしないで MEMO.TXT をいうファイルを編集します。


$ EDIT/XTPU/NOJOURNAL MEMO.TXT

キー・ジャーナリングでジャーナル・ファイルを作成した後,DEC XTPU がジャーナル・ファイルを処理するには,/RECOVER 修飾子を使用します。下記のコマンドを実行すると,DEC XTPU は MEMO.TXT という名前の入力ファイルの編集セッションを,ジャーナル・ファイル MEMO.TJL を使って回復します。キー・ジャーナリングのジャーナル・ファイルを用いて回復を行う場合には,コマンド・ラインに,/JOURNAL=ファイル名 と /RECOVER 修飾子の両方を指定しなければなりません。


$ EDIT/XTPU/RECOVER/JOURNAL=memo.tjl memo.txt

ジャーナリングについて詳しくは, 第 7.4.2 項 を参照してください。

2.5.8 /KANJI_DICTIONARY


     /KANJI_DICTIONARY[=ファイル名] 
     /NOKANJI_DICTIONARY 
     /KANJI_DICTIONARY=SYS$LOGIN:JSYKOJIN.JISHO (省略時設定)

DEC XTPU が,かな漢字変換用の個人辞書を使用するかどうかを指定します。

/KANJI_DICTIONARY修飾子と/NOKANJI_DICTIONARY修飾子のどちらも指定しない場合, DEC XTPU の省略時の値によって JSY$KOJIN という論理名で示されるファイルを個人辞書として使用しようとします。このときに,JSY$KOJIN の論理名にファイルが割り当てられていないと, SYS$LOGIN:JSYKOJIN.JISHO が個人辞書として使用されます。個人辞書として使用されるファイルは,日本語OpenVMS の個人辞書ファイルでなければなりません。

/KANJI_DICTIONARY修飾子に個人辞書ファイル名を指定すれば,任意の個人辞書ファイルを使用することができます。または,JSY$KOJIN という論理名に完全なファイル名を指定することによっても,任意の個人辞書を使用できます。この結果,省略時の個人辞書である SYS$LOGIN:JSYKOJIN.JISHO は無効になります。

下記のコマンドを実行すると,DEC XTPU は PERSONAL.JISHO というファイルを個人辞書として使用します。


$ EDIT/XTPU/KANJI_DICTIONARY=personal.jisho

個人辞書として指定されたファイルが存在しない場合,DEC XTPU は,指定されたファイル名の個人辞書を作成して使用します。

/NOKANJI_DICTIONARY を指定したときには,DEC XTPU は個人辞書を使用しません。

2.5.9 /MODIFY


     /MODIFY (省略時設定) 
     /NOMODIFY 

編集セッションの最初のユーザ・バッファが,変更可能かどうかを指定します。 DEC XTPU を使って書かれたアプリケーションが,/MODIFY 修飾子を処理します。

/MODIFY 修飾子と/NOMODIFY 修飾子をどちらも指定しない場合は,日本語 EVE は/[NO]READ_ONLY修飾子,あるいは/[NO]WRITE 修飾子が指定されたかどうかを調べて,ユーザ・バッファを変更可能にするかどうかを決定します。 /MODIFY,/NOMODIFY,/[NO]READ_ONLY,/[NO]WRITEのいずれの修飾子も指定しなければ,日本語 EVE は省略時設定として,編集セッションのすべてのバッファを変更可能にします。/NOMODIFY を指定すれば,すべてのユーザ・バッファは変更できなくなります。

/MODIFY修飾子を,/READ_ONLY修飾子または/NOWRITE 修飾子と同時に指定すると,バッファは変更可能になります。同様に,/NOMODIFY修飾子を,/NOREAD_ONLY修飾子または/WRITE修飾子と同時に指定すると,バッファは変更できなくなります。

2.5.10 /OUTPUT


     /OUTPUT=ファイル名 (省略時設定) 
     /NOOUTPUT 

編集セッションの出力がファイルに書き込まれるかどうかを指定します。

出力ファイルの省略時の値は入力ファイルの名前と同じで,バージョン番号は入力ファイルの既存のバージョンより1つだけ大きな値になります。 /OUTPUT 修飾子に対してファイル名を指定をすれば,出力ファイルに別の名前を付けることができます。

下記のコマンドを実行すると, DEC XTPU を終了するときに,DEC XTPU はメイン・バッファの内容を NEWLET.RNO というファイルに出力します。


$ EDIT/XTPU/OUTPUT=newlet.rno letter.rno

/NOOUTPUT を指定すると,日本語 EVE はメイン・バッファに対して NO_WRITE 属性を設定し,そのバッファに対する出力ファイルは作成しません。

2.5.11 /READ_ONLY


     /READ_ONLY 
     /NOREAD_ONLY (省略時設定) 

/READ_ONLY修飾子は,DEC XTPUが起動するアプリケーション(ここでは日本語EVE) のMAINバッファの内容が変更された場合に,その出力ファイルを作成するかどうかを指定します。

/READ_ONLY 修飾子の処理は,/WRITE 修飾子と関係があります。 /READ_ONLY は /NOWRITE を同じです。また /NOREAD_ONLY は,/WRITE と同じです。 DCL コマンドで次のように修飾子を組み合せたとき(順不同)には,DEC XTPUはエラーを出して終了します。


$ EDIT/XTPU/READ_ONLY/WRITE
%DCL-W-CONFLICT, コマンド要素の組み合わせが誤っています。解説書をチェックしてく
ださい。 
 \READ_ONLY\


$ EDIT/XTPU/NOREAD_ONLY/NOWRITE
%DCL-W-CONFLICT, コマンド要素の組み合わせが誤っています。解説書をチェックしてく
ださい。 
 \NOREAD_ONLY\

日本語 EVE では,/READ_ONLY 修飾子は,/NOMODIFY 修飾子と /NOOUTPUT 修飾子を両方指定した場合と同じ結果になります。/READ_ONLY を指定すると, DEC XTPU はすべてのユーザ・バッファに対して NO_WRITE 属性と NO_MODIFY 属性をセットします。バッファが NO_WRITE にセットされている場合には,DEC XTPU を終了するときに,バッファの内容がファイルに書き込まれません。

たとえば,下記のコマンドを実行すると,DEC XTPU はエディタを終了するときに新しいファイルを作成しません。


$ EDIT/XTPU/READ_ONLY meeting.mem

/NOREAD_ONLY修飾子を指定すると,EXITコマンドが実行されるときにメイン・バッファの内容が変更されていれば,メイン・バッファをファイルに書き込みます。これは省略時設定です。

2.5.12 /RECOVER


     /RECOVER 
     /NORECOVER (省略時設定) 

DEC XTPU が起動時にジャーナル・ファイルを読み込んで,前に中断された編集セッションを回復するかどうかを指定します。

日本語 EVE では,/JOURNAL=ファイル名 のようにファイル名を指定すると,キー・ジャーナリングのジャーナル・ファイルを用いて,編集セッションを回復します。

ジャーナル・ファイル名を指定しないときには,バッファ・ジャーナリングのジャーナル・ファイルとして,入力ファイル名に対応するファイルを用いて回復します。

たとえば,下記のコマンドを実行すると,バッファ・ジャーナリングのジャーナル・ファイルを用いて,notes.txt というファイルに対する前の編集セッションを回復します。


$ EDIT/XTPU/RECOVER notes.txt

キー・ジャーナリングを使ってセッションを回復する場合は,以下のことに注意してください。

ジャーナリングについて詳しくは, 第 7.4.2 項 を参照してください。

2.5.13 /SECTION


     /SECTION[=ファイル名] 
     /NOSECTION 
     /SECTION=XTPU$SECTION (省略時設定) 

DEC XTPU がセクション・ファイルを読み取るかどうかを指定します。セクション・ファイルとは,キー定義やコンパイルされたプロシージャをバイナリ形式で持っているファイルのことです。

セクション・ファイルの省略時の値は,XTPU$SECTION です。セクション・ファイルを検索するときには省略時のディレクトリに SYS$SHARE,省略時のファイル・タイプに .XTPU$SECTION を使います。 XTPU$SECTION という論理名には,省略時の設定で JEVE$SECTION_V3 が定義されている ので,省略時には SYS$SHARE:JEVE$SECTION_V3.XTPU$SECTION を読み込みます。

初期化のために省略時の値以外のファイルを指定することもできます。このときには,XTPU$SECTION という論理名に別のセクション・ファイル名を再定義してください。また /SECTION 修飾子に,セクション・ファイルの完全なファイル仕様を指定することもできます。

下記のコマンドを実行すると DEC XTPU は VT282INI.XTPU$SECTION というセクション・ファイルを読み取ります。


$ EDIT/XTPU/SECTION=disk$user:[smith]vt282ini

ファイルを指定するときに,装置とディレクトリを指定しない場合は,DEC XTPU は SYS$SHARE にあるファイルをさがします。セクション・ファイルは,DEC XTPU を起動するノードと同じノードに存在しなければなりません。

/SECTION=ファイル名 に対する値として使用されるファイルは,日本語 EVE の SAVEコマンドで保存しておかなければなりません。この処理を実行すると,ファイルは正しいバイナリ形式に変換されます。

2.5.14 /START_POSITION


     /START_POSITION=(行,カラム) 
     /START_POSITION=(1,1) (省略時設定) 

日本語 EVE ではこの修飾子を使って,起動時にメイン・バッファのどの位置にカーソルが置かれるかを指定します。省略時の最初の位置は,1行目の1カラム目です。

2.5.15 /WRITE


     /WRITE (省略時設定) 
     /NOWRITE 

メイン・バッファの内容が書き換えられたときに, DEC XTPU 上のアプリケーションが内容を新しいファイルに書き込むかどうかを指定します。

/WRITE 修飾子がどのように処理されるかは,/READ_ONLY 修飾子にも関係しています。 /WRITE は /NOREAD_ONLY と同じです。また /NOWRITE は /READ_ONLY と同じです。

次のような組み合せが DCL コマンド・ラインで使われたときには,DEC XTPU はエラーを通知して DCL に戻ります。


$ EDIT/XTPU/WRITE/READ_ONLY
%DCL-W-CONFLICT, コマンド要素の組み合わせが誤っています。解説書をチェックしてく
ださい。 
 \READ_ONLY\


$ EDIT/XTPU/NOWRITE/NOREAD_ONLY
%DCL-W-CONFLICT, コマンド要素の組み合わせが誤っています。解説書をチェックしてく
ださい。 
 \NOREAD_ONLY\

日本語 EVE においては,/NOWRITE 修飾子は,/NOMODIFYと/NOOUTPUT 修飾子を両方指定した場合と同じ結果になります。

2.6 日本語 MAIL から日本語EVE を起動する

日本語 MAIL ユーティリティのエディタとして日本語 EVE を使うには2つの方法があります。

  1. 論理名を使う方法

    論理名 JMAIL$EDIT に "XTPU" と定義してから日本語 MAIL を起動します。


    $ DEFINE JMAIL$EDIT XTPU
    $ JMAIL
    JMAIL> 
    

  2. 日本語 MAIL サブコマンドを使う方法

    日本語 MAIL 起動後,SET EDITOR コマンドで XTPU を指定します。


    $ JMAIL
    JMAIL> SET EDITOR XTPU
    


    SET EDITOR コマンドの指定は保存されますので,2度目以降は改めて指定する必要はありません。

2.7 MAIL から日本語EVE を起動する

MAIL ユーティリティの中から日本語 EVE を起動するには2つの方法があります。

  1. 論理名を使う方法

    論理名 MAIL$EDIT に "XTPU" と定義してから MAIL を起動します。


    $ DEFINE MAIL$EDIT XTPU
    $ MAIL
    MAIL> 
    

  2. MAIL サブコマンドを使う方法

    MAIL 起動後,SET EDITOR コマンドで XTPU を指定します。


    $ MAIL
    MAIL> SET EDITOR XTPU
    

    SET EDITOR コマンドの指定は保存されますので,2度目以降は改めて指定する必要はありません。

2.8 Notes から日本語EVE を起動する

Notes ユーティリティのエディタとして日本語 EVE を使うには, Notes サブコマンドで,以下のように指定します。


$ NOTES
Notes> SET PROFILE/EDITOR=XTPU


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