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MONITOR MODES コマンドは,MODES クラスの監視を起動します。 MODES クラスには,各プロセッサ動作モードに関するデータ項目が含まれます。
MONITOR MODES
/修飾子 [,...]
1 つ以上の修飾子。本章の「コマンド修飾子の説明」を参照してください。
/ALL
すべての統計項目 (現在,平均,最小,最大) を表示出力と要約出力に含めることを指定します。要約出力の場合,すべてのクラスについて,この修飾子が省略時の値です。要約出力以外の場合,CLUSTER,MODES,PROCESSES,STATES,SYSTEM, VECTOR を除くすべてのクラスについて,この修飾子が省略時の値です。/AVERAGE
平均統計のバー・グラフを表示出力と要約出力に含めることを指定します。/CPU
/NOCPU [=(x[,...])] (省略時の設定)
マルチプロセッサ構成において,CPU 固有の出力形式を選択します。x は,CPU 識別子です。CPU 識別子を指定せずに /CPU を指定した場合,すべてのアクティブ CPU について,MODES クラス統計が順番に表示されます。次に,最初の CPU に戻って監視動作が繰り返されます。1 つの CPU を指定した場合,その CPU だけの統計が表示されます。複数の CPU を指定した場合,順番に CPU 統計が表示され,次に,最初の CPU に戻って監視動作が繰り返されます。複数のCPU識別を指定したときに,その中の1つ以上のCPUが使用不可能な状態の場合, MONITORはそのことをユーザに通知しません。指定したすべてのCPU識別が存在しない場合には,引数を指定せずに/CPU修飾子だけが指定されたかのように動作します。
マルチプロセッサ・システムの場合,/NOCPU は,すべての CPU が各モードで消費した総時間を 1 つの画面で表示します。
マルチプロセッサ・システム以外の場合,/CPU は CPU 識別子を表示し,/NOCPU は CPU 識別子を表示しません。
/CURRENT
現在の統計のバー・グラフを表示出力と要約出力に含めることを指定します。この修飾子は,CLUSTER,MODES,STATES, SYSTEM,VECTOR の各クラスの省略時の値です。/MAXIMUM
最大統計のバー・グラフを表示出力と要約出力に含めることを指定します。/MINIMUM
最小統計のバー・グラフを表示出力と要約出力に含めることを指定します。/PERCENT
/NOPERCENT (省略時の値)
統計をパーセント値として表示出力と要約出力で表すかどうかを制御します。 /[NO]PERCENT 修飾子が適用されるのは,DISK,MODES,SCS,STATES のクラスだけです。
MODES クラスのデータ項目は,すべてのプロセッサ (CPU) 時間の比率として表示することも,1 秒あたりのクロック・ティック率 (10 ミリ秒単位) として表示することもできます。
データ項目 説明 Interrupt Stack (Interrupt State on Alpha systems) 割り込みスタック消費時間 (VAXシステム) またはカーネル・スタックにおける割り込み状態に消費した時間 (Alphaシステム) MP Synchronization 複数の CPU の同期化に消費した時間 (マルチプロセッサ・システム専用) Kernel Mode 割り込み状態ではないカーネル・モードで消費した時間 Executive Mode エグゼクティブ・モード消費時間 Supervisor Mode スーパバイザ・モード消費時間 User Mode 命令を実行するユーザ・モードで消費した時間 Compatibility Mode 互換性モード命令の実行に消費した時間 (このデータ項目が有効であるのは,VAX システムだけである) Idle Time 上記のいずれでも消費しなかった時間
マルチプロセッサ・システムにおいて,/CPU 修飾子を使用せずに MONITOR MODES コマンドを入力して特定の CPU を選択した場合,非マルチプロセッサ・システムの場合と同じ 1 つの画面が出力されます。すべての CPU が各モードで消費した時間の合計が,統計として表示されます。
#1 | |
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MONITOR> MONITOR MODES /PERCENT
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最後の収集期間において,プロセッサは,ユーザ・コードの実行に 72%,エグゼクティブ・モードとカーネル・モードでユーザ要求を処理するためシステム・コードを実行するのに 8%,割り込みスタックの割り込み処理に 4% の時間を消費しています。16% はアイドル状態です。 OpenVMS RMS コードの実行に消費した時間は,エグゼクティブ・モード時間に含まれ,DCL コードの実行に消費した時間は,スーパバイザ・モード時間に含まれています。
/PERCENT修飾子を指定しなかった場合や,/NOPERCENT修飾子を指定した場合には,モード時間は 1 秒当りのクロック・ティック率として表示されます。ただし,1クロック・ティックは 10 ミリ秒です。ユニプロセッサでは,この値はパーセント値と同じです。
#2 | |
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MONITOR> MONITOR MODES
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マルチプロセッサ・システムに関する出力です。 1 秒あたりのクロック・ティック率が表示されています。画面の左上には,ノード SAMPLE に CPU が 4 つあり,2 つがアクティブであることが示されています。/CPU 修飾子が指定されていないので,すべての CPU が各モードで消費した合計時間が表示されています。
MONITOR MSCP_SERVER コマンドは,大容量記憶制御プロトコル (MSCP) サーバ・クラスの監視を起動します。
MONITOR MSCP_SERVER
/修飾子 [,...]
1 つ以上の修飾子。本章の「コマンド修飾子の説明」を参照してください。
/ALL
すべての統計項目 (現在,平均,最小,最大) を表示出力と要約出力に含めることを指定します。要約出力の場合,すべてのクラスについて,この修飾子が省略時の値です。要約出力以外の場合,CLUSTER,MODES,PROCESSES,STATES,SYSTEM, VECTOR を除くすべてのクラスについて,この修飾子が省略時の値です。/AVERAGE
平均統計のバー・グラフを表示出力と要約出力に含めることを指定します。/CURRENT
現在の統計のバー・グラフを表示出力と要約出力に含めることを指定します。この修飾子は,CLUSTER,MODES,STATES, SYSTEM,VECTOR の各クラスの省略時の値です。/MAXIMUM
最大統計のバー・グラフを表示出力と要約出力に含めることを指定します。/MINIMUM
最小統計のバー・グラフを表示出力と要約出力に含めることを指定します。
MSCP サーバ・クラスのデータ項目は,MSCP サーバのチューニングに便利です。
データ項目 説明 Server I/O Request Rate 遠隔プロセッサが入出力転送を要求する割合 Read Request Rate 遠隔プロセッサが読み込み転送を要求する割合 Write Request Rate 遠隔プロセッサが書き込み転送を要求する割合 Extra Fragment Rate サーバが追加フラグメントを供給する割合 バッファに制限があることから,1 つの入出力要求に対処するため MSCP サーバが複数の入出力を供給するとき,1 つ以上の追加フラグメントが作成されます。たとえば,64 ブロックの要求 1 つを 16 ブロックのフラグメント 4 つに分割する場合,MSCP サーバは 3 つの追加フラグメントを作成します。
Fragmented Request Rate フラグメンテーション要求発生率 フラグメンテーション要求は,バッファに制限があることから,サーバがフラグメンテーションする転送要求です。たとえば,36 ブロックの要求 1 つを 16 ブロックのフラグメント 2 つと 4 ブロックのフラグメント 1 つに分割する場合,サーバは 2 つの追加フラグメントを作成します。
Buffer Wait Rate サーバで「バッファ待ち」が発生する割合 バッファ待ちは,要求が MSCP バッファ・メモリに対して待ち状態となるときを指します。
Request Size Rates 各種ブロック・サイズにおける要求率を表示するヒストグラム
#1 | |
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MONITOR> MONITOR MSCP_SERVER
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GLOBBO というノードの MSCP 統計を作成しています。
MONITOR PAGE コマンドは,PAGE クラスの監視を起動します。
MONITOR PAGE
/修飾子 [,...]
1 つ以上の修飾子。本章の「コマンド修飾子の説明」を参照してください。
/ALL
すべての統計項目 (現在,平均,最小,最大) を表示出力と要約出力に含めることを指定します。要約出力の場合,すべてのクラスについて,この修飾子が省略時の値です。要約出力以外の場合,CLUSTER,MODES,PROCESSES,STATES,SYSTEM, VECTOR を除くすべてのクラスについて,この修飾子が省略時の値です。/AVERAGE
平均統計のバー・グラフを表示出力と要約出力に含めることを指定します。/CURRENT
現在の統計のバー・グラフを表示出力と要約出力に含めることを指定します。この修飾子は,CLUSTER,MODES,STATES, SYSTEM,VECTOR の各クラスの省略時の値です。/MAXIMUM
最大統計のバー・グラフを表示出力と要約出力に含めることを指定します。/MINIMUM
最小統計のバー・グラフを表示出力と要約出力に含めることを指定します。
PAGE クラスのデータ項目は,次のとおりです。
データ項目 説明 Page Fault Rate すべてのワーキング・セットのページ・フォルト率 Page Read Rate ページ・フォルトの結果,ディスクから読み込まれるページ数 Page Read I/O Rate ページ・フォルトの結果,ディスクに対して実行される読み込み動作率 Page Write Rate ページ・ファイルに書き込まれたページ数 Page Write I/O Rate ページ・ファイルに対する書き込み動作率 Free List Fault Rate ページ・フォルトの結果,空きページ・リストから読み込まれたページ数 Modified List Fault Rate ページ・フォルトの結果,変更したページ・リストから読み込まれたページ数 Demand Zero Fault Rate ページ・フォルトの結果,0 を埋め込んだページを割り当てた割合 Global Valid Fault Rate プロセスのワーキング・セットではなく物理メモリに存在し,システム単位のグローバル・ページ・テーブルでは有効ページと定義されているページのページ・フォルト率 Writes In Progress Fault Rate フォルト発生時にディスクに書き込まれていた,読み込みページ数 System Fault Rate システム空間に存在するページのページ・フォルト率 Free List Size 空きページ・リストのページ数 Modified List Size 変更したページ・リストのページ数
#1 | |
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MONITOR> MONITOR PAGE
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1 回の読み込み動作における読み込みページ数は,現在, 1 秒あたり約 3 ページであることを示しています (Page Read Rate を Page Read I/O Rate で割る)。ページ・フォルト率は現在最も高く,大半のページは,ディスクではなくメモリからフォルトしています。
MONITOR PROCESSES コマンドは,PROCESSES クラスの監視を起動します。PROCESSES クラスには,システム内のすべてのプロセスの情報が含まれます。マルチファイル要約要求では,CLUSTERクラスとPROCESSESクラスは無視されます。これらのクラスだけをコマンド行に指定した場合には,MONITORはこれらのクラスを認識せず,"no classes specified"というエラー・メッセージが表示されます。
MONITOR PROCESSES
/修飾子 [,...]
1 つ以上の修飾子。本章の「コマンド修飾子の説明」を参照してください。
/TOPBIO
標準の表示と要約出力ではなく,バッファード入出力ユーザのトップを示すバー・グラフを出力することを指定します。値の単位は,1 秒あたりのバッファード入出力数です。/TOPCPU
標準の表示と要約出力ではなく, CPU 時間ユーザのトップを示すバー・グラフを出力することを指定します。値の単位は,1 秒あたりのクロック・ティック (10 ミリ秒) 数です。バージョン 7.3 より前の OpenVMS では, MONITOR PROCESSES/TOPCPU 表示で 1 つの画面に最大 8 プロセスしか表示できませんでした。 OpenVMS バージョン 7.3 からは,システムにある CPU の数に合わせて, 3 種類の画面のうちの 1 つが表示されるようになりました。この項の例を参照してください。
/TOPDIO
標準の表示と要約出力ではなく,直接入出力ユーザのトップを示すバー・グラフを出力することを指定します。値の単位は,1 秒あたりの直接入出力数です。/TOPFAULT
標準の表示と要約出力ではなく,ページ・フォルト・プロセスのトップを示すバー・グラフを出力することを指定します。値の単位は,1 秒あたりのページ・フォルト数です。/TOPRBS (VAXのみ)
VAXシステムにおいて,標準的な表示および要約出力ではなく,バランス・スロット・フォルト・プロセスのトップを示すバー・グラフを作成することを指定します。値の単位は1秒あたりのバランス・スロット・フォルトの数です。
例にあるとおり,PROCESSES 表示と要約出力は,他のクラスと形式が異なり,次の情報が出力されます。
データ項目 説明 PID システムが設定した 16 進プロセス識別子 STATE プロセスのスケジューラ状態 (STATES コードについては, MONITOR STATES コマンドの項を参照) PRI 基本優先順位に相対する,プロセスの現在の優先順位 NAME プロセス名 PAGES 共用可能ページ数と,現在プロセスが使用している総ページ数 DIOCNT プロセス作成後にプロセスが実行した直接入出力動作数 プロセスをスワップ・アウトした場合は表示されません。
FAULTS プロセス作成後のページ・フォルト数 プロセスをスワップ・アウトした場合は表示されません。
CPU TIME プロセス作成後にプロセスが使用した CPU 時間 形式は, 時間 : 分 : 秒 です。プロセスをスワップ・アウトした場合は表示されません。
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