前へ | 次へ | 目次 | 索引 |
RMS ファイル・レコードのレコード・タイプは 131 であり,サイズは,RMS ファイル数とファイル名文字列長によって異なります。 RMS ファイル・レコードの形式を次お図に示します。
図 H-4 RMS ファイル・レコードの形式
RMS ファイル・レコード内のフィールドを次に示します。
フィールド | シンボリック・オフセット | 内容 |
---|---|---|
Type | MNR_FIL$B_TYPE | レコード・タイプ識別子 (1 バイト) |
Filename | MNR_FIL$T_FILENAME | MONITOR RMS 要求に使用する RMS ファイルを示す,指定された長さの ASCII 文字列 (最大 256 バイト) |
MONITOR 記録ファイルには,収集間隔ごとに,処理対象クラスそれぞれに対して 1 つのクラス・レコードが格納されます。ただし,PROCESSES クラスは除きます。PROCESSES クラスの詳細については, 付録 H.4.2.12 項 を参照してください。たとえば,100 の収集間隔において,PROCESSES 以外のクラスを 5 つ記録することをユーザが指定した場合,記録ファイルには 500 個のクラス・レコードが格納されます。クラス・レコードの順序は,収集間隔内のタイプ番号の昇順です。ある収集間隔における最初のクラス・レコードは,直前の収集間隔における最後のクラス・レコードの直後に格納されます。
H.4.1 クラス・タイプの形式
基本クラス・タイプには,システム・クラスとコンポーネント・クラスの 2 種類があります。通常,システム・クラスのクラス・レコードはシステム単位の動作数で構成されるのに対し (ページ・フォルトなど),コンポーネント・クラスのクラス・レコードは測定対象動作の各要素の数で構成されます (システム内の各ディスクの入出力動作数など)。
システム・クラスのクラス・レコードは 1 つのクラス・ヘッダで始まり,次にデータ・ブロックが 1 つ続きます。コンポーネント・クラスのクラス・レコードは 1 つのクラス・ヘッダで始まり,クラス接頭辞 1 つと各要素に付き 1 つのデータ・ブロックが続きます。
図 H-5 クラス・レコードの形式
クラス・ヘッダはあらゆるクラス・レコードの最初の部分です。形式はクラスのタイプから独立しています。クラス・ヘッダの長さは 13 バイトです。
図 H-6 クラス・ヘッダの形式
次の表にクラス・ヘッダ・フィールドの説明を示します。
フィールド | シンボリック・オフセット | 内容 |
---|---|---|
Type | MNR_CLS$B_TYPE | レコード・タイプ識別子 (1 バイト) |
Flags | MNR_CLS$B_FLAGS | 全部で8つのフラグ・ビット。下位ビット = 0。0 のビットを 1 に設定した場合,対象の時間間隔におけるデータが次のレコードに続くことを示す。PROCESSES クラス専用。他のフラグは,今後の使用のため弊社で予約している。(1 バイト) |
Index | MNR_CLS$B_INDEX | いくつかの内部データ構造におけるノードの位置を示す。(1 バイト) |
Time | MNR_CLS$Q_STAMP | クラス・レコードを記録したシステム時間。ファイル内のどのクラス・レコードについても,この時間値は減少しない。 |
Reserved | MNR_CLS$W_RESERVED | 弊社で予約している。 (1 ワード) |
H.4.1.2 クラス接頭辞 (コンポーネント・クラス専用)
コンポーネント・クラス・レコードのクラス・ヘッダの直後には,必ずクラス接頭辞が続きます。クラス接頭辞は,現在の収集間隔におけるクラス・レコードが表す要素 (PROCESSES クラスの場合はプロセス,DISK クラスの場合はディスク)の数を示すデータです。システム・クラス・レコードでは 1 つのレコードに付き 1 つのデータ・ブロックが格納されるのに対し,コンポーネント・クラスでは 1 つの要素に付き 1 つのデータ・ブロックが格納されます。
クラス接頭辞のデータ項目の一方は,クラス・レコードに含まれる要素の数すなわちデータ・ブロック数を示します。他方のクラス接頭辞データ項目は,PROCESSES クラス専用であり,収集間隔に含まれるプロセスの数を示します。以降の説明は,PROCESSES クラスだけに適用されます。
多数のプロセスを監視しているため,収集間隔に含まれるデータ・ブロックが最大サイズのレコードにも収まらなくなる可能性があります。この場合,すべてのプロセスを扱うに足る数の PROCESSES クラス・レコードが作成されます。
ある収集間隔に含まれる PROCESSES クラス・レコードのクラス・ヘッダは,すべて同じです。ただし,MNR_CLS$W_FLAGS にビット 0 を設定した場合は除きます。このビットは,すべてのレコードで 1 であり,最後のレコードだけが 0 です。
クラス・レコードのクラス接頭辞は,次の表に示すとおり可変です。 MNR_CMP$L_ELTCT フィールドの内容は,レコードに格納されるデータ・ブロック数によって異なります。MNR_CMP$L_PCTINT フィールドの内容は,すべてのレコードで一定です。最後のレコード以外のレコードには,最大サイズ・レコード (32,000 バイト) に収まるだけのデータ・ブロックが格納されます。最後のレコードには,端数のデータ・ブロックが格納されます。
クラス接頭辞の形式を次の図に示します。クラス接頭辞の長さは,8 バイトです。
図 H-7 クラス接頭辞の形式
次の表にクラス接頭辞フィールドの説明を示します。
フィールド | シンボリック・オフセット | 内容 |
---|---|---|
Elements In
Record |
MNR_CMP$L_ELTCT | レコード内の要素 (データ・ブロック) 数 (1 ロングワード) |
Processes In
Interval |
MNR_CMP$L_PCTINT | 収集間隔に含まれるプロセス (データ・ブロック) 数 (1 ロングワード)。 PROCESSES クラス専用である。他のコンポーネント・クラスの場合,今後の使用のため弊社で予約している。 |
各データ・ブロックのサイズと形式,およびレコードあたりのブロック数は,クラスによって異なります。システム・クラスでは, 1 つのレコードに付き 1 つのデータ・ブロックが格納され,コンポーネント・クラスでは,1 つの要素に付き 1 つのデータ・ブロックが格納されます。ブロック内のフィールドは,性能データ項目です。
以降では,データ・ブロック内のデータ項目について,クラス別に説明します。データ項目には,数の項目,レベル項目,情報項目の 3 種類があります。数項目は,システムのブート時に収集間隔ごとに増える数量を示します。レベル項目は,収集間隔ごとに増減する可能性がある数量を示します。情報項目は,数項目やレベル項目のように数量ではなく,文章によるデータです。
以降の表の C は数項目,L はレベル項目,I は情報項目を示します。フィールド長の後の括弧内の文字が項目タイプです。クラス・レコードは,アルファベット順です。
H.4.2.1 CLUSTER クラス・レコード
CLUSTER クラス・レコードは,クラスタ単位の CPU,メモリ,ロッキング動作を示すデータです。CLUSTER クラス・レコードのレコード・タイプは 19,サイズは 65 バイトです。 CLUSTER クラスを記録すると,明示的に指定していない場合でも, DISK クラスと MODES クラスもともに記録されます。
CLUSTER クラス・レコードの形式をつぎの図に示します。
図 H-8 CLUSTER クラス・レコードの形式
次の表にCLUSTER クラス・レコードのデータ・ブロック・フィールドの説明を示します。
フィールド | シンボリック・オフセット | 内容 |
---|---|---|
CPU Busy | MNR_CLU$L_CPU_BUSY | システム・ブート以降のすべての CPU モードで使用した 10 ミリ秒単位のクロック・ティックの数 (ロングワード,C) |
Free List Size | MNR_CLU$L_FRLIST | 空きリストに現在存在するページ数 (ロングワード,L) |
Reserved | MNR_CLU$L_RESERVED | 弊社で予約している |
Total Locks | MNR_CLU$L_TOTAL_LOCKS | 着信,発信,ローカルの ENQ,DEQ,変換の総数 (ロングワード,C) |
New ENQ Local | MNR_CLU$L_ENQNEWLOC | ローカル・システムで指定し実行する新ロック要求の数 (ロングワード,C) |
New ENQ Incoming | MNR_CLU$L_ENQNEWIN | 他のシステムで指定し,ローカル・システムで実行する新ロック要求の数 (ロングワード,C) |
New ENQ Outgoing | MNR_CLU$L_ENQNEWOUT | ローカル・システムで指定し他のシステムで実行する新ロック要求の数 (ロングワード,C) |
ENQ Conversions Local | MNR_CLU$L_ENQCVTLOC | ローカル・ロック変換要求の数 (ロングワード,C) |
ENQ Conversions Incoming | MNR_CLU$L_ENQCVTIN | 着信ロック変換要求の数 (ロングワード,C) |
ENQ Conversions Outgoing | MNR_CLU$L_ENQCVTOUT | 発信ロック変換要求の数 (ロングワード,C) |
DEQ Local | MNR_CLU$L_DEQLOC | ローカル・アンロック要求の数 (ロングワード,C) |
DEQ Incoming | MNR_CLU$L_DEQIN | 着信アンロック要求の数 (ロングワード,C) |
DEQ Outgoing | MNR_CLU$L_DEQOUT | 発信アンロック要求の数 (ロングワード,C) |
DECNET クラス・レコードは,OpenVMS サブシステムの DECnet の動作を示すデータです。DECNET クラス・レコードのレコード・タイプは 8,サイズは 33 バイトです。
図 H-9 DECNETクラス・レコードの形式
次の表にDECNET クラス・レコードのデータ・ブロック・フィールドの説明をに示します。
フィールド | シンボリック・オフセット | 内容 |
---|---|---|
Arriving
Local Packets |
MNR_NET$L_ARRLOCPK | 着信ローカル・パケットの数 (ロングワード,C) |
Departing
Local Packets |
MNR_NET$L_DEPLOCPK | 発信ローカル・パケットの数 (ロングワード,C) |
Arriving Transit
Packets |
MNR_NET$L_ARRTRAPK | 着信トランジット・パケットの数 (ロングワード,C) |
Transit Packets
Lost |
MNR_NET$L_TRCNGLOS | トランジットが輻輳していたため失われたパケットの数 (ロングワード,C) |
Receiver Buffer
Failures |
MNR_NET$L_RCVBUFFL | レシーバ・バッファ障害の数 (ロングワード,C) |
DISK クラス・レコードは,システム内のすべてのディスク装置について示すデータです。DISK クラス・レコードのレコード・タイプは 12 であり,サイズは,監視対象ディスク数によって異なります。バイト数で表されるサイズは,クラス・ヘッダ,クラス接頭辞,レコードに格納されるデータ・ブロックを次の式で加算して求めます。
13 + 8 + (37 * MNR_CMP$L_ELTCT の値) |
図 H-10 DISK クラス・レコードの形式
次の表にDISK クラス・レコードのデータ・ブロック・フィールドの説明を示します。
フィールド | シンボリック・オフセット | 内容 |
---|---|---|
Allocation Class | MNR_DSK$W_ALLOCLS | 割り当てクラス番号 (ワード,I) |
Controller | MNR_DSK$T_CTRLR | 装置コントローラの名前 (指定された長さの ASCII 文字列) (4 バイト,I) |
Unit Number | MNR_DSK$W_UNITNO | ユニット番号 (ワード,I) |
Flags | MNR_DSK$B_FLAGS | 8 フラグ・ビット。ロー・ビットが設定されている装置は,MSCP サーバによって処理される。 (バイト,I) |
Node Name | MNR_DSK$T_NODENAME | 装置が常駐するクラスタ・ノードの名前 (指定された長さの ASCII 文字列)(8 バイト,I) |
Volume Name | MNR_DSK$T_VOLNAME | ディスクのボリューム名 (ASCII)(12 バイト,I) |
Operations | MNR_DSK$L_OPCNT | 入出力動作の数 (ロングワード,C) |
Queue Length | MNR_DSK$L_IOQUELN | 入出力要求キュー・サンプルの合計 (ロングワード,C) |
DLOCK クラス・レコードは,分散ロック管理機能の動作を示すデータです。DLOCK クラス・レコードのレコード・タイプは 14,サイズは 73 バイトです。
図 H-11 DLOCK クラス・レコードの形式
次の表にDLOCK クラス・レコードのデータ・ブロック・フィールドの説明を示します。
フィールド | シンボリック・オフセット | 内容 |
---|---|---|
New Locks
---Local |
MNR_DLO$L_ENQNEWLOC | ローカル・システムで指定し実行する新ロック要求の数 (ロングワード,C) |
New Locks
---Incoming |
MNR_DLO$L_ENQNEWIN | 別のシステムで指定しローカル・システムで実行する新ロック要求の数 (ロングワード,C) |
New Locks
---Outgoing |
MNR_DLO$L_ENQNEWOUT | ローカル・システムで指定し別のシステムで実行する新ロック要求の数 (ロングワード,C) |
Lock Conversions
---Local |
MNR_DLO$L_ENQCVTLOC | ローカル・ロック変換要求の数 (ロングワード,C) |
Lock Conversions
---Incoming |
MNR_DLO$L_ENQCVTIN | 着信ロック変換要求の数 (ロングワード,C) |
Lock Conversions
---Outgoing |
MNR_DLO$L_ENQCVTOUT | 発信ロック変換要求の数 (ロングワード,C) |
Unlocks---Local | MNR_DLO$L_DEQLOC | ローカル・アンロック要求の数 (ロングワード,C) |
Unlocks---Incoming | MNR_DLO$L_DEQIN | 着信アンロック要求の数 (ロングワード,C) |
Unlocks---Outgoing | MNR_DLO$L_DEQOUT | 発信アンロック要求の数 (ロングワード,C) |
Blocking ASTs
---Local |
MNR_DLO$L_BLKLOC | ローカル・ロック・マネージャ・ブロッキング AST の数 (ロングワード,C) |
Blocking ASTs
---Incoming |
MNR_DLO$L_BLKIN | 着信ロック・マネージャ・ブロッキング AST の数 (ロングワード,C) |
Blocking ASTs
---Outgoing |
MNR_DLO$L_BLKOUT | 発信ロック・マネージャ・ブロッキング AST の数 (ロングワード,C) |
Directory Functions
---Incoming |
MNR_DLO$L_DIRIN | 着信ディレクトリ機能の数 (ロングワード,C) |
Directory Functions
---Outgoing |
MNR_DLO$L_DIROUT | 発信ディレクトリ機能の数 (ロングワード,C) |
Deadlock
Message Rate |
MNR_DLO$L_DLCKMSG | デッドロックの検出に要する発着信ロック・マネージャ・メッセージの数 (ロングワード,C) |
前へ | 次へ | 目次 | 索引 |