前へ | 次へ | 目次 | 索引 |
/OUTPUT=input_file.type ( 省略時設定 ) /NOOUTPUT |
DEC XTPU セッションの出力がファイルに書き込まれるかどうかを指定します。 DEC XTPU の上にレイヤ構造となっているインタフェースは,この修飾子を処理しなければなりません。インタフェースは以下に示す GET_INFO 組込みプロシージャを使用して,DEC XTPU が呼び出されたときに修飾子が指定されていたかどうかを知ることができます。
x := GET_INFO (COMMAND_LINE, "output") |
日本語 EVE インタフェースでは,/OUTPUT を使用することにより,DEC XTPU を終了するときにメイン・バッファから作成されるファイルの名前を指定することができます。
インタフェースとして日本語 EVE を使用しているときに以下のコマンドを実行すると,DEC XTPU を終了するときに,DEC XTPU はメイン・バッファの内容を newlet.rno というファイルに出力します。
$ EDIT/XTPU/OUTPUT=newlet.rno letter.rno |
出力ファイルの省略時の名前は入力ファイルの名前と同じで,バージョン番号は入力ファイルの既存のバージョンより1だけ大きな値になります。 /OUTPUT 修飾子に対してファイル指定をすれば,出力ファイルに別の名前を付けることができます。
/NOOUTPUT 修飾子は,DEC XTPU 上に,ファイルに出力を書き込まないようなインタフェースを作成するときに使用することができます。たとえば,コマンド・ラインに /NOOUTPUT を指定すると,DEC XTPU がメイン・バッファに対して NO_WRITE 属性を設定し,そのバッファに対する出力ファイルは作成しないというようなアプリケーションを作ることができます。
5.5.10 /READ_ONLY
/READ_ONLY /NOREAD_ONLY ( 省略時設定 ) |
DEC XTPU がジャーナル・ファイルを保存し,メイン・バッファを変更したときに,メイン・バッファの内容から出力ファイルを作成するかどうかを指定します。
/READ_ONLY 修飾子の処理は,/WRITE 修飾子と関係があります。 /READ_ONLY は /NOWRITE を同じです。また /NOREAD_ONLY は,/WRITE と同じです。 DCL コマンドで次のように修飾子が組み合せられたときには,DEC XTPU は,エラーを出して終了します。
DEC XTPU 上に作られたアプリケーションは,この修飾子を処理しなければなりません。
DCL コマンド・ラインで /READ_ONLY あるいは /NOWRITE が指定されたことを知るには,次の呼び出しを使用します。
x := GET_INFO (COMMAND_LINE, "read_only"); |
1という値は,/READ_ONLY あるいは /NOWRITE が指定されたことを示します。
DCL コマンド・ラインで /NOREAD_ONLY あるいは /WRITE が指定されたことを知るには,次の呼び出しを使用します。
x := GET_INFO (COMMAND_LINE, "write"); |
1という値は,/NOREAD_ONLY あるいは /WRITE が指定されたことを示します。
日本語 EVE では,/READ_ONLY 修飾子は,/NOMODIFY 修飾子,および /NOOUTPUT 修飾子のすべてを使用した場合と同じ結果になります。/READ_ONLY を指定すると, DEC XTPU はすべてのユーザ・バッファに対して NO_WRITE 属性と NO_MODIFY 属性をセットします。バッファが NO_WRITE にセットされている場合には,DEC XTPU を終了するときに,バッファの内容がファイルに書き込まれません。EXIT 組込みプロシージャと QUIT 組込みプロシージャはどちらも,メイン・バッファの内容から新しいファイルを作成せずに編集セッションを終了します。
たとえば,次のコマンドを実行すると,DEC XTPU はエディタを終了するときに新しいファイルを作成しません。
$ EDIT/XTPU/READ_ONLY meeting.mem |
/NOREAD_ONLY は,EXIT コマンドが実行されるときにメイン・バッファの内容が変更されていれば,メイン・バッファをファイルに書き込むようにDEC XTPU に指示を与えます。これは省略時の処理です。
5.5.11 /RECOVER
/RECOVER /NORECOVER ( 省略時設定 ) |
DEC XTPU が起動時にジャーナル・ファイルを読み込んで,前に中断された編集セッションを回復するかどうかを指定します。たとえば,次のコマンドを実行すると,DEC XTPU は notes.txt というファイルに対する前の編集セッションを回復します。
$ EDIT/XTPU/RECOVER notes.txt |
DCL コマンド・ラインで /RECOVER が指定されたかどうかは,以下のようにして知ることができます。
x := GET_INFO (COMMAND_LINE, "recover") |
1という値は,/RECOVER が指定されたことを示します。
JOURNAL_OPEN 組込みプロシージャが実行されると,通常は,DEC XTPU は出力のためにジャーナル・ファイルをオープンします。 /RECOVER を指定し,JOURNAL_OPEN 組込みプロシージャを実行すると,ジャーナル・ファイルは入力と出力のためにオープンされます。 DEC XTPU は,入力ファイルに含まれるすべてのコマンドを復元するために入力ファイルをオープンします。その後, DEC XTPU は編集セッションの残りの部分に関して,または JOURNAL_CLOSE が実行されるまで,キーストロークをジャーナル・ファイルに保存します。DEC XTPU の上にレイヤ構造となっているインタフェースは, JOURNAL_OPEN 組込みプロシージャが実行されるかどうかを制御しなければなりません。
セッションを回復する場合,個人辞書の内容を含むファイルはすべて,回復する編集セッションを開始したときと同じ状態でなければなりません。また端末装置特性はすべて,回復する編集セッションを開始したときと同じ状態でなければなりません。端末装置の幅や1ページの長さを変更した場合には,回復する編集セッションを開始したときの値に戻しておかなければりません。特に次の値には注意してください。
ジャーナル・ファイルの名前が入力ファイルの名前と異なる場合には,DCL コマンド・ラインに /JOURNAL=filespec 修飾子と /RECOVER 修飾子の両方を指定しなければなりません。
$ EDIT/XTPU/RECOVER/JOURNAL=save.dat letter.dat |
/NORECOVER はDEC XTPU の省略時の値です。
5.5.12 /SECTION
/SECTION[=filespec] /NOSECTION /SECTION=XTPU$SECTION ( 省略時設定 ) |
DEC XTPU が,セクション・ファイルを読み取るかどうかを指定します。セクション・ファイルとは,キー定義やコンパイルされたプロシージャをバイナリ形式で持っているファイルのことです。
省略時のセクション・ファイルは XTPU$SECTION です。セクション・ファイルを検索するときには省略時のディレクトリに SYS$SHARE,省略時のファイル・タイプに .XTPU$SECTION を使用します。XTPU$SECTION という論理名には,デフォルトで JEVE$SECTION_V3 が定義されているので,省略時には SYS$SHARE:JEVE$SECTION_V3.XTPU$SECTION を読み込みます。これは日本語 EVE インタフェースです。初期化のために別のファイルを指定することもできます。このときには,省略時のファイル以外のセクション・ファイルを指定するために, XTPU$SECTION という論理名を再定義してください。また /SECTION 修飾子にセクション・ファイルの完全なファイル仕様を指定することもできます。
次のコマンドを実行すると,DEC XTPU は vt282ini.XTPU$SECTION というセクション・ファイルを読み取ります。
$ EDIT/XTPU/SECTION=disk$user:[smith]vt282ini |
ファイル指定のときに,装置とディレクトリを指定しないと,DEC XTPU は SYS$SHARE にあるファイルをさがします。セクション・ファイルは,DEC XTPU を起動するノードと同じノードに存在しなければなりません。
DCL コマンド・ラインで /SECTION が指定されたかどうかを知るには,アプリケーションの中で以下のようにします。
x := GET_INFO (COMMAND_LINE, "section"); |
/SECTION が指定されたときには1が,指定されなかったときには0が戻されます。コマンド・ラインで指定されたファイル名を得るには以下のようにします。
x := GET_INFO (COMMAND_LINE, "section_file"); |
/SECTION=filespec に対する値として使用されるファイルは, DEC XTPUでファイルのソース・コードのバージョンを実行してコンパイルし, SAVE 組込みプロシージャを使用して保存しておかなければなりません。この処理を実行すると,ファイルは正しいバイナリ形式に変換されます。
/NOSECTION を指定した場合には,DEC XTPU はセクション・ファイルを読み取りません。 /COMMAND 修飾子も使用しなかった場合には,DEC XTPU はユーザ・インタフェースを持たず,どのキーも定義されない状態となります。この状態では,[Ctrl/Y] を押さなければDEC XTPU を終了することはできません。/NOSECTION は,日本語 EVE をベースにしないで独自のDEC XTPU アプリケーションを作るときに使用されます。
5.5.13 /START_POSITION
/START_POSITION=(line,column) /START_POSITION=(1,1) ( 省略時設定 ) |
ユーザがDEC XTPU を使用して書かれたアプリケーションを起動したときの最初のカーソル位置を指定します。
DEC XTPU 上のアプリケーションが,この修飾子を使用してカーソル位置を設定する処理を行います。
次のようにすると DCL コマンド・ラインで /START_POSITION 修飾子で指定された値を知ることができます。
start_line := GET_INFO (COMMAND_LINE, "start_record"); start_line := GET_INFO (COMMAND_LINE, "start_character"); |
DCL コマンド・ラインで /START_POSITION 修飾子が指定されなかったときは, DEC XTPU は行,カラムともに1を設定します。
日本語 EVE ではこの修飾子を使用して,メイン・バッファのどの位置に最初にカーソルが置かれるかを指定します。省略時の最初の位置は,1行目の1カラム目です。
5.5.14 /WRITE
/WRITE ( 省略時設定 ) /NOWRITE |
メイン・バッファの内容が書き換えられたときにDEC XTPU 上のアプリケーションが内容を新しいファイルに書き込むかどうかを指定します。
/WRITE 修飾子がどのように処理されるかは,/READ_ONLY 修飾子にも関係しています。 /WRITE は /NOREAD_ONLY と同じです。また /NOWRITE は /READ_ONLY と同じです。
次のような組み合せが DCL コマンド・ラインで使用されたときには,DEC XTPU はエラーを通知して DCL に戻ります。
DEC XTPU で書かれたアプリケーションがこの修飾子を処理します。次のようにすれば,/WRITE または /NOREAD_ONLY 修飾子が DCL コマンド・ラインで使用されたかどうかを知ることができます。
x := GET_INFO (COMMAND_LINE, "write"); |
1という値は,/NOREAD_ONLY あるいは /WRITE が明示的に指定されたことを示します。
次のようにすれば,/NOWRITE または /READ_ONLY 修飾子が DCL コマンド・ラインで使用されたかどうかを知ることができます。
x := GET_INFO (COMMAND_LINE, "read_only"); |
1という値は,/READ_ONLY あるいは /NOWRITE が明示的に指定されたことを示します。
両方の GET_INFO ともに"偽"を返したときには,アプリケーションは省略時の動作をします(省略時の動作はアプリケーションによって異なります)。
日本語 EVE においては,/NOWRITE 修飾子は, /NOMODIFY,/NOOUTPUT を指定したときとまったく同じです。
5.6 DEC XTPU コマンドのパラメータ
DCL レベルで DEC XTPU コマンドの後にパラメータとして OpenVMS ファイル仕様を使用することができます。ファイル仕様はDEC XTPU で作成または編集したいファイルの名前をオペレーティング・システムに対して指定するために使用されます。以下のコマンド・ラインは日本語 EVE のセクション・ファイルを使用して DEC XTPU を呼び出し,history.txt というファイルを指定します。
$ EDIT/XTPU/SECTION=sys$library:jeve$section_v3 history.txt |
セクション・ファイルを使用しないでDEC XTPU を呼び出すときには,パラメータを指定する必要はありません。しかし,DEC XTPU の上にレイヤ構造となっている編集インタフェースの多くは,処理したいファイルを指定するために DCL コマンド・ラインのパラメータが使用されています。たとえば,日本語 EVE は省略可能なパラメータとしてファイル仕様を受け付けます。ファイル名を指定しなくても編集セッションを開始することはできますが,バッファにデータを入力した後で DEC XTPU を終了しようとすると,ファイル名を要求するプロンプトが表示されます。
ファイル仕様はファイル名だけでも,また次の例に示されているように,完全なファイル仕様でも指定できます。
$ EDIT/XTPU disk$user:[smith]letter.dat |
使用しているインタフェースによって,DEC XTPU は入力ファイル名の一部としてワイルドカード文字を認識できる場合とできない場合があります。日本語 EVE はワイルドカード文字に対して一致するものが1つのときに,ワイルドカード文字を処理します。それ以外の場合には,日本語 EVE は該当するファイル名の候補を表示して,指定を求めます。
ファイル仕様の一部としてバージョン番号を指定する必要はありません。バージョン番号を指定しなかったときには,DEC XTPU はディレクトリの中で最大のバージョン番号を読み込みます。古いバージョンのファイルを編集したい場合には,ファイル仕様にバージョン番号を指定してください。
ファイル仕様には複数のファイルを同時に指定することができます。複数のファイルを指定する場合にはファイル名をコンマ (,) で区切って指定します。以下の例では first.txt と second.txt の 2 つのファイルを指定しています。
$ EDIT/XTPU first.txt,second.txt |
コマンド・ラインに /OUTPUT 修飾子を指定することにより出力ファイルの名前を指定しない限り,日本語 EVE は入力ファイルの名前を出力ファイル名として使用します。この場合,編集しているもとのバージョンが変更されることはありません。システム管理者がバージョン・リミットをセットしていない限り,もとのバージョンもディレクトリにそのまま保存されます。DEC XTPU を終了すると,新しいファイルが入力ファイル・ディレクトリに作成されます(別のディレクトリを指定していない場合)。出力ファイルは入力ファイルと同じ名前になりますが,バージョン番号は入力ファイルより1つだけ大きい番号となります。
前へ | 次へ | 目次 | 索引 |