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SET PROCESS コマンドの他の修飾子を使用した場合と同様に, /IDENTIFICATION 修飾子または明示的プロセス名パラメータを指定しない場合には,ビット操作は現在のプロセスで起こります。プロセス名を指定しても,プロセスに関連するすべてのカーネル・スレッドが影響を受けるわけではありません。 SET PROCESS コマンドが影響を及ぼすのは,マルチスレッド・プロセスの初期カーネル・スレッドだけです。
プロセス内で大文字と小文字を区別する (SENSITIVE を指定する) ときには注意が必要です。
詳細については,『Guide to OpenVMS File Applications』を参照してください。
NOW オプション (Alpha システムのみで利用可能) を使用すると,ターゲット・プロセスは可能な限り早い時点でダンプします。これは特にハングしたプロセスに便利です。
その後,ANALYZE/PROCESS_DUMP ユーティリティ,デバッガ,または System Dump Analyzer (SDA) を使ってダンプを分析することができます。
属性を変更するカーネル・スレッドのプロセス識別 (PID) 値を指定します。 /IDENTIFICATION 修飾子は,プロセス名 パラメータに優先します。
PID は,プロセスが生成されるときにシステムにより割り当てられます。 PID を指定するときには,先行する 0 は省略できます。
/IDENTIFICATION 修飾子を使用する場合には, プロセス名 パラメータは無視されます
/IDENTIFICATION 修飾子は複数のクラスタでサポートされますが,これはターゲット・プロセスが,コマンドの実行元プロセスと同じノード上にある場合のみです。
/IDENTIFICATION 修飾子を使用すると,各カーネル・スレッドの PID に SET PROCESS コマンドの影響を及ぼすことができます。各スレッドは,別々の実行可能なエンティティであるため,このコマンドは各スレッドをアフィニティおよび機能に関しては独立しているものとして扱います。 |
特定の解析スタイルを設定することにより,DCL のコマンド構文の処理を指定します。ユーザ・プログラムが異なる解析規則を必要とする場合は,この設定状態を検査することもできます。
この修飾子の正しいキーワードは TRADITIONAL および EXTENDED です。これらのキーワードを同時に指定することはできず,いずれか一方を指定しなければなりません。
/PARSE_STYLE 修飾子を指定しない場合,省略時の設定は TRADITIONAL です。
| キーワード | 説明 |
|---|---|
| TRADITIONAL
(省略時の設定) |
DCL 構文については,バージョン 7.2 よりも前のバージョンの規則を使用して検証されなければならないことを示します。 |
| EXTENDED
(Alpha のみ) |
コマンドは,ODS-5 ファイル指定を許可する構文を使用して検証されなければならないことを示します。 |
EXTENDED 解析規則が有効である場合の DCL の主要な違いは次のとおりです。
EXTENDED 解析は,コマンドの定義の中のファイル指定として定義されているパラメータまたは修飾子の DCL 解析規則も変更します。
詳細については『OpenVMS システム管理者マニュアル (上巻)』を参照してください。
指定したカーネル・スレッドの優先順位を変更します。 ALTPRI 特権を持たない場合には,指定された値が現在の基本優先順位と比較され,常に低い方の値が使用されます。
以下のプロセス特権を許可します。
| ACNT | ALLSPOOL | ALTPRI | AUDIT |
| BUGCHK | BYPASS | CMEXEC | CMKRNL |
| DETACH | DIAGNOSE | DOWNGRADE | EXQUOTA |
| GROUP | GRPNAM | GRPPRV | IMPORT |
| LOG_IO | MOUNT | NETMBX | OPER |
| PFNMAP | PHY_IO | PRMCEB | PRMGBL |
| PRMMBX | PSWAPM | READALL | SECURITY |
| SETPRV | SHARE | SHMEM | SYSGBL |
| SYSLCK | SYSNAM | SYSPRV | TMPMBX |
| UPGRADE | VOLPRO | WORLD |
どの特権が現在許可されているかを確認するには, SHOW PROCESS/PRIVILEGES コマンドを使用します。
このコマンドは現在のプロセスに対してのみ使用できます。
AlphaServer GS シリーズ・システム上でのみサポートされます。
リソース待機の無効化は,関連する共用可能イメージと実行時ライブラリに対して予期しない影響を与える可能性があるので,慎重に行うようにしてください。詳細は,『OpenVMS System Services Reference Manual』の $SETRWM サービスの項を参照してください。 |
プロセスの活動を一時的に停止します。他のプロセスがそのプロセスを再開する,またはプロセスが削除されるまで,そのプロセスは一時停止状態のままです。一時停止されているプロセスを再開するには, /NOSUSPEND または /RESUME 修飾子を使用してください。
/SUSPEND 修飾子と同時に次のキーワードを指定すると,それぞれ異なる結果が得られます。
| キーワード | 結果 |
|---|---|
| SUPERVISOR
(省略時の設定) |
EXEC または KERNEL モードで非同期システム・トラップ(AST)を通知できるように,指定プロセスを中断することを指定。このキーワードの指定は省略できる。 |
| KERNEL | 非同期システム・トラップ(AST)がそのプロセスに送られないように,指定プロセスを中断することを指定。KERNEL キーワードを指定するには, KERNEL または EXEC モード内にいるか,ユーザにCMKRNL および CMEXEC 特権が許可されている必要がある。バージョン 5.0 以前の VMS では,これがSET PROCESS/SUSPEND 省略時の設定であった。 |
操作の内容によっては,/SUSPEND 修飾子を指定するプロセスに特権が必要です。たとえば,同じグループの別のプロセスを中断するには (そのプロセスが同じ UIC を持っていない限り)GROUP 特権が必要です。また,システム内の他のプロセスを中断するには,WORLD 特権が必要です。
クラスタ環境で SET PROCESS/SUSPEND=KERNEL/ID= コマンドを使用した場合,ターゲット・プロセスがあるノードと現在のプロセスがあるノードが異なると, KERNEL キーワードは無視されます。その結果,SUPERVISOR キーワードを指定した場合のように,プロセスは一時中断されます (これは省略時の動作です)。
SET PROCESS /SUSPEND=KERNEL を指定して,それ以前の SET PROCESS/SUSPEND=SUPERVISOR との置き換えができます。ただし,逆にSET PROCESS /SUSPEND=KERNEL を SET PROCESS /SUSPEND=SUPERVISOR で変更することはできません。
プロセスのスワップを許可します。省略時の設定では,現在実行されていないプロセスは,他のプロセスを実行するためにメイン・メモリから削除されることがあります。 /NOSWAPPING 修飾子を指定すると,待ち状態のときでも,プロセスはバランス・セットからスワップ・アウトされません。
| オプション | 説明 |
|---|---|
| BLOCKS | ディスク容量をブロック単位で表示します。 |
| BYTES | ディスク容量をバイト単位で表示します。 |
/UNITS を BYTES に設定しない限り,ブロック単位が省略時の設定として使用されます。キーワードなしで /UNIT を指定すると,ディスク容量がブロック単位で報告されます。
/UNIT の値を変更すると,一定の形式で COPY,DELETE,DIRECTORY,PURGE,SHOW DEVICE,あるいは SHOW QUOTA の各コマンドを実行した場合の出力表示が影響を受けます。これらのコマンドへの入力は,ブロック単位でのみ指定可能なことに注意してください。 DIRECTORY,SHOW DEVICES,および SHOW MEMORY コマンドには,コマンド実行時に SET PROCESS/UNITS の省略時の設定を無効にするための修飾子があります。
| #1 |
|---|
$ SET PROCESS/PRIVILEGE=EXQUOTA |
現在のプロセスにクォータ超過(EXQUOTA)特権を与えています。
| #2 |
|---|
$ SET PROCESS/NORESOURCE_WAIT |
この例では,現在のプロセスに対して資源待ちモードを禁止しています。
| #3 |
|---|
$ RUN/PROCESS_NAME=TESTER CALC %RUN-S-PROC_ID, identification of created process is 0005002F $ SET PROCESS/PRIORITY=10 TESTER |
この例では,RUN コマンドはサブプロセスを生成し,そのサブプロセスにTESTER という名前を与えます。そのあと,SET PROCESS/PRIORITY コマンドは,このサブプロセスに 10 という優先順位を割り当てます。
| #4 |
|---|
$ SHOW PROCESS/SUBPROCESS
19-APR-2001 15:17:28.41 User: DAVIS Process ID: 31900218
Node: OCALA Process name: "DAVIS"
Processes in this tree:
DAVIS *
DAVIS_1
DAVIS_2
$ SET PROCESS/SUSPEND DAVIS_1
$
|
この SET PROCESS/SUSPEND コマンドは, AST を送れるようにプロセス DAVIS_1 を一時停止しています。キーワードが指定されていないので,/SUSPEND=SUPERVISOR が仮定されます。
| #5 |
|---|
$ SHOW PROCESS/SUBPROCESS OCALA::TESTA
19-APR-2001 12:17:24.45 User: TESTA Process ID: 31400208
Node: OCALA Process name: "TESTA"
Processes in this tree:
TESTA *
TESTA_1
TESTA_2
$ SET PROCESS OCALA::TESTA_2 /SUSPEND=KERNEL
$
|
この例の SET PROCESS/SUSPEND=KERNEL コマンドは,ノード OCALA 上のプロセス TESTA_2 を一時停止して, AST をこのプロセスに送ることができないようにしています。
| #6 |
|---|
$ SET PROCESS CPUSCHED/AFFINITY/SET=1/PERMANENT
$ SET PROCESS CPUSCHED/CAPABILITY/SET=8/PERMANENT
$ SHOW CPU/FULL
COBRA7, a DEC 4000 Model 620
Multiprocessing is ENABLED. Streamlined synchronization image loaded.
Minimum multiprocessing revision levels: CPU = 1
System Page Size = 8192
System Revision Code =
System Serial Number =
Default CPU Capabilities:
System: QUORUM RUN
Default Process Capabilities:
System: QUORUM RUN
PRIMARY CPU = 00
CPU 00 is in RUN state
Current Process: *** None ***
Serial Number: AY24870417
Revision: A200
VAX floating point operations supported.
IEEE floating point operations and data types supported.
Processor is Primary Eligible.
PALCODE: Revision Code = 5.48
PALcode Compatibility = 0
Maximum Shared Processors = 2
Memory Space: Physical address = 00000000 00000000
Length = 0
Scratch Space: Physical address = 00000000 00000000
Length = 0
Capabilities of this CPU:
System: PRIMARY QUORUM RUN
User bitmask: 00000040
Processes which can only execute on this CPU:
NETACP PID = 0000008E Reason: PRIMARY Capability
CPU 01 is in RUN state
Current Process: CPUSCHED PID = 00000095
Serial Number: AY24870406
Revision: A200
VAX floating point operations supported.
IEEE floating point operations and data types supported.
PALCODE: Revision Code = 5.48
PALcode Compatibility = 0
Maximum Shared Processors = 2
Memory Space: Physical address = 00000000 00000000
Length = 0
Scratch Space: Physical address = 00000000 00000000
Length = 0
Capabilities of this CPU:
System: QUORUM RUN
User bitmask: 00000080
Processes which can only execute on this CPU:
CPUSCHED PID = 00000095 Reason: Affinitized to this CPU
Reason: User capabilities - 00000080)
$ SET PROCESS/NOAFFINITY/PERMANENT
$ SET PROCESS/NOCAPABILITY/PERMANENT
$ SHOW CPU/FULL
COBRA7, a DEC 4000 Model 620
Multiprocessing is ENABLED. Streamlined synchronization image loaded.
Minimum multiprocessing revision levels: CPU = 1
System Page Size = 8192
System Revision Code =
System Serial Number =
Default CPU Capabilities:
System: QUORUM RUN
Default Process Capabilities:
System: QUORUM RUN
CPU 00 is in RUN state
Current Process: *** None ***
Serial Number: AY24870417
Revision: A200
VAX floating point operations supported.
IEEE floating point operations and data types supported.
Processor is Primary Eligible.
PALCODE: Revision Code = 5.48
PALcode Compatibility = 0
Maximum Shared Processors = 2
Memory Space: Physical address = 00000000 00000000
Length = 0
Scratch Space: Physical address = 00000000 00000000
Length = 0
Capabilities of this CPU:
System: PRIMARY QUORUM RUN
User bitmask: 00000040
Processes which can only execute on this CPU:
NETACP PID = 0000008E Reason: PRIMARY Capability
CPU 01 is in RUN state
Current Process: CPUSCHED PID = 00000095
Serial Number: AY24870406
Revision: A200
VAX floating point operations supported.
IEEE floating point operations and data types supported.
PALCODE: Revision Code = 5.48
PALcode Compatibility = 0
Maximum Shared Processors = 2
Memory Space: Physical address = 00000000 00000000
Length = 0
Scratch Space: Physical address = 00000000 00000000
Length = 0
Capabilities of this CPU:
System: QUORUM RUN
User bitmask: 00000080
Processes which can only execute on this CPU:
*** None ***
|
この例の CPU 1 は,ユーザ機能 8 が有効です (user mask = 80)。ユーザ機能 8 は,プロセス CPUSCHED の初期カーネル・スレッドに対して設定され, CPU アフィニティは 1 に設定されます。 SHOW PROCESS コマンドの応答からもわかるように,これらのいずれかの設定を行うと,初期カーネル・スレッドは CPU 1 でのみ実行されます。
次に SET PROCESS/NOAFFINITY/NOCAPABILITY コマンドは,プロセス(CPUCHED)の初期カーネル・スレッドに対する,すべての CPU アフィニティおよびユーザ機能の必要条件をクリアします。
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