本書は,日本語 OpenVMS オペレーティング・システの各ユーティリティが表示するエラー・メッセージについての解説書です。
改訂/更新情報: | 日本語OpenVMS V6.1 『日本語メッセージ 利用者の手引き』の改訂版です。 |
ソフトウェア・バージョン: | 日本語OpenVMS Alpha V 7.2 |
日本語OpenVMS VAX V 7.2 |
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本書は,日本語OpenVMS オペレーティング・システムの各ユーティリティが表示するエラー・メッセージについて解説しています。
一部のメッセージは,標準版OpenVMS オペレーティング・システムのユーティリティと共通です。本書に記述されていないものについては,関連資料を参照してください。
本書は,プログラマ,システム・マネージャを含むすべての日本語OpenVMS のユーザを対象としています。
本書は2つの章から構成されています。
第1章 | 概説 メッセージの形式と,メッセージが本書のどこに記載されているかを説明します。 |
第2章 | メッセージの説明 各メッセージをアルファベット順に配列し,それぞれのメッセージについての解説と,リカバリのための処置を説明します。 |
本書では下記の表記法を使用します。
表記法 | 意味 |
---|---|
[Return] | 四角で囲まれたこの記号は,ユーザが端末に向かって押すキーを示します。 たとえば,[Return] と[TAB] は,それぞれ,端末から Return キーを押すこと,Tab キーを押すことを示します。 |
[Ctrl/x] | [Ctrl/x] の記号は,Ctrlキーを押しながら,同時にあるキーを押すことを示します。 たとえば,[Ctrl/c] は Ctrl キーと c 文字キー,[Ctrl/z] は Ctrl キーと z 文字キーです。 |
PROCEDURE DIVISION. PROGRAM-NAME. INVENTORY.. . . |
縦のピリオド列,つまり省略記号は,ユーザの入力 したデータの一部を省略していることを意味します。 |
END-PROGRAM INVENTORY. | |
引用符(") | 引用符は,二重引用符(")を意味します。 |
アポストロフィ(') | アポストロフィは,単一引用符(')を意味します。 |
{} | 中括弧はその中から1つの項目を選択しなければならないリストを囲むために使用されます。 【例】{文字列|レンジ} |
[] | 大括弧は項目が省略可能であることを示します。 |
[,...] | カンマと水平方向の反復記号を囲む大括弧は,前の項目を1回または複数回繰り返すことができることを示します。複数の項目はカンマで区切らなければなりません。 |
この章はメッセージの表示,形式およびリカバリ・プロシージャについて説明しています。
1.1 メッセージの表示
OpenVMS オペレーティング・システムはエラー・メッセージ・ファシリティを提供しています。ターミナルにコマンドを打ち込んだり,イメージ・ファイルの実行時にそれがエラーであった場合には,システムはそのエラーに関するメッセージを表示します。また,コマンドが正常に終了したことを知らせるメッセージを表示することもあります。
メッセージは,論理名 SYS$OUTPUT で示される現在の装置に対して出力されます。会話型ユーザではターミナルに対して出力されます。バッチ・ユーザでは,ログ・ファイルになります。SYS$OUTPUT と SYS$ERROR が異なった装置に割り当てられている場合,その装置にも,インフォメーション(I),ワーニング(W),エラー(E),フェイタル・エラー (F)のメッセージが表示されます。
たとえば,会話型でコマンド・プロシージャを実行する際に /OUTPUT 修飾子を指定したとします。システムは SYS$OUTPUT を指定したファイルに割り当てますが,SYS$ERROR はあなたのターミナルに割り当てられたままです。もし,コマンド・プロシージャの実行中にエラーが起きた場合には,指定したファイルとあなたのターミナルの両方にエラー・メッセージが表示されます。
1.2 システム・メッセージの形式
OpenVMS のシステム・メッセージのほとんどのものは次の形式をしています。
%FACILITY-L-IDENT, TEXT [-FACILITY-L-IDENT, TEXT] |
コード | 意味 |
---|---|
S | 成功 |
I | 情報 |
W | 警告 |
E | エラー |
F | 重大なエラー |
1.2.1 重大度レベル
メッセージには重大度レベルが含まれています。重大度レベルによって,受け取ったメッセージの程度を知ることができます。
S, I | 要求を実行したことを示します。メッセージを出した後,さらに実行を継続することもあります。 |
W | コマンドの一部は実行したが,全部は実行できなかったことを示します。コマンドの結果や,プログラムの出力などを確認してください。 |
E | コマンドやプログラムが正しく実行できなかったことを示します。しかし,システムは実行を継続しようとすることがあります。 |
F | 継続不可能なエラーを示します。 |
1.2.2 追加のメッセージ
システム・メッセージは2つ以上のメッセージを同時に表示することがあります。その場合,後に続くメッセージは "%" ではなくて "-" が付けられています。一連のメッセージはエラーの原因を知る手掛かりになります。追加のメッセージは普通,異なったファシリティから出され,エラーの詳しい説明をします。
たとえば,JMAIL はファイルをオープンするために OpenVMS レコード管理サービス (RMS)を呼んでいます。もし,ファイルが存在しないならば JMAIL はファイルがオープンできないというメッセージを出し,RMS がその理由を示します。
JMAIL> SET FILE TEST %MAIL-E-OPENIN, DISK$:[JONES]TEST.MAI; がインプットできません。 -RMS-E-FNF, file not found
1.3 リカバリ・プロシージャ
エラー・メッセージは一般に次の理由で表示されます。
コマンドを実行中に,指定したパラメータや修飾子が誤っていることを示すエラーが表示されることがあります。その場合には,DCL コマンド HELP やマニュアルなどを参照して正しい値を指定し直してください。
ファイル指定のエラーには次のようなものがあります。
本章に説明するメッセージは,日本語OpenVMS オペレーティング・システムが提供するユーティリティ,ライブラリ・ルーチンなどが表示するものに限定しています。
ALTPRIJOB, ジョブ ' job-name ' (キュー ' queue-name ') のパラメータが変更できません。
BADRANGE, 1つのコマンドにて処理できるライン数 (65535) を超えています。
CAPTIVE, このコマンドは実行できません。あなたのアカウントは CAPTIVE です。
CLOSEDEL, ' file ' をクローズできません。
CLOSEIN, 入力ファイル ' file ' がクローズできません。
CLOSEOUT, 出力ファイル ' file ' がクローズできません
CODECONVE, code convert error
CODERR, インターナル・エラーです。SPR を提出してください。
CONABORT, Ctrl/C により,ノード ' node-name ' への接続が打ち切られました。
CONITMCOD, アイテム・コードが矛盾しています。
CREPRIJOB, ' queue-name ' への印刷準備中にエラーが起きました。
DATIMUSED, メッセージ日付/時間 (' date/time ') がファイル ' file-name ' に使われています。
DELMSG, メッセージが削除されました。
DELWASTE, WASTEBASKET フォルダからメッセージを削除することはできません。WASTEBASKET フォルダを空にしたいときは PURGE コマンドを使ってください。
EDITORABO, JEDIT が異常終了しました。
EDITPROC, エディタの準備中,または実行中にエラーが起きました。
ERACTED, エディタ ' editor-name ' が起動できません。
FGETERR, file get error
FILECONFUSED, ファイル ' file-name ' は ISAM ファイルです。順次編成ファイルを指定してください。順次編成の高次バージョンがあります。
SET FILE XMAIL COPY /ALL MAIL MAIL |
FILEOPEN, メール・ファイルはすでにオープンされています。
FILNOTDEL, ' file ' が消せません。,
FORMSG, フォーリン・フォーマットのメッセージは読めません。メッセージを外部ファイルにコピーするために EXTRACT/FOREIGN コマンドを使用してください。
FORWLOOP, ユーザ ' username ' に対する無限転送が検出されました。
FPUTERR, file put error
ILLCHAR, ゆるされない文字 ' character code ' が文字列 ' character-string ' 中に使われています。
ILLCODE, illegal code type
ILLCTXADR, コンテキスト・ブロックのアドレスに誤りがあります。
ILLFOLNAM, フォルダ名 ' folder-name ' に誤りがあります。
ILLKEY, illegal keyword
ILLPERNAM, 個人名 ' personal-name ' に誤りがあります。
ILLSUBDIR, サブディレクトリ仕様 ' subdirectory-spec ' に誤りがあります。
INTERERR, ソフトウェアの内部エラーです。
INVARG, ' qualifier ' のパラメータの設定に誤りがあります。
INVCMD, コマンド ' command ' に誤りがあります。
INVITMCOD, アイテム・コードが正しくありません。
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