プロセスとは

プロセスは,システムとの会話を可能にするために日本語 OpenVMS で作成される "ユーザの作業環境" あるいは "プログラムの実行環境" です。DCL コマンドやプログラムは,必ずこのプロセスという環境の中で実行されます。

ユーザが次のいずれかのタスクを実行すると,システムはプロセスを作成します。

次の図は,プロセスの構成要素を概念的に表しています。

プロセスの構成要素

プロセスの構成要素は次のとおりです。

◆イメージ

実行可能なプログラムのことです。イメージは必ずプロセスの環境の中で実行されます。この環境を規定するのが他の 3 つの構成要素です。

◆仮想アドレス空間

イメージが参照している仮想アドレスの情報を持つ空間です。

◆ハードウェア・コンテキスト

CPU のことです。

◆ソフトウェア・コンテキスト

プロセスのソフトウェア状態を規定するもので,次のような項目を含んでいます。

これらの情報は,システム管理者がユーザ登録簿にユーザ名,パスワードを登録する際に設定します。

プロセスの種類

日本語 OpenVMS では,おもに次の 3 のプロセスの種類があります。

◆会話型プロセス

ユーザがログインした時に作られる会話型ログイン

ネット経由の COPY や FTP (ネットワーク・プロセス)

◆サブプロセス

SPAWN コマンドなどで作られる ($ SPAWN)

◆独立プロセス

バッチ処理をする時などに使われるバッチ・プロセス ($ SUBMIT)

指定されたイメージを実行するプロセスを作成する ($ RUN/DETACH)

自分のプロセスの状態を表示する -- SHOW PROCESS

自分のプロセスの状態を確認するには次のようにします。


    $ SHOW PROCESS    

修飾子には次のようなものがあります。

/ALL 詳細な情報もつけて表示する
/SUBPROCESS プロセスの親子関係を字下げして表示する

プロセス名を変更する -- SET PROCESS

プロセス名を変更するには次のようにします。


    $ SET PROCESS/NAME="プロセス名"    

プロセス名を二重引用符 (") で囲った文字列に変更します。 15 字以内の文字列が指定できます。

サブプロセスを作成する -- SPAWN

サブプロセスを作成し,制御をサブプロセスに移すには次のようにします。


    $ SPAWN    

修飾子には次のようなものがあります。

/NOWAIT 制御は親プロセスに置く

サブプロセスを終了するには,次のようにします。


    $ LOGOUT    

指定したプロセスに制御を移す -- ATTACH

指定したプロセスに制御を移すには次のようにします。


    $ ATTACH [/IDENTIFICATION=pid] [プロセス名]    

指定したプロセスを強制終了する -- STOP

プロセスを強制的に終了させるには次のようにします。


    $ STOP [/IDENTIFICATION=pid] [プロセス名]    

プロセス名,または PID (Process IDentification) の一方を指定します。

各種プロセスに関する情報をユーザ名で得る -- SHOW USERS

各種プロセスに関する情報をユーザ名で得るには,次のようにします。


    $ SHOW USERS [ユーザ名]    

ユーザ名を指定するとそのユーザに関する情報のみが得られます。

修飾子には次のようなものがあります。

/FULL 各ユーザが持っているプロセスの情報を表示する
/INTERACTIVE 会話型プロセスのみを表示する
/SUBPROCESS サブプロセスのみを表示する

システム上にある全プロセスを表示する -- SHOW SYSTEM

システム上にあるすべてのプロセスを表示するには,次のようにします。


    $ SHOW SYSTEM    

修飾子には次のようなものがあります。

/BATCH バッチ・プロセスのみを表示する
/INTERACTIVE 会話型プロセスのみを表示する
/NETWORK ネットワーク・プロセスのみを表示する
/SUBPROCESS サブプロセスのみを表示する