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プロセスは,システムとの会話を可能にするために日本語 OpenVMS で作成される "ユーザの作業環境" あるいは "プログラムの実行環境" です。DCL コマンドやプログラムは,必ずこのプロセスという環境の中で実行されます。 |
ユーザが次のいずれかのタスクを実行すると,システムはプロセスを作成します。
システムはユーザがログインするたびにそのユーザ用にプロセスを作成します。
システムはバッチ・ジョブを受け取るとそのジョブ用にプロセスを作成します。バッチ・ジョブが完了すると,システムはプロセスを削除します。
ユーザが SPAWN コマンドを使用すると,システムはプロセスを作成します。
/DETACHED 修飾子または /UIC=uic 修飾子を使用してプログラムを実行すると,システムはプロセスを作成します。
プロセスの構成要素
実行可能なプログラムのことです。イメージは必ずプロセスの環境の中で実行されます。この環境を規定するのが他の 3 つの構成要素です。
イメージが参照している仮想アドレスの情報を持つ空間です。
CPU のことです。
プロセスのソフトウェア状態を規定するもので,次のような項目を含んでいます。
プロセスの切り替えを行う際の優先順位
どのような作業を行うことができるかを規定する権限
システムのいろいろな資源をどれだけ使用できるかを規定する制限値
これらの情報は,システム管理者がユーザ登録簿にユーザ名,パスワードを登録する際に設定します。
プロセスの種類
日本語 OpenVMS では,おもに次の 3 のプロセスの種類があります。
ユーザがログインした時に作られる会話型ログイン
ネット経由の COPY や FTP (ネットワーク・プロセス)
SPAWN コマンドなどで作られる ($ SPAWN)
バッチ処理をする時などに使われるバッチ・プロセス ($ SUBMIT)
指定されたイメージを実行するプロセスを作成する ($ RUN/DETACH)
自分のプロセスの状態を表示する -- SHOW PROCESS
自分のプロセスの状態を確認するには次のようにします。
$ SHOW PROCESS |
修飾子には次のようなものがあります。
/ALL | 詳細な情報もつけて表示する |
/SUBPROCESS | プロセスの親子関係を字下げして表示する |
プロセス名を変更する -- SET PROCESS
プロセス名を変更するには次のようにします。
$ SET PROCESS/NAME="プロセス名" |
プロセス名を二重引用符 (") で囲った文字列に変更します。 15 字以内の文字列が指定できます。
サブプロセスを作成し,制御をサブプロセスに移すには次のようにします。
$ SPAWN |
修飾子には次のようなものがあります。
/NOWAIT | 制御は親プロセスに置く |
サブプロセスを終了するには,次のようにします。
$ LOGOUT |
指定したプロセスに制御を移すには次のようにします。
$ ATTACH [/IDENTIFICATION=pid] [プロセス名] |
プロセスを強制的に終了させるには次のようにします。
$ STOP [/IDENTIFICATION=pid] [プロセス名] |
プロセス名,または PID (Process IDentification) の一方を指定します。
各種プロセスに関する情報をユーザ名で得る -- SHOW USERS
各種プロセスに関する情報をユーザ名で得るには,次のようにします。
$ SHOW USERS [ユーザ名] |
ユーザ名を指定するとそのユーザに関する情報のみが得られます。
修飾子には次のようなものがあります。
/FULL | 各ユーザが持っているプロセスの情報を表示する |
/INTERACTIVE | 会話型プロセスのみを表示する |
/SUBPROCESS | サブプロセスのみを表示する |
システム上にある全プロセスを表示する -- SHOW SYSTEM
システム上にあるすべてのプロセスを表示するには,次のようにします。
$ SHOW SYSTEM |
修飾子には次のようなものがあります。
/BATCH | バッチ・プロセスのみを表示する |
/INTERACTIVE | 会話型プロセスのみを表示する |
/NETWORK | ネットワーク・プロセスのみを表示する |
/SUBPROCESS | サブプロセスのみを表示する |