OpenVMS
システム管理ユーティリティ・リファレンス・マニュアル


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有効なサブタイプの値については 表 F-2 を参照してください。

SYSTEM=キーワード(,...)

イベント・レコードの選択で使用するシステムの属性を指定します。次のキーワードから選択してください。

IDENTIFICATION=値 システムの数値識別を指定する。
NAME=ノード名 システムのノード名を指定する。

SYSTEM_SERVICE_NAME=(サービス名,...)

イベントに関連するシステム・サービスの名前を指定します。

TARGET_DEVICE_NAME=(デバイス名,...)

プロセス制御システム・サービスで使用するターゲット・デバイスの名前を指定します。

TARGET_PROCESS_IDENTIFICATION=(値,...)

プロセス制御システム・サービスで使用するターゲット・プロセスの識別子(PID)を指定します。

TARGET_PROCESS_NAME=(プロセス名,...)

プロセス制御システム・サービスで使用するターゲット・プロセス名を指定します。

TARGET_PROCESS_OWNER=(UIC,...)

プロセス制御システム・サービスで使用するターゲット・プロセスの所有者(UIC)を指定します。

TARGET_USERNAME=(ユーザ名,...)

プロセス制御システム・サービスで使用するターゲット・ユーザ名を指定します。

TERMINAL=(デバイス名,...)

イベント・レコードの選択で使用するターミナルの名前を指定します。ターミナル名全体または一部をワイルドカードで表現できます。

TRANSPORT_NAME=(トランスポート名,...)

トランスポートの名前を指定します。プロセス間通信(IPC),システム管理インテグレータ(SMI)のいずれかを指定してください。これはシステム・マネージメント・ユーティリティからの要求を取り扱います。

VAXシステムでは,DECnetトランスポート名(NSP)を指定することもできます。

USERNAME=(ユーザ名,...)

イベント・レコードの選択で使用するユーザ名を指定します。ユーザ名全体または一部をワイルドカードで表現できます。

VOLUME_NAME=(ボリューム名,...)

イベント・レコードの選択で使用するマウントされている(またはディスマウントされた)ボリュームの名前を指定します。ボリューム名全体または一部をワイルドカードで表現できます。

VOLUME_SET_NAME=(ボリューム・セット名,...)

イベント・レコードの選択で使用するマウントされている(またはディスマウントされた)ボリューム・セットの名前を指定します。ボリューム・セット名全体または一部をワイルドカードで表現できます。

#1

$ ANALYZE/AUDIT /FULL/SELECT=USERNAME=JOHNSON -
_$ SYS$MANAGER:SECURITY.AUDIT$JOURNAL
 

この例では,セキュリティ監査ログ・ファイルに書き込まれたレコードのうち,ユーザJOHNSONが作成したすべてのレコードを選択します。

#2

$ ANALYZE/AUDIT/FULL/SELECT=PRIVILEGES_USED=(SYSPRV,-
_$ BYPASS)  SYS$MANAGER:SECURITY.AUDIT$JOURNAL
 

この例では,セキュリティ監査ログ・ファイルに書き込まれたレコードのうち,SYSPRV特権またはBYPASS特権を使用してイベントによって作成されたすべてのレコードを選択します。

#3

$ ANALYZE/AUDIT/FULL/EVENT=SYSUAF/SELECT= -
_$ IMAGE=("*:[SYS*SYSEXE]SETP0.EXE","*:[SYS*SYSEXE]LOGINOUT.EXE") -
_$ SYS$MANAGER:SECURITY
 

この例では,セキュリティ監査ログ・ファイルに書き込まれたレコードのうち,パスワードの変更に関係するすべてのレコードを選択します。

次の例はコマンド・プロシージャであり,夜間に実行することにより,すべてのSYSUAFイベント,AUDITイベント,BREAKINイベント(パスワードの変更を除く)を選択し,結果をシステム管理者にメールとして送信できます。


 
$! DAILY_AUDIT.COM 
$ 
$   mail_list = "SYSTEM" 
$   audsrv$_noselect = %X003080A0 
$   audit_events = "SYSUAF,BREAKIN,AUDIT" 
$ 
$   analyze /audit /full - 
 /event=('audit_events') - 
 /output=audit.tmp - 
 /ignore=image=("*:[SYS*SYSEXE]SETP0.EXE","*:[SYS*SYSEXE]LOGINOUT.EXE") - 
 sys$manager:SECURITY.AUDIT$JOURNAL 
$ 
$   status = $status 
$   if (status.and.%XFFFFFFF) .eq. audsrv$_noselect then goto no_records 
$   if .not. status then goto error_analyze 
$   if f$file("audit.tmp","eof") .eq. 0 then goto no_records 
$   mail /subject="''audit_events' listing from ''f$time()'" - 
 audit.tmp 'mail_list' 
$   goto new_log 
$ 
$ no_records: 
$   mail /subject="No interesting security events" nl: 'mail_list' 
$ 
$ new_log: 
$   if f$search("audit.tmp") .nes. "" then delete audit.tmp;* 
$   set audit /server=new_log 
$   rename sys$manager:SECURITY.AUDIT$JOURNAL;-1 - 
 sys$common:[sysmgr]'f$element(0," ",f$edit(f$time(),"TRIM"))' 
$   exit 
$ 
$ error_analyze: 
$   mail/subj="Error analyzing auditing information" nl: 'mail_list' 
$   exit 

/SINCE

指定した時刻より後の日付を持つレコードを処理することを指定します。

形式

/SINCE [=時刻]

/NOSINCE


キーワード

時刻

レコード選択時に使用する時刻を指定します。指定した時刻より後の日付を持つレコードが選択されます。絶対時刻とデルタ時間のどちらでも使用できます。また,絶対時刻とデルタ時間を組み合わせることもできます。日付と時刻の構文規則については,『OpenVMS ユーザーズ・マニュアル』を参照してください。

/SINCE に時刻を指定しない場合,現在の日時の始まりが使用されます。


#1

$ ANALYZE/AUDIT /SINCE=25-NOV-2002 -
_$ SYS$MANAGER:SECURITY_AUDIT.AUDIT$JOURNAL

日付が 2002 年 11 月 25 日より後のレコードを選択するコマンド例です。

#2

$ ANALYZE/AUDIT /SINCE=25-NOV-2002:15:00 -
_$ SYS$MANAGER:SECURITY_AUDIT.AUDIT$JOURNAL

2002 年 11 月 25 日午後 3 時より後に書き込まれたレコードを選択するコマンド例です。

/SUMMARY

選択したすべてのレコードの処理の終了後,要約を出力することを指定します。

/SUMMARY 修飾子は単独でも使用できますが,/BRIEF,/BINARY,/FULL 修飾子と組み合わせることもできます。


形式

/SUMMARY =プレゼンテーション

/NOSUMMARY


キーワード

プレゼンテーション

要約のプレゼンテーションを指定します。プレゼンテーション基準を指定しない場合,監査回数が出力されます。

次のいずれかのプレゼンテーションを指定できます。

COUNT

セキュリティ監査ログ・ファイルから抽出した監査メッセージの数を,セキュリティ・イベント・クラスごとにリストします。これは省略時の設定です。

PLOT

監査イベントのクラス,監査を実行した時刻,監査を実行したシステムの名前を示すプロットを表示します。

#1

$ ANALYZE/AUDIT/SUMMARY SYS$MANAGER:SECURITY.AUDIT$JOURNAL

このVAXシステムの例では,処理されたすべてのレコードの要約レポートが作成されます。


Total records read:        9701          Records selected:          9701 
Record buffer size:        1031 
Successful logins:          542          Object creates:            1278 
Successful logouts:         531          Object accesses:           3761 
Login failures:              35          Object deaccesses:         2901 
Breakin attempts:             2          Object deletes:             301 
System UAF changes:          10          Volume (dis)mounts:          50 
Rights db changes:            8          System time changes:          0 
Netproxy changes:             5          Server messages:              0 
Audit changes:               7          Connections:                  0 
Installed db changes:        50          Process control audits:       0 
Sysgen changes:               9          Privilege audits:            91 
NCP command lines:          120 

#2

$ ANALYZE/AUDIT/FULL/EVENT_TYPE=(BREAKIN,LOGFAIL)/SUMMARY-
_$ SYS$MANAGER:SECURITY.AUDIT$JOURNAL

この例では,侵入クラスまたはログ失敗イベント・クラスに対応するすべての記録された監査メッセージの詳細な形式の一覧が作成されます。リストの最後に要約レポートも出力されます。

#3

$ ANALYZE/AUDIT/FULL/EVENT_TYPE=(BREAKIN,LOGFAIL)/SUMMARY=PLOT -
_$ SYS$MANAGER:SECURITY.AUDIT$JOURNAL
 

このコマンドで作成されるヒストグラムはキャラクタ・セル・ターミナルに表示できます。


4.4 ANALYZE/AUDIT のコマンド

この項では,ANALYZE/AUDIT ユーティリティで使用できる会話型コマンドについて説明します。修飾子は,DCL の標準文法に従って指定してください。

ANALYZE/AUDIT ユーティリティは,省略時の設定では会話形式で実行します。会話形式を禁止するには,ANALYZE/AUDIT コマンドに /NOINTERACTIVE 修飾子を付けます。詳細形式と簡略形式のいずれの会話型表示でも,Ctrl/C を押すことによって,いつでも会話型コマンドを入力できます。次のコマンドはすべて,COMMAND> プロンプトに入力できます。イベント・レコード処理を再開するには,CONTINUE コマンドを使用します。セッションを終了するには,EXIT コマンドを使用します。

CONTINUE

イベント・レコードの処理を再開します。

形式

CONTINUE


パラメータ

なし。

修飾子

なし。

#1

COMMAND> DISPLAY/SINCE=25-JAN-2002/SELECT=USERNAME=JOHNSON 
COMMAND> CONTINUE

最初のコマンドは,2002 年 1 月 25 日より後にユーザ JOHNSON が作成したイベント・レコードだけを選択しています。次のコマンドは,別の選択基準に従ってレポートを表示しています。

DISPLAY

イベント・レコード選択基準を変更します。

形式

DISPLAY


パラメータ

なし。

次の修飾子の詳細については,前述の ANALYZE/AUDIT の修飾子の項を参照してください。


修飾子

/BEFORE=時刻

指定した時刻より前の日付を持つレコードだけを選択するかどうかを制御します。

/BRIEF

簡略 (1 つのレコードにつき 1 行) 形式を ASCII 表示で使用するかどうかを制御します。

/EVENT_TYPE=イベント・タイプ[,...]

指定したイベント・タイプに属するレコードだけを選択するかどうかを制御します。

/FULL

ASCII 表示において,各レコードに詳細形式を使用するかどうかを制御します。

/IGNORE=基準[,...]

指定した基準を満たすレコードを除外するかどうかを制御します。/IGNORE を複数回指定すれば,複数の基準を指定できます。別の除外基準を指定するには,/IGNORE 修飾子と /REMOVE 修飾子を併用できます。

/PAUSE=秒数

詳細形式表示 (/FULL) において,各レコードを表示する時間の長さを指定します。

/REMOVE

/IGNORE と /SELECT の修飾子で指定した基準を,イベント・レコード選択基準として使用しないようにするかどうかを制御します。

/SELECT=基準[,...]

指定した基準を満たすレコードだけを選択するかどうかを制御します。/SELECT を複数回指定すれば,複数の基準を指定できます。別の選択基準を指定するには,/SELECT 修飾子と /REMOVE 修飾子を併用します。

/SINCE[=時刻]

指定した時刻より後の日付を持つレコードだけを選択するかどうかを制御します。

#1

COMMAND> DISPLAY/EVENT_TYPE=SYSUAF
COMMAND> CONTINUE

最初のコマンドは,システム・ユーザ登録ファイル (SYSUAF) を変更した結果作成されたレコードを選択しています。次のコマンドは,選択したレコードを表示しています。

#2

COMMAND> DISPLAY/SELECT=USERNAME=CRICK
COMMAND> CONTINUE
   .
   .
   .
[Ctrl/C]
COMMAND> DISPLAY/SELECT=USERNAME=WATSON
COMMAND> CONTINUE

最初の DISPLAY コマンドは,ユーザ CRICK が作成したレコードを選択しています。次のコマンドは,選択したレコードを表示しています。 2 番目の DISPLAY コマンドは,ユーザ WATSON が作成したレコードを選択しています。最後のコマンドは,ユーザ CRICK と WATSON が作成したすべてのレコードを表示しています。

EXIT

セッションを終了します。

形式

EXIT


パラメータ

なし。

修飾子

なし。

HELP

ANALYZE/AUDIT コマンドの使い方に関するヘルプ情報をオンラインで出力します。

形式

HELP [項目]


パラメータ

項目

どのコマンドのヘルプ情報を表示するかを指定します。キーワードを省略すると,ヘルプ項目リストが表示されるので,キーワードを入力してください。

修飾子

なし。

#1

COMMAND> HELP DISPLAY

DISPLAY コマンドのヘルプ情報を表示するコマンド例です。

LIST

イベント・レコード選択基準を変更します。このコマンドは,DISPLAY コマンドと同じです。

形式

LIST


パラメータ

なし。

修飾子

DISPLAY コマンドの説明を参照してください。

#1

COMMAND> LIST/EVENT_TYPE=SYSUAF
COMMAND> CONTINUE
 

最初のコマンドは,システム・ユーザ登録ファイル (SYSUAF) を変更した結果作成されたレコードを選択しています。次のコマンドは,選択したレコードを表示しています。

NEXT FILE

現在のセキュリティ監査ログ・ファイルをクローズして次のログ・ファイルをオープンするかどうかを制御します。このコマンドは,*.AUDIT$JOURNAL のように,ANALYZE/AUDIT コマンドでワイルドカード・ファイル指定を行うときに便利です。別の監査ログ・ファイルをオープンしない場合,監査分析セッションは終了し,制御は DCL に戻ります。

形式

NEXT FILE


パラメータ

なし。

修飾子

なし。

NEXT RECORD

次の監査レコードを表示するかどうかを制御します。 NEXT RECORD コマンドは,対話形式モードの省略時の設定です。

このコマンドは,POSITION コマンドと同じです。


形式

NEXT RECORD


パラメータ

なし。

修飾子

なし。

POSITION

詳細形式表示を,指定した数のイベント・レコード分だけ前方または後方に移動します。

形式

POSITION 数


パラメータ

正の数を指定すると,現在のレコードより指定した数だけ後方にあるレコードが表示されます。負の数を指定すると,現在のレコードより指定した数だけ前方にあるレコードが表示されます。

修飾子

なし。

#1

COMMAND> POSITION 100

100 個のイベント・レコード分だけ,表示を前方に移動するコマンド例です。

#2

COMMAND> POSITION -100

100 個のイベント・レコード分だけ,表示を後方に移動するコマンド例です。


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