OpenVMS
システム管理ユーティリティ・リファレンス・マニュアル


前へ 次へ 目次 索引


360 のグループ UIC を持つすべてのユーザについて,簡略レポートを表示するコマンド例です。


Owner       Username UIC       Account  Privs Pri Default Directory 
JOHN JAMES  JAMES    [360,201] USER     Normal  4 DOCD$:[JAMES] 
SUZY JONES  JONES    [360,203] DOC      Devour  4 DOCD$:[JONES] 
CLIFF BROWN BROWN    [360,021] DOC      All     4 disuser 
JOY CARTER  CARTER   [360,005] DOCSEC   Group   4 expired 

#3

UAF> SHOW WELCH

制約付きユーザ WELCH の詳細レポートを表示しています。これは,ADD コマンドの 2 番目の表示例と同じです。


 
Username: WELCH                   Owner:  ROB WELCH 
Account:  INV                     UIC:    [14,51] ([14,51]) 
CLI:      DCL                     Tables: DCLTABLES 
Default:  SYS$USER:[WELCH] 
LGICMD:   SECUREIN 
Login Flags:  Restricted Diswelcome Disnewmail ExtAuth 
Primary days:   Mon Tue Wed Thu Fri 
Secondary days:                     Sat Sun 
Primary   000000000011111111112222  Secondary 000000000011111111112222 
Day Hours 012345678901234567890123  Day Hours 012345678901234567890123 
Network:  -----  No access  ------            ##### Full access ###### 
Batch:    #########--------#######            ---------#########------ 
Local:    #########--------#######            ---------#########------ 
Dialup:   ##### Full access ######            -----  No access  ------ 
Remote:   #########--------#######            ---------#########------ 
Expiration:        (none)    Pwdminimum:  6  Login Fails:     0 
Pwdlifetime:       (none)    Pwdchange:      (pre-expired) 
Last Login:        (none) (interactive),     (none) (non-interactive) 
Maxjobs:         0  Fillm:       300  Bytlm:        32768 
Maxacctjobs:     0  Shrfillm:      0  Pbytlm:           0 
Maxdetach:       0  BIOlm:        40  JTquota:       4096 
Prclm:           2  DIOlm:        40  WSdef:          256 
Prio:            4  ASTlm:        40  WSquo:          512 
Queprio:         4  TQElm:        10  WSextent:      1024 
CPU:        (none)  Enqlm:       200  Pgflquo:      32768 
Authorized Privileges: 
  TMPMBX NETMBX 
Default Privileges: 
  TMPMBX NETMBX          

ユーザ WELCH は,メール通知やログイン時のウェルカム・メッセージが送られない CAPTIVE ユーザです。このユーザのログイン・コマンド・ファイル SECUREIN.COM は,このユーザが行う操作すべてを制御する CAPTIVE コマンド・ファイルと思われます。このコマンド・ファイルは決して終了することはありませんが,対応するユーザに代わって処理を行い,適宜ユーザをログアウトさせます。CAPTIVE フラグが設定されていると,ユーザは,Ctrl/Y はじめいかなる方法でも,コマンド・ファイルの制御から逃れることはできません。さらに,ログインできる時間は,平日は 5:00 p.m. 〜 8:59 a.m. に,週末は 9:00 a.m. 〜 5:59 p.m. に制限されています。平日はダイアルアップ回線を使用できますが,ネットワークを通じてログインすることはできません。週末は制約がさらに厳しくなり,発信はまったく行えず,6:00 p.m. 〜 8:59 a.m. の間,DCL の SET HOST コマンドを使用できません。

SHOW/IDENTIFIER

名前,値,属性などの識別子に関する情報を,現在の SYS$OUTPUT 装置に表示します。

形式

SHOW/IDENTIFIER [識別子名]


パラメータ

識別子名

識別子名を指定します。識別子名は,1 〜 31 文字の英数字です。アンダスコアとドル記号も使用できます。数字だけの識別子は認められません。必ず,英字を 1 文字以上使用してください。識別子名を省略する場合,/USER または /VALUE を指定してください。

修飾子

/BRIEF

識別子名,値,属性だけを表示する簡略リストを指定します。 /BRIEF は,省略時の値です。

/FULL

詳細リストを指定します。識別子の名前,値,属性の他にも識別子の保持者名が表示されます。

/USER=ユーザ指定

表示する識別子を保持するユーザを指定します。 ユーザ指定は,ユーザ名でも UIC でもかまいません。ワイルドカード文字のアスタリスク ( * ) を使用すれば,複数の UIC やすべてのユーザ名を指定できます。UIC は,[*,*], [n,*],{*,n],[n,n] のいずれかの形式とします。ワイルドカードをユーザ名指定に使用した場合 (*),ユーザ名のアルファベット順で識別子が表示されます。ワイルドカードを UIC 指定に使用した場合 ([*,*]),UIC の番号順に識別子が表示されます。

/VALUE=値指定子

リストする識別子の値を指定します。有効な値指定子 の形式は,次のとおりです。

IDENTIFIER:n 65,536 〜 268,435,455 の整数値。%X で始まる 16 進値や %0 で始まる 8 進値も指定できる。

一般識別子と UIC 識別子を区別するため,ユーザが指定した値には %X80000000 が追加されます。

GID:n GID は POSIX グループ識別子である。これは,範囲が 0 〜 16,777,215 (%XFFFFFF) の整数値である。システムは,指定された値に %XA400.0000 を追加し,この新しい値をシステムの RIGHTSLIST に識別子として入力する。
UIC:ユーザ識別子 UIC 標準形式による UIC 値。

SHOW コマンドの画面制御修飾子のリストも参照してください。

/EXACT

/HIGHLIGHT[=キーワード]

/NOHIGHLIGHT (省略時の設定)

/PAGE[=キーワード]

/NOPAGE (省略時の設定)

/SEARCH=文字列

/WRAP

/NOWRAP (省略時の設定)


説明

SHOW/IDENTIFIER コマンドは,識別子の名前,値,属性,保持者を表示します。各種の表示形式を,修飾子で指定できます。2 種類の表示形式の例を,次に示します。

#1

UAF> SHOW/IDENTIFIER/FULL INVENTORY

次のような表示形式を出力するコマンド例です。


Name               Value           Attributes 
INVENTORY          %X80010006      NORESOURCE NODYNAMIC 
  Holder            Attributes 
  ANDERSON          NORESOURCE NODYNAMIC 
  BROWN             NORESOURCE NODYNAMIC 
  CRAMER            NORESOURCE NODYNAMIC          

#2

UAF> SHOW/IDENTIFIER/USER=ANDERSON

ユーザ ANDERSON に対応する識別子を次のように表示するコマンドです。


 
Name                              Value           Attributes 
ANDERSON                          [000300,000015] NORESOURCE NODYNAMIC 

識別子の他,その値と属性が表示されています。ANDERSON の UIC を次のように指定した場合も,結果は同じです。


UAF> SHOW/IDENTIFIER/USER=[300,015]


UAF> SHOW/IDENTIFIER/VALUE=UIC:[300,015]

SHOW/PROXY

指定した遠隔ユーザのすべての登録代理アクセス権を表示します。

形式

SHOW/PROXY ノード::遠隔ユーザ


パラメータ

ノード

ネットワーク代理登録ファイルに格納されているネットワーク・ノードの名前を指定します。ノード指定には,ワイルドカード文字のアスタリスク ( * ) を使用できます。

遠隔ユーザ

遠隔ノード上のユーザのユーザ名または UIC を指定します。遠隔ユーザ指定には,ワイルドカード文字のアスタリスク ( * ) を使用できます。


修飾子

/OLD

省略時の NET$PROXY.DAT ファイルではなく, NETPROXY.DAT ファイルから情報を表示するように,AUTHORIZE に要求します。

OpenVMS の最新バージョンを実行していないクラスタ・ノード上で代理データベースが変更されている場合は, /OLD 修飾子を使用して以前のデータベース NETPROXY.DAT の内容のリストを作成することができます。

SHOW コマンドの画面制御修飾子のリストも参照してください。

/EXACT

/HIGHLIGHT[=キーワード]

/NOHIGHLIGHT (省略時の設定)

/PAGE[=キーワード]

/NOPAGE (省略時の設定)

/SEARCH=文字列

/WRAP

/NOWRAP (省略時の設定)


説明

SHOW/PROXY コマンドは,ノード名の最初の 255 文字を表示します。ただし,このコマンドは最高で 1024 文字を扱うことができます。

#1

UAF> SHOW/PROXY SAMPLE::[200,100]
 
 Default proxies are flagged with an * 
 
SAMPLE::[200,100] 
     MARCO *                              PROXY2 
     PROXY3                    

[200,100] の UIC を持ちノード SAMPLE 上に存在するユーザの登録代理アクセス権をすべて表示するコマンド例です。省略時の代理アカウント MARCO は,MODIFY/PROXY コマンドで PROXY2 または PROXY3 に変更できます。

#2

UAF> SHOW/PROXY *::*
 
 Default proxies are flagged with (D) 
 
TAO:.TWA.RANCH::MARTINEZ 
    MARTINEZ (D)                        SALES_READER 
 
UAF> show/proxy/old *::* 
 
 Default proxies are flagged with (D) 
 
RANCH::MARTINEZ 
    MARTINEZ (D)                        SALES_READER

この例では,DECnet-Plus を実行するシステム上でローカルに登録された代理アクセス権に関する情報を表示しています。最初のコマンドでは,NET$PROXY.DAT ファイルから情報を表示します。/OLD 修飾子を指定することにより,以前のバージョンで使用されていた NETPROXY.DAT ファイルから情報を表示します。

SHOW/RIGHTS

指定した識別子が保持する識別子を表示します。/USER を指定した場合は,指定したユーザが保持するすべての識別子が表示されます。

形式

SHOW/RIGHTS [識別子名]


パラメータ

識別子名

ユーザに対応する識別子の名前を指定します。識別子名を省略する場合,/USER 修飾子を指定しなければなりません。

修飾子

/USER=ユーザ指定

表示する識別子を保持するユーザを指定します。 ユーザ指定は,ユーザ名でも UIC でもかまいません。ワイルドカード文字のアスタリスク ( * ) を使用すれば,複数の UIC やすべてのユーザ名を指定できます。UIC は,[*,*], [n,*],{*,n],[n,n] のいずれかの形式とします。ワイルドカードをユーザ名指定 (*) や UIC 指定 ([*,*]) に使用した場合,ユーザが保持するすべての識別子が表示されます。ワイルドカードを使用してユーザ名指定を行うと,保持者のユーザ名がアルファベット順に表示されます。ワイルドカードを使用して UIC 指定を行うと,UIC の番号順に表示されます。

SHOW コマンドの画面制御修飾子のリストも参照してください。

/EXACT

/HIGHLIGHT[=キーワード]

/NOHIGHLIGHT (省略時の設定)

/PAGE[=キーワード]

/NOPAGE (省略時の設定)

/SEARCH=文字列

/WRAP

/NOWRAP (省略時の設定)


説明

SHOR/RIGHTS コマンドの出力は,LIST/RIGHTS コマンドが RIGHTSLIST.LIS に書き込む内容と同じです。


UAF> SHOW/RIGHTS ANDERSON

ユーザ ANDERSON が保持するすべての識別子を表示するコマンド例です。


Name                Value           Attributes 
INVENTORY           %X80010006      NORESOURCE NODYNAMIC 
PAYROLL             %X80010022      NORESOURCE NODYNAMIC  

次のコマンドでも,結果は同じです。


SHOW/RIGHTS/USER=ANDERSON 


SHOW/RIGHTS/USER=[300,015] 


第 6 章
AUTOGEN コマンド・プロシージャ

6.1 AUTOGEN について

AUTOGENコマンド・プロシージャ(SYS$UPDATE:AUTOGEN.COM)はシステム・パラメータの値を適切に設定し,システム・ページ・ファイル,スワップ・ファイル,ダンプ・ファイルのサイズも適切に設定します。オペレーティング・システムをインストールするときや,アップグレードするときは,AUTOGENは自動的に実行されます。

さらに,システム・パラメータの値やシステム・ファイルのサイズを再設定する場合にも,AUTOGENを使用できます。新しい値とファイル・サイズは,システムを次にブートするときに有効になります。

AUTOGEN は,週に一度実行して,システム・パラメータをシステムの負荷状況に応じて設定し直すようにしてください。すべてのシステム・パラメータの一覧とその説明については, 付録 J

AUTOGENはフェーズ単位で実行され,各フェーズではそれぞれ独立した作業が実行されます。AUTOGENが実行する作業を制御するには,AUTOGENを起動するときに開始フェーズと終了フェーズを指定します。 AUTOGENのフェーズについての詳しい説明は, 第 6.4 節 を参照してください。

AUTOGENが設定するシステム・パラメータ値とファイル・サイズを制御するために, SYS$SYSTEM:MODPARAMS.DATファイルにコマンドを追加できます。AUTOGENはこのファイルに登録された情報を使用して,システム・パラメータの最終的な値や,ページ・ファイル,スワップ・ファイル,ダンプ・ファイルのサイズを判断します。詳しくは,『OpenVMS システム管理者マニュアル』のシステム・パラメータの管理に関する章を参照してください。

AUTOGENでは,フィードバックと呼ぶ動的情報を使用して,システムの性能を向上できます。フィードバックは実行中のシステムから収集されます。

注意

構成を大幅に変更する場合は,フィードバックを使用しないでください。 AUTOGEN の初期設定を使用するには,nofeedback を指定します。 nofeedback の詳細については, 表 6-4 を参照してください。

AUTOGENがフィードバックを使用する方法は,AUTOGENを起動するときに実行モードを指定することにより制御できます。AUTOGENが計算でフィードバックを使用するように指定するには, フィードバック・モードでAUTOGENを実行します。一定の期間が経過した後,AUTOGENをフィードバック・モードで実行して,システム・パラメータの設定をさらに調整できます。 AUTOGENのフィードバックについての詳しい説明は, 第 6.3 節 を参照してください。

6.1.1 NEWPARAMS.DAT

これ以降の節では,AUTOGEN が NEWPARAMS.DAT をどのように使用するかと,レイヤード・プロダクトのインストレーション・プロシージャが NEWPARAMS.DAT をどのように使用できるかについて説明します。

NEWPARAMS.DAT を作成する基本的な理由は,レイヤード・プロダクトのインストレーション・プロシージャにおいて, AUTOGEN に対してレイヤード・プロダクトの必須パラメータの変更を簡単に供給する方法を示すことです。 NEWPARAMS.DAT は,新しいレイヤード・プロダクトのインストール後に発生する MODPARAMS.DAT 変更の必要性を大幅に減らし (その必要性がなくならない場合),インストレーション・プロシージャでの MODPARAMS.DAT の編集を回避します。

NEWPARAMS.DAT は,MODPARAMS.DAT を置き換えたり,廃止にしたりするのではなく,また,レイヤード・プロダクトのインストール後に AUTOGEN を実行するという要件を取り除くものでもありません (ただし,AUTOGEN は,複数のバージョンの NEWPARAMS.DAT を処理することができ,複数のレイヤード・プロダクトをインストールしており,そのインストレーションの間に AUTOGEN を実行していない場合には NEWPARAMS.DAT ファイルが複数存在する可能性があります)。

6.1.1.1 NEWPARAMS.DAT の動作のしくみ

NEWPARAMS.DAT の操作には,次の3つのファイルが関係します。

NEWPARAMS.DAT において,AUTOGEN コードはコメントであるレコード (CLU$PARAMS.DAT に渡されないもの) と, MODPARAMS.DAT 内にあるものと非常によく似たパラメータ割り当てを検出することを予測しています。通常,これらは次に示すように, ADD_parameter や MIN_parameter と類似した割り当てになります。

NEWPARAMS.DAT でのパラメータ設定は,CLU$PARAMS.DAT に統合されます。その後,このファイルは MODPARAMS.DAT とフィードバックおよびハードウェア構成データとともに使用され, GENPARAMS フェーズのパラメータ値が計算されます。システム管理者が CLU$PARAMS.DAT を変更する必要はありません。その理由は,MODPARAMS.DATが,システム固有のパラメータの変更を含む適切なファイルであり続けるためです。


前へ 次へ 目次 索引