OpenVMS
システム管理ユーティリティ・リファレンス・マニュアル


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SYS_LOADABLE ADD

システム・イメージ・ファイル SYS$UPDATE:VMS$SYSTEM_IMAGES.IDX に,エントリを追加します。

重要

SYS_LOADABLE ADD コマンドは,汎用コマンドではありません。使用するのは,上級システム・プログラマだけに限定してください。


形式

SYS_LOADABLE ADD 製品イメージ


パラメータ

製品

ロード可能イメージを一意で指定する 8 文字以内の製品ニーモニック。ユーザが作成したイメージの場合, _LOCAL_ という文字列が通常含まれます。

イメージ

追加するロード可能システム・イメージのファイル名。このパラメータに指定できる値は,ファイル名だけです。装置,ディレクトリ,ファイル・タイプ,ワイルドカード文字は,指定しないようにしてください。

修飾子

/LOAD_STEP

イメージをロードするブート・プロセスのステップを指定します。システム初期化コードでイメージをロードする INIT と,SYSINIT プロセスでイメージをロードする SYSINIT のいずれかを指定します。

省略時の値は SYSINIT です。

/LOG

/NOLOG (省略時の設定)

エントリを追加したことを示すメッセージを表示するかどうかを制御します。

/MESSAGE

条件を満たしたときに表示するメッセージ・テキストを指定します。/SEVERITY 修飾子を参照してください。省略時のメッセージは, "system image load failed" です。

/SEVERITY

イメージ・ロード状態によるコンソール出力とブート状態への影響を指定します。次の値を指定できます。

FATAL イメージのロード時にエラーが発生した場合,エラー・メッセージと BUGCHECK 情報を表示する。
INFORMATION メッセージを表示し,処理を続行する。
SUCCESS イメージのロード時にエラーが発生しても,処理を続行する。メッセージは表示しない。
WARNING イメージのロード時にエラーが発生した場合,エラー・メッセージを表示し,処理を続行する。

省略時の値は,WARNING です。


説明

SYS_LOADABLE ADD コマンドは,システム・イメージ・ファイル SYS$UPDATE:VMS$SYSTEM_IMAGES.IDX にエントリを追加します。このファイルは,コマンド・プロシージャ SYS$UPDATE:VMS$SYSTEM_IMAGES.COM で処理します。この処理の結果,システムがブート時に使用するシステム・イメージ・データ・ファイルが作成されます。

SYS$UPDATE:VMS$SYSTEM_IMAGES.IDX ファイルが存在しない場合,新たに作成されます。

SYS_LOADABLE REMOVE

システム・イメージ・ファイル SYS$UPDATE:VMS$SYSTEM_IMAGES.IDX からエントリを削除します。

重要

SYS_LOADABLE REMOVE コマンドは,汎用コマンドではありません。使用するのは,上級システム・プログラマだけに限定してください。


形式

SYS_LOADABLE REMOVE 製品


イメージ


パラメータ

製品

ロード可能イメージを一意で指定する 8 文字以内の製品ニーモニック。ユーザが作成したイメージの場合, _LOCAL_ という文字列が通常含まれます。

イメージ

削除するロード可能システム・イメージのファイル名。このパラメータに指定できる値はファイル名だけです。装置,ディレクトリ,ファイル・タイプ,ワイルドカード文字は,指定しないようにしてください。

修飾子

/LOG

/NOLOG (省略時の設定)

エントリを削除したことを示すメッセージを表示するかどうかを制御します。

説明

SYS_LOADABLE REMOVE コマンドは,システム・イメージ・ファイル SYS$UPDATE:VMS$SYSTEM_IMAGES.IDX からエントリを削除します。このファイルは,コマンド・プロシージャ SYS$UPDATE:VMS$SYSTEM_IMAGES.COM で処理します。この処理の結果,システムがブート時に使用するシステム・イメージ・データ・ファイルが作成されます。

SYS$UPDATE:VMS$SYSTEM_IMAGES.IDX ファイルが存在しない場合,空のファイルが作成されます。

21.4 RAD の例

次のサンプル・プロシージャは, SYSMAN リソース・アフィニティ・ドメイン (RAD) の修飾子とオプションの使用例を示しています。

  1. 予約済みのメモリ・レジストリが存在しないことを示します。


    SYSMAN> reserved_memory list 
    %SYSMAN-I-NODERR, error returned from node PIPERI 
    -RMS-E-FNF, file not found 
    

  2. グループ・グローバル・セクション用の予約を追加し,新しい予約を表示します。


    SYSMAN> reserved_memory add ak_sec/gr=4711 /size=16 /zero /page_tables 
    SYSMAN> reserved_memory list 
     
    %SYSMAN-I-OUTPUT, command execution on node PIPERI 
    Reservation Name             Group    RAD  Size (MB)  Pages  Attributes 
    AK_SEC                       4711     ANY         16   2048  Allocated Zeroed 
    AK_SEC                       4711                         2  PageTables Allocated 
    

  3. 4 つの RAD それぞれから割り当てられたメモリへの予約を変更し,その結果を表示します。


    SYSMAN> reserved_memory modify ak_sec/gr=4711 /new_rad=0 /size=4 
    SYSMAN> reserved_memory extend ak_sec/gr=4711 /rad=1 /size=4 
    SYSMAN> reserved_memory extend ak_sec/gr=4711 /rad=2 /size=4 
    SYSMAN> reserved_memory extend ak_sec/gr=4711 /rad=3 /size=4 
    SYSMAN> reserved_memory list 
     
    %SYSMAN-I-OUTPUT, command execution on node PIPERI 
    Reservation Name             Group    RAD  Size (MB)      Pages  Attributes 
    AK_SEC                       4711       0          4        512  Allocated Zeroed 
    AK_SEC                       4711       1          4        512  Allocated Zeroed 
    AK_SEC                       4711       2          4        512  Allocated Zeroed 
    AK_SEC                       4711       3          4        512  Allocated Zeroed 
    AK_SEC                       4711                             2  PageTables Allocated 
    

  4. ブート時にゼロ割り当てされなくなったページに予約を変更します。 /ZERO,/ALLOCATE,/PAGE_TABLES などの属性を変更できるのは,予約全体に対してのみであり,特定の RAD に対しては変更できません。


    SYSMAN> reserved_memory modify ak_sec/gr=4711 /nozero 
    SYSMAN> reserved_memory list 
     
    %SYSMAN-I-OUTPUT, command execution on node PIPERI 
    Reservation Name              Group    RAD  Size (MB)      Pages  Attributes 
    AK_SEC                        4711       0          4        512  Allocated 
    AK_SEC                        4711       1          4        512  Allocated 
    AK_SEC                        4711       2          4        512  Allocated 
    AK_SEC                        4711       3          4        512  Allocated 
    AK_SEC                        4711                             2  PageTables Allocated 
    

  5. 特定の RADからメモリを要求しなくなるように予約を変更します。全体のサイズは変更されません。


    SYSMAN> reserved_memory modify ak_sec/gr=4711 /norad 
    SYSMAN> reserved_memory list 
     
    %SYSMAN-I-OUTPUT, command execution on node PIPERI 
    Reservation Name           Group    RAD  Size (MB)      Pages  Attributes 
    AK_SEC                     4711     ANY         16       2048  Allocated 
    AK_SEC                     4711                             2  PageTables Allocated 
     
    

  6. 複数の RAD に渡って割り当てられる予約を開始し,ブート時にメモリが割り当てられなくなることを要求します。これは,メモリが特定の RAD から割り当てられなくなることを意味しています。
    変更前の予約は次のとおりです。


    SYSMAN> reserved_memory list 
     
    %SYSMAN-I-OUTPUT, command execution on node PIPERI 
    Reservation Name   Group    RAD  Size (MB)      Pages  Attributes 
    AK_SEC             4711       0         4        512  Allocated 
    AK_SEC             4711       1         4        512  Allocated 
    AK_SEC             4711       2         4        512  Allocated 
    AK_SEC             4711       3         4        512  Allocated 
    AK_SEC             4711                            2  PageTables Allocated 
     
    


    ブート時に割り当てられなくするコマンドは次のとおりです。


    SYSMAN> reserved_memory modify ak_sec/gr=4711 /noalloc 
    


    予約の新しい状態は次のとおりです。


    SYSMAN> reserved_memory list 
     
    %SYSMAN-I-OUTPUT, command execution on node PIPERI 
    Reservation Name           Group    RAD  Size (MB)      Pages  Attributes 
    AK_SEC                     4711     ANY         16       2048 
    AK_SEC                     4711                             2  PageTables 
    

  7. 割り当てられた RAD で予約のサイズを変更する,または,異なる RADを使用して予約を変更するには,現在の RAD を指定する必要があります。
    変更前の予約は次のとおりです。


    SYSMAN> reserved_memory list 
     
    %SYSMAN-I-OUTPUT, command execution on node PIPERI 
    Reservation Name           Group    RAD  Size (MB)      Pages  Attributes 
    AK_SEC                     4711       2         16       2048  Allocated 
    AK_SEC                     4711                             2  PageTables Allocated 
    


    予約サイズを変更しようとするコマンドは次のとおりです。


    SYSMAN> reserved_memory mod ak_sec/gr=4711 /size=20 
    %SYSMAN-I-NODERR, error returned from node PIPERI 
    -SMI-E-RMRNOMATCH, no records matched search criteria 
     
        正しいコマンドは次のとおりです。 
     SYSMAN> reserved_memory mod ak_sec/gr=4711 /rad=2 /size=20 
    


    予約の新しい状態は次のとおりです。


    SYSMAN> reserved_memory list 
     
    %SYSMAN-I-OUTPUT, command execution on node PIPERI 
    Reservation Name           Group    RAD  Size (MB)  Pages  Attributes 
    AK_SEC                      4711     2         20    2560  Allocated 
    AK_SEC                      4711                        3  PageTables Allocated 
    


第 22 章
XA Gateway Control Program ユーティリティ (XGCP)(Alpha のみ)

22.1 XGCP について

OpenVMS Alpha システムでは, XA Gateway Control Program ユーティリティ (XGCP) は, DECdtm XA Gateway との管理インタフェースを提供し, DECdtm XA Gateway で使用されるトランザクション・ログを作成します。また,XA Gateway サーバの停止と再起動にも使用できます。

DECdtm XA Gateway では, RMS Journaling または Oracle Rdb などの DECdtm 準拠のリソース・マネージャを XA 準拠のトランザクション・マネージャとともに使用できます。

22.2 XGCP のコマンド

次の表は XGCP コマンドの一覧です。

コマンド 説明
CREATE_LOG 新しい XA Gateway ログを作成する
EXIT XGCP を終了する
START_SERVER XA Gateway サーバを起動する
STOP_SERVER XA Gateway サーバを停止する

22.3 XGCP 使用法の要約


形式

RUN SYS$SYSTEM: XGCP


説明

XGCP を起動するには,DCL プロンプトに対して次のコマンドを入力します。


$ RUN SYS$SYSTEM:XGCP

XGCP から次のプロンプトが表示されるので,ここから XGCP コマンドを入力できます。


XGCP> 

XGCP を終了するには,XGCP> プロンプトに対して EXIT コマンドを入力するか, Ctrl/Z を押します。

CREATE_LOG

新しい XA Gateway ログを作成します。 SYSPRV 特権,または SYS$JOURNAL ディレクトリに対する読み込みと書き込みのアクセスが必要です。

形式

CREATE_LOG /GATEWAY_NAME=名前 /SIZE=サイズ


パラメータ

なし。

修飾子

/GATEWAY_NAME=名前

この修飾子は必須です。 15 文字以内でゲートウェイ名を指定します。

SYS$JOURNAL:name.DDTM$XG_JOURNAL というファイル名のゲートウェイ・ログが作成されます。 XA アプリケーションを実行させる各ゲートウェイ名に対して別個のゲートウェイ・ログが作成されます。

/SIZE=サイズ

ログの初期サイズをブロック単位で指定します。この修飾子を省略した場合は,ログは初期サイズ 242 ブロックで作成されます。ログ・ファイルのサイズは必要に応じて自動的に拡張されます。


XGCP> CREATE_LOG/GATEWAY_NAME=MYLOG1/SIZE=150

SYS$JOURNAL:MYLOG1.DDTM$XG_JOURNAL というゲートウェイ・ログが作成されます。初期サイズは 150 ブロックです。

EXIT

XGCP を終了します。Ctrl/Z を押すことでも XGCP を終了できます。

形式

EXIT


パラメータ

なし。

修飾子

なし

START_SERVER

XA Gateway サーバを起動します。 IMPERSONATE 特権が必要です。

形式

START_SERVER


パラメータ

なし。

修飾子

なし


XGCP> START_SERVER

DCL コマンド・ファイル SYS$STARTUP:DDTM$XG_STARTUP.COM を実行し,このファイルが DDTM$XG_SERVER というサーバ・プロセスを起動します。

STOP_SERVER

DDTM$XG_SERVER という XA Gateway サーバ・プロセスを現在のノードで停止させます。

OPER,SYSPRV,および AUDIT 特権が必要です。


形式

STOP_SERVER


パラメータ

なし。

修飾子

なし


XGCP> STOP_SERVER

この例のコマンドは,ゲートウェイ・サーバ・プロセス DDTM$XG_SERVER を停止します。


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