この章では,"一太郎Ver.3" [1]の漢字変換キーパッドの エミュレーション・モード (以下,このモードを"TAROキーパッド"と呼びます)について説明します。 エミュレートの対象は,漢字変換キーのみであって,カーソル移動, バッファ操作等のキーはまったくエミュレートしていません。また, 漢字変換キーもすべてをエミュレートしているわけではありません。
TAROキーパッドを選択した場合には, 他のキーパッドとステータス・ラインの表示が若干異なります。
TAROキーパッドで日本語EVEコマンドを入力するときは, [カナ]キーをOFFにした状態で行ってください。
表 4-1は,TAROキーパッドの変換キーを示します。
変換キー | 機能 | |
---|---|---|
ローマ字入力 | カナ入力+ | |
[スペース] | [スペース] | 漢字変換 |
[F10] | [F10] | 文字入力モード切り替え++ (ステータス・ライン) |
[F11] | [F11] | ひらがな変換 |
[F12] | [F12] | カタカナ変換 |
[F13] | [F13],[F14] | 半角カタカナ変換 |
[F14] → [F13] | − | 半角変換 |
[F14] | − | 全角変換 |
[←] | [←] | 文節縮小 |
[→] | [→] | 文節拡大 |
[↑] | [↑] | 前候補 |
[↓] | [↓] | 次文節 |
[Return] | [Return] | 確定 |
+ カナ入力は,[F10]キーで"カナ漢字"を指定するか, 日本語EVEの SET INPUT MODE KANA コマンドを実行してから, [カナ]キーを押してください。英数字の入力は,ローマ字入力で行ってください。 ++ 詳しくは,第4.3節を参照してください。 |
以下の例を参考に,入力した文字列を変換してみましょう。
この例は,ローマ字入力を仮定しています。
日本語EVEを起動して,SAMPLE.TXTというファイルを作成します。 以下のコマンドで,日本語EVEを起動してください。
$ EDIDT/XTPU SAMPLE.TXT
日本語EVEの編集画面があらわれます。
注意
以後,説明のために小さい画面を使用しますが, 実際の画面は上の図の大きさ/形になります。
まず最初に,konnnichiha ("n"は3つ)と入力します。画面上には, "こんにちは"と表示されます。
入力文字列は,アンダーラインが引かれた状態になっています。この状態で, [Return]キーを押すと,変換が確定されます。
もう1度[Return]キーを押して,改行してください。新しい行に, ki-paddoと入力します。画面上には,"きーぱっど"と表示されます。
入力文字列は,アンダーラインが引かれた状態になっています。この状態で, [F12]キーを押します。入力文字列がカタカナ変換されます。[Return]キーを押して, 変換を確定しましょう。
もう一度[Return]キーを押して,改行してください。新しい行に再び, ki-paddoと入力します。画面上には,"きーぱっど"と表示されます。
入力文字列は,アンダーラインが引かれた状態になっています。この状態で, [F13]キーを押します。入力文字列が半角カタカナ変換されます。 [Return]キーを押して,変換を確定しましょう。
もう一度[Return]キーを押して,改行してください。新しい行に, DIGITALと入力します(大文字を入力するときは,[Shift]キーを押しながら, 文字をタイプします)。画面上には,"ぢぎたL"と表示されます。
入力文字列は,アンダーラインが引かれた状態になっています。この状態で, [F14]キーを押します。入力文字列が全角変換されます。
ここで,変換キーを押したあと,入力文字列が反転表示に変わったのに 注目してください。入力文字列は,変換が確定されるまで(反転表示されている間)は, 何度でも変換可能です。DIGITALが反転表示された状態で,[F11],[F12], [F13],[F14])と順番に押してみて,変換されることを確認してください。
このままの状態(DIGITALが反転表示された状態)で, [F13]キーを押してみてください。DIGITALが半角変換されます。 [Return]キーを押して,変換を確定しましょう。
このように[F13]キーは,
となっています。
もう1度[Return]キーを押して,改行してください。新しい行に,kanjiと入力します。 画面上には,"かんじ"と表示されます。続けて,スペース・バーを押します。
kanjiが"漢字"に変換されます。
注意
漢字変換の結果は,ユーザの個人辞書によって,若干異なります。必ずしも, 変換結果が例のとおりになるとは限りませんので,ご注意ください。
ここでもう1度,変換キー(スペース・バー)を押してください。変換結果が,"感じ" に変わり,画面の下のほう(ステータス・ラインの1行下)に,変換候補が表示されます。
変換キー([スペース])を押し続けると,表示された候補の順にしたがって, 変換結果が変化していきます。
1つ前の変換結果に戻すときは,[↑]キーを押します。
変換したい候補を数字キーで選ぶこともできます。たとえば, 上の画面で"監事"に変換したいときは,数字キーの[ 7 ]を押します。
変換候補の中に期待する変換結果が見つからないときは,[Next Screen]キーまたは [Prev Screen]キーで他の変換候補群を表示して探してください。
また,日本語EVEでは多文節を一括変換することもできます。文節移動には [↓]キーを,文節の縮小/拡大には[←]キーおよび[→]キーを使い, 文節を指定して変換キーを押してください。
さらに,TAROキーパッドでは,変換文字列の訂正ができます。
日本語EVEを終了するときは,[Ctrl/Z]を押します。編集セッションは終了し, SAMPLE.TXTというファイルが作成されます。
ファイルを保存しない場合は,[Do]キーを押して,画面下のコマンド・ラインに QUIT コマンドを入力してください。[Return] を押すと, ファイルを作成せずに編集セッションを終了します。
また,日本語EVEを終了せずに文書を保存する場合は, 保存したいバッファにカーソルを置いた状態で, WRITE FILE コマンドを実行します。日本語EVEは, バッファ名と同じ名前のファイルに文書を保存します。 パラメータにファイル名を指定すると,任意のファイル名で保存できます。
次の表は,TAROキーパッドでカーソルを移動するための定義済みキーを示します。
編集キー | 日本語EVEコマンド | 機能 |
---|---|---|
[↑] | MOVE UP | カーソルを1行上に移動する。 |
[↓] | MOVE DOWN | カーソルを1行下に移動する。 |
[←] | MOVE LEFT | カーソルを1文字,あるいは1カラム左に移動する。 |
[→] | MOVE RIGHT | カーソルを1文字,あるいは1カラム右に移動する。 |
[Ctrl/H]または[PF1-←] | START OF LINE | カーソルを現在行の先頭に移動する。 |
[Ctrl/E]または[PF1-→] | END OF LINE | カーソルを現在行の最後に移動する。 |
[PF1-↑] | TOP | カーソルを現在のバッファの先頭に移動する。 |
[PF1-↓] | BOTTOM | カーソルを現在のバッファの最後に移動する。 |
[Ctrl/A] | CHANGE MODE | 現在のバッファの入力モードを切り替える。入力モード (InsertまたはOverstrike)はステータス・ラインに表示される。 |
以下の例を参考に,カーソルを動かしてみましょう。
次のコマンドを使用して,日本語EVEを起動し,EXAMPLE.TXTファイルを作成します。
$ EDIT/XTPU EXAMPLE.TXT
[F10]キーを押して,"半角英数"を選び,テキストを入力してみましょう。
カーソルは,ユーザが挿入したテキストの最後に移動します。 カーソルをファイルの先頭に移動するには,[PF1]キー (補助キーパッドの左上)を押したあと,[↑]キーを押します。
カーソルを行の最後に移動するには,[Ctrl/E]を押します。
カーソルを行の先頭に移動するには,[Ctrl/H]を押します。
カーソルをバッファの最後に移動するには, [PF1]キー(補助キーパッドの左上)を押したあと,[↓]キーを押します。
TAROキーパッドでは,[F10]キーにより, 5種類の文字入力モードを簡単に切り替えることができます。 文字入力モードは,以下の順にステータス・ラインに表示されます (日本語EVEの起動時の文字入力モードは,ローマ字漢字になっています)。
ローマ字漢字 → カナ漢字 → 半角英数 → 記号 → コード → ローマ字漢字
なお,` キー(VT200/300シリーズ・ターミナルの場合には, [Tab]キーの上にあります)を使うと,変換/無変換の2種類の切り替えができます。
キーボードのアルファベットにしたがって,ローマ字でかなを入力するモードです。
キーボードのカナにしたがって,入力するモードです。 かなシフトキー( [カナ]キー)をロックして入力します。
入力する文字はすべて半角になるモードです。変換の対象にはなりません。
記号を入力するモードです。画面の下のほうにDEC漢字コード一覧表が表示され, 矢印キー([↑],[↓],[→],[←])で上下左右にカーソルを移動します。 [Return]キーを押すと,カーソルが置かれている記号を現在のバッファに入力できます。 記号モードを終了してローマ字漢字/カナ漢字モードに戻るには, [F10]キーを押してください。
コード番号によって文字や記号を入力するモードです。 [ ]内のコード番号が入力可能(空白の場合もあり)になるので, ここに番号を入力すると,その文字や記号を含むラインが表示されます。 [Return]キーを押すと,カーソルが置かれている文字や記号を入力できます。
表 4-3は,よく使われる編集キーと, そのキーに定義されたコマンドの一覧表です。コマンドに関する詳しい説明は, 『日本語EVE リファレンス・マニュアル』の第4章を参照してください。
コマンド | 定義済みキー |
---|---|
TOP | [PF1/↑] |
BOTTOM | [PF1/↓] |
START OF LINE | [Ctrl/H] ,[PF1/←] |
END OF LINE | [Ctrl/E] ,[PF1/→] |
CODE | [PF1/X] |
KIGOU | [PF1/Z] |
DO | [Do], [PF4] |
EXIT | [Ctrl/Z] |
HELP KEYPAD | [HELP] |
TAB | [Tab] |
DELETE | <X] |
RETURN | [Return] , [Enter] |
FIND | [Find] |
INSERT HERE | [Insert Here] |
REMOVE | [Remove] |
SELECT | [Select] |
NEXT SCREEN | [Next Screen] |
PREVIOUS SCREEN | [Prev Screen] |
NEXT WINDOW | [PF1/Next Screen] |
PREVIOUS WINDOW | [PF1/Prev Screen] |
QUOTE | [Ctrl/V] |
RECALL | [Ctrl/B] |
REMEMBER | [Ctrl/R] |
RESTORE CHARACTER | [PF1/Insert Here] |
ERASE START OF LINE | [Ctrl /U] |
ERASE WORD | [Ctrl/J] |