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3 DEC XTPU言語のレキシカル要素

3.1 概要

DEC XTPUプログラムはレキシカル要素から構成されます。レキシカル要素は 算術演算子などの個々の文字や,識別子などの文字グループです。レキシカル要素の 基本単位はASCII,DEC MCS,ISO Latin1,JIS Roman,JISカタカナ, DEC漢字セットの文字です。DEC漢字セットの完全なリストはを参照してください。 この章では,下記のDEC XTPUレキシカル要素のうち日本語化されたものについて 説明します(アスタリスク(*)で示されています)。 それ以外のレキシカル要素については, 『Guide to the DEC Text Processing Utility』を参照してください。

3.2 文字セット

DEC XTPUはASCII文字セット,DEC補助文字セット,ISO Latin1補助文字セット, JISローマ字セット,JISカタカナ・セットおよびDEC漢字セットに 含まれる文字を扱うことができます。

ASCII文字セットは,128文字の7ビット文字セットです。各文字は,等価な 10進数で表わされます。ASCII文字セットは,次のように分類されます。

0〜31 プリントされない文字 (タブ,ライン・フィード,キャリッジ・リターン,ベルなど)
32 スペース
33〜64 特殊文字 (アンパサンド"&",疑問符"?",等号"=",および"0"から"9"までの数字)
65〜122 大文字の"A"から"Z",および小文字の"a"から"z"
123〜126 特殊文字(左中カッコ"{",オーバーライン"~"など)
127Delete

漢字コードとして,1983年版DEC漢字文字セット(JIS X 0208-1983に準拠)と 拡張漢字文字セットが用いられます(本書では,これらを総称してDEC漢字セットと 呼ぶ場合があります)。漢字コードの詳しい体系については,を参照してください。


注意

128〜159は,拡張制御文字として扱われます。


DEC XTPUコンパイラは引用符で囲まれた文字列を除いて,ASCII文字の大文字 と小文字は区別しません。たとえば,以下のように表記した "EDITOR"という単語は,すべて同じ意味になります。

	EDITOR

	EDitOR

	editor
しかし,次のように引用符で囲まれた2つの文字列は,異なる値を表わします。
	'xyz'

	'XYZ'
DEC XTPUコンパイラはASCII文字およびISO Latin1補助文字のみを解釈しますので, DEC漢字セットに含まれる文字などは,引用符で囲まれた文字列の 内部を除いて使用できません。たとえば以下の記述は認められます。
	'文字'

3.2.1 制御文字の入力

DEC XTPUでは,2通りの方法で制御文字を入力することができます。

  1. 入力したい制御文字に対応する10進数を指定したASCII組込みプロシージャを 使用します。たとえば,COPY_TEXT (ASCII (27))を実行すると, エスケープ文字が現在のバッファに入力されます。

  2. 日本語EVEで準備されている特殊機能を使用して制御文字を入力します。

    日本語EVEの場合,[Ctrl/V]に対して定義されているquoteコマンドを使用して, バッファに制御文字を挿入することができます。[Ctrl/V]を押し, 次に入力したいキーを押します。たとえば,[ESC]キー(エスケープ・キー)を押すと, エスケープ文字が現在のバッファに入力されます。別の方法として, 以下のようなコード入力方法があります。

    1. [Do]キーを押す

    2. CODE n と入力する
      (n は,たとえばエスケープ文字のコード番号である27など)

    3. [Return]キーを押す

    あるいは

    1. [GOLD]キーを押す

    2. [X]キーを押す

    3. コード番号(たとえば,エスケープ文字を示す27)を入力する

    4. [Return]キーを押す

3.2.2 DEC XTPUのシンボル

DEC XTPUでは,一部のシンボルは特殊な意味を持っています。これらのシンボルは ステートメント区切り文字(;),演算子(+)やその他の構文要素として使用されます。 DEC XTPUシンボルは英語版のDECTPUとまったく同じです。 『Guide to the DEC Text Processing Utility』を参照してください。 複数の文字から構成されるシンボルの場合,各文字をスペースで 区切ることはできません。また,シンボルの記述はすべてASCII文字に限られ, ASCII文字セットに属さない文字はシンボルとして解釈されません。

3.3 識別子

DEC XTPUでは,識別子はプログラム,プロシージャ,キーワード, および変数の名前を指定するために使用されます。識別子にはASCII文字セット に含まれる,アルファベット,数字,ドル記号,およびアンダースコアを 含むことができますが,以下の制約条件に従わなければなりません。 DEC XTPUの組込みプロシージャ,キーワード,およびグローバル変数の 識別子は予約語です。予約語は本書では大文字で示されています。

プログラム,プロシージャ,および変数に名前をつけるために, ユーザ定義識別子を作成することができます。


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