Compaq OpenVMS
Compaq C 国際化ユーティリティ・
リファレンス・マニュアル


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エラー

処理中にエラーが発生した場合, ICONV COMPILEはtablefile出力を作成しません。警告メッセージが出された場合は,有効なテーブル・ファイルが作成されます。ただし,警告はユーザ・エラーを示すものなので,返された警告メッセージをチェックすることが必要です。

いくつかのICONV COMPILEエラー・メッセージ,およびその説明を次に示します。


#1

$ ICONV COMPILE /LISTING EUCTW_DECHANYU.ISRC EUCTW_DECHANYU.ICONV
 

この例は,EUCTWコードセットをDECHANYUコードセットに変換するための,変換テーブル・ファイルの作成方法を示しています。リスト・ファイルEUCTW_DECHANYU.LISには,ソース・ファイルのリスト,およびコンパイラによって生じたエラー・メッセージが含まれます。


ICONV CONVERT

ファイル内の文字を,あるコードセットから別のコードセットへ変換します。変換された文字は,出力ファイルに書き込まれます。

形式

ICONV CONVERT infile outfile


パラメータ

infile

必須。

変換する文字を格納したファイルの名前。 /FROMCODE 修飾子はこのファイルの文字コードセットを指定します。

outfile

必須。

ICONV CONVERT によって作成されるファイルの名前。 /TOCODE 修飾子はこのファイルの文字のコードセットを指定します。


修飾子

/FROMCODE=fromcodeset

必須。

infile の文字のコードセットを指定します。

/TOCODE=tocodeset

必須。

outfile の文字コードセットを指定します。


説明

ICONV CONVERTコマンドは,infile内の文字を, /FROMCODE修飾子で指定されるコードセットから, /TOCODE修飾子で指定されるコードセットへ変換します。変換されたファイルは,outfileに書き込まれます。

変換は,次の2種類の方法のいずれかで行われます。

コンバータのファイルの命名規則は次のとおりです。


fromcodeset_tocodeset.iconv 

注意

変換ファイルをシステムに追加する場合には,同じファイル命名規則を使用しなければなりません。

ICONV CONVERTは,現在のディレクトリでコンバータ・ファイルを検索します。現在のディレクトリ内でこのファイルが見つからなかった場合は,論理名 SYS$I18N_ICONV によって定義されるシステム・ディレクトリを検索します。


#1

$ ICONV CONVERT /FROMCODE=EUCTW /TOCODE=DECHANYU - 
_$ FROMFILE.DAT TOFILE.DAT 
 

この例は,EUCTW文字からDECHANYU文字への変換を示しています。ファイルFROMFILE.DAT内のEUCTW文字は,対応するDECHANYU文字へ変換されます。変換された文字は,ファイルTOFILE.DATに格納されます。


LOCALE COMPILE

ロケール・ソース・ファイルを,バイナリのロケール・ファイルに変換します。バイナリのロケール・ファイルは,国際化の論理名の設定に依存する,ユーティリティおよびCルーチンによって使用されます。

形式

LOCALE COMPILE sourcefile


パラメータ

sourcefile

必須。

ロケールの各カテゴリを定義するロケール・ソース・ファイルの名前。ソース・ファイルのデフォルトのファイル・タイプは .LSRC です。ロケール・ソース・ファイルの形式の定義については, 第 2 章 を参照してください。


修飾子

/CHARACTER_DEFINITIONS=filename
/NOCHARACTER_DEFINITIONS

オプション。デフォルトの設定:/NOCHARACTER_DEFINITIONS

ロケール用の文字セット記述ファイル(charmap)を指定します。このファイルは,文字を実際の文字エンコードにマップします。

charmapが指定されない場合には,ロケール・ソース・ファイルの中で,シンボル名(照合シンボル・キーワードで定義された照合シンボルを除く) を使用できません。

charmapファイル形式の定義については, 第 3 章 を参照してください。 charmapのデフォルトのファイル・タイプは.CMAP です。

/DISPLAY[=[NO]HOLE]

オプション。デフォルトの設定:/NOHOLE

中国に関するロケールおよびターミナルとともに使用して, 4バイト文字がターミナル・ディスプレイ上で4つの印字位置(桁) を占めることを指定します。デフォルトの値(/DISPLAY=NOHOLE)は, 4バイト文字が2つの印字位置を占めることを指定します。

/IGNORE=WARNINGS
/NOIGNORE

オプション。デフォルトの設定:/NOIGNORE

LOCALE COMPILEが警告メッセージを出した場合でも,出力ファイルを作成することを指定します。警告メッセージは,結果として出力されたロケール・ファイルを使用する前に,修正が必要なユーザ・エラーを示していることがあるので, /IGNOREキーワードは十分に注意して使用してください。

/LISTING[=filename]
/NOLISTING

オプション。バッチの場合のデフォルトの設定:/LISTING。会話型の場合のデフォルトの設定:/NOLISTING。

リスト・ファイルの名前を指定します。 /SHOW修飾子は,リスト・ファイルに含まれる情報の内容を制御します。ファイル名が省略された場合,デフォルトのファイル名はsourcefile.LISになります。

/OUTPUT=[filename]
/NOOUTPUT

オプション。デフォルトの設定:/OUTPUT=sourcefile.LOCALE

出力ファイルの名前を指定します。 /OUTPUT修飾子の指定が省略された場合,デフォルトの出力ファイル名はsourcefile.LOCALEになります。公用のロケールは,論理名SYS$I18N_LOCALEで定義されるディレクトリに保存されます。出力ファイルが別の場所にある場合,ロケールはプライベートです。

/NOOUTPUTが指定された場合,コンパイルが正常に終了しても,コンパイラは出力ファイルを作成しません。

/SHOW[=(keyword[,...])]

オプション。デフォルトの設定:/SHOW=(SOURCE,TERMINAL)

/SHOWは/LISTINGとともに使用して,リスト・ファイルに含まれる情報の内容を制御します。次のキーワードを指定できます。

キーワード 説明
ALL すべての情報を含む。
BRIEF シンボル・テーブルの要約を含む。
[NO]CHARACTER_DEFINITIONS charmapファイルを含む,または含まない。
NONE 情報をいっさい出力しない。NONEが指定された場合,リスト・ファイルは,発生したエラー・メッセージだけを含む。
[NO]SOURCE ソース・ファイルのリストを含む,または含まない。
[NO]STATISTICS コンパイラ性能情報を含む,または含まない。
[NO]SYMBOLS charmapシンボル・テーブルのリストを含む,または含まない。
[NO]TERMINAL ターミナルにコンパイラ・メッセージを表示する。


説明

弊社が提供するロケールに加えて,新たなロケールをシステムに追加するには,LOCALE COMPILEコマンドを使用します。ロケールをコンパイルするのに,LOCALE COMPILEは次の2つのファイルを必要とします。

エラー

次に示すエラー・メッセージは,LOCALE COMPILE コマンドに関係があります。

#1

$ LOCALE COMPILE EN_GB_ISO8859-1 /CHARACTER_DEFINITIONS=ISO8859-1 - 
_$ /LIST /SHOW=(CHARACTER_DEFINITIONS,SYMBOLS,STATISTICS) 
 

この例は,charmapファイルISO8859-1.CMAPを使用して,ソース・ファイル EN_GB_ISO8859-1.LSRCから,ロケール・ファイルEN_GB_ISO8859-1.LOCALEを作成する方法を示しています。このロケール・ファイルを使用するには,これをSYS$I18N_LOCALEディレクトリにコピーし, LANG論理名を"EN_GB.ISO8859-1"に設定します。リスト・ファイルには,charmapファイルのリスト,シンボル・テーブル,性能情報,およびコンパイラで生じたエラー・メッセージが含まれます。


LOCALE LOAD

指定されたロケール名を,共用の読み込み専用グローバル・データとして,システムのメモリにロードします。

形式

LOCALE LOAD locale_identifier

パラメータ

locale_identifier

必須。

ロードするロケールを識別する文字列。次のいずれかを指定します。


修飾子

なし


説明

LOCALE LOAD コマンドは,指定されたロケール名を,いくつかの共用読み込み専用グローバル・セクションとして,システムのメモリにロードします。ロードされたロケールにアクセスするプロセスはすべて,ロケールの1つのコピーを使用するため,システム・メモリ全体に対する需要が抑制されます。

この DCL コマンドは特権付きであり,通常はシステム管理者が実行します。この場合,次の特権が必要です。


#1

$ LOCALE LOAD JA_JP_DECKANJI

これは,JA_JP_DECKANJI ロケールをロードする例です。


LOCALE UNLOAD

指定されたロケール名を,システムのメモリからアンロードします。

形式

LOCALE UNLOAD locale


パラメータ

locale

必須。

アンロードするロケールを識別する文字列。このパラメータの指定形式については, LOCALE LOADコマンドの説明を参照してください。


修飾子

なし


説明

LOCALE UNLOAD コマンドは,指定されたロケール名を,システムのメモリからアンロードします。 UNLOADコマンドが入力されたときに,プロセスがそのロケールにアクセスしている場合には,このアクセスが終了した後で,グローバル・セクションが削除されます。

この DCL コマンドは特権付きであり,通常はシステム管理者が実行します。この場合,次の特権が必要です。

注意

LOCALE LOADコマンドでロードされたロケール・ファイルのみ,アンロードできます。


#1

$ LOCALE UNLOAD JA_JP_DECKANJI 

これは,JA_JP_DECKANJI ロケールをアンロードする例です。


LOCALE SHOW CHARACTER_DEFINITIONS

文字セット記述ファイル(charmap)をリストします。

形式

LOCALE SHOW CHARACTER_DEFINITIONS


パラメータ

なし


修飾子

なし


説明

LOCALE SHOW CHARACTER_DEFINITIONS コマンドは,論理名SYS$I18N_LOCALEで定義される公用ディレクトリ内の,文字セット記述ファイル(charmap)をすべてリストします。

charmapは,シンボル名,およびコード化文字セット内の文字の値を定義します。また,ロケールをコンパイルするとき,LOCALE COMPILEコマンドによって使用されます。 charmapファイルのファイル・タイプは.CMAPです。


#1

$ LOCALE SHOW CHARACTER_DEFINITIONS 
 
[SYS$I18N.LOCALES.SYSTEM]DECHANYU 
[SYS$I18N.LOCALES.SYSTEM]DECHANZI 
[SYS$I18N.LOCALES.SYSTEM]DECKANJI 
[SYS$I18N.LOCALES.SYSTEM]DECKOREAN 
[SYS$I18N.LOCALES.SYSTEM]EUCJP 
[SYS$I18N.LOCALES.SYSTEM]EUCTW 
[SYS$I18N.LOCALES.SYSTEM]ISO8859-1 
[SYS$I18N.LOCALES.SYSTEM]ISO8859-2 
[SYS$I18N.LOCALES.SYSTEM]ISO8859-3 
[SYS$I18N.LOCALES.SYSTEM]ISO8859-4 
[SYS$I18N.LOCALES.SYSTEM]ISO8859-5 
[SYS$I18N.LOCALES.SYSTEM]ISO8859-7 
[SYS$I18N.LOCALES.SYSTEM]ISO8859-8 
[SYS$I18N.LOCALES.SYSTEM]ISO8859-9 
[SYS$I18N.LOCALES.SYSTEM]MITACTELEX 
[SYS$I18N.LOCALES.SYSTEM]SDECKANJI 
[SYS$I18N.LOCALES.SYSTEM]SJIS 
 

この例は,SYS$I18N_LOCALEディレクトリにあるすべての charmap ファイルを示しています。


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