日本語Compaq DECprint Supervisor for OpenVMS
システム・マネージャーズ・ガイド


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3.3.2.2 LAT ネットワーク接続あるいは直接接続のプリンタである場合

シリアル・プリンタについては,次の形式を使用してください。

プリンタの接続形態 形式 説明
ローカル・シリアル・ライン "SERIAL/T xyn" x はプリンタのタイプ・コード, y はコントローラ名, n はホスト・システムのユニット番号です。
LAT ポート "SERIAL/LTA n" n はホスト・システムのユニット番号です。

注意

SET TERMINAL および SET DEVICE コマンドは,シリアル・プリンタのプリンタ名を変換します。コマンドがプリンタ名を変換しないように,プリンタ名の前にアンダースコア (_) を付けてください。

3.3.2.3 TCP/IP ネットワークを使用した PrintServer プリンタである場合

次の形式で装置情報を入力してください。


"IP_CPAP/address" 

address は,名前表記あるいは数値表記のいずれかの形式による弊社の PrintServer プリンタの IP アドレスです。

たとえば PrintServer TCP/IP ノードは,次のいずれかで指定することができます。


"IP_CPAP/garmnd.dsg.dec.com" 
"IP_CPAP/16.128.144.11" 

3.3.2.4 DECnet ネットワークを使用した PrintServer プリンタである場合

次の形式で装置情報を入力してください。


"DECNET/nodename" 

address は,弊社の PrintServer プリンタの DECnet ノード名です。

たとえば PrintServer DECnet ノードは,次のように指定することができます。


"DECNET/GARMND" 

3.3.2.5 AppleTalk ネットワークを使用したプリンタである場合

AppleTalk ネットワークに接続されたプリンタを,プリンティング・システムに組み込むことができます。 AppleTalk プリンタをネットワークで共有するには, DCPS キューが起動されているノードで PATHWORKS AppleTalk for VMS ソフトウェア・コンポーネントを稼動しておかなければなりません。

このタイプのネットワークの構成については, PATHWORKS for VMS (Macintosh) の『Introduction to the AppleTalk Network System』マニュアルを参照してください。

次の形式で装置情報を入力してください。


"APPLETALK/printername@zone@type"

printername だけが必要である場合, P2 の情報は "APPLETALK/printername"となります。

AppleTalk プリンタは,次のいずれかの形式で指定することができます。


"APPLETALK/Paul's Printer" 
"APPLETALK/Paul's Printer@MRO" 
"APPLETALK/Paul's Printer@MRO@LaserWriter" 

3.3.3 ライブラリ論理名の指定 (P3)

標準装置制御ライブラリの名前は DCPS$DEVCTL です。このパラメータを指定しなかった場合には,この DCPS$DEVCTL が省略時のライブラリ名として使用されます。装置制御ライブラリの作成および装置制御ライブラリ論理名の定義についての詳細は, 第 7 章 を参照してください。

3.3.4 キューに対する省略時の PRINT コマンド・パラメータの割り当て (P4)

キューに対応させて省略時の PRINT コマンド・パラメータを指定することができます。任意の PRINT パラメータをキューに対応させることができます。特定のキューにプリント・ジョブを出力する際に, PRINT コマンド行に異なるパラメータ値を指定していない場合は,省略時の PRINT パラメータが使用されます。 PRINT コマンド行で指定されたパラメータ値は,省略時のキュー・パラメータを無効とします。

次の例に示すように,省略時の PRINT パラメータは引用符で囲んでください。


$ @SYS$STARTUP:DCPS$EXECUTION_QUEUE - 
2UP -             ! P1 - Execution queue name 
"SERIAL/TTB4" -   ! P2 - Device name   
DCPS_LIB -        ! P3 - Logical name for your library search list  
"NUMBER_UP=2"     ! P4 - Defines a default queue parameter 

DECprint Supervisor の PRINT パラメータの優先順位

PRINT コマンドの /PARAMETERS 修飾子によって設定されるパラメータは,キューに対して設定された省略時の値より優先されます。 DECprint Supervisor は,次に示す優先順位に従って省略時のパラメータ値を使用します。

  1. PRINT コマンドで指定したパラメータ

  2. ジェネリック・キューの省略時の設定

  3. 実行キューの省略時の設定

  4. DCPS ソフトウェアに組み込まれている省略時の設定
    DATA_TYPE=AUTOMATIC
    INPUT_TRAY=プリンタ固有の値1
    LAYUP_DEFINITION=省略時のレイアップ定義ファイルなし
    MESSAGES=NOMESSAGES
    NUMBER_UP=0
    OUTPUT_TRAY=プリンタ固有の値1
    PAGE_LIMIT=制限なし
    PAGE_ORIENTATION=PORTRAIT
    PAGE_SIZE=(SHEET_SIZE と同じ)
    SHEET_COUNT=1
    SHEET_SIZE=プリンタ固有の値1
    SIDES=プリンタ固有の値1
    TAB=NOTAB

一部のパラメータ値はプリンタ・ハードウェアによって制御され, DECprint Supervisor ソフトウェア以外の手段によって設定されます。弊社の PrintServer プリンタは PrintServer ソフトウェアの影響を受けます。その他のプリンタは,プリンタ制御パネルあるいはスイッチによって制御されます。

3.3.5 省略時のキュー属性の指定 (P5)

省略時のキュー属性に追加する値あるいは上書きする値を指定することができます。これらの修飾子の設定には,INITIALIZE/QUEUEコマンドを使用しないで,キュー定義に記述してください。

省略時の設定では,プリンタ・スタートアップ・コマンド・プロシージャは次の INITIALIZE/QUEUEコマンドの修飾子を使用してプリント・キューを作成します。

注意

キュー定義に複数の修飾子を指定する場合は,値を引用符で囲むようにしてください。

3.3.6 シリアル・プリンタの通信速度の設定 (P6)

OpenVMS システムに直接接続されているシリアル・プリンタの通信速度を設定することができます。このパラメータがブランクの場合,省略時の設定は 9600 ボーです。通信速度を変更するには,ヌル文字列 ("") の代わりに "19200" のように指定します。ネットワーク接続を使用するプリンタについては,このパラメータは無視されます。

3.3.7 キューに対する SET DEVICE 修飾子の指定 (P7)

キューに対する SET DEVICE コマンドの修飾子を指定することができます。たとえば,プリンタでエラー・ログ機能を有効にする場合は,次の文字列を指定します。


"/ERROR_LOGGING" 

上記の設定により,プリンタから通知されるすべてのエラー・メッセージはエラー・ログ・ファイル SYS$ERRORLOG:ERRLOG.SYS に記録されます。このファイルは ANALYZE/ERROR コマンドを使用して読むことができます。

このパラメータはシリアル・プリンタに対してのみ有効です。

3.3.8 キュー初期化時の SET VERIFY の有効化 (P8)

DCPS$EXECUTION_QUEUE.COM コマンド・プロシージャに対して SET VERIFY コマンドを有効にすることができます。ログ・ファイルのサイズとコンソール・ログのサイズを節約するために,省略時の設定は NOVERIFY です。 p8 の値が 1 の場合は SET VERIFY が有効となり,プリンタ・スタートアップ・ファイルの問題を特定するために役立ちます (SET [NO]VERIFY コマンドについての詳細は,『 OpenVMS DCL Dictionary 』を参照してください)。

注意

1 これらの設定はプリンタの PostScriptインタプリタの設定に応じて異なります。

3.4 実行キューの動作のカスタマイズ

数多くの方法で, DCPS プリント・シンビオントおよび対応する実行キューの動作を変更することができます。いくつかの方法については,この節に記述されています。その他のオプションについては,変更方法の一般的なガイドライントとともに 付録 B に一覧されています。いくつかのカスマイズはすべての DCPS キューに適用され,その他のカスタマイズは特定のキューにだけ適用されます。

3.4.1 マルチストリーム・プロセスとしての DCPS の稼動

DCPS シンビオントはマルチストリーム・プロセスとして稼動することができます。マルチストリーム・シンビオント・プロセスである場合, 1 つの DCPS プロセスは複数の DCPS 実行キューを稼動することができます。現在のすべてのプロセスが指定されたキュー ("ストリーム") の最大数をサポートしている場合を除き, DCPS プリント・キューが起動されるたびに新しい DCPS プロセスが起動することはありません。 DCPS シンビオント・プロセスがサポートするキューの数は,そのプロセスが起動される場合の論理名 DCPS$MAX_STREAMS の値によって決定されます。

DCPS は, DCPS シンビオント・プロセス当たり最大 32 実行キューをサポートするように構成することができます。 DCPS シンビオント・プロセス当たりのキューの数の指定には,論理名 DCPS$MAX_STREAMS が使用されます。この論理名を定義するには, DCPS$STARTUP.COM ファイル (テンプレートが DCPS$STARTUP.TEMPLATE として提供されています) に次のコマンドを記述し,プロセス当たりに使用するキューの数を代入してください。論理名を定義しない場合, DCPS はただ 1 つの実行キューをサポートします。


$ DEFINE/SYSTEM/EXECUTIVE DCPS$MAX_STREAMS max-number

DCPS$STARTUP.COM ファイルを実行してこの論理名を有効とし, DCPS をマルチストリーム・プロセスとしてキューを起動します。

DCPS プロセスは,そのプロセスに対応しているすべてのキューが停止した場合にかぎり終了します。

3.4.1.1 マルチストリームを稼動している場合のプリント・キューの管理

OpenVMS キュー・マネージャは,シンビオント・プロセスの作成および停止のタイミングを制御します。一般的に,新しい DCPS シンビオント・プロセスは,既存のすべての DCPS シンビオント・プロセス内に未使用のストリームがない場合に作成されます。すでに説明したように, DCPS プロセスがサポートするストリーム (キュー) の数は,新しいプロセスが起動される場合の論理名 DCPS$MAX_STREAMS の値によって決定されます。シンビオント・プロセスは,そのプロセスによってサポートされているすべてのキューが停止した場合に終了します。

1 つの DCPS シンビオント・プロセスがサポートするプリント・キューは,キューが起動された順番,およびその後のキューの停止 ( STOP/QUEUE/RESETあるいは STOP/QUEUE/NEXT) ならびにキューの起動 ( START/QUEUE) によって決定されます。 DCPS は,キューのプロセス ID を識別する 1 つの論理名を定義します ( 第 5.8 節 )。この論理名を使用して,そのキューをサポートしているプロセスおよび同一プロセスでサポートされている 1 組のキューを判定することができます。

あまり発生することではありませんが,同一プロセスでサポートされるキューであるために, 1 つのキューで発生する問題が別のキューに存在する問題の結果である場合があります。問題を特定するには,1 つのキュー上の 1 つのジョブの状態を調べるだけでは十分ではありません。その DCPS プロセスでサポートされているすべてのキュー上の第 1 ジョブの状態を調べる必要があります。

DCPS キューを,そのキューをサポートしている DCPS プロセスを停止することによって停止してはなりません。 STOP/IDを使用して DCPS シンビオント・プロセスが停止すると,そのプロセスがサポートしているすべてのキューが停止します。

3.4.1.2 マルチストリームを稼動している場合の DCPS 環境の変更

単一ストリームの DCPS シンビオント・プロセスについては,変更する内容にもよりますが, DCPS 論理名および DCPS 環境のその他の状態を変更した場合,対応したキューについて STOP/RESETコマンド,続いて STARTコマンドを実行するまでは,その変更は有効となりません。

マルチストリーム・プロセスに対応した単一の DCPS キューについての動作を変更するには,そのシンビオント・プロセスに対応したすべての DCPS キューを停止した後に再起動して,変更を有効とする必要があります。これは,環境のいくつかの状態は DCPS シンビオント・プロセスが起動した場合にかぎって決定され,対応するすべてのキューが停止するまでそのシンビオント・プロセスが停止しないためです。

3.4.2 ジョブ起動時の "Busy" 状態のプリンタへの割り込み

通常 DCPS は,raw TCP/IP,LAT,シリアル・プリンタのいずれかに新しいジョブを送信する前に,そのプリンタが "Idle" 状態となるまで待ちます。これは, DECserver 装置あるいはその他のネットワーク・ターミナル・サーバを介して接続しているプリンタを, DCPS キュー,LATSYM キュー,Windows および UNIX ホストなどで共有することができるネットワーク環境で本質的に重要なことです。

バージョン 1.2 より前のバージョンでは, DCPS はアグレッシブ同期シーケンスを使用してプリンタの PostScript インタプリタの制御を取得していました。この方式は DCPS のみの環境では正しく動作していましたが,複数のホスト環境では,プリント・ジョブが別のシステムによって出力が完了しないうちに終了させられてしまう場合がありました。

別のキュー上のジョブを起動することで 1 つのキュー上の不正な PostScript ジョブを強制終了させるという DCPS の以前の動作を期待している場合は,次のようなシステム全体で有効な論理名を定義することによってアグレッシブ方式の動作を復元することができます。


$ DEFINE/SYSTEM/EXECUTIVE DCPS$queuename_INTERRUPT_WHEN_BUSY 1

3.4.3 ジョブ起動時の PostScript 同期の制限

DCPS は, PostScript インタプリタと同期して raw TCP/IP,LAT,シリアル・プリンタ上のジョブを起動することにより,インタプリタがコマンドを受け付ける準備ができていることを保証しています。ただし,いくつかの PostScript は同期制御文字を常に識別できる状態にあるとはかぎりません。特に,HP PCL などの付加的なプリンタ言語をサポートしているいくつかのプリンタの場合,特定の状況ではこのシーケンスに正しく対応することができません。たとえば DEClaser 3500 が PS/PCL センス・モードである場合, DCPS がそのシリアル・ポートに Ctrl/T 文字を送信すると,間違って PCL モードに切り替わります。このプリンタは続いて PostScript モードを抜けて応答しなくなり,プリント・ジョブは "Starting" 状態となります。

論理名を定義することにより, raw TCP/IP,LAT,シリアル接続を使用するプリンタについて, DCPS シンビオントが通常の同期シーケンスの使用を避けることができます。 raw TCP/IP,LAT,シリアル接続以外で接続されたプリンタを使用している場合,この論理名はなんらの影響も与えません。プリンタ固有の情報については, 第 10 章 を参照してください。

プリンタ・キューの同期シーケンスを無効とするには,次のコマンドを使用します。


$ DEFINE/SYSTEM/EXECUTIVE DCPS$queuename_NO_SYNC 1

最近のほとんどのシリアル接続プリンタについては,同期手順を行わないことが問題となることは一般的にありません。これは,インタプリタがデータを受け付けられる状態にない場合,このようなプリンタはフロー制御を使用してデータ受信を待つことができるからです。ただし,ボー・レートあるいはストップ・ビットなどの通信パラメータが正しく設定されていない場合は,プリンタが不要なものを出力してジョブを消失する可能性があります。また,構成によっては,プリンタのデータ・ケーブルが接続されていない場合,あるいはプリンタの電源が落ちている場合,プリント・ジョブが消失する可能性があります。


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