この章では,漢字プリント・シンビオントについて説明します。
漢字プリント・シンビオントは, OpenVMSオペレーティング・システムの標準プリント・シンビオントの機能に加え, 拡張漢字やJIS X 0208第2水準漢字(ハードウェアに無い場合) を印字する機能を持つ漢字プリンタの専用シンビオントです。本章では, 漢字プリント・シンビオントと標準プリント・シンビオントの違いを説明します。
漢字プリント・シンビオントは標準プリント・シンビオントの処理に加えて, 以下の処理を行います。
漢字プリント・シンビオントの起動時に,論理名JSY$PRTSMB_HWTYPE_queue-name により接続されている漢字プリンタのタイプを指定します。指定可能な値は0から2で, 以下の表で示されるハードウェアのタイプに相当します。
漢字コード | プリンタのROM第1水準 | プリンタのROM第2水準 |
---|---|---|
JIS X0208- 1978 | 2 | 1 |
JIS X0208-1983 | 設定できません | 0 [1] |
[1] 省略時または未定義時にはこの設定となります。 |
漢字プリント・シンビオントが論理名を参照するためには, 論理名がシステム論理名テーブルになければなりません。つまり JSY$PRTSMB_HWTYPE_queue-name論理名はDCLコマンドのDEFINE/SYSTEM,または ASSIGN/SYSTEMを使用して定義しなければなりません。
漢字プリント・シンビオントは2種類あり, 漢字プリンタの接続形式により使い分ける必要があります。
直接ホストに接続されている漢字プリンタに使用
ターミナル・サーバ経由でホストに接続されている漢字プリンタに使用
漢字プリント・シンビオントは,以下の漢字プリンタをサポートします。
漢字プリント・シンビオントはLN03,DEClaser 2300および DEClaser 2400をサポートしません。これらのプリンタには,標準版の PRTSMB.EXEまたはLATSYM.EXEを使用し, ユーザ定義文字の印刷にはプリローディングを使用してください。
プリント・キューの設定方法については,『OpenVMSシステム管理者マニュアル』 を参照してください。
漢字プリント・シンビオントを使用するプリント・キュー設定の具体例については, 『日本語OpenVMS 概説書』を参照してください。