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4 DCLディクショナリ - C -


CALL

コマンド・プロシージャ内でラベルを付けられたサブルーチンへ制御を移します。

フォーマット

     CALL  ラベル [パラメータ[...]] 

パラメータ

ラベル

コマンド行の最初に現われる,1〜255桁の英数字からなるラベル名です。 ラベルにブランクを包めることはできません。CALLコマンドが実行されるとき, 指定されたラベルに後続するコマンドへ制御が移ります。

ラベルは,現在のコマンド・プロシージャのCALL文の前に, あるいは後に置くことができます。 コマンド・プロシージャ内のラベルは,コロン(:)で終了してください。 サブルーチンのラベルは一意でなければなりません。

より内側のプロシージャ・レベルのラベルは, 外側のプロシージャレベルからはアクセスできません。次の例を参照してください。

     $CALL B
     $SUBROUTINE A
     $  B: SUBROUTINE
     $  ENDSUBROUTINE
     $ENDSUBROUTINE

この例では,サブルーチンA内のラベルBは, サブルーチンAより外側ではアクセスできません。

パラメータ[...]

コマンド・プロシージャに渡す1つから8つのパラメータを指定します。 空パラメータは連続する2つの引用符("")を用いて指定します。 これらのパラメータは,文字列値を入力した順に, P1,P2,..., P8と8つまでのシンボルに割り当てられます。 シンボルは,指定されたコマンド・プロシージャの内部だけで有効です。 各パラメータは,1つまたは複数のスペースで区切ります。

パラメータは,英数字または特殊文字を含む文字列値として指定することができますが, 次の制約があります。

シンボルをパラメータとして使用する場合には, シンボル置換を実行するために,シンボルを一重引用符(` ')で囲む必要があります。 次の例を参照してください。

     $ NAME = "JOHNSON"
     $ CALL INFO 'NAME'

一重引用符を使用すると, "JOHNSON"という値が"NAME"というシンボルと置き換えられます。 したがって,"JOHNSON"というパラメータがP1として,サブルーチンINFOに渡されます。

説明

CALLコマンドは, コマンド・プロシージャ内でラベルを付けられたサブルーチンへ制御を移します。 CALLコマンドは@ (プロシージャ実行)コマンドに同様に, 新しいプロシージャ・レベルを作成します。CALLコマンドを使用する利点は, プロシージャを処理するためにファイルをオープンしたりクローズする必要がないことです。 また,複数のプロシージャは複数のファイルではなく1つのファイル中にあるので, CALLコマンドを使用するとプロシージャの管理が簡単です。

CALLコマンドを使用してサブルーチンに制御を移すと, 新しいプロシージャ・レベルが作成され, 指定された引数の値にP1からP8までのシンボルが割り当てられます。 EXITコマンドが実行されるまで,サブルーチンでの実行が続きます。 EXITコマンドが実行されると,制御はCALLコマンドの次のコマンド行に移ります。

プロシージャは,最大で32レベルまでネストさせることができます。この中には, コマンド・プロシージャの任意の組み合わせやサブルーチンの呼び出しを含めることができます。 ネストしたサブルーチン構造内で定義されたローカル・シンボルやラベルは, @コマンドでルーチンを起動した場合と同様に扱われます。 つまり,ラベルはそれを定義したサブルーチン・レベルでのみ有効です。

より外側のレベルで定義されたローカル・シンボルは, それより内部のネスト・レベルのサブルーチンでは使用できます。 つまり,ローカル・シンボルの読み込みはできますが書き込みはできません。 より外側のサブルーチン・レベルでローカルなシンボルに値を割り当てると, 現在のサブルーチン・レベルに新しいシンボルが作成されます。 この時,より外側のプロシージャ・レベルのシンボルは変更されません。

SUBROUTINEおよびENDSUBROUTINEコマンドは, サブルーチンの開始および終了を定義します。 サブルーチンへのエントリ・ポイントを定義するラベルは, SUBROUTINEコマンドの直前または同一コマンド行上で指定しなければなりません。

1つのサブルーチンには,1つのエントリ・ポイントしか含めることができません。 サブルーチンは,最初の実行可能文SUBROUTINEコマンドで開始しなければなりません。 プロシージャ内でEXITコマンドを指定しないと, ENDSUBROUTINEコマンドがEXITコマンドと同じ処置を行います。

SUBROUTINEコマンドは, 実行されるコンテキストに依存する2つの異なる処理を行います。 CALLコマンドの結果としてSUBROUTINEコマンドを実行する場合は, 新しいプロシージャ・レベルを開始し, CALLコマンドで指定したようにP1からP8までのパラメータを定義し, サブルーチンの実行を開始します。 CALLコマンドを使用せずに起動されたプロシージャの実行フローで SUBROUTINE動詞が検出された場合は,SUBROUTINE以降のすべてのコマンドは, 対応するENDSUBROUTINEコマンドが検出されるコマンドまでスキップされます。


注意

SUBROUTINEおよびENDSUBROUTINEコマンドは,3文字以下に短縮することはできません。

修飾子

/OUTPUT=ファイル指定

すべての出力を,指定したファイルまたは装置に書き込みます。省略時設定では, 出力は現在のSYS$OUTPUTという論理装置に送られ,出力ファイル・タイプはLISです。 システムからの応答とエラー・メッセージは, 指定したファイルとSYS$COMMANDの両方に書き込まれます。 /OUTPUTを指定する場合には, 修飾子はCALLコマンドのすぐあとに指定しなければなりません。 出力ファイル指定には,ワイルド・カード文字は使用できません。

コマンド・プロシージャからの出力先を変更するには, SYS$OUTPUTの定義を変更することもできます。 コマンド・プロシージャの1行目として次のコマンドを指定すると, 出力は指定したファイルに送られます。

     $ DEFINE SYS$OUTPUT filespec

このプロシージャが終了すると,SYS$OUTPUTは元の等価文字列に戻されます。 この方法を使うと,コマンド・プロシージャの実行時に /OUTPUT修飾子を使用した場合と同じ結果になります。

  1. $
    $! CALL.COM
    $
    $! Define subroutine SUB1
    $!
    $ SUB1: SUBROUTINE
       .
       .
       .
    $       CALL SUB2       !Invoke SUB2 from within SUB1
       .
       .
       .
    $       @FILE           !Invoke another procedure command file
       .
       .
       .
    $       EXIT
    $       ENDSUBROUTINE   !End of SUB1 definition
    $!
    $! Define subroutine SUB2
    $!
    $ SUB2: SUBROUTINE
       .
       .
       .
    $       EXIT
    $       ENDSUBROUTINE   !End of SUB2 definition
    $!
    $! Start of main routine. At this point, both SUB1 and SUB2
    $! have been defined but none of the previous commands have
    $! been executed.
    $!
    $ START:
    $       CALL/OUTPUT=NAMES.LOG SUB1 "THIS IS P1"
       .
       .
       .
    $       CALL SUB2 "THIS IS P1" "THIS IS P2"
       .
       .
       .
    $       EXIT            !Exit this command procedure file
    
    このコマンド・プロシージャは, ラベルの付いたサブルーチンへ制御を移すための CALLコマンドの使い方を示しています。 この例は,サブルーチンあるいは別のコマンド・ファイルを, サブルーチンとして呼べることを示します。 CALLコマンドは,出力ファイルをNAMES.LOGとして,サブルーチン SUB1を起動します。 また,他のユーザにファイルへの書き込みアクセスを認めます。 サブルーチンSUB2はSUB1に呼ばれます。 プロシージャはSUB2を実行し,次にコマンド・プロシージャFILE.COMを起動するために @ (プロシージャ実行)コマンドを用います。SUB1のコマンドがすべて実行されると, メイン・プロシージャのCALLコマンドは次にSUB2を呼び出します。 SUB2が実行されるまで,プロシージャは継続します。


CANCEL

RUNコマンドまたは $SCHDWKシステム・サービスでスケジューリングされたウェイクアップ要求を含め, 指定したプロセスに対するウェイクアップ要求を取り消します。

次のいずれか1つが必要です。

フォーマット

     CANCEL  [[ノード名::]プロセス名] 

パラメータ

ノード名::

指定したプロセスが実行中のノードの名前を指定します。

現在のプロセスとは異なる OpenVMS Clusterシステム上のノード名を指定することはできません。

プロセス名

ウェイクアップ要求を取り消したいプロセスの名前を指定します。 プロセス名には,15文字までの英数字を使用できます。

ここで指定するプロセスは, 現在のプロセスと同一グループ内のプロセスでなければなりません。

説明

CANCELコマンドは, 指定したプロセスに対してスケジューリングされたウェイクアップ要求を取り消します。

CANCELコマンドは,指定したプロセスを削除することはありません。 CANCELコマンドを発行した時に,そのプロセスでイメージを実行している場合は, イメージの実行終了後,そのプロセスは終了するのではなく,ハイバネートします。

ウェイクアップ要求が取り消されたハイバネートしているプロセスを削除するには, STOPコマンドを使用します。SHOW PROCESSコマンドで/SUBPROCESS修飾子を指定すると, サブプロセスが削除されたかどうか確認できます。

ローカル・プロセス名は,遠隔プロセス名と似ています。 そのためATHENS::SMITHと指定すると,システムは, ノードATHENSのプロセスSMITHをチェックする前に, ローカル・ノードでプロセスATHENS::SMITHをチェックします。

/IDENTIFICATION=pid修飾子を使用して,プロセス名を指定することもできます。 /IDENTIFICATION修飾子とともにプロセス名パラメータを使用すると, 修飾子がパラメータを上書きします。 プロセス名パラメータも/IDENTIFICATION修飾子も指定しないと, CANCELコマンドは現在のプロセス(つまりCANCELコマンドを発行するプロセス) に対してスケジューリングされているウェイクアップ要求を取り消します。

修飾子

/IDENTIFICATION=pid

プロセス識別番号(PID)でプロセスを識別します。 PIDを指定する時,先行の0は省略できます。

  1. $ CANCEL CALENDAR
    
    この例でCANCELコマンドは, プロセス名がCALENDARであるプロセスに対するウェイクアップ要求を取り消します。 STOPコマンドで削除されるまで,CALENDARプロセスはハイバネートします。

  2. $ RUN/SCHEDULE=14:00 STATUS
    %RUN-S-PROC_ID, identification of created process is 0013012A
       .
       .
       .
    $ CANCEL/IDENTIFICATION=13012A
    
    この例でRUNコマンドは,イメージSTATUSを実行するプロセスを作成します。 このプロセスはハイバネートし, 14:00に実行を開始するようスケジューリングされています。 このプロセスがSTATUSを実行する前に, CANCELコマンドはウェイクアップ要求を取り消しています。

  3. $ RUN/PROCESS_NAME=LIBRA/INTERVAL=1:00    LIBRA
    %RUN-S-PROC_ID, identification of created process is 00130027
       .
       .
       .
    $ CANCEL LIBRA
    $ STOP LIBRA
    
    この例のRUNコマンドは,LIBRAという名前のサブプロセスを作成して, イメージLIBRA.EXEを1時間に1回実行します。

    次にCANCELコマンドでウェイクアップ要求を取り消します。 このプロセスは存在しつづけますが,STOPコマンドで削除するまで, ハイバネートします。


CLOSE

OPENコマンドによりオープンされているファイルをクローズし, 関連する論理名を解除します。

フォーマット

     CLOSE  論理名[:] 

パラメータ

論理名[:]

OPENコマンドによりファイルがオープンされた時に, そのファイルに割り当てる論理名を指定します。

説明

コマンド・レベルでの読み込みまたは書き込みのためにオープンされているファイルは, CLOSEコマンドで終了するまで,またはそのプロセスが終了するまで, オープンされています。ファイルをオープンしたコマンド・プロシージャが, オープンしたファイルをクローズせずに終了すると,ファイルはオープンなままです。 コマンド・インタプリタが自動的にそのファイルをクローズさせることはありません。

修飾子

/ERROR=ラベル

ファイルをクローズする時にエラーが発生した場合に, 制御を戻すコマンド・プロシージャ内のラベルを指定します。 この修飾子に対して指定されているエラー・ルーチンは, ONコマンドに指定されている動作より優先します。 エラーが発生した時に,指定したラベルに正しく制御が渡されると, グローバル・シンボル$STATUSにエラーの種類を示すコードが設定されます。

/LOG (省略時の設定)
/NOLOG

DCLでオープンされていないファイルをクローズしようとすると, 警告メッセージを生成します。 /ERROR修飾子を指定した場合には,/LOG修飾子は無効になります。 DCLでファイルがオープンされていない場合には,エラー分岐が実行され, メッセージは表示されません。

  1. $ OPEN/READ INPUT_FILE   TEST.DAT
    $ READ_LOOP:
    $ READ/END_OF_FILE=NO_MORE  INPUT_FILE  DATA_LINE
       .
       .
       .
    $ GOTO READ_LOOP
    $ NO_MORE:
    $ CLOSE INPUT_FILE
    
    OPENコマンドは,TEST.DATというファイルをオープンし, そのファイルにINPUT_FILEという論理名を割り当てます。 READコマンドの/END_OF_FILE修飾子は,ファイルの最後に到達したときに, コマンド・インタプリタが NO_MOREというラベルの行に制御を渡すことを要求しています。 CLOSEコマンドは,入力ファイルをクローズします。

  2. $ @READFILE
    [Ctrl/Y]
    $ STOP
    $ SHOW LOGICAL/PROCESS
       .
       .
       .
      "INFILE" = "_DB1"
      "OUTFILE" = "_DB1"
    $ CLOSE INFILE
    $ CLOSE OUTFILE
    
    CTRL/Yは,READFILE.COMというコマンド・プロシージャの実行に割り込みをかけます。 そのあと,STOPコマンドが,プロシージャを停止します。 SHOW LOGICAL/PROCESSコマンドは, プロセス論理名テーブルに現在登録されている名前を表示します。 このコマンドで表示される名前には,READFILE.COMプロシージャの中で, OPENコマンドによって割り当てられたINFILEとOUTFILEという論理名も含まれています。

    CLOSEコマンドは,これらのファイルをクローズし,論理名の割り当てを解除します。


CONNECT

ユーザが使用している物理端末を,他のプロセスと接続している仮想端末と接続します。

ユーザは,ユーザの利用者識別コード(UIC) を持つプロセスに接続している仮想端末に接続しなければなりません。 他の物理端末は,仮想端末に接続しません。

フォーマット

     CONNECT  仮想端末名 

パラメータ

仮想端末名

ユーザが接続している仮想端末の名前を指定します。 仮想端末名は,文字VTAで始まります。 SHOW USERSコマンドを実行すると, プロセスに接続している仮想端末の名前が表示されます。

説明

サブプロセスを作成するSPAWNコマンドや, サブプロセスに接続するATTACHコマンドとは異なり, CONNECTコマンドは別のプロセスに接続します。

通信回線を使用しているシステムにログ・インしている場合, CONNECTコマンドは便利です。 回線上にノイズがありキャリア・シグナルを失った場合,ユーザのプロセスは終了しません。 再度ログ・インした後に元のプロセスに再接続し, 2つ目のプロセスからログ・アウトすることができます。

CONNECTコマンドを使用するためには, OpenVMS Alphaシステム上でSystem Managerユーティリティ(SYSMAN), およびOpenVMS VAXシステム上でSystem Generationユーティリティ(SYSGEN)で, 仮想端末機能が許可されていなければなりません。

利用者が使用しているシステムで仮想端末機能が許可されている場合は, SET TERMINAL/DISCONNECT/PERMANENTコマンドを使用して, 特定の物理端末の仮想端末属性を許可することができます。この属性を許可すると, ある利用者がその物理端末にログ・インする時に仮想端末が作成されます。 物理端末は仮想端末に接続され,仮想端末はプロセスに接続されます。

新しい仮想端末に対しては, まずTTY_DEFCHAR2システム・パラメータのTT2$V_DISCONNECTビットを設定し, システムを再ブートする必要があります。 ttdriver を使用して仮想装置VTA0を作成すると,これらの処理が行われます。 次の例を参照してください。Alphaシステムの場合は,次のように入力します。

     $ RUN SYSMAN IO CONNECT/NOADAPTER -
     _$ /DRIVER=SYS$LOADABLE_IMAGES:SYS$TTDRIVER VTA0:

VAXシステムの場合は,次のように入力します。

     $ RUN SYSGEN CONNECT /NOADAPTER/DRIVER=TTDRIVER VTA0:

/NOLOGOUT修飾子を指定していない場合は, 物理端末と仮想端末との接続が切断されると, ユーザは現在のプロセスからログ・アウトしてしまいます (またこのプロセスで実行中のイメージは停止します)。

/NOLOGOUT修飾子を指定していると,プロセスは仮想端末に接続されたままです。 このプロセスでイメージを実行している場合は, プロセスが端末からの入力を必要とする,または端末に書き込みを行おうとするまで, イメージは引き続き実行されます。プロセスが端末からの入力を必要とする時, または端末に書き込みを行おうとする時は,物理端末が仮想端末に再接続するまで, プロセスは待ち状態になります。

仮想端末を使用していなくても,仮想端末に接続することができます。 ただし現在のプロセスをログ・アウトするためには, CONNECTコマンドに/LOGOUT修飾子を指定しなければなりません。 仮想端末から他の仮想端末に接続する場合は,/NOLOGOUT修飾子を指定すると, 現在のプロセスも残すことができます。

修飾子

/CONTINUE
/NOCONTINUE (省略時の設定)

他のプロセスに接続する直前に, 現在のプロセスでCONTINUEコマンドを実行するかどうかを制御します。 この修飾子を指定すると,ユーザが他のプロセスに接続した後で, 割り込みをかけられたイメージの処理を続けることができます。

/CONTINUE修飾子を/LOGOUT修飾子と同時に指定することはできません。

/LOGOUT (省略時の設定)
/NOLOGOUT

仮想端末を使用して他のプロセスに接続する時に, 現在のプロセスをログ・アウトします。

仮想端末に接続していないプロセスからCONNECTコマンドを実行する場合は, /LOGOUT修飾子を指定しなければなりません。 /LOGOUT修飾子を指定しないと,DCLはエラー・メッセージを表示します。

/LOGOUT修飾子を/CONTINUE修飾子と同時に指定することはできません。

  1. $ RUN AVERAGE
    [Ctrl/Y]
    $ CONNECT/CONTINUE VTA72
    
    RUNコマンドを使用して,イメージAVERAGE.EXEを実行します。 このRUNコマンドは,仮想端末に接続していない端末から発行しています。 次にCtrl/Yを押して,イメージに割り込みをかけます。 その後CONNECTコマンドに/CONTINUE修飾子を指定します。 これによりCONTINUEコマンドが発行され,イメージの実行が継続され, ユーザは他の仮想端末に接続します。 ユーザは後で元のプロセスに再度接続することができます。

  2. $ SHOW USERS/FULL
         VAX/VMS User Processes at 22-DEC-1998 14:11:56.91
       Total number of users = 51,  number of processes = 158
    
    Username  Node   Process Name    PID     Terminal
    KIDDER   BUKETT  KIDDER        29A0015E  FTA3:
    KIDDER   BUKETT  _FTA4:        29A0015F  FTA4:
    KIDDER   RACEY1  KIDDER        05800062  FTA5:
    KIDDER   RACEY1  DECW$MWM      0580005D  MBA44:   Disconnected
    KIDDER   RACEY1  DECW$SESSION  05800059
    KIDDER   RACEY1  VUE$KIDDER_2  0580005E  (subprocess of 05800059)
    KIDDER   RACEY1  VUE$KIDDER_3  0580005F  MBA51:   Disconnected
    KIDDER   RACEY1  VUE$KIDDER_4  05800060  MBA53:   Disconnected
    MACKRILL BUKETT  MACKRILL      29A002C1  FTA7:
    MACKRILL BUKETT  MACKRILL_1    29A006C2  (subprocess of 29A002C1)
    MACKRILL BUKETT  MACKRILL_2    29A00244  (subprocess of 29A002C1)
    MACKRILL HAMLET  MACKRILL      24800126  FTA6:
    MACKRILL HAMLET  DECW$BANNER   24800155  (subprocess of 24800126)
    MACKRILL HAMLET  DECW$MWM      2480011F  MBA170:  Disconnected
    MACKRILL HAMLET  DECW$SESSION  2480011D  FTA5:
    .
    .
    .
    $ CONNECT VTA273
      MACKRILL         logged out at 22-DEC-1998 14:12:04.53
    $
    
    この例は, キャリア・シグナルを失った後,元のプロセスに再度接続する方法を示しています。 まず再度ログ・インして新しいプロセスを作成します。ログ・インしたら, SHOW USERS/FULLコマンドを実行して,元のプロセスの仮想端末名を確認します。 次にCONNECTコマンドを実行して,元のプロセスを実行していた仮想端末に接続します。 特に修飾子を指定していないので, CONNECTコマンドを発行したプロセスは,ログ・アウトします。

    元のプロセスに再度接続したら, キャリア・シグナルを失った時に実行していたイメージの実行を続けます。 この例では,接続が切断された時,ユーザMACKRILLは会話型レベルでした。


CONTINUE

Ctrl/YまたはCtrl/Cを押すことにより割り込まれたDCLコマンド,プログラム, コマンド・プロシージャの実行を再開します。 他のイメージやコマンド・プロシージャを起動した後では,再開できません。

フォーマット

     CONTINUE 

説明

CONTINUEコマンドを使用すると,Ctrl/YまたはCtrl/Cを押して中断させたイメージ処理, あるいはコマンド・プロシージャを再開できます。 別のイメージを実行するコマンドを入力した場合, またはコマンド・プロシージャを起動した場合には,イメージの実行を再開できません。 ただし,別のイメージを実行しないコマンドの後には,CONTINUEを使用できます。 これらのコマンドのリストについては, 『OpenVMSユーザーズ・マニュアル』を参照してください。

CONTINUEコマンドは,「C」1文字に短縮できます。

CONTINUEコマンドは,コマンド・プロシージャで, IFコマンドまたはONコマンドのターゲット・コマンドとして使用できます。 CONTINUEコマンドは,GOTOコマンドのターゲット・ラベルの後で使用しても, ターゲット・コマンドになります。 また,CONTINUEコマンドは,VAX FORTRAN PAUSE文または VAX COBOL-74 STOPリテラル文を実行したプログラムの処理再開にも使用できます。

  1. $ RUN  MYPROGRAM_A
    [Ctrl/Y]
    $ SHOW TIME
      14-DEC-1998 13:40:12
    $ CONTINUE
    
    RUNコマンドは,MYPROGRAM_Aというプログラムを実行します。 プログラム実行中にCTRL/Yを押すと,イメージに割り込みがかけられます。 SHOW TIMEコマンドで,現在の日付と時刻を表示しています。 このあとのCONTINUEコマンドは,MYPROGRAM_Aというイメージの実行を再開します。

  2. $ ON SEVERE_ERROR THEN CONTINUE
    
    このコマンド・プロシージャ文は,コマンドやプログラムの実行により警告状態, エラー状態,重大なエラー状態を示す値が戻された場合でも, プロシージャの実行を継続することをコマンド・インタプリタに指示します。 このON文は, エラーまたは重大なエラーが発生した際にはプロシージャを終了するという省略時の動作を無効にします。


CONVERT

Convertユーティリティを起動します。 このユーティリティはあるファイルのレコードを別のファイルにコピーし, 入力ファイルの編成や形式を出力ファイルの編成や形式に変更します。

Convertユーティリティについての詳細は, 『OpenVMS Record Management Utilities Reference Manual』あるいはオンライン・ヘルプを参照してください。

フォーマット

     CONVERT  入力ファイル指定[,...] 出力ファイル指定 


CONVERT/DOCUMENT

CDAにサポートされている変更可能な入力ファイルを, 変更可能なまたは最終的な形式の出力ファイルに変換します。


注意

DECwindows Motif for OpenVMSがシステムにインストールされている時のみ, このコマンドを使用することができます。

フォーマット

     CONVERT/DOCUMENT  入力ファイル指定 出力ファイル指定 

パラメータ

入力ファイル指定

変換する入力ファイル名を指定します。省略時のファイル・タイプは.DDIFです。

出力ファイル指定

出力ファイル名を指定します。省略時のファイル・タイプは.DDIFです。

説明

CONVERT/DOCUMENTコマンドを使用すると,文書の形式を変換することができます。 入力ファイル (そのファイルを読むためのアプリケーションと互換性のない形式のファイル) と出力ファイル(別の形式で作成されるファイル)の,名前と形式を指定します。

入力ファイル形式のための入力コンバータが存在し, 出力ファイル形式のための出力コンバータが存在している場合は, 入力ファイルのファイル形式を別のファイル形式に変換することができます。 省略時の設定の入力ファイルおよび出力ファイルの形式は, DDIF (DIGITAL Document Interchange Format)です。 DDIFは,テキスト,グラフィック, イメージなどを含めることができる複合文書の格納および変換のための標準形式です。

他のいくつかのコンバータと同様にDDIF入力コンバータおよびDDIF出力コンバータは, CDA Base Services for DECwindows Motif for OpenVMS といっしょにインストールされます。 入力ファイル形式を他の出力ファイル形式に変換するときに, 変更を最小限に抑えるようなオプションを指定できるコンバータもあります。

CONVERT/DOCUMENTコマンドに/OPTIONS修飾子を指定する前に, 必要なオプションを書いたオプション・ファイルを作成しておきます。

すべてのコンバータは,メッセージ・ログ・オプションをサポートしています。 変換中の情報メッセージおよびエラー・メッセージは, ユーザが指定したファイルに書き込まれます。

修飾子

/FORMAT=形式名

入力ファイルまたは出力ファイルをコード化する形式を指定します。 省略時の入力ファイルおよび出力ファイルの形式はDDIFです。

CDA Base Services for DECwindows Motif for OpenVMS とともに提供される入力コンバータ, およびサポートされるファイル形式の省略時のファイル・タイプを,次に示します。

入力形式 ファイル・タイプ
DDIF .DDIF
DTIF .DTIF
TEXT .TXT

CDA Base Services for DECwindows Motif for OpenVMS とともに提供される出力コンバータ, およびサポートされるファイル形式の省略時のファイル・タイプを,次に示します。

出力形式 ファイル・タイプ
DDIF .DDIF
DTIF .DTIF
TEXT .TXT
PS .PS
ANALYSIS .CDA$ANALYSIS

弊社が提供するCDA Converter Libraryは,いくつかの文書,グラフィック,イメージ, データ・テーブル入力コンバータ, およびデータ・テーブル出力コンバータを提供しています。ソフトウェア・ベンダも, CDAに準拠したアプリケーションやコンバータを提供しています。 システムで使用できるコンバータについては,システム管理者に相談してください。

分析出力コンバータ

分析出力コンバータは,入力ファイルの中間表現の分析を行います。 分析出力ファイルには, 指定したオブジェクトと入力ファイルに格納された値が含まれます。 アプリケーション・プログラマは, デバッグのために分析出力ファイルを使用することができます。

アプリケーションのエンド・ユーザは分析出力ファイルを使用して, 複数のサブファイルへの参照やリンクを入力ファイルに含めるかどうか, 決めることができます。 各サブファイルは,ネットワークを介して別々にコピーされなければなりません。 これは,入力ファイルをネットワークを介して転送しても, サブファイルは自動的には転送されないためです。

分析出力ファイルで,文字列"ERF_"という文字列を検索することができます。 入力ファイルであるDDIF複合文書とリンクしたイメージ・ファイル"griffin.img"で, 文字列 "ERF_" を検索した例を次に示します。

     ERF_LABEL ISO LATIN1 "griffin.img" ! Char. string.
     ERF_LABEL TYPE RMS_LABEL TYPE "$RMS:
     ERF_CONTROL COPY_REFERENCE ! Integer = 1

分析出力ファイルは,プログラマが使用することを仮定しています。 入力ファイル中のコード化された情報を変更することは前提としておらず, ファイルの内容を調べることを前提としています。 上記の例では,分析出力ファイル中の, リンクされたファイルへの参照を検索する方法を示しています。

DDIF入力コンバータ

DDIF入力コンバータは,DDIF入力ファイルを, 指定した出力ファイル形式に引き続き変換される中間表現に変換します。 データのマッピング,変換に関する制限事項,外部ファイル参照,および DDIF入力コンバータに関連した文書構文エラーについては以下を参照してください。

DDIF出力コンバータ

DDIF出力コンバータは,入力ファイルの中間表現からDDIF出力ファイルを作成します。 データのマッピング,およびDDIF出力コンバータに関連する変換の制限事項を, 次に示します。

DTIF入力コンバータ

DTIF入力コンバータは,DTIF入力ファイルを, 指定した出力ファイル形式に引き続き変換される中間表現に変換します。 データのマッピング,変換に関する制限事項,外部ファイル参照,および DTIF入力コンバータに関連した文書構文エラーについては以下を参照してください。

DTIF出力コンバータ

DTIF出力コンバータは,入力ファイルの中間表現からDTIF出力ファイルを作成します。 データのマッピング,およびDTIF出力コンバータに関連する変換の制限事項を, 次に示します。

テキスト入力コンバータ

テキスト入力コンバータは,テキスト(ISO Latin1)入力ファイルを, 指定した出力ファイル形式に引き続き変換される中間表現に変換します。 データのマッピング,変換に関する制限事項,外部ファイル参照, テキスト入力コンバータに関連した文書構文エラーについては以下を参照してください。

テキスト出力コンバータ

テキスト出力コンバータは, 入力ファイルの中間表現からテキスト出力ファイルを作成します。 データのマッピング,およびテキスト出力コンバータに関連する変換の制限事項を, 次に示します。

PostScript出力コンバータ

PostScript出力コンバータは, 入力ファイルの中間表現からPostScript出力ファイルを作成します。 データのマッピング,およびPostScript出力コンバータに関連する変換の制限事項を, 次に示します。

/MESSAGE_FILE=ファイル指定
/NOMESSAGE_FILE (省略時の設定)

文書変換に関するメッセージを記録します。 入力コンバータおよび出力コンバータからのメッセージは, ファイル指定に指定したファイルに出力されます。 ファイル指定を行わないと,メッセージはSYS$ERRORに出力されます。 省略時の設定は/NOMESSAGE_FILEです。

/OPTIONS=オプション・ファイル名

変換時に, 入力ファイルと出力ファイルに適用させたい処理オプションを含むテキスト・ファイルを指定します。 オプション・ファイルの省略時のファイル・タイプは/CDA$OPTIONSです。

オプション・ファイルの作成

CONVERT/DOCUMENTコマンドで/OPTIONS修飾子を指定する前に, オプション・ファイルを作成しておきます。オプション・ファイルは, オペレーティング・システム上でファイル・タイプが省略時のファイル・タイプ .CDA$OPTIONS であるテキスト・ファイルです。

オプション・ファイルには, 入力ファイル形式と出力ファイル形式に適用させるすべての処理オプションを指定します。 処理オプションを指定すると, 入力ファイルを形式の異なる出力ファイルに変換する時に, 最小限の変更に抑えることができます。

オプション・ファイルは必須ではありません。 ファイルを変換する時,省略時の処理オプションは自動的に適用されます。 ただし省略時以外の設定を使用する場合は,オプション・ファイルが必要です。

オプション・ファイルを作成する時は,以下のガイドラインに従ってください。

オプション・ファイルのエントリ例を次に示します。

     PS PAPER_HEIGHT 10

この例では形式キーワードの_OUTPUTは必須ではありません。 これは,PostScriptは出力形式でのみ使用可能だからです。 省略時の設定では,PAPER_HIGHTの値はインチ単位で指定します。

オプション・ファイルに, 特定の変換のためのコンバータに適用されないオプションを含めると, これらのオプションは無視されます。

入力形式または出力形式で無効なオプション, あるいはオプションで無効な値を指定すると,エラー・メッセージが返されます。 処理オプションに適用される制限事項を,次の節に示します。

分析出力での処理オプション

分析出力コンバータは,次のオプションをサポートします。

テキスト出力での処理オプション

テキスト出力コンバータは,次のオプションをサポートします。

PostScript出力コンバータでの処理オプション

PostScript出力コンバータは,次のオプションをサポートします。

ドメイン・コンバータ

入力コンバータのある, CDAをサポートする表ファイル形式に適用させる処理オプションを含む, オプション・ファイルを作成できます。 表ファイル形式の例としては,データ・テーブルやスプレッドシートがあります。

表入力ファイルを文書出力ファイルに変換するには,DTIF_TO_DDIF形式名を使用し, 次に処理オプションを指定します。 特定の表入力ファイル形式や文書出力ファイル形式への処理オプションに加えて, DTIF_TO_DDIF処理オプションを指定します。

レポートや他の文書に表のテキスト表現を入れられるように, 表入力ファイルを文書出力ファイルに変換したい場合もあります。 だたし表入力ファイルを文書出力ファイルに変換すると,セル・ボーダ,ヘッダ, グリッド行,すべての式,およびフォント・タイプが消失することに注意してください。

ドメイン・コンバータは,次のオプションをサポートします。

  1. $ CONVERT/DOCUMENT/OPTIONS=MY_OPTIONS.CDA$OPTIONS -
    _$MY_INPUT.DTIF/FORMAT=DTIF MY_OUTPUT.DDIF/FORMAT=DDIF
    
    このコマンドはMY_INPUT.DTIFという名前でDTIF形式の入力ファイルを, MY_OUTPUT.DDIFという名前でDDIF形式の出力ファイルに変換します。 オプション・ファイルMY_OPTIONS.CDA$OPTIONSも指定しています。


CONVERT/RECLAIM

Convert/Reclaimユーティリティを起動します。 このユーティリティは,新しいレコードをProlog 3索引ファイルに書き込めるように, Prolog 3索引ファイルの空バケットを使用できるようにします。 /RECLAIM修飾子は必須です。

Convert/Reclaimユーティリティについての詳細は, 『OpenVMS Record Management Utilities Reference Manual』あるいはオンライン・ヘルプを参照してください。

フォーマット

     CONVERT/RECLAIM  ファイル指定 


COPY

1つまたは複数の既存のファイルから新しいファイルを作成します。 COPYコマンドによって,次の操作を実行できます。

フォーマット

     COPY  入力ファイル指定[,...] 出力ファイル指定 

パラメータ

入力ファイル指定[,...]

コピーする,1つまたは複数の既存ファイルの名前を指定します。 ワイルドカード文字(*と%)を使用することができます。 装置やディレクトリを指定しない場合には, 現在の装置とディレクトリが使用されます。複数の入力ファイルを指定する場合には, 各ファイル指定をコンマ(,)またはプラス記号(+)で区切らなければなりません。

出力ファイル指定

入力ファイルがコピーされる,出力ファイルの名前を指定します。

出力ファイル指定には, 少くとも1つのファイル指定フィールドを指定しなければなりません。 装置またはディレクトリを指定していない場合には, 現在の省略時の装置とディレクトリが使用されます。 他のフィールド(ファイル名,ファイル・タイプ,バージョン番号)を省略した場合には, COPYコマンドは入力ファイルの対応するフィールドの値を使用します。 複数の入力ファイルが指定されている場合には, 一般に,最初の入力ファイルの各フィールドを使用します。

ファイル名,ファイル・タイプ,またはバージョン番号の代わりに, アスタリスク・ワイルドカード文字(*)を使用することができます。 COPYコマンドでは,出力ファイルの名前を決定するために, その際に参照される入力ファイルの対応するフィールドが使用されます。

説明

COPYコマンドは,1つまたは複数の既存ファイルから,新しいファイルを作成します。 装置とディレクトリを指定しない場合は, 現在の省略時の装置とディレクトリが使用されます。 COPYコマンドには,次の機能があります。

COPYコマンドは,省略時の設定では,1つの出力ファイルを作成します。 複数の入力ファイルを指定した場合には, 最初の入力ファイルが出力ファイルにコピーされ, 2番目以降の入力ファイルが出力ファイルの最後に追加されます。 出力ファイル指定フィールドを省略したり, フィールドにアスタリスク(*)ワイルドカード文字を使用すると, 最初または唯一の入力ファイルの対応するフィールドを使用して出力ファイルに名前が付けられます。

最大レコード長を持つ複数の入力ファイルを指定すると, 出力ファイルには最初の入力ファイルの最大レコード長が与えられます。 以降の入力ファイルに出力ファイルの最大レコード長より長いレコードがあると, COPYコマンドは矛盾したファイル属性を示すメッセージを発行して, 次のファイルのコピーを開始します。

複数の出力ファイルを作成するには, 以下の少なくとも1つを使用して複数の入力ファイルを指定します。

COPYコマンドで複数の出力ファイルを作成する場合には, 出力ファイル名には各入力ファイルから対応するフィールドが使用されます。 また,出力ファイル指定でアスタリスク(*)ワイルドカード文字を使用すると, 複数の出力ファイルを作成できます。次に例を示します。

     $ COPY A.A;1, B.B;1 *.C

このCOPYコマンドは,現在の省略時ディレクトリに, A.C;1およびB.C;1というファイルを作成します。 複数の入力ファイルと出力ファイルを指定する場合には, /LOG修飾子を使用すると,ファイルが正しくコピーされたことを確認できます。

DECwindows複合ドキュメントにCOPYコマンドを使用する場合には, 特に注意してください。 詳細は『Guide to OpenVMS File Applications』を参照してください。

バージョン番号

入力ファイルと出力ファイルのバージョン番号を指定しない場合,(省略時の設定により) 出力ファイルには次のいずれかのバージョン番号が付けられます。

アスタリスク(*)ワイルドカード文字で出力ファイルのバージョン番号を指定すると, 出力ファイルのバージョン番号として, 対応する入力ファイルのバージョン番号が使用されます。

出力ファイルのバージョン番号を明示的に指定すると, 出力ファイル指定にはその番号が使用されます。 指定したバージョン番号より大きいバージョンの出力ファイルが存在する場合は, 警告メッセージが表示されファイルがコピーされます。 同じバージョンの出力ファイルが存在する場合は,メッセージが表示され, 入力ファイルはコピーされません

ファイル保護と作成日/更新日

出力ファイル名のいずれかの部分を明示的に指定した場合, COPYコマンドでは出力ファイルを新しいファイルと見なします。 新しいファイルの作成日は,現在の時刻と日付にセットされます。

1つまたは複数のアスタリスク(*) とパーセント記号(%)ワイルドカード文字で出力ファイルを指定すると, 入力ファイルの作成日が使用されます。

COPYコマンドでは,常に出力ファイルの更新日が現在の時刻と日付に設定されます。 バックアップ日は,0に設定されます。 ファイル・システムによって,出力ファイルに新しい満了日が割り当てられます (保持が許可されていると満了日が設定され,許可されていないと0に設定されます)。

出力ファイルの保護とアクセス制御リスト(ACL)は, 次のパラメータによって次の順序で決定されます。

(BACKUPコマンドは,入力ファイルの作成日,更新日, ファイル保護を使用することに注意してください。)

出力ファイルの保護を変更するには,/PROTECTION修飾子を使用します。

通常,出力ファイルの所有者は,出力ファイルの作成者と同じです。 ただし,拡張特権を持つ利用者が出力ファイルを作成する場合,所有者は, 親ディレクトリまたは, 存在する場合は出力ファイルの前バージョンの所有者になります。

拡張特権は,次のいずれかです。

ディレクトリ・ファイルのコピー

ディレクトリ・ファイルをコピーすると, 指定したディレクトリ名の新しい空のディレクトリが作成されます。 指定したディレクトリのファイルは,新しいディレクトリにコピーされません。 ディレクトリ・ファイルのコピーの例については,「例」を参照してください。

修飾子

/ALLOCATION=ブロック数

出力ファイルの初期占有サイズを, 1ブロック512バイトとして,nで指定されたブロック数に設定します。 /ALLOCATION修飾子を指定しない場合や,ブロック数を指定しない場合には, 出力ファイルの初期占有サイズは, コピーされる入力ファイルのサイズによって決定されます。

/BACKUP

/BEFOREまたは/SINCE修飾子で指定された時刻の属性を指定します。 /BACKUP修飾子は,最新のバックアップの日付をもとに,ファイルを選択します。 この修飾子は,/CREATED修飾子,/EXPIRED修飾子, および/MODIFIED修飾子とともに使用することはできません。 これらの修飾子も時刻属性によってファイルを選択します。 これら4つの修飾子のいずれも指定されない場合には, /CREATED修飾子が省略時の設定として使用されます。

/BEFORE[=時刻]

指定した時刻以前の日付のファイルを選択します。 絶対時刻,または絶対時刻とデルタ時間の組み合わせを指定できます。また, BOOT, LOGIN, TODAY, TOMORROW,およびYESTERDAYというキーワードを指定できます。 時刻が指定されていない場合には,TODAYであると解釈されます。 /BACKUP, /CREATED(省略時の設定),/EXPIRED, または /MODIFIED修飾子を /BEFORE修飾子とともに指定して, 選択基準の時刻属性を指定してください。

時刻の指定方法についての詳細は,『OpenVMSユーザーズ・マニュアル』, またはオンライン・ヘルプの DCL_Tips トピック (Date_Time サブトピック) を参照してください。

/BY_OWNER[=uic]

ファイルの利用者識別コード(UIC)が指定した所有者UICと一致するファイルを選択します。 /BY_OWNER修飾子だけを指定しUICを省略した場合には, 現在のプロセスのUICであると解釈されます。

UICを指定する場合には, 『OpenVMS Guide to System Security』に説明されている標準的なUIC形式を使用します。

/CONCATENATE (省略時の設定)
/NOCONCATENATE

出力ファイルのフィールドにワイルドカード文字が使用されていない時に, すべての入力ファイルから1つの出力ファイルを作成するのかどうかを制御します。 /NOCONCATENATE修飾子を指定すると,複数の出力ファイルを作成します。 入力ファイル指定にワイルドカード文字を指定した場合には, すべての入力ファイルを連結した,1つの出力ファイルが作成されます。

Files-11ディスク上構造レベル2のディスクからのファイルを連結する場合には, COPYコマンドは,アルファベット順にファイルを連結します。 ファイル・バージョン・フィールドにワイルドカード文字を指定した場合には, ファイルはバージョン番号の大きい順にコピーされます。 Files-11ディスク上構造レベル1ディスクからのファイルを連結する場合には, ランダムな順序で連結されます。

/CONFIRM
/NOCONFIRM (省略時の設定)

そのファイルに対するCOPY操作の実行を確認するために, 各COPY操作の前に問い合せを行います。 システムがプロンプトを表示したあと,次のいずれかの応答を入力します。

YES NO QUIT
TRUE FALSE Ctrl/Z
1 0 ALL
  [Return]  

応答として単語を入力する場合には, 大文字と小文字を任意に組み合わせることができます。 単語の応答は,1文字または複数の文字 (たとえば,TRUEはT,TR,またはTRU)に短縮できます。 肯定応答は,YES,TRUE,および1です。 否定応答はNO,FALSE,0,および<RET>です。 QUITまたはCTRL/Zは,その時点でコマンドの処理を停止することを示します。 ALLと応答すると,コマンドはプロセスを継続しますが, そのあとプロンプトは表示されなくなります。 上記のリストに含まれていない応答をタイプすると, DCLがエラー・メッセージを出力し,同じプロンプトがもう一度表示されます。

/CONTIGUOUS
/NOCONTIGUOUS

ファイルが連続する物理ディスク・ブロックを使用するかどうかを指定します。 省略時の設定では,COPYコマンドは, 対応する入力ファイルと同じ属性の出力ファイルを作成します。 また,省略時設定では,連続したディスク・ブロックが十分にない場合でも, エラーを報告しません。属性の異なる複数の入力ファイルをコピーする場合には, 出力ファイルは連続した領域にコピーされるとは限りません。 確実に連続した領域にファイルをコピーするためには, /CONTIGUOUS修飾子を使用します。

ファイルをテープに,またはテープからコピーする場合には, /CONTIGUOUS修飾子は無効です。これは,テープ上のファイル・サイズは, ディスクにコピーされるまで判断することができないためです。 テープからファイルをコピーする時に, そのファイルを連続して領域にコピーしたい場合には,COPYコマンドを2度使用します。 つまり,ファイルをテープからコピーするためのCOPYコマンドと, 連続したファイルを作成するためのCOPYコマンドです。

/CREATED (省略時の設定)

/BEFOREまたは/SINCE修飾子で指定された時刻の属性を指定します。 /CREATED修飾子は,作成日をもとにファイルを選択します。 この修飾子は,/BACKUP修飾子,/EXPIRED修飾子, および/MODIFIED修飾子とともに使用することはできません。 これらの修飾子も時刻属性によってファイルを選択します。 これら4つの修飾子のいずれも指定されない場合には, /CREATED修飾子が省略時の設定として使用されます。

/EXCLUDE=(ファイル指定[,...])

指定するファイル(1つまたは複数)と一致するファイルを, COPY操作から除外することを指定します。 ファイル指定にディレクトリを含むことは可能ですが,装置を含むことはできません。 ファイル指定にワイルドカード文字(*と%)を使用できます。 しかし特定バージョンを除外するために相対バージョン番号を使用することはできません。 1つのファイルだけを指定する場合には,括弧を省略できます。

/EXPIRED

/BEFOREまたは/SINCE修飾子で指定された時刻の属性を指定します。 /EXPIRED修飾子は,満了日をもとにファイルを選択します (満了日は,SET FILE/EXPIRATION_DATEコマンドで設定できます)。 この修飾子は,/BACKUP修飾子,/CREATED修飾子, および/MODIFIED修飾子と同時に指定することはできません。 これらの修飾子も時刻属性によってファイルを選択します。 これら4つの修飾子のいずれも指定されない場合には, /CREATED修飾子が省略時の設定として使用されます。

/EXTENSION=n

ファイルが拡張されるたびに出力ファイルに追加される,ブロック数を指定します。 /EXTENSION修飾子を指定しない場合には,出力ファイルの省略時の拡張属性は, 対応する入力ファイルの拡張属性によって決定されます。

/LOG
/NOLOG (省略時の設定)

COPYコマンドが, コピーされた各ファイルのファイル情報を表示するか否かを制御します。

/LOG修飾子を指定するとCOPYコマンドは, 各コピー操作を実行するたびに次の情報を表示します:

/MODIFIED

/BEFOREまたは/SINCE修飾子で指定された時刻の属性を指定します。 /MODIFIED修飾子は,最後に変更された日付をもとにファイルを選択します。 この修飾子は,/BACKUP修飾子,/CREATED修飾子, および/EXPIRED修飾子と同時に指定することはできません。 これらの修飾子も時刻属性によってファイルを選択します。 これら4つの修飾子のいずれも指定されない場合には, /CREATED修飾子が省略時の設定として使用されます。

/OVERLAY
/NOOVERLEY (省略時の設定)

ファイルに新しい領域を割り当てるのではなく, 入力ファイルのデータを既存の出力ファイルにコピーして, 既存のデータを上書きすることを要求します。 ディスク上のファイルの物理的な位置は変更されません。 ただし,RMS索引順編成ファイルと相対編成ファイルでは, 出力ファイルに入力ファイルよりも少ないブロックしか割り当てられていない場合には, EMS-E-EOFエラーでコピーは失敗します。

ファイル構造を持たない装置に出力ファイルが書き込まれる場合には, /OVERLAY修飾子は無視されます。

/PROTECTION=(所有区分[:アクセス・コード][,...])

出力ファイルに対して適用される保護を定義します。

出力ファイルが存在する場合には,指定されていない保護属性は, そのファイルの現在の保護設定から適用されます。 出力ファイルが存在しない場合には,現在の省略時の保護設定が使用されます。

保護コードの指定についての詳細は,『OpenVMS Guide to System Security』 を参照してください。

/READ_CHECK
/NOREAD_CHECK (省略時の設定)

入力ファイルの各レコードが正しく読みとられたかどうかを確認するために, 指定した入力ファイルの各レコードを,2回ずつ読み取ることを要求します。

/REPLACE
/NOREPLACE (省略時の設定)

出力ファイルと同じファイル指定のファイルが既に存在する場合には, 既存のファイルが削除されることを要求します。 COPYコマンドは,出力ファイルに対して新しい領域を割り当てます。一般に, /REPLACE修飾子を使用する場合には,ファイル指定にバージョン番号まで指定します。 省略時設定では,同じファイル指定のファイルがすでに存在する場合には, COPYコマンドはバージョン番号が1だけ大きな新しいバージョンのファイルを作成します。 /NOREPLACE修飾子が指定されている場合には, 同じバージョン番号のファイルが存在すると,エラーとなります。

/SINCE[=時刻]

指定された時刻以後の日付のファイルを選択します。 絶対時刻,または絶対時刻とデルタ時間の組み合わせを指定できます。また, BOOT, LOGIN, TODAY,TOMORROW,およびYESTERDAYというキーワードを指定できます。 時刻が指定されていない場合には,TODAYであると解釈されます。 /BACKUP, /CREATED (省略時の設定),/EXPIRED,または /MODIFIED修飾子を /SINCE修飾子と同時に指定して,選択基準の時刻属性を指定してください。

時刻の指定方法についての詳細は,『OpenVMSユーザーズ・マニュアル』, またはオンライン・ヘルプの DCL_Tips トピック (Date_Time サブトピック) を参照してください。

/STYLE=キーワード

表示するファイル名の書式を指定します。

この修飾子のキーワードはCONDENSEDおよびEXPANDEDです。 意味は次の表のとおりです。

キーワード 説明
CONDENSED
(省略時の設定)
ファイル名を255文字長の文字列に適合するように表示します。 このファイル名の場合,ファイル指定にDIDあるいはFID短縮形を含むことが可能です。
EXPANDED ファイル名をディスクに格納されているとおりに表示します。 このファイル名の場合,ファイル指定にDIDあるいはFID短縮形は含みません。

キーワードCONDENSEDとEXPANDEDを同時に指定することはできません。 このコマンドは,確認が要求された場合に,出力メッセージに表示されるファイル名の書式を指定します。

EXPANDEDキーワードが指定されていない場合,ファイル・エラーはCONDENSEDファイル指定で表示されます。

詳細は『OpenVMS Extended File Specificationsの手引き』を参照してください。

/TRUNCATE (省略時の設定)
/NOTRUNCATE

COPYコマンドが, コピー時に出力ファイルをエンド・オブ・ファイル(EOF)で切り捨てるかどうかを制御します。 この操作は順編成ファイルにのみ使用できます。

省略時の設定では,出力ファイルのサイズは入力ファイルの実際のサイズで決定されます。 /NOTRUNCATEを指定すると,出力ファイルのサイズは入力ファイルの占有サイズで決定されます。

/VOLUME=n

マルチボリューム・セットの指定された相対ボリューム番号に, 出力ファイルを登録することを要求します。 省略時設定では,ファイルは,マルチボリューム・セットの任意の位置に作成されます。

/WRITE_CHECK
/NOWRITE_CHECK (省略時の設定)

レコードが正しくコピーされ, そのファイルをあとで正しく読み込むことができるかどうかを確認するために, 出力ファイルにレコードを書き込んだあと, 出力ファイルの各レコードを読み込むことをCOPYコマンドに要求します。

注意

TK50テープ・ドライブのようなハードウェア装置では, これらのハードウェア機能の一部として,データの一貫性をチェックします。 これらの装置では,/WRITE_CHECKを使用する必要はありません。 どの装置が自動書き込みチェックを提供しているかについては, 使用しているハードウェアのドキュメントを参照してください。


  1. $ COPY TEST.DAT NEWTEST.DAT
    
    このCOPYコマンドは, 省略時のディスクおよびディレクトリからTEST.DATというファイルの内容を, 同じディスクおよび同じディレクトリのNEWTEST.DATという名前のファイルにコピーします。 NEWTEST.DATという名前のファイルがすでに存在する場合には, 新しいバージョンを作成します。

  2. $ COPY ALPHA.TXT TMP
    $ COPY ALPHA.TXT .TMP
    
    最初のCOPYコマンドは, ALPHA.TXTというファイルをTMP.TXTという名前のファイルにコピーします。 COPYコマンドは, 出力ファイルのファイル・タイプとして入力ファイルのものを使用します。 2番目のCOPYコマンドは,ALPHA.TMPという名前のファイルを作成します。 このCOPYコマンドでは, 入力ファイルの名前を出力ファイルのファイル名として使用します。

  3. $ COPY/LOG TEST.DAT  NEW.DAT;1/REPLACE
    %COPY-I-REPLACED, DBA0:[MAL]NEW.DAT;1 being replaced
    %COPY-S-COPIED, DBA0:[MAL]TEST.DAT;1 copied to DBA0:[MAL]NEW.DAT;1 (1 block)
    
    この例では/REPLACE修飾子を指定して, 出力ファイルの既存のバージョンと新しいファイルを置き換えるよう COPYコマンドに要求しています。COPYコマンドからの最初のメッセージは, 既存のファイルを置き換えたことを示しています。 出力ファイルのバージョン番号は,明示的に指定しなければなりません。 明示的に指定しないとCOPYコマンドは,ファイルNEW.DATの新しいバージョンを作成します。

  4. $ COPY *.COM [MALCOLM.TESTFILES]
    
    この例のCOPYコマンドは,現在の省略時のディレクトリ内で,ファイル・タイプが .COMであるファイルの最新バージョンを, サブディレクトリ[MALCOLM.TESTFILES]にコピーします。

  5. $ COPY/LOG *.TXT *.OLD
    %COPY-S-COPIED, DBA0:[MAL]A.TXT;2 copied to DBA0:[MAL]A.OLD;2 (1 block)
    %COPY-S-COPIED, DBA0:[MAL]B.TXT;2 copied to DBA0:[MAL]B.OLD;2 (1 block)
    %COPY-S-COPIED, DBA0:[MAL]G.TXT;2 copied to DBA0:[MAL]G.OLD;2 (4 blocks)
    %COPY-S-NEWFILES, 3 files created
    
    この例のCOPYコマンドは,ファイル・タイプが.TXTであるファイルの最新バージョンを, 新しいファイルにコピーします。新しいファイルのファイル名は, 既存のファイルのファイル名と同じです。ただしファイル・タイプは.OLDです。 COPYコマンドからの最後のメッセージは, 新たに3つのファイルが作成されたことを示しています。

  6. $ COPY/LOG  A.DAT,B.MEM C.*
    %COPY-S-COPIED, DBA0:[MAL]A.DAT;5 copied to DBA0:[MAL]C.DAT;11 (1 block)
    %COPY-S-COPIED, DBA0:[MAL]B.MEM;2 copied to DBA0:[MAL]C.MEM;24 (58 records)
    %COPY-S-NEWFILES, 2 files created
    
    2つの入力ファイル指定はコンマで区切られています。 出力ファイル指定のアスタリスク(*)ワイルドカード文字は, 2つの出力ファイルを作成することを指定しています。 各コピー操作においてCOPYコマンドは,入力ファイルのファイル・タイプを使用して, 出力ファイルのファイル・タイプを決めます。

  7. $ COPY/LOG *.TXT TXT.SAV
    %COPY-S-COPIED, DBA0:[MAL]A.TXT;2 copied to DBA0:[MAL]TXT.SAV;1 (1 block)
    %COPY-S-APPENDED, DBA0:[MAL]B.TXT;2 appended to DBA0:[MAL]TXT.SAV;1 (3 records)
    %COPY-S-APPENDED, DBA0:[MAL]G.TXT;2 appended to DBA0:[MAL]TXT.SAV;1 (51 records)
    %COPY-S-NEWFILES, 1 file created
    
    この例のCOPYコマンドは, ファイル・タイプが.TXTであるすべてのファイルの最新バージョンを, TXT.SAVという1つのファイルにコピーします。 最初の入力ファイルがコピーされた後,COPYコマンドは, 他の入力ファイルはその出力ファイルに追加されることを示すメッセージを表示します。

    この例で/NOCONCATENATE修飾子を使用すると, COPYコマンドは各入力ファイルに対して1つずつTXT.SAVを作成します。 各TXT.SAVファイルは,バージョン番号が異なります。

  8. $ COPY MASTER.DOC DBA1:[BACKUP]
    
    この例のCOPYコマンドは, ファイルMASTER.DOCの最新バージョンを装置DBA1にコピーします。 ディレクトリ[BACKUP]にMASTER.DOCという名前のファイルがない場合は, COPYコマンドは入力ファイルのバージョン番号を出力ファイルに割り当てます。 このコマンドを実行するためには, 装置DBA1上の[BACKUP]ディレクトリへの書き込み(W)アクセス権が必要です。

  9. $ COPY SAMPLE.EXE DALLAS::DISK2:[000,000]SAMPLE.EXE/CONTIGUOUS
    
    この例のCOPYコマンドは,ローカル・ノードにあるファイルSAMPLE.EXEを, 遠隔ノードDALLAS上のSAMPLE.EXEにコピーします。 /CONCATENATE修飾子が指定されているので, 出力ファイルは物理的に連続したディスク領域に作成されます。 このコマンドを実行するためには, 遠隔ノードDALLASの装置DISK2への書き込み(W)アクセス権が必要です。

  10. $ COPY *.* PRTLND::*.*
    
    このCOPYコマンドは, ローカル・ノードのユーザ・ディレクトリ内にあるすべてのファイルを, PRTLNDという遠隔ノードにコピーします。 新しいファイルには,入力ファイルと同じ名前が与えられます。 このコマンドが正しく機能するには, PRTLNDという遠隔ノードの省略時のディレクトリに対して, 書き込み(W)アクセス権が必要です。

  11. $ COPY BOSTON::DISK2:TEST.DAT;5
    _To: DALLAS"SAM SECReturn"::DISK0:[MODEL.TEST]TEST.DAT/ALLOCATION=50
    
    このCOPYコマンドは,ノードBOSTONのDISK2という装置のTEST.DAT;5というファイルを DALLASという遠隔ノードのTEST.DATという名前の新しいファイルにコピーします。 /ALLOCATION修飾子は,ノードDALLASのTEST.DATという新しいファイルに対して, 最初に50ブロックを割り当てます。遠隔ディレクトリをアクセスするために, "SAM SECReturn"というアクセス制御文字列を使用しています。

  12. $ MOUNT   TAPED1:   VOL025   TAPE:
    $ COPY  TAPE:*.*   *
    
    この例でMOUNTコマンドは,ラベルがVOL025であるボリュームを, 磁気テープ装置TAPED1にマウントし,その装置に論理名TAPEを割り当てるよう指定しています。

    COPYコマンドは,入力ファイル指定に論理名TAPEを使用して, 磁気テープ上のすべてのファイルを, 現在の省略時のディスクおよびディレクトリ上にコピーするよう要求しています。 コピーされたファイルはすべて,ファイル名とファイル・タイプを保持します。

  13. $ ALLOCATE CR:
      _CR1: ALLOCATED
    $ COPY CR1: CARDS.DAT
    $ DEALLOCATE CR1:
    
    この例のALLOCATEコマンドは,排他的なカード・リーダの使用を要求しています。 ALLOCATEコマンドからの応答は,カード・リーダCR1の装置名を示しています。

    カード・リーダを占有したら,カードのデックをリーダに入れ, 入力ファイルとしてカード・リーダを指定して COPYコマンドを入力できます。 COPYコマンドはカードをファイルCARDS.DATに読み込みます。 カード・デックの終端(EOF)は, EOFカード(12-11-0-1-6-7-8-9 overpunch)により示されていなければなりません。

    DEALLOCATEコマンドは,カード・リーダを解放します。

  14. $ COPY [MACKRILL]MONKEY.DIR [PAINTER]
    $ COPY [MACKRILL.MONKEY]*.* [PAINTER.MONKEY]*.*
    
    この例では,COPYコマンドを用いて, [PAINTER]MONKEY.DIRディレクトリ・ファイルとして登録される新しい空のディレクトリ [PAINTER.MONKEY]を作成します。 COPYコマンドで [PAINTER]MONKEY.DIRディレクトリ・ファイルを作成したら, [PAINTER.MONKEY]ディレクトリ上にファイルをコピーあるいは作成できます。

    例中の2番目のCOPYコマンドは, [MACKRILL.MONKEY]ディレクトリから[PAINTER.MONKEY]ディレクトリにファイルをコピーします。

  15. $ COPY [MACKRILL]CATS.DIR [MACKRILL]DOGS.DIR
    
    この例では,COPYコマンドを用いて, 新しい空のファイル[MACKRILL]DOGS.DIRを作成します。 [MACKRILL]CATS.DIRファイルと同じ属性を持つディレクトリ・ファイルを作成するには, このCOPYコマンドを使用してください。 以下のコマンドを入力しても,同じ結果が得られます。
         $ CREATE/DIRECTORY [MACKRILL.DOGS]
    

  16. $ COPY [MACKRILL]TIGER.DIR [MACKRILL.ANIMALS]
    $ COPY [MACKRILL.TIGER]*.* [MACKRILL.ANIMALS.TIGER]*.*
    $ DELETE [MACKRILL.TIGER]*.*;*
    $ SET PROTECTION=W=D TIGER.DIR
    $ DELETE TIGER.DIR;
    
    この例ではまず,COPYコマンドを用いて新しい空のディレクトリ・ファイル [MACKRILL.ANIMALS]TIGER.DIRを作成します。 続くコマンドでは,[MACKRILL.TIGER]ディレクトリから [MACKRILL.ANIMALS.TIGER]ディレクトリへファイルをコピーし, さらに元のTIGER.DIRディレクトリを削除します。 TIGER.DIRはディレクトリ・ファイルなので, これを削除する前に,保護コードを削除(D)にしておかなければなりません。


COPY/FTP

FTPユーティリティを起動して, TCP/IP接続経由で異なるファイル・システムを持つホスト間でファイルを転送します。

フォーマット

     COPY/FTP  コピー元ファイル コピー先ファイル 

パラメータ

コピー元ファイル

コピーする既存のファイル(コピー元ファイル)の名前を指定します。

コピー先ファイル

入力ファイルをコピーする先の出力ファイル(コピー先ファイル)の名前を指定します。

説明

COPY/FTPコマンドは,ファイル転送プロトコル(FTP)を使用して, 遠隔ノードからファイルをコピーします。このコマンドが提供するサービスは, FTPのアーキテクチャに基づく機能のサブセットです (提供されるFTPプログラムの使用法については, ベンダのマニュアルを参照してください)。

OpenVMS間の転送

両方のマシンがOpenVMS構造化転送をサポートしている場合, /BINARY,/ASCII,および/FDL修飾子は無視されます。 協調動作するOpenVMS FTPのクライアントとサーバは, 正しいOpenVMS属性を使用して自動的にファイルを転送します。


COPY/FTPでは, 一般に遠隔ファイル指定でアスタリスク・ワイルドカード文字(*)がサポートされています。

修飾子

/ANONYMOUS

単一または複数のノードに匿名アクセスします。 /ANONYMOUSは,省略時の遠隔アクセスです。 遠隔ノードに対するパスワードの形式は, "user@fullyqualifiednodename" でなければなりません。

/ASCII

ASCIIファイル(テキスト・ファイル)を識別するために使用します。 /ASCIIは,省略時の設定です。

/BINARY

バイナリ・ファイルを識別するために必要です。

/FDL

この修飾子はオプションです。FDL (ファイル定義言語)ファイルとの会話を行います。 ローカルなOpenVMSシステムにファイルがコピーされる時は, 遠隔FDLファイルが検索され,ファイル定義が復元されます。 ファイルがローカルなOpenVMSシステムの外にコピーされる時は, 要求したファイルに加え,FDLファイルが作成され,コピーされます。 /FDLが指定されてもベンダのアプリケーションがサポートしていない場合は, 警告メッセージが出力される可能性があります。

/LOG

ファイルが転送された場合,SYS$OUTPUTにメッセージを表示します。

/NOSTRUVMS

STRU OpenVMS転送の試行を明示的に無効にするために使用します。 そうでない場合,サーバによっては試行時に強制終了する可能性があります。

/VERBOSE
/NOVERBOSE

(バナー・メッセージを含む) すべてのメッセージが端末に表示されるかどうかを指定します。 省略時の設定では,メッセージの表示を禁止します。

  1. $ COPY/FTP/FDL/ANON rms_indexed_file.idx -
    _$ remotehst5::"/public/rms.idx.file"
    
    この例では,TCP/IP接続を介して, OpenVMS RMSファイルrms_indexed_file.idxからremotehst5上の遠隔ファイルpublic/rms.idx.fileへ転送を行います。 遠隔ノードへのアクセスは匿名で行われ,FLDファイルが作成され, rms_indexed_file.inxとともにコピーされます。

  2. $ COPY/FTP/VERBOSE sys$login:login.com -
        xdelta.zko.dec.com"username password"::sys$login:login.tmp
    
    この例では,TCP/IP接続を介して, OpenVMS RMSファイルsys$login:login.comから遠隔ファイルsys$login:login.tmpへ, 遠隔システムのユーザ名とパスワードを指定して転送を行います。

  3. $ COPY/FTP/LOG boston"SMITH REDROSES"::DKA0$:[SMITH]RESULTS.LOG
    _To: grad.uq.edu.au"JONES BYRONBAY"::DKA200$:[JONES.DATA]
    
    この例では,COPY/FTPコマンドで, BOSTONノード上のユーザ・アカウントSMITHおよびパスワードREDROSESを指定してDKA0$:[SMITH]RESULTS.LOGファイルを, UQ.EDU.AUインターネット・ドメイン内のGRADノード上のユーザ・アカウントJONESおよびパスワードBYRONBAYを指定して DKA200$:[JONES.DATA]RESULTS.LOGへ転送を行います。


COPY/RCP

RCPユーティリティを起動して,TCP/IP接続経由で,ホスト間でファイルをコピーします。

フォーマット

     COPY/RCP  コピー元ファイル コピー先ファイル 

パラメータ

コピー元ファイル

コピーする既存のファイル(コピー元ファイル)の名前を指定します。

コピー先ファイル

入力ファイルをコピーする先の出力ファイル(コピー先ファイル)の名前を指定します。

説明

COPY/RCPコマンドは,RCPユーティリティを使用して,遠隔ホストとの間で 1つまたは複数のファイル(またはディレクトリ階層)をコピーします。

TCP/IP用のOpenVMS DCLコマンドは, DECnetネットワーク接続用のDCLコマンドと同じ遠隔ファイル指定書式をサポートしています。 一部のファイル・トランザクション・アプリケーションのインプリメントでは, コピー元ファイルとコピー先ファイルがともに遠隔のファイル指定であるファイル転送がサポートされています。

完全な遠隔ファイル指定形式は,次のとおりです。

     node"username password account"::filename.ext 

ファイルがOpenVMS以外のシステムに存在する場合,ファイル名を二重引用符で囲みます。 たとえば, U32というDIGITAL UNIXノード上の/usr/users/user/Ordersというファイルにアクセスするには, 次のように指定します。

     U32"user password"::"/usr/users/user/Orders"

UNIXシステムは, 大文字と小文字を区別するファイル指定をサポートしていることに注意してください。

修飾子

/AUTHENTICATE

遠隔ノードにアクセスするのに利用される,Kerberous認証を指定します。

/LOG

ファイルが転送されたときに,SYS$OUTPUTにメッセージを表示します。

/PRESERVE

ファイルの保護コードを保持します。

/RECURSIVE

ザブディレクトリのコピーを要求します。

/TRUNCATE=USERNAME

ユーザ名を8文字で切り捨てます。

/USERNAME=ユーザ名

遠隔ユーザ名を指定する,オプションの修飾子です。省略時の操作では, ローカル端末のユーザ名と同じユーザ名を用いて,遠隔システムにログインします。 このコマンドは, /USERNAMEの値として引用符号に囲まれたパラメータをサポートします。

  1. $ COPY/RCP local_file.c remotehst4"Smith smpw"::rem_file.c
    
    この例では,TCP/IP接続を介して, local_file.cを遠隔ホスト上の rem_file.c へコピーします。


CREATE

順編成ディスク・ファイル,または順編成ファイルを作成します。

フォーマット

     CREATE  ファイル指定[,...] 

パラメータ

ファイル指定[,...]

作成する1つまたは複数の入力ファイルの名前を指定します。 ワイルドカード文字は使用できません。 ファイル名,またはファイル・タイプを省略しても CREATEコマンドからは省略時の設定は与えられないため, ファイル名やファイル・タイプは,空文字列になります。 既存のファイル名を指定した場合には,新しいバージョンが作成されます。

説明

CREATEコマンドは,新しい順編成ディスク・ファイルを作成します。会話型モードでは, コマンド行の入力後に入力する行は,新しく作成されるファイルのレコードになります。 ファイル入力を終了するには,Ctrl/Zを押します。

コマンド・プロシージャ・ファイルからCREATEコマンドを入力する場合, システムは,レコードの最初の位置がドル記号($)になるまで, コマンド・プロシージャ・ファイル以降のすべてのレコードを新しいファイルに読み込みます。 ファイル入力は,レコードの最初の位置がドル記号になるか, コマンド・プロシージャの終了とともに終了します。

CREATEコマンドで既存のファイル指定を使用すると, 新しく作成されるファイルのバージョン番号は, 同じ指定を持つ既存ファイルより大きいバージョン番号になります。

CREATEコマンドを使用して論理名サーチ・リストにファイルを作成すると, ファイルは論理名変換で生成された最初のディレクトリだけに作成されます。

通常,出力ファイルの所有者は,出力ファイルの作成者と同じです。ただし, 拡張特権を持つ利用者が出力ファイルを作成すると,所有者は親ディレクトリの, または出力ファイルの前バージョンの所有者になります。

拡張特権には,次の特権が含まれます。

修飾子

/LOG
/NOLOG (省略時の設定)

コマンド実行として作成される新しい各ファイルのファイル指定を表示します。

/OWNER_UIC=uic

自分のUICと異なるUICを指定するためには,SYSPRV(システム特権)特権が必要です。

作成するファイルの所有者の利用者識別コード(UIC)を指定します。 UICは,『OpenVMSユーザーズ・マニュアル』に説明されている, 標準的なUIC形式を使用して指定します。

/PROTECTION=(所有区分[:アクセス・コード][,...])

ファイルに適用される保護を定義します。

各アクセス・カテゴリの値を指定しない場合や,/PROTECTION修飾子を省略すると, CREATEコマンドは,指定されていない各カテゴリごとに以下の保護を適用します。

ファイルが既に存在している 適用される保護
Yes 既存ファイルの保護
No 現在の省略時の保護


注意

アクセスを指定しないでファイルを作成しようとすると, そのファイルにはシステムの省略時のRMS保護値が適用されます。 アクセスを指定しないファイルを作成するには, SET SECURITY/PROTECTIONコマンドを使用してください。


保護コードの指定についての詳細は,『OpenVMS Guide to System Security』 を参照してください。

/VOLUME=n

各ファイルが, マルチボリューム・セットの指定された相対ボリューム番号に作成されます。 省略時の設定では, ファイルは,マルチボリューム・セットの任意の場所に作成されます。

  1. $ CREATE MEET.TXT
    John, Residents in the apartment complex will hold their annual
    meeting this evening.  We hope to see you there, Regards, Elwood
    [Ctrl/Z]
    
    省略時のディレクトリにテキスト・ファイルMEET.TXTを作成します。 このテキスト・ファイルには,Ctrl/Zが入力されるまでの行が入っています。

  2. $ CREATE A.DAT, B.DAT
    Input line one for A.DAT...
    Input line two for A.DAT...
       .
       .
       .
    
    [Ctrl/Z]
    
    Input line one for B.DAT...
    Input line two for B.DAT...
       .
       .
       .
    
    [Ctrl/Z]
    $
    
    ターミナルからCREATEコマンドを入力した後では, システムはCTRL/Zによって最初の入力を終了するまで, A.DATという順編成ファイルに入力行を読み込みます。 次の入力データは,B.DATという2番目のファイルに入力されます。 この場合も,CTRL/Zにより入力は終了します。

  3. $ FILE = F$SEARCH("MEET.TXT")
    $ IF FILE .EQS. ""
    $ THEN CREATE MEET.TXT
      John, Residents in the apartment complex will hold their annual
      meeting this evening.  We hope to see you there, Regards, Elwood
    $ ELSE TYPE MEET.TXT
    $ ENDIF
    $ EXIT
    
    この例では, 省略時のディスクとディレクトリにファイルMEET.TXTがあるかどうか検索します。 ファイルが存在しなければ, CREATEコマンドを使って MEET.TXT というファイルを作成します。


CREATE/DIRECTORY

1つまたは複数の,新しいディレクトリまたはサブディレクトリを作成します。 /DIRECTORY修飾子は省略できません。

第1レベル・ディレクトリを作成する場合は, マスタ・ファイル・ディレクトリ(MFD)への書き込み(W)アクセス権が必要です。 システム・ボリュームでは,一般にSYSTEMユーザか,SYSPRV特権または BYPASS特権を持つユーザのみがMFDへの書込みアクセス権を持っています。

サブディレクトリを作成しようとするディレクトリへの書込み(W)アクセス権が必要です。

フォーマット

     CREATE/DIRECTORY  ディレクトリ指定[,...] 

パラメータ

ディレクトリ指定[,...]

作成する1つまたは複数のディレクトリ, あるいはサブディレクトリの名前を指定します。 装置名(およびコロン[:])を指定することもできます。 省略時の設定は,現在の省略時のディレクトリです。 ワイルドカード文字は使用できません。サブディレクトリを作成する場合には, ディレクトリ・レベルの各名前をピリオド(.)で区切ります。

1つのCREATE/DIRECTORYコマンドで, 一連のネスティングしたサブディレクトリを作成できます。 たとえば,コマンドの入力時には[a.b]も[a]も存在しない場合でも, [a.b.c]というサブディレクトリを作成することが可能です。 各サブディレクトリは,最上位レベルから順に下位レベルへ作成されます。

説明

CREATE/DIRECTORYコマンドは,新規にディレクトリとザブディレクトリを作成します。 新しい第1レベルのディレクトリを作成するには, 特殊な特権が必要です(上記の制限を参照)。一般に各利用者は, そのディレクトリにザブディレクトリを作成するための特権は持っています。 ディレクトリ間を移動するには,SET DEFAULTコマンドを使用します。

修飾子

/ALLOCATION=n

この修飾子は,ファイル-11およびODS-2ボリュームだけに適用します。 指定したディレクトリに割り当てる初期ブロック数を指定します。 省略時の設定では,割り当ては1ブロックです。

この修飾子は,MAIL.DIR;1などの大きなディレクトリを作成するのに便利です。 後に必要となる,ディレクトリの動的拡張をしなくて済むため性能が向上します。

/LOG
/NOLOG (省略時の設定)

CREATE/DIRECTORYコマンドが各ディレクトリを作成したあと, 作られた各ディレクトリを表示するか否かを制御します。

/OWNER_UIC=オプション

自分以外のユーザ識別コード(UIC)を指定するには, SYSPRV(システム特権)特権が必要です。

作成されているディレクトリを所有する利用者識別コード(UIC)を指定します。 省略時の設定は,作成者のUICです。UICの指定位置にキーワードPARENTを指定すると, 一段上の親ディレクトリのUICがコピーされます。 特権を持ったユーザがサブディレクトリを作成する場合,省略時の設定では, 親ディレクトリ(トップ・レベルディレクトリの場合はMFD) の所有者がそのディレクトリの所有者となります。 ディレクトリの作成時に/OWNER_UIC修飾子を指定しない場合には, このコマンドは,次に示すように所有者を割り当てます。

UICは,『OpenVMSユーザーズ・マニュアル』に説明されている標準的な UIC形式を使用して指定してください。

/PROTECTION=(所有区分[:アクセス・コード][,...])

ディレクトリに適用される保護を定義します。

省略時の保護は,親ディレクトリ(一段上のディレクトリ, またはトップ・レベル・ディレクトリのマスタ・ディレクトリ) の保護から削除(D)アクセスを除いたものです。

第1レベル・ディレクトリを作成している場合には, その1つ上のレベルのディレクトリは,MFDです(MFDの保護は, INITIALIZEコマンドによって設定されます)。

保護コードの指定についての詳細は,『OpenVMS Guide to System Security』 を参照してください。

/VERSION_LIMIT=n

ディレクトリに存在できるファイルのバージョン数を指定します。 ここで指定した制限を超えると,最小バージョンが自動的に削除されます。 /VERSION_LIMIT=0と指定する場合には,バージョン・リミットは設定されません。 指定できるバージョンの最大数は,32,767です。 省略時の設定では,親ディレクトリ(1つ上のレベルのディレクトリ) に対して設定されているバージョン数が使用されます。

バージョン・リミットの設定を変更すると,新しいリミットは, 設定が変更されたあとで作成されたファイルに対してだけ適用されます。 変更する前に作成されたファイルの新しいバージョンに対しては, 前のバージョン・リミットが適用されます。

/VOLUME=n

ディレクトリ・ファイルを, マルチボリューム・セットの内の指定された相対ボリューム番号に書き込むことを要求します。 /VOLUME修飾子を省略した場合には,ファイルは, マルチボリューム・セットの中の任意の場所に書き込まれます。

  1. $ CREATE/DIRECTORY/VERSION_LIMIT=2 $DISK1:[ACCOUNTS.MEMOS]
    
    この CREATE/DIRECTORYコマンドは, MEMOSというサブディレクトリを$DISK1という装置上のACCOUNTSディレクトリに作成します。 このディレクトリには,2つを越えるバージョンのファイルは保持できません。

  2. $CREATE/DIRECTORY/PROTECTION=(SYSTEM:RWED,OWNER:RWED,GROUP,WORLD) -
    _$[KONSTANZ.SUB.HLP]
    
    このCREATE/DIRECTORYコマンドは, VAX上で[KONSTANZ.SUB.HLP]という名前のサブディレクトリを作成します。 このディレクトリの保護は,システムと所有者には,読み込み(R),書き込み(W), 実行(E),削除(D)を許しますが,グループおよびびワールドには, すべてのアクセスを禁じています。

  3. $ CREATE/DIRECTORY DISK2:[GOLDSTEIN]
    
    このCREATE/DIRECTORYコマンドは, [GOLDSTEIN]というディレクトリをDISK2という装置上に作成します。 第1レベル・ディレクトリを作成するためには,特別の特権が必要です。

  4. $ CREATE/DIRECTORY [HOFFMAN.SUB]
    $ SET DEFAULT [HOFFMAN.SUB]
    
    このCREATE/DIRECTORYコマンドは, [HOFFMAN.SUB]という名前のサブディレクトリを作成します。 このディレクトリ・ファイルは,[HOFFMAN]という名前のディレクトリに登録されます。 SET DEFAULT [HOFFMAN.SUB]コマンドは, 現在の省略時のディレクトリをこのサブディレクトリに変更します。 したがって,このあと作成されるファイルはすべて,[HOFFMAN.SUB]に登録されます。

  5. $ CREATE/DIRECTORY [BOAEN.SUB1.SUB2.SUB3]
    
    この例では,トップ・レベル・ディレクトリ[BOAEN]と, 3つのサブディレクトリ([BOAEN.SUB1], [BOAEN.SUB1.SUB2]と[BOAEN.SUB1.SUB2.SUB3])を作成しています。


CREATE/FDL

FDLファイルの指定を使用して新しい空のデータ・ファイルを作成するために, Create/FDLユーティリティ(CREATE/FDL)を起動します。/FDL修飾子は省略できません。

Create/FDLユーティリティについての詳細は, 『OpenVMS Record Management Utilities Reference Manual』 あるいはオンライン・ヘルプを参照してください。

フォーマット

     CREATE/FDL= FDLファイル指定[ファイル指定] 


CREATE/NAME_TABLE

新しい論理名テーブルを作成します。/NAME_TABLE修飾子は省略できません。

フォーマット

     CREATE/NAME_TABLE  テーブル名 

パラメータ

テーブル名

作成する論理名テーブルの名前を指定します。 テーブル名は1文字から31文字までの長さで,使用できる文字は,英数字, ドル記号($),およびアンダースコア(_)です。入力されたテーブル名は, プロセス・ディレクトリ論理名テーブル(LNM$PROCESS_DIRECTORY), またはシステム・ディレクトリ論理名テーブル(LNM$SYSTEM_DIRECTORY)のいずれかに, 論理名として登録されます。

説明

CREATE/NAME_TABLEコマンドは新しい論理名テーブルを作成します。 そのテーブルがプロセス固有のものであれば, テーブル名はLNM$PROCESS_DIRECTORYディレクトリ・テーブルに格納されます。 共有可能なのもである場合には, LNM$SYSTEM_DIRECTORYディレクトリ・テーブルに格納されます。

すべての新テーブルは親テーブルを持ち, 親テーブルによって新テーブルがプロセス固有のものか共有可能なものかが決まります。 プロセス固有のテーブルを作成するには, /PARENT_TABLE修飾子を使用してプロセス固有テーブル (プロセス・ディレクトリ・テーブル)の名前を指定します。 共有可能なテーブルを作成するには,親テーブルを共有可能テーブルとして指定します。

親テーブルを明示的に指定しない場合には,CREATE/NAME_TABLEコマンドは, 親テーブルがLNM$PROCESS_DIRECTORYであるプロセス固有テーブルを作成します。 つまり,テーブル名はプロセス・ディレクトリに入れられます。

すべてのテーブルにはサイズ・クォータがあります。 このクォータは,テーブルの潜在的な成長を押さえるか, またはテーブルのサイズが仮想的には無制限であることを示すことがあります。 /QUOTA修飾子についての記述で,クォータの指定方法が説明されています。

作成するテーブルのアクセス・モードの指定には,/USER_MODE, /SUPERVISOR_MODE,または/EXECUTIVE_MODE修飾子を使用します。 これらの修飾子を1つ以上指定した場合には,最後に指定した修飾子だけが有効です。 アクセス・モードを指定しない場合には, スーパバイザ・モードのテーブルが作成されます。

論理名テーブルの削除には,DEASSIGNコマンドを使用します。 この時,削除するテーブルの名前を指定し, /TABLE修飾子にテーブルの名前が入れられたディレクトリ・テーブルを指定します。

論理名テーブルについての詳細は,『OpenVMSシステム管理者マニュアル』 を参照してください。

修飾子

/ATTRIBUTES[=(キーワード[,...])]

論理名テーブルの属性を指定します。 キーワードを1つだけ指定する場合には,括弧を省略できます。 /ATTRIBUTES修飾子を指定しない場合には,属性は設定されません。

属性に対しては,次のキーワードを指定できます。

CONFINE テーブルが, SPAWNコマンドによって生成されたサブプロセスにコピーされないことを指定します。 このキーワードは, プロセスに固有な論理名テーブルを作成している場合にだけ使用できます。 CONFINE属性を持つテーブルが作成されると,そのテーブルに登録される名前はすべて, CONFINE属性をもちます。
NO_ALIAS より特権の低いアクセス・モードでは, 現在のディレクトリに同じ名前(論理名または論理名テーブルの名前) を登録できないことを指定します。NO_ALIASを指定しない場合には, そのテーブルには,より特権の低いアクセス・モードをもつ同じ名前を,「別名」 としてつけることができます。 NO_ALIAS属性を持つテーブルの作成時に,同じモード,またはより特権の低いモードで, 同じ名前がその論理名ディレクトリ・テーブルにすでに存在する場合には, この名前は削除されます。
SUPERSEDE 既存のテーブルと同じ名前,同じアクセス・モード, および同じディレクトリ・テーブルの新しいテーブルを指定する場合には, 既存のテーブルを削除し,新しいテーブルを作成することを指定します。 同じ名前のテーブルがすでに存在するかどうかとは無関係に, 新しいテーブルは必ず作成されます(SUPERSEDE属性を指定しない場合には, 既存のテーブルが存在すれば,新しいテーブルは作成されません)。

/LOG修飾子を指定した場合や,/LOG修飾子に対する省略時の設定を使用した場合には, 結果を示すメッセージが表示されます。

/EXECUTIVE_MODE

SYSNAM(システム理論名)特権が必要です。

エグゼクティブ・モードの論理名テーブルを作成します。 エグゼクティブ・モードの論理名テーブル作成時にSYSNAM特権を持たない場合には, スーパバイザ・モードの論理名テーブルが作成されます。

/LOG (省略時の設定)
/NOLOG

SUPERSEDE属性が指定されている場合や, 同じテーブルがすでに存在していてもSUPERSEDE属性が指定されていない場合に, コマンドの結果を示す情報メッセージを表示するか否かを制御します。 省略時の設定は/LOGで,つまり情報メッセージが表示されます。

/PARENT_TABLE=テーブル

親テーブルに対する作成(C)アクセス権とシステム・ディレクトリへの書き込み(W)アクセス権か, またはSYSNAM特権が必要です。

親テーブルの名前を指定します。親テーブルは, 作成するテーブルが固有のものなのか共有可能なものなのかを決定します。 親テーブルを指定しない場合には, 省略時のテーブルとしてLNM$PROCESS_DIRECTORYが使用されます。 共用可能テーブルの親テーブルは,LNM$SYSTEM_DIRECTORYです。 親テーブルは, 作成するテーブルと同じかそれよりも高いアクセス・モードでなければなりません。

/PROTECTION=(所有区分[:アクセス・コード][,...])

共有可能テーブルに適用される保護を定義します。

保護コードの指定についての詳細は, 『OpenVMS Guide to System Security』を参照してください。

/PROTECTION修飾子は,共有可能論理名テーブルに対してだけ適用されます。 プロセス固有の論理名テーブルには,適用されません。

/QUOTA=バイト数

論理名テーブルの上限サイズをバイト数で指定します。 新しいテーブルに登録される各論理名のサイズは,この上限値から計算されます。 新しいテーブルのクォータは,親テーブルのクオータ・ホルダから静的に減算されます。 親テーブルのクォータ・ホルダは, テーブル階層を上向きにたどった際に出会う最初の論理名テーブルであり, クォータの明示値とクォータ・ホルダを持っています。 /QUOTA修飾子を指定しない場合や,/QUOTA=0を指定する場合には, 親テーブルのクォータ・ホルダが作成するテーブルのクォータ・ホルダとなり, 新しいテーブルに論理名が登録される度に,動的に領域が減らされます。 論理名からは空白文字が取り除かれます。/QUOTA修飾子を指定しない場合や, /QUOTA=0を指定する場合には,テーブルは無制限のクォータを持ちます。

/SUPERVISOR_MODE (省略時の設定)

スーパバイザ・モードの論理名テーブルを作成します。 モードを指定しない場合には,スーパバイザ・モードの論理名テーブルが作成されます。

/USER_MODE

ユーザ・モードの論理名テーブルを作成します。 モードを指定しない場合には,スーパバイザ・モードの論理名テーブルが作成されます。

注意

コマンド・プロシージャを起動し終了すると, ユーザ・モード論理名は自動的に削除されます。


  1. $ CREATE/NAME_TABLE TEST_TAB
    $ SHOW LOGICAL TEST_TAB
    %SHOW-S-NOTRAN, no translation for logical name TEST_TAB
    $ SHOW LOGICAL/TABLE=LNM$PROCESS_DIRECTORY TEST_TAB
    
    このCREATE/NAME_TABLEコマンドは,TEST_TABという新しいテーブルを作成します。 何も指定されていないので,テーブル名は省略時の設定によって, プロセス・ディレクトリに登録されます。 最初のSHOW LOGICALコマンドは省略時の設定によって, プロセス・ディレクトリ・テーブルを検索しないため, TEST_TABという名前を見つけることができません。 したがって,プロセス・ディレクトリを検索するために/TABLE修飾子を使用します。

  2. $ CREATE/NAME_TABLE/ATTRIBUTES=CONFINE EXTRA
    $ DEFINE/TABLE=EXTRA MYDISK DISK4:
    $ DEFINE/TABLE=LNM$PROCESS_DIRECTORY LNM$FILE_DEV -
    _$ EXTRA, LNM$PROCESS, LNM$JOB, LNM$GROUP, LNM$SYSTEM
    $ TYPE MYDISK:[COHEN]EXAMPLE1.LIS
    
    この例は,EXTRAという新しい論理名テーブルをCONFINE属性で作成しています。 EXTRAテーブルとその中の論理名は,サブプロセスに引き継がれません。

    次に,論理名MYDISKがテーブルEXTRAに登録されています。 MYDISKをファイル指定に使用するには, テーブルEXTRAがRMSによるファイル解析時に検索されなければなりません。 このため,EXTRAを等価名の1つとして持つプロセス固有の論理名 LNM$FILE_DEV を定義しています(システムは,装置とファイル指定の論理名展開に LNM$FILE_DEV を検索すべきテーブルへのポインタとして使用し,プロセス固有の LNM$FILE_DEV が定義されていれば,システムのそれに優先して使用します)。 LNM$FILE_DEV の定義後は,EXTRA,プロセス・テーブル,ジョブ・テーブル, グループ・テーブル,システム・テーブルの順に検索され, MYDISKをDISK4に展開される等価名としてファイル指定に使用できます。


CREATE/TERMINAL

他のターミナル・タイプをエミュレートするウィンドウを作成します。


注意

現在は,DECtermウィンドウのみがサポートされています。

フォーマット

     CREATE/TERMINAL  [コマンド文字列] 

パラメータ

コマンド文字列

作成するサブプロセスのコンテキストで実行されるコマンド文字列を指定します。 /DETACHまたは/NOPROCESSと同時に指定することはできません。 CREATE/TERMINALコマンドは,SPAWNコマンドと同様に使用できます。

説明

CREATE/TERMINALコマンドは現在のプロセスのサブプロセスを作成します。 サブプロセスの作成時には,プロセス永久ファイルやイメージ, またはプロシージャ・コンテキストは親プロセスからはコピーされません。 サブプロセスは, コマンド・レベル0 (現在のプロンプトのDCLレベル)にセットされます。

/PROCESS修飾子を指定しない場合,サブプロセスの名前は, 親プロセスと同じ名前に一意の数字を加えたものになります。 たとえば,親プロセスの名前がSMITHである場合には, サブプロセスの名前はSMITH_1やSMITH_2等になります。

サブプロセスでは親プロセスのLOGIN.COMは実行されません。これは, サブプロセスの初期化を速く行うために,コンテキストが別々にコピーされるためです。 /WAIT修飾子が指定されると, サブプロセスが終了しATTACHコマンドを使用することで親プロセスに制御が戻るまで, 親プロセスはハイバネート状態になります。

サブプロセスを終了し親プロセスに戻るには,LOGOUTコマンドを使用します。 ATTACHコマンドを使用して, 親プロセスを含むサブプロセス階層構造内の他のプロセスに制御を移すことができます (SHOW PROCESS /SUBPROCESSコマンドを使用すると, サブプロセス階層構造内のプロセスが表示され,現在のプロセスが示されます)。


注意

サブプロセス階層構造はCREATE/TERMINALコマンドを使用して確立されるので, 階層構造内のプロセスを終了する場合には注意しなければなりません。 プロセスの終了時には, 階層構造のその時点より下に位置するすべてのサブプロセスが自動的に終了します。 たとえば,SPAWN/NOWAIT CREATE/TERMINALコマンドは, DECtermウィンドウが作成されるとすぐに終了するサブプロセスを生成します。 このプロセスが終了すると,DECtermウィンドウは消去されます。 したがって, 代わりにSPAWN/NOWAIT CREATE/TERMINAL/WAITコマンドを使用すればプロセスを継続できます。

CREATE/TERMINALコマンドの修飾子は, コマンドの動詞のすぐ後に指定しなければなりません。 コマンド文字列パラメータは最後の修飾子の後に指定し, コマンド行の最後まで続けます。

修飾子

/APPLICATION_KEYPAD

作成するターミナル・ウィンドウをAPPLICATION_KEYPAD属性に設定します。 /APPLICATION_KEYPADと/NUMERIC_KEYPAD修飾子のどちらも指定されない場合は, 親プロセスの設定が引き継がれます (/NUMERIC_KEYPADも参照してください)。

/BIG_FONT

作成するターミナル・ウィンドウの初期化時に, (資源ファイルに指定されたように)ビッグ・フォントを選択するように指定します。 /BIG_ FONT修飾子を/LITTLE_FONT修飾子と同時に指定するとエラーになります。 どちらの修飾子も指定されない場合は, 初期フォントはビッグ・フォントになります。

/BROADCAST
/NOBROADCAST

作成するターミナル・ウィンドウのブロード・キャスト・メッセージを有効にするかどうかを指定します。 省略時の設定は,親プロセスの設定を引き継ぎます。

/CARRIAGE_CONTROL
/NOCARRIAGE_CONTROL

キャリッジ・リターンとライン・フィード文字を, サブプロセスのプロンプト文字列の出力前に出力するかどうかを指定します。 省略時の設定では,CREATE/TERMINALコマンドは親プロセスの設定をコピーします。 /CARRIAGE_CONTROL修飾子は,/NODETACH修飾子の指定時にのみ使用できます。

/CLI=CLIファイル指定
/NOCLI

サブプロセスで使用するコマンド言語インタプリタ(CLI)を指定します。 省略時のCLIは,親プロセスと同じです(SYSUAFに定義されています)。 /CLI修飾子を指定した場合は,親プロセスの属性がサブプロセスにコピーされます。 指定するCLIは,SYS$SYSTEM:に置かれファイル・タイプが EXE であるものでなければなりません。 この修飾子は,/NODETACH修飾子の指定時にのみ使用できます。

/CONTROLLER=ファイル指定

ターミナル・ウィンドウ・コントロール・イメージの名前を指定します。 この名前を指定することで, 基本製品でサポートされていない言語の制御等を行うコントローラとウィンドウを関係付けることができます。 DECtermウィンドウに対する省略時の設定は,SYS$SYSTEM:DECW$TERMINAL.EXEです。 また,装置およびディレクトリの省略時設定はSYS$SYSTEMであり, 省略時のファイル・タイプは.EXEです。

注意

$PARSEが返すファイル名の"name"フィールドを基に, メイル・ボックスの論理名を決定します。 たとえば,"name"フィールドが DECW$TERMINALの場合,メイル・ボックス論理名は, DECW$TERMINAL_MAILBOX_node::0.0 になります。 また,旧バージョンとの互換性のために, DECW$DECTERM_MAILBOX_host::0.0 も同じメイル・ボックスを指すように定義されます。


/DEFINE_LOGICAL=({論理名, TABLE=テーブル名} [,...])

作成する仮想ターミナルの名前を指す論理名を指定します。 リスト形式で,論理名,またはTABLE=に続いて論理名テーブルを指定します。 論理名テーブルを指定した場合は,以降指定される論理名がそのテーブルに登録されます。 省略時の設定は,プロセス論理名テーブルです。

/DETACH
/NODETACH (省略時の設定)

独立プロセスを作成するかサブプロセスを作成するかを指定します。 /DETACH修飾子を使用する(独立プロセスを作成する)場合は, コマンド文字列パラメータを指定できません。

/DISPLAY=ディスプレイ名

ターミナル・ウィンドウが作成されるディスプレイ名を指定します。 このパラメータが省略された場合には,論理名DECW$DISPLAYが使用されます。

/ESCAPE
/NOESCAPE

作成するターミナル・ウィンドウの ESCAPE(エスケープ文字)属性の設定または解除を行います。 省略時には,親プロセスの設定を引き継ぎます。

/FALLBACK
/NOFALLBACK

作成するターミナル・ウィンドウの FALLBACK (フォール・バック文字)属性の設定または解除を行います。 省略時には,親プロセスの設定を引き継ぎます。

/HOSTSYNC (省略時の設定)
/NOHOSTSYNC

作成するターミナル・ウィンドウの HOSTSYNC(ホスト同期)属性の設定または解除を行います。 省略時には,親プロセスの設定を引き継ぎます。

/INPUT=ファイル指定

新プロセスでSYS$INPUTの代わりに使用する入力ファイルまたは装置を指定します。 省略時設定では,作成されるターミナル・ウィンドウが使用されます。 /DETACHと同時に指定しても,指定しなくても使用できます。

/INSERT

作成するターミナル・ウィンドウの行編集機能の省略時設定を,挿入モードにします。 /INSERTも/OVERSTRIKE修飾子も指定されない場合は, 親プロセスの設定が引き継がれます(/OVERSTRIKEも参照してください)。

/KEYPAD (省略時の設定)
/NOKEYPAD

親プロセスのキーパッド定義とキーパッド状態を引き継ぐかどうかを指定します。 /NODETACH修飾子を指定した場合でのみ有効です。

/LINE_EDITING
/NOLINE_EDITING

作成するターミナル・ウィンドウの行編集機能を有効にします。 省略時の設定では,親プロセスの設定が引き継がれます。

/LITTLE_FONT

作成するターミナル・ウィンドウの初期化時に, (資源ファイルに指定されたように)リトル・フォントを選択するように指定します。 /LITTLE_FONT修飾子を/BIG_FONT修飾子と同時に指定するとエラーになります。 どちらの修飾子も指定されない場合は,初期フォントはビッグ・フォントになります。

/LOGGED_IN (省略時の設定)
/NOLOGGED_IN

ユーザ名とパスワードを聞く(/NOLOGGED_IN)か,あるいは自動ログインをする (/LOGGED_IN)かを指定します。/DETACH修飾子とともにのみ使用できます。

/LOGICAL_NAMES (省略時の設定)
/NOLOGICAL_NAMES

作成するターミナル・ウィンドウが, 親プロセスの論理名を引き継ぐかどうかを指定します。 /NODETACH修飾子とともにのみ使用できます。

/NOTIFY
/NONOTIFY (省略時の設定)

作成するターミナル・ウィンドウの終了時に, 親プロセスに対してブロードキャスト・メッセージを送って通知するかどうかを指定します。 /NODETACH修飾子とともにのみ使用できます。

/NUMERIC_KEYPAD

作成するターミナル・ウィンドウを NUMERIC_KEYPAD(数字キーパッド)ターミナル属性に設定します。 /NUMERIC_KEYPADも/APPLICATION_ KEYPAD修飾子も指定されない時は, 親プロセスの設定が引き継がれます(/APPLICATION_KEYPADも参照してください)。

/OVERSTRIKE

作成するターミナル・ウィンドウの行編集機能の省略時設定を,上書きモードにします。 /INSERTも/OVERSTRIKE修飾子も指定されない場合は, 親プロセスの設定が引き継がれます(/INSERTも参照してください)。

/PASTHRU
/NOPASTHRU

作成するターミナル・ウィンドウのPASTHRUターミナル属性を設定または解除します。 省略時には,親プロセスの設定が引き継がれます。

/PROCESS (省略時の設定)
/PROCESS=プロセス名
/NOPROCESS

作成されるプロセスまたはサブプロセスのプロセス名を指定します。 /NOPROCESS修飾子を指定すると,プロセスなしでウィンドウが作成されます。

プロセス名を指定せずに/PROCESS修飾子を指定すると, 親プロセス名に一意の数字を付けた名前が付けられます。 省略時のプロセス名は,ユーザ名_nの形式です。 既存のプロセス名を指定した場合には,エラーになります。 この修飾子は,/DETACHあるいは/NODETACH修飾子とともに指定します。

/PROMPT=プロンプト

作成するターミナル・ウィンドウのプロンプト文字列を指定します。 /NODETACH修飾子とともにのみ使用できます。

/READSYNC
/NOREADSYNC

作成するターミナル・ウィンドウのREADSYNCターミナル属性を設定または解除します。 省略時には,親プロセスの設定が引き継がれます。

/RESOURCE_FILE=ファイル指定

作成するターミナル・ウィンドウが,省略時設定の DECW$USER_DEFAULTS:DECW$TERMINAL_DEFAULT.DATの代わりに使用する, 資源ファイルを指定します。

/SYMBOLS (省略時の設定)
/NOSYMBOLS

サブプロセスが親プロセスのDCLシンボルを引き継ぐかどうかを指定します。 /NODETACH修飾子とともにのみ指定できます。

/TABLE=コマンド・テーブル

サブプロセスが代わりに使用するコマンド・テーブル名を指定します。 /NODETACH修飾子とともにのみ指定できます。

/TTSYNC
/NOTTSYNC

作成するターミナル・ウィンドウのTTSYNCターミナル属性を設定または解除します。 省略時には,親プロセスの設定が引き継がれます。

/TYPE_AHEAD
/NOTYPE_AHEAD

作成するターミナル・ウィンドウのTYPE_AHEADターミナル属性を設定または解除します。 省略時には,親プロセスの設定が引き継がれます。

/WAIT
/NOWAIT

別のDCLコマンド入力前に,サブプロセスの終了を待つかどうかを指定します。 /NOWAIT修飾子を指定すれば,サブプロセスの終了を待たずに次のコマンドを実行できます。 /NODETACH修飾子とともにのみ指定できます。

/WINDOW_ATTRIBUTES=(パラメータ[,...])

作成するターミナル・ウィンドウの初期属性を指定します。 資源ファイルから読み込まれるウィンドウ属性の省略時設定値に優先します。 次のパラメータを指定できます。

パラメータ 説明
BACKGROUND 背景色
FOREGROUND 前景色
WIDTH このパラメータは使われません。COLUMNSを使用してください。
HEIGHT このパラメータは使われません。ROWSを使用してください。
X_POSITION X位置(ピクセル単位)
Y_POSITION Y位置(ピクセル単位)
ROWS ウィンドウの,文字セル単位での行数。
COLUMNS ウィンドウの,文字セル単位での桁数。
INITIAL_STATE ウィンドウの初期状態。ICONまたはWINDOW。
TITLE ウィンドウのタイトル文字列
ICON_NAME ウィンドウのアイコン名
FONT 使用するフォント名。/LITTLE_FONT修飾子を指定するか /LITTLE_FONTも/BIG_FONT修飾子も指定しない場合は, 資源ファイルに設定されているリトル・フォント名に優先します。 その他の場合は,ビッグ・フォント名に優先します。フォント名は,論理名でも, 完全なフォント・セット内のベース・フォントでも構いません。

  1. $ CREATE/TERMINAL=DECTERM/DETACH -
    _$ /DISPLAY=MYNODE::0 -
    _$ /WINDOW_ATTRIBUTES=( -
    _$ ROWS=36, -
    _$ COLUMNS=80, -
    _$ TITLE="REMOTE TERMINAL", -
    _$ ICON_NAME="REMOTE TERMINAL" )
    
    この例では, ノードMYNODE::上にDECtermウィンドウ内に独立プロセスを作成しています。 ウィンドウは36行80桁で, そのタイトルとアイコン名は"Remote terminal"に設定されています。

  2. $ CREATE/TERMINAL=DECTERM -
    $_ /NOPROCESS -
    $_ /DEFINE_LOGICAL=(TABLE=LNM$GROUP,DBG$INPUT,DBG$OUTPUT)
    
    この例では,プロセス名を指定せずにDECtermを作成しています。 独立プロセスのデバッグのため論理名DBG$INPUT, DBG$OUTPUTをグループ論理名テーブルに定義しています(これにはGROUP特権が必要です)。


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