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10 DCLディクショナリ - I -


IF

式の値を評価し,次のように指定された構文に基づいて,コマンドを実行します。

フォーマット

    $ IF   式THEN [$]コマンド

    または

    $ IF   式

    $ THEN   [コマンド]

    コマンド
      .
      .
      .

    $ [ELSE]   [コマンド]

    コマンド
      .
      .
      .

    $ ENDIF 

注意
DCLコマンド名としてすでに使用されているシンボル名を割り当てないでください。 コマンド・プロシージャの実行を妨げる可能性がありますので,IF, THEN, ELSEおよびGOTOのようなシンボルの割り当ては行わないでください。

パラメータ

実行されるテストを定義します。式は,1つまたは複数の数値定数,文字列リテラル, シンボル名,またはレキシカル関数から構成でき,各要素は論理演算子,算術演算子, あるいは文字列演算子で区切ることができます。

IFコマンドに指定する式は,そのコマンドが実行されるときに,自動的に評価されます。 英字から始まる文字列で,引用符で囲まれていない文字列は, すべてシンボル名またはレキシカル関数であると解釈され,IFコマンドは, その文字列を現在の値と置き換えます。

IFコマンドに指定する式のシンボル置換は,反復置換ではありません。 つまり,各シンボルは1回だけしか置き換えられません。 しかし,反復置換が必要な場合には,シンボル名の前に引用符, またはアンパサンドを指定します。

コマンド・インタプリタは,IFコマンドに未定義シンボルが含まれている場合, そのコマンドを実行しません。 この場合,コマンド・インタプリタは,警告メッセージを表示し, プロシージャの次のコマンドを実行します。

演算子のまとめと式の指定方法についての詳細は,『OpenVMSユーザーズ・マニュアル』 を参照してください。

コマンド

式の結果が真または偽の場合, 実行する1つまたは複数のコマンドを構文に従って指定します。

説明

IFコマンドは,式の値をテストして式の結果が真の場合, 指定されたコマンドを実行します。 結果が奇数整数値,文字Y,y,T,またはtで始まる文字列値, または奇数の数値文字列値の場合,式は真になります。

結果が偶数整数値,文字Y,y,T,またはt以外で始まる文字列値, または偶数の数値文字列値の場合,式は偽になります。

  1. $ COUNT = 0
    $ LOOP:
    $ COUNT = COUNT + 1
       .
       .
       .
    $ IF COUNT .LE. 10 THEN GOTO LOOP
    $ EXIT
    
    この例は,COUNTというシンボル名とIFステートメントを使用して, コマンド・プロシージャ内でループを設定する方法を示しています。 IFステートメントはCOUNTの値を調べ, COUNTの値が10より大きくなったときに,EXITコマンドを実行します。

  2. $ IF P1 .EQS. "" THEN GOTO DEFAULT
    $ IF (P1 .EQS. "A") .OR. (P1 .EQS. "B") THEN GOTO 'P1'
    $ WRITE SYS$OUTPUT "Unrecognized parameter option ''P1' "
    $ EXIT
    $ A:       !  Process option a
     .
     .
     .
    $ EXIT
    $ B:       !  Process option b
     .
     .
     .
    $ EXIT
    $ DEFAULT: !  Default processing
     .
     .
     .
    $ EXIT
    
    この例は,パラメータが渡されたどうかを調べるコマンド・プロシージャです。 GOTOコマンドは,パラメータで指定されたラベルへ制御を移します。

    プロシージャがパラメータで実行されると, プロシージャはそのパラメータを使用して分岐先のラベルを決めます。 次に例を示します。

    @TESTCOM A
    
    

    上記のプロシージャを実行した場合,ラベルAへ分岐します。 EEXITコマンドは,ラベルBの手前でプロシージャを終了することに注意してください。

  3. $  SET NOON
     .
     .
     .
    $  LINK CYGNUS,DRACO,SERVICE/LIBRARY
    $ IF $STATUS
    $ THEN
    $  RUN CYGNUS
    $ ELSE
    $   WRITE SYS$OUTPUT "LINK FAILED"
    $ ENDIF
    $ EXIT
    
    このコマンド・プロシージャは, SET NOONコマンドでエラー・チェックを無効にしています。LINKコマンド実行後, IFコマンドは予約済みのグローバル・シンボル$STATUSの値をテストします。 $STATUSの値がLINKコマンドの正常終了を示す場合は, 次にプログラムCYGNUSを実行します。LINKコマンドがエラー状態値を返した場合は, コマンド・プロシージャはメッセージを出力して終了します。


INITIALIZE

ディスクまたは磁気テープ・ボリュームをフォーマットしたり, ボリュームにラベルを書き込んだりします。 また,構造情報を持つシステム・ファイルを除き,ディスクを空にします。 ディスクの以前の内容はすべて失われます。

INITIALIZEコマンドの大部分の操作には, VOLPRO (ボリューム保護)特権が必要です。

フォーマット

     INITIALIZE  装置名[:] ボリューム・ラベル 

パラメータ

装置名[:]

初期化するボリュームを物理的にマウントする装置の名前を指定します。

この時点で装置を割り当てる必要はありません。 ただし,初期化の前には割り当てるようにしてください。

ボリューム・ラベル

ボリュームでエンコードするIDを指定します。 ディスク・ボリュームの場合は,ANSI文字を12文字まで指定できます。 磁気テープ・ボリュームの場合は,英数字を6つまで指定できます。 文字は自動的に大文字に変換されます。 ディスク・ボリューム・ラベルは,英数字,ドル記号($),アンダスコア(_), およびハイフン(-)だけで構成することをおすすめします。

磁気テープのボリューム・ラベルにANSI a文字を使用するには, ボリューム名を二重引用符(" ")で囲まなければなりません。 ANSI a文字についての詳細は,/LABEL修飾子の説明を参照してください。

説明

OpenVMSオペレーティング・システムでのディスク・ボリュームの省略時の設定の形式は, Files-11オンディスク構造レベル2と呼ばれています。 磁気テープ・ボリュームの省略時の設定の形式は, 磁気テープ・ラベルとファイル構造に関する情報交換用の ANSI規格Level 3 (ANSI X3.27-1978)に基づいています。

INITIALIZEコマンドを使用して, Files-11オンディスク構造レベル1形式でディスク・ボリュームを初期化することもできます。

ボリュームを初期化するにはVOLPRO特権が必要です。 ただし次のボリュームを初期化するする場合は,VOLPRO特権は必要ありません。

ボリュームを初期化してマウントした後に, SET SECURITYコマンドを使用して機密保護プロファイルを変更できます。

磁気テープ・ボリュームを初期化する場合は常に, INITIALIZEコマンドはボリュームに対して読み込みを行います。 磁気テープが空の場合は,次のような回復不可能なエラーを検出することがあります。

上記のような回復不可能なエラーが発生した場合に, 磁気テープを正常に初期化するためには, VOLPRO (ボリューム保護)特権を持つアカウントから, 次の修飾子を指定してINITIALIZEコマンドを各磁気テープに対して繰り返し実行します。

     /OVERRIDE=(ACCESSIBILITY,EXPIRATION) 

この修飾子を指定するとINITIALIZEコマンドは, 磁気テープのラベルをチェックしなくなります。

VOLPRO特権を持っている場合, INITIALIZEコマンドは所有権情報を読み込まずにディスクを初期化します。 VOLPRO特権を持っていない場合は, ディスク・ボリュームを初期化する前にその所有権を調べます。 ディスクが空の場合,または形式が誤っている場合は, 回復不可能なドライブ・エラーが発生することがあります。 空のディスクまたは誤った形式のディスクによって回復不可能なドライブ・エラーが発生した場合は, VOLPRO特権を持つアカウントから, /DENSITY修飾子を指定して INITIALIZEコマンドを各磁気テープに対して実行すると, ディスクを正常に初期化できます。

ほとんどのINITIALIZEコマンド修飾子には, 入出力(I/O)効率を最大にするパラメータを指定できます。

修飾子

/ACCESSED=ディレクトリ数

Files-11オンディスク構造レベル1ディスクにだけ有効です。

ディスク・ボリュームに対して, システム空間で作成できるディレクトリ数を 0〜255の範囲で指定します。 省略時の設定の値は3です。

/BADBLOCKS=(領域[,...])

ディスク・ボリュームに対して,ボリュームの不良領域を指定します。 INITIALIZEコマンドは,この領域を割り当て済みとしてマークして, データを書き込めないようにします。

領域の指定に使用できる形式は,次のとおりです。

lbn[:数] 割り当て済みとしてマークする,最初のブロックの論理ブロック番号(LBN), または,最初のブロックから数えたブロック数(省略可能)。
sec.trk.cyl[:数] 割り当て済みとしてマークする,最初のブロックのセクタ,トラック, シリンダ,または,最初のブロックから数えたブロック数(省略可能)。

弊社が提供し,OpenVMSオペレーティング・システムでサポートしている媒体は, ディスクとTU58カートリッジを除いて, すべて工場出荷時にフォーマットされていますが, 不良ブロック・データが含まれています。 Bad Block Locatorユーティリティ(BAD)または診断フォーマッタEVRACを使用して, 不良ブロック・データをリフレッシュしたり, 不良ブロック・データをマークしたりできます (ただし,ディスクとTU58カートリッジを除きます)。/BADBLOCKS修飾子は, ボリュームの不良ブロック・データとして識別できない不良ブロックを指定する場合にだけ必要です。

DIGITAL Storage Architecture(DSA)ディスク (たとえば,UDA-50やHSC50制御装置に接続されているディスク)では, 不良ブロックが制御装置によって処理されるため, ファイル・システムからは,論理的には不良ブロックは存在しないように見えます。

BADを実行する方法については,『OpenVMS Bad Block Locator Utility Manual』 を参照してください。

/CLUSTER_SIZE=ブロック数

ディスク・ボリュームに対して,最小割り当て単位をブロック数で定義します。 1つのボリュームに指定できる最大のサイズは,そのボリュームの1/100です。

Files-11オンディスク構造レベル5ディスク(ODS-5)の場合, 省略時のクラスタ・サイズは3です。この場合最小の値は,次の式から計算できます。


  (ブロック数で表わしたディスク・サイズ)/(65535 * 4096)

端数は整数値に切り上げなければなりません。

Files-11オンディスク構造レベル2ディスク(ODS-2)の場合, クラスタ・サイズの省略時の設定は,ディスク容量によって異なります。 ディスク容量が50,000ブロックより小さいディスクでは,省略時の設定は1です。 ディスク容量が50,000ブロックより大きいディスクでは,省略時の設定は, 3あるいは次の式によって求められる値以上です。


    (ブロック数で表わしたディスク・サイズ)/(255 * 4096)

端数は整数値に切り上げなければなりません。

Files-11オンディスク構造レベル1ディスク(ODS-1)の場合, クラスタ・サイズは常に1にしなければなりません。


注意
V7.2では, ODS-2の計算式で求められる値よりも小さな値をODS-2ボリュームのクラスタ・サイズに指定することができます。 しかし, このボリュームをV7.2よりも前のバージョンを稼動しているシステムでマウントしようとした場合, 次のエラーが表示されてマウントが中断します。
  %MOUNT-F-FILESTRUCT, unsupported file structure level

Files-11オンディスク構造レベル2(ODS-2)ディスクの初期化時に省略時の値を選択した場合, そのディスクはOpenVMSの前のバージョンでマウントすることができます。


/DATA_CHECK[=(オプション[,...])]

ディスクでの読み込みと書き込みの操作をすべてチェックします。 省略時の設定では,データ・チェックは行われません。 次のオプションのいずれか,または両方を指定します。

READ 読み込み操作をすべてチェックします。
WRITE 書き込み操作をすべてチェックします。 /DATA_CHECK修飾子だけを指定した場合の省略時の設定です。

ディスクの初期化時に指定したチェック方法に従いたくない場合は, MOUNTコマンドで/DATA_CHECK修飾子を指定してボリュームをマウントします。

/DENSITY=記録密度

/DENSITY修飾子は,テープ装置TFには適用できません。

指定できる記録密度は次のとおりです。

キーワード 意味
DEFAULT 省略時の密度
800 NRZI 800 BPI
1600 PE 1600 BPI
6250 GRC 6250 BPI
3480 IBM 3480 HPC 39872 BPI
3490E IBM 3480圧縮
833 DLT TK50: 833 BPI
TK50 DLT TK50: 833 BPI
TK70 DLT TK70: 1250 BPI
6250 RV80 6250 BPI EQUIVALENT
注意:上記のキーワードはOpenVMS V7.2よりも前のTMSCP/TUDRIVER コードでのみ有効です。
TK85 DLT Tx85: 10625 BPI - Cmpt III
TK86 DLT Tx86: 10626 BPI - Cmpt III
TK87 DLT Tx87: 62500 BPI - Cmpt III
TK88 DLT Tx88: (Quantum 4000) - Cmpt IV
TK89 DLT Tx89: (Quantum 7000) - Cmpt IV
QIC すべてのQIC 装置は装置設定のみ
8200 Exa-Byte 8200
8500 Exa-Byte 8500
DDS1 Digital Data Storage 1 - 2G
DDS2 Digital Data Storage 2 - 4G
DDS3 Digital Data Storage 3 - 8- 10G
DDS4 Digital Data Storage 4
AIT1 Sony Advanced Intelligent Tape

RXnnディスク・ドライブでディスクをフォーマットするには, INITIALIZE/DENSITYコマンドを使用します。次のように記録密度を指定して, ディスクをフォーマットします。

キーワード 意味
single RX01 - 8インチ
double RX02 - 8インチ
dd 倍密度: 720K - 3 1/2インチ
hd 高密度: 1.44MB - 3 1/2インチ
ed 拡張高密度: 2.88MB - 3 1/2インチ

ドライブで初期化するディスクに記録密度を指定しない場合は, そのボリュームが最後にフォーマットされたときの密度のままになります。


注意
倍密度でフォーマットしたディスクは,単密度で再フォーマットしない限り, VAX-11/780のコンソール・ブロック記憶装置(RX01ドライブ) では読み込みまたは書き込みができません。

RX33ディスクは,RX50ディスク・ドライブでは読み込みまたは書き込みができません。 RX50ディスクは,RX33ディスク・ドライブで読み込みと書き込みができます。 しかし,RX33ディスク・ドライブでフォーマットはできません。


磁気テープ・ボリュームに対しては, 磁気テープが書き込まれる密度を 1インチあたりのビット数(bpi)で指定します。

磁気テープ・ボリュームの場合は, (これらの記録密度が磁気テープ・ドライブによってサポートされている限り) 記録密度として800bpi,1600bpi,または6250bpiを指定できます。 空の磁気テープに記録密度を指定しない場合,システムは, テープ・ドライブで使用できる省略時の密度の最大値を使用します。 ドライブで6250bpi,1600bpi,および800bpiの操作ができる場合, 省略時の設定の密度は6250bpiになります。 書き込みが行われていた磁気テープに記録密度を指定しない場合,システムは, ボリューム内の最初のレコードの密度を使用します。 最初のレコードが極端に短い場合,そのレコードの密度は使用されません。

/DIRECTORIES=エントリ数

この修飾子の効果は,ディスク構造によって異なります。

エントリ数は,16 〜 16000 の整数でなければなりません。 省略時の設定の値は 16 です。

/ERASE
/NOERASE (省略時の設定)

削除されたデータを上書きして物理的に消去します。 初期化の前に,ボリューム上での機密保持のためのデータの消去(DSE)操作を制御します。 /ERASE修飾子は,Files-11オンディスク構造レベル 2ディスク・ボリュームおよび ANSI磁気テープ・ボリュームに使用でき, ハードウェア消去機能をサポートするTU78やMSCP磁気テープなどに有効です。

/ERASE修飾子を指定すると,ボリュームでDSE操作が実行されます。 ディスク装置の場合は,ERASEボリューム属性が設定されます。 つまりボリュームの各ファイルは,削除と同時にデータも実際に消去されます。

DSE操作にかかる時間は,ボリューム・サイズによって異なります。通常, INITIALIZE/ERASEコマンドは,INITIALIZE/NOERASEコマンドよりも時間がかかります。

/EXTENSION=ブロック数

ディスク・ボリュームに対して, ボリューム上のすべてのファイル用の省略時の設定の拡張サイズとして使用するブロック数を指定します。 更新時に,ファイルのサイズがはじめの省略時の設定の割り当てより大きくなると, 拡張サイズの省略時の設定が使用されます。 Files-11オンディスク構造レベル2ディスクの場合, ブロック数パラメータの値には,0〜65,535の値を指定します。 省略時の設定の値は5です。Files-11オンディスク構造レベル1ディスクの場合, この値には 0〜255の値を指定します。

ファイルに対して異なる拡張サイズが設定されてなく,プロセスに対して SET RMS_DEFAULTコマンドを使用して省略時の設定の拡張サイズが設定されていない場合に限り, OpenVMSオペレーティング・システムは, 省略時の設定のボリューム拡張サイズを使用します。

/FILE_PROTECTION=コード

Files-11オンディスク構造レベル1ディスクにだけ有効です。

ディスク・ボリュームに対して, ボリューム内のすべてのファイルに適用されるファイル保護の省略時の設定を定義します。

『OpenVMS Guide to System Security』 に説明されている標準の構文規則に従って,コードを指定します。 属性を何も指定しない場合は,ファイル保護の現在の省略時の設定が適用されます。

OpenVMSシステムでボリュームを使用している場合,この属性は使用されませんが, RSX-11Mシステムでは,属性を使用してプロセスによるボリュームの使用を制御できます。 OpenVMSシステムは常に,省略時の設定のファイルの保護を使用します。 省略時の設定のファイル保護を変更するには, SET PROTECTION/DEFAULTコマンドを使用します。

/GROUP

/NOSHARE修飾子とともに使用して,グループ・ボリュームを作成します。 グループ・ボリュームは,システム(S),オーナ(O), およびグループ(G)の各ユーザがアクセスできます。 保護は,(S:RWCD,O:RWCD,G:RWCD,W)です。

ボリューム所有者の利用者識別コード(UIC)は, ユーザのグループ番号とメンバ番号0を省略時の設定にします。

/HEADERS=ヘッダ数

ディスク・ボリュームに対して, 索引ファイル用に割り当てるファイル・ヘッダ数を指定します。 指定できる最小値および省略時の設定の値は16です。 最大値は,/MAXIMUM_FILES修飾子を使用して設定する値です。

この修飾子は,多くのファイルを作成した際, ファイル・ヘッダの領域の割り当ての効率を上げるのに有用です。 この修飾子を指定しない場合,ファイル・システムは, ボリュームの新しいヘッダに必要なスペースを動的に割り当てます。


注意
/HEADER修飾子の省略時の設定の値は通常,ODS-2ディスクには不十分です。 性能を向上させてSYSTEM-F-HEADERFULLエラーを回避するには, ディスクにあるおおよそのファイル数を予想して,その値に設定してください。 ただし,この値を極端に多く見積もると,ディスク領域を浪費する結果になります。


/HEADER修飾子は,INDEXF.SYSに最初に割り当てられるヘッダの領域の量を制御します。 ディスク上の各ファイルにはファイル・ヘッダが少なくとも1つ必要で, ヘッダはそれぞれINDEXF.SYS内の1つのブロックを占有します。 多数のアクセス制御リスト・エントリ(ACE)を持つファイル, または非常に細かく断片化されているファイルには, 2つ以上のヘッダを使用することもあります。

省略時の設定の値の16は,INDEXF.SYSが拡張される前に, 作成される10未満のファイル用の空間を確保するためのものです。 それを考慮した上で,ディスクに作成するファイルの合計数を見積もって, この修飾子に指定してください。これによってディスク・アクセス性能が向上します。 この値を多く見積もると,ディスク領域を浪費する結果になります。 この値は,ボリュームを再初期化しないと変更できません。

INDEXF.SYSを拡張できる回数は制限されています。 ヘッダのマップ領域(検索ポインタが格納されている場所)がいっぱいになると, ファイルの作成は失敗し,"SYSTEM-W-HEADERFULL" というメッセージが表示されます。

/HIGHWATER (省略時の設定)
/NOHIGHWATER

Files-11オンディスク構造レベル2ディスクにだけ有効です。

ファイルのハイウォータ・マーク(FHM)のボリューム属性を設定します。 これによって,まだ何も書き込まれていないデータについては, 読み込みができないことを保証します。 磁気テープに対して,/NOHIGHWATER修飾子は指定できません。

/NOHIGHWATER修飾子は,ディスク・ボリュームのFHMを無効にします。

/HOMEBLOCKS=オプション

この修飾子は,Files-11 ODS-2ボリュームにのみ適用されます。

この修飾子を使用して,ボリュームのホームブロック, およびホームブロックのコピーを,ディスク上のどこに置くかを指定します。 オプションには,次のいずれか1つを指定します。

/INDEX=位置

ボリュームのディレクトリ構造に関する索引ファイルの記憶位置を指定します。 指定できる位置は,次のとおりです。

BEGINNING ボリュームの先頭。
MIDDLE ボリュームの中間(省略時の設定)。
END ボリュームの終わり。
BLOCK:n 論理ブロックの先頭をnで指定します。

/INTERCHANGE

磁気テープを,他ベンダーの環境でも使用することを指定します。 /INTERCHANGE修飾子は,ANSI VOL2ラベルを省略します。 OpenVMS環境では,ANSI VOL2ラベルにはOpenVMS固有の機密保護属性が含まれています。

/INTERCHANGE修飾子,磁気テープのラベリング, およびテープのインターチェンジについての詳細は, 『OpenVMSシステム管理者マニュアル(上巻)』を参照してください。

/LABEL=オプション

オプションで指定したように,磁気テープ・ボリューム・ラベルの特性を定義します。 指定できるオプションを次に示します。

  • OWNER_IDENTIFIER:"(14のANSI文字)"

    ボリューム・ラベルの所有者識別子フィールドを指定できます。 指定されるフィールドには,14文字までのANSI文字を使用できます。

  • VOLUME_ACCESSIBILITY:"文字"

    ANSI磁気テープ上にあるOpenVMS ANSIボリューム・ラベルVOL 1の, ボリューム・アクセス可能フィールドに書き込まれる文字を指定します。 任意の有効なANSI a文字を指定できます。 数字,大文字,および次の英数字以外の文字も指定できます。

      ! " % ' ( ) * + , - . / : ; < => ?
    

    省略時の設定では,OpenVMSオペレーティング・システムは, 次の方法でこのフィールドをチェックするルーチンを提供します。

    • 磁気テープがANSI規格のVersion 3に対応するバージョンの OpenVMSオペレーティング・システムで作成されている場合は, ASCIIスペース以外の文字をすべて上書きする必要があります。

    • 保護が指定されていて,磁気テープがVersion 3以降の ANSI規格に対応している場合は, ASCII 1以外の文字をすべて上書きする必要があります。

    省略時の設定以外の任意の文字を指定する場合, 磁気テープにアクセスするためには,INITIALIZEおよびMOUNTコマンドに /OVERRIDE=ACCESSIBILITY修飾子を指定しなければなりません。

/MAXIMUM_FILES=n

ボリュームが持つことのできるファイルの最大数を設定します。 /MAXIMUM_FILES修飾子は,省略時の設定の値を上書きします。 省略時の設定の値は,次の式から計算できます。


    (ボリュームのブロック数)/((クラスタの要素の数 + 1) * 2)

ボリュームに指定できる最大サイズは,次の式から計算できます。


    (ボリュームのブロック数)/(クラスタの要素の数 + 1)

最小値は0です。 最大値を変更するためには,ボリュームを再初期化する必要があります。


注意
/MAXIMUM_FILES修飾子は, ボリューム上に新しいファイル・ヘッダ用のスペースを予約したり, 作成したりしません。ファイル・システムは, 新しいヘッダに必要なスペースを動的に割り当てます。


/MEDIA_FORMAT=[NO]COMPACTION

データの圧縮をサポートする装置で, データ・レコードの自動圧縮と自動ブロック化を行うかどうかを制御します。 データの圧縮とレコードのブロック化を行うと, 1つのテープ・カートリッジに格納できるデータ量が増えます。

あるカートリッジでデータの圧縮や非圧縮を選択すると, カートリッジ全体にその指定が適用されます。

/OVERRIDE=(オプション[,...])

重ね書きされないように保護された磁気テープ・ボリュームのデータを無視するように INITIALIZEコマンドに要求します。次のオプションの1つまたは複数を指定できます。

ACCESSIBILITY 磁気テープ専用。初期化しようとしているボリュームの場合に,このオプションは, ボリュームのAccessibilityフィールドにある任意の文字を上書きします。 このオプションの使用は,インストールによって定義されます。 つまり,各インストールには, 磁気テープ・ファイル・システムがこのフィールドの処理に使うルーチンを指定するオプションがあります。 省略時の設定では,OpenVMSは, 次の方法でこのフィールドをチェックするルーチンを提供します。 磁気テープがANSI規格のVersion 3に対応するバージョンの OpenVMSで作成されている場合は,このオプションを使用して, ASCIIスペース以外の文字をすべて上書きする必要があります。 保護が指定されていて,磁気テープがVersion 3以降のANSI規格に対応している場合は, このオプションを使用して,ASCII 1以外の文字をすべて上書きする必要があります。 ACCESSIBILITYオプションを使用するには,VOLPRO特権を持っているか,または, そのボリュームの所有者でなければなりません。
EXPIRATION 磁気テープ専用。まだ満了日に達していないテープに書き込むことができます。 このオプションを実行する必要があるのは, VAX/VMSバージョン4.0より前の弊社のオペレーティング・システムで作成され, ボリュームの所有者識別子フィールドにD%形式を指定している磁気テープです。 ボリューム保護を上書きするには,VOLPRO特権を持っているか, または,INITIALIZEコマンドを実行しているUICが, そのボリュームに書き込まれているUICと一致している必要があります。
OWNER_IDENTIFIER ボリューム・ラベルの所有者識別子フィールドの処理を上書きできます。

オプションを1つだけ指定する場合は,括弧を省略できます。

/PROTECTION修飾子を指定して初期化されたボリュームを再初期化するためには, INITIALIZEコマンドを実行しているUICが, そのボリュームに書き込まれているUICと一致しているか, またはVOLPRO特権を持っている必要があります。

制御アクセス権を持っている場合は,/PROTECTIONを指定して, 初期化されたボリュームを再初期化できます。

/OWNER_UIC=uic

ボリュームの所有者の利用者識別コード(UIC)を指定します。 省略時の設定は,使用しているユーザの省略時の設定のUICです。 『OpenVMS Guide to System Security』に説明されている標準のUIC形式に従って, UICを指定します。

磁気テープの場合は,磁気テープに保護が指定されないと,UICが書き込まれません。 保護が指定されて所有者UICが指定されない場合は, 現在実行中のUICにボリュームの所有権が割り当てられます。

/PROTECTION=(所有権[:アクセス][,...])

ボリュームに指定した保護を適用します。

省略時の設定は,ユーザの省略時の設定の保護です。 /GROUP,/SHARE,および /SYSTEM修飾子を使用して, ディスク・ボリュームの保護を設定することもできます。

磁気テープの場合は, ボリューム・ラベルのOpenVMS固有の部分に保護コードが書き込まれます。 システムは,読み込み(R)と書き込み(W)のアクセス制約だけを適用します。 作成(C)および削除 (D)のアクセスを指定しても無効です。 さらに,システムとオーナには,指定した保護コードにかかわらず, 磁気テープに対する読み込み(R)と書き込み(W)のアクセスが与えられます。

保護コードの指定についての詳細は,『OpenVMS Guide to System Security』 を参照してください。 属性を指定しない場合は,現在の省略時の設定の保護が適用されます。

ディスク・ボリューム全体に対する保護コードでは,E(実行)は作成を意味します。

/SHARE (省略時の設定)
/NOSHARE

すべての複数のユーザ(システム,オーナ,グループ,ワールド)によって, すべての種類のアクセスを許可します。 /NOSHARE修飾子は,(/GROUP修飾子がともに指定されていない限り)グループ, およびワールドのユーザのプロセスへのアクセスを拒否します。

/SIZE=n

使用できるメモリから割り当てられるDECramディスク(装置タイプDT$_RAM_DISK)のサイズを指定します。 装置のサイズはディスクの初期化時に指定されます。

領域の割り当てを解除するには,/SIZE=0を指定します。 DECramディスクのために割り当てられていたすべての資源は,システムに戻されます。

nは,VAXシステムあるいはV2.3よりも前のバージョンの DECram のいずれかでは, 524,280ブロックを越えることができないことに注意してください。 Alpha システムで動作している DECram V2.3では,67,108,864ブロック(32GB) までをサポートしています。

/STRUCTURE=レベル

ボリュームをフォーマットする場合に,Files-11 オンディスク構造レベル 1,レベル 2 (省略時の設定), レベル 5 のいずれの形式を使用するかを指定します。

構造レベル 1 では,修飾子 /DATA_CHECK および /CLUSTER_SIZE について互換性がありません。 構造レベル 1 のディスクの省略時の設定の保護では, システム,オーナ,およびグループにはフル・アクセス, 他のすべてのユーザには読み込み (R) アクセスを許可します。

Alpha システムは Files-11 オンディスク構造レベル 1 のディスクをサポートしていないため, Alpha システムで 1 を指定すると,エラーが発生します。 VAX システムは構造レベル 5 のディスクをサポートしていないため, VAX システムで 5 を指定すると,エラーが発生します。

構造レベル 5 (ODS-5) のディスクについての詳細は, 『OpenVMS Extended File Specificationsの手引き』 を参照してください。

/SYSTEM

システムUICまたはSYSPRV(システムに関する特権)特権が必要です。

システム・ボリュームを定義します。所有者UICの省略時の設定は,[1,1]です。 省略時の設定の保護では, システム・プロセスだけが最上位ディレクトリを作成できる点を除いて, すべての所有権カテゴリにフル・アクセスを許可します。

/USER_NAME=名前

ボリュームに対応するユーザ名を指定します。 ここで指定するユーザ名は1〜12文字の英数字でなければなりません。 省略時の設定は,使用しているユーザのユーザ名です。

/VERIFIED
/NOVERIFIED

ディスクに不良ブロック・データがあるかどうかを指定します。 /NOVERIFIED修飾子を使用すると,ディスクの不良ブロック・データは無視されます。 省略時の設定は,4096以上のブロックを持つディスクには/VERIFIED修飾子, 4096未満のブロックを持つディスクには/NOVERIFIED修飾子です。

/WINDOWS=n

ファイル・ウィンドウに割り当てられるマッピング・ポインタ (ファイル内のデータへのアクセスに使用)の数を指定します。 7〜80の整数の値を指定します。省略時の設定の値は7です。

  1. $ INITIALIZE/USER_NAME=CPA $FLOPPY1 ACCOUNTS
    
    $FLOPPY1のボリュームを初期化して,そのボリュームに ACCOUNTというラベルをつけ, さらにCPAというユーザ名を指定します。

  2. $ ALLOCATE DMA2:  TEMP
      _DMA2: ALLOCATED
    $ INITIALIZE  TEMP:  BACK_UP_FILE
    $ MOUNT  TEMP:  BACK_UP_FILE
    %MOUNT-I-MOUNTED, BACK_UP_FILE mounted on _DMA2:
    $ CREATE/DIRECTORY  TEMP:[GOLDSTEIN]
    
    上記の一連のコマンドは,RK06/RK07ボリュームを初期化する方法を示します。 まず装置が割り当てられて,他のユーザはアクセスできないようになります。 次に,ボリュームが装置に物理的にマウントされ, INITIALIZEコマンドによって初期化されます。ボリュームが初期化された後, MOUNTコマンドによりファイル構造が使用できるようになります。 ボリュームにファイルを配置するには,その前にCREATE/DIRECTORYコマンドを使用して, ディレクトリを作成しなければなりません。

  3. $ ALLOCATE MT:
      _MTB1:  ALLOCATED
    $ INITIALIZE MTB1:  SOURCE
    $ MOUNT MTB1:  SOURCE
    %MOUNT-I-MOUNTED, SOURCE mounted on _MTB1:
    $ COPY *.FOR  MTB1:
    $ DIRECTORY MTB1:
       .
       .
       .
    $ DISMOUNT MTB1:
    
    上記のコマンドは,磁気テープを初期化するのに必要な手順を示しています。 ドライブを割り当てたら,そのドライブに磁気テープを挿入し, INITIALIZEコマンドを使用してそこにラベルSOURCEを書き込みます。 次に,MOUNTコマンドで磁気テープをマウントして, ファイルの書き込みができるようにします。

  4. $ BACKUP filespec MUA0: ... /MEDIA_FORMAT=NOCOMPACTION-
    _$/REWIND
    
    この例では,圧縮とレコードのブロック化を禁止して,BACKUPテープを作成します。


INITIALIZE/QUEUE

キューの作成または初期化を行います。 このコマンドを使用してキューを作成し,名前とオプションを割り当てます。 バッチ・キューの作成には,/BATCH修飾子が必要です。

キューの作成にはOPER (オペレータ)特権, キューの変更には管理(M)アクセス権が必要です。

フォーマット

     INITIALIZE/QUEUE  キュー名[:] 

パラメータ

キュー名[:]

実行キューまたは汎用キューの名前を指定します。 キュー名には,1〜31の文字列を使用します。 文字列には,大文字と小文字の英文字,数字,ドル記号($), アンダスコア(_)を使用できます。 ただし,英文字を少なくとも1つ含めなければなりません。

説明

キューを作成するか,または終了している既存のキューのオプションを変更するには, INITIALIZE/QUEUEコマンドを使用します。

システムまたはOpenVMS Clusterシステムをセットアップするときに, 必要なINITIALIZE/QUEUEコマンドを実行して, 出力キューとバッチ・キューを作成します。後から, 必要に応じてINITIALIZE/QUEUEコマンドを使用して, キューを作成して追加することができます。 INITIALIZE/QUEUEコマンドでキューを作成すると, キューについての情報がキュー・データベースに格納されます。

キューの作成と起動を同時に行う場合は, INITIALIZE/QUEUE/STARTコマンドを使用します。 キューの作成だけを行い,別の時にそれを起動する場合は, INITIALIZE/QUEUEコマンドだけを実行します。 後からSTART/QUEUEコマンドを入力すると,キュー起動できます。

INITIALIZE/QUEUE,START/QUEUE, およびSET QUEUEコマンドによってキュー・オプションを変更できます。 キュー・オプションを変更すると, キュー・データベース内のキューに関する情報が更新されます。

INITIALIZEおよびSTARTコマンドは,終了したキューに対してのみ使用できます。 動作中のキューのオプションを変更するには,SET QUEUEコマンドを使用します。 SET QUEUEコマンドで変更できないキュー・オプションを変更するには, 次の手順にしたがってください。

  1. STOP/QUEUE/NEXTコマンドでキューを終了します。

  2. START/QUEUEまたはINITIALIZE/QUEUE/STARTコマンドを使用してキューを再起動し, 必要なオプションに合わせて適切な修飾子を指定します。

    指定しない修飾子はすべて,以前にキューの初期化,起動, または設定を行ったときのままです。

既存のキューを初期化しても, そのキューに登録されている現在処理中のジョブは削除されません。 新しいINITIALIZE/QUEUEコマンドによって設定された新しいキューの設定はすべて, キューで待機中のすべてのジョブ, またはこれからキューに登録されるジョブに作用します。 キューの終了時に,キューで実行中のジョブはすべて,古い設定で実行されます。

次の修飾子は,汎用キューと実行キューで使用できます。

/OWNER_UIC
/PROTECTION
/[NO]RETAIN
/[NO]START
/NAME_OF_MANAGER

次の修飾子は,すべての実行キューで使用できます。

/AUTOSTART_ON
/BASE_PRIORITY
/[NO]CHARACTERISTICS
/[NO]ENABLE_GENERIC
/[NO]NO_INITIAL_FF
/ON
/WSDEFAULT
/WSEXTENT
/WSQUOTA

次の修飾子は,バッチ実行キューにのみ使用できます。

/CPUDEFAULT
/CPUMAXIMUM
/[NO]DISABLE_SWAPPING
/JOB_LIMIT

次の修飾子は,プリンタ,端末,またはサーバの各実行キューにのみ指定できます。

/[NO]BLOCK_LIMIT
/[NO]DEFAULT
/FORM_MOUNTED
/[NO]LIBRARY
/[NO]PROCESSOR
/[NO]RECORD_BLOCKING
/[NO]SEPARATE

キューのタイプ

キューには,いくつかのタイプがあります。 キューは,汎用キューと実行キューの2つに分類できます。 実行キューにジョブが送られると,ジョブはそのキューで実行され, 汎用キューでは実行されません。 汎用キューは,実行キューで実行されるジョブを保留します。

汎用キュー

次に,汎用キューのいくつかのタイプを示します。

/GENERIC修飾子は,キューを汎用キューとして指定します。 次のいずれかの方法で,汎用キューがジョブを登録する実行キューを設定します。

実行キューと異なり, 汎用キューはシステムがシャットダウンしたりキュー・マネージャが終了しても, 自動的に終了しません。したがって, 通常は,システムを再ブートするたびに汎用キューを再起動する必要はありません。

論理キュー

キューのもう1つのタイプは,論理キューです。 論理キューは特別なタイプの汎用キューで, ASSIGN/QUEUEコマンドで指定した実行キューでだけ,ジョブを実行できます。 実行キューと論理キューの関係は, DEASSIGN/QUEUEコマンドで割り当てを取り消すまで有効です。

実行キュー

次に,実行キューのいくつかのタイプを示します。

バッチ実行キューは,バッチ・ジョブを実行します。バッチ・ジョブは, バッチ・プロセスで1つまたは複数のコマンド・プロシージャの実行を要求します。

出力実行キューは,プリント・ジョブを処理します。 プリント・ジョブは,シンビオント・プロセスで実行する1つのシンビオントによって, 1つまたは複数のファイルの処理を要求します。 省略時の設定のシステム・シンビオントは,ハードコピー装置(プリンタまたは端末) でファイルをプリントするように設計されています。ユーザが作成するシンビオントは, プリントまたは他のファイル処理を実行するように設計できます。サーバ・キューは, /PROCESSOR修飾子で指定したサーバ・シンビオントを使用してジョブを処理します。 サーバ・キュー・シンビオントは,ユーザが作成します。

/AUTOSTART_ON修飾子または/ON修飾子は,キューを実行キューとして指定して, キューを実行する場所を指定します。

/ON修飾子を使用すると,キューを起動できる1つのノード(バッチ・キューの場合), またはノードと装置(出力キューの場合)を指定できます。 /ON修飾子で初期化したキューは, 明示的にキューを指定したコマンドで起動する必要があります。

/AUTOSTART_ON修飾子を使用すると,キューを起動できる1つまたは複数のノード (あるいはノードと装置)を指定できます。 キュー・マネージャによってキューのノードが自動起動を許可されている場合は, そのキュー・マネージャによって, /AUTOSTART_ON修飾子を使用して初期化したキューが自動的に起動します。

キューの自動起動

実行キュー(バッチまたは出力のいずれか)は,自動起動キューとして指定できます。 ノードにあるキュー・マネージャの自動起動キューのすべてが1つのコマンドによって起動できるため, 自動起動キューでは,長いキューのスタートアップ・プロシージャは必要ありません。

OpenVMSclusterでは, 自動起動キューをいくつかのノードのうちの1つのノードで実行するように設定できます。 この方法で設定したキューを実行しているノードがクラスタからはずれると, そのキューは,別のノードにフェールオーバし,クラスタ内でそのまま使用できます。

/AUTOSTART_ON修飾子は,実行キューを自動起動キューとして指定します。

修飾子

/AUTOSTART_ON=(ノード::[装置][,...])

キューを自動起動実行キューとして指定し, キューを置くことができるノードまたはノードと装置を指定します。 バッチ・キューの場合は,ノードだけ指定できます。

クラスタでは,ノードがキューを要求する順序で, キューが実行できる2つ以上のノード(またはノードと装置)を指定できます。 これによって,キューを実行しているノードがクラスタから離れると, 別のノードにそのキューをフェールオーバできます。

/AUTOSTART_ON修飾子を使用してINITIALIZE/QUEUEコマンドを実行する場合には, INITIALIZE/QUEUEコマンドで/START修飾子を指定するか, またはSTART/QUEUEコマンドを実行して, 最初にキューの自動起動を有効にしなければなりません。 ただし,キューを実行するノードに対して ENABLE AUTOSTART/QUEUESコマンドが実行されるまで, キューはジョブの処理を開始しません。

この修飾子は,/ONまたは/GENERIC修飾子と同時に使用できません。 ただし,既存のキューを再初期化する場合は, /ON修飾子を指定して作成または起動してあったキューに対しては, /AUTOSTART_ON修飾子を指定できます。 これを実行すると,/ON修飾子を無効になり,キューは自動起動キューになります。

自動起動キューについての詳細は,『OpenVMSシステム管理者マニュアル(上巻)』 のキューについての章を参照してください。

/BASE_PRIORITY=n

バッチ実行キューからジョブが開始されるプロセスの基本優先順位を指定します。 省略時の設定では,修飾子を省略すると,ジョブはシステム生成時に DEFPRI によって設定された基本優先順位と同じ優先順位で開始されます(通常は4)。 基本優先順位指定子には,10進数で0〜15の値を指定します。

この修飾子は,出力実行キューにも指定できます。 この場合は,シンビオント・プロセスが作成されるときに, /BASE_PRIORITY修飾子がシンビオント・プロセスの基本優先順位を設定します。

/BATCH
/NOBATCH (省略時の設定)

バッチ・キューとしての初期化を指定します。 既存のキューを再初期化する場合に,/BATCH修飾子を使用できるのは, キューを最初にバッチ・キューとして作成した場合だけです。

バッチ・キューは, バッチ実行キューまたはバッチ汎用キューのいずれかに分類されます。 省略時の設定では,/BATCH修飾子はバッチ実行キューを初期化します。 汎用バッチ・キューを指定するには, /GENERIC修飾子を/BATCH修飾子と同時に使用します。

/BATCH修飾子と/DEVICE修飾子は,同時に使用できません。 /NOBATCH修飾子と/NODEVICE修飾子も,同時に使用できません。

/BLOCK_LIMIT=([下限,]上限)
/NOBLOCK_LIMIT (省略時の設定)

出力実行キューで処理できるプリント・ジョブ・サイズを制限します。 この修飾子を使用すると,特定のプリンタに対して, 決まったサイズのジョブを予約できます。 上限パラメータは必ず指定しなければなりません。

下限パラメータは, プリント・ジョブに対してキューが受け付ける最小のブロック数(10進数)です。 下限値より少ないブロック数のプリント・ジョブがキューに登録されると, キューのブロック制限値の下限が変更されるまでジョブは待ち状態になります。 ジョブは, キューのブロックの下限値がジョブのブロック数以下に減少された後に処理されます。

上限パラメータは, プリント・ジョブに対してキューが受け付ける最大のブロック数(10進数)です。 この値を超えるプリント・ジョブがキューに登録されている場合, キューのブロック制限値が変更されるまでジョブは待ち状態になります。ジョブは, キューのブロックの上限値がジョブのブロック数以上に増加された後に処理されます。

ジョブの上限値だけを指定する場合は,括弧を省略できます。 たとえば,/BLOCK_LIMIT=1000は, キューの中で1000以下のブロックを持つジョブだけが処理されます。 ジョブの下限値だけを指定するには,空文字列("")を使用して, 上限の指定子を示さなければなりません。たとえば,/BLOCK_LIMIT=(500,"")は, キューの中500以上のブロックを持つジョブはすべて処理されます。 下限および上限の両方を指定することもできます。たとえば, /BLOCK_LIMIT= (200,2000)は,キューの中で200未満のブロックを持つジョブと, 2001以上のブロックを持つジョブは処理されないことを意味します。

/NOBLOCK_LIMIT修飾子は, /BLOCK_LIMIT修飾子を指定してこのキューに設定した前の設定を取り消します。

/CHARACTERISTICS=(属性[,...])
/NOCHARACTERISTICS (省略時の設定)

実行キューでジョブを処理するための属性を,1つまたは複数指定します。 属性を1つだけ指定する場合は,括弧を省略できます。 ジョブに指定した属性のすべてをキューが備えていない場合, ジョブは待ち状態のままになります。/CHARACTERISTICS修飾子を指定するたびに, その前に設定された属性はすべて取り消されます。 この修飾子で指定した属性だけが,キューに設定されます。

キューの属性は,それぞれのシステムによって異なります。 属性パラメータは,0〜127の値, またはDEFINE/CHARACTERISTICコマンドを使用して定義した属性名になります。

/NOCHARACTERISTICS修飾子は, /CHARACTERISTICS修飾子を指定してこのキューに設定していた前の設定をすべて取り消します。

/CLOSE

PRINTまたはSUBMITコマンドによって,あるいはREQUEUE操作の結果として, ジョブがキューに登録されないようにします。 ジョブを登録可能するには,/OPEN修飾子を使用します。 キューが新しいジョブ・エントリを受け付けるか否かは, キューの状態(一時停止,終了,または止められている)とは関係ありません。 キューがクローズ状態の場合,実行中のジョブは継続されます。 キューですでに待ち状態のジョブは,引き続き実行待ちになります。

/CPUDEFAULT=時間

このバッチ実行キューにあるすべてのジョブに対して, 省略時の設定のCPU時間制限値を定義します。 時間には,デルタ時間,0,INFINITE,またはNONE (省略時の設定)を指定できます。 デルタ時間には,最高497日まで指定できます。

キューに時間制限値CPUMAXIMUMが指定されていない場合や, 利用者登録ファイル(UAF)に設定された値がCPU時間制限値に NONE を指定している場合は,値0またはキーワードINFINITEを使用すると, CPU時間の制限をなくすことができます。NONEを指定すると, UAFまたはSUBMITコマンドで指定した値(指定している場合)が CPU時間値の省略 時の設定になります。CPU時間値は, システム・パラメータPQL_MCPULMで指定した値以上でなければなりません。 この時間は, /CPUMAXIMUM修飾子を使用して設定したCPU時間制限を超えることができません。 デルタ時間を指定する方法についての詳細は,『OpenVMSユーザーズ・マニュアル』 またはオンライン・ヘルプの DCL_Tips トピック (Date_Time サブトピック) を参照してください。 CPU時間制限の指定についての詳細は, 表 10-1を参照してください。

/CPUMAXIMUM=時間

バッチ実行キューにあるすべてのジョブの最大CPU時間制限値を定義します。 時間には,デルタ時間,0,INFINITE,またはNONE (省略時の設定)を指定できます。 デルタ時間には,最高497日まで指定できます。

/CPUMAXIMUM修飾子は,キューにジョブを登録するすべてのユーザに対して, 利用者登録ファイル(UAF)で指定した時間制限を変更します。 値0またはキーワードINFINITEを使用すると,CPU時間の制限をなくすことができます。 NONEを指定すると,UAFまたはSUBMITコマンドで指定した値(指定している場合)が CPU時間値の省略時の設定になります。CPU時間値は, システム・パラメータPQL_MCPULMで指定した値以上でなければなりません。

デルタ時間を指定する方法についての詳細は,『OpenVMSユーザーズ・マニュアル』 またはオンライン・ヘルプの DCL_Tips トピック (Date_Time サブトピック) を参照してください。 CPU時間制限値を指定する方法についての詳細は, 表 10-1を参照してください。

プロセスのCPU時間制限値は,システムのUAFでのユーザ・レコードごとに指定します。 また,省略時の設定のCPU時間制限値, 指定したキューに存在するすべてのジョブに対する最大CPU時間制限値, またはキューの各ジョブに対する省略時の CPU時間制限値も指定できます。 指定した各値にしたがって実行される処理と,指定の組み合わせを 表 10-1に示します。

表 10-1 CPU時間制限値の指定と処理

SUBMITコマンドでCPU時間制限値が指定されている キューで省略時の設定のCPU時間制限値が指定されている キューでCPU時間制限値が指定されている 処理
No No No UAFの値を使用します。
Yes No No SUBMITコマンドとUAF値のうち,小さい方を使用します。
Yes Yes No SUBMITコマンドとUAF値のうち,小さい方を使用します。
Yes No Yes SUBMITコマンドとキューの最大値のうち,小さい方を使用します。
Yes Yes Yes SUBMITコマンドとキューの最大値のうち,小さい方を使用します。
No Yes Yes キューの省略時の値と最大値のうち,小さい方を使用します。
No No Yes 最大値を使用します。
No Yes No UAFとキューの省略時の値のうち,小さい方を使用します。

/DEFAULT=(オプション[,...])
/NODEFAULT

PRINTコマンドの特定のオプションの省略時の値を設定します。 省略時の設定の値は,オプションのリストで指定します。 オプションを1つだけ指定する場合は,括弧を省略できます。 /DEFAULT修飾子を使用してオプションをキューに設定した後は, PRINTコマンドにそのオプションを指定する必要はありません。 PRINTコマンドでこれらのオプションを指定すると, PRINTコマンドを使用して指定した値は, /DEFAULT修飾子を使用してキューに設定した値を上書きします。

/DEFAULTおよび/GENERIC修飾子は,同時に指定できません。

使用可能なオプションは,次のとおりです。

[NO]BURST[=キーワード] バースト・ページのバーを出力の前にプリントするかどうかを制御します。 値ALL (省略時の値)を指定すると,バースト・ページは, ジョブの各ファイルの前にプリントされます。値ONEを指定すると, バースト・ページは,ジョブの最初のファイルの前に1度プリントされます。
[NO]FEED ページの最後で,自動的に改ページを行うかどうかを指定します。
[NO]FLAG[=キーワード] ファイル・フラグ・ページを,出力の前にプリントするかどうかを制御します。 値ALL (省略時の設定の値)を指定すると,フラグ・ページは, ジョブの各ファイルの前にプリントされます。値ONEを指定すると,フラグ・ページは, ジョブで最初のファイルの前に1度プリントされます。
FORM=タイプ 出力実行キューの省略時のプリント形式を指定します。 プリント形式を明示的に定義しないでジョブをキューに登録すると, このプリント形式がジョブの処理に使用されます。 FORMキーワードによるプリント形式タイプが明示的に指定されていない場合, システムは,プリント形式DEFAULTをキューに割り当てます。 /FORM_MOUNTED=タイプ修飾子の説明も参照してください。
[NO]TRAILER[=キーワード] 出力に続けてファイル・トレーラ・ページをプリントするかどうかを制御します。 値ALL (省略時の設定の値)を指定すると, ジョブの各ファイルの後にファイル・トレーラ・ページがプリントされます。 値ONEを指定すると,トレーラ・ページは, ジョブのファイルの最後に 1度プリントされます。

ファイルにBURSTオプションを指定すると,[NO]FLAGオプションは, ファイルの前にプリントされる2つのフラグ・ページに対して, フラグ・ページの追加または削除を行いません。

必須のキュー・オプションの設定についての詳細は, /SEPARATE修飾子の説明を参照してください。 省略時のキュー・オプションの指定についての詳細は, 『OpenVMSシステム管理者マニュアル』のキューの章を参照してください。

/DESCRIPTION=文字列
/NODESCRIPTION (省略時の設定)

オペレータからのキューについての情報を提供するための, 最大255文字の文字列を指定します。

文字列に英小文字,ブランク, またはその他の英数字以外(スペースを含む)の文字列を含める場合は, 文字列全体を二重引用符(" ")で囲みます。

/NODESCRIPTION修飾子は,そのキューに関する説明をすべて削除します。

/DEVICE[=オプション]
/NODEVICE

特定のタイプの出力キューを初期化するように指定します。 既存のキューを再初期化する場合,出力キューとして作成したキューに対してのみ, /DEVICE修飾子を使用できます。使用可能なオプションは,次のとおりです。

PRINTER プリント・キューを示します。
SERVER サーバ・キューを示します。 サーバ・キューは,/PROCESSOR修飾子に指定した,ユーザが変更したシンビオント, またはユーザが作成したシンビオントによって制御されます。
TERMINAL 端末キューを示します。

キュー・タイプなしで /DEVICE修飾子を指定すると, 省略時の設定により /DEVICE=PRINTER修飾子が使用されます。

出力キューは,出力実行キューまたは汎用出力キューに分類されます。 省略時の設定では,/DEVICE修飾子によって,出力実行キューが初期化されます。 汎用出力キューを指定するには,/DEVICE修飾子と/GENERIC修飾子を同時に使用します。

情報用には,/DEVICE修飾子にキュー・タイプを指定します。 出力実行キューが起動すると,キューに対応したシンビオントによって, 実際のキュー・タイプが決まります。 標準のシンビオントは,装置の特性をチェックして, キューがプリンタ・キューまたは端末キューのいずれであるかマークをつけるよう設定します。 通常は,ユーザ変更シンビオントおよびユーザ作成シンビオントは, サーバ・キューとしてキューをマークします。汎用出力キューの装置タイプは, 出力実行キューの装置タイプと一致する必要はありません。

/DEVICE修飾子と/BATCH修飾子は,同時に使用できません。 また,/NODEVICE修飾子と/NOBATCH修飾子も,同時に使用できません。

/DISABLE_SWAPPING
/NODISABLE_SWAPPING (省略時の設定)

キューから実行するバッチ・ジョブが,メモリへスワップ・イン, およびメモリからスワップ・アウトできるかどうかを指定します。

/ENABLE_GENERIC (省略時の設定)
/NOENABLE_GENERIC

/GENERIC修飾子にキューの名前を指定していない汎用キューに登録されたファイルを, このキューに移してよいかどうかを指定します。 詳細は,/GENERIC修飾子の説明を参照してください。

/FORM_MOUNTED=タイプ

出力実行キュー用にマウントされたプリント形式を指定します。

プリント形式タイプを明示的に指定しない場合,システムは, DEFAULTのプリント形式をキューに割り当てます。

プリント形式を明示的に指定してジョブがキューに登録され, 明示的なプリント形式のストックがマウントされたプリント形式のストックと一致しない場合は, このジョブは待ち状態に入ります。 そしてその状態は,このキューのマウントされたプリント形式のストックが, ジョブに対応したプリント形式のストックと一致するまで続きます。

プリント形式のタイプを指定するには, DEFINE/FORMコマンドで定義した数値またはプリント形式名を使用します。 プリント形式のタイプは,それぞれのシステムによって異なります。 /FORM_MOUNTED修飾子と/GENERIC修飾子は,同時に使用できません。

/GENERIC[=(キュー名[,...])]
/NOGENERIC (省略時の設定)

汎用キューを指定します。 このキューに置かれたジョブを互換性のある実行キューへ移動して処理できることも指定します。 /GENERIC修飾子には,ターゲット・キューとして, 既にある実行キューの名前(複数可)を指定することができます。 汎用バッチ・キューの場合は,これらのターゲット・キューは, バッチ実行キューでなければなりません。汎用出力キューの場合は, これらのターゲット・キューは,出力実行キューでなければなりませんが, どのようなタイプ(プリンタ,サーバ,または端末)でもかまいません。たとえば, 汎用出力キューのターゲットにプリント・キューと端末キューといった種類の違う出力キューを指定したとしても, 両方にジョブを転送できます。

/GENERIC修飾子を使用してターゲット実行キューを指定しない場合,ジョブは, /ENABLE_GENERIC修飾子で初期化されていて,かつ, 汎用キューと同じタイプ(バッチまたは出力)の任意の実行キューに移動できます。

キューを汎用バッチ・キューまたは出力キューとして定義するには, /GENERIC修飾子と同時に,/BATCH修飾子または/DEVICE修飾子を指定します。 汎用キューの作成に,/BATCH修飾子および/DEVICE修飾子のいずれも指定しないと, 省略時の設定により,キューは汎用出力キューになります。

/SEPARATE修飾子は,/GENERIC修飾子と同時に使用できません。

/JOB_LIMIT=n

キューから同時に実行できるバッチ・ジョブの数を指定します。 1〜255の値を指定します。省略時の設定の値は1です。

/LIBRARY=ファイル名
/NOLIBRARY

装置制御ライブラリのファイル名を指定します。出力実行キューを初期化する場合は, /LIBRARY修飾子を使用すると,他の装置制御ライブラリを指定できます。 省略時の設定のライブラリは,SYS$LIBRARY:SYSDEVCTL.TLBです。 /LIBRARY修飾子のパラメータには,ファイル名だけを指定することができます。 システムは常に,そのファイルがSYS$LIBRARYに置かれていて, ファイル・タイプがTLBであると仮定します。

/NAME_OF_MANAGER=名前

キューを制御するキュー・マネージャの名前を示します。 いったんキューが作成されると,キュー・マネージャの割り当ては変更できません。

/NAME_OF_MANAGER修飾子を省略した場合は, 省略時の設定の名前のSYS$QUEUE_MANAGERが使用されます。

INITIALIZE/QUEUEコマンドを使用してキューの変更を行う場合や, そのキューが省略時の設定のキュー・マネージャで制御されていない場合は, /NAME_OF_MANAGER修飾子に制御キュー・マネージャの名前を指定する必要があります。 または,論理名SYS$QUEUE_MANAGERを正しいキュー・マネージャとするように定義して, そのキュー・マネージャを,現在処理中のプロセスの省略時の値にできます。

/NO_INITIAL_FF
/NONO_INITIAL_FF (省略時の設定)

キューを起動する時に,プリンタ・デバイスにフォーム・フィードを送るかどうか, 指定することができます。 初期フォーム・フィードを抑止するには,/NO_INITIAL_FF修飾子を指定します。

/NONO_INITIAL_FF修飾子を指定すると,出力装置にフォーム・フィードが送られ, 紙の一番上から印刷が開始されます。

/ON=[ノード::]装置[:] (プリンタ,端末,サーバ・キュー)
/ON=ノード::(バッチ・キュー)

この実行キューを置くノードまたは装置,あるいはその両方を指定します。 バッチ実行キューの場合は,ノード名だけを指定できます。 出力実行キューの場合は,ノード名と装置名の両方を指定できます。 省略時の設定では,キューは,起動されたノードと同じノードで実行されます。 省略時の設定の装置パラメータは,キュー名と同じです。

このノード名の指定は,OpenVMS Clusterシステムで使用します。 このノード名の指定は, キューが実行されるOpenVMSシステムのシステム・パラメータSCSNODE によって指定されたノード名と一致しなければなりません。

/ON修飾子は,/AUTOSTART_ON修飾子または/GENERIC修飾子と同時に使用できません。 ただし,既存のキューを再初期化する場合, /AUTOSTART_ON修飾子を使用して前に作成または起動していたキューに対しては, /ON修飾子を指定できます。これを行うと,/AUTOSTART_ONオプションが変更され, キューが非自動起動キューになります。

/OPEN (省略時の設定)

PRINTまたはSUBMITコマンドによって,あるいはREQUEUE操作の結果として, ジョブをキューに登録できます。ジョブがキューに登録されないようにするには, /CLOSE修飾子を使用します。キューが新しいジョブ・エントリを受け付けるか否かは, キューの状態(一時停止,終了,または止められている)とは関係ありません。

/OWNER_UIC=uic

キューの利用者識別コード(UIC)を変更します。 『OpenVMS Guide to System Security』の説明に従って, 標準形式を使用してUICを指定します。省略時の設定のUICは,[1,4]です。

/PROCESSOR=ファイル名
/NOPROCESSOR

出力実行キューに標準以外のプリント・シンビオントを指定できます。 /PROCESSOR修飾子のパラメータには, 任意の有効なファイル名を指定することができます。システムは, 装置およびディレクトリ名のSYS$SYSTEMとファイル・タイプEXEを追加します。 出力キューにこの修飾子を使用すると, 実行するシンビオント・イメージはSYS$SYSTEM:filename.EXEになります。

省略時の設定では,SYS$SYSTEM:PRTSMB.EXEが, 出力実行キューに対応したシンビオント・イメージです。

/NOPROCESSOR修飾子を指定すると, /PROCESSOR修飾子を使用して設定した前の設定はすべて取り消され, SYS$SYSTEM:PRTSMB.EXEが使用されます。

/PROTECTION=(所有権[:アクセス],...)

キューの保護を指定します。

アクセス・パラメータの指定がない時は,アクセスできないことを意味します。 省略時の設定の保護は,(SYSTEM:M,OWNER:D,GROUP:R,WORLD:S)です。 保護コードを1つだけ指定する場合は,括弧を省略できます。 保護コードの指定についての詳細は,『OpenVMS Guide to System Security』 を参照してください。UICに基づいた保護によるキュー操作の制御についての詳細は, 『OpenVMSシステム管理者マニュアル』のキューの章を参照してください。

/RECORD_BLOCKING (省略時の設定)
/NORECORD_BLOCKING

シンビオントが, 出力装置へ転送する出力レコード連結(ブロック化)できるかどうかを決めます。 /NORECORD_BLOCKING修飾子を指定すると,シンビオントは, 入出力要求ごとに各レコードを出力装置に送信します。 標準のOpenVMSプリント・シンビオントの場合は,レコードをブロック化すれば, シングル・レコード・モードよりも性能を大幅に向上させることができます。

/RETAIN[=オプション]
/NORETAIN (省略時の設定)

実行後のジョブを保持状態でキューに保留します。 /NORETAIN修飾子を使用すると,そのキューを省略時の設定に再設定できます。 使用可能なオプションは,次のとおりです。

ALL (省略時の設定) 実行後,キューのジョブをすべて保留します。
ERROR 正常に終了できなかったジョブだけを保留します。

PRINT,SUBMIT,またはSET ENTRYコマンドに/RETAIN修飾子を指定すると, ジョブに対するジョブ保持オプションを要求できます。 ただし,キューに指定したジョブ保持オプションは, そのキューに要求されたすべてのジョブの保持オプションを無効にします。

/SCHEDULE=SIZE (省略時の設定)
/SCHEDULE_NOSIZE

出力キューで待ち状態にあるジョブが, ジョブの大きさに基づいてスケジュールされてプリントされるかどうかを指定します。 省略時の設定の修飾子/SCHEDULE=SIZEが有効な場合は, 小さいジョブから大きいジョブの順にプリントされます。

/SCHEDULE=NOSIZE修飾子が有効な場合には,サイズに従ったジョブのスケジュール化は行なわれません。

キューのいずれかに待ち状態のジョブがあるときにこのコマンドを実行すると, その後のジョブの順序は予測できなくなります。

/SEPARATE=(オプション[,...])
/NOSEPARATE (省略時の設定)

出力実行キューに必須のキュー・オプション, またはジョブ区切りオプションを指定します。 ジョブ区切りオプションは,PRINTコマンドでは変更できません。

/SEPARATE修飾子と/GENERIC修飾子は,同時に使用できません。

ジョブの区切りに関するオプションは次のとおりです。

[NO]BURST バースト・ページのバーを各ジョブの先頭にプリントするかどうかを指定します。
[NO]FLAG ジョブのフラグ・ページを各ジョブの先頭にプリントするかどうかを指定します。
[NO]TRAILER ジョブのトレーラ・ページを各ジョブの末尾にプリントするかどうかを指定します。
[NO]RESET=(モジュール[,...]) このキューで使用するジョブ・リセット・シーケンスを装置制御ライブラリ (SYS$LIBRARY:SYSDEVCTL)の中から指定します。 指定されたモジュールが装置制御ライブラリから取り出されて, 各ジョブの終わりに装置をリセットします。 リセット動作はファイル・トレーラの後とジョブ・コントローラの前に行われます。 したがって,ジョブの区切りのためのページはすべて, 装置がリセット状態においてプリントされることになります。

/SEPARATE=BURST修飾子を指定すると, [NO]FLAGオプションは,ジョブの前にプリントされる2つのフラグ・ページに対して, 影響を及ぼしません。

変更できるキュー・オプションの設定についての詳細は, /DEFAULT修飾子の説明を参照してください。

必須のキュー・オプションの指定についての詳細は, 『OpenVMSシステム管理者マニュアル』のキューの章を参照してください。

/START
/NOSTART (省略時の設定)

INITIALIZE/QUEUEコマンドでキューを初期化し,そのキューを起動します。

自動起動キューの場合,この修飾子は,キューを自動起動として動かします。 キューを動作できるいずれかのノードで, ENABLE AUTOSTART/QUEUESコマンドを使用して自動起動を有効にすると, キューはジョブの処理を開始します。

/WSDEFAULT=n

バッチ・ジョブに対して,ワーキング・セットの省略時の設定の値, つまりジョブが使用できる物理ページ数の省略時の設定の値を定義します。

この修飾子を指定すると,UAFに指定された値は使用されず,修飾子の値が使用されます。

Alphaシステムの場合はページレット単位(1ページレットは512バイト)で, VAXの場合はページ単位(1ページは512バイト)で,nの値を指定します。 この値は,内部でページ単位に切り上げられるため(1ページの大きさは, CPUによって異なることがあります),Alphaシステムでは, 実際に使用できる物理メモリの量は指定したものより大きくなることがあります。 詳細は,『OpenVMSシステム管理者マニュアル』を参照してください。

0またはNONEを指定すると,UAFまたはSUBMITコマンドで指定した値(指定している場合) がワーキング・セットの省略時の設定の値になります。

この修飾子は,出力実行キューにも指定できます。 その場合,シンビオント・プロセスが作成されるときに,/WSDEFAULT修飾子は, 実行キューのシンビオント・プロセスに対するワーキング・セットの省略時の値を設定します。

ワーキング・セットの省略時の設定の値による, バッチ・ジョブへの影響についての詳細は, 表 10-2を参照してください。

/WSEXTENT=n

バッチ・ジョブに対して,ワーキング・セット超過値, つまりジョブが使用できる物理メモリの最大値を定義します。 システムにフリー・ページが十分にある場合にのみ, ジョブは最大量の物理メモリを使用します。 この修飾子を指定すると,UAFに指定された値は使用されず,修飾子の値が使用されます。

Alphaシステムの場合はページレット単位(1ページレットは512バイト)で, VAXシステムの場合はページ単位(1ページは512バイト)で,nの値を指定します。 この値は,内部でページ単位に切り上げられるため(1ページの大きさは, CPUによって異なることがあります),Alphaシステムでは, 実際に使用できる物理メモリの量は指定したものより大きくなることがあります。

0またはNONEを指定すると, UAFまたはSUBMITコマンドで指定した値がワーキング・セットの省略時の設定になります (WSEXTENT値が含まれている場合)。

この修飾子は,出力実行キューにも指定できます。 その場合,シンビオント・プロセスが作成されるときに, /WSEXTENT修飾子は出力実行キューのシンビオント・プロセスに対するワーキング・セットの省略時の値を設定します。

ワーキング・セット超過値によるバッチ・ジョブへの影響についての詳細は, 表 10-2を参照してください。

/WSQUOTA=n

バッチ・ジョブに対して,ワーキング・セット制限値, つまりジョブに対して保証される物理メモリの量を定義します。

この修飾子を指定すると,UAFに指定された値は使用されず,修飾子の値が使用されます。

OpenVMS Alphaの場合はページレット単位(1ページレットは512バイト)で, OpenVMS VAXの場合はページ単位(1ページは512バイト)で,nの値を指定します。 この値は,内部でページ単位に切り上げられるため (1ページの大きさは,CPUによって異なることがあります),Alphaシステムでは, 実際に使用できる物理メモリ量は指定したものより大きくなる可能性があります。 詳細は,『OpenVMSシステム管理者マニュアル』を参照してください。

0またはNONEを指定すると,UAFまたは SUBMITコマンドで指定した値がワーキング・セットの省略時の設定の値になります (WSQUOTA値が含まれている場合)。

この修飾子は,出力実行キューにも指定できます。 その場合,シンビオント・プロセスが作成されるときに, /WSQUOTA修飾子は出力実行キューのシンビオント・プロセスに対するワーキング・セットの省略時の値を設定します。

ワーキング・セットの省略時の設定の値,ワーキング・セット制限値, およびワーキング・セット超過値は, システムUAFの各ユーザ・レコードに含まれています。ワーキング・セット値は, 与えられたキューの各ジョブまたはすべてのジョブに指定できます。 ワーキング・セット値を含むさまざまな組み合わせの指定と, その処理を表 10-2に示します。

表 10-2 ワーキング・セット省略時の値,超過値,および制限値の決定

SUBMITコマンドによって値が指定されている キューに値が指定されている 処理
No No UAF値を使用します。
No Yes キューの値を使用します。
Yes Yes 2つの値のうち小さい方を使用します。
Yes No 指定した値とUAFを比較して,小さい方を使用します。

  1. $ INITIALIZE/QUEUE/BATCH/START -
    _$ /AUTOSTART_ON=(DATA::, WARF::, DEANNA::) BATCH_1
    
    この例でINITIALIZE/QUEUEコマンドは,バッチ・キューBATCH_1を作成し, それをノードDATA,WARF,またはDEANNAで実行できる自動起動キューとして指定します。 /START修飾子を指定すると,自動起動キューが有効になります。 このキューは,ENABLE AUTOSTART/QUEUESコマンドが実行される最初のノード (指定されたノードのリストにある)で実行を開始します。

    BATCH_1を実行しているノードがOpenVMS Clusterからはずれると, キューはそのノードで終了し,キュー・マネージャSYS$QUEUE_MANAGER の自動起動が有効になっているノードのリスト中の, 使用できる最初のノードにフェールオーバします。

    リストにあるノードの1つで自動起動が有効になっている限り, このキューを起動してバッチ・ジョブを実行できます。 例にある3つのノードがすべてシャットダウンされている場合, または自動起動が無効な場合は,ノード・リストにある3つのノードの1つが, クラスタに参加してENABLE AUTOSTART/QUEUESコマンドを実行するまで, キューは終了したままになります。

    /NAME_OF_MANAGER修飾子が指定されていないために, ENABLE AUTOSTART/QUEUESコマンドとINITIALIZE/QUEUEコマンドは, 省略時の設定のキュー・マネージャSYS$QUEUE_MANAGER が管理するキューにだけ作用します。

  2. $ INITIALIZE/QUEUE/START/BATCH/JOB_LIMIT=3 SYS$BATCH
    $ INITIALIZE/QUEUE/START/BATCH/JOB_LIMIT=1/WSEXTENT=2000 BIG_BATCH
    
    この例で最初のINITIALIZE/QUEUEコマンドは, すべてのバッチ・ジョブに使用できるSYS$BATCHというバッチ・キューを作成します。 /JOB_LIMIT修飾子を使用して,3つのジョブを同時に実行できるよう指定します。 2番目のINITIALIZE/QUEUEコマンドは, 大きなジョブに使用するBIG_BATCHという2番目のバッチ・キューを作成します。 一度に1つのジョブだけを実行できます。ワーキング・セット超過値は, OpenVMS Alpha(8KBページを備えたシステム)では 125ページまで, OpenVMS VAXでは2000ページまでになることがあります。

  3. $ INITIALIZE/QUEUE/START/DEFAULT=(FLAG,TRAILER=ONE)-
    _$ /ON=LPA0: LPA0_PRINT
    $ INITIALIZE/QUEUE/START/DEFAULT=(FLAG,TRAILER=ONE)-
    _$ /BLOCK_LIMIT=(1000,"")/ON=LPB0: LPB0_PRINT
    $ INITIALIZE/QUEUE/START/GENERIC=(LPA0_PRINT,LPB0_PRINT) SYS$PRINT
    $ INITIALIZE/QUEUE/START/FORM_MOUNTED=LETTER-
    _$ /BLOCK_LIMIT=50/ON=TXA5: LQP
    
    この例で最初の3つのINITIALIZE/QUEUEコマンドは,プリント・キューを設定します。 キューLPA0_PRINTとLPB0_PRINTは,ジョブ内の各ファイルの前にフラグ・ページを, ジョブの最後のページの後にトレーラ・ページを配置するように設定されています。 さらに,LPB0_PRINTには最小ブロック・サイズの1000が指定されています。したがって, そのキューでは,1000ブロック以上のプリント・ジョブだけを実行できます。 SYS$PRINTは,LPA0_PRINT または LPB0_PRINT のいずれかにジョブを転送できる汎用キューとして設定されます。 小さすぎてLPB0_PRINTで実行できないジョブは, SYS$PRINTからLPA0_PRINTに登録されます。

    最後のINITIALIZE/QUEUEコマンドは,TXA5で端末キューを設定します。 プリント形式LETTER のストック・タイプ以外のストック・タイプのプリント形式でキューに登録されたジョブは, 同じストック・タイプの形式がキューにマウントされるか,または, エントリがキューから削除されるか,別のキューに移動されるまで, キューで待ち状態となります。 LETTERは,専用のレターヘッド紙を示すよう,このサイトで設定されています。 ブロック・サイズの上限は50で,このキューが 51ブロックより小さいジョブのために用意されることを示します。


INQUIRE

値をSYS$COMMAND (通常は,会話型モードのターミナル, または主コマンド・プロシージャの次の行)から読み込んで,シンボルに割り当てます。

フォーマット

     INQUIRE  シンボル名[プロンプト文字列] 

パラメータ

シンボル名

値を割り当てる,1〜255文字までの英数字シンボルを指定します。

プロンプト文字列

INQUIREコマンドを実行するときに表示されるプロンプトを指定します。 文字列は,自動的に大文字に変換されます。 また,先行スペースと先行タブおよび後続のスペースと後続のタブは削除され, 文字の間の複数のスペースおよびタブは1つのスペースに圧縮されます。

プロンプトに,小文字や句読点, 複数のスペースとタブ,アット・マーク(@)が含まれる場合には, 文字列を二重引用符(" ")で囲みます。 プロンプト文字列に二重引用符を使用する場合には,文字列全体を二重引用符で囲み, 文字列の中で二重引用符が存在する場所に連続する2つの二重引用符("")を指定します。

システムがプロンプト文字列をターミナルに表示する場合, 通常は文字列の最後にコロン(:)とスペースを表示します (/PUNCTUATION修飾子を参照してください)。

プロンプト文字列を指定しない場合には,コマンド・インタプリタは, 値を要求するプロンプトとしてシンボル名を使用します。

説明

INQUIREコマンドは, プロセスの作成時に確立された入力ストリームにプロンプト・メッセージを表示し, 入力ストリームからの応答を読み取ります。つまり,INQUIREコマンドは, 会話型で実行されているコマンド・プロシージャで実行される場合, コマンド・プロシージャのネスト・レベルにかかわらず, プロンプト・メッセージは常に端末に表示されます。 コマンド・プロシージャのINQUIREコマンドの入力は, RECALLバッファに入ることに注意してください。

プロンプト文字列に対する応答を入力した場合,その値は, 指定されたシンボルに文字列として割り当てられます。 小文字は自動的に大文字に変換され,先行および後続のスペースとタブが削除され, 文字の間の複数のスペースとタブが単一のスペースに圧縮されます。 大文字への変換を禁止し,スペースとタブをそのまま残す場合は, 文字列を二重引用符で囲みます。

プロンプト文字列に対する応答を入力する場合, シンボルまたはレキシカル関数を使用するためには, 単一引用符(` ')を使用してシンボルの置換を要求します。

端末から会話型でデータを取得するには, READコマンドも使用できることに注意してください。 READコマンドは,ユーザが入力したとおりにデータを受け付けます。 文字は,自動的には大文字に変換されず,スペースは圧縮されません。 ただし,一重引用符を使用してシンボルの置換を要求しても, シンボルとレキシカル関数は変換されません。

バッチ・ジョブにINQUIREコマンドを入力すると, コマンドは,コマンド・プロシージャの次の行から応答を読み取ります。 プロシージャがネストしている場合, 第1レベルのコマンド・プロシージャから応答が読み取られます。 バッチ・ジョブのコマンド・プロシージャの次の行がドル記号($)で始まる場合, その行はINQUIREに対する応答でなく,コマンドとして解釈されます。 次にINQUIREコマンドは,指定されたシンボルに空文字列を割り当て, バッチ・ジョブはINQUIREコマンドの次の行のコマンドから処理を続けます。

修飾子

/GLOBAL

シンボルが,グローバル・シンボル・テーブルに登録されることを指定します。 /GLOBAL修飾子を指定しない場合には, シンボルはローカル・シンボル・テーブルに登録されます。

/LOCAL (省略時の設定)

シンボルが, 現在のコマンド・プロシージャのローカル・シンボル・テーブルに登録されることを指定します。

/PUNCTUATION (省略時の設定)
/NOPUNCTUATION

ターミナルにプロンプトが表示されるときに, そのプロンプトのあとにコロン(:)とスペースが出力されるかどうかを制御します。 コロンとスペースを出力しない場合には,/NOPUNCTUATIONを指定します。

  1. $ INQUIRE CHECK "Enter Y[ES] to continue"
    $ IF .NOT. CHECK THEN EXIT
    
    このINQUIREコマンドは,ターミナルに次のプロンプト・メッセージを表示します。
         Enter Y[ES] to continue:
    

    INQUIREコマンドは,上記のようなプロンプトを表示し, CHECKというシンボルに割り当てられる値を要求します。 IFコマンドは,シンボルCHECKに割り当てられた値を評価します。 CHECKに割り当てられた値が真(つまり,奇数の数値,T,t,Y,yから始まる文字列, あるいは奇数の数字列)の場合には,プロシージャは実行を継続します。

    CHECKに割り当てられた値が偽 (つまり,偶数の数値,T,t,Y,y以外の文字から始まる文字列, あるいは偶数の数字列)の場合には,プロシージャの実行は終了します。

  2. $ INQUIRE COUNT
    $ IF COUNT .GT. 10 THEN GOTO SKIP
      .
      .
      .
    $ SKIP:
    
    
    このINQUIREコマンドは, 次のメッセージを表示し,COUNTに割り当てられる値を要求します。
         COUNT:
    
    

    このあと,このコマンド・プロシージャは, COUNTというシンボルに割り当てられた値を評価し,次に続くコマンドを実行するのか, あるいは制御をSKIPというラベルの行に渡すのかを判断します。

  3. $ IF P1 .EQS. "" THEN INQUIRE P1 "FILE NAME"
    $ FORTRAN 'P1'
    
    このIFコマンドは,P1というシンボルが空文字列であるかどうかを調べることで, パラメータがコマンド・プロシージャに渡されたかどうかを調べます。 このシンボルの値が空文字列の場合には,パラメータが指定されていないので, INQUIREコマンドを実行してパラメータを要求します。 P1が指定されていた場合には,INQUIREコマンドは実行されず, FORTRANコマンドがパラメータに指定された名前のファイルをコンパイルします。


INSTALL

Installユーティリティを起動します。 Installユーティリティは選択した実行可能イメージや共有可能イメージをシステムに "知らせ",適切な属性を割り当てることににより, それらのイメージの性能を向上させます。

Installユーティリティについての詳細は, 『OpenVMSシステム管理ユーティリティ・リファレンス・マニュアル』またはオンライン・ヘルプを参照してください。

フォーマット

     INSTALL  [サブコマンド] [ファイル指定] 


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