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18 DCLディクショナリ - S -


SEARCH

1つまたは複数のファイルから,指定された文字列(1つまたは複数)を検索し, その文字列を含むすべての行を表示します。

フォーマット

     SEARCH  ファイル指定[,...] 検索文字列[,...] 

パラメータ

ファイル指定[,...]

検索される,1つまたは複数のファイルの名前を指定します。少なくとも,1つのファ イル名を指定しなければなりません。ファイル名を2つ以上指定する場合には,各ファ イル名をコンマ(,)で区切らなければなりません。

ファイル指定にワイルドカード文字(アスタリスク(*)とパーセント記号(%)) を使用することができます。

検索文字列[,...]

指定されたファイルから検索される,1つまたは複数の文字列を指定します。 検索文字列に小文字や空白, (スペースを含む英数字以外の文字が含まれている場合には, 文字列を引用符(" ")で囲まなければなりません。

/MATCH修飾子と/EXACT修飾子を使用すると, SEARCHコマンドの検索文字列の照合方法を変更することができます。

説明

SEARCHコマンドは,ファイル内で特定の文字列を検索します。 検索文字列を含むすべての行が表示されます。 検索処理を特定の要求に適合させるには,SEARCH修飾子を使用します。

SEARCHコマンドは, 共有読み込み(R)および書込み(W)アクセスでファイルをオープンします。 したがって,その時点で他のユーザがオープンしていても, 属性が共有書込みに設定されているファイルが検索されます。

修飾子

/BACKUP

/BEFOREまたは/SINCE修飾子に指定された時刻に適用されます。 /BACKUP修飾子は,最新のバックアップ日付にしたがってファイルを選択します。 この修飾子は,同様に時刻属性によってファイルを選択する/BACKUP,/EXPIRED, /MODIFIED修飾子と同時に指定することはできません。 これら4つの修飾子のいずれも指定されない場合には,/CREATED修飾子が使用されます。

/BEFORE[=時刻]

指定日付以前のファイルのみを選択します。 絶対時刻,または絶対時刻とデルタ時間の組み合せが指定できます。 また,BOOT, LOGIN, TODAY(省略時の設定),TOMORROW, およびYESTERDAYというキーワードが使用できます。 時刻が指定されない場合には,TODAYが仮定されます。 ファイル選択の基準として使用する時刻の属性は,/BACKUP, /CREATED(省略時の設定),/EXPIRED,または/MODIFIEDのいずれかの修飾子で指定します。

時刻指定形式の詳細は,『OpenVMSユーザーズ・マニュアル』 またはオンライン・ヘルプの DCL_Tips トピック (Date_Time サブトピック) を参照してください。

/BY_OWNER[=利用者識別コード]

ファイル所有者の利用者識別コード(UIC)が, 指定されたUICに一致するファイルのみを選択します。 UICを省略した場合には,現在のプロセスのUICが省略時の値として使用されます。

『OpenVMSユーザーズ・マニュアル』で説明されている, UICの標準形式を使用して指定します。

/CONFIRM
/NOCONFIRM (省略時の設定)

それぞれの指定ファイルに対する検索処理を開始する前に, 処理を実行するかどうかの確認をします。 プロンプトに対して,次のいずれかで応答します。

YES NO QUIT
TRUE FALSE Ctrl/Z
1 0 ALL
  [Return]  

単語による応答の場合には,大文字と小文字を任意に組み合わせることができます。 単語による応答は,1文字,または複数の文字に短縮できます (たとえば,TRUE は T,TR およびTRUに短縮することができます)。 肯定応答は,YES,TRUE,1です。否定応答は,NO,FALSE,0とReturnキーです。 QUITまたはCTRL/Zは,その時点でコマンドの処理を停止するということを示します。 ALLと応答した場合には,コマンドの処理は継続されますが, その後プロンプトは表示されなくなります。上記以外の応答を入力した場合には, DCLがエラー・メッセージを出力し,同じプロンプトがもう一度表示されます。

/CREATED (省略時の設定)

/BEFOREまたは/SINCE修飾子に指定された時刻に適用されます。 /CREATED修飾子は,作成日時にしたがってファイルを選択します。 この修飾子は,同様に時刻属性によってファイルを選択する/BACKUP,/EXPIRED, /MODIFIED修飾子と同時に指定することはできません。 これら4つの修飾子のいずれも指定しない場合には,/CREATED修飾子が使用されます。

/EXACT
/NOEXACT (省略時の設定)

SEARCHコマンドが, 検索文字列の中の大文字と小文字を同じ文字として取り扱うのかどうかを制御します。 省略時の設定では,SEARCHコマンドは大文字と小文字を区別しません。

/EXACT修飾子を指定すると,システムが使用するCPU時間は短くなります。 したがって,文字列に含まれる文字の大文字と小文字の区別が分かっている場合には, /EXACTを使用する方が効率的です。

/EXCLUDE=(ファイル指定[,...])

指定されたファイルを,検索操作から除外します。 ファイル指定にはディレクトリ指定を含むことができますが,装置名は指定できません。 ファイル指定には,ワイルドカード文字(アスタリスク(*)とパーセント記号(%)) を使用することができます。ただし,特定のバージョンを除外するために, 相対バージョン番号を使用することはできません。 ファイルを1つだけ指定する場合には,括弧を省略できます。

/EXPIRED

/BEFOREまたは/SINCE修飾子に指定された時刻に適用されます。 /EXPIRED修飾子は,満了日にしたがってファイルを選択します。 満了日は,SET FILE/EXPIRATION_DATEコマンドで設定します。 この修飾子は,同様に時刻属性によってファイルを選択する/BACKUP, /CREATED,/MODIFIED修飾子と同時に指定することはできません。 これら4つの修飾子のいずれも指定しない場合には,/CREATED修飾子が使用されます。

/FORMAT=オプション

出力の書式を指定します。 次の書式化オプションの中から,1つのオプションを指定します。

DUMP 制御文字(<HT>,<CR>,<LF>を含む) と印字不能文字はすべて,ANSIニーモニックとして表示します。
NOFF 制御文字をANSIニーモニックで置き換えます (たとえば,Ctrl/Cは<ETX>に置き換えられます)。 <HT>や<CR>,<LF>,<VT>等のターミナル書式化文字は, 変更されずに出力されます。改頁文字は,<FF>に置き換えられます。
NONULLS DUMPオプションと同じですが,書式化する前に, 入力ファイルからすべての空文字が削除される点が異なります (DUMPオプションでは,空文字は<NUL>として表示されます)。 EXEファイルやOBJファイルなどのように, 一般に多くのゼロ・バイトを含むバイナリ形式のファイルを検索する場合に便利です。
PASSALL 制御文字や印字不能文字も変換せずに,出力装置に出力します。 ターミナル・ドライバは,SET TERMINAL/PASSALLまたは SET TERMINAL /EIGHT_BITと設定されていない限り, ターミナルに8ビット文字を送ることはできません。

SEARCHコマンドで,制御文字をANSIニーモニックと置き換えたくない場合 (たとえば,CTRL/Gを<BEL>に置き換えない)には, /FORMAT=PASSALLを使用します。

TEXT テキストに含まれる制御文字を,ANSIニーモニックと置き換えます (たとえば,CTRL/Cは<ETX>に置き換えられます)。 <HT>や<CR>,<LF>,<VT>, <FF>等のターミナル書式は, 変更されずに出力されます。TEXTは,省略時の書式です。

/HEADING (省略時の設定)
/NOHEADING

ファイル名を出力し, 異なるファイルに属する出力行を区分するためのウィンドウ分離線として, 30文字のアスタリスク(*)からなる行を表示します。 省略時の見出し形式は,複数のファイルが指定されている場合や, ワイルドカード文字が使用されている場合にだけ,ファイル名が出力されます。

/WINDOW修飾子を指定すると,15文字のアスタリスクから構成される行によって, ファイル内の各ウィンドウが区切られます。

/HIGHLIGHT[=キーワード]
/NOHIGHLIGHT (省略時の設定)

BOLD, BLINK, REVERSE,および UNDERLINEのいずれか1つをキーワードとして指定することができます。 アドバンスト・ビデオ型のANSIビデオ・ターミナルでは,BOLDが省略時の強調表示です。 一方,非アドバンスト・ビデオ型のANSIビデオ・ターミナルでは, REVERSEが省略時の強調表示です。

ハードコピー出力では,HARDCOPY=OVERSTRIKE および HARDCOPY=UNDERLINEキーワードを指定できます。このキーワードは, 大部分のハードコピー・プリンタに対して有効な,文字列の強調方法を指定します。 OVERSTRIKEを指定すると,一致した文字列が二重印字されて濃く見えます。 一方,UNDERLINEを指定すると, 一致した文字列がアンダースコア文字で下線付けされます。

同一行上で, キャリッジ・リターンやバック・スペース文字を使用して二重印字や下線付けを実現しています。 そのため,1行の長さは,最大2倍になる可能性があります。 装置のバッファが非常に小さい場合は,行が切り捨てられることがあるので注意してください。

Digital LN01プリンタでは,/HIGHLIGHT=HARDCOPY=UNDERLINE修飾子ではなく, /HIGHLIGHT=UNDERLINE修飾子を使用することをおすすめします。 LN01プリンタは,OVERSTRIKE強調は無視します。

Digital LN03プリンタでは,/HIGHLIGHT=HARDCOPY=UNDERLINE修飾子ではなく, /HIGHLIGHT=BOLD あるいは /HIGHLIGHT=UNDERLINE修飾子を使用することをおすすめします。 LN03プリンタは,OVERSTRIKE強調は無視します。

/KEY=(POSITION=n,SIZE=m)

指定したサイズの長さのファイルのレコードを(指定した位置から)検索します。

POSITIONキーワードの値は,1から32,767までを指定できます。 レコードの中の最初のバイトは,1とみなされます。

/LOG
/NOLOG (省略時の設定)

検索された各ファイルのファイル名とレコード数, および一致した文字列の数を表示します。 これらの情報は,現在のSYS$OUTPUT装置に出力されます。

/MATCH=オプション

複数の検索文字列を,どのように照合するかを指定します。 次に示すオプションのいずれか1つを指定します。

AND レコードに検索文字列のすべてが含まれている場合にだけ, 一致すると判断される。
EQV レコードに検索文字列が1つも含まれていないか, あるいはすべてが含まれている場合にだけ,一致すると判断される。
NOR レコードに検索文字列が1つも含まれていない場合にだけ, 一致すると判断される。
NAND レコードに検索文字列のすべてが含まれていない場合にだけ, 一致すると判断される。
OR 1レコードに検索文字列のどれか1つでも含まれている場合に, 一致すると判断される。
XOR 1レコードに検索文字列のどれか1つでも含まれているか, すべてが含まれていない場合に,一致すると判断される。

検索文字列を1つしか指定しない場合には, ORオプションと ANDオプションは同じ結果になります。 同様に,検索文字列が1つの場合には,NORオプションと NANDオプションも同じ結果になります。 オプションが指定されなかった場合には,/MATCH=ORが設定されます。

/MODIFIED

/BEFOREまたは/SINCE修飾子に指定された時刻に適用されます。 /MODIFIED修飾子は,変更日付にしたがってファイルを選択します。 この修飾子は,同様に時刻属性によってファイルを選択する/BACKUP,/CREATED, /EXPIRED修飾子と同時に指定することはできません。 これら4つの修飾子のいずれも指定しない場合には,/CREATED修飾子が使用されます。

/NUMBERS
/NONUMBERS (省略時の設定)

ソース行番号が,各行の左側の位置に表示されるかどうかを指定します。

/OUTPUT[=ファイル指定]
/NOOUTPUT

検索結果を,ファイルに出力するかどうかを指定します。 /OUTPUT修飾子が省略された場合や,この修飾子にファイル指定が省略された場合には, 出力は現在の省略時の出力装置(SYS$OUTPUT)に送られます。 /NOOUTPUT修飾子を指定する場合には, SEARCHコマンドの結果得られた一致するレコードは出力されません。

/PAGE[=キーワード]
/NOPAGE (省略時の設定)

ディレクトリ情報の画面表示をページャを介して行います。

次のキーワードを使用できます。

CLEAR_SCREEN ページモードで表示(毎回画面を消去する)
SCROLL スクロールモードで表示(毎回画面を消去しない)
SAVE[=n] nページ分の履歴を保持する(前ページに戻ること等が可能)

/PAGE=SAVE修飾子を指定すると最大5画面(最大255カラムまで) 分の履歴を保存できます。 ページャ内では以下のキーを使って画面の移動などができます。

キー・シーケンス 説明
Up arrow key, Ctrl/B 1行スクロールアップ
Down arrow key 1行スクロールダウン
Left arrow key 1カラム左シフト
Right arrow key 1カラム右シフト
Insert Here (E2) 半画面右シフト
Remove (E3) 半画面左シフト
Select (E4) 80/132カラム切替え
Prev Screen (E5) 前ページに移動
Next Screen (E6), Return, Enter, Space 次ページに移動
F10, Ctrl/Z 終了(他のコマンドでは違うものもあります)
Help (F15) ヘルプテキストを表示
Do (F16) 最新(現在)画面と(履歴内で)最古画面の入れ換え
Ctrl/W 再表示

/PAGE修飾子は/OUTPUT修飾子とは同時に使用できません。

/REMAINING
/NOREMAINING (省略時の設定)

最初に一致したレコードからファイルの最後まで, すべてのレコードを表示するかどうかを制御します。 /REMAINING修飾子は,/WINDOW修飾子のn2パラメータを無効にします。 ただし,/WINDOW=n1修飾子を使用することは可能です。

/SINCE[=時刻]

指定日付以降のファイルのみを選択します。 絶対時刻,または絶対時刻とデルタ時間の組み合せが指定できます。 また,BOOT, LOGIN, TODAY(省略時の設定),TOMORROW,および YESTERDAYというキーワードが使用できます。 時刻が指定されない場合には,TODAYが仮定されます。 ファイル選択の基準として使用する時刻の属性は,/BACKUP, /CREATED(省略時の設定), /EXPIRED,または/MODIFIEDのいずれかの修飾子で指定します。

時刻指定形式の詳細は,『OpenVMSユーザーズ・マニュアル』 またはオンライン・ヘルプの DCL_Tips トピック (Date_Time サブトピック) を参照してください。

/STATISTICS
/NOSTATISTICS (省略時の設定)

SEARCHが検索について,次に示す統計情報を表示するかどうかを制御します。

/STYLE=キーワード

表示するファイル名の書式を指定します。

この修飾子のキーワードはCONDENSEDおよびEXPANDEDです。 意味は次の表のとおりです。

キーワード 説明
CONDENSED
(省略時の設定)
ファイル名を255文字長の文字列に適合するように表示します。 このファイル名の場合,ファイル指定にDIDあるいはFID短縮形を含むことが可能です。
EXPANDED ファイル名をディスクに格納されているとおりに表示します。 このファイル名の場合,ファイル指定にDIDあるいはFID短縮形は含みません。

キーワードはCONDENSEDとEXPANDEDを同時に指定することはできません。 この修飾子は,確認が要求された場合に, 出力メッセージに表示されるファイル名の書式を表わしています。

EXPANDEDキーワードが指定されていない場合, ファイル・エラーはCONDENSEDファイル指定で表示されます。

詳細は『OpenVMS Extended File Specificationsの手引き』を参照してください。

/WARNINGS (省略時の設定)
/NOWARNINGS

コマンドが実行されたときに,次に示すメッセージを表示するかどうかを指定します。
NOMATCHES
TRUNCATE
NULLFILE

/WINDOW[=(n1,n2)]
/NOWINDOW (省略時の設定)

文字列に一致する行とともに表示される行数を指定します。

n1とn2を指定した場合には,検索文字列を含む行の上のn1行と,検索文字列を含む行, そしてその下のn2行を表示します。 n1とn2は,0であっても構いません。

/WINDOW修飾子だけを指定し,n1とn2のどちらも指定しない場合には, 検索文字列を含む行の上に2行,検索文字列を含む行の下に2行という形式で表示されます。

/WINDOW修飾子にn1だけ指定した場合には,n1は表示する行数を表します。つまり, 指定行数の半分は検索文字列を含む行の上に表示され,残りの半分は下に表示されます (n1が偶数の場合には,検索文字列の下にもう一行余分に表示されます)。

たとえば,/WINDOW=10と指定すると,検索文字列を含む行の他に, その行の前後の9行の追加行が表示されます。 その中の4行は検索文字列を含む行の上に, 5行は検索文字列を含む行の下に表示され,全部で10行が表示されます。

/WINDOW=0が指定された場合には,SEARCHコマンドは, 検索文字列を含む各ファイルのファイル名を表示しますが,レコードは表示しません。 一致する文字列を含むファイルを操作するための, コマンド・ファイルを作成する(/OUTPUT修飾子を使用)ときに, この指定を使用できます。

/WINDOW修飾子を省略した場合には,検索文字列を含む行だけが表示されます。

/WINDOW修飾子を指定すると,30個のアスタリスクからなる行が, ファイル内の各ウィンドウを区別するために表示されます。

/WRAP
/NOWRAP (省略時の設定)

/PAGE=SAVE修飾子とともに使用し, 画面の幅を越える行をラップするかどうかを指定します。 ラップを指定した場合,はみ出す部分は次行に表示されます。

ラップを指定しない場合,はみ出した部分は左右にシフトしながら見ることができます。

  1. $ SEARCH CABLE.MEM,JOYNER.MEM "MANUAL TITLE"
    
    この例では,CABLE.MEMとJOYNER.MEMというファイルから, "MANUAL TITLE" という文字列を検索します。 この文字列を含む各行が,ターミナルに表示されます。 この文字列には,スペース文字が含まれているため, 文字列全体を引用符で囲まなければなりません。

  2. $ SEARCH/OUTPUT=RESULTS.DAT/WINDOW=9 DISLIST.MEM NAME
    
    この例では,DISLIST.MEMというファイルから"NAME"という文字列を検索し, 出力をRESULTS.DATというファイルに送ります。 NAMEを含む各行の,前の4行と後ろの4行も出力されます。

  3. $ SEARCH/OUTPUT=ALLSUB.COM/WINDOW=5000 *.COM SUBMIT
    
    現在のディレクトリ下にあって,ファイル・タイプがCOMのすべてのファイルに対して, 文字列"SUBMIT"を検索しています。ウィンドウ・サイズが十分に大きいので, 一致する文字列を含むファイルの全体が出力ファイルに書き込まれます。

  4. $ SEARCH/OUTPUT=COLUMBUS.OH/WINDOW=(3,0)/NOHEAD/MATCH=AND -
    _$ *.DAT COLUMBUS,OH
    
    ファイル・タイプがDATであるすべてのファイルに対して, 文字列 "COLUMBUS" と "OH" の両方を含む行を検索しています。 一致する行が見つかった場合, 直前の3行(空行,名前,住所)が出力ファイルに書き込まれます。 出力ファイルCOLUMBUS.OHには,見出しやウィンドウ区分線が書かれていないので, 他のコマンド・プロシージャなどですぐ使用できます。

  5. $SEARCH/OUTPUT=SWAP.LIS/FORMAT=PASSALL/NUMBERS/EXACT -
    _$ /WINDOW=10000 SWAP.PAS SWAP
    
    このSEARCHコマンドは,左端に行番号の付いたリスティング・ファイルを作成しています。 /FORMAT=PASSALLを指定しているため,改頁文字もそのまま書かれます。 ファイル内の文字列 "SWAP" が必ず大文字であることが分かっているので, 効率を上げるために/EXACT修飾子を指定しています。 また,ウィンドウ・サイズが十分に大きいため, 一致する文字列を含むファイルの全体が出力ファイルに書き込まれます。

  6. $ SEARCH/REMAINING CABLE.LOG FORTRAN
    
    ファイルCABLE.LOG内の,文字列"FORTRAN"を含む最初の行に続く, すべての行を表示します。

  7. $ SEARCH OMAHA::DISK1:[EXP]SUB.DAT,DATA.LIS VAX
    
    この例では,OMAHAという遠隔ノードのSUB.DATとDATA.LISというファイルから, VAXという文字列を検索します。 VAXという文字列を含むすべてのレコードのリストが, ユーザのローカル・ターミナルに表示されます。


SET

現在のターミナル・セッションまたはバッチ・ジョブに対して, プロセスが所有しているファイルと装置に関する属性を,定義または変更します。

フォーマット

     SET  オプション 

説明

SETコマンドのオプションについては,本書に個別に説明されています。 表 18-1に, 一般にシステム・オペレータやマネージャの使用に予約されているものも含めて, SETコマンドのすべてのオプションをリストします。

表 18-1 SETコマンドのオプション

オプション 機能
ACCOUNTING 現在の会計情報ファイルを制御する。
AUDIT 機密保護監査システムとの管理インタフェースを提供する。
BROADCAST SYS$OUTPUTへブロードキャストするメッセージを決定する。
CARD_READER カード・リーダの省略時のASCII変換モードを定義する。
CLUSTER/EXPECTED_VOTES OpenVMS Clusterの合計予想ボート(投票数)を,指定された値に設定する。 値が指定されていないと,システムが決定する値に設定される。
COMMAND コマンド記述ファイルに定義されたコマンドを, プロセス・コマンド・セットまたはコマンド・テーブル・ファイルに追加する。
CONTROL Ctrl/TまたはCtrl/Yによる割り込みを許可または禁止する。
CPU 指定したCPUに関連するユーザ機能を変更する。
DAY 利用者登録ファイル(UAF)に指定されている省略時の曜日タイプを上書きする。
DEFAULT 現在の省略時の設定として,ファイル指定の装置およびディレクトリを設定する。
DEVICE 装置の特性を定義する。
DEVICE/SERVED ローカル・ノードのディスクを, OpenVMS Clusterのすべてのノードで使用できるようにする。
DIRECTORY 1つまたは複数のディレクトリの特性を変更する。
DISPLAY DECwindowsアプリケーションの出力をリダイレクトする。
ENTRY キューで現在実行されていないジョブの現在の状態または属性を変更する。
FILE 1つまたは複数のファイルの特性を変更する。
HOST 現在のホストプロセッサ経由で,遠隔のVAXプロセッサに端末を接続します。
HOST/DTE 発信端末の回線経由で,遠隔システムにこちら側のシステムを接続する。
HOST/DUP 記憶域コントローラの適切なバス経由で,そのコントローラに端末を接続する。
HOST/HSC コンピュータ相互接続(CI)バス経由で, 遠隔のHSC50ディスクおよびテープ・コントローラに端末を接続する。
HOST/LAT ローカル・エリア・ネットワークで利用できる指定サービスに端末を接続し, 端末とそのサービス間の通信用に1つのセッションを確立する。
HOST/RLOGIN TCP/IP接続経由で遠隔ホストにログインし, RLOGINアプリケーションにアクセスして会話型ターミナル・セッションを開始できるようにする。
HOST/TELNET Telnetアプリケーションを起動して,TCP/IP接続経由で遠隔ホストに接続する。
HOST/TN3270 TCP/IP接続経由で遠隔のIBMホストに接続し, T N3270ターミナル・エミュレータを起動して, ローカル・キーボードでIBM 3279クラスの端末のキーボードをエミュレートする。
KEY 現在のキーパッド状態の設定を変更する。
LOGINS 利用者のシステムへのログインを許可または禁止する。
MAGTAPE 磁気テープ装置の特性を定義する。
MESSAGE システム・メッセージを上書き,または補足する。
NETWORK ネットワーク・サービスの属性を登録する。
ON コマンド・プロシージャのコマンドの実行後に, コマンド・インタプリタでエラー条件をチェックするかどうかを制御する。
OUTPUT_RATE バッチ・ジョブのログ・ファイルにログを書き込む速度を設定する。
PASSWORD 利用者のパスワード変更を許可する。 システム・マネージャはシステム・パスワードを変更する。
PREFIX SET VERIFYによって表示されるコマンド行に対して, 各行の前に表示される文字列を設定する。
PRINTER プリンタ・デバイスの属性を定義する。
PROCESS 現在のプロセスの実行特性を定義する。
PROMPT DCLプロンプトを定義する。
PROTECTION/DEFAULT 以後作成されるすべてのファイルに適用される,省略時の保護を設定する。
QUEUE 指定されたキューの現在の状態または属性を変更する。
RESTART_VALUE バッチ・ジョブがリスタートした際にテストされる値を設定する。
RIGHTS_LIST 利用者のプロセス・ライト・リスト変更する。 特権ユーザはシステム・ライト・リストを変更する。
RMS_DEFAULT RMSがファイル操作に使用するマルチブロックとマルチバッファの省略時のカウント数を設定する。
SECURITY オブジェクトの機密保護プロファイルを変更する。
SERVER 機密保護サーバーの始動,停止,および再始動を制御する。機密保護サーバは, システム不法侵入ログインデータベースと代理データベースに記録された情報を維持する。
SYMBOL コマンド・プロシージャのローカル・シンボルとグローバル・シンボルへのアクセスを制御する。
TERMINAL ターミナル属性を定義する。
TIME システム・クロックを指定された値に再設定する。
VERIFY コマンド・プロシージャの実行中に, コマンド・インタプリタで実行中の行を表示するかどうかを制御する。
VOLUME 1つまたは複数のFiles-11ボリュームの特性を変更する。
WORKING_SET 現在のワーキング・セットの上限または制限値を変更する。


SET ACCOUNTING

現在の会計情報ファイルを制御します。

OPER (オペレータ)特権が必要です。

フォーマット

     SET ACCOUNTING 

説明

システムのノードごとに,現在の会計情報ファイルがあります。 このファイルでどの資源を追跡するかを制御し, SET ACCOUNTINGコマンドを使用してこのファイルの新しいバージョンを起動できます。

SET ACCOUNTINGコマンドを実行しても, プロセスによって使用される資源が追跡されない場合が2つあります。

同様に,SET ACCOUNTINGコマンドを実行しても, イメージによって使用される資源が常に追跡される場合が1つあります。

SET ACCOUNTINGコマンドの使用方法についての詳細は, 『OpenVMSシステム管理者マニュアル』を参照してください。

修飾子

/DISABLE[=(キーワード[,...])]

キーワードで指定された資源について,その会計情報の収集を禁止します。

資源タイプを指定するために使用できるキーワードを, 表 18-2に示します。

表 18-2 資源タイプの指定に使用するSET ACCOUNTINGキーワード

キーワード 資源タイプ
IMAGE イメージで使用される資源
LOGIN_FAILURE ログイン失敗時に使用される資源
MESSAGE ($SNDJBCシステム・サービスで会計情報ファイルに書き込まれる非定形の資源記録)
PRINT プリント・ジョブで使用される資源
PROCESS プロセスで使用される資源

すべてのプロセスやイメージについての会計情報収集を禁止する必要はありません。 特定のプロセスや,そのプロセス内で実行されるイメージについて, 資源情報収集を禁止することができます。

プロセス・タイプを指定するために使用できるキーワードを, 表 18-3に示します。

表 18-3 プロセス型の指定に使用するSET ACCOUNTINGキーワード

キーワード プロセス型
BATCH バッチ・プロセス
DETACHED 独立プロセス
INTERACTIVE 会話型プロセス
NETWORK ネットワーク・プロセス
SUBPROCESS サブプロセス(親プロセスは,バッチ,独立,ネットワーク, または会話型プロセス)

すべての資源について会計情報収集を行わないようにシステムが設定された場合, /DISABLE修飾子は会計情報ファイルをクローズします。

/DISABLE修飾子にキーワードを指定しなかった場合, 会計情報の収集はすべて禁止され,会計情報ファイルはクローズされます。

/ENABLE[=(キーワード[,...])]

指定された資源の追跡を可能にし, 現在の会計情報ファイルがオープンされていない場合にはオープンします。 /ENABLE修飾子は,/DISABLE修飾子と同じキーワードを使用します。

表 18-2に示されているキーワードを使用して, ローカル・ノードで現在の会計情報ファイルを追跡したい資源タイプを指定します。

プロセスまたはイメージ・タイプが使用する資源が追跡される場合には, 表 18-3に示されるキーワードを使用して, 指定されたプロセス・タイプの資源, およびこれらのプロセス・タイプで実行されているイメージを追跡できます。

/ENABLE修飾子を使用する場合にキーワードを省略すると, 現在の会計情報ファイルはすべての資源を追跡します。

/LOG

現在のSYS$OUTPUTに,コマンド実行情報を出力します。

/NEW_FILE

現在の会計情報ファイルをクローズし,新しいバージョンをオープンします。

新ファイルのファイル名は,システム論理名テーブルに論理名ACCOUNTING が定義されているかどうかによって決まります。

この論理名が定義されていない場合には,SET ACCOUNTINGコマンドは, SYS$MANAGER:ACCOUNTNG.DATというファイルをオープンします。

この論理名が定義されている場合には,論理名の示すファイルをオープンします。 ディレクトリ名が省略された場合には,SYS$MANAGER:が使用され, ファイル・タイプが省略された場合には,DATが使用されます。

/NEW_FILE修飾子は,古いファイルに前方参照レコードを書き込み, 新しいファイルには後方参照レコードを書き込みます。 これらのレコードはそれぞれ,新しいファイルと古いファイルの名前を含んでいます。

  1. $ SET ACCOUNTING /DISABLE /ENABLE=(PROCESS,BATCH,INTERACTIVE)
    $ SET ACCOUNTING /ENABLE=IMAGE
    
    この例では,すべてのバッチ・プロセスと会話型プロセスでのみ使用される資源と, それらの中で実行されるイメージについてのみ,会計情報を収集します。 /ENABLE修飾子,/DISBALE修飾子,および SET ACCOUNTINGコマンドを使用した場合の効果を示しています。

    /DISABLE修飾子は,すべての資源の情報収集を禁止します。その後で, /ENABLE修飾子でバッチと会話型プロセスで使用される資源の会計情報を収集します。 2番目のSET ACCOUNTINGコマンドは, イメージで使用される資源の会計情報の収集を指定しています。

  2. $ SET ACCOUNTING /NEW_FILE
    $ RENAME SYS$MANAGER:ACCOUNTNG.DAT;-1 WEEK_24_RESOURCES.DAT
    
    この例では,現在の会計情報ファイルをクローズし,新しいバージョンを作成します。 古い方のファイル名は,WEEK_24_RESOURCES.DATに変更されます。


SET AUDIT

機密保護監査システムの管理インターフェイスを提供します。

SECURITY特権が必要です。

フォーマット

     SET AUDIT/修飾子 

説明

SET AUDITコマンドとSHOW AUDITコマンドは, 機密保護監査システムとの管理インタフェースを提供します。

SET AUDITコマンドは,機密保護監査機能を許可または禁止します。 また,次の操作もできます。

コマンドで設定された値は保管されるため, システムを起動するたびに設定する必要はありません。イベントの定義,資源の監視, および新しいログを開始するためのコマンドはクラスタ全体に適用されますが, 他のコマンドはローカル・ノードだけに適用されます。

機密保護監査機能には,特定量のシステム・オーバーヘッドが必要です。 したがって,作業環境に最も有用な機能を選択するよう注意してください。 定期的に調査し,解析することがわかっている情報の監査だけを有効にしてください。 他のデータの集合は,無駄になる可能性が高いです。 監査についての詳細は,『OpenVMS Guide to System Security』を参照してください。

SET AUDITコマンドの修飾子には,処理別にグループ分けすると5つの区分があります。

処理 修飾子 必要条件
監査イベントの定義 /AUDIT, /ALARM, /CLASS, /ENABLE, /DISABLE 警報(/ALARM),監査(/AUDIT),または両方を定義します。 同時に,イベント報告を許可するのか(/ENABLE), あるいは禁止するのか(/DISABLE)を指定します。
監査ログ・ファイルの定義 /DESTINATION, /JOURNAL, /VERIFY /DESTINATIONおよび/JOURNAL修飾子の両方が必要です。
監査サーバおよびリスナ・メールボックスの操作特性の定義 /INTERVAL, /LISTENER, /SERVER, /VERIFY なし。
2次ログ・ファイルの定義 /ARCHIVE, /DESTINATION, /VERIFY なし。
資源監視の省略時設定の定義 /BACKLOG, /EXCLUDE, /JOURNAL, /RESOURCE, /THRESHOLD, /VERIFY /RESOURCEまたは/THRESHOLD修飾子とともに,/JOURNAL修飾子を含めます。

修飾子

/ALARM

機密保護オペレータとして設定されているすべてのターミナルに, 警報メッセージを送ります。 ターミナルを機密保護オペレータとして設定する方法についての詳細は, DCLコマンドであるREPLY/ENABLEの説明を参照してください。

/ARCHIVE=[キーワード,...]

機密保護アーカイブ・ファイルへ書き込むイベント・メッセージのクラスを指定します。 次に示す1つまたは複数のキーワードを指定します。

オプション・キーワード 説明
NONE アーカイブを禁止します。
[NO]ALL (省略時の設定) 全システム・セキュリティ・イベントに対してアーカイブを許可/禁止します。 省略時の設定では,禁止されています。
SYSTEM_ALARM 全システム警報イベントのアーカイブを許可します。
SYSTEM_AUDIT 全システム監査イベントのアーカイブを許可します (将来使用するために予約されています)。

複数のノードが監査ファイルを排他的にオープンしようとするので, 監査サーバ・データベースを持つOpenVMS Cluster内では 1つのノードだけでアーカイブしてください。

/AUDIT

監査(システム機密監査ログファイルに記録されているメッセージ) にコマンドを適用します。

/BACKLOG=[キーワード[,...]]

プロセスメッセージの上限を越えたプロセスをサスペンドするしきい値を指定します。 しきい値は,メモリ内の全メッセージとプロセスに関するメッセージの総数です。 特定のプロセスをサスペンドさせたくない場合, /EXCLUDE修飾子を使用して除外してください。次のキーワードを指定します。

オプション・キーワード 説明
TOTAL=(n1,n2,n3) 流量制御が働きだす値およびその制御を加速する値。 詳細は以下の説明を参照。
PROCESS=(p1,p2) 流量制御がサスペンドするプロセスを選択する際のプロセスメッセージの値。

メッセージ
の総数
省略時の
設定
プロセス・
メッセージ
省略時の
設定
動作
N1 100 P1 5 メモリ内に100メッセージある場合,機密監査サーバは 5以上のプロセスメッセージを持つプロセスを全メッセージがディスクに書き出されるまでサスペンドさせる。
N2 200 P2 2 メモリ内に200メッセージある場合,機密監査サーバは 2以上のプロセスメッセージを持つプロセスを全メッセージがディスクに書き出されるまでサスペンドさせる。
N3 300     機密監査サーバはメモリ内に 1以上のプロセスメッセージを持つプロセスを全メッセージがディスクに書き出されるまでサスペンドさせる。

/CLASS=クラス

監査属性を変更するオブジェクトのクラスを指定します。 /CLASSを指定しない場合,クラスはファイルになります。 次に示すキーワードのうちいずれか1つを指定してください。
CAPABILITY
COMMON_EVENT_CLUSTER
DEVICE
FILE
GROUP_GLOBAL_SECTION
LOGICAL_NAME_TABLE
QUEUE
RESOURCE_DOMAIN
SECURITY_CLASS
SYSTEM_GLOBAL_SECTION
VOLUME

/DESTINATION=ファイル指定

イベント・メッセージの出力先を変更する際に, システム機密保護監査ログ・ファイルの新しい場所を指定します。 ファイル指定に装置を含める場合には,必ずディスク装置でなければなりません。 この場合には,/DESTINATION修飾子とともに /JOURNAL修飾子を指定しなければなりません。

ログ・ファイルの場所を変更した場合には, クラスタ内のすべてのノードに新しい場所を通知するため, SET AUDIT/SERVER=NEW_LOGコマンドを実行してください。 以前の監査ログ・ファイルはクローズされ, クラスタ内で生成された以後のすべての監査イベント・メッセージは, 新しいファイルに書き込まれます。

/ARCHIVEとともに使用される場合には, アーカイブ・ログ・ファイルの名前を指定します。 ファイル構造のディスク装置であれば,イベントはローカル・ファイルにでも, あるいは遠隔ファイルにでもアーカイブできます。たとえば, イベント・メッセージの出力先をサテライト・ノードからクラスタのより大きなノードに変更するために, アーカイブ・ファイルを使用することができます。

/DISABLE=(キーワード[,...])

指定したイベントに対して,警報/機密保護監査を禁止します。 ALLキーワードを指定すれば,すべてのイベントに対して, 警報/機密保護監査を無効にすることができます。 有効なキーワードを少なくとも1つは指定しなければなりません。 /DISABLE修飾子で使用できるキーワードについては, /ENABLE修飾子の説明を参照してください。 /DISABLE修飾子を使用する際には,/ALARMまたは/AUDIT修飾子のいずれか, または両方を指定しなければなりません。

注意
SET AUDIT コマンドを処理するときに,システムは, /DISABLE 修飾子を最後に処理します。 したがって,同じコマンド行に,/ENABLE と /DISABLE の両方を指定した場合には, /DISABLE 修飾子は有効とされた項目を無効とします。 /ENABLE 修飾子および /DISABLE 修飾子を指定する場合は, 異なるコマンド行を使用して指定することをおすすめします。


/ENABLE=(キーワード[,...])

指定したイベントに対して,警報/機密保護監査を許可します。 ALLキーワードを指定すれば,すべてのイベントに対して, 警報/機密保護監査を有効にすることができます。 少なくとも,1つのキーワードを指定しなければなりません。 /ENABLE修飾子を使用する際には,/ALARMまたは/AUDIT修飾子のどちらか, または両方を指定しなければなりません。

/ENABLE修飾子,または/DISABLE修飾子に指定できるキーワードは,次のとおりです。

キーワード 説明
ACCESS=(キーワード[:アクセス[,...]] [,...]) クラス内の全オブジェクトに対するアクセス・イベントの発生を指定します。 オブジェクト1つだけの場合の機密監査ACEを使用し, アクセス制御リスト(ACL)カテゴリを有効にしてください。

監査機能を条件付きで有効にする場合, 起こり得るすべてのアクセスタイプに対して有効にするようにしてください。 これは,システムは幾つかのポイントでアクセスチェックを行うことができるからです (たとえば,FAILUREは読みまたは書き込み操作中に発生し得ます)。


キーワード

説明
ALL 下記のキーワードによって定義される, オブジェクト・アクセス・イベントのすべてのタイプ。
BYPASS BYPASS特権を使用して行われたオブジェクト・アクセス。
FAILURE オブジェクト・アクセスの失敗。
GRPPRV GRPPRV特権を使用して行われたオブジェクト・アクセス。
READALL READALL特権を使用して行われたオブジェクト・アクセス。
SUCCESS オブジェクト・アクセスの成功。
SYSPRV SYSPRV特権を使用して行われたオブジェクト・アクセス。

アクセス・
キーワード


説明
ALL 全アクセス
ASSOCIATE 関係づけアクセス
CONTROL 機密特性を変更する制御アクセス
CREATE 作成アクセス
DELETE 削除アクセス
EXECUTE 実行アクセス
LOCK ロックアクセス
LOGICAL 論理I/Oアクセス
MANAGE 管理アクセス
PHYSICAL 物理I/Oアクセス
READ 読み込みアクセス
SUBMIT サブミットアクセス
WRITE 書き込みアクセス

ACL アクセス制御リスト(ACL)の警報/機密保護監査ACEによるイベントを指定します。 クラス内の全オブジェクトを指定する場合は ACCESSキーワードを使用してください。
ALL 全システム/ファイル・アクセス・イベントを指定します。 FILE以外のオブジェクトに対するアクセスイベントは有効にされません。
AUDIT=キーワード 機密監査サブシステム内のイベントを指定します。 現在は1キーワードのみ定義可能です。


キーワード

説明
ILLFORMED $AUDIT_EVENT, $CHECK_PRIVILEGE, $CHKPRO,または $CHECK_ACCESSシステム・サービスに対する不適切な形式の呼び出し (NSA$M_INTERNALで識別)。このイベントは, 特権付きコードによりこれらのシステムサービスに与えられる, 不完全あるいは文法的に間違った引数によって引き起こされます。

AUTHORIZATION 利用者登録ファイル(SYSUAF), またはネットワーク・プロキシ登録ファイル(NETPROXY)の内容の変更, および権利データベース(RIGHTSLIST)の内容の変更 (AUTHORIZE, SET PASSWORD, LOGINOUTによるパスワードの変更を含む)を指定します。
BREAKIN=(キーワード[,...]) 次のキーワードで指定される,1つまたは複数の侵入の試みを指定します。 ALL
DETACHED
DIALUP
LOCAL
NETWORK
REMOTE
CONNECTION DECnet Phase IV (VAXのみ), DECwindows, $IPC,または SYSMANによる論理リンク確立/解除イベントを指定します。
CREATE オブジェクト作成イベントを指定します。 ファイル以外の場合には /CLASS修飾子が必要です。
DEACCESS オブジェクトからのデアクセス・イベントを指定します。 ファイル以外の場合には/CLASS修飾子が必要です。
DELETE オブジェクト作成イベントを指定します。/CLASS=DEVICE修飾子が必要です。
IDENTIFIER 識別子を特権として使用するイベントを指定します。 詳細は『OpenVMS Guide to System Security』を参照してください。
INSTALL INSTALL操作の発生を指定します。
LOGFAILURE= (キーワード[,...]) 次のキーワードによって指定される,ログイン失敗の発生を指定します。

ALL 下記のキーワードによって定義される,ログイン失敗のすべてのタイプ。
BATCH バッチ・プロセスのログイン失敗
DETACHED 独立プロセスのログイン失敗
DIALUP 電話回線経由のログイン失敗
LOCAL ローカルの会話型のログイン失敗
NETWORK ネットワーク・サーバ・タスクのログイン失敗
REMOTE 他のネットワーク・ノードからのログイン失敗(たとえば, SETHOSTコマンドによる)
SUBPROCESS サブプロセスのログイン失敗

LOGIN= (キーワード[,...]) 次のキーワードによって指定される1つまたは複数のログインの発生を指定します。
ALL
DETACHED
LOCAL
REMOTE
BATCH
DIALUP
NETWORK
SUBPROCESS
LOGOUT=(キーワード[,...]) 次のキーワードによって指定される1つまたは複数のログアウトの発生を指定します。
ALL
DETACHED
LOCAL
REMOTE
BATCH
DIALUP
NETWORK
SUBPROCESS
MOUNT マウント要求,またはディスマウント要求の発行を指定します。
NCP VAXでは,ネットワーク制御プログラム(NCP) によるネットワーク構成ファイルデータベースへのアクセスを指定します。
PRIVILEGE=(キーワード[,...]) キーワードによって指定される,特権使用の成功/失敗を指定します。 FAILURE [:特権(,...)] - 失敗

SUCCESS [:特権(,...)] - 成功

特権のリストはDCLコマンドSET PROCESS/PRIVILEGESのヘルプを参照してください。

PROCESS=(キーワード[,...]) 次のキーワードによって指定される 1つまたは複数のプロセス制御システム・サービスを指定します。

ALL 全サービス
CREPRC  $CREPRC
DELPRC  $DELPRC
SCHDWK  $SCHDWKの特権使用
CANWAK  $CANWAKの特権使用
WAKE  $WAKEの特権使用
SUSPND  $SUSPNDの特権使用
RESUME  $RESUMEの特権使用
GRANTID  $GRANTIDの特権使用
REVOKID  $REVOKIDの特権使用
GETJPI  $GETJPIの特権使用
FORCEX  $FORCEXの特権使用
SETPRI  $SETPRIの特権使用

プロセス制御システムサービスの特権使用とは,GROUPまたは WORLD特権を使用して対象プロセスを拡大したシステム・サービスの使用を意味します。

SYSGEN SYSGENによるシステム・パラメータの変更を指定します。
TIME システム時刻の変更を指定します。

/EXCLUDE=プロセス識別子
/NOEXCLUDE=プロセス識別子

監査サーバの除外プロセス・リストに, 指定されたプロセス識別子(PID)を追加します。除外プロセス・リストには, 資源枯渇時に監査サーバ・プロセスによってサスペンドされないプロセスが記載されます。 省略時の設定では,以下のプロセスが常に登録されており, 決してサスペンドされません。
CACHE_SERVER
CLUSTER_SERVER
CONFIGURE
DFS$COM_ACP
DNS$ADVER
IPCACP
JOB_CONTROL
NETACP
NET$ACP
OPCOM
REMACP
SHADOW_SERVER
SMISERVER
SWAPPER
TP_SERVER
VWS$DISPLAYMGR
VWS$EMULATORS

除外プロセス・リストからプロセスを外すには, SET AUDIT/EXCLUDE=プロセス識別子コマンドを使用します。 ただし,上記のプロセスは除外できません (プロセスがからログアウトしても,リストから自動的には外されません)。

/INTERVAL=(キーワード[,...])

定期的な監査サーバ動作に使用するデルタ時間を指定します。 デルタ時間を指定する場合についての詳細は, 『OpenVMSユーザーズ・マニュアル』を参照してください。 /INTERVAL修飾子のキーワードを次の表に示します。

キーワード 説明
ARCHIVE_FLUSH=時間 監査サーバで収集したデータをアーカイブ・ファイルに書き込む時間間隔を指定する。 省略時の設定は1分。
JOURNAL_FLUSH=時間 監査サーバで収集したデータを監査ログ・ファイルに書き込む時間間隔を指定する。 省略時の設定は5分。
RESOURCE_MONITOR=時間 監査サーバがログ・ファイルの割り当て, またはアクセスを再試行する時間間隔を指定する。 ログ・ファイルの未使用領域が警告または動作しきい値より低い場合, またはログ・ファイルが入っているボリュームにアクセスできない場合, この時間間隔が適用される。省略時の時間間隔は5分。
RESUME_SCAN=時間 監査サーバが既存の資源消耗条件を調べる時間間隔を指定する。 省略時の設定は15分。

/JOURNAL[=ジャーナル名]

監査ジャーナルの名前を指定します。 省略時の名前はSECURITYです(現在は,ただ1つのジャーナルしかありません)。

監査ログ・ファイルを再定義する場合, または/RESOURCEあるいは/THRESHOLD修飾子で資源監視特性を指定する場合, /JOURNAL修飾子は必須です。

/LISTENER=装置
/NOLISTENER

監査サーバがすべての機密保護監査イベント・メッセージのバイナリ・コピーを送信するメールボックス装置の名前を指定します。 利用者は,このようなメールボックスを作成すると, システム・セキュリティ・イベントを発生時に処理できます。 リスナ・メールボックスに書き込まれるメッセージ形式についての詳細は, 『OpenVMSシステム管理ユーティリティ・リファレンス・マニュアル』の Audit Analysis Utility に関する説明を参照してください。

リスナ・デバイスを無効にするには,SET AUDIT/NOLISTENERコマンドを使用します。

/RESOURCE=キーワード[,...]

監査ジャーナル・エントリの領域を適切に保つために, ディスク・ボリュームの監視を有効または無効にします。 また,使用する監視方法も指定します。/JOURNAL修飾子は,必須です。 資源監視についての詳細は,『OpenVMS Guide to System Security』 を参照してください。

キーワード 説明
DISABLE 監査ジャーナルが入っているディスク・ボリュームの監視を禁止する。
ENABLE 監査ジャーナルが入っているディスク・ボリュームの監視を許可する。

/SERVER=キーワード[,...]

変更する監査サーバ特性を指定します。 /SERVER修飾子には,次のキーワードを指定できます。

オプション・キーワード 説明
EXIT 監査サーバを終了させます。監査サーバ・プロセスは, これ以外の方法では終了しません(監査サーバの削除やサスペンドはできません)。
FINAL_ACTION =アクション 資源枯渇時の処理を指定します。 資源枯渇とは,監査メッセージを格納する仮想メモリを使い果たした場合です (資源監視については,『OpenVMS Guide to System Security』を参照してください)。 次の値のいずれかを指定します。
CRASH - システムをクラッシュさせます(省略時の設定)。

IGNORE_NEW - 資源が回復するまで,新しいイベント・メッセージを無視します(失われます)。 資源枯渇以前のイベント・メッセージは保存しますが, それ以後のメッセージは失われます。

PURGE_OLD (default) - 資源が回復するまで, 古いメッセージから順に削除し,新しいイベント・メッセージを保存します。
FLUSH バッファ内のすべての監査情報とアーカイブ情報を, それぞれ機密監査ログ・ファイル, セキュリティ・アーカイブ・ファイルにコピーします。
INITIATE システム立ち上げ時に機密監査機能を有効にします。 通常,STARTUP.COM内のVMS$LPBEGINから起動されます。ただし, あるサイトで論理名SYS$AUDIT_SERVER_INHIBITを再定義すると, OpenVMSシステムは SET AUDIT/SERVER=INITIATEコマンドを実行してから監査を有効にします。
NEW_LOG クラスタ全体で使用する新しい機密監査ログ・ファイルを作成します。 通常,機密監査ログ・ファイルの新しいバージョンを毎日作成するために, このコマンドを使用します。
RESUME ディスク領域に適当な空きがある場合に,通常処理を再開させます。 通常,資源枯渇時には,監査サーバ・プロセスは, ほとんどの処理を停止して15分間隔で(通常処理へ)回復可能か否かをチェックします。
START システム上で監査サーバ・プロセスを開始します。 監査用のサブシステムを完全に使用できるようにするため, SET AUDIT/SERVER=STARTコマンドの終了後に SET AUDIT/SERVER=INITIATEコマンドを使用しなければなりません。

監査サーバを開始するには,次のコマンド・プロシージャを使うことをおすすめします。

  $     SYS$SYSTEM:STARTUP AUDIT_SERVER

/THRESHOLD=タイプ=値

監査サーバが機密監査ログファイルの空き領域監視に使用するしきい値を指定します。 WARNING値以下になると, センタおよび機密保護オペレータに勧告メッセージが送られます。 ACTION値以下になると,監査イベントを生成したプロセスはサスペンドされます (/RESOURCE=[enable|disable]を参照してください)。 /THRESHOLD修飾子で監査サーバのしきい値を変更する場合は, /JOURNAL修飾子を必ず指定します。

しきい値のタイプを次の表に示します。

キーワード 説明
WARNING=値 監査サーバが, すべての機密保護オペレータ・ターミナルに資源枯渇を通知するしきい値。
ACTION=値 監査サーバが,監査イベントを生成したプロセスをサスペンドするしきい値 (サスペンドされないプロセスもあります。 詳細は『OpenVMS Guide to System Security』を参照してください。)

各々の資源監視モードに対するしきい値の省略時の設定値を次の表に示します。

モード Warning Action
ブロック数 100 25
相対時間 2 0:00:00 0 0:30:00

/VERIFY

監査サーバがコマンドを終了するまで,ドル記号($)のプロンプトを戻しません。 関連する修飾子により,以下のどの処理が行われるかが決まります。

コマンドの終了を待ちたくない場合には,/NOVERIFYを指定します。

  1. $ SET AUDIT/AUDIT/ENABLE= -
    _$ (CREATE,ACCESS=(SYSPRV,BYPASS),DEACCESS)/CLASS=FILE
    $ SHOW AUDIT/AUDIT
    System security audits currently enabled for:
       .
       .
       .
      FILE access:
        Failure:     read,write,execute,delete,control
        SYSPRV:      read,write,execute,delete,control
        BYPASS:      read,write,execute,delete,control
        Other:       create,deaccess
    
    この例のSET AUDITコマンドは,ファイル作成とデアクセスの機密監査イベントに対して, 監査機能を有効にしています。また,SYSPRV, BYPASS特権を使用したファイルアクセスに対しても,監査機能を有効にしています。

  2. $ SET AUDIT/JOURNAL=SECURITY/DESTINATION=AUDIT$:[AUDIT]TURIN
    $ SET AUDIT/SERVER=NEW
    $ SHOW AUDIT/JOURNAL
    List of audit journals:
      Journal name:           SECURITY
      Journal owner:          (system audit journal)
      Destination:            AUDIT$:[AUDIT]TURIN.AUDIT$JOURNAL
    
    この例は,新しいジャーナルへの切り替え方を示しています。

  3. $ SET AUDIT/SERVER=FINAL=CRASH
    $ SHOW AUDIT/SERVER
    Security auditing server characteristics:
      Database version:       4.4
      Backlog (total):        100, 200, 300
      Backlog (process):      5, 2
      Server processing intervals:
        Archive flush:        0 00:01:00.00
        Journal flush:        0 00:05:00.00
        Resource scan:        0 00:05:00.00
      Final resource action:  crash system
    
    この例は, 機密監査サーバがメモリを使い果たした時にシステムをクラッシュさせるようにサーバを設定してします。

  4. $ SET AUDIT/ARCHIVE/DESTINATION=SYS$SPECIFIC:[SYSMGR]TURIN-ARCHIVE
    $ SHOW AUDIT/ARCHIVE
    Security archiving information:
     Archiving events:    system audits
     Archive destination: SYS$SPECIFIC:[SYSMGR]TURIN-ARCHIVE.AUDIT$JOURNAL
    
    ノード固有のアーカイブ・ファイルを使うように設定しています。

  5. $ SET AUDIT/JOURNAL/RESOURCE=ENABLE
    $ SHOW AUDIT/JOURNAL
    List of audit journals:
     Journal name:          SECURITY
     Journal owner:         (system audit journal)
     Destination:           SYS$COMMON:[SYSMGR]SECURITY.AUDIT$JOURNAL
     Monitoring:            enabled
      Warning thresholds, Block count:  100    Duration:  2 00:00:00.0
      Action thresholds,  Block count:   25    Duration:  0 00:30:00.0
    
    この例は,空きブロック数ではなく応答時間によるディスクに対するモニタを有効にしています。


SET BROADCAST

特定の種類のメッセージがターミナルに表示されることを,許可または禁止します。

フォーマット

     SET BROADCAST =(クラス名[,...]) 

パラメータ

クラス名[,...]

ターミナルに表示を許可,または禁止するメッセージの種類を指定します。 クラスを1つだけ指定する場合には,括弧を省略できます。クラス名は次のとおりです。

ALL すべての種類のメッセージが許可される。
[NO]DCL Ctrl/Tメッセージと,SPAWN/NOTIFYメッセージ。
[NO]GENERAL すべての通常のREPLYメッセージ,または$BRDCSTからのメッセージ。
[NO]MAIL メールの通知。
NONE すべての種類のメッセージが禁止される。
[NO]OPCOM OPCOMによって出されるメッセージ。
[NO]PHONE Phoneユーティリティからのメッセージ。
[NO]QUEUE キュー・マネージャから出される, プリント・ジョブまたはバッチ・ジョブについてのメッセージ。
[NO]SHUTDOWN REPLY/SHUTDOWNから出されるメッセージ。
[NO]URGENT REPLY/URGENTから出されるメッセージ。
[NO]USER1 to [NO]USER16 指定されたユーザ・グループ(1つまたは複数)からのメッセージ。 ユーザ・ブロードキャスト・メッセージの設定については, 『OpenVMS System Services Reference Manual』の $BRKTHRUシステム・サービスの記述を参照してください。

説明

SET BROADCASTコマンドを使用すると, 特定の種類のメッセージだけを端末に受信できます。 省略時の設定では,すべてのメッセージが端末に受信されます (SET BROADCAST=ALL)。 SET BROADCAST=NONEを指定すると,すべてのメッセージが表示(受信)されません。

SET BROADCASTを使用して一部のメッセージ・クラスを除外すれば (たとえば, SET BROADCAST=NOPHONE),コマンドを使用してそのクラスを復元することができます (たとえば,SET BROADCAST=PHONE)。

現在どのメッセージ・クラスが除外されているかを確認するには, SHOW BROADCASTコマンドを使用します。


注意
SYS$COMMANDは,端末でなければなりません。

  1. $ SET BROADCAST=(NOMAIL, NOPHONE)
       .
       .
       .
    $ SET BROADCAST=MAIL
    
    この例では,MAILおよび PHONEのブロードキャスト・メッセージを表示しないように設定しています。その後, MAILのブロードキャスト・メッセージだけを表示するように再設定しています。 PHONEのメッセージは,そのまま表示されません。

  2. $ SET BROADCAST=NONE
       .
       .
       .
    $ SET BROADCAST=(SHUTDOWN, URGENT, DCL, OPCOM)
    
    この例では, すべてのブロードキャスト・メッセージを表示しないように設定しています。 その後,REPLY/SHUTDOWN,REPLY/URGENT,DCLと OPCOMのブロードキャスト・メッセージだけを表示するように再設定しています。 REPLY,PHONE,MAIL,キューとユーザのブロードキャスト・メッセージは, 表示されません。


SET CARD_READER

カード・リーダから読み込まれたカードに対する,省略時の変換モードを定義します。 このコマンドの実行後,指定されたカード・リーダから読み込まれた入力は, すべて指定されたモードに変換されます。

フォーマット

     SET CARD_READER   装置名[:] 

パラメータ

装置名[:]

変換モードが設定される,カード・リーダの名前を指定します。 他のユーザが現在占有している装置は指定できません。

説明

システムがブートストラップ型の場合, すべてのカード・リーダで読み込んだカードの変換モードは029に設定されます。 いずれのコマンド修飾子も指定しないと,SET CARD_READERコマンドは無動作です。 つまり,現在の装置の変換モードは変化しません。

修飾子

/026

026穿孔装置で穿孔されたカード用に,カード・リーダを設定します。

/029

029穿孔装置で穿孔されたカード用に,カード・リーダを設定します。

/LOG
/NOLOG (省略時の設定)

カード・リーダの設定を確認するためのログ情報を, ターミナルに表示するかどうかを指定します。

  1. $ ALLOCATE CR:
      _CRA0: ALLOCATED
    $ SET CARD_READER CRA0:/029
    $ COPY  CRA0: [MALCOLM.DATAFILES]CARDS.DAT
    
    この例で,ALLOCATEコマンドは,総称装置名を指定することにより, カード・リーダの占有を要求しています。 ALLOCATEコマンドが装置名を表示すると,SET CARD_READERコマンドは, 変換モードを029に設定します。そのあと,COPYコマンドは, CRA0というカード・リーダに読み込まれたすべてのカードを, ディレクトリ[MALCOLM.DATAFILES]のファイルCARDS.DATにコピーします。


SET CLUSTER/EXPECTED_VOTES

OpenVMS Clusterのボートの合計(EXPECTED_VOTES)を,指定した値に設定します。 値が指定されていない場合には,ボートの合計をシステムが決定した値に設定します。

OPER(オペレータ)特権が必要です。

フォーマット

     SET CLUSTER/EXPECTED_VOTES [=値] 

パラメータ

クラスタのボートの合計を指定します。

説明

SET CLUSTER/EXPECTED_VOTESコマンドを使用すると, クラスタの予想ボートの合計を調整できます。各ノードによって与えられるボートと, クラスタ・クォーラム・ディスクによって与えられるボートの合計に等しい値を設定してください。 システムは,クラスタの中のボートの合計から, クラスタ・クォーラムの値を自動的に計算します。

SET CLUSTER/EXPECTED_VOTESコマンド文字列の一部分として, ボートの合計を指定することができます。 ボートの合計を指定せずに,SET CLUSTER /EXPECTED_VOTESコマンドを入力すると, システムは,以下の式を使用して値を計算します。

     EXPECTED_VOTES=(NODE1_VOTES+NODE2_VOTES+...)+QUORUM_DISK_VOTES

NODEn_VOTESは, クラスタの中の各ノードにおけるシステム・パラメータのVOTESの値です。 また,QUORUM_DISK_VOTESはシステム・パラメータのQDSKVOTESの値です。

値を指定せずに,SET CLUSTER/EXPECTED_VOTESコマンドを入力すると, システムは,クラスタとして設定されているすべてのノードが, 現在のクラスタ・メンバであると仮定します。

一般に,ノードが長期間クラスタから離れる場合に限り, SET CLUSTER/EXPECTED_VOTESコマンドを使用します。 正常な環境の下では,ノードが再ブートされ再びクラスタに加わるかもしれないので, ノードがクラスタを離れた場合でも,クォーラムは減らされません。 ノードがクラスタから離れ,ある合理的な時間内にクラスタに戻れない場合 (たとえば,ノードがハードウェア上の問題のためにクラッシュし, 数日間クラスタに戻ることができない場合), そのノードが復帰するまで,クラスタのクォーラムは, ボートの合計を低くすることによって安全に減らすことができます。

クラスタ・クォーラムの目的は,クラスタ分割の可能性を除去し, 同じ資源(たとえば,HSC50ディスク)への同時アクセスを除去することです。 クラスタのすべてのメンバのボートの合計が, クラスタ・クォーラムより小さい場合は,新しいノードがメンバとして参加し, ボートの合計を増加するまで,クラスタの中のすべてのノードは処理を停止します。 1つまたは複数のノードが長期間クラスタを離れる場合には, クォーラム値を低くする(ボートの合計を減らす)ことによって, この可能性を低下させます。

SET CLUSTER/EXPECTED_VOTESコマンドに指定した値に関係なく, クォーラムを現在のボート合計より多くしたり,その半分以下に減らすことはできません。

SET CLUSTER/EXPECTED_VOTESコマンドを入力する場合, ボートの合計の指定の有無に関わらず,システムは, 現実に設定された新しい値を示すメッセージで答えます。 新しいボートの合計はクラスタ全体に広められるので, クラスタの1つのノードだけでこのコマンドを入力します。 この新しいボートの合計は, 各クラスタ・ノード上のシステムパラメータEXPECTED_VOTESに保存され, ノードの再ブート後も有効なままです。

以前にクラスタのメンバだったノードの復帰準備ができた場合, ノードをクラスタに復帰させる前に, SYSGENパラメータEXPECTED_VOTESを元の値に増さなければなりません。 ノードがクラスタに復帰する場合には,ボートの合計は自動的に増やされるので, SET CLUSTER/EXPECTED_VOTESコマンドを使用する必要はありません。

  1. $ SET CLUSTER/EXPECTED_VOTES
    
    この例では,コマンド文字列の一部として値が指定されていないため, システムが,ユーザの代わりに,クラスタのEXPECTED_VOTESを計算します。 システムは,NODEn_VOTES + QUORUM_DISK_VOTESという公式を使用します。

  2. $ SET CLUSTER/EXPECTED_VOTES=9
    
    この例では,クラスタのボートの合計を9に設定します。


SET COMMAND

コマンド定義ユーティリティ (CDU) を起動し,コマンドを, ユーザのプロセス・コマンド・テーブル, または指定されたコマンド・テーブル・ファイルに追加します。 コマンド定義ユーティリティについての詳細は, 『OpenVMS Command Definition, Librarian, and Message Utilities Manual』 を参照してください。

フォーマット

     SET COMMAND   [ファイル指定[,...]] 

パラメータ

[ファイル指定[,...]]

1つまたは複数のコマンド定義ファイルの名前を指定します。 複数のファイルを指定する場合には,それらをコンマで区切ります。 省略時のファイル・タイプは.CLDです。 コマンド定義ファイルの記述についての詳細は, 『OpenVMS Command Definition, Librarian, and Message Utilities Manual』 を参照してください。

ファイル指定には, ワイルドカード文字(アスタリスク(*)とパーセント記号(%))を使用できます。

修飾子

/DELETE=(コマンド[,...])

変更するコマンド・テーブルからコマンドを削除します。

/DELETE修飾子を使用すると,自分のプロセス・コマンド・テーブル,または /TABLE修飾子に指定するコマンド・テーブル・ファイルからコマンドを削除できます。 /TABLE修飾子を使用して代わりのコマンド・テーブルを指定しないと, 自分のプロセス・コマンド・テーブルからコマンドが削除されます。 /OUTPUT修飾子を使用して出力ファイルを指定していない場合には, 変更されたコマンド・テーブルは自分のプロセスに戻されます。

コマンド・パラメータには,削除するコマンドを指定します。 複数のコマンドを指定する場合には,それらをコンマで区切り全体を括弧で囲みます。 コマンドを1つだけ指定する場合には,括弧は省略できます。

/DELETE修飾子と同時に,/LISTING,/OBJECT, または/REPLACE修飾子を指定することはできません。

/LISTING[=ファイル指定]
/NOLISTING

出力リストを作成するかどうかを制御し,また作成時には, リスティング・ファイルの出力ファイル指定を指定します。 リスティング・ファイルには,コマンド定義のリストが格納され, エラーの発生時にはそのメッセージも格納されます。 リスティング・ファイルは,コンパイラによるリスティングに似ています。

/LISTING修飾子だけを指定し,ファイル指定を省略した場合には, 省略時の装置のディレクトリに出力されます。つまり, リスティング・ファイルのファイル名は最初のコマンド定義ファイルのファイル名になり, ファイル・タイプはLISになります。

/LISTING修飾子は,/OBJECTまたは/REPLACE修飾子と同時にのみ指定できます。 /DELETE修飾子とは同時に指定できません。 /OBJECTまたは/REPLACE修飾子の指定時にこの修飾子を省略すると, /NOLISTINGが仮定されます。

/OBJECT[=ファイル指定]

コマンド定義ファイルからオブジェクト・モジュールを作成し, オブジェクト・ファイルの指定も行います。 IMAGEキーワードを含むコマンド定義からは, オブジェクト・モジュールは作成できません。

SET COMMAND/OBJECTを使用する場合には, コマンド定義ファイルは1つしか指定できません。

/OBJECT修飾子だけを指定し,ファイル指定を省略した場合には, 省略時の装置のディレクトリに出力されます。 つまり,オブジェクト・ファイルのファイル名は入力ファイルのファイル名になり, ファイル・タイプはOBJになります。

/LISTING修飾子と同時に,/DELETE,/OUTPUT,/REPLACE, または/TABLE修飾子を指定することはできません。

/OUTPUT[=ファイル指定]
/NOOUTPUT

変更されたコマンド・テーブルが作成されるかどうかを制御します。 出力ファイルの指定時には, 変更されたコマンド・テーブルは指定ファイルに書き込まれます。 出力ファイルを指定しないと, 編集されたコマンド・テーブルで自分のプロセスのテーブルが置き換えられます。 /NOOUTPUT修飾子を指定すると,出力は作成されません。

/TABLE=ファイル指定修飾子を使用して入力ファイルを指定している場合にのみ, /OUTPUT修飾子に出力ファイルを指定できます。省略時のファイル・タイプはEXEです。

/OUTPUT修飾子は,/DELETEまたは/REPLACE修飾子と同時にのみ指定できます。 /OBJECT修飾子と同時に指定することはできません。

/DELETEまたは/REPLACE修飾子の指定時にこの修飾子を省略すると, ファイル指定なしの/OUTPUTが仮定されます。

/REPLACE

変更するコマンド・テーブル内にコマンドを追加,または置き換えます。

/REPLACE修飾子を使用すると,プロセス・コマンド・テーブル, または/TABLE修飾子に指定したコマンド・テーブルを変更できます。 /TABLE修飾子を使用して代わりのコマンド・テーブルを指定していない場合には, 自分のコマンド・テーブルが変更されます。 /OUTPUT修飾子を使用して出力ファイルを指定していない場合には, 変更されたコマンド・テーブルは自分のプロセスに戻されます。

/REPLACE修飾子と同時に,/OBJECTまたは/DELETE修飾子を指定することはできません。

/DELETE, /OBJECT,または/REPLACE修飾子を明示的に指定しない場合には, /REPLACE修飾子が仮定されます。

/TABLE=[ファイル指定]

変更するコマンド・ファイルを指定します。 /TABLE修飾子だけを指定し,ファイル指定を省略した場合には, 現在のプロセス・コマンド・テーブルが変更されます。 ファイル指定を指定した場合には,指定されたコマンド・テーブルが変更されます。 省略時のファイル・タイプはEXEです。

/TABLE修飾子を使用して入力コマンド・テーブル・ファイルを指定した場合には, /OUTPUT修飾子を使用して,出力テーブル・ファイルを指定しなければなりません。 そうしないと,変更されたコマンド・テーブルが自分のプロセスに書き込まれ, 自分のプロセス・コマンド・テーブルが置き換えられてしまいます。

/TABLE修飾子は,/DELETEまたは/REPLACE修飾子と同時にのみ指定できます。 /OBJECT修飾子と同時に指定することはできません。

/REPLACEまたは/DELETE修飾子の指定時にこの修飾子を省略すると, ファイル指定なしの/TABLEが仮定されます。

  1. $ SET COMMAND SNAG
    
    このコマンドは, SNAG.CLD内のコマンドを現在のプロセスのコマンド・テーブルに追加します。

  2. $ SET COMMAND/OBJECT SNAG
    
    このコマンドは, SNAG.CLD内のコマンドを使用してオブジェクト・ファイルを作成します。 このオブジェクト・ファイルは,他のオブジェクト・ファイルとリンクすれば, アプリケーション定義のコマンドを処理できます。

  3. $ SET COMMAND/TABLE=MYTAB/OUTPUT=MYCLI SNAG
    
    このコマンドは, SNAG.CLD内のコマンドをMYTAB.EXEというコマンド・テーブルに追加し, 更新されたテーブルをMYCLI.EXEに書き込みます。

    /TABLE修飾子を使用して入力コマンド・テーブルを指定する場合は, /OUTPUT修飾子を使用して出力ファイルを指定しなければなりません。 そうしないと,自分のプロセスのコマンド・テーブルが上書きされてしまいます。

  4. $ SET COMMAND/DELETE=HOLD
    
    このコマンドは, プロセス・コマンド・テーブルからHOLDというコマンドの定義を削除します。 変更されたコマンド・テーブルが,現在のプロセスに戻されます。


SET CONTROL

Ctrl/YとCtrl/Tの機能を許可または禁止します。 Ctrl/Yを押したときには,コマンドに割り込みをかけ,制御をDCLに戻します。 Ctrl/Tを押したときには,コマンドに一時割り込みをかけ, プロセスの統計情報を表示します。

SET CONTROL=Tコマンドは, SET TERMINAL/BROADCASTコマンドでブロード・キャスト・メッセージがターミナルに表示されるように設定されていなければなりません。

フォーマット

     SET CONTROL   [=(T,Y)]

     SET NOCONTROL   [=(T,Y)] 

パラメータ

(T,Y)

T (Ctrl/T)またはY (Ctrl/Y)の制御機能が, SET CONTROLコマンドによって許可または禁止されることを指定します。 いずれか1つだけ指定する場合は,括弧は省略できます。省略時の設定はYです。

説明

Ctrl/Y機能は,現在の処理からの一般的な脱出機能です。 Ctrl/Y機能は一般に,現在のコマンド,コマンド・プロシージャ, またはプログラム・イメージを中断するために, 会話型のターミナル・セッション中で使用することができます。

SET NOCONTROL=Yコマンドは, 特別のアプリケーション・プログラムに使用することができます。 SET NOCONTROL=Yコマンドが, ログイン時に特定ユーザのためにシステム特有のコマンド・プロシージャの中で実行される場合, そのユーザは,ターミナルを制御するアプリケーション・プログラムとのみ通信することができます。

SET NOCONTROL=Yが有効な場合にCtrl/Yを押すと, INTERRUPTメッセージは表示されますが,割り込みは起こりません。[1]


[1] DCLは,ターミナル・ドライバに対する待ち状態の Ctrl/Y非同期システム・トラップ(AST)を維持します。これは, SET HOSTコマンドを使用する場合のキャプティブ・コマンド・プロシージャに影響します。 詳細は,SET HOSTコマンドの説明を参照してください。

SET NOCONTROL=Yは,さらにCtrl/C機能のための特別の処理ルーチンを持っていない, すべてのコマンドおよびプログラムに対して,Ctrl/Cの取消機能を禁止します。

Ctrl/T機能は,現在のプロセスに関する統計情報を一行表示します。 会話型のターミナル・セッション中にCtrl/Tを押した場合, 統計情報を表示するために,現在のコマンド,コマンド・プロシージャ, またはイメージを瞬間的に中断します。統計情報はノード名およびユーザ名, 現在の時間,現在のプロセス,CPUの使用状態,ページ・フォルトの数, 入出力処理状態のレベル,およびメモリの使用状態を含んでいます。 次に例を示します。

  BOSTON::SMITH  16:21:04 EDT     CPU=00:00:03.33 PF=778 IO=296 MEM=277

SET NOCONTROL=T(省略時の設定)が有効な場合にCtrl/Tを押しても, 統計情報は表示されません。

  1. $ SET NOCONTROL=Y
    
    この例では,Ctrl/Yの機能と,Ctrl/Cのほとんどの機能を禁止します。

  2. $ SET CONTROL=T
    
    この例では,Ctrl/Tの機能を許可します。

  3. $ SET NOCONTROL=(T,Y)
    
    この例では,Ctrl/TとCtrl/Yの両方の機能を禁止します。

  4. $ [Ctrl/T]
    NODE22::SMITH 16:21:04 (DCL) CPU=00:03:29.39 PF=14802 IO=18652 MEM=68
    $ SET NOCONTROL=T
    $ [Ctrl/T]
    
    Ctrl/Tキーを押した時に表示されるメッセージを示しています。 SET NOCONTROL=Tコマンドは,この機能を禁止しています。 したがって,次にCtrl/Tキーを押した時には何も表示されません。


SET CPU

指定されたCPUに対応するユーザ機能を変更します。

ALTPRIおよびWORLD特権が必要です。

フォーマット

     SET CPU  CPU識別子[, . . . ] 

パラメータ

CPU識別子

OpenVMSマルチプロセッシング・システムのプロセッサ識別子を10進数で指定します。 VAX 6000システムまたはAlpha 7000システムでは, CPU IDはプロセッサのバックプレーン・スロット番号です。

修飾子

/ALL

アクティブ・セットのすべてのCPUに,指定された操作を適用します。

/CAPABILITY
/NOCAPABILITY

プロセス・ユーザ機能マスクのビットを個別に,グループ単位に, またはすべてを一度にセットしたり,クリアしたりできるようにします。

注意
SET CPU/[NO]CAPABILITYコマンドは, アクティブなプロセスが残っているアクティブCPUでは利用できない機能を必要とする場合, 異常終了します。


/CAPABILITY修飾子を指定しても,直接の効果はありません。 次の副修飾子によって指定される操作の対象を示すだけです。

/SET=(n[,...]) 位置の値nによって定義されるユーザ機能のすべてをセットします。 nの範囲は1〜16です。
/CLEAR=(n[,...]) 位置の値nによって定義されるユーザ機能のすべてをクリアします。 nの範囲は1〜16です。

/SETおよび/CLEARパラメータで定義されたユーザ機能ビットが重複していない限り, 副修飾子のすべてを一度に使用できます。

/NOCAPABILITY修飾子は,ユーザ機能ビットをすべてクリアします。

/CLEAR=(n[,...])

/CAPABILITY修飾子によって指定された位置の値n で定義されたユーザ機能をすべてクリアします。

/GLOBAL

グローバル・セルSCH$GL_DEFAULT_CPU_CAPを変更します。このグローバル・セルは, 初回にアクティブ・セットに入れるCPUのユーザ機能マスクを初期化するのに使用します。

/SET=(n[,...])

/CAPABILITY修飾子によって指定された位置の値n で定義されたユーザ機能をすべてセットします。

  1. $ SET CPU/CAPABILITY/GLOBAL/SET=(2,4)
    
    このコマンドは, グローバル・セルSCH$GL_DEFAULT_CPU_CAPにユーザ機能2と4をセットします。

  2. $ SET CPU/CAPABILITY/GLOBAL/SET=(2,4) 0
    
    このコマンドは, グローバル・セルSCH$GL_DEFAULT_CPU_CAPにユーザ機能2と4をセットします。 同様にアクティブCPU 0にもセットします。

  3. $ SET CPU/CAPABILITY/SET=(1,2) 0
    
    $ SHOW CPU/FULL
    
    PIPERI, a DEC 3000 Model 500
    Multiprocessing is ENABLED. Full checking synchronization image loaded.
    Minimum multiprocessing revision levels: CPU = 1
    
    System Page Size = 8192
    System Revision Code =
    System Serial Number =
    Default CPU Capabilities:
            System:         QUORUM RUN
    Default Process Capabilities:
            System:         QUORUM RUN
    
    PRIMARY CPU = 00
    
    CPU 00 is in RUN state
    Current Process: VMSADU          PID = 00000094
    Serial Number:
    Revision:       F001
    VAX floating point operations supported.
    IEEE floating point operations and data types supported.
    PALCODE: Revision Code = 5.48-01
             PALcode Compatibility = 0
             Maximum Shared Processors = 0
             Memory Space:  Physical address = 00000000 00054000
                            Length = 81920
             Scratch Space: Physical address = 00000000 00104000
                            Length = 8192
    Capabilities of this CPU:
            System:         PRIMARY QUORUM RUN
            User bitmask:   00000003
    Processes which can only execute on this CPU:
            NETACP           PID = 0000008F  Reason: PRIMARY Capability
    
    $ SET CPU/CAPABILITY/CLEAR=1 0
    
    $ SHOW CPU/FULL
    
    PIPERI, a DEC 3000 Model 500
    Multiprocessing is ENABLED. Full checking synchronization image loaded.
    Minimum multiprocessing revision levels: CPU = 1
    
    System Page Size = 8192
    System Revision Code =
    System Serial Number =
    Default CPU Capabilities:
            System:         QUORUM RUN
    Default Process Capabilities:
            System:         QUORUM RUN
    
    PRIMARY CPU = 00
    
    CPU 00 is in RUN state
    Current Process: VMSADU          PID = 00000094
    Serial Number:
    Revision:       F001
    VAX floating point operations supported.
    IEEE floating point operations and data types supported.
    PALCODE: Revision Code = 5.48-01
             PALcode Compatibility = 0
             Maximum Shared Processors = 0
             Memory Space:  Physical address = 00000000 00054000
                            Length = 81920
             Scratch Space: Physical address = 00000000 00104000
                            Length = 8192
    Capabilities of this CPU:
            System:         PRIMARY QUORUM RUN
            User bitmask:   00000002
    Processes which can only execute on this CPU:
            NETACP           PID = 0000008F  Reason: PRIMARY Capability
    
    この例では,最初のSET CPUコマンドはCPU 0にユーザ機能1と2をセットし, 2回目の Set CPUコマンドはユーザ機能1をクリアしています。


SET DAY

現在の日のタイプに関して, 利用者登録ファイル(UAF)に指定されている省略時の日のタイプを再設定します。

OPER (オペレータ)特権が必要です。

フォーマット

     SET DAY 

説明

SET DAYコマンドは,毎日のログインを制御するために使用する, 曜日タイプ(主使用日と副使用日)を上書きします。これらの省略時の曜日タイプは, 利用者登録ファイル(UAF)の中でシステム管理者によって定義されます。

特別の週に作業日の変更があった場合など, 曜日タイプを変更する必要がある場合にSET DAYコマンドを使用します。 たとえば,通常は作業日である月曜日が休日になることがあります。 このような場合,SET DAYコマンドを使用すれば, 通常は作業日である月曜日の曜日タイプを上書きして, 別の曜日タイプに設定することができます。

修飾子

/DEFAULT

すでに設定されているSET DAYの指定を無効にし,今日の曜日タイプに, 通常のUAFの省略時の値を再設定します。

/LOG
/NOLOG (省略時の設定)

新しいSET DAY情報が設定されたことを確認するために, ログ情報をターミナルに表示するかどうかを指定します。

/PRIMARY

今日の真夜中(午前0時)までを,主使用日に設定します。

/SECONDARY

今日の真夜中(午前0時)までを,副使用日に設定します。

  1. $ SET DAY/PRIMARY
    
    この例では,現在の省略時の曜日タイプを無効にし, 今日の午前0時までを主使用日に設定します。

  2. $ SET DAY/DEFAULT
    
    この例では,すでに実行されたSET DAYコマンドの値を無効にし, 今日の曜日タイプを,UAFに定義されている省略時のタイプに設定します。


SET DEFAULT

現在のプロセスの,省略時の装置名またはディレクトリ名を設定します。 新しく設定した省略時の名前は,これ以後の, 装置名またはディレクトリ名が指定されていないすべてのファイル指定に適用されます。

省略時の装置を変更した場合,システムは指定された装置を, SYS$DISK という論理名に割り当てます。

フォーマット

     SET DEFAULT  [装置名[:]][ディレクトリ指定] 

パラメータ

装置名[:]

ファイル指定の中で省略時の装置名として使用される,装置名を指定します。

ディレクトリ指定

ファイル指定の中で省略時のディレクトリ名として使用される, ディレクトリ名を指定します。かぎかっこ([ ])で囲まなければなりません。 ディレクトリ名指定では, 現在のディレクトリのすぐ上位のディレクトリを指定するのに, 検索のためのワイルドカード文字として,マイナス符号(-)を使用できます。

Alpha システムで新たに指定されたディレクトリ指定が 255 文字を越えた場合, SET DEFAULT コマンドは省略時のディレクトリ指定を新たに指定されたディレクトリ指定に置換しようとします。 置換が発生した場合,通常のシンタックス・チェックに加えて, デバイス名を含むディレクトリ指定の全パスが検証され, そのディレクトリ指定が存在していてその位置に移動することができなければなりません。

Alpha システムでプロセスの解析スタイルが EXTENDED に設定されている場合は, ディレクトリ指定に DID (ディレクトリ ID) を含むことができます。

装置名,ディレクトリ指定のどちらか1つのパラメータは, 必ず指定しなければなりません。 装置名のみを指定した場合は,ディレクトリ指定は現在のディレクトリになります。 ディレクトリ指定のみを指定した場合は,装置名指定は現在の装置になります。

論理名を使用する場合,少なくとも装置名の部分を含まなければなりません。 SET DEFAULTのパラメータとしてサーチ・リスト論理名を使用した場合, その論理名を変換せず,そのまま保存します。このため, OpenVMSレコード管理サービス(RMS)は,サーチ・リスト全体をアクセスできます。 SHOW DEFAULTコマンドを実行すると,サーチ・リスト論理名がその等価名とともに, 省略時の装置として表示されます。

  1. $ SET DEFAULT [CARPENTER]
    
    この例では,省略時のディレクトリ名を,[CARPENTER]に変更します。 省略時のディスク装置は変更されません。

  2. $ SET DEFAULT $FLOPPY1:[WATER.MEMOS]
    
    このSET DEFAULTコマンドは,装置$FLOPPY1上のサブディレクトリ[WATER.MEMOS] を省略時の装置/ディレクトリに設定します。

  3. $ SET DEFAULT $FLOPPY1:
    
    このSET DEFAULTコマンドは,装置$FLOPPY1を省略時の装置に設定します。 省略時のディレクトリは変更されません。

  4. $ SET DEFAULT [-]
    
    この例では,省略時のディレクトリを, 現在の省略時のディレクトリの親ディレクトリに設定しています。 たとえば,現在の省略時のディレクトリが $FLOPPY1:[WATER.MEMOS]であれば,省略時設定を$FLOPPY1:[WATER]に変更します。 また,$FLOPPY1:[WATER]であれば, ディスク上のマスタ・ディレクトリである$FLOPPY1:[000000]に設定します。

  5. $ SAVEDEF = F$ENVIRONMENT("DEFAULT")
    $ SET DEFAULT [122001.JONES.APP10]
        .
        .
        .
    $ SET DEFAULT  'SAVEDEF'
    
    この例では, レキシカル関数F$ENVIRONMENTを用いて現在の省略時の装置とディレクトリを, シンボルSAVEDEFに定義しています。 SET DEFAULTコマンドで,省略時のディレクトリを[122001.JONES.APP10]に変え, その後,シンボルSAVEDEFを用いて最初のディレクトリへ戻っています。

  6. $ SHOW DEFAULT
    WORK:[TOP]
    $ DEFINE X WORK:[TOP.SUB1],WORK:[TOP.SUB2]
    $ SET DEFAULT X
    $ SHOW DEFAULT
    X:[TOP]
     =   WORK:[TOP.SUB1]
     =   WORK:[TOP.SUB2]
    $ DIRECTORY
    
    Directory WORK:[TOP.SUB1]
    
    KUDOS.TMP;1
    
    Total of 1 file.
    
    Directory WORK:[TOP.SUB2]
    
    KUDOS.TMP;1
    
    Total of 1 file.
    
    Grand total of 2 directories, 2 files.
    $ DIRECTORY []
    
    Directory WORK:[TOP]
    
    KUDOS.TMP;1           NETSERVER.LOG;2
    
    Total of 2 files.
    
    この例では,省略時の装置とディレクトリはWORK:[TOP]です。 論理名Xは,2つのサブディレクトリを示すサーチ・リストとして定義されています。 コマンドSET DEFAULT Xを実行すると, サーチ・リスト(X)がSYS$DISKに定義され装置名となります。 次のSHOW DEFAULTコマンドが,サーチ・リストと省略時のディレクトリを, その展開型とともに示しています。

    DIRECTORYコマンドが実行されると,論理名Xで参照されるディレクトリが検索されます。 ただし,省略時のディレクトリを示す([])が明示的に指定されると, SYS$DISK ではなく現在の省略時のディレクトリが検索されます。

  7. $SET PROCESS/PARSE_STYLE=EXTENDED
    $SET DEFAULT WORK:[11,1,0]
    $SHOW DEFAULT
    WORK:[11,1,0]
    $DIRECTORY
    
    Directory WORK:[11,1,0]
    
    X.X;1
    
    Total of 1 file.
    

    この例では,AlphaシステムでのSET DEFAULTコマンドで, ディレクトリ指定にDID (ディレクトリID)を使用しています。

  8. $SET PROCESS/PARSE_STYLE=EXTENDED
    $SET DEFAULT -
    WORK:[.LONG_DIRECTORY_NAME_AAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAA]
    $SET DEFAULT -
    WORK:[.LONG_SUBDIRECTORY_NAME_BBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBB]
    $SET DEFAULT -
    WORK:[.LONG_SUBDIRECTORY_NAME_CCCCCCCCCCCCCCCCCCCCCCCCCCCCCCCCCCCCCCCCCCC]
    $SET DEFAULT -
    WORK:[.LONG_SUBDIRECTORY_NAME_DDDDDDDDDDDDDDDDDDDDDDDDDDDDDDDDDDDDDDDDDDD]
    $SET DEFAULT -
    WORK:[.LONG_SUBDIRECTORY_NAME_EEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEE]
    $SHOW DEFAULT
    MDA0:[15,1,0]
    $SET DEFAULT [-]
    %RMS-F-DIR, error in directory name
    $SET DEFAULT [.TEST]
    $SHOW DEFAULT
    MDA0:[15,1,0.TEST]
    

    この例では, Alphaシステムで省略時のディレクトリ文字列の長さが255文字を越えたため, ディレクトリ指定にディレクトリIDが使用されています。 省略時のディレクトリ文字列がディレクトリIDと置換された場合, 1つ上位のディレクトリを指定するためにマイナス記号を使用することはできません。


SET DEVICE

プリント装置またはターミナルを,スプール装置として設定します。 また,装置の操作状態を設定します。

OPER(オペレータ)特権が必要です。

フォーマット

     SET DEVICE  装置名[:] 

パラメータ

装置名[:]

スプール状態,または操作状態が変更される,装置の名前を指定します。 スプール状態を変更する場合には,装置は, プリント装置またはターミナルでなければなりません。操作状態を変更する場合には, 装置は,ディスクまたは磁気テープでなければなりません。

説明

/SPOOLED修飾子を指定した場合には, OpenVMSレコード管理サービス(RMS)またはファイル制御システム(FCS)を使用し, 印刷装置名を指定するプログラムの出力が, 印刷装置または端末に直接書き込まれるのではなく中間ディスクに書き込まれます。

/AVAILABLE,/DUAL_PORT,/ENABLE,/ERROR_LOGGING,/POLL,/SWITCH修飾子のいずれかを指定すると,ドライブの動作状態が変更されます。

修飾子

/AVAILABLE
/NOAVAILABLE

指定したディスクまたは磁気テープが, 使用可能であると解釈されるかどうかを指定します。このコマンドは, 指定したディスク/磁気テープがディスマウントされたあとでのみ実行できます。 /NOAVAILABLE修飾子を使用する場合, 指定したディスク/磁気テープをマウントできなくなります。 装置が/NOAVAILABLEに設定されていたとしても, オンラインにされた時点で自動的に/AVAILABLEに設定されます。

/DUAL_PORT
/NODUAL_PORT

指定したディスクのデバイス・ドライバのデュアル・ポートを可能にする機能を, 許可するかどうかを指定します。 この修飾子は,デュアル・ポート機能を持ち, すでにディスマウントされているディスクに対してだけ使用できます。

/ENABLE
/NOENABLE

マルチパス装置に対するパスを有効あるいは無効にします。 /PATH修飾子で指定したパスが影響を受けます。 すべてのパスは初期化時に有効となっており,現在のパスを無効とすることはできません。

/ERROR_LOGGING
/NOERROR_LOGGING

装置エラーが,エラー・ログ・ファイルに記録されるかどうかを指定します。 /ERROR_LOGGING修飾子を指定した場合, 装置のすべてのエラーがエラー・ログ・ファイルに書かれます。 現在の状態を調べるためには,SHOW DEVICE/FULLコマンドを使用します。

/LOG
/NOLOG (省略時の設定)

ログ情報が,ターミナルに表示されるかどうかを指定します。 省略時の設定では,情報は表示されません。

/PATH="パス説明文字列"

装置への特定の経路を目指します。 パス説明文字列は,ホストから装置までのパスを識別するものです (たとえば,"PKAO.2343-A855-BC99-876F"あるいは"PKC0.5")。 ワイルドカード文字は特別な意味を持ちません。 パス説明文字列は,最小の固有の文字列に短縮することができます。 この修飾子はマルチパス装置に対してのみ適用されることに注意してください。

/POLL
/NOPOLL

/PATH修飾子で指定されたパスが, パス切り替えデスティネーションとして継続して利用可能であるかどうかポーリングされることを指定します。 これは,このパスへの切り替えに影響を与えるものではありません。 この目的は,パスがパス切り替えデスティネーションとして使用できるかどうかをオペレータに通知することだけです。 省略時の設定では,装置パスが検出された場合, すべての装置パスのポーリングが有効となっています。 この修飾子はマルチパス装置に対してのみ適用されることに注意してください。

/PREFERRED_CPUS=cpu-a[,cpu-b,cpu-c,...]
/NOPREFERRED_CPUS

オペレーティング・システムがFast Pathポートへの割り当てに選択するCPUあるいはCPU候補の組を指定することができます。 選択されたCPUはそのFast Pathポートの優先CPUと呼ばれます。 この優先CPU上では,そのFast Pathポートの割り込みI/O完了処理および開始処理が優先されます。

優先CPUの選択だけでなく,このポートにはユーザ優先CPUが設定されます。 ユーザ優先CPUを設定することにより,そのユーザ優先CPUが停止するまでは, 別のCPUに割り当てられることを防ぐことができます。この修飾子は省略することができます。 /NOPREFERRED_CPUS修飾子を指定した場合,そのポートに対するユーザ優先CPUはクリアされますが, 継続してFast Pathポートであり,現在の優先CPUは変更されません。

同一のコマンド行で/PREFERRED_CPUSおよび/NOPREFERRED_CPUSの両方を指定した場合, /NOPREFERRED_CPUSは無視されます。

Fast Pathが有効である場合,DCLコマンドのSHOW DEVICES/FULLを使用することで, 現在の優先CPUおよびユーザ優先CPUを表示することができます。

I/O性能を向上させるFast Path機能の使用法についての詳細は, 『OpenVMS I/O User's Reference Manual』を参照してください。

/SPOOLED[=(キュー名[:],中間ディスク名[:])]
/NOSPOOLED

ファイルが,中間ディスクにスプールされるかどうかを指定します。

キュー名は,ファイルが登録されるプリント・キューを示します。 キュー名を指定していない場合には,省略時の値として, プリンタまたはターミナルの名前が使用されます。

中間ディスク名は,スプールされたファイルが書き込まれるディスクを示します。 中間ディスク名を指定していない場合には,省略時の値として, SYS$DISK(現在の省略時の装置)が使用されます。 中間ディスクは,ファイルを書き込む前にマウントしておかなければなりません。

装置がディスクにスプールされたあと, スプールされた装置が/NOSPOOLEDに設定されるまで, そのディスクはディスマウントできなくなります。スプール属性を変更する場合には, 前もってすべてのチャネルの割り当てを,印刷装置から解除しなければなりません。 また,その装置に割り当てられているキューも停止しなければなりません。

/SWITCH

マルチパス装置の現在のパスから/PATH修飾子で指定されたパスに切り替えます。 そのパスがSET DEVICE/NOENABLEによって無効とされていない場合に限り, パスの切り替えが行なわれます。パスの切り替えは開始されますが, ユーザに制御を返すまでは完了しません。 SHOW DEVICE/MULTIPATHを使用して,パスの切り替えが正しく完了したことを確認してください。

  1. $ SET DEVICE/SPOOLED=(LPA0)  LPA0:
    
    この例では,/SPOOLED修飾子は,LPA0というプリント・キューが, ディスク・ファイルがプリントされる前に, 中間ディスクにスプールされることを要求しています。 中間ディスクを指定しないため,省略時の値として,SYS$DISKが使用されます。

  2. $ SET DEVICE/ERROR_LOGGING  DBB2:
    
    この例では,装置DBB2について報告されたすべての装置エラーが, エラー・ログ・ファイルに記録されることを要求しています。

  3. $ SET DEVICE/NOAVAILABLE DRA0:
    
    この例では,装置DRA0にディスクをマウントできないようにしています。

  4. $ SET DEVICE/DUAL_PORT DRA0:
    
    このコマンドを実行すると,装置DRA0でデュアル・ポートの機能が使用可能になります。

  5. $ SET DEVICE/PREFERRED_CPU=1 PNA0
    
    Fast PathポートPNA0がCPU1に割り当てられ,ユーザ優先CPUが1に設定されます。

  6. $ SET DEVICE/NOPREFERRED_CPU  PNA0
    
    ポートPNA0に対するユーザ優先CPUがクリアされますが,Fast Pathポートのままであり, CPU1が現在の優先CPUです。

  7. $ SET DEVICE/NOPREFERRED_CPU=(O,1,2)  PNA0
    
    オペレーティング・システムがFast PathポートPNA0に対する優先CPUとしてCPU 0,1,2を選択し,ユーザ優先CPUを選択したCPUに設定します。

  8. $ SET DEVICE $10$DKA1001:/PATH="PGB0.0123-4567-89AB-CDEF"/ENABLE
    
    この例では,切り替えパス・デスティネーションとして "PGB0.0123-4567-89AB-CDEF"パスを有効とするよう要求しています。 この要求前にそのパスが有効な状態である場合は,エラーは通知されません。 /NOENABLEオプションが使用されていた場合は, そのパスは切り替えパスの対象から除外されます。

  9. $ SET DEVICE $10$DKA1001:/PATH="PGB0.0123-4567-89AB-CDEF"/POLL
    
    この例では,切り替えパス・デスティネーションとして"PGB0.0123-4567-89AB-CDEF" パスを有効とし,継続した利用可能状態のポーリングを有効とするよう要求しています。 /NOPOLLオプションが使用されていた場合は, そのパスは利用可能ポーリング・パスの対象から除外されます。

  10. $ SET DEVICE $10$DKA1001:/PATH="PGB0.0123-4567-89AB-CDEF"/SWITCH
    
    この例では,現在のパスから"PGB0.0123-4567-89AB-CDEF" パスに切り替えるよう要求しています。万一パスに障害が発生した場合は, 未指定パスの切り替えアルゴリズムが使用されます。


SET DEVICE/SERVED

ローカル・ノードのディスクを, VMScluster内のすべてのノードから使用できるようにします。

OpenVMS Cluster環境下でのみ使用可能です。

フォーマット

     SET DEVICE/SERVED  ノード名$DDcu: 

パラメータ

ノード名$DDcu:

クラスタ内のノードから使用できるようにする,装置の名前を指定します。

説明

SET DEVICE/SERVEDコマンドは,大容量記憶制御プロトコル(MSCP)サーバと組み合せて, ローカル・ノード上のディスクをクラスタ内のすべてのノードで使用できるようにするために使用します。 ローカル・ノードは,OpenVMS Clusterのメンバでなければなりません。 また,ローカルMSCPサーバは, システム生成ユーティリティ(SYSGEN)で起動されていなければなりません。

次の条件では,SET DEVICE/SERVEDコマンドは使用できません。

SET DEVICE/SERVEDコマンド文字列は, ローカルのスタートアップ・コマンド・ファイルの一部として含めることができ, またマウント・ユーティリティがそのディスクをマウントしてクラスタ全体を使用可能にする前に, 入力することができます。サービスするディスクを Mountユーティリティでマウントする (クラスタ全体で使用できるようになる)前に入力できます。

  1. $ SET DEVICE/SERVED DRA4:
    
    この例では,ローカル・ノードのDRA4:というディスク装置を, クラスタ内の他のすべてのプロセッサから使用できるようにするために, MSCPサーバに指示を与えます。


SET DIRECTORY

1つ,または複数のディレクトリの属性を変更します。

制限事項については,修飾子の説明を参照してください。

フォーマット

     SET DIRECTORY  [装置名[:]]ディレクトリ指定[,...] 

パラメータ

装置名[:]

変更するディレクトリが存在する装置を指定します。装置名は省略可能です。

ディレクトリ指定[,...]

属性を変更する1つ,または複数のディレクトリを指定します。 複数のディレクトリを指定する場合には,各ディレクトリをコンマ(,)で区切ります。 ワイルドカード文字(*と%)を使用できます。

修飾子

/BACKUP

/BEFORE修飾子または/SINCE修飾子に指定された時刻の属性を設定します。 最新のバックアップ日付をもとに,ディレクトリを選択することを指定します。 /BACKUP修飾子を,この修飾子同様に時刻属性によりファイルを選択する, /CREATED修飾子,/EXPIRED修飾子,/MODIFIED修飾子とともに使用することはできません。 これら4つの修飾子を省略した場合,/CREATED修飾子が使用されます。

/BEFORE[=時刻]

指定された時刻より前の日付のディレクトリだけを選択するように指定します。 絶対時刻,または絶対時刻とデルタ時間の組み合わせを指定できます。 また,BOOT, LOGIN, TODAY,TOMORROW,YESTERDAYというキーワードを使用できます。 選択基準の時刻属性を指定するには,/BACKUP修飾子,/CREATED修飾子(省略時の設定), /EXPIRED修飾子,/MODIFIED修飾子のいずれかを使用します。

時刻の指定方法についての詳細は,『OpenVMSユーザーズ・マニュアル』 またはオンライン・ヘルプの DCL_Tips トピック (Date_Time サブトピック) を参照してください。

/BY_OWNER[=uic]

指定された利用者識別コード(UIC) のユーザが所有しているディレクトリだけを変更されるように指定します。 省略時のUICは,現在のプロセスのUICです。

UICは,『OpenVMS Guide to System Security』に説明されている, 標準的なUIC形式を使って指定します。

/OWNER_UIC修飾子には,制御アクセス,システムUICまたは特権が必要です。

/CONFIRM
/NOCONFIRM (省略時の設定)

各ディレクトリの属性を変更する前に, そのディレクトリに対する操作の実行を確認するため, プロンプトを表示するかどうかを指定します。 システムがプロンプトを表示したら,次の応答のいずれかを入力できます。

YES NO QUIT
TRUE FALSE Ctrl/Z
1 0 ALL
  [Return]  

単語による応答には,大文字と小文字を任意に組み合わせることができます。 また,単語による応答は,1文字または複数の文字に短縮できます (たとえば,TRUE は T,TR,または TRU に短縮できます)。 肯定応答は,YES,TRUE,1です。否定応答は,NO,FALSE,0,<RET>です。 QUITまたは[CTRL/Z]は,その時点でコマンドの処理を中止することを示します。 ALLと応答すると,コマンドの処理は継続されますが, そのあとプロンプトは表示されなくなります。 上記以外の応答を入力すると,DCLはエラー・メッセージを出力し, 同じプロンプトが再度表示されます。

/CREATED (省略時の設定)

/BEFORE修飾子または/SINCE修飾子に指定された時刻の属性を設定します。 作成日をもとに,ディレクトリを選択するように指定します。 /CREATED修飾子を,この修飾子同様に時刻属性によりファイルを選択する, /BACKUP修飾子,/EXPIRED修飾子,/MODIFIED修飾子とともに使用することはできません。 これら4つの修飾子を省略した場合,/CREATED修飾子が使用されます。

/EXCLUDE=(ファイル指定[,...])

指定されているディレクトリ指定(1つまたは複数)と一致するディレクトリを, SET DIRECTORYコマンドの操作から除外するように指定します。 /EXCLUDE修飾子に指定するディレクトリ指定(1つまたは複数)には, 装置名を指定することはできません。ワイルドカード文字(*と%)を使用できます。 特定のバージョンを除外するために,相対バージョン番号を指定することはできません。 ディレクトリを1つだけ指定する場合には,括弧を省略できます。

/EXPIRED

/BEFORE修飾子または/SINCE修飾子に指定された時刻の属性を設定します。 満了日をもとに,ディレクトリを選択するように指定します。 /EXPIRED修飾子を,この修飾子同様に時刻属性によりファイルを選択する, /BACKUP修飾子,/CREATED修飾子,/MODIFIED修飾子とともに使用することはできません。 これら4つの修飾子を省略した場合,/CREATED修飾子が使用されます。

/LOG
/NOLOG (省略時の設定)

変更される各ディレクトリのディレクトリ指定を,表示するかどうかを指定します。

/MODIFIED

/BEFORE修飾子または/SINCE修飾子に指定された時刻の属性を設定します。 最後に変更された日付をもとに,ディレクトリを選択するように指定します。 /MODIFIED修飾子を,この修飾子同様に時刻属性によりファイルを選択する, /BACKUP修飾子,/CREATED修飾子,/EXPIRED修飾子とともに使用することはできません。 これら4つの修飾子を省略した場合,/CREATED修飾子が使用されます。

/OWNER_UIC[=uic]

この修飾子をに自分以外のユーザ識別コード(UIC)を指定する場合, 制御(C)アクセス権,システムUIC, SYSPRV(システム特権)特権が必要です。

ディレクトリの所有者のUICを指定します。省略時のUICは現在のプロセスのUICです。

/SINCE[=時刻]

指定した時刻以後の日付のディレクトリだけを選択することを指定します。 絶対時刻,または絶対時刻とデルタ時間の組み合わせを指定できます。 またBOOT, LOGIN, TODAY(省略時の設定),TOMORROW, YESTERDAYというキーワードも使用できます。 選択基準の時刻属性を指定するには,/BACKUP修飾子,/CREATED修飾子(省略時の設定), /EXPIRED修飾子,/MODIFIED修飾子のいずれかを使用します。

時刻の指定方法についての詳細は,『OpenVMSユーザーズ・マニュアル』 またはオンライン・ヘルプの DCL_Tips トピック (Date_Time サブトピック) を参照してください。

/STYLE=キーワード

表示するファイル名の書式を指定します。

この修飾子のキーワードはCONDENSEDおよびEXPANDEDです。 意味は次の表のとおりです。

キーワード 説明
CONDENSED
(省略時の設定)
ファイル名を255文字長の文字列に適合するように表示します。 このファイル名の場合,ファイル指定にDIDあるいはFID短縮形を含むことが可能です。
EXPANDED ファイル名をディスクに格納されているとおりに表示します。 このファイル名の場合,ファイル指定にDIDあるいはFID短縮形は含みません。

キーワードはCONDENSEDとEXPANDEDを同時に指定することはできません。 この修飾子は,確認が要求された場合に, 出力メッセージに表示されるファイル名の書式を表わしています。

EXPANDEDキーワードが指定されていない場合, ファイル・エラーはCONDENSEDファイル指定で表示されます。

詳細は『OpenVMS Extended File Specificationsの手引き』を参照してください。

/VERSION_LIMIT[=n]

指定されたディレクトリ内のファイルが持つことのできる, 総バージョン数を指定します。 バージョン・リミットを指定しない場合には,省略時の値として0が使用されます。 この場合,ファイルのバージョン数は, Files-11の構造上の上限である 32767に制限されます。 バージョン・リミットを変更した場合, その変更後に作成されたファイルに対してのみ適用されます。

SET DIRECTORYのバージョン・リミットの値は, 同じファイル名と同じファイル・タイプを持つファイルが, 同時にそのディレクトリの中にいくつ存在できるかを示します。この値が, 特定のファイル指定の,バージョン番号フィールドに影響を与えることはありません。 ファイル・バージョン番号の制限を設定するには,SET FILEコマンドを使用します。

ディレクトリに対して設定されている,現在のバージョン・リミットを調べるには, ディレクトリ・ファイルに対してDIRECTORY/FULLコマンドを使用して, 出力のファイル属性をチェックしてください。

  1. $ SET DIRECTORY/VERSION_LIMIT=5/CONFIRM [SMITH...]
    
    この例では, ディレクトリ[SMITH]とそのサブディレクトリ内に作成されるファイルのバージョン数を, 5に制限します。/CONFIRM修飾子は, 指定されたディレクトリを実際に変更するかどうかを確認することを指示しています。 コマンド実行後に作成されるファイルにだけ,適用されます。

  2. $ SET DIRECTORY/OWNER_UIC=[360,020] [DAVIDSON],[USERS]
    
    この例では, [DAVIDSON]ディレクトリと[USERS]ディレクトリの両方の所有者UICを変更します。 /OWNER_UIC修飾子を使用するには,SYSPRV(システム特権)特権が必要です。


SET DISPLAY

OpenVMS DECwindowsアプリケーションの出力先を設定します。 ワークステーションを含めた任意のプロセッサ上の DECwindowsアプリケーションの出力先を, 任意の DECwindowsワークステーションに設定できます。

出力元と出力先は,同一ネットワーク内でなければなりません。

フォーマット

     SET DISPLAY  [表示装置] 

パラメータ

表示装置

作成または変更される,ワークステーション・ディスプレイを指す論理名を指定します。 出力先を複数のワークステーション・ディスプレイに設定する場合は, 各々の装置に異なる論理名を設定することができます。 パラメータが省略された場合は,論理名DECW$DISPLAYが使用されます。 つまり省略時設定では, DECW$DISPLAYで参照されるワークステーション表示装置に出力されます。

省略時の出力先(ワークステーション・ノード)は, SHOW DISPLAYコマンドで確認することができます。 また,SET DISPLAY/CREATEコマンドで装置を指定した場合には, その装置を指す論理名もSHOW DISPLAYコマンドで出力されます。

説明

DECwindowsには,ネットワーク経由でアプリケーションを実行する機能があります。 SET DISPLAYコマンドを使用すれば,次の操作を実行できます。

遠隔プロセッサでアプリケーションを実行し, それをローカルのワークステーション・モニタに表示すると, ユーザは特定のコンピュータ操作に適したより大きなコンピュータを利用できるようになります。 省略時の設定では,ユーザのワークステーションで動作しているアプリケーションは, ローカルのワークステーションに表示されます。 DECwindowsは両方のノードで使用可能でなければなりませんが, ワークステーションでなければならないのは表示ノードのみです。

SET DISPLAYコマンドは, コマンドを入力したプロセスから実行されるアプリケーションのみに影響します。 つまり,あるアプリケーションをユーザのワークステーションで実行し, 別のワークステーションに表示する場合でも, 引き続きローカルのワークステーションの別のウィンドウに表示するために, ユーザのワークステーションでアプリケーションを実行できます。

図 18-1を参照してください。

図 18-1 遠隔アプリケーションとローカル・アプリケーションの実行

最初にアプリケーション出力を別の DECwindowsワークステーションにダイレクトするには, 次の形式のDCLコマンドを入力します。

  SET DISPLAY/CREATE/NODE=表示させるワークステーション/TRANSPORT=DECNET 

あとで表示を別のワークステーション装置にリダイレクトするには, 次の形式のDCLコマンドを入力します。

  SET DISPLAY/NODE=表示させるワークステーション 

省略時の設定では, ユーザのワークステーションでアプリケーションをローカルに実行できます。 別のノードにログインし, アプリケーションをユーザのワークステーションで表示するようにダイレクトするには, まずそれを実行する明示的な許可が必要です。 こうすれば,ネットワーク上の他のノードの無許可ユーザが, 許可なく出力を他のユーザのワークステーションにダイレクトしたり, 他のユーザのワークステーションの入力を受信することを防止できます。

SET DISPLAYコマンドで指定するノード名が, アプリケーションの表示を許可されたノード名と一致することを確認してください。 たとえば,ユーザのノードZEPHYRからSET DISPLAY/CREATE/NODE=HUBBUBを指定しても, DECwindowsワークステーションHUBBUB でアプリケーションを表示する許可がない場合は, HUBBUBの表示装置を使用する許可がないことが報告されます。 別のワークステーション・ノードでアプリケーションを表示する方法と, DECwindowsセッション・マネージャを使用して遠隔接続を許可する方法の詳細については, DECwindowsのマニュアルを参照してください。

作成している装置のモードを指定するには,/EXECUTIVE_MODE, /SUPERVISOR_MODE,または/USER_MODE修飾子のいずれかを使用します。 省略時の設定は,/SUPERVISOR_MODE修飾子です。

詳細は,SHOW DISPLAYコマンドの説明も参照してください。

修飾子

/CREATE

DECwindowsアプリケーションを表示するワークステーション表示装置(WSAn:) を作成します。 最初のSET DISPLAYコマンドでは必ず /CREATE修飾子を指定しなければなりませんが, 引き続いて出力先を他のワークステーションに変更する場合は, 以降のSET DISPLAYコマンドでこの修飾子を指定する必要はありません。

/NODE修飾子を指定せずに/CREATE修飾子が指定された場合は, ワークステーション装置は現在のノード上に作成されます。

/DELETE

論理名DECW$DISPLAYを取り消して出力先の設定を無効にし,表示装置を削除します。 SET DISPLAY/CREATEコマンドで表示装置パラメータを指定した場合は, SET DISPLAY/DELETE表示装置コマンドで無効にできます。

DECwindowsセッション・マネージャは, ターミナル(DECterm)・ウィンドウ作成時に DECW$DISPLAYをジョブ論理名で定義します。 SET DISPLAY /CREATEコマンドで出力先を他のワークステーションに変えると, プロセス論理名でDECW$DISPLAYが定義されます。これはジョブ論理名に優先します。 つまり,SET DISPLAY/CREATEを実行したプロセスで実行するアプリケーションの出力は, プロセス論理名DEC$DISPLAYで参照されるワークステーションに出力されます。 アプリケーションの出力がどこへ出力されるかは,SHOW DISPLAYコマンドで分かります。 DECW$DISPLAYがどのように定義されているかは, SHOW LOGICAL DECW$DISPLAYコマンドで確認できます。

SET DISPLAY/DELETEコマンド実行後もDECW$DISPLAYがまだ定義されている (たとえば,ジョブ論理名にある)場合は, プロセスで実行するDECwindowsアプリケーションの出力は, そのワークステーション装置に表示されます。 どのノードに出力されているか調べたい場合には, SHOW DISLAYコマンドを使用してください。


警告
ジョブ論理名のDECW$DISPLAYが変更/削除されると, 他のセッションを開始できなくなります。 SET DISPLAY/CREATEコマンドを実行していないにもかかわらず, SET DISPLAY/DELETEコマンドを実行することがないようにしてください。


/DELETEと/CREATE修飾子とは同時に指定できません。

/EXECUTIVE_MODE

エグゼクティブ・モードの装置を作成し, それを指すように論理名DECW$DISPLAYを定義します。 必ず,/CREATEとともに使用します。 /EXECUTIVE_MODE修飾子付きで作成された装置は,以下の場合にのみ削除されます。

EXECUTIVEモードの装置を変更または削除するには, SYSNAM(システム論理名)特権が必要です。

/NODE=ワークステーション・ディスプレイ

DECwindowsアプリケーションの出力先にするワークステーションのノード名を指定します。 クラスタの別名(OpenVMS Clusterを構成する複数のノードに対して付けられた代表名)は, 指定できません。

出力先を変更するためには,前もって SET DISPLAY/CREATEコマンドを使用して表示装置を作成しておかなければなりません。 SET DISPLAY/CREATEコマンドを実行せずに, SET DISPLAY/NODE=ワークステーション・ディスプレイコマンドを使用しないでくだい。

/NODE修飾子を指定せずに/CREATE修飾子を指定した場合, ワークステーションは現在のノードになります。

指定するワークステーション上で, ユーザのDECwindowsアプリケーションの出力が許可されていなければなりません。 DECwindowsセッション・マネージャを使用して他のノードからの出力を許可する方法についての詳細は, DECwindowsのマニュアルを参照してください。

出力先と出力元の両ノードが, お互いのネットワーク・ノード・データベースで定義されていなければなりません。 たとえば,ノードZEPHYRからHUBBUBへ出力しようとする場合, HUBBUBのネットワーク・ノード・データベースにはZEPHYRが, ZEPHYRのネットワーク・ノード・データベースにはHUBBUBが, それぞれ定義されていなければなりません。さらに,ZEPHYRのユーザは, HUBBUBのDECwindowsセッション・マネジャにアプリケーションの出力を許可されていなければなりません。 ネットワーク・ノード・データベースへのノード登録方法は, 『DECnet for OpenVMS Networking Manual』および 「DECnet for OpenVMS Network Utilities Manual」を参照してください。

/SCREEN=スクリーン番号

表示装置に対応づけられるスクリーンを定義します。 ハードウェア構成によっては複数のスクリーンをサポートしています。 このような場合に,出力が表示されるスクリーンを指定します。

/SERVER=サーバ番号

SET DEVICEコマンドの表示装置パラメータで指定した, 表示装置に対応づけられるサーバを定義します。サーバは, トランスポート・メカニズムを用いてユーザとアプリケーション間のデータ転送を行います。 ハードウェア構成によっては複数のサーバをサポートしています。 この様な場合に,出力が表示されるサーバを指定します。 表示装置をコマンド・パラメータで指定しなかった場合, 論理名DECW$DISPLAYの示す表示装置とサーバを対応づけます。

/SUPERVISOR_MODE (省略時の設定)

スーパーバイザ・モードの装置を作成し, それを指すように論理名DECW$DISPLAYを定義します。 必ず,/CREATEとともに使用します。ログアウト時に,装置は削除されます。

/TRANSPORT=トランスポート名

DECwindowsアプリケーションとワークステーション間で情報転送を行うメカニズム (DECnetまたはLOCAL)を指定します。 トランスポート・メカニズムは,ユーザからのアプリケーションへの入力, およびアプリケーションからディスプレイへの出力の転送方法です。 /CREATEを指定された場合は,DECnetが省略時の設定です。

同一ノードでアプリケーションを実行および表示する場合は, /TRANSPORT=LOCALを指定すればオーバーヘッドが最小になります。

/USER_MODE

ユーザモードの装置を作成し,それを指すように論理名DECW$DISPLAYを定義します。 必ず,/CREATE修飾子とともに使用します。 ユーザ・モード装置は,1つのDECwindowsイメージだけで使用できます。 つまり,ユーザモード装置は,DECwindowsイメージ終了時に削除されます。

  1. $ SHOW DISPLAY
      Device:     WSA1: [super]
      Node:       0
      Transport:  LOCAL
      Server:     0
      Screen:     0
    
    $ SET DISPLAY/CREATE/NODE=ZEPHYR/EXECUTIVE_MODE
    $ SHOW DISPLAY
      Device:     WSA2:  [exec]
      Node:       ZEPHYR
      Transport:  DECNET
      Server:     0
      Screen:     0
    $ SPAWN/NOWAIT/INPUT=NL: RUN SYS$SYSTEM:DECW$CLOCK
    
    $ SET DISPLAY/DELETE
    
    $ SHOW DISPLAY
      Device:     WSA1:  [super]
      Node:       0
      Transport:  LOCAL
      Server:     0
      Screen:     0
    
    この例では,ユーザはワークステーション(装置WSA1:)にログインしています。 (これは0によりわかります。0は自ノードを参照する標準略記です。) その後 DECwindows Clock を起動して, その出力を他のワークステーションZEPHYRに表示しようとしています。

    ZEPHYRでの表示が許可されているので, SET DISPLAYコマンドでZEPHYRに出力先を変更できます。 ZEPHYR上に作成された装置は,エグゼクティブ・モード装置です。 また,SHOW DISPLAYコマンドで,出力先を確認しています。そしてClockを起動します。 Clockを終了した後,SET DISPLAY/DELETEコマンドで出力先の設定を無効にしています。 最後に,SHOW DISPLAYコマンドで, その後に実行するアプリケーションが再びその実行ノードに表示されることを確認しています。

    SET DISPLAY/CREATEコマンドにより, 新しいワークステーション表示装置WSA2が作成されます。 SET DISPLAY/DELETEコマンドでこれを無効にした時に, DECwindowsアプリケーションの出力は再び元の装置WSA1に戻ることに注意してください。

  2. $ SET DISPLAY/CREATE/NODE=FLOPSY RABBIT
    $ SHOW DISPLAY RABBIT
    
     Device:    WSA2:  [super]
     Node:      FLOPSY
     Transport: DECNET
     Server:    0
     Screen:    0
    
    $ RUN/DETACHED/OUTPUT=WSA2: SYS$SYSTEM:DECW$CLOCK
    
    $ SET DISPLAY/CREATE/NODE=ZEPHYR ZNODE
    $ SHOW DISPLAY ZNODE
    
     Device:    WSA3:  [super]
     Node:      ZEPHYR
     Transport: DECNET
     Server:    0
     Screen:    0
    
    $ RUN/DETACHED/OUTPUT=WSA3: SYS$SYSTEM:DECW$CALENDAR
    
    $ RUN SYS$SYSTEM:DECW$BOOKREADER
    $ SHOW DISPLAY
    
     Device:    WSA1:  [super]
     Node:      0
     Transport: LOCAL
     Server:    0
     Screen:    0
    
    この例では,ログイン(装置WSA1:)後, 同一セッション内でいくつかのワークステーション・ディスプレイへ DECwindowsアプリケーションの出力を設定しています。 SET DISPLAYコマンドで異なる論理名を指定しているため, DECW$DISPLAYの論理名定義を変更せずに出力先を設定できます。このようにすれば, 特定のアプリケーションだけ他のワークステーションに表示するようにできます。 また自ノード上でアプリケーションの実行および表示を続けることもできます。 この例では,ClockがノードFLOPSYで,CalendarがノードZEPHYRで, そしてBookreaderが自ノードでそれぞれ表示されます。

    DCLコマンドRUN/DETACHEDでアプリケーションを起動するには, SET DISPLAYコマンドで指定した論理表示装置名と同じ装置名を指定しなければなりません。 この装置名はSHOW DISPLAYコマンドで確認できます。


SET ENTRY

キューに登録されているジョブで,実行中でないジョブの状態または属性を変更します。

ジョブに対する削除(D)アクセス権, またはキューに対する管理(M)アクセス権が必要です。

フォーマット

    SET ENTRY  エントリ番号[,...] 

パラメータ

エントリ番号[,...]

変更したいジョブのエントリ番号を指定します。 複数のエントリを指定する場合は,エントリ番号をコンマ(,)で区切ります。

システム内のプリントおよびバッチ・ジョブに対して, それぞれ一意なエントリ番号が割り当てられます。省略時の設定では, PRINTとSUBMITコマンドはジョブ登録時にこのエントリ番号を表示するとともに, 最新のジョブ番号をローカル・シンボル$ENTRYに設定します。 エントリ番号は,SHOW ENTRYまたはSHOW QUEUEコマンドで確認できます。

説明

SET ENTRYコマンドを使用すると,ジョブが現在実行中でない場合, 1つまたは複数のジョブの状態または属性を変更できます。 SET ENTRYコマンドは,マルチファイル・ジョブ内の個々のファイルには影響しません。

修飾子によって,さまざまな属性を指定したり属性を削除したりできます。 一部の修飾子は,バッチ・ジョブとプリント・ジョブの両方に適用されます。 他の修飾子は,バッチ・ジョブまたはプリント・ジョブのいずれかに制限されています。 SET ENTRYコマンドのすべての修飾子の省略時の設定は, SET ENTRYコマンドを入力する前のジョブの属性と状態です。

このコマンドを使用するには,ジョブの削除(D)アクセス,キューの管理(M)アクセス, またはOPER (オペレータ)特権が必要です。

修飾子

/AFTER=時刻
/NOAFTER

指定時間後に実行するようにジョブを保留します。 指定時間が既に過ぎていた場合は,すぐに実行されます。

絶対時刻または,絶対時刻とデルタ時間の組み合せを指定できます。 時刻指定方法の詳細は,『OpenVMSユーザーズ・マニュアル』 またはオンライン・ヘルプのDCL_Tipsトピック(Date_Time サブトピック)を参照してください。


注意
セキュリティ上の理由で, ジョブの登録時刻よりも前にそのジョブの開放あるいは再スケジュールを行うことはサポートされていません。 したがって,システム時刻を未来の時刻に設定し, キュー・マネージャが起動しているノード上にジョブを登録した場合, システム時刻を元に戻すとそのジョブを現在の時刻に開放あるいは再スケジュールすることはできません。

たとえば,システム時刻を未来の時刻である2020年1月1日に設定し, ジョブが2020年1月1日に起動するように登録することができます。 しかし,システム時刻を現在の時刻に戻した場合, ジョブを現在の時刻に開放することはできず, ジョブは2020年1月1日に開放されるよう設定されたままとなります。

この状態は,/AFTER, /NOHOLD, /RELEASEに影響を与えます。


保留状態のジョブに/AFTER修飾子を指定するには, 指定時刻までジョブが保留されるように, /NOHOLD修飾子を/AFTER修飾子とともに指定します。保留状態のジョブは, SET ENTRYコマンドに/NOAFTERまたは/RELAESE修飾子を指定すると, 保留状態のジョブを開始させることができます。

/BURST
/NOBURST

バースト・バーを間に入れた2枚のフラグ・ページを, プリント・ジョブのそれぞれのファイルの先頭に付加するかどうかを指定します。

/[NO]BURST修飾子を用いて, /DEFAULT修飾子のオプションで設定されたプリント・キューの省略時の設定に優先させることができます。 ただし,/SEPARATE修飾子のオプションで設定された場合は変更できません。

ファイルに/BURST修飾子を指定した場合は,/[NO]FLAG修飾子を指定しても, ファイルに先立って印刷される 2枚のフラグ・ページに追加したり減らしたりすることはできません。

/CHARACTERISTICS=(属性[,...])
/NOCHARACTERISTICS

ジョブに関連する,1つまたは複数の属性をその名前または番号で指定します。 属性とは,インクの色などのことです。 属性を1つだけ指定する場合には,括弧を省略できます。

属性の番号は,0〜127までの数値です。 システムに対してどの属性が定義されているかを調べるためには, SHOW QUEUE/CHARACTERSTICSコマンドを使用します。 また,特定のキューに対して使用できる属性を調べるには, SHOW QUEUE/FULLコマンドを使用します。

キューに関連するすべての属性または一部の属性がジョブと関連している場合, あるいはすべての属性が関連していない場合でも, プリント・ジョブは実行キューで処理できます。 つまり,ジョブの属性はキューの属性のサブセットでなければなりません。 そうでない場合には,次の条件のどれかが満たされるまで, そのジョブは待ち状態のまま実行されません。

/CLI=ファイル名

バッチ・ジョブの実行に使用するコマンド言語インタプリタ(CLI)の名前を指定します。 CLIのファイル名は,SYS$SYSTEM:ファイル名.EXEです。 /CLI修飾子を指定しない場合は,利用者登録ファイル(UAF)に定義されているCLIか, 最初にジョブが登録された時のCLIによって,ジョブは実行されます。

/COPIES=n

印刷部数を指定します。nは1〜255までの数字です。 SET ENTRYコマンドの/COPIES修飾子で指定したコピー部数は, プリント・ジョブ全体に適用されます。 このコマンドでは,マルチファイル・ジョブの個々のファイルに対して, その印刷部数を指定することはできません。

/CPUTIME=時間

バッチ・ジョブのCPU時間の上限値を定義します。 指定できる時間値は,デルタ時間,0,またはNONE,INFINITEというキーワードです。 ジョブが実行されるキューに対してCPUMAXIMUN値(上限値0が定義されている場合は, ジョブに指定された値とキューの上限値との小さい方が使用されます。 ジョブが実行されるキューに対してCPU時間上限値が定義されていない場合は, SET ENTRYコマンドで指定された値と利用者登録ファイル(UAF) に設定されている値とで小さい方が使用されます。キューに上限値が設定されてなく, 利用者登録ファイル(UAF)にCPU上限値としてNONEが設定されている場合は, 0 またはキーワードINFINITEを指定するとCPU時間は無制限です。 キーワードNONEを指定するとキューまたはUAFに設定された値になります。 CPU時間は,システム・パラメータPQL_MCPULM よりも大きいか等しくなくてはなりません。

CPU時間上限値についての詳細は,INITIALIZE/QUEUEコマンドのCPU時間上限値指定, およびアクション・テーブルを参照してください。時間値の指定方法は, 『OpenVMSユーザーズ・マニュアル』 またはオンライン・ヘルプの DCL_Tips トピック (Date_Time サブトピック) を参照してください。

/FEED
/NOFEED

プリント・ジョブに対して, 使用しているフォームの下部マージンに達した際に改ページ(フォーム・フィード) を自動的に行うかどうかを指定します。/NOFEED修飾子を指定すると, (他のどのキャリッジ・コントロール機能にも影響を与えずに) 自動フォーム・フィードを行わないようにすることができます。

SET ENTRYコマンドの/FEED修飾子は, プリント・ジョブのすべてのファイルに適用されます。このコマンドでは, マルチファイル・ジョブの個々のファイルに対してフォーム・フィードを制御することはできません。

/FLAG
/NOFLAG

プリント・ジョブのそれぞれのファイルの先頭に, フラグ・ページを付けるかどうかを指定します。 フラグ・ページには,ジョブを登録したユーザ名, ジョブ・エントリ番号と印刷ファイルに関するその他の情報を含みます。

使用しているキューに対してインストール時に定義された省略時の設定を変更したり, またはPRINTコマンドで指定された設定を変更するためには, /[NO]FLAG修飾子を使用します。

/FORM=フォーム

プリント・ジョブに対するフォーム名,またはフォーム番号を指定します。 /FORM修飾子を省略した場合は, 実行キューに設定されている省略時設定のフォームが使用されます。

フォーム・タイプによって,プリント・イメージの幅と長さ, または用紙ストックを指定できます。 これらは,ジョブの実行時にプリント・シンビオントがジョブと対応づけます。 システムで使用できるフォーム・タイプを調べるには, SHOW QUEUE/FORMコマンドを使用します。 また,特定のキューに対してマウントされているフォームを調べたり, そのキューの省略時設定のフォームを調べるためには, SHOW QUEUE/FULLコマンドを使用します。

ジョブに対応したフォームのストックは, ジョブを実行する実行キューにマウントされたフォームのストックと一致しなければなりません。 ストックが一致しない場合には,次の条件のいずれかが満たされるまで, そのジョブは待ち状態のまま実行されません。

/HEADER
/NOHEADER

プリント・ジョブの各ページの先頭に,ヘッダ行を出力するかどうかを指定します。

/HOLD
/NOHOLD

ジョブをただちに処理できるようにするか, または保留状態にして後で処理するかどうかを制御します。 /HOLD修飾子を指定した場合は,SET ENTRY/NOHOLDまたは SET ENTRY/RELEASEコマンドを実行するまで,ジョブの処理保留状態は解かれず, ジョブは実行されません。

/NOHOLD修飾子を指定すれば, 次のような保留されているジョブを開始させることができます。


注意
セキュリティ上の理由で, ジョブの登録時刻よりも前にそのジョブの開放あるいは再スケジュールを行うことはサポートされていません。 したがって,システム時刻を未来の時刻に設定し,キュー・マネージャが起動してい るノード上にジョブを登録した場合, システム時刻を元に戻すとそのジョブを現在の時刻に開放あるいは再スケジュールすることはできません。

たとえば,システム時刻を未来の時刻である2020年1月1日に設定し, ジョブが2020年1月1日に起動するように登録することができます。 しかし,システム時刻を現在の時刻に戻した場合, ジョブを現在の時刻に開放することはできず, ジョブは2020年1月1日に開放されるよう設定されたままとなります。

この状態は,/AFTER, /NOHOLD, /RELEASEに影響を与えます。


/JOB_COUNT=n

プリント・ジョブ全体をn回印刷することを要求します。 ここで,nは1から255までの任意の10進数です。 この修飾子は,PRINTコマンドで指定した/JOB_COUNT修飾子に優先します。

/KEEP
/NOKEEP

バッチ・ジョブ・ログ・ファイルを印刷後に削除するかどうかを制御します。

/LOG_FILE[=ファイル指定]
/NOLOG_FILE

指定した名前のログ・ファイルを作成します。 バッチ・ジョブを実行しているプロセスが, ログ・ファイルがある装置にアクセスできれば, 異なる装置名を指定することもできます。ファイル指定が論理名の場合は, SET ENTRYコマンドを実行するプロセスのコンテキストの中で変換されます。

/LOG_FILE修飾子を指定せずに/NAME修飾子を指定した場合,ログ・ファイルは /NAME修飾子で指定されたものと同じファイル名でファイル・タイプが LOGであるファイルに書き込まれます。/LOG_FILE修飾子を省略した場合には, /NAMEで使用したジョブ名はファイル名として有効な名前でなければなりません。

/LOWERCASE
/NOLOWERCASE

大文字と小文字を両方とも印字できるプリンタでファイルを印刷するかどうかを指示します。 /NOLOWERCASE修飾子は, 大文字の印字のみをサポートしているプリンタでファイルを印刷することを示しています。 使用しているプリンタのすべてが大文字も小文字も印字できるのであれば, /LOWERCASE修飾子を指定する必要はありません。

/NAME=ジョブ名

ジョブを識別する名前文字列を定義します。 この名前文字列の長さは1〜39文字までの英数字です。 ジョブ名は,SHOW ENTRYおよびSHOW QUEUEコマンドで表示されます。 バッチ・ジョブの場合,ジョブ名はバッチ・ジョブ・ログ・ファイルにも使用されます。 プリント・ジョブでは,ジョブ名はプリント・アウトのフラグ・ページにも使用されます。

/NAME修飾子をジョブに対して指定しなかった場合, ジョブ名はそのジョブの最初のファイル名になります。

/NOCHECKPOINT

バッチ・ジョブの場合, 最も最近実行された SET RESTART_VALUEコマンドによって設定された値が消去されます。 プリント・ジョブの場合,ジョブを最初から再実行できるよう, 格納されていたチェックポイントがクリアされます。

/NODELETE

/DELETE修飾子を付けて登録された,ジョブに対するファイル削除を取り消します。 ジョブが最初にキューに登録されたときに/DELETE修飾子の指定がなければ, SET ENTRYを使用して後でファイル削除を設定することはできません。 /NODELETE修飾子を使用して, マルチファイル・ジョブ内の個々のファイルの削除を取り消すことはできません。

/NOTE=文字列

255文字までのメッセージを指定して,プリント・ジョブのフラグ・ページに印刷します。 小文字や空白,英数字以外の文字(スペースを含む)を含むメッセージは, 引用符(" ")で囲みます。

/NOTIFY
/NONOTIFY

ジョブの完了あるいは異常終了時に, メッセージを出力して通知するかどうかを制御します。同じ OpenVMS Clusterシステムにログインしているターミナル・セッションに通知されます。

/OPERATOR=文字列

プリント・ジョブの印刷開始時に, オペレータに送る255文字までのメッセージ文字列を指定します。 スペースや特殊文字,小文字を含むメッセージは,引用符(" ")で囲みます。

/PAGES=([下限,]上限)

指定ジョブにおいて印刷するページ数を指定します。 この修飾子を使用することによって, 長いファイルの一部だけを印刷することができます。 省略時の設定では,ファイル全体が印刷されます。 SET ENTRYコマンドで/PAGES修飾子を使用した場合, この修飾子を1つのジョブ全体にのみ適用できます。 修飾子を使用して,マルチファイル・ジョブ内の個々のファイルに対して, 個別に印刷するページ数を指定することはできません。

下限指定子は,印刷するファイルの先頭ページを指します。 この指定子を省略すると,そのファイルの先頭ページから印刷開始されます。

上限指定子は,印刷するファイルの最終ページを指します。 ファイルの終わりまで印刷したいが, そのファイルに何ページあるか分からないときには, 上限指定子として引用符(" ")を使用できます。

上限指定子に対する値だけを指定するときには,括弧を省略できます。 たとえば,/PAGES=10と指定すると,ファイルの最初の10ページが印刷されます。 /PAGES=(5,10)と指定すれば,5ページ目から10ページ目が印刷されます。 また,/PAGES=(5,"")とすると, 5ページ目からそのファイルの最終ページまでが印刷されます。

/PARAMETERS=(パラメータ[,...])

ジョブに引き渡すパラメータを1〜8個指定します。 各パラメータの長さは最大255文字です。 パラメータを1つだけ指定するときには,括弧を省略できます。 特殊文字や区切り文字を含むパラメータを指定するときには, そのパラメータを引用符で囲んでください。

バッチ・ジョブの場合,パラメータにより, そのジョブの各コマンド・プロシージャ内でシンボルP1〜P8に対応する値を定義します。 これらのシンボルは, 指定されたコマンド・プロシージャの中でのみ有効なローカル・シンボルです。

/PASSALL
/NOPASSALL

シンビオントがプリント・ジョブのすべての整形処理を行わず, 出力QIOを書式なしでドライバに送るかどうかを指定します。 整形処理に関係する修飾子(/HEADER,/PAGES,/PAGE_SETUP修飾子なども含む) はすべて無視されます。

SET ENTRYコマンドとともに/PASSALL修飾子を使用した場合, この修飾子はそのジョブ全体にのみ適用されます。 この修飾子を使用して,マルチファイル・ジョブ内の個々のファイルに PASSALLモードを指定することはできません。

/PRINTER[=キュー名]
/NOPRINTER

ジョブが完了したときに, バッチ・ジョブ・ログ・ファイルを印刷するためキューに登録します。 ログ・ファイルの省略時の出力キューは,SYS$PRINTです。 /PRINTER修飾子を使用すれば,特定の出力キューを指定できます。 /NOPRINTER修飾子を指定したときには,/KEEP修飾子が指定されたものと見なされます。

/PRIORITY=n

キューの最高スケジュール優先順位よりも高い優先順位値を指定するときには, OPER(オペレータ)あるいはALTPRI(優先順位変更)特権が必要です。

ジョブ・スケジュール優先順位を指定します。 優先順位値は0〜255の整数でなければなりません。 ここで,優先順位は0が最低で,255が最高です。

/PRIORITY修飾子の省略時の値は,システム・パラメータDEFQUEPRIの値です。 キューの最高スケジュール優先順位よりも低い優先順位を指定するときには, 特権は必要ありません。

/RELEASE

/RELEASE修飾子を使用して,保留されていた次のようなジョブを解放できます。

注意
セキュリティ上の理由で, ジョブの登録時刻よりも前にそのジョブの開放あるいは再スケジュールを行うことはサポートされていません。 したがって,システム時刻を未来の時刻に設定し,キュー・マネージャが起動してい るノード上にジョブを登録した場合, システム時刻を元に戻すとそのジョブを現在の時刻に開放あるいは再スケジュールすることはできません。

たとえば,システム時刻を未来の時刻である2020年1月1日に設定し, ジョブが2020年1月1日に起動するように登録することができます。 しかし,システム時刻を現在の時刻に戻した場合, ジョブを現在の時刻に開放することはできず, ジョブは2020年1月1日に開放されるよう設定されたままとなります。

この状態は,/AFTER, /NOHOLD, /RELEASEに影響を与えます。


/REQUEUE=キュー名[:]

もとのキューから指定キューにジョブを移動するよう要求します。

/RESTART
/NORESTART

システム障害の後,あるいはSTOP/QUEUE/REQUEUEコマンドの実行後に, バッチあるいはプリント・ジョブを再開するかどうかを指定します。

/RETAIN=オプション

ジョブをキューに保持する条件を指定します。ジョブがキューに保持された場合, ジョブ終了後にSHOW QUEUEコマンドを用いてジョブの状態を確認できます。 ジョブの保持を指定しなかった場合, ジョブ終了後にキュー内にはジョブの状態は残りません。

ジョブ保持の指定には,次のオプションを指定します。


注意
SET ENTRYコマンドで/NORETAIN修飾子は使用できません (システム管理者はINITIALIZE/QUEUE, START/QUEUEやSET QUEUEコマンドで使用できます)が,/RETAIN=DEFAULTを指定できます。 この場合,キューの保持ポリシーに従ってジョブは保持されます。 システム管理者がキューにジョブ保持を設定してなかった場合,ジョブは保持されません。


ジョブ保持の決定

ジョブ保持オプションは,ジョブ登録時の指定よりも実行キューの設定が優先されます。 ジョブが汎用キューに登録された場合には, 汎用キューの設定がジョブ登録時の設定に優先されます。

ジョブ保持設定は,汎用キューよりも実行キューの設定が優先されますが, ジョブの終了状態が実行キューの保持設定に合致しない場合, 汎用キューのものが適用されます。さらに, 汎用キューの設定とも合致しない場合には,ジョブ登録時の指定が適用されます。 実行キューに直接登録されたジョブは,汎用キューの設定の影響を受けません。

実行キューの設定が適用されれば実行キュー内に, 汎用キューのものが適用されれば汎用キュー内に, ジョブ登録時の指定が適用されればその登録されたキュー内にそれぞれ保持されます。

以下の例は, キュー・マネージャがどのようにしてジョブを保持するかを示しています。

/RETAIN=ALWAYSを指定して汎用キューにジョブを登録し,正常終了したとします。

キュー・マネージャは,最初にジョブの終了状態を実行キューの保持設定と比較します。 実行キューの保持設定が/RETAIN=ERROR(正常終了でない時のみ保持する) であるとすると,実行キューには保持できません。

次に,汎用キューの保持設定と比較します。 汎用キューには保持設定が無かったとすると,汎用キューにも保持できません。

最後に,ジョブを登録したキューの保持設定と比較します。 登録時の指定が/RETAIN=ALWAYSであるため,ジョブを登録したキュー (この場合には汎用キュー)に保持されます。

キューのタイプについてはINITIALIZE/QUEUEを,保持オプションについては INITIALIZE/QUEUE, START/QUEUEや SET QUEUEコマンドの説明を参照してください。

時限保持

UNTIL=時間オプションを用いて,必要な間だけジョブを保持しておくことができます。 これによりジョブを削除する手間が省けます。

たとえば次のコマンドで,ジョブ172は4月19日7時31分まで保持されますが, その後で削除されます。

     $ SET ENTRY/RETAIN=UNTIL=19-APR-1998:07:31:0.0 172

キューのジョブ保持ポリシーの設定によっては, ジョブはずっと保持されるかもしれません。 これは,キューのジョブ保持ポリシーの設定が, ジョブ登録時の保持指定に優先されるためです。 システム管理者がキューに時限保持を設定することはできないので, キューの設定によって保持されたジョブが自動的に削除されることはありません。

/RETAIN=UNTIL=時間オプションを使用する場合は,必ず時刻を指定してください。 時刻はデルタ時間,絶対時刻との組み合わせ,絶対時刻の順に解釈されます。 デルタ時間はジョブ終了時を起点とします。 たとえば,SUBMIT/RETAIN=UNTIL="+3:00"と指定すれば, ジョブ終了後3時間保持されます。時刻の指定方法についての詳細は, 『OpenVMSユーザーズ・マニュアル』を参照してください。

/SETUP=モジュール[,...]

プリント・ジョブの各ファイルを印刷する前に,装置制御ライブラリ (プログラミング可能なプリンタへのエスケープ・シーケンス・モジュールを含んでいる) から指定モジュールを取り出してプリンタにコピーします。

SET ENTRYコマンドに/SETUP修飾子を指定した場合, この修飾子はそのジョブ全体に対してのみ適用されます。 この修飾子を使用して, マルチファイル・ジョブ内の個々のファイルに対して異なるセットアップ・モジュールを指定することはできません。

/SPACE
/NOSPACE

出力をダブル・スペースにするかどうかを制御します。 /NOSPACE修飾子を使用すると,シングル・スペースで印刷されます。 SET ENTRYコマンドとともに/SPACE修飾子を使用した場合, この修飾子はそのジョブ全体に対して適用されます。 この修飾子を使用して, マルチファイル・ジョブ内の個々のファイルに対して異なるスペーシングを指定することはできません。

/TRAILER
/NOTRAILER

プリント・ジョブの各ファイルの最後に, トレーラ・ページを印刷するかどうかを制御します。 トレーラ・ページには,エントリ番号と,そのジョブを登録したユーザ, 印刷されたファイルの情報が示されます。

SET ENTRYコマンドに/TRAILER修飾子を指定した場合, トレーラ・ページはマルチファイル・ジョブの各ファイルの終わりに印刷されます。

使用しているプリンタ・キューに対して, インストレーション時に設定された省略時の設定を変更したり, ジョブをキューに登録したPRINTコマンドの修飾子による設定を変更するときに, /[NO]TRAILERを使用してください。

/WSDEFAULT=n

バッチ・ジョブのワーキング・セットの省略時の値, つまりジョブが使用できる物理ページ数の省略時の値を設定します。

キューに対して指定されているワーキング・セットの省略時の値が0以外の場合は, ジョブに対して指定された値とキューに設定されている値の小さい方が使用されます。 キューに対して指定されているワーキング・セットの省略時の値が0の場合は, ジョブに対して指定された値と利用者登録ファイル(UAF) に登録されている値の小さい方が使用されます。

OpenVMS Alpha上では512バイトのページレット数でnを指定し, OpenVMS VAX上では512バイトのページ数でnを指定します。 OpenVMS Alpha上では,物理メモリの実際の量が指定された値よりも大きくなるような CPU特有のページ数に,この値は切り上げられます。0またはNONEを指定した場合は, UAFの値またはキューに対して指定されている値が使用されます。 ワーキング・セットの省略時の値は, システム・パラメータPQL_MWSDEFAULTとWSMAXの間でなければなりません。

/WSEXTENT=n

バッチ・ジョブのワーキング・セット超過値, つまりジョブが使用できる物理ページの最大値を定義します。 システムに余分なフリー・ページがある場合にのみ, ジョブは物理メモリの最大値を使用します。 キューに対して指定されているワーキング・セット超過値が0以外の場合は, ジョブに対して指定された値とキューに設定されている値の小さい方が使用されます。 キューに対して指定されているワーキング・セット超過値が0の場合は, ジョブに対して指定された値と利用者登録ファイル(UAF) に登録されている値の小さい方が使用されます。

OpenVMS Alpha上では512バイトのページレット数でnを指定し, OpenVMS VAX上では512バイトのページ数でnを指定します。OpenVMS Alpha上では, 物理メモリの実際の量が指定された値よりも大きくなるようなCPU特有のページ数に, この値は切り上げられます。0またはNONEを指定した場合は, UAFの値またはキューに対して指定されている値が使用されます。 ワーキング・セット超過値は, システム・パラメータPQL_MWSEXTENTとWSMAXの間でなければなりません。

/WSQUOTA=n

バッチ・ジョブのワーキング・セット・クォータ値, つまりジョブがワーキング・セットにロックできる物理ページの上限を定義します。 キューに対して指定されているワーキング・セット・クォータ値が0以外の場合は, ジョブに対して指定された値とキューに設定されている値の小さい方が使用されます。 キューに対して指定されているワーキング・セット・クォータ値が0の場合は, ジョブに対して指定された値と利用者登録ファイル(UAF) に登録されている値の小さい方が使用されます。

OpenVMS Alpha上では512バイトのページレット数でnを指定し, OpenVMS VAX上では512バイトのページ数でnを指定します。OpenVMS Alpha上では, 物理メモリの実際の量が指定された値よりも大きくなるようなCPU特有のページ数に, この値は切り上げられます。0またはNONEを指定した場合は, UAFの値またはキューに対して指定されている値が使用されます。 ワーキング・セット・クォータ値は,システム・パラメータPQL_MWSQUOTAと WSMAXの間でなければなりません。

  1. $ PRINT/HOLD   MYFILE.DAT
      Job MYFILE (queue SYS$PRINT, entry 112) holding
    $ SET ENTRY 112/RELEASE/JOB_COUNT=3
    
    このPRINTコマンドは,ファイルMYFILE.DATをシステム・プリンタのキューに, 保留状態で登録することを要求しています。 SET ENTRYコマンドは,ジョブの保留状態を解放して,印刷部数を3に変更しています。

  2. $ SUBMIT CLIMATE
      Job CLIMATE (queue SYS$BATCH, entry 211) pending
    $ SET ENTRY 211/HOLD/NAME=TEMP
    
    このSUBMITコマンドは,バッチ処理用にコマンド・プロシージャをキューに登録します。 次のSET ENTRYコマンドにより,このジョブは保留状態になり, ジョブ名がTEMPに変更されます (これは,ジョブ211がまだ実行を開始していなかった場合です)。

  3. $ PRINT/FLAG=ALL/AFTER=20:00 MEMO.MEM, LETTER.MEM, REPORT.MEM/SPACE
      Job MEMO (queue SYS$PRINT, entry 172) holdiguntil 20:00
    $ SET ENTRY 172 /BURST/NOSPACE/HEADER
    
    この例は,省略時設定のプリンタにフラグ・ページ付きで 3つのファイルを午後8時以降に出力するPRINTコマンドを示しています。 また,ファイルREPORT.MEMはダブル・スペースで出力されます。 次のSET ENTRYコマンドで,各ファイルの先頭にバースト・ページをつけ, すべてのファイルをシングル・スペースにし, 各ファイルの各ページにヘッダを付けて出力するように変更しています。


SET FILE

1つ,または複数のファイルの属性を変更します。

制限事項については,各修飾子の説明を参照してください。

フォーマット

     SET FILE  ファイル指定[,...] 

パラメータ

ファイル指定[,...]

属性を変更する,1つまたは複数のファイルを指定します。 複数のファイルを指定する場合には,各ファイルをコンマ(,)で区切ります。 ファイル指定の中では,ワイルドカード文字(*と%)を使用できます。

説明

SET FILEコマンドは,ファイルの属性を変更します。

修飾子

/ATTRIBUTE=(ファイル属性[,...])

ファイル属性を変更します。ACP-QIOファイル属性と OpenVMS RMSファイル属性と指定するキーワードの関係を次の表に示します。 この中から指定してください。

キーワード ACP-QIOファイル属性[1] OpenVMS RMSファイル属性[2]
BKS:{値} FAT$B_BKTSIZE={バイト} FAB$B_BKS={バイト}
DEQ:{値} FAT$W_DEFEXT={ワード} FAB$W_DEQ={ワード}
EBK:{値} FAT$L_EFBLK={ロングワード} XAB$L_EBK={ロングワード}
FFB:{値} FAT$W_FFBYTE={ワード} XAB$W_FFB={ワード}
FSZ:{値} FAT$B_VFCSIZE={バイト} FAB$B_FSZ={バイト}
GBC:{値} FAT$W_GBC={ワード} FAB$W_GBC={ワード}
HBK:{値} FAT$L_HIBLK={ロングワード} XAB$L_HBK={ロングワード}
LRL:{値} FAT$W_RSIZE={ワード} XAB$W_LRL={ワード}
MRS:{値} FAT$W_MAXREC={ワード} FAB$W_MRS={ワード}
ORG:IDX FAT$V_FILEORG=FAT$C_INDEXED FAB$B_ORG=FAB$C_IDX
ORG:REL FAT$V_FILEORG=FAT$C_RELATIVE FAB$B_ORG=FAB$C_REL
ORG:SEQ FAT$V_FILEORG=FAT$C_SEQUENTIAL FAB$B_ORG=FAB$C_SEQ
RAT:BLK FAT$B_RATTRIB=FAT$M_NOSPAN FAB$B_RAT=FAB$M_BLK
RAT:CR FAT$B_RATTRIB=FAT$M_IMPLIEDCC FAB$B_RAT=FAB$M_CR
RAT:FTN FAT$B_RATTRIB=FAT$M_FORTRANCC FAB$B_RAT=FAB$M_FTN
RAT:MSB FAT$B_RATTRIB=FAT$M_MSBVAR FAB$B_RAT=FAB$M_MSB
RAT:NONE FAT$B_RATTRIB=0 FAB$B_RAT=0
RAT:PRN FAT$B_RATTRIB=FAT$M_PRINTCC FAB$B_RAT=FAB$M_PRN
RFM:FIX FAT$V_RTYPE=FAT$C_FIXED FAB$B_RFM=FAB$C_FIX
RFM:STM FAT$V_RTYPE=FAT$C_STREAM FAB$B_RFM=FAB$C_STM
RFM:STMCR FAT$V_RTYPE=FAT$C_STREAMCR FAB$B_RFM=FAB$C_STMCR
RFM:STMLF FAT$V_RTYPE=FAT$C_STREAMLF FAB$B_RFM=FAB$C_STMLF
RFM:UDF FAT$V_RTYPE=FAT$C_UNDEFINED FAB$B_RFM=FAB$C_UDF
RFM:VAR FAT$V_RTYPE=FAT$C_VARIABLE FAB$B_RFM=FAB$C_VAR
RFM:VFC FAT$V_RTYPE=FAT$C_VFC FAB$B_RFM=FAB$C_VFC
VRS:{値} FAT$W_VERSIONS={ワード} XAB$W_VERLIMI T={ワード}
[1] 詳細は『OpenVMS I/O User's Reference Manual』を参照

[2] 詳細は『OpenVMS Record Management Services Reference Manual』を参照

/BACKUP
/NOBACKUP

Backupユーティリティ(BACKUP)が, ファイルの内容を記録(バックアップ)するかどうかを指定します。 /NOBACKUP修飾子を指定すると, BACKUPはファイルの内容ではなくファイルの属性を記録します。この修飾子は, Files-11 ODS-2(Files-11 On-Disk Structure Level 2)のファイルにだけ有効です。

/NOBACKUP修飾子は, SWAPFILESなどの重要でないデータを含むファイルを保存するときに役立ちます。

/BEFORE[=時刻]

指定された時刻より前の日付のファイルだけを選択するように指定します。 絶対時刻,または絶対時刻とデルタ時間の組み合わせを指定できます。 また,BOOT, LOGIN, TODAY(省略時の設定),TOMORROW, YESTERDAYというキーワードのいずれか1つを指定することもできます。 選択基準となる時刻属性を指定するために,/CREATEDまたは /MODIFIED修飾子を使用します。/CREATED修飾子が省略時の設定です。

時刻の指定方法についての詳細は,『OpenVMSユーザーズ・マニュアル』 またはオンライン・ヘルプの DCL_Tips トピック (Date_Time サブトピック) を参照してください。

/BY_OWNER[=uic]

ファイルの所有者の利用者識別コード(UIC)が, 指定された所有者と一致するファイルだけを選択することを指定します。 省略時のUICは,現在のプロセスのUICです。

『OpenVMS Guide to System Security』 に説明されている標準的なUIC形式を使用して指定します。

/CACHING=オプション(Alphaのみ)

Alphaシステムでは,Spiralogボリュームに格納されたファイル, およびディレクトリのキャッシュ属性を設定します。 Spiralogボリュームの装置タイプはFiles_64です。 指定したファイルおよびディレクトリが Spiralogボリュームにない場合は, エラーが返されます。

ファイルのキャッシュ属性は, ファイルの省略時のキャッシュ・オプションを指定します。 使用したいキャッシュ・オプションを指定せずにアプリケーションがファイルにアクセスする時, 省略時のキャッシュ・オプションが使用されます。

オプションには,次のいずれか1つを指定します。

ディレクトリのキャッシュ属性は, 新しく作成されたファイルがキャッシュ属性をどのように継承するかを制御します。

新しく作成されたディレクトリまたはファイルは, その親ディレクトリのキャッシュ属性を継承します。 既存ファイルの新しいバージョンを作成する場合,新しいバージョンは, 既存ファイルの最新ファイルのキャッシュ属性を継承します。

ディレクトリのキャッシュ属性を変更しても, そのディレクトリに既に存在しているファイルおよびサブディレクトリには影響ありません。

ファイルのキャッシュ属性を変更しても, そのファイルに現在アクセスしているアプリケーションが使用しているキャッシュ・オプションには影響ありません。 これ以降のファイルへのアクセスにのみ,影響します。

/CONFIRM
/NOCONFIRM (省略時の設定)

各ファイルの属性を変更する前に,そのファイルに対する操作の実行を確認するために, プロンプトを表示するかどうかを指定します。次の応答のいずれかを入力します。

YES NO QUIT
TRUE FALSE Ctrl/Z
1 0 ALL
  [Return]  

単語による応答には,大文字と小文字を任意に組み合わせることができます。 また,単語による応答は,1文字または複数の文字に短縮できます (たとえば,TRUEはT,TR,またはTRUに短縮できます)。 肯定応答は YES,TRUE,1です。否定応答は,NO,FALSE,0,<RET>です。 QUITまたは[CTRL/Z]は,その時点でコマンドの処理を中止することを示します。 ALLと応答すると,コマンドの処理は継続されますが, そのあとのプロンプトは表示されなくなります。 上記に示されていない応答を入力すると,DCLはエラー・メッセージを出力し, 同じプロンプトが再度表示されます。

/CREATED (省略時の設定)

/BEFOREまたは/SINCE修飾子に指定した時刻値を変更します。 /CREATED修飾子は,作成日をもとにファイルを選択します。 この修飾子は,同様に時刻属性によりファイルを選択する, /MODIFIED修飾子と同時に指定することはできません。 /CREATED修飾子が省略時の設定です。

/DATA_CHECK[=([NO]READ,[NO]WRITE)]

転送中のファイルに対して,読み込み(READ)データ・チェック(2度読み), 書き込み(WRITE)データ・チェック(書込み後に再読込み), またはこれらの2つのチェックの組み合わせを実行するかどうかを指定します。 省略時の設定では,ファイルに対して書き込みデータ・チェックが実行されます。

/END_OF_FILE

割り当てられた最も大きなブロック番号のブロックに,EOF指示子を再設定します。

/ENTER=別名ファイル指定

十分に注意して使用してください。

指定したファイルの別名を作成します。もとの名前も別名も同じファイルを参照します。 別名を削除する場合は,SET FILE/REMOVEコマンドを使用します。


注意
別名ともとのファイル名が,異なるディレクトリにあることを確認してください。 同一ディレクトリにあると, 削除またはパージ操作を行った時にデータを失う可能性があります。 もとのファイル名と別名が同一ディレクトリにあると,DELETEコマンド, PURGEコマンドの結果, およびファイルのバージョン制限機能は予期しない結果になります。

別名を使用する場合は,十分注意して DELETEコマンド, およびSET FILE/REMOVEコマンドを使用してください。 正しく使用しないと,名前がなくアクセスできないファイルができてしまったり, ファイルを参照しない名前になってしまいます。 このような問題を回避するために,次のガイドラインに従ってください。

  • SET FILE/REMOVEコマンドを使用して別名を削除する。 別名を削除する時は,DELETEコマンドは使用しない。

  • もとのファイル名を削除する時は,SET FILE/REMOVEコマンドは使用しない。

これらのガイドラインに従わず問題が発生した場合は, ANALYZE/DISK/REPAIRコマンドを使用して, アクセスできないファイルをSYSLOSTディレクトリに移動させます。 また,ファイルを参照しない名前は削除します。


/ERASE_ON_DELETE

DELETEコマンドやPURGEコマンドなどを,ファイルに対して実行するときに, 指定したファイルをディスクから削除することを指定します (単に領域を解放するだけではなく,物理的にデータが消去されます)。 詳細は,DELETE/ERASEコマンドの説明を参照してください。

/EXCLUDE=(ファイル指定[,...])

指定したファイル指定と一致するファイルを, SET FILE操作から除外するように指定します。 ファイル指定にディレクトリ指定を含むことはできますが, 装置指定を含むことはできません。 ファイル指定には,ワイルドカード文字(*と%)を使用できます。 しかし,特定のバージョンを除外するために, 相対バージョン番号を使用することはできません。 ファイルを1つだけ指定する場合には,括弧を省略できます。

/EXPIRATION_DATE=日付
/NOEXPIRATION_DATE

読み込み(R),書き込み(W)および制御アクセス権が必要です。 ファイルの所有者であれば,制御アクセス権を持っています。

指定したファイルに満了日を割り当てるかどうかを制御します。

『OpenVMSユーザーズ・マニュアル』 またはオンライン・ヘルプの DCL_Tips トピック (Date_Time サブトピック) に説明されている規則に従って日付を指定します。 絶対日付を示すキーワードを使用できます。 日付として0を指定すると,今日の日付が使用されます。

/EXTENSION[=n]

ファイルの省略時の拡張サイズを設定します。指定できる値は,0〜65535の範囲です。 値を指定しなかった場合や,0という値を指定した場合には, OpenVMSレコード管理サービス(OpenVMS RMS)は独自の方法で /EXTENSION修飾子の値を計算します。

詳細は,SET RMS_DEFAULTコマンドの/EXTEND_QUANTITY修飾子の説明を参照してください。

/GLOBAL_BUFFER=n

指定したファイルに対する, OpenVMSレコード管理サービス(OpenVMS RMS)のグローバル・バッファ数を指定します。 これは,ファイルをアクセスするプロセス間で共用できるバッファの数を示します。 指定できるnの値は,0〜32767の範囲内の整数であり, 0を指定すると,バッファは共用できなくなります。

/LOG
/NOLOG (省略時の設定)

各ファイルを変更したあとに, そのファイルのファイル指定を表示するかどうかを指定します。

/MODIFIED

/BEFOREまたは/SINCE修飾子で指定した時刻値を変更します。 /MODIFIED修飾子は,最後に更新された日付をもとにファイルを選択します。 この修飾子は,同様に時刻属性によりファイルを選択する, /CREATED修飾子と同時に指定することはできません。 /CREATED修飾子が省略時の設定です。

/MOVE
/NOMOVE

ファイルの移動を許可するかどうか指定します。

ファイル作成時には,ファイルの移動は許可されています。XQPを介さずに (直接論理I/O等を使って)アクセスするファイルに対しては移動を禁止にしてください。

重要なシステム・ファイルに対しては,最初からファイルの移動は禁止されています。 これらのファイルには移動を許可しないでください。

/NODIRECTORY

十分に注意して使用してください。SYSPRV特権が必要です。

ファイルのディレクトリ属性を削除します。 この修飾子を使用すると,不正なディレクトリ・ファイルを削除することができます。 この場合,削除するディレクトリ・ファイルに登録されていたファイルは, ロスト・ファイルとなります。

ロスト・ファイルを[SYSLOST]に登録するには, ANALYZE/DISK_STRUCTURE/REPAIRを使用します。 このあと,ロスト・ファイルを新しいディレクトリにコピーできます。 この修飾子は,Files-11 ODS-2 (Files-11 On-Disk Structure Level 2) のファイルに対してだけ有効です。 ANALYZE/DISK_STRUCTUREユーティリティについての詳細は, 『OpenVMSシステム管理ユーティリティ・リファレンス・マニュアル』 を参照してください。

/OWNER_UIC[=uic]

この修飾子は,SET SECURYTY/OWNERコマンドに置き換えられました。

/PROTECTION[=(所有者区分[:アクセス][,...])]

この修飾子は,SET SECURYTY/PROTECTIONコマンドに置き換えられました。

/REMOVE

注意して使用してください。

複数の名前を持つファイルに関して,ファイルは削除せずに, 1つの名前だけを削除するように指定します。 SET FILEコマンドで/ENTER修飾子を使用してファイルに別名をつけた場合には, /REMOVE修飾子を使用すると,もとの名前または別名を削除できます。 名前を削除しても,ファイルはそのまま残ります。 このファイルは,まだ削除されていない方の名前によってアクセスできます。

しかし,名前を1つだけしか持たないファイルの名前を誤って削除すると, ほとんどのDCLコマンドでは,そのファイルをアクセスできなくなります。 このようなファイルを検索するには, ANALYZE/DISK_STRUCTUREユーティリティを使用します。

/SEMANTICS=セマンティクス・タグ
/NOSEMANTICS

ファイルにタグを作成します。また,タグを変更することもできます。 ファイルからセマンティクス・タグを削除する場合は,/NOSEMANTICS修飾子を指定します。 詳細は,『Guide to OpenVMS File Applications』を参照してください。

/SHELVABLE
/NOSHELVABLE

ファイルがシェルビングされるかどうかを指定します。

/SINCE[=時刻]

指定された時刻より,あとの日付のファイルだけを選択するように指定します。 絶対時刻,または絶対時刻とデルタ時間の組み合わせを指定できます。 またBOOT, LOGIN, TODAY(省略時の設定),TOMORROW, YESTERDAYというキーワードのいずれか1つを指定することもできます。 選択基準となる時刻属性を指定するために,/CREATEDまたは /MODIFIED修飾子を使用します。/CREATED修飾子が省略時の設定です。

時刻の指定方法についての詳細は,『OpenVMSユーザーズ・マニュアル』 またはオンライン・ヘルプの DCL_Tips トピック (Date_Time サブトピック) を参照してください。

/STATISTICS
/NOSTATISTICS (省略時の設定)

指定ファイルに関するRMSの統計情報を収集できるようにします。 これらの統計情報は後で,Monitorユーティリティ(DCLコマンドMONITORで起動する) を使用して見ることができます。SET FILE/STATISTICSコマンドは, 指定したファイルに対してアプリケーションACEを適用します。 このACEは,アクセス制御には影響せず, そのファイルに割り当てられたアプリケーションにのみ意味を持ちます。

/STYLE=キーワード

表示するファイル名の書式を指定します。

この修飾子のキーワードはCONDENSEDおよびEXPANDEDです。 意味は次の表のとおりです。

キーワード 説明
CONDENSED
(省略時の設定)
ファイル名を255文字長の文字列に適合するように表示します。 このファイル名の場合,ファイル指定にDIDあるいはFID短縮形を含むことが可能です。
EXPANDED ファイル名をディスクに格納されているとおりに表示します。 このファイル名の場合,ファイル指定にDIDあるいはFID短縮形は含みません。

キーワードはCONDENSEDとEXPANDEDを同時に指定することはできません。 この修飾子は,確認が要求された場合に, 出力メッセージに表示されるファイル名の書式を表わしています。

EXPANDEDキーワードが指定されていない場合, ファイル・エラーはCONDENSEDファイル指定で表示されます。

詳細は『OpenVMS Extended File Specificationsの手引き』を参照してください。

/TRUNCATE

EOF指示子を含むブロックの最後で,ファイルが切り捨てられるように指定します。 つまり,割り当てられてはいるが,使用されていないブロックを解放します。

/UNLOCK

1つまたは複数の,誤ってクローズした結果アクセスできなくなったファイルを, アクセスできるようにします。

/VERSION_LIMIT[=n]

指定ファイルの最大バージョン数を指定します。 バージョン・リミットを指定しなかった場合には0が使用され, ファイルのバージョンの数は,Files-11の構造上の上限である32767に制限されます。 新しいファイル・バージョンを作成したためにバージョン・リミットを超える場合には, ユーザへ通知せずに, そのもっとも古いバージョンのファイルがディレクトリから削除されます。 たとえば,あるディレクトリ内に5バージョンのファイルを持っているときに, バージョン・リミットとして3を設定した場合でも, そのファイルが削除またはパージされるまでは,5つのバージョンは残りますが, 1度バージョン・リミット以下になるとその制限が適用されます。

  1. $ SET FILE/EXPIRATION_DATE=19-APR-1998:11:00 BATCH.COM;3
    
    この例では,BATCH.COM;3というファイルの満了日を, 1995年4月19日の午前11:00に設定するように指示しています。

  2. $ SET FILE/BEFORE=31-DEC/ERASE_ON_DELETE PERSONNEL*.SAL
    
    この例では,PERSONNEL*.SALというファイル指定に一致するファイルの中で, 12月31日以前のすべてのファイルを対象としています。 この場合,DELETEコマンドやPURGEコマンドなどによってそのファイルの 1つが削除されたときには,そのファイルが使用していたディスク領域の内容も, 消去されることを指示しています。

  3. $ SET FILE/OWNER_UIC=[360,020]/VERSION_LIMIT=100 MYFILE.DAT
    
    この例では,MYFILE.DATというファイルの属性を変更します。 ここでは,所有者の利用者識別コード(UIC)を変更し, ファイル・バージョン・リミットを100に設定しています。 所有者のUICを変更するには,システム特権(SYSPRV)が必要です。

  4. $ SET FILE/NOMOVE TEST.FDL
    $DIRECTORY/FULL TEST.FDL
    
    Directory SYS$SYSDEVICE:[MACKRILL]
    
    TEST.FDL;1   File ID:  (10,8,0)
       .
       .
       .
    File attributes: Allocation: s, Extend: 0, Global buffer count: 0
       No version limit, MoveFile disabled
       .
       .
       .
    
    ファイルTEST.FDLに対するファイル移動を禁止しています。 ファイルTEST.FDLに対するDIRECTORY/FULLコマンドが, ファイル移動属性が禁止されていることを示しています。

  5. $  SET FILE/ATTRIBUTES=ORG:SEQ -
    _$ TEST$:[DATA]SET_ATTRIBUTES.DATA_FILE/LOG
    %SET-I-MODIFIED, TEST$:[DATA]SET_ATTRIBUTES.DATA_FILE;1 MODIFIED
    
    SET FILE/ATTRIBUTESコマンドは,指定ファイルのファイル構造を変更しています。

  6. $  SET FILE/PROTECTION=(S:RWE,O=RWE,G:RE,W:RE) TEMP.DIR
    $ DIRECTORY/PROTECTION TEMP.DIR
    
    Directory DKB0:[MACKRILL]
    
    TEMP.DIR;1           (RWE,RWE,RE,RE)
    
    この例では,SET FILEコマンドでTEMP.DIRの保護コードを設定し, 次にDIRECTORYコマンドを使用して,ファイルの保護コードを表示しています。


SET HOST

(現在のホスト・プロセッサを通じて)ターミナルを, 遠隔プロセッサと呼ばれる他のプロセッサに接続します。以下の条件が必要です。


[1] DECnetを使用するためには,OpenVMSとは別にライセンスが必要です。

フォーマット

     SET HOST  ノード名 

パラメータ

ノード名

遠隔プロセッサのノード名を指定します。

説明

SET HOSTコマンドは,ネットワーク上の別のプロセッサに接続します。 ローカル・ノードからアクセスできるノードの名前を表示するには, SHOW NETWORKコマンドを使用します。接続されると, 遠隔プロセッサからユーザ名とパスワードを求めるプロンプトが表示されます。 遠隔プロセッサにアカウントがないと,ログインできません。

遠隔プロセッサに接続しログインしたら, ローカル・プロセッサの場合と同じようにDCLコマンドを使用できます。 SET HOSTコマンドを使用して,別の遠隔・プロセッサに接続することもできます。

たとえば,ローカル・ノードをBOSTONとすると, SET HOST ALBANYコマンドを使用してノードALBANYに接続できます。 次に,SET HOST AKRONコマンドを使用すれば, (BOSTONおよびALBANY経由で)ノードAKRONに接続できます。

LOGOUTコマンドを使用して,最後にログインしたプロセッサからログアウトし, 前のプロセッサに戻ります。前出の例であれば,LOGOUTコマンドを使用して, ノードAKRONのプロセッサからログアウトし接続を切られても, ALBANYのプロセッサにはまだログインし接続されています。 別のLOGOUTコマンドで,ノードALBANYからはログアウトし接続も切られます。 3番目のLOGOUTコマンドで,ローカル・プロセッサBOSTONからログアウトします。

必要な場合は, 操作を強制終了して最初のホスト・プロセッサに直接戻ることもできます。 Ctrl/Yを2回以上続けて押します。次のメッセージが表示されます。

     Are you repeating ^Y to abort the remote session?

YまたはYESで応答すると,制御は最初のノードに戻ります。 NまたはNOのように他の応答をすると,接続は中止されません。 この方法は,何度もLOGOUTコマンドを入力しないでただちに終了したい場合や, ネットワークの一部が切断され,ホストに戻りたい場合に便利です。

SET HOSTは,OpenVMSターミナル・ドライバと異なり, 実行中のプログラムからの出力データをバッファリングすることに注意してください。 バッファリングによって,ワイド・エリア・ネットワークの性能が向上します。 ただし,出力のみを提供するプログラムの場合は, バッファリングによって遠隔のプログラムの実行内容とローカル端末の表示内容にずれが生じることがあります。 つまり,ローカル端末に出力が表示される前に,プログラムが終了することがあります。

Ctrl/YまたはCtrl/C機能, またはアウト・オブ・バンド強制終了文字を使用してプログラムの実行を強制終了する場合に, このずれは,特にまぎらわしくなります。たとえば, キャプティブ・コマンド・プロシージャの実行中にCtrl/YまたはCtrl/Cを押したり, アウト・オブ・バンド強制終了文字を入力すると, SET HOSTはただちにローカル端末の表示を停止します。 また,バッファに入ったすべての書き込み動作を含めて,現在の読み込み, および書き込み動作を中止し,待ち状態の書込み動作を中止します。 [2]したがって,ローカル端末での表示が中止された時点で, 遠隔のプログラムが強制終了されたように見えても, 実際にはCtrl/Yを押す前にすでにその時点を実行している場合もありますし, 実行を終了している場合もあります。

いくつかの SET HOST 修飾子,たとえば /MOP, /VTP,/X29 などは, システムに DECnet-Plus がインストールされている場合にかぎり表示されることに注意してください。 これらの修飾子の使用法については,次のコマンドを実行してヘルプを参照してください。

     $ HELP DECnet-Plus

[2] DCLは,常にターミナル・ドライバに対する待ち状態の Ctrl/Y非同期システム・トラップ(AST)を保持します。Ctrl/Yを押すと, ターミナル・ドライバは,バッファに入ったすべての書き込み動作を含めて, 現在の読み込み動作,書き込み動作,および待ち状態の書込み動作を中止します。

修飾子

/APPLICATION_PROTOCOL[=プロトコル]

指定ノードのプロトコル接続を, CTERM (CTDRIVER)またはRTERM (RTTDRIVER)で指定します。 接続指定がない場合には,CTERMが省略時の設定になります。

/BUFFER_SIZE=n

遠隔プロセッサとの接続がすでに確立されている場合に, ターミナルと遠隔プロセッサ間でやりとりされるプロトコル・メッセージのパケット・サイズを変更します。 省略時のバッファ・サイズは1010バイトです。 ただし,n に対しては,140〜1024バイトの範囲の値を指定できます。 140以下の値を指定すると140バイトに, 1024バイトよりも大きい値を指定すると1024に設定されます。

n を最小値である140近辺の値に設定すれば, ターミナル表示の更新間隔を最小にできます。 遅いDECnetリンクでは,バッファ・サイズを小さくすると, 画面のクロールが必要であるような大きさのデータが送られた場合の書き込み操作の休止時間を減少します。

/LOG[=ファイル指定]
/NOLOG (省略時の設定)

セッション全体のログ・ファイルが,保存されるかどうかを指定します。 /LOG修飾子だけを指定し,ファイル指定を省略した場合には, ログ情報はSETHOST.LOGというファイルに記録されます。

/RESTORE
/NORESTORE (省略時の設定)

遠隔ターミナル・セッションの開始前に現在のターミナル属性を保存し, その遠隔セッションが終了したときにこれらを復元します。

  1. $ SET HOST/APPLICATION_PROTOCOL=CTERM DAKOTA
    
    ノードDAKOTAでCTERMプロトコルを使用することを /APPLICATION_PROTOCOL修飾子で指定します。

  2. $ SET HOST ITALIC
    Username:  BROWN
    Password: <PASSWORD>
        Welcome to OpenVMS VAX Version 7.1 on node ITALIC
       .
       .
       .
    $  LOGOUT
    BROWN logged out at 19-DEC-1998 15:04:25.27
    %REM-S-END, Control returned to node _CASLON::
    
    この例では,CASLONというローカル・ノード上のユーザのターミナルを ITALIC というネットワーク・ノードのプロセッサに接続します。このあと, 遠隔プロセッサは,ユーザ名とパスワードを要求するプロンプトを表示します。 通常のログイン手順を使って,遠隔プロセッサにログインします。

    遠隔ノードにログインすれば, 別のノードと接続するためにSET HOSTコマンドが使用できます。 ITALICへログインした後で,SET HOST BPDONIと入力することができます。

    再びユーザ名とパスワードの入力が要求されます。 有効なユーザ名とパスワードを入力すれば,BODONIにログインできます。

    BODONIからログアウトした時,制御はITALICに戻ります。 ローカル・ノードのCASLONに戻るには,ITALICからログアウトしなければなりません。

  3. $  SET TERMINAL/WIDTH=80
    $  SET HOST/RESTORE GENEVA
    Username: Jones
    Password: <PASSWORD>
    $  SET TERMINAL/WIDTH=132
       .
       .
       .
    $  logout
    JONES   logged out at 19-DEC-1998 11:04:51.45
    %REM-S-END, control returned to node _ORACLE
    
    この例では,ノードORACLE上のユーザJONESが遠隔ノードGENEVAにログインし, その遠隔セッションを終了した時点で, もとのターミナル・スクリーン幅を80文字に戻すよう指定しています。


SET HOST/DTE

ターミナル回線を使って,システムを遠隔システムに接続します。

接続された後で遠隔システムにログインするには, そのシステムにアカウントを持っていなければなりません。

指定したターミナル・ポートにチャンネルを割り当てられなければなりません。 ターミナル・ポートに対する装置保護は,システム管理者が設定できます。

フォーマット

     SET HOST/DTE  ターミナル名 

パラメータ

ターミナル名

出力ターミナル回線の名前を指定します。 この回線はローカル・システムを,他のシステムまたはモデムに直接接続します。

説明

SET HOST/DTEコマンドを使用すると,端末を別のシステムに接続できます。 接続が確立されると, 遠隔システムからユーザ名とパスワードを求めるプロンプトが表示されます。 遠隔システムにアカウントがないと,ログインできません。

遠隔システムにログインすれば, ローカル・システムの場合と同じようにDCLコマンドを使用できます。

キャリッジ・リターンでなく,ブレークを待つ行にログインするには, Ctrl/ブレーク文字を押してブレークを発生させます。

遠隔システムに接続中は,DTEコマンド・モードから構成コマンドを実行できます。 DTEコマンドを使用すれば, SET HOST/DTEセッションの進行中にそのセッションを構成できます。

DTEコマンドを実行するには,Ctrl/コマンド文字を押して, DTEコマンド・モードに入らなければなりません。 省略時の設定では,コマンド文字はアットマーク(@)です。 コマンド・モードに入ると,DTEPADプロンプトが画面に表示されます。

表 18-4に,DTEコマンドの説明があります。

表 18-4 SET HOST/DTEセッション・コマンド

コマンド 説明
CLEAR DTEPADからローカル・システムを切断する。 このコマンドは,QUITコマンドと同じ。
EXIT セッションをエミュレーション・モードに戻す。
QUIT DTEPADからローカル・システムを切断する。 このコマンドは,CLEARコマンドと同じ。
SAVEファイル指定 現在の構成設定情報を保存する。 現在の設定は,一連のSET DTEコマンドとして,指定されたファイルに書き込まれる。 このファイルは,後で初期化ファイルとして使用できる。
SEND BREAK キャリッジ・リターンでなく,ブレークを待つ遠隔システムに, ブレークを送信する。
SET DTE SET HOST/DTEセッション中に,DTEPADの設定可能特性を変更する。 コマンド・モードでSET HOST/DTE修飾子を使用できる。
SHOW DTE DTEPADのすべての設定可能特性の現在の設定を表示する。また,現在の SET HOST/DTEセッション中に送受信されたデータのバイト数と端末ポートで検出されたエラー数も表示する。
SPAWN 現在のローカル・プロセスのサブプロセスを作成する。 このコマンドは,DCL SPAWNコマンと同じ。 ただし,次のように,DTE SPAWNコマンドより多くの修飾子がある。 /INPUT=ファイル指定
/LOGICAL_NAMESおよび/NOLOGICAL_NAMES
/OUTPUT=ファイル指定
/PROCESS=サブプロセス名
/SYMBOLSおよび/NOSYMBOLS
/WAITおよび/NOWAIT

これらの修飾子についての詳細は,SPAWNコマンドを参照。

セッションを終了するには,まず遠隔システムからログアウトする必要があります。 次に,Ctrl/エスケープ文字を押してDTEPADを中止します。 省略時のエスケープ文字は,バックスラッシュ(\)です。 あるいは,DTEコマンド・モードからQUITまたはCLEARコマンドを入力して, DTEPADを中止します。

修飾子

/BREAK=ブレーク文字

ブレーク文字を指定します。回線上で, 復帰改行(キャリッジ・リターン)ではなくブレークが必要な場合に使用します。 Ctrl/ブレーク文字キーで,ブレーク信号を生成します。

ブレーク文字は,C, M, Q, S, Yと[を除いた@からzまでの任意の ASCII文字を使用できます。ただしコマンド文字(/COMMAND=コマンド文字の説明を参照) やエスケープ文字(/ESCAPE=エスケープ文字の説明を参照)は使用できません。

@ から z までの任意のASCII文字には,大文字と小文字,@, \, ], ^, _, `を含みます。

省略時の設定では,ブレーク文字は]です。

/COMMAND=コマンド文字

コマンド文字を指定します。Ctrl/コマンド文字キーでDTEコマンド・モードに入ります。

ブレーク文字は,C, M, Q, S, Yと[を除いた @からzまでの任意のASCII文字を使用できます。 ただし,ブレーク文字(/BREAK=ブレーク文字の説明を参照) やエスケープ文字(/ESCAPE=エスケープ文字の説明を参照)は使用できません。

@からzまでの任意のASCII文字には,大文字/小文字,@, \, ], ^, _, `を含みます。

省略時の設定では,コマンド文字は@です。

/DIAL=(NUMBER:番号[,MODEM_TYPE:モデム・タイプ])

出力ターミナル回線に接続されているモデムが, そのモデムの自動ダイアル・プロトコルを使って, 自動ダイアルできることを指定します。 NUMBERキーワードと,そのあとに自動ダイアルする電話番号の指定が必要です。

新しい番号をダイアルする際には,遠隔システムから一度ログアウトしてください。

Alphaでは,MODEM_TYPEキーワードの省略時の設定は DMCL(DECモデム・コマンドを使用するモデム)です。

VAXでは,MODEM_TYPEキーワードは省略可能です。 以下のモデム・タイプを指定するのに使用します。

モデム・タイプごとに,特定のモデム・ダイアラー・コードが必要です。 どのモデム・ダイアラー・コードを使えば良いかは,システム管理者に確認してください。

MODEM_TYPEキーワードは,DF03,DF112, またはDMCL以外のモデム・タイプを指定するために使用されます。 自動ダイアル機能を持つ他のモデムを使用したいというユーザのために, テンプレートが準備されています(SYS$EXAMPLES:DTE_DF03.MARを参照してください)。

/ECHO
/NOECHO (省略時の設定)

ターミナル入力を,ローカル・システムでエコー表示するかどうかを指定します。 省略時の設定では,遠隔システムでエコー処理されます。

/EIGHT_BIT (省略時の設定)
/NOEIGHT_BIT

出力ターミナル回線が, 7ビットまたは8ビットのASCII文字コードをサポートするかどうかを指定します。 省略時設定では,8ビット文字がサポートされます。 /NOEIGHT_BITを指定すると,7ビット文字のサポートとなります。

/ERROR_ACTION=CONTINUE (省略時の設定)
/ERROR_ACTION_EXIT

EXITやCONTINUEキーワードで,エラー処理を指定します。

出力ターミナル回線でエラーが検出された場合,ローカル・システムに報告され, ターミナルにエラー・メッセージが表示されます。

エラー処理にCONTINUEが指定されると,遠隔システムとの通信は続行されます。

エラー処理にEXITが指定されると,遠隔システムとの通信は直ちに切断されます。

/ESCAPE=エスケープ文字

エスケープ文字を指定します。Ctrl/エスケープ文字キーで,DTEPADを終了します。

エスケープ文字は,C, M, Q, S, Yと[を除いた@からzまでの任意の ASCII文字を使用できます。 ただし,コマンド文字(/COMMAND=コマンド文字の説明を参照) やブレーク文字(/BREAK=ブレーク文字の説明を参照)は使用できません。

省略時の設定では,エスケープ文字は\です。

@からzまでの任意のASCII文字には,大文字と小文字,@, \, ], ^, _, `を含みます。

/FLOW_CONTROL (省略時の設定)
/NOFLOW_CONTROL

XON/XOFFフロー制御を設定するかどうか指定します。 省略時の設定では,フロー制御されています。

XON/XOFFフロー制御は,データ・オーバラン・エラーを防ぐために使用します。 入力データは受信バッファに格納され, このバッファが一杯になるとデータ送信を中断させるために遠隔ノードに信号が送られます。 受信バッファに十分な領域が生じると, 送信を再開するために別のメッセージが送られます。

遠隔システムがXON/XOFFフロー制御をサポートしていない場合には, フロー制御しないように設定しなければなりません。

/INIT[=ファイル指定] (省略時の設定)
/NOINIT

DTEPADの設定可能な属性を,初期化ファイルに書かれた値によって設定します。

コマンド・ライン中の修飾子で指定した属性値は,初期化ファイルの設定に優先します。

省略時の設定では,DTEPADは論理名DTEPAD$INIを使用して初期化ファイルを探します。 /INIT修飾子にファイル指定しない場合には,論理名DTEPAD$INIが変換され, ファイルが探されます。 論理名DTEPAD$INIが未定義の場合は,/NOINITが省略時の設定となります。

初期化ファイルでは,以下のDTEコマンドを使用できます。

初期化ファイルの例を次に示します。

     SET DTE/MAX_BUFFERS=150
     SET DTE/READ_DELAY=100
     SEND BREAK

/LOG[=ファイル指定]
/NOLOG (省略時の設定)

セッションのログ・ファイルを保存するかどうかを制御します。

ファイル指定なしで/LOG修飾子を使用すると, ログ情報は DTEPAD.LOG というファイルに保存されます。

ログがモデム・セッションに使われているときは, ログ・ファイルは回線上で生じるノイズを含みます。 たとえば,ログ・ファイルに記録するために,ファイルをタイプすると, データ・ファイルとともにノイズも記録されます。 したがって,ファイル転送を目的とする/LOG修飾子の使用は避けた方が良いでしょう。

ファイル転送には非同期のDECnetをおすすめします。

/MAX_BUFFERS=バッファ数

受信バッファの最大数を指定します。 受信バッファは,モデム・ポートからのデータを受信するために使用されます。 必要なだけ確保されます。

省略時の設定は100です。指定可能な最小値は20です。

/PARITY=NONE (省略時の設定)
/PARITY=ODD
/PARITY=EVEN

出力ターミナル回線のパリティ・チェックを制御します。

/READ_DELAY=遅延時間

モデム・ポートの読み込み遅延をミリ秒で指定します。この遅延時間は, モデム・ポートからターミナルの受信バッファへのデータ転送の時間間隔です。

省略時の設定は50ミリ秒で,この値は最小値です。

遅延時間を長くすると,ターミナルでの表示間隔が長くなります。また, データ・オーバラン・エラーの発生確立も高くなりますが,CPU負荷は軽くなります。

/SPEED=(出力速度,入力速度)

ターミナルがデータを送受信するときの速度(ボー・レート)を指定します。 速度に1つだけ値を指定する場合には, 入力ボー・レートと出力ボー・レートは同じ速度に設定されます。

すべてのターミナルが, 入力ボー・レートと出力ボー・レートに対して異なる値をサポートするわけではありません。 各ターミナルのボー・レートについての詳細は, そのターミナルのマニュアルを参照してください。

省略時の通信速度は,システムごとに異なります。

指定できる値は,次のとおりです。

      50       150       1800       4800       38400
      75       300       2000       7200       57600
     110       600       2400       9600       76800
     134      1200       3600      19200      115200

不正な,または,サポートされない速度が指定された場合,設定値は以前のままです。

  1. $ SET HOST/DTE TTA2:/DIAL=NUMBER:5551234
    Username: SMITH
    Password:
    
    この例では,ユーザのターミナルを,出力ターミナル回線であるTTA2:に接続します。 この回線は,555-1234という電話番号を, 自動ダイアルするように設定されているモデム (省略時設定によってDF03タイプのモデム)に接続されています。このあと, 遠隔プロセッサは,ユーザ名とパスワードを要求するプロンプトを表示します。 通常のログイン手順に従って,遠隔システムにログインします。

  2. $ SET HOST/DTE/DIAL=(NUMBER:5551234#,MODEM_TYPE:DF112) TTA2:
    Username: SMITH
    Password:
    
    このコマンドは,DF112モデムを用いることを除いて,1の例と同じです。 番号記号(#)は,DF112のオートダイアラーを起動するために必要です。

  3. $ SET HOST/DTE/NOEIGHTBIT TTA2
    
    出力ターミナル回線TTA2を7ビット文字をサポートするように設定しています。

  4. $ SET HOST/DTE/NOFLOW_CONTROL TTA2
    
    XON/XOFFフロー制御をしないように設定しています。

  5. $ SET HOST/DTE/ERROR_ACTION=EXIT TTA2
    
    エラー処理をEXITに設定しています。

  6. $ SET HOST/DTE/MAX_BUFFERS=150 TTA2
    
    最大受信バッファ数を150に設定しています。

  7. $ SET HOST/DTE/ESCAPE=E TTA2
    
    文字Eをエスケープ文字に設定しています。DTEPADは大文字と小文字を区別しません。

  8. $  SET HOST/DTE/LOG TTA2
    
    セッションが記録されます。 ログ・ファイルが指定されていないので,ファイルDTEPAD.LOGに記録されます。

  9. $ SET HOST/DTE/INIT=MYFILE.INI TTA2
    
    初期化ファイルMYFILE.INIでDTEPADを指定しています。

  10. $  [Ctrl/@]
    DTEPAD>
    
    Ctrl/@キーを押してDTEコマンド・モードに入っています。 ここで,@はコマンド文字です。

  11. DTEPAD> SAVE MYFILE.INI
    
    構成ファイルMYFILE.INIをセーブします。

  12. DTEPAD>SET DTE/BREAK=G
    
    文字「G」をブレーク文字に定義します。

  13. DTEPAD>SET DTE/ECHO
    
    ローカル・エコーに設定します。

  14. DTEPAD>SET DTE/SPEED=4800
    
    入/出力ボーレートを4800にします。

  15. DTEPAD>SET DTE/LOG=myfile.log
    
    ログをMYFILE.LOGにダイレクトします。

  16. DTEPAD> SHOW DTE
      Port TXA0              EIGHT_BIT ECHO
      Flow control           XON/XOFF
      Parity                 NONE
      Transmit Speed         4800
      Receive Speed          4800
      Error action           CONTINUE
      Break character        B
      Escape character       \
      Command character      @
      Maximum buffers        100
      Read delay             50 milliseconds
      Log file               MYFILE.INI
      Number dialed          12345678
      Modem type             DF03
    
      Bytes transmitted      75
      Bytes received         132
      Errors                 0
    
    現在の構成と,送信/受信バイト数,エラーカウントを表示します。


SET HOST/DUP

ターミナルを(適当なバス経由で)記憶域制御装置に接続します。 /SERVERと/TASK修飾子は必須です。

記憶域制御装置に対してのみ使用できます。 DIAGNOSE特権が必要です。

フォーマット

     SET HOST/DUP/SERVER=サーバ名

     /TASK=タスク名 ノード名 

パラメータ

ノード名

記憶域制御装置のノード名を指定します。

説明

SET HOST/DUPコマンドは,仮想ターミナル接続を作成し, 診断ユーティリティ・プロトコル(DUP)標準ダイアログを使用する記憶装置上で, ユーティリティや診断プログラムを実行します。

一度接続されると, ユーティリティまたは診断プログラムの制御の下で操作が実行されます。

ユーティリティまたは診断プログラムが終了すると, 制御がローカル・システムに戻ります。

接続を強制終了して,制御をローカル・システムに戻すには,Ctrl/\を押します。

特定の制御装置で使用できるユーティリティ, および診断プログラムの操作についての詳細は, そのコントローラの該当するドキュメント・セットを参照してください。

使用のための準備

SET HOST/DUP機能を使用するには, まずDUPクラス・ドライバFYDRIVERをインストールしなければなりません。 FYDRIVERをロードするには,SYS$MANAGERディレクトリにある SYSTARTUP.COMコマンド・プロシージャに次のコマンドを追加します。

Alphaでは,次のコマンドを指定します。

     $ RUN SYS$SYSTEM:SYSMAN
     SYSMAN> IO CONNECT FYA0/NOADAPTER/DRIVER=SYS$FYDRIVER

VAXでは,次のコマンドを指定します。

     $ RUN SYS$SYSTEM:SYSGEN
     SYSGEN> CONNECT FYA0/NOADAPTER

この操作には,CMKRNL (カーネル・モードに変更)特権が必要です。

修飾子

/LOG[=ファイル指定]
/NOLOG (省略時の設定)

全セッションのログをファイルに残すかどうかを指定します。 /LOG修飾子にファイル指定しなかった場合には,ファイルHSCPAD.LOGに書き込まれます。

/SERVER=サーバ名

対象となる記憶域制御装置のサーバを指定します。

この修飾子は必須です。

/TASK=タスク名

対象となる記憶域制御装置の上で, サーバの管理下で実行するユーティリティまたは診断プログラムを指定します。

この修飾子は必須です。

  1. $ SET HOST/DUP/SERVER=MSCP$DUP/TASK=DIRECT R2DH5Y
    %HSCPAD-I-LOCPROGEXE, Local program executing - type ^\ to exit utility
    
    この例では,ユーザ・ターミナルを記憶域制御装置R2DH5Yに接続して, サーバMSCP$DUPの下でユーティリティ・プログラムDIRECTを実行しています。


SET HOST/HSC

ターミナルをCI(Computer Interconnect)バスを通して, HSCディスク/テープ・コントラーラに接続します。

HSCコントローラに対してのみ使用できます。DIAGNOSE特権が必要です。

フォーマット

     SET HOST/HSC  ノード名 

パラメータ

ノード名

HSCのノード名を指定します。

説明

SET HOST/HSCコマンドは,CIバス経由で, HSCディスクおよびテープ制御装置へ接続します。SHOW CLUSTERコマンドを実行すると, ノードからアクセスできるHSC コントローラの名前が表示されます。 HSCにアクセスするには,パスワードは必要ありません。 ただし,HSCのSecure/EnableスイッチがSecureになっている場合は, SHOWコマンドしか受け付けられません。

一度HSCに接続されると,HSCのローカル端末に接続されているかのように操作できます。 ただし,ODT (8進デバッグ・ツール)へのアクセス, およびオフライン診断は許可されません。

Ctrl/Cを押すと,コマンドを入力する前にHSCからプロンプトが表示されます。 HSCを終了してローカル・システムに戻るには,Ctrl/\を押します。

HSCコマンドのおよびユーティリティの説明は,HSCのマニュアルを参照してください。

使用のための準備

SET HOST/HSCファシリティを使用するには,まずCIに付属している, 診断ユーティリティ・プロトコル(DUP)ドライバFYDRIVER をインストールしなければなりません。FYDRIVERをロードするには, SYS$MANAGERディレクトリにあるSYSTARTUP.COMコマンド・プロシージャに, 次のコマンドを追加します。

     $ RUN SYS$SYSTEM:SYSGEN
     CONNECT FYA0/NOADAPTER

この操作には,CMKRNL (カーネル・モードに変更)特権が必要です。

修飾子

/LOG[=ファイル指定]
/NOLOG (省略時の設定)

セッション全体のログ・ファイルを保存するかどうかを制御します。 /LOG修飾子だけを指定し,ファイル指定を省略した場合には, 記録情報はHSCPAD.LOGというファイルに記録されます。

  1. $ SET HOST/HSC HSC001
    %HSCPAD-I-LOCPROGEXE, Local program executing - type ^\ to exit, ^Y for prompt
    HSC>
    
    HSCノードHSC001にターミナルを接続します。


SET HOST/LAT

LAN上の特定のサービスにターミナルを接続し, そのサービスとの間にセッションを1つ作成します。

同一のLANに接続されており,少なくともバージョン5.0以降の LATプロトコルを使用している遠隔のサービス・ノードと接続可能です。

フォーマット

     SET HOST/LAT  サービス名 

パラメータ

サービス名

ターミナルを接続したいサービスの名前を指定します。サービスとはLAN上の資源です。 サービスは通常,全コンピュータの資源から構成されます。 他のサービスとしては,ファイル・サーバやアプリケーション・プログラム等があります。 サービスを提供するコンピュータをサービス・ノードと呼びます。

同名のサービスを提供するノードが複数あり, /NODE=ノード名修飾子を指定しない場合には, 最も負荷の低いノードに接続されます。

LAN上のサービスの一覧は, LAT制御プログラム(LATCP)のSHOW SERVICESコマンドで確認できます。 『OpenVMSシステム管理ユーティリティ・リファレンス・マニュアル』 を参照してください。

説明

SET HOST/LATをコマンドを使用すれば,指定されたサービスに端末を接続し, 端末とサービス・ノード間に1つのLATセッションを作成します。 LATプロトコルとその特長の概要については, 『OpenVMSシステム管理者マニュアル』を参照してください。

サービスを提供するサービス・ノードは,遠隔ノードにあり,同一のLAN上にあり, バージョン5.0以降のLATプロトコルを使用していなければなりません。

一部のサービスは,パスワードで保護されています。 /PASSWORD修飾子で指定するか,出力されるプロンプトに対して入力してください。

サービスと接続されると,端末が直接そのサービスに接続されているように, 会話型でサービスを利用できます。一部のサービスは,プロンプトを表示されます。 たとえば,サービスがOpenVMSシステムの場合, ユーザ名とパスワードを求めるプロンプトが表示されます。 サービス・ノードにアカウントがないと,ログインできません。

切断文字を入力すれば,LATセッションを終了し, ローカル・システムのDCLコマンド・レベルに戻ります。 OpenVMSなどの汎用タイムシェアリング・サービスなどの一部のサービスでは, サービスからログアウトするとLATセッションを終了できます。 省略時の切断文字は,Ctrl/\です。 /DISCONNECT修飾子を使用して,省略時の切断文字を変更します。

SET HOST/LATコマンドで,自ノードに接続することはできません。

修飾子

/AUTOCONNECT
/NOAUTOCONNECT

サービスが未定義または利用不可の場合や, ノードが未定義または到達不能などの場合に, 自動的に接続を再試行するかどうか指定します。 また,接続が異常切断された場合に,自動的に再接続するかどうかも指定します。 省略時の設定は,/NOAUTOCONNECTです。

/AUTOPROMPT (省略時の設定)
/NOAUTOPROMPT

SET HOST/LATコマンドが実行された時にユーザ介入無しに OpenVMSの「Username:」プロンプトを出します。

ターミナル・サーバ・ポートでは, AUTOPROMPTの無効(/NOAUTOPROMPT)をポートに設定できます。 この場合,あるノードに接続するためにはリターンを押さなければなりません。 リバースLATサービスを使用する場合はAUTOPROMPTを無効にしてください。

/BREAK=ブレーク文字

ブレーク文字を指定します。 回線上で復帰改行(キャリッジ・リターン)ではなくブレークが必要な場合に使用します。 Ctrl/ブレーク文字キーで,ブレークを生成します。 省略時のブレーク文字はチルダ(~)です。

ブレーク文字は,C, M, Q, S, Yと[を除いた@からZまでの任意の ASCII文字を使用できますが,切断文字は使用できません。

/DESTINATION_PORT=ポート名

接続するノードのポートを指定します。 /DISCONNECT修飾子は/NODE修飾子とともに使用します。 ポートが利用可能で,かつ指定したサービスを提供していなければなりません。 OpenVMSや他のLATサービスのいくつかは,/DESTINATION_PORT修飾子を無視します。

/DIAL=(NUMBER:番号[,MODEM_TYPE:モデム・タイプ])

モデムの自動ダイアル・プロトコルを用いて, 外向けのターミナルに接続されたモデムが自動ダイアルできるようにします。 NUMBERキーワードは,自動ダイアルする電話番号であり,省略できません。

MODEM_TYPEキーワードはオプションです。 これは,次のモデム・タイプを指定するために使用できます。

各モデム・タイプは,特定のモデム・ダイアル・コードが必要です。 使用しているシステムに, どのモデム・ダイアル・コードがインストールされているかは, システム管理者に確認してください。

さらに,MODEM_TYPEキーワードで,DF03, DF112, またはDMCL以外のモデム・タイプを指定することができます。 自動ダイアル機能がある他のモデムに関心のあるユーザのために, テンプレートが用意されています(SYS$EXAMPLES:DTE_DF03.MARを参照してください)。

/DISCONNECT=切断文字

Ctrl/切断文字キーで,セッションを切断します。 切断するには,Ctrl切断文字キーと切断文字のキーを同時に押します。 省略時の切断文字はバックスラッシュ(または円マーク)です。

切断文字は,C, M, Q, S, Yと[を除いた@からZまでの任意のASCII文字を使用できます。 たとえば,/DISCONNECT=Aを指定すると,Ctrl/Aが切断文字になります。 ブレーク文字としてすでに指定されている文字は,選択できません。

/EIGHT_BIT (省略時の設定)
/NOEIGHT_BIT

外向けのターミナル・ラインが, 8ビット文字列あるいは7ビット文字列のどちらをサポートするかを決定します。 省略時の設定では,8ビット文字列がサポートされます。 /NOEIGHT_BITを指定した場合は,7ビット文字列がサポートされます。

注意
遠隔ターミナル・サーバ・ポート上で文字のビット数を変更するには, そのポートが,REMOTE MODIFICATION属性を持っていなければなりません。


/FRAME=n

入力または出力される各文字に対して, ターミナル・ドライバが適用するデータのビット数を指定します。 指定できる値は,5から8までの範囲です。 省略時の値は,ターミナルの/PARITYと/EIGHT_BITの設定によって異なります。

1文字あたり7ビットのサイズを指定する例を次に示します。

     $ SET HOST/LAT /FRAME=7 DIAL_OUT_SVC

/LOG[=ログ・ファイル]

LATセッションのログを保存します。/LOG修飾子にファイル指定しなかった場合には, ログ情報はSETHOST_LAT.LOGというファイルに保存されます。

/NODE=ノード名

接続するサービスを提供するノードを指定します。遠隔ノードでなければなりません。 接続が失敗しても,フェイルオーバは行われません。

/PASSWORD=パスワード

パスワードで保護されているサービスに接続する場合に,パスワードを指定します。 /PASSWORD修飾子を指定しなかった場合, 接続時にパスワードを要求するプロンプトが出力されます。

/QUEUE
/NOQUEUE (省略時の設定)

リバースLATサービスを使用して接続しようとする際, 既存の接続(ダイアル・アウト・モデム等)があれば, それを知らせてコマンドを終了します。キューイングをサポートするリバース LATサービスでは接続要求をキューイングすることができます。 この場合は,接続待ちキューに入れられます。

LATはキュー内の順番を報告します。また接続可能になると直ちに報告されます。 Ctrl/Yを押せばキュー待ちを解除しコマンドを終了します。

/SPEED=(送信レート,受信レート)

ターミナルがデータを受信および送信するボー・レートを設定します。 受信速度と送信速度が同じ場合は,修飾子/SPEED=レートを指定してください。

すべてのターミナルが, 異なる受信および送信ボー・レートをサポートしているわけではありません。 ご使用のターミナルのボー・レートに関する詳細は, それぞれのターミナルのマニュアルを参照してください。

省略時の送信速度は,インストレーションに依存します。

送信および受信レートとして指定できる値を次に示します。

     300, 600, 1200, 2400, 4800, 9600, 19200, 38400, 57600

無効か,あるいはサポートされていない速度を指定した場合は, ターミナル・ライン速度は以前の値のままで変更されません。


注意
ターミナル・サーバ・ポート上の速度を変更するには, そのターミナル・サーバ・ポートで REMOTE MODIFICATION属性が有効になっていなければなりません。

接続を開始する際,SET HOST/LATは, 速度やLAT装置に対する省略時の速度のようなターミナル・サーバ・ポート属性を設定しようとするかも知れません。 もしターミナル・サーバに接続された装置が (ダイアル・アウト・モデムのように)固定速度で, しかもホストにこれを変更させたくない場合は, 以下のコマンドを用いてポート上のREMOTE MODIFICATION属性を無効にしてください。

     Local> DEFINE PORT x REMOTE MODIFICATION DISABLE
     Local> LOGOUT PORT x
CHANGEコマンドをサポートするターミナル・サーバでは, 以下のコマンドを使用してください。
     Local> CHANGE PORT x REMOTE MODIFICATION DISABLE

  1. $ SET HOST/LAT SORTER
    %LAT-S-CONNECTED, session to SORTER established
    %LAT-I-TODISCON, type ^\ to disconnect the session
    Username: MACKRILL
    Password:
       .
       .
       .
    
    $ LOGOUT
    MACKRILL logged out at 30-DEC-1998  11:04:51.45
    %LAT-I-DISCONNECTED, session disconnected from SORTER
    -LAT-I-END, control returned to node HOME
    $
    
    この例は,コンピュータ・システムであるサービスSORTERに接続しています。 最初のメッセージで接続先を確認し,3番目のメッセージで切断方法を示しています (SORTERからログアウトしてもセッションを切断できます)。 次にSORTERはユーザ名とパスワードをの入力を要求します。 通常のログイン手順でシステムにログインします。 サービスSORTERからログアウトすると, ローカル・システムHOMEに戻りDCLのプロンプトが表示されます。

  2. $ SET HOST/LAT/DESTINATION_PORT=BOSTON-
    _$ /NODE=STATE/DISCONNECT=F BUDGET
    
    ターミナルを,サービス・ノードSTATEのポートBOSTON上で提供されるサービスBUDGET に接続します。Ctr/Fでセッションは切断されます。

  3. $ SET HOST/LAT PURSE
    Password:
    
    サービスPURSEに接続しようとしています。PURSEはパスワードで保護されているため, パスワードを要求するプロンプトが出力されています。 次の例で示すように,パスワードはSET HOST/LATコマンドと同時に指定できます。

  4. $ SET HOST/LAT/PASSWORD=BEOR PURSE
    
    パスワードで保護されているサービスPURSEに,ターミナルを接続しようとしています。 パスワードはBEORです。


SET HOST/RLOGIN

TCP/IP接続を介した遠隔ホストへのログイン,およびRLOGINアプリケーションを使用し, 会話型ターミナル・セッションの開始をサポートします。

フォーマット

                  ┌ IPホスト名 ┐
  SET HOST/RLOGIN │        │
                  └ IPアドレス ┘

注意
IPホスト名あるいはIPアドレスのどちらか一方だけを指定できます。

パラメータ

IPホスト名

遠隔ホストのIPホスト名を指定します。

IPアドレス

遠隔ホストのIPアドレスを指定します。

説明

SET HOST/RLOGINコマンドを使用すると,ユーザの(ローカル・)システムで動作する RLOGINクライアント・ソフトウェアを起動して,遠隔ホストにログインできます。 端末セッションを開始すると,会話型で遠隔ホストにコマンドを入力できます。 遠隔ホストを指定するパラメータは,IPホスト名またはIPアドレスです。

修飾子

/AUTHENTICATE

遠隔ノードへのアクセスのためにKerberos認証を使用することを指定します。

/PASSWORD=パスワード

遠隔ホストにログインするユーザのパスワードを指定する,オプションの修飾子です。

/TERMINAL_TYPE=タイプ

ターミナル・エミュレータを, 1つのターミナル・タイプ(VT100, VT200, VT300, VT400, VT500)に設定します。

/TRUNCATE_USERNAME

遠隔ノードに接続を試みる前に, 現在のユーザ名を8文字に切り捨てるように指定します。この修飾子は, ログイン名のサイズを8文字に制限しているシステムと通信する場合に必要です。 /USERNAMEが指定されている場合,/TRUNCATE_USERNAME修飾子は無視されます。

/USERNAME=ユーザ名

遠隔ノードにログインするユーザ名を指定します。 UNIXシステムのような大文字と小文字を区別するシステムのために, ユーザ名は二重引用符で囲むことができます。 /USERNAME修飾子が指定されていない場合は,省略時の設定である, 現在のユーザのユーザ名になります。

  1. $ SET HOST/RLOGIN remotehst1
    
    この例では,TCP/IP接続を介して, 遠隔ホストremotehst1へのRLOGIN接続を確立します。


SET HOST/TELNET

TELNETアプリケーションを起動することによって, TCP/IP接続を介して遠隔ホストへの接続を確立します。

フォーマット

                  ┌ IPホスト名 ┐
  SET HOST/TELNET │        │
                  └ IPアドレス ┘

注意
IPホスト名あるいはIPアドレスのどちらか一方だけを指定できます。

パラメータ

IPホスト名

遠隔ホストのIPホスト名を指定します。

IPアドレス

遠隔ホストのIPアドレスを指定します。

説明

SET HOST/TELNETコマンドを使用すると,ユーザの(ローカル・)システムで動作する Telnetクライアント・ソフトウェアを起動して,遠隔ホストに接続できます。 遠隔ホストを指定するパラメータは,IPホスト名またはIPアドレスです。 ほとんどの属性は,遠隔ノードと交渉されます。 修飾子は,例外的な状況(たとえば,遠隔サーバが, パラメータの交渉をサポートしないで,特定の属性を要求する接続の場合) のみで使用されます。

修飾子

/AUTHENTICATE

遠隔ノードへのアクセスのためにKerberos認証を使用することを指定します。

/PORT=ポート

使用する遠隔TCPポート番号を指定します。省略時の設定は23です。

/TERMINAL_TYPE=タイプ

ターミナル・エミュレータを, 1つのターミナル・タイプ(VT100, VT200, VT300, VT400, VT500)に設定します。

  1. $ SET HOST/TELNET remotehst2
    
    この例では,TCP/IP接続を介して,遠隔ホストremotehst2へのTELNET接続を確立します。


SET HOST/TN3270

TCP/IP接続を介して,遠隔IBMホストへの接続を確立します。これによって, TN3270ターミナル・エミュレータを起動することにより,ローカルなキーボードが IBM-3279クラスのターミナル・キーボードをエミュレートします。

フォーマット

                  ┌ IPホスト名 ┐
  SET HOST/TN3270 │        │
                  └ IPアドレス ┘

注意
IPホスト名あるいはIPアドレスのどちらか一方だけを指定できます。

パラメータ

IPホスト名

遠隔ホストのIPホスト名を指定します。

IPアドレス

遠隔ホストのIPアドレスを指定します。

説明

SET HOST/TN3270コマンドを使用すると,ローカル・ホストで TN3270ターミナル・エミュレータTelnetクライアント・プログラムを起動して, 遠隔のIBMシステム上のTelnetサーバに接続できます。 遠隔ホストを指定するパラメータは,IPホスト名またはIPアドレスです。 TN3270クライアントは,自動的に端末のタイプ (IBM-3278-2,IBM-3278-3,IBM-3278-4,またはIBM-32798-5)を判定します。

修飾子

/AUTHENTICATE

遠隔ノードへのアクセスのためにKerberos認証を使用することを指定します。

/PORT=ポート

使用する遠隔TCPポート番号を指定します。省略時の設定は23です。

/TERMINAL_TYPE

ターミナル・エミュレータを,1つのターミナル・タイプ (VT100, VT200, VT300, VT400, VT500)に設定します。

  1. $ SET HOST/TN3270 remotehst3
    
    この例では,TCP/IP接続を介して, 遠隔IBMシステムremotehst3上のTELNETサーバへの接続を確立します。


SET KEY

DEFINE/KEYコマンドにより定義されたキーのキー定義状態の設定およびロックを行います。

フォーマット

     SET KEY 

説明

DEFINE/KEYコマンドを使用してキーパッド・キーを定義する場合, キー定義に特定の状態名を割り当てることができます。 キーを押したときにその状態が設定されていないと,定義は処理されません。 現在の状態を適切な状態に変更するには,SET KEYコマンドを使用します。

修飾子

/LOG (省略時の設定)
/NOLOG

キーの状態が設定されていることを示すメッセージを, システムが表示するかどうかを制御します。

/STATE=状態名
/NOSTATE

状態名を指定します。状態名には,任意の英数字文字列を指定できます。 /STATE修飾子を省略するか,もしくは/NOSTATE修飾子を指定した場合は, 現在の状態は変更されません。省略時の設定はDEFAULTです。

  1. $ SET KEY /STATE=EDITING
    
    この例のSET KEYコマンドは,キーの状態をEDITINGに設定しています。 ここで,状態EDITINGに定義されたキー定義を使用できます。


SET LOGINS

会話型の制限(システム上で許可された会話型ユーザの数)を設定します。 または,会話型の制限および現在の会話型のユーザの数を表示します。

ログインの制限を設定するためには,OPER(オペレータ)特権が必要です。

フォーマット

     SET LOGINS 

説明

SET LOGINSコマンドは,過去にさかのぼりません。 SET LOGINSコマンドを入力する前にシステムにログインしたすべてのユーザは, このコマンドに影響されません。ただし,設定した上限に到達すると, だれかがログアウトするまで,それ以上のユーザはこのシステムにログインできません。 OPER特権を持つユーザは,上限の影響を受けません。

/INTERACTIVE=n修飾子でパラメータ値を指定しない場合は, SET LOGINSコマンドは次の情報を表示します。

  Login quotas - Interactive limit=x, Current interactive value=y

xは現在の会話型の上限を表し, 値yは現在システムにログインしているユーザ数を表します。

修飾子

/INTERACTIVE[=n]

システムへのアクセスを許可されている,会話型のユーザの数を設定します。 パラメータnが指定された場合は,会話型の制限は値nに設定されます。 パラメータnが指定されなかった場合は, SET LOGINSコマンドは現在の会話型の制限と会話型のユーザの数を表示します。

  1. $ SET LOGINS/INTERACTIVE=5
    %SET-I-INTSET, login interactive limit=5, current interactive value=3
    
    この例では,SET LOGINSコマンドは, 5つの会話型ユーザだけがシステムにログインできるように設定しています。

  2. $ SET LOGINS/INTERACTIVE
    %SET-I-INTSET, login interactive limit=9, current interactive value=6
    
    パラメータを指定しないでSET LOGINコマンドを入力した場合は,上の例に示すように, ログインに関する現在の状態が表示されます。 返されたメッセージは,システム上の最大会話型ユーザ数は9であることと, 現在ログインしている会話型のユーザ数は6であることを示しています。 変更は行われません。


SET MAGTAPE

直後のファイル操作用の磁気テープ装置に関連した,省略時の属性を定義します。

SET MAGTAPEコマンドは, 外部のボリュームにマウントされた磁気テープ装置に対して有効です。

フォーマット

     SET MAGTAPE  装置名[:] 

パラメータ

装置名[:]

属性を定義する磁気テープ装置の名前を指定します。 この装置は,他のいかなるユーザに対しても割り当てられてはなりません。

修飾子

/DENSITY=密度値

フォーリン・マウントされたテープやラベルの無いテープの書き込み操作の省略時の記録密度(BPI)を指定します。 800, 1600または6250のうち,テープ装置がサポートしているものを指定してください。

指定できる記録密度は次のとおりです。

キーワード 意味
DEFAULT 省略時の密度
800 NRZI 800 BPI
1600 PE 1600 BPI
6250 GRC 6250 BPI
3480 IBM 3480 HPC 30872 BPI
3490E IBM 3480 圧縮
833 DLT TK50: 833 BPI
TK50 DLT TK50: 833 BPI
TK70 DLT TK70: 1250 BPI
6250 RV80 6250 BPI EQUIVALENT
注意: 上記のキーワードはOpenVMS V7.2よりも前の TMSCP/TUDRIVER コードでのみ有効です。
TK85 DLT Tx85: 10625 BPI - Cmpt III
TK86 DLT Tx86: 10626 BPI - Cmpt III
TK87 DLT Tx87: 62500 BPI - Cmpt III
TK88 DLT Tx88: (Quantum 4000) - Cmpt IV
TK89 DLT Tx89: (Quantum 7000) - Cmpt IV
QIC すべての QIC装置は装置設定のみ
8200 Exa-Byte 8200
8500 Exa-Byte 8500
DDS1 Digital Data Storage 1 - 2G
DDS2 Digital Data Storage 2 - 4G
DDS3 Digital Data Storage 3 - 8-10G
DDS4 Digital Data Storage 4
AIT1 Sony Advanced Intelligent Tape

/FAST_SKIP=オプション

ファイル・マークあるいはレコードでのスキップを可能にします。


注意
このテープ位置修飾子は,ローカルなSCSIテープ装置のみで使用できます。


PER_IO
(省略時の設定)
ローカルMK装置で, ファイル・マークでのスキップ機能を使用できるようにします。 テープ装置は,SCSI READ POSITIONコマンドを使用することができ, データの終端でのブランク・チェックを通知することができなければなりません。 IO$M_ALLOWFAST機能修飾キーがIO$_SKIPFILEとともに適用されなければなりません。 そうでない場合は,レコードによるスキップ機能を使用してファイルをスキップします。
ALWAYS ローカルMK装置で, ファイル・マークでのスキップ機能を使用出来るようにします。 テープ装置は, ファイル・マークでのスキップ機能をサポートすることができなければならず, IO$_SKIPFILE 機能に対する修飾キーは必要ありません。
NEVER ローカルMK装置で, レコードでのスキップ機能だけを使用できるようにします。 レコードでのスキップによるスキップ・セマンティックに依存したユーティリティを使用している場合は, BACKUPあるいはCOPYに対して前方の位置付けを使用させるため, このオプションを使用する必要があります。

/END_OF_FILE

現在のテープ位置にEOFを書き込みます。

/LOG
/NOLOG

ログを表示します。

/LOGSOFT (省略時の設定)
/NOLOGSOFT

装置のソフトエラーを記録するかどうかを指定します。ソフトエラーとは, ソフトウェアの介入なしにハードウェア単体によって修正されたエラーです。 この修飾子は TU78等のハードウェアエラー修正機能を持った装置に対してのみ使用できます。 他の装置に対して指定した場合は無視されます。

/MEDIA_FORMAT=[NO]COMPACTION

TA90Eテープ装置に対してデータ圧縮とレコードブロッキングを行うかどうか指定します。 行う場合は,1テープ(カートリッジ)に格納可能なデータ量が増えます。

圧縮するか/しないかは,1テープ(カートリッジ)全体でどちらか一方になります。

/RETENSION

TZK10テープカートリッジの巻きとり巻き戻しを行います。 テープ上のデータ維持のため,定期的にこの操作を行うことをおすすめします。

/RETENSION修飾子は,/REWINDまたは/UNLOADとともに指定しなければなりません。 /REWINDまたは/UNLOAD操作の前に/RETENSION操作が実行されます。 テープをアンロードしない場合は/RETENSION/REWINDを, テープをアンロードする場合は/RETENSION/UNLOADを,それぞれ使用します。

この修飾子はTZK10に対してのみ有効です。非SCSIドライブに対しては無視されます。

/REWIND

テープを巻き戻します。

/SKIP=オプション

次のオプションにより,位置を決めます。

BLOCK:n 指定ブロック数スキップ
END_OF_TAPE EOTマークに位置付ける
FILES:n 指定テープマーク数スキップ(非ファイル)

テープはちょうどn番目のテープマークを過ぎた所に位置付けられます。 n が負の場合でも同じで,テープマークの直前ではありません。 既にテープマークの直後に位置付いていた場合, n に-1を指定してもテープ位置は変わりません。 (テープは直前のマークの先頭に位置付いた後またテープマークの直後に戻ります。 詳細は『OpenVMSシステム管理者マニュアル』を参照してください。)

RECORD:n 最大32767までの指定レコード数スキップ

/UNLOAD

テープを巻き戻しアンロードします。

  1. $ MOUNT MTB1:/FOREIGN
    $ SET MAGTAPE MTB1: /DENSITY=800
    
    装置MTB1:にテープをフォーリン・マウントし,記録密度を800 BPIに設定しています。

  2. $ MOUNT MTA0:/FOREIGN
    $ SET MAGTAPE MTA0:/SKIP=FILES:4
    
    装置MTA0:にテープをフォーリン・マウントし,4つのファイルをスキップしています。


SET MESSAGE

システム・メッセージの表示形式の設定したり, またはプロセス・レベルのメッセージ・ファイルを指定します。 システム・メッセージを変更,および補足することができます。

フォーマット

     SET MESSAGE  [ファイル指定] 

パラメータ

ファイル指定

プロセス・レベルのメッセージ・ファイルを指定します。 システム・メッセージ・ファイルや, 既在のプロセス・メッセージ・ファイル内の同じステータスに対するメッセージは, 指定したメッセージ・ファイル内のものに置き換えられます。 ファイル指定にファイル・タイプを指定していない場合には, 省略時のファイル・タイプとして,EXEが使用されます。 ファイル指定に,ワイルドカード文字は使用できません。 パラメータ省略時は,修飾子はシステム・メッセージ・ファイルに適用されます。

説明

SET MESSAGEコマンドは, OpenVMSシステムで表示するメッセージ・フィールドを指定します。 メッセージの形式は,次のとおりです。
     %FACILITY-L-IDENT, text

プロセスの作成時の省略時の設定では,ファシリティ,重大度,ID, およびメッセージ本文の4つのメッセージ・フィールドのすべてが表示されます。 表示されるメッセージ・フィールドを制御するには,適切な修飾子を指定します。 たとえば,メッセージ表示からFACILITYフィールドを除外するには, SET MESSAGE/NOFACILITYを指定します。

ログイン・コマンド・ファイルにSET MESSAGEコマンドをいれると, プロセスのメッセージ表示の特定の部分を選択できます。

システム・メッセージを上書き,または補足する場合も, SET MESSGEコマンドを使用します。 ソフトウェアがエラーを検出して$GETMSGシステム・サービスを起動する場合には, 必ずイメージ・メッセージ・セクション, プロセス・パーマネント・メッセージ・ファイル, システム・メッセージ・ファイルという順序でメッセージ・ファイルが検索されます。 したがって,SET MESSAGEコマンドを使用すれば, 検索する順序の最初にメッセージを導入することができます。 つまり,システム・メッセージを変更したり補足することができます。 新しいメッセージ定義が影響するのは, 本人のプロセスだけであることに注意してください。

SET MESSAGEコマンドでファイルを指定した場合に, プロセス・パーマネント・メッセージ・ファイルが存在するときには, 古いファイルが削除され新しいファイルが追加されます。

指定するメッセージ定義は, MESSAGEコマンドでのコンパイルが成功したものでなければなりません。 Messageユーティリティを使用して, 独自のメッセージを作成する方法についての詳細は, 『OpenVMS Command Definition, Librarian, and Message Utilities Manual』 を参照してください。

修飾子

/DELETE

現在選択されているプロセス・メッセージ・ファイルを, プロセスから削除することを指定します。 /DELETE修飾子を使用する場合には,ファイル指定ができません。

/FACILITY (省略時の設定)
/NOFACILITY

プロセスに対して戻されるすべてのメッセージに, ファシリティ名が表示されるかどうかを指定します。

/IDENTIFICATION (省略時の設定)
/NOIDENTIFICATION

プロセスに対して戻されるすべてのメッセージに, メッセージ識別コード・フィールド(メッセージ識別の省略形) が含まれるかどうかを指定します。

/SEVERITY (省略時の設定)
/NOSEVERITY

プロセスに対して戻されるすべてのメッセージに, 重大度レベルが表示されるかどうかを指定します。

/TEXT (省略時の設定)
/NOTEXT

プロセスに対して戻されるすべてのメッセージに, メッセージ文が表示されるかどうかを指定します。

  1. $ TYPE XXX
    %TYPE-W-OPENIN, error opening DB1:[MALCOLM]XXX.LIS; as input
    -RMS-E-FNF, file not found
       .
       .
       .
    $  SET MESSAGE/NOIDENTIFICATION
       .
       .
       .
    $ TYPE XXX
    %TYPE-W, error opening DB1:[MALCOLM]XXX.LIS; as input
    -RMS-E, file not found
    
    この例では,最初のTYPEコマンドを入力する場合に, エラー・メッセージはすべてのフィールドを含みます。 その後,SET MESSAGEコマンドは,今後表示されるメッセージから, メッセージ識別コード・フィールド(メッセージ文の省略形) を省略することを指定しています。

  2. $ SET MESSAGE NEWMSG
    
    このSET MESSAGEコマンドは, システム・メッセージをNEWMSG.EXEのメッセージに切り替えています。


SET NETWORK

ネットワーク・サービスの属性を登録します。

SYSNAM(システム名)特権が必要です。

フォーマット

     SET NETWORK  ネットワーク・サービス 

パラメータ

ネットワーク・サービス

ネットワーク・サービス名を指定します。

説明

SET NETWORKコマンドを使用すると, OpenVMSシステムのネットワーク・サービス情報を制御できます。 この情報は,エグゼクティブ・モード論理名 SYS$NET_SERVICES_1〜SYS$NET_SERVICES_12でポイントされる構造体に入っています。 各構造体は,特定のネットワーク・サービスを定義し,次の情報を含んでいます。

製品名,メーカ,ネットワークの種類,ノード名,アドレスは, ネットワーク登録のため必須です。 Point-to-Point Protocol (PPP)をサポートする各ネットワーク・サービスでは, /PPPD_CALLOUT修飾子を使用して PPPD共用可能イメージのファイル名を指定する必要があります。

SET NETWORKを使用すると, ネットワーク・サービス情報に対する次の操作を実行できます。

操作を指定しない場合,省略時の設定は/REGISTER修飾子です。

修飾子

/ADDRESS=アドレス

ローカル・ノードのネットワーク・アドレスを指定します。

/CONNECTIONS=

ネットワーク接続数を表示するために実行するコマンドを指定します。

/COUNTERS=

ネットワーク・カウンタを表示するために実行するコマンドを指定します。

/DATA=

ネットワーク・サービス・ベンダにより提供される文字列を指定します。

/INTERFACE=

ネットワーク・サービスのためのOpenVMSドライバを指定します。

/MANUFACTURER=

ネットワーク・サービスのメーカを指定します。

/NETWORK_TYPE=

ネットワーク・サービスのプロトコルを指定します。

/NODE=

ローカル・ノード名を指定します。

/PPPD_CALLOUT=イメージ名

PPPDによって起動される共用可能イメージの名前を指定します。 このイメージには PPPD$OPEN_CONNECTルーチンが含まれています。 PPPD$OPEN_CONNECTルーチンは, PPPをサポートする新しい物理的なトランスポートが存在することを, ネットワーク・サービスに通知します。 ここで指定するイメージがSYS$SHAREディレクトリにある場合は, ファイル・タイプは省略してファイル名を入力します (たとえばPPPD_CALLOUT.EXEではなくPPPD_CALLOUTと入力します)。 ここで指定するイメージがSYS$SHARE以外のディレクトリにある場合は, イメージの格納位置を識別するシステム論理名を入力します。

/REGISTER

新しいネットワーク・サービスを定義します。

/REMOVE

データベースからネットワーク・サービスを削除します。

/START=

ネットワーク・サービスに対してSTART/NETWORKコマンドを発行した時に, 実行するイメージを指定します。

/STATUS=

状態情報を表示するために実行するコンンドを指定します。

/STOP=

ネットワーク・サービスに対してSTOP/NETWORKコマンドを発行した時に, 実行するイメージを指定します。

/UPDATE

ネットワーク・サービスに対して指定したデータの変更を許可します。

  1. $ SET NETWORK DECnet/OSI -
        /MANUFACTURER= "Digital Equipment Corporation"
        /NODE="GALENA"
        /ADDRESS="19.129"
        /NETWORK_TYPE="DNA V"
        /INTERFACE="net 0"
        /DATA="Router: No"
        /STATUS="mcr ncl show node 0 all"
        /CONNECTIONS="mcr ncl show node 0 session control port * all"
        /COUNTERS="mcr ncl show node 0 session control all counters"
        /START="@sys$startup:net$startup"
        /STOP="@sys$manager:net$shutdown")
    
    このコマンドは,指定した属性とともに, データベースにネットワーク・サービス DECnet-Plus (Phase V)を追加します。

  2. $ SET NETWORK TCP/IP /REGISTER-
    /MANUFACTURER="Digital Equipment Corporation"
    /NODE="ipv6.ucx.mars.univers.com"
    /ADDRESS="16.20.207.92"
    /NETWORK_TYPE="TCPIP"
    /STATUS="ucx show service"
    /CONNECTIONS="ucx show device"
    /PPPD_CALLOUT="ucx$pppd_callout"
    
    このコマンドは新しいTCP/IPネットワーク・サービスを開始し, それをデータベースに追加します。 また,共用可能イメージの格納位置を識別する論理名を指定することにより, PPPDユーティリティを使用可能にします。


SET ON

コマンド・インタプリタが,コマンド・プロシージャの各コマンドの実行後に, エラー・チェックをするかどうかを制御します。

フォーマット

     SET [NO]ON 

説明

コマンド・プロシージャの実行中,コマンド・インタプリタは,通常, DCLコマンドまたはプログラム・イメージの終了時に返された状態コードをチェックし, $STATUSという予約されているシンボルにこのコードの数値を保存します。 また,この値の下位3ビットは,予約されているシンボル$SEVERITYに保存されます。 エラーまたは回復不能エラーが検出された場合, コマンド・プロシージャの実行は強制終了されます。

SET NOONコマンドを使用して,省略時のエラー・チェックを無効にします。 SET NOONが有効な場合, コマンド・インタプリタは引き続き状態コード値を$STATUSにいれ, 重大度を$SEVERITYにいれますが,値に応じた処理は実行しません。その結果, 返されるエラーの数にかかわらず,コマンド・プロシージャは実行を続けます。

SET ONまたはSET NOONコマンドは,現在のコマンド・レベルだけに適用されます。 別のプロシージャを実行するコマンド・プロシージャでSET NOONコマンドを使用すると, 2番目のプロシージャの実行中に省略時のSET ONが確立されます。

  1. $ SET NOON
    $ DELETE  *.SAV;*
    $ SET ON
    $ COPY  *.OBJ  *.SAV
    
    このコマンド・プロシージャは,ファイル・タイプがSAVである新しいファイルに, すべてのオブジェクト・モジュールをコピーします。DELETEコマンドはまず, ファイル・タイプがSAVであるべての既存のファイルを削除します。 SET NOONコマンドは,ファイル・タイプが SAVであるファイルが現在のディレクトリに存在しない場合でも, プロシージャが実行を継続できるようにしています。DELETEコマンドを実行したあと, SET ONコマンドは,エラー・チェックをする状態に戻します。 そのあと,COPYコマンドは,ファイル・タイプが OBJのすべての既存のファイルのコピーを作成します。


SET OUTPUT_RATE

出力がバッチ・ジョブ・ログ・ファイルに書き込まれる頻度を設定します。

バッチ・ジョブあるいは独立ジョブとして登録されたコマンド・プロシージャの場合のみ有効です。

フォーマット

     SET OUTPUT_RATE [=デルタ時間] 

パラメータ

デルタ時間

出力を出力バッファからバッチ・ジョブ・ログ・ファイルに書き込む時間間隔を指定します。 デルタ時間を指定しない場合には,DCLは, 出力バッファの情報をログ・ファイルに書き込みますが, 省略時の出力間隔(毎分1回)は変更されません。 デルタ時間は,[日数-][時:分:秒]で指定します。 デルタ時間の指定方法についての詳細は,『OpenVMSユーザーズ・マニュアル』 またはオンライン・ヘルプの DCL_Tips トピック (Date_Time サブトピック) を参照してください。

説明

バッチ・ジョブを登録すると,ログ・ファイルに書き込まれるログは, 出力バッファに保存されます。バッファは定期的にフラッシュされ, その内容がバッチ・ジョブ・ログ・ファイルに書き込まれます。 省略時の設定では,バッファは毎分1回フラッシュされます。 したがって,ジョブがまだ実行中であっても, ログ・ファイルをタイプすることによって, ジョブがどの程度終了したかを知ることができます。

省略時の出力間隔を変更するには, バッチ・ジョブとして登録するコマンド・プロシージャに SET OUTPUT_RATEコマンドを入れます。 SET OUTPUT_RATEコマンドをバッチ・ジョブで実行し, デルタ時間が指定されている場合,DCLはバッファをフラッシュし, 省略時の出力間隔を設定し,新しい出力間隔で出力します。

SET OUTPUT_RATEコマンドがバッチ・ジョブで実行され, デルタ時間が指定されていない場合,DCLはバッファをフラッシュしますが, 省略時の出力間隔を変更せず,新しい間隔を開始しません。

会話型で,または会話型で実行されるコマンド・プロシージャの中で SET OUTPUT_RATEコマンドを実行する場合,動作は実行されません。

  1. $ SET OUTPUT_RATE=:0:30
       .
       .
       .
    
    このコマンドをバッチ・ジョブ内で実行する場合,省略時の出力頻度が, 1分間に1回ずつから,30秒間に1回ずつに変更されます。


SET PASSWORD

パスワードまたはシステム・パスワードを変更します。 また第2パスワードやシステム・パスワードを設定したり, 第2パスワードを削除したりできます。

制限事項については,修飾子の説明を参照してください。

フォーマット

     SET PASSWORD 

説明

システムのすべてのユーザ・アカウントには,パスワードがあります。 システムにログ・インするには,パスワードが必要です。

機密を保護するために,ユーザは,パスワードを頻繁に変更する必要があります。 パスワードを変更するには,SET PASSWORDコマンドを使用します。

システム管理者は,パスワードを変更できるユーザを制御し, パスワード長の最小値やパスワードの満了期間の最大値を設定できます。 OpenVMSシステムは,自動的にパスワードを辞書および履歴リストと比較して, 辞書にある単語や過去に使用したパスワードの再利用を禁止します。 システム管理者は,ユーザのシステムに関係する語を辞書に追加して, パスワードとして使用できないようにすることができます。

システムもパスワードを持つことができます (このパスワードは,SYSTEMアカウントのパスワードとは違います)。 システム管理者は,SET PASSWORD/SYSTEMコマンドを使用して, システム・パスワードを変更します。

パスワードの最大長は,英数字で32文字です。 ドル記号($)とアンダスコア(_)も使用できます。大文字と小文字は区別しません。 パスワードが暗号化される前に,小文字はすべて大文字に変換されます。 たとえば,"EAGLE"は,"eagle"と同じです。


注意
パスワードにスペースを入れてもかまいませんが,OpenVMSでは無視されます。 たとえば,"MY PASSWORD"は有効なパスワードですが, システムでは"MYPASSWORD"として記録されます。 つまり,"MYPA SSWORD"も,そのアカウントでは有効なパスワードです。

スペースを含むパスワードは,スペースが意味を持つ文脈では失敗します。 たとえば,アクセス制御文字列の構文では, パスワードの前にただ1つのスペースがあると仮定されます。次に例を示します。

  $ DIR JULY04"JEFFERSON PRESIDENT"::TEST.SDML

次のコマンドを入力すると,失敗します。

  $ DIR JULY04"JEFFERSON PRE SIDENT"::TEST.SDML

パスワードを変更するには,次の手順で行います。

  1. SET PASSWORDコマンドを入力します。

  2. システムから,現在のパスワードを求めるプロンプトが表示されます。 現在のパスワードを入力してください。

  3. システムから,新しいパスワードを求めるプロンプトが表示されます。 新しいパスワードを入力するか, またはReturnキーを押して現在のパスワードを無効にします。

  4. システムから,パスワードの確認を求めるプロンプトが表示されます。 確認のため,新しいパスワードを入力します。 2回入力した新しいパスワードが一致しない場合,パスワードは変更されません。

試行錯誤や徹底的な検索でパスワードが見破られるチャンスを最小にするために, 次の推奨ガイドラインに従ってください。

/GENERATE[=値]修飾子を使用すれば, 上記のガイドラインに合った12文字までのパスワードが自動生成されます。 システム管理者は,このように生成されたパスワードを使用するよう, ユーザに要求できます。詳細は, 『OpenVMSシステム管理ユーティリティ・リファレンス・マニュアル』 のAuthorizeユーティリティの/GENERATE_PASSWORD修飾子の説明を参照してください。

外部認証

使用しているシステムで外部認証が許可されていて, SYSUAFファイルのユーザ・アカウントで外部認証が許可されている場合は, LANマネージャのユーザ名とパスワードによりユーザは認証されます。

外部認証を使用してユーザがログインしている場合に SET PASSWORDコマンドを実行すると,SET PASSWORDコマンドは, すべてのパスワード変更を外部認証サービスに通知しようとします。 次のメッセージが表示されます。

    %SET-I-SNDEXTAUTH, Sending password request to external authenticator
    %SET-I-TRYPWDSYNCH, Attempting password synchronization

外部認証サービスと通信できなかった場合やパスワード変更が許可されなかった場合は, エラー・メッセージが表示されます。

       %SET-E-EXTPWDERR, Password could not be set by external authenticator

外部認証が許可されていないものの,EXTAUTHフラグが設定されている (/LOCAL_PASSWORDを指定してログインした)場合は,新しいパスワードは, ローカルなSYSUAFファイルにのみ設定されます。 この場合は,通常のOpenVMSのパスワード管理チェック項目は適用されません。

修飾子

/GENERATE[=値]

5つのランダムなパスワードを生成することを指定します。 表示されているパスワードが,どれも好ましくない場合にはリターン・キーを押し, 別の新しい5つのパスワードを表示できます。

この修飾子の値は省略可能であり,作成されるパスワードの文字数を指定します。 SET PASSWORDコマンドは,n文字から(n+2)文字までの長さのパスワードを作成します。 指定できる値は,1から10までの範囲です。

値が指定されていない場合には,SET PASSWORDコマンドは, 省略時の値として6を使用し,6文字から8文字までの長さのパスワードを作成します。 10より大きな値は指定できません。

システム管理者が, ユーザのアカウントに対してパスワードの長さの最小値を設定している場合には, SET PASSWORD/GENERATE=nは,その長さをこの修飾子に指定されている値と比較し, 2つの値の中で大きい方を使用します。


注意
SET PASSWORD/GENERATEコマンドが正しく動作しない場合は, システム管理者に相談して, SYS$LIBRARY:VMS$PASSWORD_DICTIONARY.DATAファイルが存在しているか, あるいはVMS$PASSWORD_DICTIONARY論理名が正しく定義されているかどうかを確認してください。


/SECONDARY

この修飾子は,第2パスワードを変更するために使用されます。 現在第2パスワードを使用していない場合には,第2パスワードが新しく作成されます。 この場合の手順は第1パスワードの場合と同じです。

第2パスワードが一度設定されると,ログインする時に, PASSWORD:というプロンプトが2回表示されます。 最初に第1パスワードを入力し,そのあと第2パスワードを入力します。

第2パスワードを使用すれば,2つのパスワードの片方ずつを知っている 2人のユーザによってのみ,アクセスできるようなアカウントを設定できます。

SET PASSWORD/SECONDARYコマンドで, 新しいパスワードとその確認を要求するプロンプトが表示されたときにリターン・キーを押すと, 第2パスワードを削除できます。第2パスワードを削除したあとは, ログイン時にはPASSWORD:というプロンプトは,1回だけ表示されます。 第2パスワードを削除した場合,システム管理者はその設定を反映しなければなりません。

/SECONDARY修飾子と/SYSTEM修飾子は,同時に使用できません。

/SYSTEM

SECURITY特権が必要です。

ユーザのパスワードではなく,システム・パスワードを変更することを指定します。

ターミナル回線にシステム・パスワード(SYSPWD)属性が設定されている場合には, システム・パスワードが入力されるまで,ターミナル・プロンプトは, そのターミナルに送られません。

システム・パスワードは,その機能が設定されているノードに対してだけ有です。 OpenVMS Clusterでは,各ノードが異なるシステム・パスワードを持つことができます。

/SYSTEM修飾子と/SECONDARY修飾子を,同時に使用することはできません。 システム・パスワードについての詳細は, 『OpenVMS Guide to System Security』を参照してください。

  1. $ SET PASSWORD
    Old password: HONCHO
    New password: BIG_ENCHILADA
    Verification: BIG_ENCHILADA
    
    この例では,SET PASSWORDコマンドに対する応答として, システムは現在のパスワードを要求するプロンプトと, 新しいパスワードを要求するプロンプトを表示しています。 次に,新しいパスワードの入力が誤っていないかどうかをチェックするために, システムは,新しいパスワードをもう一度入力することを要求します。 ユーザが,このアカウントのパスワードの変更を許可されており, 現在のパスワードを正しく入力し,しかも新しいパスワードを正しく2回入力すると, パスワードは変更されます。 上記の条件が満足されない場合にはエラー・メッセージが表示され, パスワードは変更されません。

    実際には,現在のパスワードも新しいパスワードも,またその確認のための入力も, 画面や用紙に表示されることはありません。


SET PREFERRED_PATH

MSCP/TMSCPクラス・ドライバへのアクセスは, OpenVMSノードで複数のホストあるいはストレージ・コントローラを経由して利用することができます。 SET PREFERRED_PATHコマンドを使用して, 特定のホストあるいは特定のMSCPクラス・ディスクあるいはTMSCPクラス・テープ・デバイスにアクセスする優先パスを指定します。

優先パスが指定されていて,ユーザ指定のパスが利用可能である場合, その他の利用可能なパスではなくユーザ指定のパスを選択するよう通常のOpenVMSパス選択プロセスが修正されます。

このコマンドは,複数のパスが利用可能なMSCP/TMSCPクラス・デバイスについてのみ有効です。

フォーマット

    SET PREFERRED_PATH   デバイス名[:]

パラメータ

デバイス名[:]

MSCPクラス・ディスクあるいはTMSCPクラス・テープ・デバイスの名 前を指定します。

修飾子

/HOST=ホスト名

指定されたデバイスへの優先アクセス・パスとするホストを, MSCP/TMSCPクラス・ドライバに通知します。 クラス・ドライバは,次のいずれかの動作によって変更されるまで,このホスト名を記憶します。

ディスクあるいはテープ・デバイスが現在別のパスを使用している場合は, 優先パスを指定するだけでは直ちにそのパスが選択されないことに注意してください。 /HOST修飾子とともに/FORCE修飾子を使用すると,強制的に優先パスが直ちに使用されるようになります。

ホスト名は,ディスクあるいはテープ・ドライブへの優先パスとなるホストの名前です。

/FORCE

クラス・ドライバに,パス選択を直ちに行うよう通知します。 新しいホスト名を指定した場合にこの修飾子を省略すると, パス選択を行うイベントが発生するまで,現在のパスから新しい優先パスへの切り替えは行われません。

/NOHOST

以前に定義された優先パス割り当てをクリアします。 通常のOpenVMSパス選択動作に戻ります。

  1. $ SET PREFERRED_PATH $10$DUA10: /HOST=HSC014
    

    このコマンドを実行する前は, $10$DUA10:ディスク・デバイスの1次パスはHSC015ホスト, 2次パスはHSC014ホストであるとします。 このコマンドを実行すると,HSC014ホストが優先パスとして選択されます。

    優先パスはクラス・ドライバによって記録されますが, 次のパス選択が実行されるまでのデバイスのパスは現在のパス(HSC015)のままであることに注意してください。

  2. $ SET PREFERRED_PATH $10$DUA10: /HOST=HSC014 /FORCE
    

    直ちにパスを変更する場合は, 優先パスの指定とともに/FORCE修飾子をコマンド・ラインに指定します。

  3. $ SET PREFERRED_PATH $10$DUA10: /FORCE
    

    指定したデバイスの1次パスと指定した優先パスが異なる場合は, このコマンドを実行するとパス選択処理を実行します。

    優先パスが利用可能である場合は,デバイスはそのパスに移ります。

  4. $ SET PREFERRED_PATH $10$DUA10: /NOHOST
    

    デバイスが優先パスを持つ必要がない場合は, /NOHOST修飾子を使用して優先パスを削除します。


SET PREFIX

コマンド検証時(SET VERIFY後)に表示される前置文字列を設定します。

フォーマット

     SET [NO]PREFIX  文字列 

パラメータ

文字列

前置文字列を生成するFAO制御文字列を指定します。適用される規則は次のとおりです。

説明

SET PREFIXコマンドは, 検証されるコマンド行が表示される時に使用される前置文字列を定義します。 文字列には,FAO制御文字列のサブ・セット,時刻やフォーマット制御 (タブや改ページなど)が使用できます。 たとえば,バッチ・ジョブが期待通りの時刻に実行されたことを確認できるように, 日付と時刻を前置文字列に設定したりできます。

FAO制御文字列の詳細については,F$FAOレキシカル関数の説明を参照してください。

前置文字列はコマンド実行前に評価され, 検証されるコマンド行に前置して表示されます。 継続行がある場合,最初のコマンド行にのみ表示されます。 コマンド入力や出力には前置されません。 前置文字列は,レキシカル関数F$ENVIRONMENTに引数VERIFY_PREFIX を使用して取り出すことができます。

  1. $ SET VERIFY
    $ @TEST
    $ SET DEFAULT SYS$LOGIN
    $ SHOW DEFAULT
      USER$:[SMYTHE]
    $ SET PREFIX "(!5%T) "
    $ @TEST
    (17:52) $ SET DEFAULT SYS$LOGIN
    (17:52) $ SHOW DEFAULT
      USER$:[SMYTHE]
    
    前置文字列の設定前/設定後の相違を示しています。最初に検証を有効にし, 次に前置文字列なしの場合のテスト・プロシージャの表示を確認しています。 3行目と4行目は,前のコマンドで起動されたテスト・プロシージャの内容を示しています。 3番目のコマンドで,標準時刻の最初の5文字を表示するように, FAO制御文字列を使って前置文字列を設定しています。 最後にテスト・プロシージャをもう一度実行して, 前置文字列がある場合の出力を表示しています。


SET PRINTER

指定したライン・プリンタの属性を設定します。 SET PRINTERコマンドの修飾子に対して表示されている省略時の設定の値は, 最初にシステムをブートしたときの省略値です。

OPER(オペレータ)特権が必要です。もしプリンタがスプールされていれば, 属性の変更にはLOG_IO(論理入出力)特権も必要です。

フォーマット

     SET PRINTER  プリンタ名[:] 

パラメータ

プリンタ名[:]

属性を設定,または変更するライン・プリンタ名を指定します。

修飾子

/CR
/NOCR (省略時の設定)

プリンタ・ドライバが,キャリッジ・リターン文字を出力するかどうかを指定します。 改行(ライン・フィード) の中に暗黙にキャリッジ・リターンが含まれていないプリンタの場合には, この修飾子を使用します。

改行(ライン・フィード),改ページ(フォーム・フィード),垂直フィード, およびキャリッジ・リターン文字がプリンタ・バッファをクリアするプリンタの場合には, /NOCR修飾子を指定します。/NOCR修飾子を指定すると, 次の文字がフォーム・フィードまたは垂直タブでない場合のみ, キャリッジ・リターン文字が出力されます。 キャリッジ・リターン機能の属性が設定されている装置では, キャリッジ・リターン文字は常に出力されます。

/FALLBACK
/NOFALLBACK (省略時の設定)

DEC補助文字セット(DEC MCS)に含まれる文字を, プリンタが7ビットの同値表現に変換するかどうかを指定します。 文字を変換できない場合には,アンダースコア文字(_)が使用されます。

/PASSALL修飾子が有効な場合には,/FALLBACK修飾子より優先します。 省略時の値は,/NOFALLBACKです。

/FF (省略時の設定)
/NOFF

プリンタが,機械的に改ページ(フォーム・フィード)を実行するかどうかを指定します。 プリンタが自動的に機械的な改ページを実行しない場合には, /NOFF修飾子を使用します。 この修飾子を使用すれば,ドライバは改ページを複数の改行に変換し, それらを出力します。

/LA11

プリンタがLA11ライン・プリンタであることを指定します。 この修飾子は,SHOW PRINTERコマンドに対して情報を与え, またSHOW PRINTERコマンドは,指定されたプリンタに関する情報をユーザに与えます。 プリンタ・タイプが指定されていない場合には,LP11であると解釈されます。

/LA180

プリンタがLA180ライン・プリンタであることを指定します。 この修飾子は,SHOW PRINTERコマンドに対して情報を与え, またSHOW PRINTERコマンドは,指定されたプリンタに関する情報をユーザに与えます。 プリンタ・タイプが指定されていない場合には,LP11であると解釈されます。

/LOG
/NOLOG (省略時の設定)

SET PRINTERコマンドが入力されたターミナルに, プリンタの設定を示す情報が表示されるかどうかを指定します。 省略時の値では,情報は表示されません。

/LOWERCASE
/NOLOWERCASE

プリンタが大文字と小文字の両方プリントするのか, 大文字だけ印字するのかを指定します。 オペレータが,/NOLOWERCASE修飾子を指定した場合には, 文字はすべて大文字に変換されます。

/[NO]LOWERCASE修飾子と/[NO]UPPERCASE修飾子は,それぞれ逆の効果を持つ修飾子です。 つまり,/LOWERCASEは/NOUPPERCASEと同じであり, /NOLOWERCASEは/UPPERCASEと同じです。

/LP11 (省略時の設定)

プリンタがLP11ライン・プリンタであることを指定します。 この修飾子は,SHOW PRINTERコマンドに情報を与え,またSHOW PRINTERコマンドは, 指定されたプリンタに関する情報をユーザに与えます。 LP11が省略時のプリンタ・タイプです。

/PAGE=1ページの行数

現在設定されているフォームの,各ページの行数を指定します。 行数は,1から255までの範囲で,省略時の値は64です。 プリンタ・ドライバはこの値を使用して, フォーム・フィードを置き換えるのに必要なライン・フィードの数を判断します。

/PASSALL
/NOPASSALL (省略時の設定)

システムが特殊文字を解釈するのか, またはそれらの文字を8ビットのバイナリ・データとして渡すのかを指定します。

/PASSALL修飾子を指定する場合には,プリンタはタブ文字をスペースに変換せず, キャリッジ・リターンや改行(ライン・フィード)文字を挿入せず, また制御文字も認識しません。

/PRINTALL
/NOPRINTALL (省略時の設定)

ライン・プリンタ・ドライバが, プリント可能な8ビットのDECが定義している文字を出力するかどうかを指定します。

/TAB
/NOTAB (省略時の設定)

タブ文字の処理を指定します。/NOTAB修飾子が指定されると, タブ文字はスペース文字に変換されます。 このとき,タブ・ストップは,8文字毎に設定されているものとして扱われます。

タブ文字をスペース文字に変換したくない場合には,/TAB修飾子を指定してください。 このとき,プリンタには8文字ごとのタブ・ストップが指定されていなければなりません。

/TRUNCATE (省略時の設定)
/NOTRUNCATE

プリンタが, /WIDTH修飾子に指定されている値を越えるデータを切り捨てるかどうかを指定します。 省略時の値は,/TRUNCATEです。 /TRUNCATE修飾子と/WRAP修飾子は,同時には指定できません。

/UNKNOWN

プリンタのタイプが,非標準であることを指定します。 この修飾子は,SHOW PRINTERコマンドに対する情報を与え,SHOW PRINTERコマンドは, 特定のプリンタに関する情報をユーザに与えます。 プリンタ・タイプに関する修飾子が指定されていない場合には, LP11であると解釈されます。

/UPPERCASE
/NOUPPERCASE

プリンタが,大文字と小文字の両方を印字するのか, 大文字だけを印字するのかを指定します。 /UPPERCASEを指定する場合には,文字はすべて大文字に変換されます。

/[NO]UPPERCASE修飾子と/[NO]LOWERCASE修飾子は,それぞれ逆の効果があります。 つまり, /UPPERCASEは/NOLOWERCASEと同じであり,/NOUPPERCASEは/LOWERCASEと同じです。

/WIDTH=n

現在設定されているフォームの,1行の文字数を指定します。 設定できるnの値は,LP11コントローラの場合は0から65535までの範囲であり, DMF32コントローラの場合は0から255までです。省略時の値は,132です。

/WRAP
/NOWRAP (省略時の設定)

行の最後に到達した場合に,プリンタがキャリッジ・リターンと改行(ライン・フィード) を生成するかどうかを指定します。

/NOWRAP修飾子が指定されている場合には,プリンタはその行の最後の位置に, 重ねて文字を出力します。これは,省略時の値です。

/WRAP修飾子が指定されている場合には, ターミナルは行の終りに到達すると常にキャリッジ・リターンと改行(ライン・フィード) を生成します。

/TRUNCATE修飾子と/WRAP修飾子は,同時には指定できません。

  1. $ SET PRINTER/PAGE=60/WIDTH=80  LPA0:
    
    この例では,プリンタLPA0の出力ページのサイズを60行に設定し, 1行の幅を80文字に設定します。

  2. $ SET PRINTER/LA11  LPB0:
    
    この例では,LPB0というライン・プリンタのプリンタ・タイプを, LA11として設定します。

  3. $ SET PRINTER/LOWERCASE LPA0:
    
    この例では,LPA0というライン・プリンタで, 小文字も印字できるように要求しています。


SET PROCESS

現在のターミナル・セッションまたはジョブについて指定したプロセス, またはカーネル・スレッドの実行属性を変更します。 プロセス名を指定していない場合には,現在のプロセスの実行属性が変更されます。

グループ内の,またはグループ外の他のプロセスを変更するには, それぞれGROUP,WORLD特権が必要です。

フォーマット

     SET PROCESS  [プロセス名] 

パラメータ

プロセス名

指定できるプロセスは,自分の所有するプロセスか,または GROUP特権を持つ場合には,現在のプロセスと同じグループUICを持つプロセスです。

属性を変更するプロセスのプロセス名を, 23文字までの英数字で以下のように指定します。

   [ノード名::]プロセス名 

プロセス名は,遠隔プロセス名のようにも設定可能です。 そのため,ATHENS::SMITHと指定された場合には,まずローカル・ノード上で ATHENS::SMITHというプロセスを探し, その後でノードATHENS上のSMITHというプロセスを探します。

省略時の設定のプロセスは,現在のプロセスです。

プロセス名は,同一のUICグループ内でのみ,一意です。 自分のグループ外のプロセスをプロセス名で指定することはできません。 グループ外のプロセスの属性を変更するためには, /IDENTIFICATION=PID修飾子を使用します(プロセス名パラメータは無視されます)。 プロセス名と/IDENTIFICATION修飾子のどちらも指定されない場合, 現在のプロセスが対象となります。

修飾子

/AFFINITY
/NOAFFINITY

カーネル・スレッド・アフィニティ・マスクのビットを, 個々に,グループごとに,またはすべてを一度に,設定あるいはクリアします。 この修飾子は,/CAPABILITY修飾子と同時に指定することはできません。

注意
指定したCPUが,プロセスが要求する機能を持っていない場合は, SET PROCESS/[NO]AFFINITYコマンドは失敗します。


/NOAFFINITY修飾子は,/PERMANENT修飾子の設定に基づいて, 現在のまたはパーマネントのアフィニティ・マスクに現在設定されている, すべてのアフィニティ・ビットをクリアします。 /AFFINITY修飾子を指定しても直接的な影響はなく, 次に示す二次修飾子によって指定される操作のターゲットを示すだけです。

/SET=(n[,...]) CPU ID nによって定義される現在アクティブなCPUに対して, アフィニティ設定します。nは0〜31です。
/CLEAR=(n[,...]) 位置値nによって定義される現在アクティブな CPUに設定されているアフィニティをクリアします。nは0〜31です。
/PERMANENT カーネル・スレッドの寿命の変更を有効にしながら, パーマネント・アフィニティ・マスク, および現在のアフィニティ・マスクの操作を行います。 省略時の設定では,実行中のイメージのアフィニティ・マスクだけが影響を受けます。

/SETパラメータと/CLEARパラメータで定義したアフィニティ・ビットが重複しない限り, 二次修飾子はすべてを一度に使用できます。

SET PROCESS/AFFINITYコマンドを実行するために必要な特権は, $PROCESS_AFFINITYシステム・サービスを実行するために必要な特権と同じです。 ALTPRIは,すべての修正を行うのに必要な基本的な特権です。 また,現在の所有者のカーネル・スレッドを修正するのに必要な唯一の特権です。 同一UICグループ内での修正には,GROUP特権が必要です。 関係のないカーネル・スレッドの修正には,WORLD特権が必要です。

SET PROCESSコマンドの他の修飾子を使用した場合と同様に, /IDENTIFICATION修飾子または明示的プロセス名パラメータを指定しない場合には, ビット操作は現在のプロセスで起こります。プロセス名を指定しても, プロセスに関連するすべてのカーネル・スレッドが影響を受けるわけではありません。 SET PROCESSコマンドが影響を及ぼすのは, マルチスレッド・プロセスの初期カーネル・スレッドだけです。

/AUTO_UNSHELVE
/NOAUTO_UNSHELVE

プロセスが自動的にファイルをアンシェルブするかどうかを指定します。

/CAPABILITY
/NOCAPABILITY

プロセス・ユーザ機能マスクのビットを,個々に,グループごとに, またはすべてを一度に,設定あるいはクリアします。 この修飾子は,/AFFINITY修飾子と同時に指定することはできません。

注意
指定したCPUが,プロセスが要求する機能を持っていない場合は, SET PROCESS/[NO]CAPABILITYコマンドは失敗します。


/NOCAPABILITY修飾子は,/PERMANENT修飾子の設定に基づいて, 現在またはパーマネントの機能マスクに現在設定されている, すべてのユーザ機能ビットをクリアします。 /CAPABILITY修飾子を指定しても直接的な影響はなく, 次に示す二次修飾子によって指定される操作の対象を示すだけです。

/SET=(n[,...]) 位置値nによって定義される,すべてのユーザ機能を設定します。 nは1〜16です。
/CLEAR=(n[,...]) 位置値nによって定義される,すべてのユーザ機能をクリアします。 nは1〜16です。
/PERMANENT カーネル・スレッドの寿命の変更を有効にしながら, パーマネント・ユーザ機能マスク,および現在のユーザ機能マスクの操作を行います。 省略時の設定では,実行中のイメージの機能マスクだけが影響を受けます。

/SETパラメータと/CLEARパラメータで定義したユーザ機能ビットが重複しない限り, 二次修飾子はすべてを一度に使用できます。

SET PROCESS/CAPABILITYコマンドを実行するために必要な特権は, $PROCESS_CAPABILITIESシステム・サービスを実行するために必要な特権と同じです。 ALTPRIは,すべての修正を行うのに必要な基本的な特権です。 また,現在の所有者のカーネル・スレッドを修正するのに必要な唯一の特権です。 同一UICグループ内での修正には,GROUP特権が必要です。 関係のないカーネル・スレッドの修正には,WORLD特権が必要です。

SET PROCESSコマンドの他の修飾子を使用した場合と同様に, /IDENTIFICATION修飾子または明示的プロセス名パラメータを指定しない場合には, ビット操作は現在のプロセスで起こります。プロセス名を指定しても, プロセスに関連するすべてのカーネル・スレッドが影響を受けるわけではありません。 SET PROCESSコマンドが影響を及ぼすのは, マルチスレッド・プロセスの初期カーネル・スレッドだけです。

/CLEAR=(n[,...])

/CAPABILITYまたは/AFFINITY修飾子で指定された, 位置値nで定義されるすべてのユーザ機能または CPUアフィニティをクリアします。

/DUMP
/NODUMP (省略時の設定)

処理できないエラーが発生したためにイメージが終了した場合, アドレス空間の内容を, SYS$LOGIN:(イメージ名).DMPというファイルに書き込むことを指定します (ここで,イメージ名はファイル名と同じです)。

ダンプを分析するためには,ANALYZE/PROCESS_DUMPユーティリティを使用します。

/GLOBAL

グローバル・セルSCH$GL_DEFAULT_CAPを変更します。プロセスが起動されている時に, このグローバル・セルを使用してプロセスのユーザ機能マスクを初期化します。

/IDENTIFICATION=pid

自分のプロセス以外の他のプロセスを制御するためには, GROUP特権またはWORLD特権が必要です。

属性を変更するカーネル・スレッドのプロセス識別(PID)値を指定します。 /IDENTIFICATION修飾子は,プロセス名パラメータに優先します。

PIDは,プロセスが生成されるときにシステムにより割り当てられます。 PIDを指定するときには,先行する0は省略できます。

/IDENTIFICATION修飾子を使用する場合には, プロセス名パラメータは無視されます。


注意
/IDENTIFICATION修飾子を使用すると,各カーネル・スレッドのPIDに SET PROCESSコマンドの影響を及ぼすことができます。 各スレッドは,別々の実行可能なエンティティであるため, このコマンドは各スレッドをアフィニティおよび機能に関しては独立しているものとして扱います。


/NAME=文字列

現在のプロセスの名前を,指定した名前に変更することを指定します。 文字列パラメータは,1文字から15文字までです。

/PARSE_STYLE=(キーワード)

ユーザにコマンドの解析方法を指定できるようにします。

特定の解析スタイルを設定することにより,DCLのコマンド構文の処理を 指定します。ユーザ・プログラムが異なる解析規則を必要とする場合は, この設定状態を検査することもできます。

この修飾子の正しいキーワードはTRADITIONALおよびEXTENDEDです。これ らのキーワードを同時に指定することはできず,いずれか一方を指定しな ければなりません。

/PARSE_STYLE修飾子を指定しない場合,省略時の設定はTRADITIONALです。

キーワード 説明
TRADITIONAL
(省略時の設定)
DCL構文については,バージョン7.2よりも前のバージョンの規則を使用して検証されなければならないことを示します。
EXTENDED
(Alphaのみ)
コマンドは,HFS (ODS-5)ファイル指定を許可する構文を使用して検証されなければならないことを示します。

EXTENDED解析規則が有効である場合のDCLの主要な違いは次のとおりです。

また,EXTENDED解析はファイル指定のDCL規則, すなわちコマンド定義言語(.CLD)ファイル内に$FILEタイプを持つ任意の項目を修正します。

詳細については『OpenVMS Extended File Specificationsの手引き』を参照してください。

/PERMANENT

カーネル・スレッドの寿命を有効にしながら,現在のマスクと, パーマネントなアフィニティ・マスク, またはパーマネントな機能マスクの操作を行います。 省略時の設定では,実行中のイメージの現在のマスクだけが影響を受けます。 /CAPABILITY修飾子,または/AFFINITY修飾子と同時に指定した場合のみ, /PERMANENT修飾子は有効です。

/PRIORITY=n

プロセスの優先順位を, 指定プロセスの基本優先順位より高い値に変更する場合には, ALTPRI(優先順位変更)特権が必要です。

指定したカーネル・スレッドの優先順位を変更します。 ALTPRI特権を持たない場合には,指定された値が現在の基本優先順位と比較され, 常に低い方の値が使用されます。

/PRIVILEGES=(特権[,...])

許可特権マスクに持たない特権をプロセスに許可するためには, SETPRV(特権設定)が必要です。

以下のプロセス特権を許可します。

ACNT ALLSPOOL ALTPRI AUDIT
BUGCHK BYPASS CMEXEC CMKRNL
DETACH DIAGNOSE DOWNGRADE EXQUOTA
GROUP GRPNAM GRPPRV IMPORT
LOG_IO MOUNT NETMBX OPER
PFNMAP PHY_IO PRMCEB PRMGBL
PRMMBX PSWAPM READALL SECURITY
SETPRV SHARE SHMEM SYSGBL
SYSLCK SYSNAM SYSPRV TMPMBX
UPGRADE VOLPRO WORLD  

どの特権が現在許可されているかを確認するには, SHOW PROCESS/PRIVILEGESコマンドを使用します。

/RESOURCE_WAIT
/NORESOURCE_WAIT

プロセスに対して,資源待ちモードを許可することを指定します。 /NORESOURCE_WAITを指定すると,プロセスはシステム動的メモリを獲得できない場合や, プロセスが資源制限(直接入出力の上限,バッファード入出力の上限, バッファード入出力のバイト数(バッファ空間)制限)を超えた場合に, エラー状態コードを受け取ります。

/RESUME

前に実行したSET PROCESSコマンドにより一時停止されているプロセスを, 再開することを指定します。/NOSUSPENDを使用するのと同等です。

/SET=(n[,...])

/CAPABILITYまたは/AFFINITY修飾子によって指定された, 位置値nで定義される, すべてのユーザ機能またはCPUアフィニティを設定します。

/SUSPEND[=SUPERVISOR]
/SUSPEND=KERNEL
/NOSUSPEND

特権を必要とします。以降を参照してください。

プロセスの活動を一時的に停止します。他のプロセスがそのプロセスを再開する, またはプロセスが削除されるまで,そのプロセスは一時停止状態のままです。 一時停止されているプロセスを再開するには, /NOSUSPENDまたは/RESUME修飾子を使用してください。

/SUSPEND修飾子と同時に次のキーワードを指定すると, それぞれ異なる結果が得られます。

キーワード 結果
SUPERVISOR (省略時の設定) EXECまたはKERNELモードで非同期システム・トラップ(AST)を通知できるように, 指定プロセスを中断することを指定。このキーワードの指定は省略できる。
KERNEL 非同期システム・トラップ(AST)がそのプロセスに送られないように, 指定プロセスを中断することを指定。KERNELキーワードを指定するには, KERNELまたはEXECモード内にいるか, ユーザにCMKRNLおよびCMEXEC特権が許可されている必要がある。 バージョン5.0以前のVMSでは,これがSET PROCESS/SUSPEND省略時の設定であった。

操作の内容によっては,/SUSPEND修飾子を指定するプロセスに特権が必要です。 たとえば,同じグループの別のプロセスを中断するには (そのプロセスが同じUICを持っていない限り)GROUP特権が必要です。 また,システム内の他のプロセスを中断するには,WORLD特権が必要です。

クラスタ環境でSET PROCESS/SUSPEND=KERNEL/ID=コマンドを使用した場合, ターゲット・プロセスがあるノードと現在のプロセスがあるノードが異なると, KERNELキーワードは無視されます。 その結果,SUPERVISORキーワードを指定した場合のように, プロセスは一時中断されます(これは省略時の動作です)。

SET PROCESS /SUSPEND=KERNELを指定して, それ以前のSET PROCESS/SUSPEND=SUPERVISORとの置き換えができます。 ただし,逆にSET PROCESS/SUSPEND=KERNELを SET PROCESS /SUSPEND=SUPERVISORで変更することはできません。

/SWAPPING (省略時の設定)
/NOSWAPPING

プロセスのスワップを禁止するには,PSWAPM(プロセス・スワップ)特権が必要です。

プロセスのスワップを許可します。 省略時の設定では,現在実行されていないプロセスは, 他のプロセスを実行するためにメイン・メモリから削除されることがあります。 /NOSWAPPING修飾子を指定すると,待ち状態のときでも, プロセスはバランス・セットからスワップ・アウトされません。

  1. $ SET PROCESS/PRIVILEGE=EXQUOTA
    
    現在のプロセスにクォータ超過(EXQUOTA)特権を与えています。

  2. $ SET PROCESS/NORESOURCE_WAIT
    
    この例では,現在のプロセスに対して資源待ちモードを禁止しています。

  3. $ RUN/PROCESS_NAME=TESTER  CALC
    %RUN-S-PROC_ID, identification of created process is 0005002F
    $ SET PROCESS/PRIORITY=10  TESTER
    
    この例では,RUNコマンドはサブプロセスを生成し, そのサブプロセスにTESTERという名前を与えます。 そのあと,SET PROCESS/PRIORITYコマンドは, このサブプロセスに10という優先順位を割り当てます。

  4. $ SHOW PROCESS/SUBPROCESS
    
    19-APR-1998 15:17:28.41  User: DAVIS Process ID:   31900218
                             Node: OCALA  Process name: "DAVIS"
    
    Processes in this tree:
    
    DAVIS *
      DAVIS_1
      DAVIS_2
    
    $ SET PROCESS/SUSPEND DAVIS_1
    $
    
    このSET PROCESS/SUSPENDコマンドは, ASTを送れるようにプロセスDAVIS_1を一時停止しています。 キーワードが指定されていないので,/SUSPEND=SUPERVISORが仮定されます。

  5. $ SHOW PROCESS/SUBPROCESS OCALA::MACKRILL
    
    19-APR-1998 12:17:24.45   User: MACKRILL Process ID:     31400208
                              Node: OCALA    Process name: "MACKRILL"
    
    Processes in this tree:
    
    MACKRILL *
      MACKRILL_1
      MACKRILL_2
    $ SET PROCESS OCALA::MACKRILL_2 /SUSPEND=KERNEL
    $
    
    この例のSET PROCESS/SUSPEND=KERNELコマンドは, ノードOCALA上のプロセスMACKRILL_2を一時停止して, ASTをこのプロセスに送ることができないようにしています。

  6. $ SET PROCESS CPUSCHED/AFFINITY/SET=1/PERMANENT
    $ SET PROCESS CPUSCHED/CAPABILITY/SET=8/PERMANENT
    $ SHOW CPU/FULL
    
    COBRA7, a DEC 4000 Model 620
    Multiprocessing is ENABLED. Streamlined synchronization image loaded.
    Minimum multiprocessing revision levels: CPU = 1
    
    System Page Size = 8192
    System Revision Code =
    System Serial Number =
    Default CPU Capabilities:
            System:         QUORUM RUN
    Default Process Capabilities:
            System:         QUORUM RUN
    
    PRIMARY CPU = 00
    
    CPU 00 is in RUN state
    Current Process: *** None ***
    Serial Number:  AY24870417
    Revision:       A200
    VAX floating point operations supported.
    IEEE floating point operations and data types supported.
    Processor is Primary Eligible.
    PALCODE: Revision Code = 5.48
             PALcode Compatibility = 0
             Maximum Shared Processors = 2
             Memory Space:  Physical address = 00000000 00000000
                            Length = 0
             Scratch Space: Physical address = 00000000 00000000
                            Length = 0
    Capabilities of this CPU:
          System:           PRIMARY QUORUM RUN
          User bitmask:     00000040
    Processes which can only execute on this CPU:
          NETACP       PID = 0000008E      Reason: PRIMARY Capability
    
    CPU 01 is in RUN state
    Current Process: CPUSCHED        PID = 00000095
    Serial Number:  AY24870406
    Revision:       A200
    VAX floating point operations supported.
    IEEE floating point operations and data types supported.
    PALCODE: Revision Code = 5.48
             PALcode Compatibility = 0
             Maximum Shared Processors = 2
             Memory Space:  Physical address = 00000000 00000000
                            Length = 0
             Scratch Space: Physical address = 00000000 00000000
                            Length = 0
    Capabilities of this CPU:
          System:           QUORUM RUN
          User bitmask:     00000080
    Processes which can only execute on this CPU:
          CPUSCHED   PID = 00000095 Reason: Affinitized to this CPU
                                    Reason: User capabilities - 00000080)
    
    $ SET PROCESS/NOAFFINITY/PERMANENT
    $ SET PROCESS/NOCAPABILITY/PERMANENT
    $ SHOW CPU/FULL
    
    COBRA7, a DEC 4000 Model 620
    Multiprocessing is ENABLED. Streamlined synchronization image loaded.
    Minimum multiprocessing revision levels: CPU = 1
    
    System Page Size = 8192
    System Revision Code =
    System Serial Number =
    Default CPU Capabilities:
            System:         QUORUM RUN
    Default Process Capabilities:
            System:         QUORUM RUN
    
    CPU 00 is in RUN state
    Current Process: *** None ***
    Serial Number:  AY24870417
    Revision:       A200
    VAX floating point operations supported.
    IEEE floating point operations and data types supported.
    Processor is Primary Eligible.
    PALCODE: Revision Code = 5.48
             PALcode Compatibility = 0
             Maximum Shared Processors = 2
             Memory Space:  Physical address = 00000000 00000000
                            Length = 0
             Scratch Space: Physical address = 00000000 00000000
                            Length = 0
    Capabilities of this CPU:
            System:         PRIMARY QUORUM RUN
            User bitmask:   00000040
    Processes which can only execute on this CPU:
            NETACP           PID = 0000008E  Reason: PRIMARY Capability
    
    CPU 01 is in RUN state
    Current Process: CPUSCHED        PID = 00000095
    Serial Number:  AY24870406
    Revision:       A200
    VAX floating point operations supported.
    IEEE floating point operations and data types supported.
    PALCODE: Revision Code = 5.48
             PALcode Compatibility = 0
             Maximum Shared Processors = 2
             Memory Space:  Physical address = 00000000 00000000
                            Length = 0
             Scratch Space: Physical address = 00000000 00000000
                            Length = 0
    Capabilities of this CPU:
            System:         QUORUM RUN
            User bitmask:   00000080
    Processes which can only execute on this CPU:
            *** None ***
    
    この例のCPU 1は,ユーザ機能8が有効です(user mask = 80)。 ユーザ機能8は,プロセスCPUSCHEDの初期カーネル・スレッドに対して設定され, CPUアフィニティは1に設定されます。 SHOW PROCESSコマンドの応答からもわかるように,これらのいずれかの設定を行うと, 初期カーネル・スレッドはCPU 1でのみ実行されます。

    次にSET PROCESS/NOAFFINITY/NOCAPABILITYコマンドは, プロセス(CPUCHED)の初期カーネル・スレッドに対する, すべてのCPUアフィニティおよびユーザ機能の必要条件をクリアします。


SET PROMPT

省略時のDCLプロンプト文字列("$ ")のかわりに使用される文字列を指定します。

フォーマット

     SET PROMPT [=文字列] 

パラメータ

文字列

DCLのプロンプト文字列を設定します。次の規則が適用されます。

SET PROMPTコマンドに,文字列が指定されていない場合には, DCLの省略時のプロンプト文字列($)が使用されます。

説明

SET PROMPTコマンドは, メイン・プロセスまたはサブプロセスのプロンプトを変更します。

連続コマンドを端末から読み込む場合, または間接コマンドをコマンド・プロシージャから読み込む場合には, DCLはプロンプト文字列の前にアンダスコアを付けます。

修飾子

/CARRIAGE_CONTROL (省略時の設定)
/NOCARRIAGE_CONTROL

プロンプト文字列の前に,改行されるかどうかを指定します。 文字列パラメータの後ろに指定します。

  1. $ SET PROMPT ="What's next?"
    What's next? SHOW TIME
     19-APR-1998 14:08:58
    
    このコマンドを使用すると, DCLプロンプト("$ ")を"What's next?"という文で置き換えます。 このプロンプトが画面に表示されたら,DCLコマンドを入力できます。 この例では,SHOW TIMEコマンドを使用しています。


SET PROTECTION/DEFAULT

現在のプロセスで作成されるファイルに対して,省略時の保護を設定します。

フォーマット

     SET PROTECTION [=(コード)]/DEFAULT 

パラメータ

コード

現在のプロセスで作成されるファイルに対して適用される, SOGW区分による省略時の保護を設定します。 この保護に優先させるためには,SET PROTECTIONコマンドやCREATEコマンドの /PROTECTION修飾子で明示的に保護を指定しなければなりません。 保護コードが指定されない場合には,現在の省略時の設定は変更されません。

コードは,以下の組み合せです。


注意
ディレクトリィやファイルの機密保護属性を再設定する場合は, SET PROTECTIONコマンドの代わりにSET SECURITYコマンドを使用します。


  1. $ SET PROTECTION=(GROUP:RWED,WORLD:R)/DEFAULT
    
    このSET PROTECTION/DEFAULTコマンドは,省略時の保護を設定します。 同じグループに含まれる他のユーザには,すべてのアクセス権を許可し, またすべてのユーザには,読み込みアクセス権を許可しています。 システム,および所有者の省略時の保護は,変更されません。


SET QUEUE

指定したキューの属性を変更します。

そのキューに対する管理(M)アクセス権が必要です。

フォーマット

     SET QUEUE  キュー名[:] 

パラメータ

キュー名[:]

実行キュー,または汎用キューの名前を指定します。

説明

INITIALIZE/QUEUEコマンドでキューを作成した後, キューの状態または属性を変更するにはSET QUEUEコマンドを使用します。

SET QUEUEコマンドの修飾子の省略時の設定は, キューが初期化された時の修飾子に依存します。 たとえば,INITIALIZE/QUEUEの/JOB_LIMITの省略時の設定は,1です。 ただし,変更するキューがジョブ上限3で初期化され, SET QUEUEコマンドに/JOB_LIMIT修飾子を指定しない場合, そのキューのジョブ上限は3のままになります。

修飾子

/BASE_PRIORITY=n

バッチ・キューでジョブが開始される場合の,プロセスの基本優先順位を指定します。 指定できるnの値は,0から15までの10進数です。

プリント・キュー,またはターミナル・キューに対して指定することもできます。 この場合は,シンビオント・プロセス作成時の基本優先順位が設定されます。

/BLOCK_LIMIT=([下限,]上限)
/NOBLOCK_LIMIT

プリント・キューまたはターミナル・キューで実行できる, プリント・ジョブのサイズを指定します。この修飾子は, 特定のプリンタを特定のサイズのジョブのために確保するために使用されます。 少なくとも1つのパラメータを指定しなければなりません。

下限パラメータは, キューが受けつけるプリント・ジョブの最小ブロック数を示す10進数です。 この下限の値より少ないブロックのプリント・ジョブをキューに登録する場合, キューのジョブ・サイズの下限値が変更されるまで,そのジョブは待ち状態になります。 キューの下限サイズが十分に減らされれば,そのジョブは実行されます。

上限パラメータは, キューが受けつけるプリント・ジョブの最大ブロック数を示す10進数です。 この値を超えるプリント・ジョブをキューに登録する場合, キューのジョブ・サイズの上限値が変更されるまで,そのジョブは待ち状態になります。 キューの上限サイズが十分に増えれば,そのジョブは実行されます。

ジョブに対して上限だけを指定する場合には,括弧を省略できます。 たとえば,/BLOCK_LIMIT=1000は, そのキューで1000ブロック以下のジョブだけが実行できることを示します。 ジョブ・サイズの下限だけを指定するには,上限が省略されていることを示すために, 空文字列("")を使用しなければなりません。たとえば,/BLOCK_LIMIT=(500,"")は, そのキューで500ブロック以上のジョブが実行されることを示します。 また,下限と上限の両方を指定することもできます。 たとえば,/BLOCK_LIMIT=(200,2000)は, 200ブロック未満のジョブまたは2000ブロックを超えるジョブが, そのキューでは実行されないことを示します。

/NOBLOCK_LIMIT修飾子は,そのキューに対してすでに設定されている, ジョブ・サイズ制限を取り消します。

/CHARACTERISTICS=(属性[,...])
/NOCHARACTERISTICS

実行キューでジョブを処理するための,1つまたは複数の属性を指定します。キューが, ジョブに指定されたすべての属性を持たない場合には, ジョブは待ち状態のまま残ります。 属性を1つだけ指定する場合には,括弧を省略できます。 /CHARACTERISTICS修飾子を指定するたびに, すでに設定されている値はすべて取り消されます。 つまり,この修飾子に指定した属性だけが,そのキューに対して新たに設定されます。

キューの属性は,システムごとに異なります。属性パラメータは0から127までの値, またはDEFINE/CHARACTERISTICコマンドによって定義されている属性名です。

/NOCHARACTERISTICS修飾子は, すでにそのキューに対して設定されている属性を無効にします。

/CLOSE

PRINTコマンドやSUBMITコマンドあるいは再登録操作によって, キューにジョブが登録されるのを禁止します。 ジョブを登録可能にするためには,/OPEN修飾子を使用します。 キューが新しいジョブを受け付け可能かどうかは, (保留,停止やストール等の)キューの状態に依存します。 キューがクローズされると,実行中のジョブはそのまま実行し続け, 実行待ちのジョブも実行待ちのままです。

/CPUDEFAULT=時間

バッチ実行キューのジョブに対するCPU時間の省略時の上限を指定します。 省略時のCPU時間として指定できる値は,デルタ時間,0,またはNONE, INFINITEというキーワードです。デルタ時間としては,最大497日まで指定できます。

キューに/CPUMAXIMUM修飾子による上限が定義されてなく,かつ, 利用者登録ファイル(UAF)にCPU時間の上限値としてNONEと設定されている場合は, この修飾子に0またはINFINITEというキーワードを指定すれば, ジョブのCPU時間は無制限になります。NONEを指定した場合は, 利用者登録ファイル(UAF)またはSUBMITコマンドで指定されている値のどちらかに, CPU時間は制限されます。省略時のCPU時間の上限は, システム・パラメータのPQL_MCPULMの値以上でなければなりません。 /CPUMAXIMUM修飾子に指定されているCPU時間の上限を超える値は指定できません。 デルタ時間の指定方法については,『OpenVMSユーザーズ・マニュアル』 またはオンライン・ヘルプの DCL_Tips トピック (Date_Time サブトピック) を参照してください。 CPU時間の上限についての詳細は,INITIALIZE/QUEUEコマンドのCPU時間制限指定, およびアクション・テーブルを参照してください。

/CPUMAXIMUM=時間

バッチ実行キュー内のすべてのジョブに対して,最大CPU時間を指定します。 最大CPU時間として指定できるのは,デルタ時間,0,またはNONE, INFINITEというキーワードです。デルタ時間としては,最大497日まで指定できます。

この修飾子は,そのキューに登録されたジョブに対して, 利用者登録ファイル(UAF)に指定されているCPU時間の上限に優先します。 CPU時間を無制限にするには,0またはINFINITEを指定します。 NONEを指定した場合は,CPU時間は,利用者ザ登録ファイル(UAF)または SUBMITコマンドで指定されている値のどちらかに制限されます。 CPU時間の上限は,システム・パラメータの PQL_MCPULMの値以上でなければなりません。

デルタ時間の指定方法については,『OpenVMSユーザーズ・マニュアル』 またはオンライン・ヘルプの DCL_Tips トピック (Date_Time サブトピック) を参照してください。 CPU時間の上限についての詳細は,INITIALIZE/QUEUEコマンドのCPU時間制限指定, およびアクション・テーブルを参照してください。

/DEFAULT=(オプション[,...])
/NODEFAULT

PRINTコマンドの省略時オプションを指定します。 省略時の値は,オプション・リストで指定します。 オプションを1つだけ指定する場合には,括弧を省略できます。 /DEFAULT修飾子によってキューに対するオプションを設定すると, PRINTコマンドにオプションを指定する必要がなくなります。 PRINTコマンドにオプションを指定すると, その値が/DEFAULT修飾子による設定に優先されます。 指定できるオプションは,次のとおりです。

[NO]BURST[=キーワード] バースト・バーが間に入った2枚のフラグ・ページを,印刷するかどうか指定する。 キーワードがALL(省略時の設定)の場合には,これらのフラグ・ページは, ジョブの各ファイルの前に印刷される。キーワードがONEの場合には, フラグ・ページは,ジョブの最初のファイルの前に印刷される。
[NO]FEED 改ページ(フォーム・フィード)を, ページの最後に自動的に挿入するかどうかを指定する。
[NO]FLAG[=キーワード] 1枚のフラグ・ページを印刷するかどうかを指定する。 キーワードがALL(省略時の設定)の場合には,フラグ・ページは, ジョブの各ファイルの前に印刷される。キーワードがONEの場合には, フラグ・ページは,ジョブの最初のファイルの前に印刷される。
FORM=タイプ 出力実行キューの省略時のフォームを指定する。 ジョブ登録時に明示的にフォームを指定しない場合は,このフォームが使用される。 FORMキーワードが明示的に指定されていない場合 "DEFAULT"フォームが使用される。 /FORM_MOUNTED修飾子の説明も参照。
[NO]TRAILER[=キーワード] ファイル・トレーラ・ページを印刷するかどうかを指定する。 キーワードがALL(省略時の設定)の場合には, トレーラ・ページは,ジョブの各ファイルの最後に印刷される。 キーワードがONEの場合には,トレーラ・ページは, ジョブの最後のファイルの後に印刷される。

BURSTオプションを指定した場合には, [NO]FLAGオプションを指定してもファイル出力の前に印刷される 2枚のフラグ・ページを追加したり,削除することはできません。

必須のキュー属性の設定方法については,/SEPARATE修飾子の説明を参照してください。 また,省略時のキュー属性の指定方法については, 『OpenVMSシステム管理者マニュアル』を参照してください。

/DESCRIPTION=文字列
/NODESCRIPTION

キューについてオペレータが提供する情報を,255文字までの文字列で指定します。

小文字,ブランクや非英数字(スペースを含む)は, 引用符(" ")で囲んで指定しなければなりません。

/NODESCRIPTION修飾子を指定すれば,設定されていた文字列は削除されます。

/DISABLE_SWAPPING
/NODISABLE_SWAPPING

キューで実行するバッチ・ジョブが, メモリからスワップ・アウト,およびスワップ・インされるかどうかを指定します。

/ENABLE_GENERIC
/NOENABLE_GENERIC

実行キューを指定していない汎用キューに登録されているファイルを, 処理のためにこの実行キューに登録できるかどうかを指定します。

/FORM_MOUNTED=タイプ

プリント・キューまたはターミナル・キューでマウントされるフォームを指定します。

フォームが明示的に指定されていない場合"DEFAULT"フォームが使用されます。

/DEFAULT=FORM修飾子で指定された省略時のフォームのストックと, ここで指定されたフォームのストックが異なる場合は, フォームを指定せずにそのキューに登録されたジョブは,すべて待ち状態にされます。 フォームを指定して登録されたジョブは, そのフォームのストックががマウントされているものと異なる場合には, 待ち状態にされます。 どちらの場合も,キューのマウントされているフォームのストックが, ジョブに指定されているフォームのストックに一致するまで,待ち状態のまま残ります。

明示的にフォームを指定してジョブを登録し, 指定したフォームのストックとマウントされたフォームのストックが異なる場合は, キューでマウントされたフォームのストックと, ジョブに対応づけられたフォームのストックが同じになるまで, そのジョブは待ち状態になります。

フォーム・タイプは,数値または DEFINE/FORMコマンドによって定義されているフォーム名を使用して指定します。 フォーム・タイプは,システムごとに異なります。 /FORM_MOUNTED修飾子と/GENERIC修飾子は同時に指定できません。

/JOB_LIMIT=n

キューで同時に実行できるバッチ・ジョブ数を,1〜255の範囲で指定します。

/NO_INITIAL_FF
/NONO_INITIAL_FF (省略時の設定)

キューが起動した時に,プリンタ装置にフォーム・フィードを送るかどうか設定, または修正します。 初期フォーム・フィードを変更するには,/NO_INITIAL_FF修飾子を指定します。

キューに/NONO_INITIAL_FF修飾子を指定した場合は,キューが起動すると, 印刷する前にフォーム・フィードが出力装置に送られます。

/OPEN

PRINTまたはSUBMITコマンドを通して,または再登録操作の結果として, ジョブをキューに入れることができるようにします。 ジョブが入力されないようにするには,/CLOSE修飾子を使用してください。 キューが新しいジョブ・エントリを受け入れるか入れないかは, そのキューの状態(保留状態,停止状態,ストール状態など)とは関係ありません。

/OWNER_UIC=UIC

この修飾子を使用するためには,OPER(オペレータ)特権, または該当キューに対する制御(C)アクセス権が必要です。

キューの利用者識別コード(UIC)を変更します。 UICは,『OpenVMS Guide to System Security』に説明されている, 標準的なUIC形式を使用して指定します。

/PROTECTION=(所有者区分[:アクセス],...)

この修飾子を使用するためには,OPER(オペレータ)特権が必要です。

キューの保護を指定します。

保護コードを1つだけ指定する場合には,括弧を省略できます。

保護コードの指定形式の詳細は,『OpenVMS Guide to System Security』 を参照してください。 UICによるキューの保護方法の詳細は,『OpenVMSシステム管理者マニュアル』 を参照してください。

/RECORD_BLOCKING
/NORECORD_BLOCKING

シンビオントが出力装置に送信するために, 出力レコードを連結(ブロッキング)できるかどうかを指定します。 /NORECORD_BLOCKING修飾子を指定する場合には,シンビオントは, フォーマッティングされた各出力レコードを別々の入出力要求で出力装置に送ります。 標準的なOpenVMSシステム・プリント・シンビオントの場合には, レコード・ブロッキングは単一レコード・モードの場合より大幅に性能を向上します。

/RETAIN[=オプション]
/NORETAIN

ジョブの実行後,そのジョブを終了した状態で,キューに保持することを指定します。 /NORETAIN修飾子は,キューを省略時の値に再設定します。 以下のオプション・パラメータが指定できます。

ALL すべてのジョブがキューに残される(省略時設定)。
ERROR 異常終了したジョブだけがキューに残される。

/SCHEDULE=[NO]SIZE

プリント・キューまたはターミナル・キューに登録されている待ち状態のジョブの印刷の順番が, ジョブのサイズをもとにスケジューリングされるかどうかを指定します。 /SCHEDULE=SIZE修飾子を指定する場合は,短いジョブは長いジョブより先に印刷されます。 /SCHEDULE=NOSIZE修飾子を指定すると,ジョブはサイズとは無関係に, キューに登録された順に印刷されます。

キューに待ち状態のジョブが存在する場合にこのコマンドを実行すると, このあと登録されるジョブに対する影響は予測できません。

/SEPARATE=(オプション[,...])
/NOSEPARATE

必須キュー属性,または出力実行キュー (プリント・キューまたはターミナル・キュー)のジョブ区切りオプションを指定します。 ジョブ区切りオプションは,PRINTコマンドで変更できません。

ジョブの区切りに対するオプションは,次のとおりです。

[NO]BURST バースト・バーを間に入れた2枚のフラグ・ページが, 各ジョブの最初に印刷されるかどうかを指定する。
[NO]FLAG フラグ・ページが,各ジョブの最初に印刷されるかどうかを指定する。
[NO]RESET=(モジュール[,...]) キューに対するジョブ・リセット・シーケンスを持つ, 1つまたは複数の装置制御ライブラリ・モジュールを指定する。 ジョブ・リセットが発生するたびに装置を再設定するために, 装置制御ライブラリ(省略時はSYS$LIBRARY:SYSDEVCTL) から指定されたモジュールが使用される。 ジョブ・リセットは,ファイルの出力後でジョブの終了前に行われる。 したがって,すべてのジョブ区切りページは,装置がリセット状態の時に出力される。
[NO]TRAILER ジョブ・トレーラ・ページが,各ジョブの最後に印刷されるかどうかを指定する。

/SEPARATE=BURST修飾子を指定した場合には,[NO]FLAGオプションを指定しても, 出力ファイルの前に印刷される 2枚のフラグ・ページに別のフラグ・ページを追加したり削除することはできません。

変更可能なキュー属性の設定方法については, /DEFAULT修飾子の説明を参照してください。

キューの必須属性についての詳細は,『OpenVMSシステム管理者マニュアル』 を参照してください。

/WSDEFAULT=n

バッチ・ジョブのワーキング・セットの省略時の値, つまりジョブが使用できる物理ページ数の省略時の値を設定します。

この修飾子で指定した値は,キューにジョブを登録したユーザの, 利用者登録ファイル(UAF)に定義されている値に優先します。

Alphaでは512バイトのページレット数でnを指定し, VAXでは512バイトのページ数でnを指定します。 Alphaでは,物理メモリの実際の量が指定された値よりも大きくなるような CPU特有のページ数に,この値は切り上げられます。

0またはNONEを指定した場合は, UAFの値またはSUBMITコマンドに指定された値が使用されます。

ワーキング・セットの省略時の値のバッチ・ジョブへの影響については, 表 18-5を参照してください。

/WSEXTENT=n

バッチ・ジョブのワーキング・セット超過値, つまりジョブが使用できる物理ページの最大値を定義します。 システムに余分なフリー・ページがある場合にのみ, ジョブは物理メモリの最大値を使用します。 この修飾子に指定された値は,ジョブをキューに登録したユーザの, 利用者登録ファイル(UAF)内の定義に優先します。

Alphaでは512バイトのページレット数でnを指定し, VAXでは512バイトのページ数で n を指定します。 Alphaでは,物理メモリの実際の量が指定された値よりも大きくなるような CPU特有のページ数に,この値は切り上げられます。

0またはNONEを指定した場合は, UAFの値またはSUBMITコマンドに指定された値が使用されます。

ワーキング・セットの省略時の値のバッチ・ジョブへの影響については, 表 18-5を参照してください。

/WSQUOTA=n

バッチ・ジョブのワーキング・セット・クォータ値, つまりジョブがワーキング・セットにロックできる物理ページの上限を定義します。 この修飾子に指定された値は,ジョブをキューに登録したユーザの, 利用者登録ファイル(UAF)内の定義に優先します。

Alphaでは512バイトのページレット数でnを指定し, VAXでは512バイトのページ数でnを指定します。 Alphaでは,物理メモリの実際の量が指定された値よりも大きくなるような CPU特有のページ数に,この値は切り上げられます。 0またはNONEを指定した場合は,ワーキング・セット・クォータ値は, UAF内かまたはSUBMITコマンドに指定された値が使用されます。

ワーキング・セットの省略時のサイズと,ワーキング・セット超過値(最大サイズ)は, 利用者登録ファイル(UAF)内の各ユーザ・レコードに含まれています。これらは, 個々のジョブごとに,または指定したキューのすべてのジョブに対して指定できます。 ワーキング・セットおよびワーキング・セット・クォータ値を起動する, 指定の異なる組み合わせに適用される値を 表 18-5に示します。

表 18-5 ワーキング・セットの省略時の値,拡張,およびクォータ

SUBMITコマンドに
値を指定したか?
キューに
値を設定したか?
適用される値
No No UAFの設定値
No Yes キューの設定値
Yes Yes 2つの指定値の小さい方
Yes No 指定値とUAFの設定値の小さい方

  1. $ INITIALIZE/QUEUE/DEFAULT=BURST/FORM_MOUNTED=LETTER/START SYS$PRINT
       .
       .
       .
    $ STOP/QUEUE/NEXT SYS$PRINT
    $ SET QUEUE/DEFAULT=BURST/FORM_MOUNTED=MEMO SYS$PRINT
    
    INITIALIZE/QUEUEコマンドでキューを初期化します。 ファイルごとに2枚のフラグ・ページを付け, LETTERというマウントされたフォームを使う,という属性が付いています。 その後,STOP/QUEUE/NEXTコマンドで,実行中のジョブ終了後にキューを停止し, SET QUEUEコマンドでフォームをMEMOに変えています。

  2. $ SET QUEUE/DEFAULT=FORM=LN01_PORTRAIT LN01_PRINT
    
    キューLN01_PRINTの省略時設定のフォームを,LN01_PORTRAITに変更しています。

  3. $ SET QUEUE/CLOSE SYS$BATCH
    
    キューSYS$BATCHへのジョブ入力を停止しています。


SET RESTART_VALUE

グローバル・シンボルBATCH$RESTARTを設定します。 このグローバル・シンボルは, 実行が中断されたバッチ・ジョブを再起動する場所を定義します。 SET RESTART_VALUEコマンドは,コマンド・プロシージャ中でのみ有効です。

フォーマット

     SET RESTART_VALUE =文字列 

パラメータ

文字列

バッチ・ジョブが再起動された際に処理が始まる位置を指定する, ラベル値を指定します。文字列は最大255文字の長さです。

説明

SET RESTART_VALUEコマンドは,再起動できるコマンド・プロシージャの中で使用します。 再起動できるコマンド・プロシージャとは,バッチ・モードで実行するために, SUBMIT/RESTARTコマンドで登録されたコマンド・プロシージャのことです。 SET RESTART_VALUEは,グローバル・シンボルBATCH$RESTARTに値を割り当てます。 これは,バッチ・ジョブの実行が中断された後に再起動されるべき位置を示します。

再起動可能なコマンド・プロシージャを書く場合には, コマンド・プロシージャの中の再起動可能な始点をラベルで始めてください。 ラベルの後でSET RESTART_VALUEコマンドを使用して, シンボルBATCH$RESTARTにラベルと等しい文字列を割り当てます。 システム・クラッシュにより中断されたバッチ・ジョブを再起動すると, コマンド・プロシージャは,BATCH$RESTARTで示されるラベルから実行を再開できます。

SET RESTART_VALUEコマンドは, 予約されているグローバル・シンボル$RESTARTとともに使用します。 $RESTARTは,システムにより管理され削除できない特殊なシンボルです。 バッチ・ジョブを再起動すると,$RESTARTの値はTRUEになります。 そうでない場合,$RESTARTの値はFALSEになります。

再起動可能なコマンド・プロシージャの先頭で, 予約されているグローバル・シンボル$RESTARTの値をテストしてください。 $RESTARTがTRUEの場合は,転送ラベルにシンボルBATCH$RESTARTを使用して GOTO文を実行してください。バッチ・ジョブが中断される前に SET RESTART_VALUEコマンドが実行されていなかった場合は, シンボル BATCH$RESTART には定義がなく, バッチ・ジョブを先頭から再起動する必要があります。

システム障害の場合,ほとんどのプロセス環境は維持されません。 システム障害においても維持されるシンボルは, $RESTARTおよびBATCH$RESTARTだけです。したがって, 各SET RESTART_VALUEコマンドの後で, コマンド・プロシージャで使用するシンボルまたはプロセスの論理名を再定義する必要があります。

コマンド・プロシージャにSET RESTART_VALUEコマンドがあるが, ジョブを最初から実行したい場合には, SET ENTRY/NOCHECKPOINTコマンドを入力してグローバル・シンボルBATCH$RESTART を削除します。

  1. $ IF $RESTART THEN GOTO 'BATCH$RESTART'
       .
       .
       .
    $ FIRSTPART:
    $ SET RESTART_VALUE = FIRSTPART
    $ RUN PART1
       .
       .
       .
    $ SECONDPART:
    $ SET RESTART_VALUE = SECONDPART
    $ RUN PART2
       .
       .
       .
    
    最初のコマンドで,$RESTARTが真ならば, BATCH$RESTARTで表されるラベルへ制御を移します。 $RESTARTは,クラッシュ等でジョブが再実行している場合のみ真となります。

    最初のSET RESTART_VALUEコマンドで, ラベルFIRSTPARTをシンボルBATCH$RESTARTに代入しています。 そしてすぐにPART1.EXEを起動しています。

    2番目のSET RESTART_VALUEコマンドでは,ラベルSECONDPARTをシンボル BATCH$RESTARTに代入しています。そしてPART2.EXEを起動しています。

    ジョブがSUBMIT/RESTARTコマンドで最初に登録された時には, $RESTARTの値はFALSEなので,IF文は無視されます。 PART1.EXE実行中にジョブが停止した場合,BATCH$RESTARTの値はFIRSTPARTです。 ジョブの再起動時には$RESTARTの値がTRUEとなり, IF文が実行されて制御はラベルFIRSTPARTへ移され,PART1.EXEが再実行されます。

    PART2.EXE実行中にジョブが停止した場合,BATCH$RESTARTの値はSECONDPARTです。 ジョブの再実行時には$RESTARTの値がTRUEとなり, IF-GOTOコマンドにより制御はラベルSECONDPARTへ移され, PART2.EXEが再実行されます。PART1.EXEは再実行されません。


SET RIGHTS_LIST

ユーザが,プロセス権利リストまたはシステム権利リストを修正することを許可します。 SET RIGHTS_LISTコマンドには, /DISABLEか/ENABLE修飾子のいずれかを指定しなければなりません。

フォーマット

     SET RIGHTS_LIST  識別子名[,...] 

パラメータ

識別子名[,...]

プロセス権利リストまたはシステム権利リストに追加, あるいは削除する識別子を指定します。 識別子名は1〜31文字の英数字,アンダースコア(_), およびドル記号($)からなる文字列です。 それぞれの名前は,少なくとも1つの非数字を含んでいなければなりません。

説明

SET RIGHTS_LISTコマンドは,現在のプロセスの権利リスト, システム上の他のプロセスの権利リスト, またはシステム権利リストの中の識別子を変更します。 それぞれの場合に必要な特権を知るには,次のガイドラインを使用してください。

このコマンドは,既存の識別子に属性を追加するためにも使用できます。

修飾子

/ATTRIBUTES=(キーワード[,...])

識別子に割り当てる属性を指定します。 属性は,新しいあるいは既存の識別子に加えられてもかまいません。 有効なキーワードは次のとおりです。

DYNAMIC 非特権の識別子保有者が,識別子をプロセス権利リストに加えたり, もしくは削除できることを指定する。
NOACCESS 識別子のアクセス権を全て無効にします。 ユーザがアクセス無し属性の識別子を持っている場合, その識別子はユーザのオブジェクトに対するアクセス権自体には影響を与えません。 この識別子はRESOURCE/SUBSYSTEM属性に対するモディファイアとして機能します。
RESOURCE 識別子保有者が,資源を請求できることを指定する。
SUBSYSTEM 識別子を持ったユーザがアプリケーションにサブシステム ACEを付加して保護サブシステムの作成/維持を行えるようになります。 ファイル・オブジェクトに対してのみ有効です。

識別子から属性を除去するためには, 属性キーワードにNOという接頭語を加えてください。 たとえば資源属性を除去するには,/ATTRIBUTE=NORESOURCEを指定します。

省略時は,権利データベースの中の現在のプロセスのものを使用します。 現在のプロセスの属性を確認するためには, SHOW PROCESS/RIGHTSコマンドを使用してください。

/DISABLE

プロセス権利リストあるいはシステム権利リストから,識別子を削除します。 /DISABLE修飾子と/ENABLE修飾子を同時に指定することはできません。 1 つのコマンドで 10 よりも多くの識別子を削除する場合は, CMKRNL 特権を必要とすることに注意してください。

/ENABLE

プロセス権利リストあるいはシステム権利リストに,識別子を追加します。 /ENABLE修飾子と/DISABLE修飾子を同時に指定することはできません。 1 つのコマンドで 10 よりも多くの識別子を追加する場合は, CMKRNL 特権を必要とすることに注意してください。

/IDENTIFICATION=プロセス識別子(PID)

権利リストが修正されるプロセスの,プロセス識別子(PID)を指定します。 PIDは,プロセスが作成されるとき,システムによって割り当てられます。 PIDを指定するときには,先行するゼロを省略することができます。

/IDENTIFICATION修飾子は,/PROCESS修飾子をともに指定することはできません。 /IDENTIFICATION修飾子も/PROCESS修飾子も指定されないときは, 権利リストの修正は,現在のプロセスに適用されます。 /SYSTEM修飾子と/IDENTIFICATION修飾子を同時に指定することはできません。

/PROCESS[=プロセス名]

権利リストが修正されるプロセスの名前を指定します。 プロセス名は1文字から15文字の英数字です。

/PROCESS修飾子と/IDENTIFICATION修飾子をともに指定することはできません。 /PROCESS修飾子も/IDENTIFICATION修飾子も指定されないときは, 省略時の設定として,権利リストの修正は現在のプロセスに適用されます。

/SYSTEM修飾子と/PROCESS修飾子を同時に指定することはできません。

/SYSTEM

システム権利リストを操作(識別子の追加や削除)します。 /PROCESS修飾子や/PROCESS修飾子と同時に指定することはできません。

  1. $ SET RIGHTS_LIST/ENABLE/ATTRIBUTES=RESOURCE MARKETING
    
    現在のプロセスのプロセス権利リストに,MARKETINGという識別子を加えます。 資源属性の指定により,識別子MARKETINGの保有者が資源を請求することを認めます。

  2. $ SET RIGHTS_LIST/ENABLE/SYSTEM PHYSICS101
    %SYSTEM-F-NOPRIV, insufficient privilege or object
     protection violation
    $ SET PROCESS/PRIVILEGES=(CMKRNL,SYSNAM)
    $ SET RIGHTS_LIST/ENABLE/SYSTEM PHYSICS101
    
    システム権利リストに識別子PHYSICS101を加えます。 システム権利リストを修正するためには, CMKRNLとSYSNAM特権の両方を持っていなければなりません。


SET RMS_DEFAULT

OpenVMSレコード管理サービス(OpenVMS RMS)がファイル操作のために使用する, マルチブロック数,マルチバッファ数,ネットワーク転送サイズ, プロローグ・レベル,および拡張サイズの,省略時の値を定義します。

マルチブロック数またはマルチバッファ数に0を設定した場合,OpenVMS RMSは, プロセスの省略時の設定値,システムの省略時の設定値の順に検索し, その値を使用します。これらがいずれも0の場合には,値1を使用します。 この省略時の値は,システム全体に適用するように要求されていない限り, プロセス単位で,順編成ファイル,索引順編成ファイル, または相対編成ファイルに対して設定されます。

フォーマット

     SET RMS_DEFAULT 

説明

ファイル操作をマルチブロック化しマルチバッファ化すると, OpenVMS RMSによる入出力操作の速度を上げることができます。 SET RMS_DEFAULTコマンドで設定される省略時の設定は, マルチブロック数とマルチバッファ数を明示的に指定しない, すべてのファイル操作に適用されます。

マルチブロックおよびマルチバッファ操作についての詳細は, 『OpenVMS System Services Reference Manual』を参照してください。

索引編成ファイルの場合,SET RMS_DEFAULTコマンドは, 省略時のプロローグ・レベル・オプションを定義します。

順編成ファイルの場合,SET RMS_DEFAULTコマンドは, 省略時のファイル拡張サイズを定義します。 省略時の拡張サイズがプログラム中で指定されていない場合, プロセスまたはシステムの省略時の設定が使用されます。

ネットワーク操作の場合,SET RMS_DEFAULTコマンドは, 転送のためのネットワーク・バッファ・サイズを定義します。

修飾子

/BLOCK_COUNT=数

レコード入出力操作でのみ使用される,省略時のマルチブロック数を指定します。 指定できる値は,0から127までの範囲です。 この数は,各入出力バッファのために割り当てられるブロック数です。

マルチブロック数についての詳細は, 『OpenVMS Record Management Services Reference Manual』 のRAB$B_MBCの説明を参照してください。

/BUFFER_COUNT=数

ローカル・ノード上でのファイル操作で使用される, 省略時のマルチバッファ数を指定します。 指定できる値は,0から255までの範囲で,割り当てられるバッファ数を指定します。 /SYSTEM修飾子を指定してシステム全体の省略時の設定値を指定する場合, 指定可能な最大値は127です。

/BUFFER_COUNT修飾子を使用する場合には, 省略時の値が適用されるファイルのタイプを指定するために,/DISK修飾子, /INDEXED修飾子,/MAGTAPE修飾子,/RELATIVE修飾子,/SEQUENTIAL修飾子, および/UNIT_ RECORD修飾子を適用できます。 これらの修飾子を指定せずに,/BUFFER_ COUNT修飾子だけを指定する場合には, /SEQUENTIAL修飾子であると解釈されます。つまり,順編成ファイルに適用されます。

マルチバッファ数についての詳細は, 『OpenVMS Record Management Services Reference Manual』 のRAB$B_MBFの説明を参照してください。

/DISK

指定した省略時の値が,ディスク装置でのファイル操作に使用されることを指定します。 /SEQUENTIAL修飾子で指定された値は,/DISK修飾子で指定された値に優先します。

/EXTEND_QUANTITY=n

順編成ファイルが拡張される際のブロック数(n)を指定します。 指定できる値は,0から65535までの範囲です。 この値を指定しない場合や,0を指定する場合には, OpenVMS RMSが独自の方法で拡張サイズを計算します。 プログラムに拡張サイズを指定していない場合に, /EXTEND_QUANTITY修飾子の値が使用されます。

/INDEXED

指定したマルチバッファの省略時の値が, 索引ファイル操作に使用されることを指定します。

/MAGTAPE

指定したマルチバッファの省略時の値が, 磁気テープ・ボリュームでのファイル操作に使用されることを指定します。 /SEQUENTIAL修飾子で指定された値は,/MAGTAPE修飾子で指定された値に優先します。

/NETWORK_BLOCK_COUNT=数

遠隔ノード上のファイルをネットワークでアクセスするときの, 省略時のブロック数を指定します。指定できる値は,0から127までの範囲です。 この値は,データを送受信するためにOpenVMS RMSが割り当てる, 入出力バッファの数を示します。

遠隔ノード上のファイル・アクセスで使用されるバッファ・サイズは, OpenVMS RMSと遠隔ノードのファイル・アクセス・リスナ (File Access Listener [FAL])の間で決定され, これらの2つのサイズの中で小さい方の値が, バッファ・サイズの値として選択されます。

したがって,/NETWORK_BLOCK_COUNT修飾子の値は, 使用されるネットワーク・バッファ・サイズの上限値となります。 また,遠隔ノードのファイルとの間で転送できる, 最大レコードの上限値(512 * NETWORK_BLOCK_ COUNT)も設定します。 つまり,転送できる最大レコードは,この値以下でなければなりません。

この値を指定しない場合や0を指定する場合には,OpenVMS RMSは, システム全体で使用されるブロック数の値を使用します。 この値も0の場合には,OpenVMS RMSは,1ブロックのサイズを使用します。

/PROLOG=n

索引順編成ファイルの,省略時のプロローグ・レベルを指定します。 ただし,指定できる値は0,2,または3です。1は指定できません。 0を指定した場合には,OpenVMS RMSが適切なプロローグ・レベルを設定します。 省略時の値は0です。

/RELATIVE

指定したマルチバッファの省略時の値が, 相対編成ファイルのファイル操作に使用されます。

/SEQUENTIAL (省略時の設定)

指定したマルチバッファの省略時の値が, 順編成ファイルの操作に使用されることを指定します。 /SEQUENTIAL修飾子で指定された値は,/DISK修飾子,/MAGTAPE修飾子, /UNIT_RECORD修飾子による指定に優先します。

/RELATIVE修飾子も,/INDEXED修飾子を指定していない場合には, 省略時の値として,/SEQUENTIAL修飾子が適用されます。

/SYSTEM

CMKRNL(カーネルへのモード変更)特権が必要です。

指定した省略時の値が, システム全体のすべてのファイル操作に使用されることを指定します。

システム・パラメータを使用すると,システム全体に対して操作できます。 システムを再ブートした後も設定を保存したい場合は, SYSGENを使用してシステム・パラメータ・ファイルに書き込んでおく必要があります。

/UNIT_RECORD

マルチバッファの省略時の値が, レコード単位取り扱い装置のファイル操作に使用されることを指定します。 /SEQUENTIAL修飾子で指定された値は, /UNIT_RECORD修飾子で指定された値に優先します。

  1. $ SET RMS_DEFAULT/BLOCK_COUNT=24
    $ SHOW RMS_DEFAULT
    
            MULTI- |              MULTIBUFFER COUNTS            | NETWORK
            BLOCK  | Indexed Relative         Sequential        |  BLOCK
            COUNT  |                  Disk Magtape  Unit Record |  COUNT
    Process  24    |    0        0      0     0          0      |    0
    System   16    |    0        0      0     0          0      |    8
    
             Prolog    Extend Quantity
    Process    0              0
    System     0              0
    
    マルチ・ブロック数を明示的に指定しないプログラムに対して, ディスク・ファイル入出力のマルチ・ブロック数を,24に設定します。 現在のプロセスにのみ適用されます。

  2. $ SET RMS_DEFAULT/BUFFER_COUNT=8/MAGTAPE
    $ SHOW RMS_DEFAULT
    
            MULTI- |              MULTIBUFFER COUNTS            | NETWORK
            BLOCK  | Indexed Relative         Sequential        |  BLOCK
            COUNT  |                  Disk Magtape  Unit Record |  COUNT
    Process  24    |    0         0     0     8          0      |    0
    System   16    |    0         0     0     0          0      |    8
    
             Prolog    Extend Quantity
    Process    0              0
    System     0              0
    
    磁気テープ入出力操作に対する,省略時のマルチバッファ数を8に設定します。

  3. $ SET RMS_DEFAULT/BUFFER_COUNT=7/NETWORK_BLOCK_COUNT=16/SYSTEM
    $ SHOW RMS_DEFAULT
            MULTI- |              MULTIBUFFER COUNTS            | NETWORK
            BLOCK  | Indexed Relative         Sequential        |  BLOCK
            COUNT  |                  Disk Magtape  Unit Record |  COUNT
    Process  24    |    0        0      0     8          0      |    0
    System   16    |    0        0      7     7          7      |    16
    
             Prolog    Extend Quantity
    Process    0              0
    System     0              0
    
    ディスク,磁気テープ,およびレコード単位取り扱い装置上の, すべての順編成ファイル操作について, システム全体で使用される省略時のマルチ・ブロック数を7に設定します。 また,ネットワーク・ブロック数を16に設定しています。

  4. $ SET RMS_DEFAULT/EXTEND=50/INDEXED/BUFFER_COUNT=5
    $ SHOW RMS_DEFAULT
    
            MULTI- |              MULTIBUFFER COUNTS            | NETWORK
            BLOCK  | Indexed Relative         Sequential        |  BLOCK
            COUNT  |                  Disk Magtape  Unit Record |  COUNT
    Process  24    |    5         0     0     8          0      |    0
    System   16    |    0         0     7     7          7      |    16
    
             Prolog    Extend Quantity
    Process    0             50
    System     0              0
    
    索引順編成ファイルに対する, 入出力操作のマルチバッファ数の省略時の値を5にします。 また,順アクセス時のファイル拡張サイズの省略時の値を50ブロックに設定します。 これらの設定は,現在のプロセスのみに適用され, 明示的にマルチブロック数を指定しないプログラムの, ディスク・ファイル操作時に使用されます。

  5. $ SET RMS_DEFAULT/PROLOG=2
    $ SHOW RMS_DEFAULT
    
            MULTI- |              MULTIBUFFER COUNTS            | NETWORK
            BLOCK  | Indexed Relative         Sequential        |  BLOCK
            COUNT  |                  Disk Magtape  Unit Record |  COUNT
    Process  24    |    5        0      0     8          0      |    0
    System   16    |    0        0      7     7          7      |    16
    
             Prolog    Extend Quantity
    Process    2             50
    System     0              0
    
    現在のプロセスで, 索引順編成ファイルの省略時のプロローグ・レベルを2に設定しています。


SET SECURITY

オブジェクトの機密保護プロファイルを変更します。

フォーマット

     SET SECURITY  オブジェクト名 

パラメータ

オブジェクト名

ファイル,装置等の機密プロファイルを変更したいオブジェクトの名前を指定します。 オブジェクトは,名前とクラスで識別されます。省略時の設定のクラス名はFILEです。

(直接/間接指定を問わず)FILEクラスのオブジェクト名には, ワイルドーカード文字が使用できますが,他のクラスでは使用できません。 SET SECURITYコマンドは,遠隔ファイルや装置, 別名のディレクトリやUIC形式のディレクトリ名([14,5]等)には使用できません。

説明

SET SECURITYコマンドは,オブジェクトの機密保護プロファイルを変更します。 プロファイルには,次の要素があります。

コマンドは,3通りの方法で使用できます。

機密保護プロファイルを変更するには, オブジェクトに対する制御アクセス権が必要です。 ACLが明示的に制御アクセスを許可するのに対し,保護コードは, 所有者またはシステムのカテゴリに属する者に暗黙的に制御アクセスを許可します。 オブジェクトのアクセス中にオブジェクト・プロファイルを変更しても, 既存のアクセスは影響されません。

次の表に,オブジェクト・クラスとそれがサポートするアクセス・タイプを示します。

オブジェクト・クラス アクセス・タイプ
CAPABILITY (VAXのみ) Use,Control
COMMON_EVENT_FLAG_CLUSTER Associate,Delete,Control
DEVICE Read,Write,Physical,Logical,Control
FILE (ディレクトリ・ファイルも含む) Read,Write,Execute,Delete,Control
GROUP_GLOBAL_SECTION Read,Write,Execute,Control
ICC_ASSOCIATION [1] Open,Access,Control
LOGICAL_NAME_TABLE Read,Write,Create,Delete,Control
QUEUE Read,Submit,Manage,Delete,Control
RESOURCE_DOMAIN Read,Write,Lock,Control
SECURITY_CLASS Read,Write,Control,Logical I/O,Physical I/O
SYSTEM_GLOBAL_SECTION Read,Write,Execute,Control
VOLUME Read,Write,Create,Delete,Control
[1] クラス ICC_ASSOCIATION は特別なセマンティックスを持っています。すなわち, このクラスには永続的なオブジェクトと一時的なオブジェクトの両方があります。 永続的なオブジェクトは, コマンド・プロシージャのSYS$MANAGER:ICC$CREATE_SECURITY_OBJECT.COMを使用して作成されます。 SET SECURITY コマンドは, ICC_ASSOCIATION の永続的および一時的セキュリティ・オブジェクトの両方に適用されます。

保護されたオブジェクトとその変更方法についての詳細は, 『OpenVMS Guide to System Security』を参照してください。

表 18-6に,SET SECURITYコマンドの修飾子カテゴリを示します。 表 18-6に続いて,修飾子がアルファベト順に説明されています。

表 18-6 SET SECURITYの修飾子カテゴリ

一般修飾子 ACL変更修飾子 機密保護クラス修飾子 ファイル固有修飾子 転送修飾子
/ACL
/CLASS
/LOG
/OWNER
/PROTECTION
/AFTER
/DELETE
/EDIT
/REPLACE
/PROFILE /BACKUP
/BEFORE
/BY_OWNER
/CONFIRM
/CREATED
/DEFAULT
/EXCLUDE
/EXPIRED
/MODIFIED
/SINCE
/STYLE
/COPY_ATTRIBUTE/LIKE

修飾子

/ACL[=(ace[,...])]

追加,置換,または削除したいアクセス制御エントリを指定します。 複数指定する場合は,コンマで区切り全体を括弧で囲んでください。 良く使われる識別ACEの形式は,IDENTIFIER=識別子, ACCESS=アクセス・タイプ(+...)です。 省略時の設定では,ACEは ACLの先頭に挿入されますが, /AFTER, /DELETE,や/REPLACE修飾子を指定した場合は異なります。 ACLの順序については『OpenVMS Guide to System Security』を参照してください。

/AFTER=ace

/ACL修飾子で指定されたすべてのACEを /AFTER修飾子で指定されたACEの後ろに挿入します。

/BACKUP

/BEFORE, /SINCE修飾子とともに使用し, 最新バックアップ日付によるファイル選択を行います。 省略時の設定では,ファイル作成日による選択となります。

/BEFORE[=時刻]

指定時刻以前のファイルを選択します。時刻には,絶対時刻, または絶対時刻と相対時刻あるいは,キーワードBOOT, LOGIN, TODAY(省略時の設定), TODAY, TOMORROWを指定できます。 選択に使われる時刻属性の表示には, /CREATEDあるいは/MODIFIED修飾子を指定してください。 /CREATE修飾子が省略時の設定です。

値の指定についての詳細は,『OpenVMSユーザーズ・マニュアル』 またはオンライン・ヘルプの DCL_Tips トピック (Date_Time サブトピック) を参照してください。

/BY_OWNER[=uic]

所有者が指定UICに一致するファイルを選択します。 UIC値を省略した場合,現在のプロセスのUICとなります。

/CLASS=クラス名

クラス名を指定します。省略時の設定はFILEです。

/CONFIRM

処理実行前に確認を求めるプロンプトを表示します。 有効な応答は,YES, NO, TRUE,またはFALSEです。 応答は大文字と小文字を区別しません。また,1文字までに省略可能です。 コマンドの処理を中止したい場合はQUITまたは[Ctrl/Z]を, 確認応答のみをキャンセルしたい(ただし処理は続行させたい)場合は ALLと入力してください。

/COPY_ATTRIBUTE=(キーワード[,...])

ソースオブジェクトからターゲットに複写する機密保護要素を, 次のキーワードを使用して指定します。

キーワード 説明
ALL (省略時の設定) 全要素をコピーする
ACL アクセス制御リストをコピーする
OWNER 所有者をコピーする
PROTECTION 保護コードをコピーする

/COPY_ATTRIBUTEは/LIKE修飾子とともに使用して, 1オブジェクトにACLを作成後他のオブジェクトにコピーできます。

/CREATED

/BEFORE, /SINCE修飾子とともに使用し, ファイル作成日によるファイル選択を行います。 省略時の設定では,ファイル作成日による選択となります。

/DELETE[=ALL]

/ACL修飾子に指定されているアクセス制御エントリ(ACE)を以下のように削除します。

/DEFAULT

ファイルの機密プロファイルを再作成します。 保護コード,ACL,所有者をファイル作成直後の状態に戻します。 プロファイルは以下のように再作成されます。

サブディレクトリファイルには,親ディレクトリの所有者,保護コード, およびACL要素が設定されます。

ソースオブジェクトのACEに非伝搬属性が設定されているか, ターゲット・オブジェクトのACEに保護属性が設定されている場合, ACEはコピーされません。 全バージョンのファイルに設定するには,「;*」を指定してください。 詳細は,『OpenVMS Guideto System Security』を参照してください。

/EDIT

アクセス制御エディタ(ACLエディタ)を起動し,会話型でACLを変更します。 オブジェクト名にワイルドカード文字は使用できません。 ACLを変更するオブジェクト名は必ず指定してください。

/EDIT修飾子は,コマンド行に指定する修飾子の先頭でなければなりません。 同時に指定可能な修飾子は,/CLASS修飾子とオブジェクトが SECURITY_CLASSクラスの場合の /PROFILE修飾子です。 FILE以外のクラスの場合,必ず/CLASS修飾子を指定しなければなりません。

詳細は,『OpenVMSシステム管理ユーティリティ・リファレンス・マニュアル』の ACLエディタの説明を参照してください。

/EXCLUDE=(ファイル指定[,...])

選択しないファイルを指定します。ディレクトリは指定できますが, 装置は指定できません。また,特定のバージョンを指定するために, 相対バージョン番号を指定することはできません。

/EXPIRED

/BEFORE修飾子, /SINCE修飾子とともに使用し,満了日付によるファイル選択を行います。 満了日付は,SET FILE/EXPIRATION_DATEコマンドで設定します。 省略時の設定では,ファイル作成日による選択となります。

/LIKE=(NAME=ソース・オブジェクト名
[,CLASS=ソース・オブジェクト・クラス]
[,PROFILE=TEMPLATE=テンプレート名])

機密要素をコピーするオブジェクトを指定します。 既存の要素はソース・オブジェクトのものに置換されます。 ただし,非伝搬ACEはコピーされず,保護ACEも削除されません。 /COPY_ATTRIBUTE修飾子とともに使用します。 非伝搬ACEおよび保護ACEの特殊な扱いについての詳細は, 『OpenVMS Guide to System Security』を参照してください。

ソース・オブジェクトのオブジェクト・クラスが, ターゲット・オブジェクトの省略時の設定のクラスになります。 /CLASS修飾子が指定されない場合,CLASSキーワードはFILEになります。

PROFILEキーワードは機密クラスオブジェクトに適用され, どのテンプレートをコピーし変更するかを指定します。 /PROFILE修飾子を参照してください。

/LOG

変更されたオブジェクトを表示します。/EDIT修飾子とは同時に指定できません。

/MODIFIED

/BEFORE修飾子, /SINCE修飾子とともに使用し, 更新日付によるファイル選択を行います。 省略時の設定では,ファイル作成日による選択となります。

/OWNER=識別子

同一グループの別のメンバに所有者を設定するには,GRPPRV(グループ特権)を必要とします。 グループ以外の任意のUIC(ユーザ識別コード)に所有者を設定するには, SYSPRV(システム特権)を必要とします。

オブジェクトの所有者を変更します。標準形式のUICか一般識別子を指定します。 通常特権が必要となります。詳細は『OpenVMS Guide to System Security』 を参照してください。

/PROFILE=TEMPLATE[=テンプレート名]

変更する機密クラス・オブジェクトのテンプレート・プロファイルを指定します。 FILE以外のオブジェクト・クラスは最低1つのテンプレート・プロファイルを持っています。 このテンプレート・プロファイルは, オブジェクト作成時のプロファイルの省略時の設定値を持っています。 テンプレート名は,SHOW SECURITY/CLASS=SECURITY_CLASSコマンドで参照できます。 テンプレート名が指定されない場合はDEFAULTを使用します。 変更したいプロファイルは,/CLASS=SECURITY_CLASS修飾子で指定します。

/PROTECTION=(所有区分[:アクセス][,...])

DECnetソフトウェアを使用して, ファイルの保護を変更するために使用することはできません。

オブジェクトの保護コードを修正します。 保護コードは,ユーザのアクセスが許可されるるタイプをオブジェクトの所有者への関係に基づいて定義します。

所有者パラメータを,システム(S),オーナ(O),グループ(G), またはワールド(W)として指定します。

アクセス・タイプはクラス固有です。詳細は説明セクションの記述を参照してください。 アクセスには,アクセス名の最初の文字を指定します。 保護コードの指定例は,例セクションを参照してください。

/REPLACE=(ace[,...])

/ACL修飾子で指定されたACEを/REPLACE修飾子で指定されたACEに置換します。 /REPLACEで指定されたACEは,最後に削除されたACEの位置に挿入されます。

/SINCE[=時刻]

指定時刻以降のファイルを選択します。 時刻には,絶対時刻,または絶対時刻と相対時刻あるいは, キーワードBOOT, LOGIN, TODAY(省略時の設定),TODAY, TOMORROWを指定できます。 選択に使われる時刻属性の表示には, /CREATEDあるいは/MODIFIED修飾子を指定してください。 /CREATE修飾子が省略時の設定です。

値の指定についての詳細は,『OpenVMSユーザーズ・マニュアル』 またはオンライン・ヘルプの DCL_Tips トピック (Date_Time サブトピック) を参照してください。

/STYLE=キーワード

表示するファイル名の書式を指定します。

この修飾子のキーワードはCONDENSEDおよびEXPANDEDです。 意味は次の表のとおりです。

キーワード 説明
CONDENSED
(省略時の設定)
ファイル名を255文字長の文字列に適合するように表示します。 このファイル名の場合,ファイル指定にDIDあるいはFID短縮形を含むことが可能です。
EXPANDED ファイル名をディスクに格納されているとおりに表示します。 このファイル名の場合,ファイル指定にDIDあるいはFID短縮形は含みません。

キーワードはCONDENSEDとEXPANDEDを同時に指定することはできません。 この修飾子は,確認が要求された場合に, 出力メッセージに表示されるファイル名の書式を表わしています。

EXPANDEDキーワードが指定されていない場合, ファイル・エラーはCONDENSEDファイル指定で表示されます。

詳細は『OpenVMS Extended File Specificationsの手引き』を参照してください。

  1. $  SHOW SECURITY LNM$GROUP /CLASS=LOGICAL_NAME_TABLE
    
    LNM$GROUP object of class LOGICAL_NAME_TABLE
    
         Owner: [SYSTEM]
         Protection: (System: RWCD, Owner: R, Group: R, World: R)
         Access Control List:
              (IDENTIFIER=[USER,SMITH],ACCESS=CONTROL)
    
    $  SET SECURITY LNM$GROUP /CLASS=LOGICAL_NAME_TABLE -
    _$      /ACL=((IDENTIFIER=CHEKOV,ACCESS=CONTROL), -
    _$            (IDENTIFIER=WU,ACCESS=READ+WRITE)) -
    _$       /DELETE=ALL -
    _$       /PROTECTION=(S:RWCD, O:RWCD, G:R, W:R)
    
    $  SHOW SECURITY LNM$GROUP /CLASS=LOGICAL_NAME_TABLE
    
    LNM$GROUP object of class LOGICAL_NAME_TABLE
    
         Owner: [SYSTEM]
         Protection: (System: RWCD, Owner: RWCD, Group: R, World: R)
         Access Control List:
              (IDENTIFIER=[USER,CHEKOV],ACCESS=CONTROL)
              (IDENTIFIER=[USER,WU],ACCESS=READ+WRITE)
    
    この例は,直接オブジェクトの機密保護要素を変更する方法を示しています。 最初のSHOW SECURITYコマンドで論理名テーブルLNM$GROUPの設定を確認し, 次のSET SECURITYコマンドでユーザChekovに制御アクセス権を与え, ユーザWuに読み取り/書き込みアクセス権を与えています。 /DELETE=ALL修飾子を指定しない場合は, これらのACEは既存のものを置き換えるのではなく追加されるので注意してください。 また,保護コードも所有者に読み込み,書き込み,作成, 削除の各アクセスを許可するよう変更しています。 最後のコマンドで変更を確認しています。

  2. $  SHOW SECURITY LNM$GROUP /CLASS=LOGICAL_NAME_TABLE
    
    LNM$GROUP object of class LOGICAL_NAME_TABLE
    
         Owner: [SYSTEM]
         Protection: (System: RWCD, Owner: R, Group: R, World: R)
         Access Control List:
              (IDENTIFIER=[USER,FERNANDEZ],ACCESS=CONTROL)
    
    $  SHOW SECURITY LNM$JOB /CLASS=LOGICAL_NAME_TABLE
    
    LNM$JOB object of class LOGICAL_NAME_TABLE
    
         Owner: [USER,WEISS]
         Protection: (System: RWCD, Owner: RWCD, Group, World)
         Access Control List:  <empty>
    
    $  SET SECURITY LNM$JOB /CLASS=LOGICAL_NAME_TABLE -
    _$      /LIKE=(NAME=LNM$GROUP, CLASS=LOGICAL_NAME_TABLE) -
    _$      /COPY_ATTRIBUTES=PROTECTION
    $  SET SECURITY LNM$JOB /CLASS=LOGICAL_NAME_TABLE -
    _$      /ACL=(IDENTIFIER=FERNANDEZ, ACCESS=READ)
    
    $  SHOW SECURITY LNM$JOB /CLASS=LOGICAL_NAME_TABLE
    
    LNM$JOB object of class LOGICAL_NAME_TABLE
    
         Owner: [USER,WEISS]
         Protection: (System: RWCD, Owner: R, Group: R, World: R)
         Access Control List:
              (IDENTIFIER=[USER,FERNANDEZ],ACCESS=READ)
    
    この例は,機密アクセス情報をコピーすると同時に, 明示的に機密保護要素を設定する方法を示しています。 最初のSHOW SECURITYコマンドで論理名テーブルLNM$GROUPと LNM$JOBの設定を確認しています。 次のSET SECURITYコマンドで保護コードをLNM$GROUPからLNM$JOBへコピーし, 一人のユーザに読み込みアクセス権を与えるACEを追加しています。 最後のコマンドで変更を確認しています。

  3. $  SHOW SECURITY SECURITY_CLASS /CLASS=SECURITY_CLASS
    
    SECURITY_CLASS object of class SECURITY_CLASS
    
         Owner: [SYSTEM]
         Protection: (System: RWED, Owner: RWED, Group: R, World: R)
         Access Control List:  <empty>
    
      Template: DEFAULT
    
         Owner: [SYSTEM]
         Protection: (System: RWED, Owner: RWED, Group, World: RE)
         Access Control List:   <empty>
    
    $  SET SECURITY SECURITY_CLASS /CLASS=SECURITY_CLASS -
    _$      /PROFILE=TEMPLATE=DEFAULT -
    _$      /PROTECTION=(S:RWE, O:RWE, G:RE)
    
    $  SHOW SECURITY SECURITY_CLASS /CLASS=SECURITY_CLASS
    
    SECURITY_CLASS object of class SECURITY_CLASS
         Owner: [SYSTEM]
         Protection: (System: RWED, Owner: RWED, Group: R, World: R)
         Access Control List:  <empty>
    
      Template: DEFAULT
    
         Owner: [SYSTEM]
         Protection: (System: RWE, Owner: RWE, Group: RE, World: RE)
         Access Control List:  <empty>
    
    この例は,機密クラス・オブジェクトのテンプレートを変更する方法を示しています。 最初のコマンドでSECURITY_CLASSオブジェクトの設定を確認しています。 次のコマンドで「DEFAULT」テンプレートの保護コードを (S:RWE, O:RWE, G:RE)に変更しています。 最後のコマンドで変更を確認しています。World:REの保護コードは変更されていません。

  4. $  DIRECTORY/SECURITY
    
    Directory DKA:[DATA]
    
    FILE001.DAT;1     [SYSTEM]                           (RWED,RWED,RE,)
    
    Total of 1 file.
    
    $  SET SECURITY/CLASS=FILE/PRPTECTION=(WORLD:RE)/LOG FILE001.DAT
    %SET-I-MODIFIED, DKA200:[DATA]FILE001.DAT:1 modified
    
    $  DIRECTORY/SECURITY
    
    Directory DKA200:[DATA]
    
    FILE001.DAT;1        [SYSTEM]                       (RWED,RWED,RE,RE)
    
    Total of 1 file.
    $
    
    この例は,オブジェクトにUICベースの保護コードを設定する方法を示しています。 最初のDIRECTORYコマンドで,FILE001.DATファイルの現在の保護設定を表示します。 SET SECURITYコマンドで,そのファイルの保護コードを変更して, すべてのユーザに対して読み込みおよび実行アクセスを可能としています。 最後のコマンドで,変更結果を表示します。


SET SERVER

機密保護サーバの起動,停止,再起動を行います。 機密保護サーバは,システム侵入や代理データベース等の管理を行います。

フォーマット

     SET SERVER  サーバ名 

パラメータ

サーバ名

サーバ名はSECURITY_SERVERでなければなりません。

説明

SET SERVERコマンドは,システム管理者に機密保護サーバを起動,終了, および再起動する手段を提供します。機密保護サーバは, システム侵入データベースおよびシステム代理データベースに保存された情報を維持します。

システム侵入データベースは,LOGINOUT,DECnet/OSI,DECwindows, SHOW INTRUSION,DELETE INTRUSION, およびその他のアプリケーションによって使用されます。 システム侵入データベース,および$DELETE_ INTRUSION,$SCAN_INTRUSION, $SHOW_INTRUSIONの各システム・サービスについての詳細は, 『OpenVMS System Services Reference Manual』を参照してください。 詳細は,『OpenVMS Guide to System Security』を参照してください。

システム代理データベースは,AUTHORIZE,DECnet/OSI,DFS, およびその他のアプリケーションによって, ネットワーク代理データベースに保存された情報にアクセスするために使用されます。 補足情報については, 『OpenVMSシステム管理ユーティリティ・リファレンス・マニュアル』 を参照してください。『OpenVMS System Services Reference Manual』 の $ADD_PROXY,$DELETE_PROXY,$DISPLAY_PROXY, $VERIFY_PROXYの各システム・サービスも参照してください。

修飾子

/EXIT

機密保護サーバを停止させます。

/RESTART

機密保護サーバを再起動させます。

/START

機密保護サーバを起動させます。

  1. $ SET SERVER SECURITY_SERVER/START
    
    機密保護サーバを(独立プロセスとして)起動させます。

  2. $ SET SERVER SECURITY_SERVER/EXIT
    
    機密保護サーバを停止させます。

  3. $ SET SERVER SECURITY_SERVER/RESTART
    
    機密保護サーバを再起動させます。


SET SYMBOL

コマンド・プロシージャ内で, ローカル・シンボルあるいはグローバル・シンボルへのアクセスを制御します。

フォーマット

     SET SYMBOL 

説明

SET SYMBOLコマンドは,シンボルを未定義と見なして, コマンド・プロシージャでのローカル・シンボルとグローバル・シンボルのアクセスを制御します。 外側のプロシージャ・レベルで定義されたすべてのグローバル・シンボルとローカル・シンボルは, 内部のプロシージャ・レベルでアクセスできるため,通常, これらのシンボルを削除しないでマスクする必要があります。

SET SYMBOLコマンドは,DCLがコマンド行を処理する前に, 動詞文字列(コマンド行上の最初のトークン) をシンボルとして変換するかどうかも制御します。 省略時の設定では,変換が試みられます。 この動作を変更すると,コマンドを起動したときに, コマンド・プロシージャが外側のプロシージャ・レベル環境から影響されないという利点があります。

シンボルの有効範囲コンテキストは, ローカル・シンボルとグローバル・シンボルとで異なります。 ローカル・シンボルは,プロシージャ・レベルで独立です。 外側のサブルーチン・レベルで定義されたローカル・シンボルは, 内側のどのサブルーチン・レベルでも読み込めますが,書き込めません。 外側のサブルーチン・レベルでローカル・シンボルに値を割り当てると, 現在のサブルーチン・レベルで新しいシンボルが作成されます。 ただし,外部のプロシージャ・レベルのシンボルは,変更されません。

つまり,SET SYMBOL/SCOPE=NOLOCALコマンドは, 外側のプロシージャ・レベルで定義されたすべてのローカル・シンボルを, 現在のプロシージャ・レベル, および任意の内側のレベルからアクセスできないようにします。たとえば, SET SYMBOL/SCOPE=NOLOCALコマンドをプロシージャ・レベル2および4で指定すると, プロシージャ・レベル2では, レベル2のローカル・シンボルだけを読み込むことができます(書き込みはできません)。 レベル3では,レベル2のローカル・シンボルを読み込むことができ (書き込みはできません),レベル3のローカル・シンボルを読み込み/書き込みできます。 レベル4では,レベル4のローカル・シンボルだけを読み込み/書き込みできます。

グローバル・シンボルは,プロシージャ・レベルで独立しています。 現在のグローバル・シンボルの有効範囲コンテキストは, 以後すべてのプロシージャ・レベルに適用されます。 /SCOPE=NOGLOBAL修飾子を指定すると,/SCOPE=GLOBAL修飾子を指定するか, プロシージャが終了してグローバル・シンボルをアクセスできる前のレベルに戻るまで, すべてのグローバル・シンボルは以後のすべてのコマンドからアクセスできなくなります。 また,/SCOPE=NOGLOBAL修飾子を指定すると,/SCOPE=GLOBAL修飾子を指定するまで, 新しいグローバル・シンボルを作成できなくなります。

あるプロシージャ・レベルを終了して前のプロシージャに戻ると, ローカル・シンボルとグローバル・シンボルの両方に対して, 前のレベルからの有効範囲コンテキストが回復されます。

現在のシンボルの有効範囲状態を表示するには, レキシカル関数 F$ENVIRONMENT("SYMBOL_SCOPE")を使用します。

修飾子

/ALL (省略時の設定)

/SCOPE修飾子で指定した値が,コマンド行の最初のトークンの変換と, シンボル置換全般に適用されます。

/ALL修飾子は,/GENERALや/VERB修飾子と同時に指定できません。

/GENERAL

/SCOPE修飾子で指定した値が, コマンド行の最初のトークンの展開を除いたシンボル置換全般に適用されます。

/GENERAL修飾子は,/ALLや/VERB修飾子と同時に指定できません。

/SCOPE=(キーワード,...)

ローカルおよびグローバル・シンボルへのアクセスを制御します。 未定義のシンボルとして扱います。指定できるキーワードを次に示します。

NOLOCAL 外側のプロシージャ・レベルで定義されたすべてのローカル・シンボルが, 現在のプロシージャと内側のすべてのプロシージャ・レベルで未定義であるものとして扱われます。
LOCAL 現在のプロシージャ・レベルで設定された任意のシンボル変換制限を解除します。
NOGLOBAL 変更されるまで,すべてのグローバル・シンボルが, 現在のプロシージャ・レベルと内側のすべてのプロシージャ・レベルでアクセスできないようにします。
GLOBAL すべてのグローバル・シンボルへのアクセスを元に戻します。

/VERB

/SCOPE修飾子で指定した値が, コマンド行の最初のトークンの変換にのみ適用されることを指定します。 シンボル置換全般には適用されません。

注意
1つのコマンド・プロシージャ内で SET SYMBOL/VERB/SCOPEコマンドが2度以上使用されると警告が発せられます。 DCLがラベルやサブルーチンの検索に変換動作を使用しているので, これがモードごとに変わってしまう可能性があるからです。 SET SYMBOL/VERB/SCOPEコマンドは,プロシージャのセットアップ時の一回だけにして, プロシージャ内ではそのモードを変更しないことをおすすめします。


/VERB修飾子は,/ALLや/GENERAL修飾子と同時に指定できません。

  1. $ SET SYMBOL/SCOPE=NOLOCAL
    
    外側のプロシージャ・レベルで定義されたローカル・シンボルはすべて, 現在のプロシージャとすべての内側のプロシージャ・レベルでは,未定義となります。

  2. $ SET SYMBOL/SCOPE=NOGLOBAL
    
    もし他の方法で変更されなかったならば,すべてのグローバル・シンボルは, 現在のプロシージャ・レベルとすべての内側のプロシージャ・レベルではアクセスできません。

  3. $ NOW :== SHOW TIME
    $ !
    $ NOW
       7-APR-1994 11:48:58
    $ !
    $ SET SYMBOL /VERB /SCOPE=NOGLOBAL
    $ NOW
    %DCL-W-IVVERB, unrecognized command verb-check validity and spelling
     \NOW\
    $ !
    $ SHOW SYMBOL NOW
      NOW == "SHOW TIME"
    
    この例は,/VERB修飾子の使用方法を説明します。

    シンボルNOWにSHOW TIMEが代入され,次の行で省略時設定の動作が示されています。 ここでは,DCLは,コマンド行の最初の文字列(NOW)を置換して, SHOW TIMEコマンドを実行しています。

    次のSET SYMBOLコマンドで,DCLがシンボル置換しないように指定します。 そのため,文字列NOWが動詞として評価され, コマンド・テーブルにないためエラー・メッセージが返されます。

    次のSHOW SYMBOLコマンドで示されるように,/VERB修飾子による動詞変換は, シンボル置換全般には影響しません。


SET TERMINAL

ターミナルの属性を設定します。 指定した修飾子に対応する属性のみ変更され,指定されないものは変更されません。

フォーマット

     SET TERMINAL  [装置名[:]] 

パラメータ

装置名[:]

属性を変更するターミナルの名前を指定します。 装置名を指定しない場合,この修飾子は, 現在のSYS$COMMAND装置がターミナルの場合には,その装置の属性を変更します。 現在のSYS$COMMAND装置がターミナルではない場合には, システムはエラー・メッセージを表示します。

説明

SET TERMINALコマンドは, 特定のアプリケーションの特定のターミナル属性を修正したり, またはシステムの省略時属性を上書きしたりします。これらの省略時の設定は, 使用される端末の最も共通するタイプに基づいて,システムごとに定義されます。 省略時のターミナル属性を,図 18-2に示します。

ローカルのまたは遠隔のターミナル属性は, モデム属性が許可されている端末のターミナル・ドライバによって, 自動的に判定されます。これらの属性は,SET TERMINALコマンドの影響を受けません。 たとえば,OpenVMSシステム・プロセッサに正常にダイアル・インすると, 端末が遠隔として設定されます。 ハングアップすると,ターミナル属性はローカルに再設定されます。

OpenVMSシステムによってサポートされる端末には, 特殊なDEC ANSI属性とエスケープ・シーケンスをサポートする VT100ファミリー端末があります。 これらの特殊な属性とエスケープ・シーケンスの説明については, 『OpenVMS Wide Area Network I/O User's Reference Manual』を参照してください。

図 18-2 省略時のターミナル属性

修飾子

/ADVANCED_VIDEO
/NOADVANCED_VIDEO

ターミナルが拡張ビデオ属性を持つかどうかを制御し, また132桁表示が可能かどうかを指定します。 ターミナルの幅が132桁に設定され, /ADVANCED_VIDEO修飾子が指定されている場合には, ターミナルのページ・リミットは24行に設定されます。 /NOADVANCED_VIDEO修飾子が指定されている場合には, ターミナルのページ・リミットは14行に設定されます。

/ALTYPEAHD

ターミナル・ドライバに永久的な,代替の先読みバッファを作成させます。 システムパラメータTTY_ALTYPAHDが,この先読みバッファのサイズを決定します。 この設定は,次にログインするときにも有効ですが, システムが再ブートされると無効になります。

/ALTYPEAHD修飾子を有効にするには,/TYPE_AHEADも同時に指定しなければなりません。

この機能を必要とする通信回線の場合,SYS$SYSTEM:SYSTARTUP_VMS.COMに SET TERMINAL/PERMANENT/ALTYPEAHDを指定します。

この機能を会話型モードで使用するためには, SET TERMINAL/PERMANENT/ALTYPEAHDを指定します。 このように指定すると,次にログインする際に有効になります。

/ANSI_CRT (省略時の設定)
/NOANSI_CRT

ターミナルが,ANSI CRTプログラミング標準規格に準拠するかどうかを指定します。 ANSI標準規格は,DEC_CRT属性の一部であり, VT100ファミリのすべてのターミナルの省略時の値は,/ANSI_CRTです。

/APPLICATION_KEYPAD

キーパットが,アプリケーション・キーパッド・モードに設定されます。 このモードでは,DEFINE/KEYコマンドで定義したDCLコマンドを使用できます。 省略時の状態では,ターミナルは数値キーパッド・モードに設定されています。

/AUTOBAUD
/NOAUTOBAUD

ログイン時に,ターミナルのボー・レートを9600ボーに設定するかどうかを制御します。 ログイン時にボー・レートを正しく設定するためには,少なくとも1秒間隔で, 2回以上RETURNキーを押します。RETURN以外のキーを押すと, /AUTOBAUD修飾子は誤ったボー・レートを検出する可能性があります。 この場合には,ログイン手順を継続せずに, タイム・アウト(時間切れ)になるのを待ちます。 /AUTOBAUD修飾子は,/PERMANENT修飾子とともに使用します。

設定できるボー・レートは次のとおりです。

      50       150       1800       4800       38400
      75       300       2000       7200       57600
     110       600       2400       9600       76800
     134      1200       3600      19200      115200

/BLOCK_MODE
/NOBLOCK_MODE

ターミナルが,ブロック・モード転送,ローカル編集, およびフィールド保護を実行するかどうかを指定します。

/BRDCSTMBX
/NOBRDCSTMBX

対応するメールボックスがある場合に,ブロードキャスト・メッセージを, そこに送るかどうかを指定します。

/BROADCAST (省略時の設定)
/NOBROADCAST

ターミナルが,MAIL通知や REPLYメッセージなどのブロードキャスト・メッセージを受信できるかどうかを指定します。 ターミナルを非会話型モードで使用している場合や, 特別な出力がメッセージによって割り込まれとことのないようにする場合には, /NOBROADCAST修飾子を使用します。 また,すべてのメッセージを受信しないようにするのではなく, 特定のメッセージだけをターミナルに送信されないようにする場合には, SET BROADCASTコマンドを使用します。

/COLOR

ターミナルがANSIカラーエスケープシーケンスをサポートする場合, ANSI_COLORターミナル属性を設定します。

/COMMSYNC
/NOCOMMSYNC (省略時の設定)

標準モデム制御信号をフロー制御に使用して, 非同期型のプリンタや装置をターミナル・ポートに接続します。 装置への送信は,DTR (data terminal ready)信号と RTS(request to send)信号のどちらかがOFFになると止まります。 両方の信号がONになると送信は再開します。

/COMMSYNC修飾子と/MODEM修飾子は,同時に使用することはできません。

COMMSYNC機能には,以下の制限があります。


重要
会話型に使用するモデム接続の回線では,使用しないでください。 モデム回線障害時にユーザ・プロセスをターミナル回線から切断するモデム・ターミナル属性が, /COMMSYNC修飾子を指定した場合には無効になるためです。 /COMMSYNC修飾子を指定した場合, 次の呼び出しでターミナル回線は前のユーザ・プロセスに割り当てられます。 機密管理者は, この属性が会話型のターミナル・ポートに使用されないように注意してください。 また,/COMMSYNC修飾子はLAT回線に接続されたポートではサポートされません。


/CRFILL[=フィル・カウント]

RETURNキーを押した後で次に意味ある文字を送信する前に, 指定数の空文字を生成します。 ターミナルが受信状態になるのを確実にするために用います。 指定できる値は,0〜9の整数です。省略時の値は0です。

/DEC_CRT[=(値1,値2,値3)]
/NODEC_CRT[=(値1,値2,値3)]

ターミナルが,DEC VT100, VT200, VT300, VT400, VT500ファミリの標準規格に従うかどうか,また, DECエスケープ・シーケンスを含む最低限の標準規格をサポートするかどうかを指定します。

オプションとして,次の値を指定できます。

1 (省略時の設定) DEC_CRTターミナル属性に設定することを要求します。 これは省略時の値です。
2 DEC_CRT2ターミナル属性に設定することを要求します。
3 DEC_CRT3ターミナル属性に設定することを要求します。 レベル3のターミナルは,以下の機能をサポートします。

  • ステータス・ライン(25行目,画面の最下部)

  • ISO Latin-1文字セット

  • ターミナル状態問い合せ機能
4 DEC_CRT4ターミナル属性に設定することを要求します。 レベル4のターミナルは,以下の機能をサポートします。

  • 拡張キーボード

  • キー・ポジション・モード

  • 保護リセット

  • 初心者モード

  • 選択消去

  • オンライン・トランザクション処理機能(OLTP)

    • ページメモリ

    • 長方形編集

    • テキスト・マクロ

    • データ集約レポート

DEC_CRT2およびDEC_CRT3,DEC_CRT4は,DEC_CRTを含みます。 DEC_CRTをクリアすると,DEC_CRT2およびDEC_CRT3,DEC_CRT4もクリアされます。 同様にDEC_CRT4を設定する場合, DEC_CRT,DEC_CRT2とDEC_CRT3(およびANSI_CRT)も設定されます。

/DEVICE_TYPE=ターミナル・タイプ

ターミナル・タイプを指定し, 指定された装置タイプにしたがってターミナルの属性を設定します。 以下のターミナル・タイプを指定できます。

UNKNOWN
FT1-FT8
LA12
LA34
LA36
LA38
LA100
LA120
LA210
LN01K
LN03
LQP02
PRO_SERIES
VT05
VT52
VT55
VT100
VT101
VT102
VT105
VT125
VT131
VT132
VT173
VT200
VT300
VT400
VT500

VT100, VT102, VT125シリーズ・ターミナルの省略時設定の属性は, 次のようになります。

/ADVANCEDVIDEO /NOALTYPEAHD[1] /ANSI_CRT
/NOAUTOBAUD /NOBLOCK_MODE /NOBRDCSTMBX
/BROADCAST /CRFILL=0 /ECHO
/NOEIGHT_BIT /NOESCAPE /NOFORM
/FULLDUP /NOHOSTSYNC /LFFILL=0
/LOWERCASE /NODMA /PAGE=24
/NOPARITY /NOPASTHRU /NOREADSYN
/SPEED=9600 /TAB /TTSYNC
/TYPE_AHEAD /WIDTH=80 /WRAP
[1] これがシステムにより設定される省略時の設定の属性であり, ユーザは使用できない修飾子です。

設定できるターミナル・タイプと属性の一覧は 図 18-2を参照してください。

/DIALUP
/NODIALUP (省略時の設定)

ターミナルを,電話回線使用ターミナルに指定します。

/DISCONNECT
/NODISCONNECT (省略時の設定)

回線が切断された場合に, このターミナルに接続されているプロセスを切断するかどうか指定します。 /DISCONNECT修飾子は,/PERMANENT修飾子が指定されている場合にだけ有効です。

/DISMISS
/NODISMISS (省略時の設定)

エラー状態で現在の入出力を終了させるかわりに,ターミナル・ドライバが, パリティ・エラーを生じるデータを無視するかどうか制御します。

/DMA
/NODMA

ダイレクト・メモリ・アクセス(DMA)機能をサポートするコントローラで, このアクセス・モードを使用するかどうか制御します。

/ECHO (省略時の設定)
/NOECHO

ターミナルが受信した入力行を,エコー表示するかどうかを指定します。 /NOECHO修飾子が設定されている場合には,ターミナルは, システムまたはユーザ・アプリケーション・プログラムが出力したデータのどちらか, またはその両方だけを表示します。

/EDIT_MODE
/NOEDIT_MODE

ターミナルが, ANSI規格によって定義されている拡張編集機能を実行できるかどうかを指定します。

/EIGHT_BIT
/NOEIGHT_BIT

ターミナルが,7ビットではなく, 8ビットのASCIIプロトコルを使用するかどうかを指定します。 ターミナル・フォールバック機能(Terminal Fallback Facility [TFF])を使用すれば, ターミナルに対して8ビット属性を設定できます。 指定したターミナルがこの機能を使用中であれば,/EIGHT_BIT修飾子は無視されます。 ターミナル・フォールバックについての詳細は, 『OpenVMS Terminal Fallback Utility Manual』を参照してください。

/ESCAPE
/NOESCAPE (省略時の設定)

エスケープ・シーケンスを処理するかどうかを指定します。

/FALLBACK
/NOFALLBACK

8ビットのDECで定義している文字セット(DEC MCS)が, その7ビット表現でターミナル上に表示されるかどうかを制御します。 省略時の設定は,ターミナルの/EIGHTBIT修飾子の設定に依存します。 OpenVMSターミナル・フォールバック機能(Terminal Fallback Facility [TFF]) が利用されている場合,指定したターミナルに対して, 省略時の設定の文字変換テーブルを使用します。 ターミナル・フォールバックについての詳細は, 『OpenVMS Terminal Fallback Utility Manual』を参照してください。 TFFが利用可能でないシステムでは,/NOFALLBACK修飾子は意味を持たず, エラー・メッセージも表示されません。

/FORM
/NOFORM

ターミナル・ドライバが,改ページ(フォーム・フィード)文字を, 1つまたは複数の改行(ライン・フィード)に変換するか,または変換せずに, 単にフォーム・フィードを文字として出力するかを指定します。

/FRAME=n

入力または出力される各文字に対して, ターミナル・ドライバが適用するデータのビット数を指定します。 省略時の値は,ターミナルの/PARITYと/EIGHT_BITの設定によって異なります。 指定できる値は,5から8までの範囲です。

/FULLDUP (省略時の設定)
/NOFULLDUP

ターミナルの操作モードが,全二重モードであるか, 半二重モードであるかを指定します。 /FULLDUP修飾子は,/NOHALFDUP修飾子と同じです。

/HALFDUP
/NOHALFDUP (省略時の設定)

ターミナルの操作モードが,全二重モードであるか, 半二重モードであるかを指定します。 /HALFDUP修飾子は,/NOFULLDUP修飾子と同じです。

/HANGUP
/NOHANGUP (省略時の設定)

/HANGUP修飾子を指定するためには, システム生成時に指定したパラメータに応じて,LOG_IO(論理入出力)特権, またはPHY_IO(物理入出力)特権が必要です。

ユーザがログアウトするときに, ターミナル・モデムが切断されるかどうかを指定します。

/HARDCOPY
/NOHARDCOPY

装置を,ハードコピー・ターミナルとして設定し,DELETEキーを押すたびに, バックスラッシュ文字を出力します。/HARDCOPY修飾子は,/NOSCOPE修飾子と同じです。

/HOSTSYNC
/NOHOSTSYNC (省略時の設定)

システムが,ターミナルからの入力の流れと, 同期をとることができるかどうかを指定します。 先読みを可能にするバッファの領域が一杯になった場合には, システムは Ctrl/S を送信し,入力を一時的に停止します。 このバッファが空になると,システムは Ctrl/Q を送信し,入力を可能にします。

/INQUIRE

/INQUIRE修飾子が指定され,DEC_CRT属性が設定された場合, ターミナル・タイプを設定します。 SET TERMINALコマンドはターミナルから現在の画面サイズを読み込み, 続いてページの高さと幅の値を適宜設定します。省略時の設定は,UNKNOWNです。 LA36とVT05ターミナルを除く,DEC製のターミナルでのみ機能します。 VT101とVT105も含めて,一部のVT100ファミリ・ターミナルは, VT100タイプの応答を返します。LA38ターミナルは,LA43ターミナルとして応答します。

注意
SET TERMINAL/INQUIREコマンドは, DEC製のVT100およびそれ以降のターミナルでは正常に動作します。 1部のPCのターミナル・エミュレータは必ずしもすべての VT100のエスケープ・シーケンスを正しくエミュレートしていないので, SET TERMINAL/INQUIREコマンドは正しく動作しません。 このようなターミナル・エミュレータに関する問題がある場合は, ターミナル・エミュレータのメーカにお問い合わせください。


ターミナル・タイプを自動的に検出できるようにするには,ファイルLOGIN.COMに SET TERMINAL/INQUIREコマンドを含めます。

/INQUIRE=OLD修飾子を指定した場合は, OpenVMSはターミナル・ウィンドウを24行80桁に設定し, 実際のターミナル・サイズを無視します(これは, OpenVMSバージョン6.2より前の SET TERMINAL/INQUIREコマンドの動作です)。


警告
クラスタ全体で利用可能にするディスクがシステム・ディスクでない場合, この修飾子は,先読みバッファをクリアします。 応答が認識されない場合には,動作メッセージやエラー・メッセージは表示されません。 /INQUIRE修飾子は,弊社ターミナルに対してだけ使用できます。 ただし,LA36ターミナルおよびVT05ターミナルは,この機能をサポートしません。


/INSERT

ターミナルを,挿入モードに設定します。 この機能により,コマンド行の編集時に,文字を挿入することができます。 省略時のモードは,上書きモードであり,コマンド行の編集時に, カーソルが現在ある文字の上に上書きします。 モード間の切り替えは,Ctrl/Aで行います。

/LFFILL[=フィル・カウント]

改行(ライン・フィード)の後で次に意味ある文字を送信する前に, 指定数の空文字をターミナルに送信します。 ターミナルが受信状態になるのを確実にするために用います。 指定できる値は,0〜9の整数です。省略時の値は,システムごとに異なります。 省略時のターミナル属性の一覧については 図 18-2を参照してください。

/LINE_EDITING
/NOLINE_EDITING

コマンド行を編集するときの拡張行編集機能を,可能にするかどうかを指定します。 /LINE_EDITING修飾子を指定する場合には,RETURNもCtrl/Zも, 行終了文字として認識されます。 また,エスケープ・シーケンスも,行終了文字として使用できます。

/LOCAL_ECHO
/NOLOCAL_ECHO (省略時の設定)

コマンド・レベルのターミナル機能について, ホストが文字をエコー表示するのではなく, ターミナル自体でエコー表示するかどうかを指定します (行編集やEDTエディタのスクリーン・モードのように, エコー表示に関する制御が必要な一部のユーティリティでは, /LOCAL_ECHO修飾子を使用してはいけません)。

警告
LOCAL_ECHO属性を指定したターミナルにログインする場合には, OpenVMSシステムはパスワードのエコー表示を制御できません。


/LOWERCASE
/NOLOWERCASE

ターミナルが,大文字と小文字の両方をサポートするかどうかを指定します。 /NOLOWERCASE修飾子を指定する場合には,入力した文字はすべて大文字に変換されます。 /LOWERCASE修飾子は/NOUPPERCASE修飾子と同じです。

/MANUAL

ローカル・ターミナル・エミュレータが自動切り換えをサポートしないときに, ターミナル回線を手動で動的非同期DDCMP回線に切り換えることを示します。 /MANUAL修飾子を指定する場合には, /PROTOCOL=DDCMP修飾子および/SWITCH=DECNET修飾子を指定しなければなりません。

/MODEM
/NOMODEM

ターミナルが,標準的なEIAモデム制御信号を与えるモデム, またはケーブルに接続されているかどうかを指定します。 ターミナルがMODEM属性を持つ場合に,SET TERMINAL/NOMODEMを入力すると, 自動的にログアウトされます。/MODEM修飾子と/COMMSYNC修飾子は, 同時に使用することはできません。

/NUMERIC_KEYPAD (省略時の設定)

キーパットを数値キーパッド・モードに設定します。 このモードでは,数値キーパッドのキーを使用して,数字や句読点をタイプできます。 DEFINE/KEY機能(DEFINE/KEYコマンドで定義したDCLコマンドの入力)を使用するには, ターミナルを /APPLICATION_KEYPADに設定しなければなりません。 数値キーパッドのキーを,数字や句読点の入力に使用するのか(/NUMERIC_KEYPAD), あるいはDEFINE/KEYコマンドで定義されたDCLコマンドの入力に使用するのか (/APPLICATION_KEYPAD)を指定します。

/OVERSTRIKE (省略時の設定)

ターミナルを,上書きモードに設定します。この機能を使用すれば, コマンド行の編集時に,カーソルが現在ある文字の上に,他の文字を上書きできます。 コマンド行の編集時に文字を挿入できるようにするには, ターミナルを挿入モードに設定します。 モード間の切り替えは,Ctrl/Aで行います。

/PAGE[=1ページの行数]

ハード・コピー・ターミナルに対して, ミシン目からミシン目までの1ページに印刷される行数を指定します。 ターミナルが改ページ(フォーム・フィード)を読み込むと, 用紙は次のミシン目まで進められます。 1ページの行数には,0から255までの数値を指定できます。 省略時の値は0で,改ページを改行として扱います。

/PARITY[=オプション]
/NOPARITY (省略時の設定)

ターミナルがデータを送信するパリティを定義します。 次のいずれかのオプションを指定できます。 EVEN ODD/PARITY修飾子だけを指定してオプションを省略する場合には, SET TERMINALコマンドは,/PARITY=EVENであると解釈します。

/PASTHRU
/NOPASTHRU (省略時の設定)

ターミナルがすべてのデータ(タブやキャリッジ・リターン,改行,制御文字を含む)を, バイナリ・データとして, アプリケーション・プログラムにそのまま渡すかどうかを指定します。 /TTSYNC修飾子も設定できます。

これらの修飾子の両方が, テキスト中にあるものと全く同じに書かれていることを確認してください。

/PERMANENT

LOG_IO(論理入出力)特権,またはPHY_IO(物理入出力)特権が必要です。

指定した属性を永久に設定します。 ただし,システムが停止し再起動する場合には,属性はその初期値に戻ります。 システム・スタートアップ・ファイルで, SET TERMINAL/PERMANENTコマンドを指定すれば, システムのすべてのターミナルの属性を設定できます。

/PRINTER_PORT
/NOPRINTER_PORT

ターミナルが,プリンタ・ポートを持つことを指定します。このターミナル属性は, SET TERMINAL/INQUIREコマンドを実行した場合にも,自動的には設定されません。 省略時の値は,システムごとに異なります。省略時のターミナル属性の一覧については 図 18-2を参照してください。

/PROTOCOL=DDCMP
/NOPROTOCOL=NONE (省略時の設定)

VAXでは,指定ポートが非同期DDCMPラインとして扱われます。 /PROTOCOL=NONE修飾子でまたもとに戻ります。 /PROTOCOL=DDCMPは恒久属性なので/PERMANENT修飾子は必要ありません。

/READSYNC
/NOREADSYNC (省略時の設定)

ターミナルからのデータ送信を同期させるために, ターミナルがCtrl/SとCtrl/Qの機能を使用するかどうかを指定します。

警告
SET TERMINAL/READSYNCは,LATターミナル回線には使用しないでください。 予期しない結果を生じる可能性があります。


省略時の値は,/NOREADSYNC修飾子です。つまりシステムは, ターミナルからのデータの読み込みを制御するために,Ctrl/SとCtrl/Qを使用しません。 /READSYNC修飾子は,同期をとることが必要な特定の種類のターミナルや, データの同期をとることが必要な専用ターミナル回線の場合に便利です。

/REGIS
/NOREGIS

ターミナルがREGISグラフィック・コマンドを理解するかどうかを指定します。

/SCOPE
/NOSCOPE

ターミナルが,ビデオ・ターミナルであるかどうかを指定します。 /SCOPE修飾子は,/NOHARDCOPY修飾子と同じです。

/SECURE_SERVER
/NOSECURE_SERVER (省略時の設定)

LOG_IO (論理I/O)またはPHY_IO (物理I/O)特権が必要です。

仮想ターミナルを除いて,ターミナルのBREAKキーを押すことにより, 現在のプロセスがログアウトされるかどうかを指定します。 /SECURE_SERVER修飾子が有効な場合には, 現在実行中のプロセスが存在しないときにBREAKキーを押すと, ログイン処理が開始されます。 /SECURE_SERVER修飾子が有効な場合には,BREAKキーは無視されます。

AUTOBAUD属性とSECURE_SERVER属性が設定されているターミナルでは, BREAKキーを押すと現在のプロセスを切断しますが, 新しいログイン処理を開始するのに必要ではありません。 ただし,NOAUTOBAUD属性が設定されている場合にSECURE_SERVER属性を設定すると, BREAKキーを押して新しいログイン処理を開始する必要があります。

/SET_SPEED
/NOSET_SPEED

LOG_IO(論理入出力)特権,またはPHY_IO(物理入出力)特権が必要です。

ターミナルの通信速度を変更するために, /SPEED修飾子を使用できるかどうかを指定します。

/SIXEL_GRAPHICS
/NOSIXEL_GRAPHICS

ターミナルが, SIXELグラフィック・プロトコルを使用したグラフィック表示の機能を持つかどうかを指定します。 省略時の値は,装置ごとに異なります。省略時のターミナル属性の一覧については 図 18-2を参照してください。

/SOFT_CHARACTERS
/NOSOFT_CHARACTERS

ターミナルが,ユーザ定義の文字セットをロードする機能を持つかどうかを指定します。 省略時の値は,装置ごとに異なります。省略時のターミナル属性の一覧については 図 18-2を参照してください。

/SPEED=(入力速度,出力速度)

ターミナルがデータを送受信するときのボー・レートを指定します。 入力と出力の速度が同じ場合は,/SPEED=速度と指定します。

すべてのターミナルが, 入力ボー・レートと出力ボー・レートに対して異なる値をサポートするわけではありません。 各ターミナルのボー・レートについての詳細は, そのターミナルのドキュメントを参照してください。

省略時の伝送速度は,システムごとに異なります。

指定できる値は,次のとおりです。

      50       150       1800       4800       38400
      75       300       2000       7200       57600
     110       600       2400       9600       76800
     134      1200       3600      19200      115200

/SWITCH=DECNET

VAXでは,/PROTOCOL=DDCMP修飾子とともに使用された場合, エンド・ノードのターミナル回線を動的非同期DDCMPラインとして扱います。 /SWITCH=DECNETは恒久属性なので/PERMANENT修飾子は必要ありません。

/SYSPASSWORD
/NOSYSPASSWORD (省略時の設定)

LOG_IO(論理入出力)特権が必要です。

USERNAME:というプロントが表示される前に, ターミナルがシステム・パスワードの入力を必要とするかどうかを指定します。

/TAB
/NOTAB

ターミナルが,タブ文字を複数のブランクに変換するかどうかを指定します。 /NOTAB修飾子は,すべてのタブ文字をブランクに展開し, タブ・ストップが8文字間隔で設定されていると仮定します。 省略時の設定は,装置ごとに異なります。省略時のターミナル属性の一覧については 図 18-2を参照してください。

/TTSYNC (省略時の設定)
/NOTTSYNC

システムが出力の同期をとるために,ターミナルへの出力を, Ctrl/Sが押されたときに止め,Ctrl/Qが押されたときに再開するかどうかを制御します。

/TYPE_AHEAD (省略時の設定)
/NOTYPE_AHEAD

ターミナルが読み込み要求を受け付ける状態でなくても, 入力を受け付けるかどうか,つまり読み取り要求が与えられていないときに, ユーザがタイプした入力を受け付けるかどうかを指定します。

/NOTYPE_AHEAD修飾子を指定する場合には, プログラムまたはシステムがターミナルへの読み込み要求を発行した場合にだけ, ターミナルは入力を受け付けます。たとえばDCLプロンプト($)へのユーザ入力等です。 /TYPE_ AHEAD修飾子を指定する場合には,受け付けることができるデータ量は, 先読みバッファのサイズによって管理されます。 このサイズは,システム生成時のパラメータによって決定されます。

/UNKNOWN

システムが認識しないターミナル・タイプであることをことを指定します。 この修飾子を指定すると,システムは,認識できないターミナルに対して, 省略時のターミナル属性を使用します。 設定一覧については図 18-2を参照してください。

/UPPERCASE
/NOUPPERCASE

ターミナルが,入力したすべての小文字を,大文字に変換するかどうかを指定します。 /UPPERCASE修飾子は,/NOLOWERCASE修飾子と同じです。

/WIDTH=1行の桁数

1行あたりの最大文字数を指定します。 指定できる値は,0から511までの範囲の整数です。 /WRAP修飾子が有効な場合には,ターミナルは, 文字の位置がこの修飾子の値によって指定された桁位置に達したときに, 自動改行します。

ANSI規格のターミナルにおいて,132桁が指定された場合には, スクリーンは132文字モードに設定されます。 ターミナルが拡張ビデオ・オプション(AVO)を装備していない場合には, ページの長さは14行に設定されます。

/WRAP (省略時の設定)
/NOWRAP

/WIDTH修飾子で指定した文字数を表示したときに, ターミナルが自動的に改行を行うかどうかを指定します。

  1. $ SET TERMINAL/DEVICE=VT102
    
    このSET TERMINALコマンドは,現在のターミナルをVT102ターミナルとして設定し, そのターミナル・タイプに対する省略時の属性を設定します。

  2. $ SET TERMINAL/WIDTH=132/PAGE=60/NOBROADCAST
    $ TYPE MEMO.DOC
        .
        .
        .
    $ SET TERMINAL/DEVICE=LA36
    
    最初のSET TERMINALコマンドは,ターミナルの一行の幅が132文字であり, 各ページのサイズが60行になることを指定しています。 さらに/NOBROADCAST修飾子を指定しているため, ターミナルがMEMO.DOCというファイルを表示している間, ブロードキャスト・メッセージを受信できなくなっています。 次のSET TERMINALコマンドは,ターミナルを省略時の状態に戻します。


SET TIME

システム時計を再設定します。 この時計は,いろいろな内部事象の時間間隔を記録するためのタイマーとして, また日時を表示する際に元になる時計として使用されます。

OPER(オペレータ)特権,およびLOG_IO(論理入出力)特権が必要です。

フォーマット

     SET TIME [=時刻] 

パラメータ

時刻

日付と時刻のどちらか一方,または両方を, それぞれ day-month-year形式と hour:minute:second.hundredth形式で指定します。 各フィールドには,以下の値を指定します。

フィールド 範囲
Day 整数 1から31
Month 文字列 JAN, FEB, MAR, APR, MAY, JUN, JUL, AUG, SEP, OCT, NOV,またはDEC
Year 整数 1858から9999(VAXの場合)
Year 整数 1957から2056(Alphaの場合)
Hour 整数 0から23
Minute 整数 0から59
Second 整数 0から59
Hundredth 整数 0から99

ハイフン(-),コロン(:),ピリオド(.)は,区切り文字として必要です。 日付と時刻の両方を指定する場合には,コロン(:)で区切って指定します。 パラメータを指定する場合には,次の形式を使用します。

   [dd-mmm-yyyy[:]] [hh:mm:ss.cc] 

Alphaシステムでは,次のようにyearを2桁で指定することもできます。

   [dd-mmm-yy[:]] [hh:mm:ss.cc] 

yearを2桁で指定した場合は,Alphaがサポートする日付の範囲(1957から2056) に対応する年により,省略されたyearの上位2桁が決まります。

時刻を明示的に指定しない場合には,システム時計は, 自動的にタイム・オブ・イヤー時計(カレンダーの役割りをする時計) に従って再設定されます。

一部のプロセッサでは,タイム・オブ・イヤー時計はオプションです。 タイム・オブ・イヤー時計についての詳細は, 各コンピュータのハードウェア・マニュアルを参照してください。


注意
電源が切れていて,システムがダウンしている間でも, Alphaシステムはシステムの時刻を維持します。システムがブートされた時, 最後に修正された時刻よりも早い時刻が認識された場合, あるいは現在から数えて5年以降の時刻が認識された場合, コンソールのプロンプトに時刻を入力するように通知されます。

説明

システム時計をリセットします。 さまざまな内部イベントの時間間隔を記録するタイマとして, および時刻を表示する時のソース時計として,システム時計を使用します。

注意
ユーザが使用しているシステム,または OpenVMS Clusterで使用可能なタイム・サービスがある場合は, SET TIMEコマンドは動作しません。

修飾子

/CLUSTER

OPERおよびLOG_IO特権を必要とします。 また,OpenVMS Cluster環境では,SYSLCK特権が必要です。

クラスタ内のすべてのノード上に同じシステム時刻を設定します。 SET TIME/CLUSTER コマンドのフォーマットは次のとおりです。

フォーマット

    SET TIME[=時刻] [/CLUSTER]

  1. $ SET TIME=14-DEC-1998:19:31:0.0
    
    このSET TIMEコマンドは,システム時刻を,1998年12月14日午後7時31分に設定します。

  2. $ SET TIME
    $ SHOW TIME
    14-DEC-1998 03:21:27.53
    
    このSET TIMEコマンドは, システム時刻をタイム・オブ・イヤー時計にしたがって設定します。 SHOW TIMEコマンドは,現在の時刻を表示することを要求します。

  3. $ SET TIME=14-DEC-1998:15:31:0.0/CLUSTER
    
    この例では,コマンドが実行されたクラスタの中のすべてのノード上で, 日時を1998年12月14日午後3時31分に設定しています。


SET VERIFY

コマンド・プロシージャ中のコマンド行とデータ行を,ターミナルに表示するか, またはバッチ・ジョブ・ログに印刷するかどうかを制御します。 SET VERIFYコマンドによって表示される情報は, コマンド・プロシージャをデバッグするときに利用することができます。

フォーマット

     SET VERIFY  [=([NO]PROCEDURE, [NO]IMAGE)]

     SET NOVERIFY 

パラメータ

([NO]PROCEDURE, [NO]IMAGE)

片方,または両方のベリファイ・タイプを指定します。 プロシージャ・ベリファイを指定する場合, コマンド・プロシージャに含まれる各DCLコマンド行が,出力装置に書き込まれます。 イメージ・ベリファイを指定する場合, データ行(SYS$INPUT入力ストリームの一部として含まれている入力データ)が, 出力装置に書き込まれます。

省略時の設定では,SET VERIFYおよびSET NOVERIFYコマンドは, 両方のベリファイ・タイプを設定または解除します。 1つのキーワードのみ指定した場合は,もう一方のファイ・タイプは変更されません。 また,キーワードを1つしか指定しない場合には,括弧を省略できます。

説明

省略時の設定では,SET VERIFYおよびSET NOVERIFYコマンドは, 両方のベリファイ・タイプを設定または解除します。 会話型で実行されるコマンド・プロシージャの省略時の設定は,SET NOVERIFYです。 ただし,システム応答とエラー・メッセージは,常に表示されます。 バッチ・ジョブの省略時の設定は,SET VERIFYです。

SET VERIFYコマンドを使用して省略時の設定を上書きすると,システムは, 各コマンドおよびコマンド・プロシージャのデータ行を読み込みながら表示します。 ベリファイが有効になっている場合,コマンド・インタプリタは,最初の走査が終了し, コマンドが解析および実行される前に,各コマンド行を表示します。 走査中に行われるシンボルの置換の結果は表示されますが, 解析と評価に行われるシンボルの置換の結果は表示されません。

ベリファイの設定を変更すると,新しい設定は, 以後実行するすべてのコマンド・プロシージャで有効です。

SET VERIFYコマンドでチェックを設定するには, ファイルの読み込み(R)アクセス権が必要です。

  1. $ SET VERIFY = PROCEDURE
    
    プロシージャ・ベリファイを設定します。 イメージ・ベリファイの設定は変更されません。 設定されている場合には設定されたままですし, 解除されている場合には解除されたままです。

  2. $ SET VERIFY
    $ INDEX == "$INDEX.EXE
    $ CONTENTS == "$CONTENTS.EXE
    $ TABLE == "$TABLE.EXE
    $ SET NOVERIFY
    $ EXIT
    
    この例では,コマンド・プロシージャを開始するときに, プロシージャ・ベリファイとイメージ・ベリファイがどちらも設定されます。 このため,システムは,プロシージャのすべてのコマンド行とデータ行を, それを読み込んだ際に表示します。プロシージャの最後で, SET NOVERIFYコマンドが実行され,システムの省略時設定 (プロシージャ・ベリファイもイメージ・ベリファイも解除されている状態) に戻されます。

  3. $ PROC_VER = F$ENVIRONMENT("VERIFY_PROCEDURE")
    $ IMAGE_VER = F$ENVIRONMENT("VERIFY_IMAGE")
    $ HOLD_PREFIX = F$ENVIRONMENT("VERIFY_PREFIX")
    $ SET PREFIX "(!%T)"
    $ SET VERIFY
       .
       .
       .
    $ TEMP = F$VERIFY(PROC_VER, IMAGE_VER)
    $ SET PREFIX "''HOLD_PREFIX'"
    
    このコマンド・プロシージャでは,現在のプロシージャ・ベリファイ設定, およびイメージ・ベリファイ設定を保存するために, レキシカル関数F$ENVIRONMENTを使用しています。 現在のベリファイ前置文字列も保存しています。SET PREFIXコマンドで, 現在のコマンド・プロシージャで使用する前置文字列を設定します。 前置文字列には, コマンド・インタプリタ(DCL)が各コマンドを読み込んだ時刻を生成するための FAO制御文字列と,それを囲む括弧を使用します。そのあと, SET VERIFYコマンドでプロシージャ・ベリファイとイメージ・ベリファイを設定します。 その後,レキシカル関数F$VERIFYを使用して,もとのベリファイ設定に戻しています。 また,SET PREFIXコマンドにシンボルHOLD_PREFIXを使用して, もとのベリファイ前置文字列に戻します。 このシンボルには,大文字と小文字の区別や特殊文字も保存されています。

  4. $ SET VERIFY
    $ @TEST
    $ RUN AVERAGE
    1
    2
    3
    $ EXIT
    
    この例のSET VERIFYコマンドは, プロシージャ・ベリファイとイメージ・ベリファイを設定します。 TEST.COMというコマンド・プロシージャが会話型モードで実行されると, AVERAGEというプログラムのコマンド行とデータ行がターミナルに表示されます。 データ行は,コマンド・プロシージャ中のDCLプロンプトで始まらない行で入力します。

  5. $ SET VERIFY
    $ COUNT = 1
    $ IF P'COUNT' .NES. "" THEN GOTO &P'COUNT'
       .
       .
       .
    $ EXIT
    
    このコマンド・プロシージャが会話型モードで実行されると, SET VERIFYコマンドによって,コマンド行とデータ行が表示されます。 シンボル置換の第1段階で置換されるシンボル(たとえば,'COUNT'など)は, SET VERIFYコマンドによって表示されますが,他のシンボルは表示されません。 このプロシージャを会話型モードで実行すると,次の行が表示されます。
         $ COUNT = 1
         $ IF P1 .NES. "" THEN GOTO &P1
            .
            .
            .
    

    &P1,P1の値は表示されませんが,P1の値はシンボル置換の第3段階で置換され, &P1の値は第2段階で置換されます。


SET VOLUME

1つまたは複数のマウントされている,Files-11構造のボリュームの属性を変更します。 SET VOLUMEコマンドは,コマンドが入力されたノード上でのみ有効であり, OpenVMS Cluster構成中の複数のノード上でボリュームがマウントされている場合でも, 他のノード上では働きません。

ボリュームの所有者でない場合は,ボリュームに対する制御アクセス権が必要です。

フォーマット

     SET VOLUME  装置名[:][,...] 

パラメータ

装置名[:][,...]

1つまたは複数のマウントされている,Files-11構造のボリュームの名前を指定します。

修飾子

/ACCESSED[=n]

OPER(オペレータ)特権が必要です。

レディ・アクセス(メモリ中でのディレクトリのアクセス)のために, システム空間に確保するディレクトリの数を指定します。 n に対して指定できる値は,0〜255までの範囲です。 /ACCESSED修飾子だけを指定し,ディレクトリの数を省略した場合には, 省略時の値として3が使用されます。 現在の値より大きな値を指定する場合には,新しい値が直ちに有効になります。 しかし,現在の値より小さな値を指定する場合には, 新しい値はホーム・ブロックに書き込まれ, ボリュームが次にマウントされるまで有効にはなりません。

/DATA_CHECK[=(オプション[,...])]

指定したボリュームに対する,すべての読み込みまたは書き込みのあとで実行する, 省略時のデータ・チェック操作を定義します。次のオプションを指定できます。

READ すべての読み込み操作のあとで,データ・チェックを行う。
WRITE すべての書き込み操作のあとで,データ・チェックを行う(省略時の設定)。

/ERASE_ON_DELETE
/NOERASE_ON_DELETE (省略時の設定)

ボリューム中のファイルが削除されるときに,そのファイルが使用していた領域が, システム特有のパターンで上書きされることを指定します。

/EXTENSION[=n]

ボリューム上のすべてのファイルで, 省略時の拡張サイズとして使用するブロック数を指定します。 n に対して指定できる値は,0〜65535までの範囲です。 /EXTENSION修飾子だけを指定し,値を指定しない場合には, 省略時の値として0(OpenVMS RMSの省略時の値)が使用されます。

たとえば,更新操作で, ファイルが省略時の初期割り当てサイズより大きくなる場合には, 拡張サイズの省略時の値が使用されます。

/FILE_PROTECTION=(所有者区分[:アクセス][,...])

指定したディスク・ボリューム上の, すべてのファイルに適用される省略時の保護を指定します。ファイル保護コードは, SYSTEM (S), OWNER (O), GROUP (G)と WORLD (W)からのアクセスに対して, 読み込み(R),書込み(W),実行(E)と削除(D)操作からの保護を指定します。 何も指定しない場合は,どのアクセスもできません。

注意
ボリュームがOpenVMSシステムで使用されているときは,この属性は使用されませんが, RSX-11Mシステムで,プロセスがボリュームを使用する場合には, この属性によってボリュームの使用が制御されます。 OpenVMSシステムは,常に省略時のファイル保護を使用します。 ファイル保護は,SET PROTECTION/DEFAULTというDCLコマンドで変更できます。


/HIGHWATER_MARKING
/NOHIGHWATER_MARKING

File Highwater Mark (FHM)ボリューム属性を設定します。FHM属性は,ユーザが, 自分で書き込んだデータ以外は読み込むことができないようにする機能です。 この修飾子は,Files-11ディスク上構造レベル2 (Files-11 On-Disk Structure Level 2)のボリュームに対してだけ,使用できます。

/LABEL=ボリューム・ラベル

ボリューム上に書かれる,1〜12文字までのANSI名を指定します。 指定したラベルは,明示的に他の名前に変更されるまで有効です。 つまり,ボリュームをディスマウントしても,ラベルが変更されることはありません。 ボリューム・ラベルには,英数字,ドル記号($),アンダースコア(_), ハイフン(-)だけを使用することをおすすめします。

OpenVMSシステム・ディスクのボリューム・ラベルを変更する場合は, POLYCENTER Software Installationユーティリティ・データベースも変更してください。 そのためにはPRODUCT REGISTER VOLUMEコマンドを使用して, 古いボリューム・ラベルを新しいボリューム・ラベルに置換します。


注意
ボリューム・ラベルを変更しても, 変更前のボリューム・ラベルを使用するその他の構造は変更されません。 たとえば論理名DISK$ラベル名や, OpenVMSが内的的に使用する装置ロック名も変更されません。そのため, 変更前のボリューム・ラベルと同じボリューム・ラベルを持つ他のディスクにアクセスしようとすると, "%MOUNT-F-VOLALRMNT, another volume of same label already mounted" というエラー・メッセージが表示されます。

ディスクのボリューム・ラベルを変更する場合は,名前とロックの整合性を保つために, クラスタ内のすべてのノードにおいてディスクをディスマウントし, 再度マウントすることをおすすめします。


/LOG
/NOLOG (省略時の設定)

SET VOLUMEコマンドが, 変更後に各ボリュームのボリューム指定を表示するかどうかを指定します。

/MOUNT_VERIFICATION
/NOMOUNT_VERIFICATION

ボリュームに対してマウント・チェックを実行するかどうかを指定します。 マウント・チェックは,ユーザの入出力処理への割り込みを防止し, ディスクに関する問題をオペレータを通知します。

/OWNER_ UIC[=uic]

ボリュームの所有者の利用者識別コードを, 指定する利用者識別コード(UIC)に変更します。 省略時の利用者識別コード(UIC)は,現在のプロセスのUICです。 UICはかぎかっこ([])で囲みます。『OpenVMS Guide to System Security』 に説明されている,標準的なUIC形式を使用して指定します。

/PROTECTION=(所有者区分[:アクセス][,...])

ボリュームに適用される保護コードを指定します。

省略時の保護コードは,すべての区分のユーザに対して, すべてのアクセスを許可します。

/REBUILD[=FORCE]

誤ってディスマウントされたボリュームのキャッシュ・リミットを回復します。 ディスク・ボリュームが誤ってディスマウントされ(システム障害が発生した場合など), MOUNT/NOREBUILDコマンドによって再マウントされた場合には, SET VOLUME/REBUILDコマンドを使用して, ディスマウントされたときに有効だったキャッシュを回復できます。 FORCEオプションを使用すると,無条件にディスクを強制的に最構成します。 つまり,ディスク・ボリュームのロック値ブロックに, フリー・ブロック数を書き込みます。

/RETENTION=(最小値[,最大値])

ボリューム上のファイルの満了日を判断するためにファイル・システムが使用する, 最小保持時間と最大保持時間を指定します。ファイルがボリュームに作成されると, 満了日には最初に,現在の時刻に最大保持時間を加えたものが設定されます。 ファイルがアクセスされるたびに,現在の時刻が最小保持時間に加算され, この合計が満了日より大きくなると,新しい満了日が計算されます。

最大値を省略した場合には,省略時の値として,最小値の2倍, または最小値に7を加えたもの中で小さい方の日数が使用されます。 たとえば,/RETENTION=3-は,/RETENTION=(3-,6-)と同じであり, /RETENTION=10-は,/RETENTION=(10-,17-)と同じです。

SET VOLUME/RETENTION=0コマンドは,ボリュームの保持時間の設定を解除します。

/STRUCTURE_LEVEL=n

ボリュームの構造レベルを設定します。 ボリュームを ODS-5 に設定するには,値 5 を使用します。

別の修飾子とともに /STRUCTURE_LEVEL 修飾子が使用された場合は, 別の修飾子よりも前にボリューム構造レベルが設定されます。

ODS-5 から ODS-2 にボリュームを変更するために SET VOLUME コマンドを 使用することはできません。 ODS-2 にボリュームをリセットするには, 『OpenVMS Extended File Specificationsの手引き』 を参照してください。


注意
システム・ディスクを ODS-5 ボリュームとして作成すること, あるいはシステム・ディスクを ODS-5 ボリュームに変更することはサポートしていません。


詳細については,『OpenVMS Extended File Specificationsの手引き』 を参照してください。

/SUBSYSTEM
/NOSUBSYSTEM

保護サブシステムACEを有効にします。SECURITY特権が必要です。 省略時の設定では,ブート・ディスクのみ保護サブシステムが有効になっています。 詳細は『OpenVMS Guide to System Security』を参照してください。

/UNLOAD (省略時の設定)
/NOUNLOAD

DCLコマンドDISMOUNTを実行する場合に,ボリュームがアンロードされるかどうか (つまり,回転が停止するかどうか)を指定します。

/USER_NAME[=ユーザ名]

最大12文字の英数字から構成されるユーザ名が, ボリュームに記録されることを指定します。/USER_NAME修飾子だけを指定し, ユーザ名を指定しない場合には,現在のプロセスのユーザ名が使用されます。

/WINDOWS[=n]

ファイル・ウィンドウに対して割り当てられる,マッピング・ポインタ数を指定します。 n に対して指定できる値は,7〜80までの範囲です。省略時の値は7です。

  1. $ SET VOLUME/DATA_CHECK=(READ,WRITE) DBC5
    
    このコマンドは,DBC5に対するすべての読み込み操作と書き込み操作の実行後には, データ・チェックを実行することを要求しています。

  2. $ SET VOLUME/FILE_PROTECTION=(S:RWED,O:RWED,G:RE,W:RE) DBC5
    
    このコマンドは,ボリュームDBC5上に作成されるすべてのファイルに適用される, 省略時の保護コードを設定します。 システム(S)とオーナ(O)は,すべてのタイプのアクセスが可能です。 グループ(G)とワールド(W)は,DBC5のファイルに対して, 読み込みアクセスと実行アクセスだけが可能です。

  3. $ SET VOLUME/LABEL=LICENSES DBC5
    
    このコマンドは,DBC5ボリュームにLICENSESというラベルを付けます。 ラベル文字を小文字で入力した場合には,/LABEL修飾子によって大文字に変更されます。

  4. $ SET VOLUME/ACCESSED=25/USER_NAME=MANAGER/LOG DBA0:
    
    このコマンドは,DBA0ボリュームに対するレディ・アクセスのために, システム空間に25個のディレクトリを確保することを指定しています。 また,このコマンドは,MANAGERというユーザ名をボリュームに割り当て, ボリュームが変更されたあとボリューム指定を表示します。

  5. $ SET VOLUME/REBUILD/LOG NODE$DBA2:
    %SET-I-MODIFIED, _NODE$DBA2: modified
    
    このSET VOLUME/REBUILDコマンドは, NODE$DBA2にマウントされているボリュームのキャッシュ復元操作を実行します。 /LOG修飾子は,ボリューム変更の通知メッセージを表示するように, SET VOLUMEコマンドに指示しています。


SET WORKING_SET

プロセスの,省略時のワーキング・セット・サイズの定義を変更します。また, プロセスが実行するイメージによって変更できるワーキング・セット・サイズの上限も設定します。 ワーキング・セット制限値は, 利用者登録ファイル(UAF)に定義されている値を越えることはできません。

Alphaでは512バイトのページレット数でnを指定し, VAXでは512バイトのページ数で n を指定します。Alphaでは, 物理メモリの実際の量が指定された値よりも大きくなるような CPU特有のページ数に, この値は切り上げられます。

フォーマット

     SET WORKING_SET 

説明

SET WORKING_SETコマンドを使用すると, ユーザは許可された制限内でワーキング・セット・サイズを変更できます。 プロセスのワーキング・セットは,実行イメージが参照できる物理ページの集合です。 ユーザごとに, ログイン時に作成されるプロセスに関係した省略時のワーキング・セット・サイズが割り当てられます。 プロセスのワーキング・セットの最大サイズは, 利用者登録ファイル(UAF)に定義されています。

修飾子

/ADJUST (省略時の設定)
/NOADJUST

プロセスのワーキング・セット・サイズを, システムが自動的に変更できるかどうか制御します。

/EXTENT=n

イメージ実行中に,ワーキング・セットに存在できる最大物理ページ数を指定します。

超過値は, システム生成時に定義された最小ワーキング・セットより大きくなければなりません。 また超過値は, 利用者登録ファイル(UAF)に定義されている超過値以下でなければなりません。

利用者登録ファイルに指定された超過値より大きな値を指定しても,このコマンドは, ワーキング・セット・リミットの値を,このファイルに指定された最大値に設定します。

/LIMIT=n

イメージの終了時に減少させられる,ワーキング・セットのサイズを指定します。

現在のクォータより大きな値を指定する場合,クォータ値も増やされます。

/LOG
/NOLOG (省略時の設定)

SET WORKING_SETコマンドを実行したことを示すメッセージを, 表示するかどうかを指定します。

/QUOTA=n

プロセス内で実行中のイメージが,要求できる最大物理ページ数を指定します。 プロセスは, $ADJWSL(ワーキング・セット・リミット調整)システム・サービスを呼び出すことにより, プロセスのワーキング・セット・サイズを設定できます。

利用者登録ファイルに指定されているクォータより大きな値を指定する場合, ワーキング・セット・クォータは, このファイルに指定されている制限値に設定されます。

  1. $ SHOW WORKING_SET
    Working Set      /Limit=  150  /Quota=  700           /Extent= 700
    Adjustment enabled   Authorized Quota=  700 Authorized Extent= 700
    $ SET WORKING_SET/QUOTA=1000
    %SET-I-NEWLIMS,new working set:Limit = 150 Quota = 700 Extent = 700
    
    この例のSHOW WORKING_SETコマンドは,現在の制限値,クォータ値, および超過値を表示しています。許可されているクォータ値と超過値も表示します。 このSET WORKING_SETコマンドは, クォータ値を許可されている値以上に設定しようとしましたが, メッセージからも分かるように,クォータ値は変更されていません。

  2. $ SHOW WORKING_SET
    Working Set      /Limit=  150  /Quota=  350            /Extent= 350
    Adjustment enabled   Authorized Quota=  350  Authorized Extent= 350
    $ SET WORKING_SET/LIMIT=100
    %SET-I-NEWLIMS,new working set:Limit = 100 Quota = 350 Extent = 350
    $ SHOW WORKING_SET
    Working Set      /Limit=  100  /Quota=  350            /Extent= 350
    Adjustment enabled   Authorized Quota=  350  Authorized Extent= 350
    
    このSET_WORKING_SETコマンドは, プロセス内のイメージのワーキング・セット・サイズを100に設定します。


SHOW

プロセス,システム,またはシステムにある装置の, 現在の状態に関する情報を表示します。

フォーマット

     SHOW  オプション 

説明

SHOWコマンドのオプションについては,このマニュアルで個別に説明します。 SHOWコマンドのすべてのオプションを 表 18-7に示します。

表 18-7 SHOWコマンドのオプション

オプション 表示
ACCOUNTING 現在の会計情報ファイルが追跡している資源
AUDIT システムで許可されている機密保護監査属性
BROADCAST ブロードキャストが有効になっているメッセージ・クラス
CLUSTER OpenVMS Clusterの動作と性能
CPU 接続されたプロセッサの現在の状態
DEFAULT 現在の省略時の装置とディレクトリ
DEVICES システムの装置の状態
DEVICE/SERVED OpenVMS Cluster上の大容量記憶制御プロトコル(MSCP)サーバでサービスされる装置の状態
DISPLAY 現在のノードで実行中の DECwindowsアプリケーションからの出力が表示されるノード
ENTRY 利用者のバッチ・ジョブおよびプリント・ジョブ, または特定のジョブ・エントリについての情報
ERROR CPU,メモリ,および物理装置のエラー回数
INTRUSION 侵入のデータベースの内容
KEY DEFINE/KEYコマンドで作成されたキー定義
LICENSE 現在のノードでアクティブなソフトウェア製品ライセンス, およびライセンスに接続された名前のリスト(RESERVEリスト)
LOGICAL 現在の論理名の割り当て
MEMORY メモリ資源の可用性および使用状況
NETWORK ノードに登録されたネットワーク・サービスについての情報
PRINTER プリンタ属性
PROCESS 特権,資源制限,メモリ使用状況,優先順位,会計情報など, 現在のプロセスの属性
PROTECTION 現在の省略時のファイル保護
QUEUE システムおよびプロセスに属する現在のジョブで使用できるキューの名前と種類
QUEUE/CHARACTERISTICS システム・キューに定義された属性の名前と番号
QUEUE/FORM システム・キューに定義されたフォームの名前と番号
QUEUE/MANAGERS システムまたはOpenVMS Clusterのキュー・マネージャについての情報
QUOTA 特定のディスクの特定の利用者に許可され使用される現在のディスク制限
RMS_DEFAULT OpenVMSレコード管理サービス(RMS) がファイル操作に使用する現在の省略時のマルチブロック数とマルチバッファ数
SECURITY 機密保護オブジェクトの名前,クラス,およびプロファイル
STATUS 累積CPU時間,オープンされたファイル数, 入出力操作回数などの現在のジョブの状態
SYMBOL 現在のシンボル定義
SYSTEM システム内のすべてのプロセスのリスト
TERMINAL 端末の装置属性
[DAY]TIME 現在の日付と時刻
TRANSLATION 現在の論理名割り当て
USERS 現在のシステム利用者情報
WORKING_SET 現在のワーキング・セット・サイズの上限と制限値
ZONE VAXftシステムの現在の状態


SHOW ACCOUNTING

会計情報の収集されている資源を表示します。

フォーマット

     SHOW ACCOUNTING 

説明

システムのノードごとに,現在の会計情報ファイルがあります。 SHOW ACCOUNTINGコマンドを使用すれば,このファイルで追跡されている資源がわかります。

SHOW ACCOUNTINGコマンドを実行しても, プロセスによって使用される資源が追跡されない場合が2つあります。

同様に,SHOW ACCOUNTINGコマンドを実行しても, イメージによって使用される資源が常に追跡される場合が1つあります。

SHOW ACCOUNTINGコマンドは,画面表示を出力します(「例」を参照してください)。 表示のキーワード(大文字)は,2つのカテゴリに分類されます。

修飾子

/OUTPUT[=ファイル指定]

指定したファイルが作成されるディレクトリに対して, 読み込み(R)および書き込み(R)のアクセス権が必要です。

アカウント情報の出力先を指定します。 省略時の設定では,現在のSYS$OUTPUT装置へ出力されます。 出力をファイルに書き込む場合は,/OUTPUT修飾子を使用してファイル名を指定します。

/OUTPUT修飾子に部分的なファイル指定を指定すると, 省略時の設定によりファイル名にはSHOW,ファイル・タイプにはLISが使用されます。

  1. $ SHOW ACCOUNTING
    
    Accounting is currently enabled to log the following activities:
    
          PROCESS        any process termination
          IMAGE          image execution
          INTERACTIVE    interactive job termination
          LOGIN_FAILURE  login failures
          NETWORK        network job termination
          PRINT          all print jobs
    
    例に示されているキーワードは, 以下によって使用されている資源の会計情報を収集していることを示しています。


SHOW AUDIT

現在システムで許可されている機密保護監査属性を表示します。

SECURITY特権が必要です。

フォーマット

     SHOW AUDIT 

説明

SHOW AUDITコマンドは,システムの機密保護監査の現在の状態を表示します。 表示には,監査ジャーナルの状態,監査サーバの属性, および監査が許可されているイベントが含まれます。監査が許可されていない場合は, 表示には機密保護アラームと監査が現在禁止されていると報告されます。

SHOW AUDITコマンドとSET AUDITコマンドは, 機密保護監査システムとの管理インタフェースを提供します。

修飾子

/ALL

次に示すような監査情報をすべて表示します。

/ALARM

現在システムで有効な,セキュリティ・イベントを表示します。 これらのイベントは,機密保護オペレータ端末に送るメッセージを生成します。

/ARCHIVE

機密保護アーカイブ・ファイルの名前/位置を表示します(設定されている場合)。 これらのイベントは,機密保護オペレータ端末に送るメッセージを生成します。

/AUDIT

システム機密保護監査ログ・ファイルへの記録が設定されているイベントの分類を表示します。

/EXACT

/PAGE=SAVEおよび/SEARCH修飾子とともに使用し, 大文字と小文字を区別した文字列検索を指定します。 検索文字列は二重引用符で囲まなければなりません。

/SEARCH修飾子を指定せずに/EXACT修飾子を指定した場合は, "Findキー" (E1)を押すと文字列検索を有効にできます。

/HIGHLIGHT[=キーワード]

/PAGE=SAVEおよび/SEARCH修飾子とともに使用し, 一致した検索文字列の強調表示方法を指定します。 一致した検索文字列があった場合は,行全体が強調されます。 BOLD,BLINK,REVERSE, UNDERLINEのキーワードを指定できます。 省略時の設定はBOLDです。

/JOURNAL

システム機密保護監査ログ・ファイルの名前/位置を表示します。

/OUTPUT[=ファイル指定]

コマンドの出力先を指定します。この修飾子を指定しない場合や, /OUTPUT修飾子だけを入力してファイル指定をしない場合には, 出力はSYS$OUTPUTという論理名が割り当てられている, 現在のプロセスにおける省略時の出力ストリーム,または装置に送られます。

/OUTPUT修飾子に部分的なファイル指定(たとえばディレクトリだけ) を指定した場合には,SHOWという省略時のファイル名と, LISという省略時のファイル・タイプが使用されます。 ファイル指定にワイルドカード文字は使用できません。 /NOOUTPUT修飾子を指定した場合には,出力されません。

/PAGE[=キーワード]
/NOPAGE (省略時の設定)

コマンド出力の画面表示をページャを介して行います。

次のキーワードを指定します。

CLEAR_SCREEN ページモードで表示(毎回画面を消去する)
SCROLL スクロールモードで表示(毎回画面を消去しない)
SAVE[=n] nページ分の履歴を保持する(前ページに戻ること等が可能)

/PAGE=SAVE修飾子を指定すると最大5画面(最大255カラムまで)分の履歴を保存できます。 ページャ内では以下のキーを使って画面の移動などができます。 (/PAGE=SAVE修飾子と移動キー \(/PAGE=SAVEしゅうしょくしといどうきー)\nomaster)

キー・シーケンス 説明
Up arrow key, Ctrl/B 1行スクロールアップ
Down arrow key 1行スクロールダウン
Left arrow key 1カラム左シフト
Right arrow key 1カラム右シフト
Find (E1) 文字列検索を起動
Insert Here (E2) 半画面右シフト
Remove (E3) 半画面左シフト
Select (E4) 80/132カラム切替え
Prev Screen (E5) 前ページに移動
Next Screen (E6), Return, Enter, Space 次ページに移動
F10, Ctrl/Z 終了(他のコマンドでは違うものもあります)
Help (F15) ヘルプ・テキストを表示
Do (F16) 最新(現在)画面と(履歴内で)最古画面の入れ換え
Ctrl/W 再表示

/PAGE修飾子は/OUTPUT修飾子とは同時に使用できません。

/SEARCH="検索文字列"

/PAGE=SAVE修飾子とともに使用し,表示される情報内で検索したい文字列を指定します。 スペース文字等を含む場合は,検索文字列は二重引用符で囲まなければなりません。

情報が表示されている時に"Findキー(E1)"を押すと, 検索文字列を動的に変更することができます。 この場合,二重引用符は必要ありません。

/SERVER

監査サーバ・プロセスに関する情報を表示します。

/WRAP
/NOWRAP (省略時の設定)

/PAGE=SAVE修飾子とともに使用し, 画面の幅を越える行をラップするかどうかを指定します。 ラップを指定した場合は,はみ出す部分は次の行に表示されます。

/NOWRAP修飾子を指定した場合は, はみ出した部分は左右にスクロールしながら見ることができます。

  1. $ SHOW AUDIT/ALL
    List of audit journals:
     Journal name:           SECURITY
     Journal owner:          (system audit journal)
     Destination:            SYS$COMMON:[SYSMGR]SECURITY.AUDIT$JOURNAL
     Monitoring:             enabled
       Warning thresholds,   Block count:    100   Duration:    2 00:00:00.0
       Action thresholds,    Block count:     25   Duration:    0 00:30:00.0
    
    Security auditing server characteristics:
     Database version:       4.4
     Backlog (total):        100, 200, 300
     Backlog (process):      5, 2
     Server processing intervals:
       Archive flush:        0 00:01:00:00
       Journal flush:        0 00:05:00:00
       Resource scan:        0 00:05:00:00
     Final resource action:  purge oldest audit events
    
    Security archiving information:
     Archiving events:       none
     Archive destination:
    
    System security alarms currently enabled for:
     ACL
     Authorization
     INSTALL
     Time
     Audit:      illformed
     Breakin:    dialup,local,remote,network,detached
     Login:      batch,dialup,local,remote,network,subprocess,detached
     Logfailure: batch,dialup,local,remote,network,subprocess,detached,server
    
    System security audits currently enabled for:
     ACL
     Mount
     Authorization
     INSTALL
     Time
     Audit:      illformed
     Breakin:    dialup,local,remote,network,detached
     Login:      batch,dialup,local,remote,network,subprocess,detached,server
     Logfailure: batch,dialup,local,remote,network,subprocess,detached,server
     Logout:     batch,dialup,local,remote,network,subprocess,detached,server
     FILE access:
       Failure:  read,write,execute,delete,control
    
    このSHOW AUDITコマンドは, インストレーション後の機密監査機能の設定を表示しています。


SHOW BROADCAST

SET BROADCASTコマンドによって現在選択されている, メッセージ・クラスを表示します。

フォーマット

     SHOW BROADCAST 

説明

SHOW BROADCASTコマンドは, SET BROADCASTコマンドで端末から設定されているメッセージ・クラスを表示します。 SET BROADCASTコマンドでメッセージ表示が許可されていても, 端末がNO BROADCASTに設定されているためにこれらのメッセージが表示されない場合は, 情報メッセージが表示されます。

修飾子

/OUTPUT[=ファイル指定]
/NOOUTPUT

コマンドの出力が,どこに送られるかを制御します。この修飾子を指定しない場合や, /OUTPUT修飾子だけを指定してファイル指定をしない場合には, 出力はSYS$OUTPUTという論理名に割り当てられた, 現在のプロセスにおける省略時の出力ストリーム,または装置に出力されます。

/OUTPUT修飾子に部分的なファイル指定(たとえばディレクトリだけ) を指定した場合には,SHOWという省略時のファイル名と, LISという省略時のファイル・タイプが使用されます。 ファイル指定には,ワイルドカード文字は使用できません。

/NOOUTPUT修飾子を指定した場合,何も出力されません。

  1. $ SET BROADCAST=ALL
    $ SET TERMINAL/NOBROADCAST
    $ SHOW BROADCAST
    Broadcasts are enabled for all classes
    Terminal is set "No Broadcast", no broadcast messages
    will be displayed.
    
    この例では,ブロード・キャストの全メッセージ・クラスが設定されています。 ただしターミナルがNO BROADCASTに設定されたため, ブロード・キャスト・メッセージは受け取りません。

  2. $ SHOW BROADCAST
    Broadcasts are currently disabled for:
        MAIL
    
    SET BROADCAST=NOMAILに設定されていることを示しています。

  3. $ SET BROADCAST=(NOALL,USER1)
    $ SET TERMINAL/NOBROADCAST
    $ SHOW BROADCAST
    Broadcasts are currently disabled for:
        GENERAL
        PHONE
        MAIL
        QUEUE
        SHUTDOWN
        URGENT
        DCL
        OPCOM
        USER2
        USER3
        USER4
        USER5
        USER6
        USER7
        USER8
        USER9
        USER10
        USER11
        USER12
        USER13
        USER14
        USER15
        USER16
    Terminal is set "No Broadcast", no broadcast messages
    will be displayed.
    
    この例では,USER1からのブロード・キャストが設定されています。 ただし,ターミナルが NO BROADCASTに設定されているため, ブロード・キャスト・メッセージは受け取れません。

  4. $ SET BROADCAST=NONE
    $ SHOW BROADCAST
    Broadcasts are disabled for all classes
    
    SET BROADCAST=NONEに設定されていることを示しています。


SHOW CLUSTER

クラスタの動作と性能を監視し表示するために,Show Clusterユーティリティ (SHOW CLUSTER)を起動します。

Show Clusterユーティリティについての詳細は, 『OpenVMSシステム管理ユーティリティ・リファレンス・マニュアル』 またはオンライン・ヘルプを参照してください。

フォーマット

     SHOW CLUSTER 


SHOW CPU

OpenVMSマルチプロセッシング・システムの各プロセッサ状態を表示します。

フォーマット

     SHOW CPU  [CPU識別子[,...]] 

パラメータ

CPU識別子[,...]

OpenVMSマルチプロセッシング・システムのプロセッサ識別子を10進数で指定します。 VAX 6000システムあるいはAlpha 7000システムでは, CPU IDはプロセッサのバックプレーン・スロット番号です。

説明

SHOW CPUコマンドは, OpenVMSマルチプロセッシング・システムまたは単一CPUシステム内の, アクティブで使用できるプロセッサの状態,属性, および機能についての情報を表示します。

/ACTIVE修飾子,/ALL修飾子,CPU ID,またはCPU IDのリストのいずれかを使用して, 表示するプロセッサを指定します。省略時の設定は,/ALL修飾子です。

/BRIEF,/FULL,および/SUMMARY修飾子を使用して,表示する情報の種類を指定します。 省略時の設定は,/BRIEF修飾子です。 ただし,コマンドの対象要素としてプロセッサも指定しないと, 省略時の設定はSHOW/ALL /SUMMARYになります。

SHOW CPU/FULLコマンドは,システムの他の処理を停止させないで, 各構成済みプロセッサの現在のプロセスをリストします。 データが表示されている間に,現在のプロセスが変化することがあります。 そのため,表示に一貫性が欠けることがあります。たとえば1つのプロセスが, 2つ以上のCPUで現在のプロセスとしてリストされることがあります。

修飾子

/ACTIVE

稼動状態のプロセッサの情報のみを表示します。

/ALL

実装されているすべてのプロセッサについて,稼動状態, 不稼動状態の情報を表示します。

/BRIEF

概略情報と, 実装されている各プロセッサのCPU状態および実行中プロセスの情報を表示します。

/FULL

概略情報を表示します。また同時に,実装されている各プロセッサについて, CPU状態,実行中プロセス,リビジョン・レベルおよび負荷を表示します。 また,特定のプロセッサ上でのみ実行可能なプロセスを表示します。 さらに,マルチプロセッサ対応していないドライバがシステム上に存在した場合には, その名前も表示します。

SHOW CPU/FULLコマンドは,システム状態を変更せずに, 実装されたCPU上で実行中のプロセスを表示します。したがって, データ表示中に実行中のプロセス状態が変更され,表示に矛盾が生じることがあります。 たとえば,同一のプロセスが, 複数のCPUで同時に実行中であるように報告される可能性があります。

また,この修飾子は, CPUがFast Path優先CPUとしての使用が有効であるか無効であるかも表示し, 続いてそれに対して割り当てられているFast Pathポートを一覧表示し, そのポートがユーザ割り当てであるかどうかを示します。

I/O性能を向上させるためのFast Path機能の使用についての詳細は, 『OpenVMS User's Reference Manual』を参照してください。

/SUMMARY

OpenVMSマルチプロセッシング・システムあるいは単一CPUシステムで,主プロセッサ, 実装されているプロセッサ,および稼動中のプロセッサを示す情報を表示します。 また,システム中のプロセッサが必要とする最小リビジョン・レベル, どのOpenVMS同期イメージがロードされているか, およびマルチプロセッシング・モードになっているかどうかも表示します。 そして,マルチプロセッサ対応していないドライバが原因で, マルチプロセッシング・モードになっていない場合には, 警告メッセージが出力されます。

  1. $ SHOW CPU
    
    SOWHAT, A VAX 8800
    Multiprocessing is ENABLED. Full checking synchronization image
      loaded.
    Minimum multiprocessing revision levels: CPU = 0 uCODE = 0 UWCS = 0.
    
    PRIMARY CPU = 01
    Active CPUs:      00 01
    Configured CPUs:  00 01
    
    このSHOW CPUコマンドは, SOWHATというVAX 8800システムに実装されているプロセッサの概要を示しています。 主プロセッサはCPU 01であり, 実装されているすべてのプロセッサが稼動状態であることを示しています。

  2. $ SHOW CPU/BRIEF
    
    SOWHAT, A VAX 8800
    Multiprocessing is ENABLED. Full checking synchronization image
      loaded.
    Minimum multiprocessing revision levels: CPU = 0 uCODE = 0 UWCS = 0.
    
    PRIMARY CPU = 01
    
    CPU 00 is in RUN state
    Current Process: AIREGIN          PID = 4A8001E5
    
    CPU 01 is in RUN state
    Current Process: ***None***
    
    このSHOW CPU/BRIEFコマンドは, SOWHATというVAX 8800システムに実装されているプロセッサの概要と, 2つのプロセッサがともにRUN状態であることを示しています。 CPU 00のみ,実行中プロセスがあります。

  3. $  SHOW CPU/FULL
    
    COBRA7, a DEC 4000 Model 620
    Multiprocessing is ENABLED. Streamlined synchronization image loaded.
    Minimum multiprocessing revision levels: CPU = 1
    
    System Page Size = 8192
    System Revision Code =
    System Serial Number =
    Default CPU Capabilities:
            System:         QUORUM RUN
    Default Process Capabilities:
            System:         QUORUM RUN
    
    PRIMARY CPU = 00
    
    CPU 00 is in RUN state
    Current Process: *** None ***
    Serial Number:  AY24870417
    Revision:       A200
    VAX floating point operations supported.
    IEEE floating point operations and data types supported.
    Processor is Primary Eligible.
    PALCODE: Revision Code = 5.48
             PALcode Compatibility = 0
             Maximum Shared Processors = 2
             Memory Space:  Physical address = 00000000 00000000
                            Length = 0
             Scratch Space: Physical address = 00000000 00000000
                            Length = 0
    Capabilities of this CPU:
            System:         PRIMARY QUORUM RUN
            User bitmask:   00000040
    Processes which can only execute on this CPU:
            NETACP           PID = 0000008E  Reason: PRIMARY Capability
    Enabled for use as a Fastpath Preferred CPU.
    Fastpath ports assigned to this CPU:
            PNA0
            PNB0 (user assigned)
    
    CPU 01 is in RUN state
    Current Process: CPUSCHED        PID = 00000095
    Serial Number:  AY24870406
    Revision:       A200
    VAX floating point operations supported.
    IEEE floating point operations and data types supported.
    PALCODE: Revision Code = 5.48
             PALcode Compatibility = 0
             Maximum Shared Processors = 2
             Memory Space:  Physical address = 00000000 00000000
                            Length = 0
             Scratch Space: Physical address = 00000000 00000000
                            Length = 0
    Capabilities of this CPU:
            System:         QUORUM RUN
            User bitmask:   00000080
    Processes which can only execute on this CPU:
            CPUSCHED        PID = 00000095  Reason: Affinitized to this CPU
                                            Reason: User capabilities - 00000080
    Enabled for use as a Fastpath Preferred CPU.
    Fastpath ports assigned to this CPU:
            PNC0
    
    このSHOW CPU/FULLコマンドは, COBRA7というDEC 4000モデル620システムのCPU構成を表示しています。 いずれのプロセッサもRUN状態にありまが, CPU 01だけが現在のプロセス(CPUSCHED)を持ちます。 CPUSCHEDは,CPU 1に対するアフィニティがあり, CPU 1だけがプロセス性能8を持っているので,CPU 1上で実行します。

  4. $ SHOW CPU/FULL
    
    OLEO, A VAX 6000-420
    Multiprocessing is DISABLED. MULTIPROCESSING Sysgen parameter = 02
    Minimum multiprocessing revision levels - CPU: 0 uCODE: 0 UWCS: 21.
    PRIMARY CPU = 02
    *** Loaded unmodified device drivers prevent multiprocessor operation.***
        RBDRIVER
    
    CPU 02 is in RUN state
    Current Process: Koko               PID = 2A6001E3
    Revision levels: CPU: 0 uCODE: 0 UWCS: 0.
    Capabilities of this CPU:
            PRIMARY   VECTOR RUN
    Processes which can only execute on this CPU:
            CONFIGURE         PID = 2A40010B  Reason = PRIMARY Capability
                                              Reason = RUN Capability
    
    CPU 07 is in INIT state
    Current Process: *** None ***
    Revision levels: CPU: 0 uCODE: 0 UWCS: 0.
    Capabilities of this CPU:
        *** None ***
    Processes which can only execute on this CPU:
        *** None ***
    
    このSHOW CPU/FULLコマンドは, OLEOというVAX 6000-420システムのCPU構成を表示しています。 主プロセッサCPU 02のみが稼動中で,RUN状態にあります。 マルチプロセッサ対応でないドライバが存在するため, マルチプロセッサ処理になっていません。

  5. $ SHOW CPU/FULL
    CPU type: DEC 7000 Model 620
    Multiprocessing is ENABLED. Full checking synchronization image
     loaded.
    Minimum multiprocessing revision levels: CPU = 1
    
    System Page Size = 8192
    System Revision Code =
    System Serial Number = PROTO115
    Default CPU Capabilities:
            QUORUM RUN
    Default Process Capabilities:
            QUORUM RUN
    
    PRIMARY CPU = 00
    
    CPU 00 is in RUN state
    Current Process: *** None ***
    Serial Number:  GROUCHO
    Revision:
    VAX floating point operations supported.
    IEEE floating point operations and data types supported.
    PALCODE: Revision Code = 5.37
             PALcode Compatibility = 2
             Maximum Shared Processors = 8
             Memory Space:  Physical address = 00000000 00000000
                            Length = 16
             Scratch Space: Physical address = 00000000 00020000
                            Length = 16
    Capabilities of this CPU:
            PRIMARY QUORUM RUN
    Processes which can only execute on this CPU:
            CONFIGURE        PID = 00000104  Reason: PRIMARY Capability
    Enabled for use as a Fastpath Preferred CPU.
    Fastpath ports assigned to this CPU:
            PNA0
    
    CPU 01 is in RUN state
    Current Process: VMSADU          PID = 00000110
    Serial Number:  HARPO
    Revision:
    VAX floating point operations supported.
    IEEE floating point operations and data types supported.
    PALCODE: Revision Code = 5.37
             PALcode Compatibility = 2
             Maximum Shared Processors = 8
             Memory Space:  Physical address = 00000000 00000000
                            Length = 16
             Scratch Space: Physical address = 00000000 00020000
                            Length = 16
    Capabilities of this CPU:
            QUORUM RUN
    Processes which can only execute on this CPU:
            *** None ***
    Enabled for use as a Fastpath Preferred CPU.
    Fastpath ports assigned to this CPU:
            PNB0
    
    この例のSHOW CPU/FULLコマンドは, Alpha 7000-620システムの構成の概略を示しています。 両方のCPUが稼動しており,RUN状態であることが示されています。

  6. $  SHOW CPU/FULL
    
    COBRA7, a DEC 4000 Model 620
    Multiprocessing is ENABLED. Full checking synchronization image loaded.
    Minimum multiprocessing revision levels: CPU = 1
    
    System Page Size = 8192
    System Revision Code =
    System Serial Number =
    Default CPU Capabilities:
            System:         QUORUM RUN
    Default Process Capabilities:
            System:         QUORUM RUN
    
    PRIMARY CPU = 00
    
    CPU 00 is in RUN state
    Current Process: SYSTEM           PID = 00000097
    Serial Number:  AY24870406
    Revision:       A200
    VAX floating point operations supported.
    IEEE floating point operations and data types supported.
    PALCODE: Revision Code = 5.56-01
             PALcode Compatibility = 0
             Maximum Shared Processors = 2
             Memory Space:  Physical address = 00000000 00000000
                            Length = 0
             Scratch Space: Physical address = 00000000 00000000
                            Length = 0
    Capabilities of this CPU:
            System:         QUORUM RUN
    Processes which can only execute on this CPU:
            *** None ***           
    Disabled for use as a Fastpath Preferred CPU.
    Fastpath ports assigned to this CPU:
            PNA0 (user assigned)
    
    CPU 1がFast path優先CPUとして有効化された場合に, ポートPNA0はユーザによりCPU 1に割り当てられました。 その操作の結果, IO_PREFER_CPUS SYSGENパラメータのCOU 1のビットがクリアされました。 これにより,Fast Path優先CPUとしてCPU 1を使用することを無効としました。 通常,IO_PREFER_CPUSが変化した場合, FASTPATH_SERVERプロセスが一連の使用可能なCPU間にFast Pathポートを再度分配するため, これは過渡的な状態です。

    しかし,FASTPATH_SERVERプロセスが存在しない場合, PNA0はいずれかの状態が発生するまで, このCPUに割り当てられたままの状態となります。

  1. SET DEVICE/PREFERRED_CPUコマンド, $QIOあるいは$IO_FASTPATHシステム・サービスを使用して, ユーザがこのポートを別のCPUに移動しようとした場合。

  2. CPUが停止した場合。


SHOW DEFAULT

現在の省略時の装置およびディレクトリの名前を表示します。

フォーマット

     SHOW DEFAULT 

説明

SHOW DEFAULTコマンドは, 現在の装置とディレクトリの名前を等価な文字列とともに表示します。

省略時のディスクとディレクトリは,利用者登録ファイル(UAF)に設定されています。 ターミナル・セッション中またはバッチ・ジョブでこれらの省略時の設定を変更するには, SET DEFAULTコマンドを使用するか,論理名SYS$DISKの割り当てを変更します。

  1. $ SHOW DEFAULT
      DISK1:[ALAMO]
    $ SET DEFAULT DISK5:[SKONETSKI.SOURCES]
    $ SHOW DEFAULT
      DISK5:[SKONETSKI.SOURCES]
    
    最初のSHOW DEFAULTコマンドは, 現在の省略時の装置名とディレクトリ名を表示しています。 SET DEFAULTコマンドは,これらの省略時の値を変更し, 2番目のSHOW DEFAULTコマンドは, 新しい省略時の装置とディレクトリを表示しています。

  2. $ SET DEFAULT NOSUCH:[NOWAY]
    $ SHOW DEFAULT
     NOSUCH:[NOWAY]
     %DCL-I-INVDEF, NOSUCH:[NOWAY] does not exist
    
    省略時の装置,およびディレクトリが, 存在しない装置とディレクトリに設定されました。 このためエラー・メッセージが表示されています。

  3. $ DEFINE/TRANSLATION_ATTRIBUTES=CONCEALED XYZ WORK:[INVOICES.]
    $ SET DEFAULT XYZ:[SALES]
    $ SHOW DEFAULT
    XYZ:[SALES]
    
    この例では,論理名XYZがWORK:[INVOICES]として定義されています。 /TRANSLATION_ATTRIBUTES=CONCEALED修飾子を指定して, ファイル指定ではXYZを変換しないように指定しています。 そのため,SHOW DEFAULTは,論理名XYZを展開せずにそのまま表示しています。

  4. $ SET DEFAULT WRK:[SCHENKENBERGER]
    $ SHOW DEFAULT
     WRK:[SCHENKENBERGER]
    $ DEFINE KUDOS WRK:[SCHENKENBERGER.TEMP1],WRK:[SCHENKENBERGER.TEMP2]
    $ SET DEFAULT KUDOS
    $ SHOW DEFAULT
     KUDOS:[SCHENKENBERGER]
     =   WRK:[SCHENKENBERGER.TEMP1]
     =   WRK:[SCHENKENBERGER.TEMP2]
    
    論理名KUDOSは,装置WRK上にあるディレクトリ[SCHENKENBERGER.TEMP1]と [SCHENKENBERGER.TEMP2]を含むサーチ・リストとして定義されます。 SET DEFAULTコマンドは,このサーチ・リストの論理名を論理名SYS$DISKにします。 SHOW DEFAULTコマンドは, その等価文字列とともにサーチ・リストの論理名を表示します。

    ディレクトリ・フィールドが明示的に指定されていないので, 最初の[SCHENKENBERGER]ディレクトリが,現在の省略時ディレクトリとして残ります。 現在の省略時ディレクトリ・シンタックス([])が明示的に用いられていない場合, すべてのファイル参照は,サーチ・リストに含まれるディレクトリに対して行われます。


SHOW DEVICES

システム内の装置の状態を表示します。

制限事項については,修飾子の説明を参照してください。

フォーマット

     SHOW DEVICES  [装置名[:]] 

パラメータ

装置名[:]

情報が表示される装置の名前を,ddcuの形式で指定します。 ここでdd,c,uはそれぞれ,装置コード,コントローラ指示子,ユニット番号です。 クラスタ・システム(OpenVMS Cluster)で階層型ストレージ・コントローラ(HSC) に接続されている場合は,装置名に node$ddcuの形式でノード名を含めなくてはなりません(ここでnodeはノード名です)。

完全な装置名,または装置名の一部だけを指定できます。 SHOW DEVICEコマンドは,装置名の中で省略されている部分に対しては, 次に示されているように省略時の値を使用します。

/FILES修飾子は,装置名の未指定部分に省略時の値を補いません。 完全な装置指定を行ってください。

説明

装置を指定しないで,または修飾子を使用しないで SHOW DEVICESコマンドを入力すると, システムのすべての装置についての情報が表示されます。 装置名を指定すると,その装置に関する情報が表示されます。 SHOW DEVICESコマンドに修飾子を指定すると, 現在ボリュームがマウントされている装置, またはプロセスに割り当てられている装置, あるいはその両方についての情報が表示されます。

表示される装置名の形式は,ddcu です。dd は装置コード, c はコントローラ指定,u はユニット番号です。 OpenVMS Clusterシステムで階層型ストレージ・コントローラ(HSC) に接続されている場合は,装置名には node$ddcu という形式でノード名をいれる必要があります。nodeはノード名です。

装置名パラメータまたは修飾子を指定せずにSHOW DEVICESコマンドを入力すると, システムのすべての装置の特性リストが表示されます (ただしMBA3:,NLA0:,NET9:などのメールボックス属性を持つ疑似装置を除きます)。 疑似装置を表示するには,装置名全体または一部を指定しなければなりません。

修飾子

/ALLOCATED

プロセスに現在占有されている,すべての装置を表示します。

装置名を指定した場合には,その装置の属性だけが表示されます。 指定した装置が,プロセスによって現在占有されていない場合には, このコマンドは,そのような装置が存在しないことを示すメッセージを表示します。 汎用装置名を指定した場合には,そのタイプの装置の中で, プロセスが占有しているすべての装置の属性が表示されます。

/BRIEF (省略時の設定)

指定された装置に関して,簡単な情報を表示します。

/EXACT

/PAGE=SAVEおよび/SEARCH修飾子とともに使用し, 大文字と小文字を区別した文字列検索を指定します。 この場合,検索文字列は二重引用符で囲まなければなりません。

/SEARCH修飾子を指定せずに/EXACT修飾子を指定した場合, "Findキー" (E1)を押すと文字列検索が有効になります。

/FILES

読み込みアクセス保護されたファイルを表示するためには, SYSPRV(システム特権)またはBYPASS特権が必要です。

ボリューム内でオープンされているすべてのファイルの名前と, それに対応するプロセス名,およびプロセス識別子(PID)を表示します。 指定する装置は,マウントされたFiles-11構造のボリュームでなければなりません。 指定したボリュームがマルチボリューム・セットの場合には, セット内の各ボリュームのファイルの情報が表示されます。


注意
SHOW DEVICES/FILESコマンドは, 装置名の未指定部分についての省略時解釈を行いません。 /FILES修飾子を用いるときは,完全な装置指定をしなければなりません。


/SYSTEM修飾子をともに指定した場合には,インストールされているファイルと, システムがオープンしているファイルの名前だけが表示されます。 システムがオープンしているファイルとは,INDEXF.SYSやQUOTA.SYS などのように補助制御プロセス(ACP)を使用せずにオープンされたファイル, およびJBCSYSQUE.EXEやSYSMSG.EXEなどのシステム・ファイルです。

/NOSYSTEM修飾子を指定した場合には, プロセスがオープンしたファイルだけが表示されます。 ユーザと同一のグループに含まれるプロセスがオープンしたファイルに関する情報を表示するには, ユーザのプロセスが,少なくともGROUP特権を持っていなければなりません。 プロセスがユーザとは別グループである場合には,WORLD特権が必要です。

/SYSTEM修飾子も/NOSYSTEM修飾子も指定していない場合には, システム上で現在オープンされている,すべてのファイルの名前が表示されます。

ファイルが,利用者識別コードで読み込みアクセス保護されている場合には, ファイル名のかわりにNo privilegeというメッセージが表示されます。 これらのファイル名を表示するには, SYSPRV(システム特権)またはBYPASS特権が必要です。

ファイル名の代わりにスペースが表示された場合には, ディレクトリに登録されない作業ファイル(たとえば一時編集ファイルなど) を示します。このような一時ファイルの名前を表示するには, GROUPまたはWORLD特権の他に,BYPASS特権が必要です。

/FILES修飾子は,/ALLOCATED修飾子,/BRIEF修飾子,/FULL修飾子, /MOUNTED修飾子と同時に使用できません。 /FILES修飾子の機能とこれらの修飾子の機能は,同時に使用することはできません。

/FULL

rebuild状態を除き,装置に関する完全な情報を表示します。 rebuild状態の装置に関する情報を表示するためには, /REBUILD_STATUS修飾子を指定します。

/HIGHLIGHT[=キーワード]

/PAGE=SAVEおよび/SEARCH修飾子とともに使用し, 一致した検索文字列の強調表示方法を指定します。 一致した検索文字列があった場合は,行全体が強調されます。 キーワードには,BOLD, BLINK, REVERSE,およびUNDERLINEを指定できます。 省略時の設定はBOLDです。

/MOUNTED

ボリュームが現在マウントされている,すべての装置を表示します。

装置名を指定した場合には,その装置の属性だけが表示されます。 しかし,装置にボリュームがマウントされていない場合には, このような装置が存在しないことを示すメッセージが表示されます。 汎用装置名を指定した場合には,指定されたタイプの装置の中で, ボリュームがマウントされている装置の属性が表示されます。

/MULTIPATH

現在マルチパス設定であるすべての装置を表示します。

装置名を指定した場合,その装置の特性だけが表示されます。 しかし,その装置がマルチパス設定でない場合, コマンドを実行するとそのような装置はないというメッセージが通知されます。 汎用装置名を指定した場合,現在マルチパス設定であるすべての汎用装置の特性が表示されます。

/OUTPUT[=ファイル指定]
/NOOUTPUT

コマンドの出力先を指定します。この修飾子を指定しなかった場合や, /OUTPUT修飾子だけを指定してファイル指定を省略した場合には, 論理名SYS$OUTPUTによって示される,現在のプロセスの省略時の出力ストリーム, または装置に出力されます。

/OUTPUT修飾子に部分的なファイル指定(たとえばディレクトリだけ) を指定した場合には,SHOWという省略時のファイル名と, LISという省略時のファイル・タイプが使用されます。 ファイル指定には,ワイルドカード文字を使用することはできません。

/NOOUTPUT修飾子を指定した場合は,何も出力されません。

/PAGE[=キーワード]
/NOPAGE (省略時の設定)

コマンド出力の画面表示をページャを介して行います。

次のキーワードを指定できます。

CLEAR_SCREEN ページモードで表示(毎回画面を消去する)
SCROLL スクロールモードで表示(毎回画面を消去しない)
SAVE[=n] n ページ分の履歴を保持する(前ページに戻ること等が可能)

/PAGE=SAVE修飾子を指定すると最大5画面 (最大255カラムまで)分の履歴を保存できます。 ページャ内では以下のキーを使って画面の移動などができます。

キー・シーケンス 説明
Up arrow key, Ctrl/B 1行スクロールアップ
Down arrow key 1行スクロールダウン
Left arrow key 1カラム左シフト
Right arrow key 1カラム右シフト
Find (E1) 文字列検索を起動
Insert Here (E2) 半画面右シフト
Remove (E3) 半画面左シフト
Select (E4) 80/132カラム切替え
Prev Screen (E5) 前ページに移動
Next Screen (E6), Return, Enter, Space 次ページに移動
F10, Ctrl/Z 終了(ユーティリティによっては異なる)
Help (F15) ヘルプ・テキストを表示
Do (F16) 最新(現在)画面と(履歴内で)最古画面の切り替え
Ctrl/W 再表示

/PAGE修飾子は/OUTPUT修飾子とは同時に使用できません。

/REBUILD_STATUS

ボリュームをリビルドする必要があるかどうかを示します。

ボリュームが不適当にディスマウントされた場合は, ボリュームをリビルドする必要があるかもしれません。たとえば, システムがクラッシュした場合,ボリュームが不適当にディスマウントされます。

各ボリュームに対して, SHOW DEVICES/REBUILD_STATUS は次に示す値のいずれか 1つを返します。

意味
Yes リビルドが必要である。
No リビルドは不要である。
Not applicable このボリュームをリビルドすることはできない。 このボリュームがディスクでない場合や,書き込みロックされている場合は, この値が返されます。
Information unavailable リビルド情報は提供されない。ボリュームがマウントされていない場合や, マウントの検証が行われている場合は,この値が返されます。

ボリュームをリビルドするには,次のいずれかの操作を実行してください。

SHOW DEVICESコマンドの他の修飾子と同時に /REBUILD_STATUS修飾子を使用することはできません(ただし/OUTPUT修飾子を除きます)。

/SEARCH="検索文字列"

/PAGE=SAVE修飾子とともに使用し,表示される情報内で検索したい文字列を指定します。 文字列にスペース文字等を入れたい場合は, 検索文字列は二重引用符で囲まなければなりません。

情報が表示されている時にFind(E1)キーを押すと, 検索文字列を動的に変更することができます。この場合は,引用符は必要ありません。

/SYSTEM
/NOSYSTEM

インストールされているファイルと, システムがオープンしているファイルの名前を表示するかどうかを指定します。 システムがオープンしているファイルとは,INDEXF.SYSやQUOTA.SYSなどのように, 補助制御プロセス(ACP)を使用せずにオープンされたファイルです。

/NOSYSTEM修飾子を/FILES修飾子とともに指定した場合は, プロセスがオープンしているファイルだけが表示されます。 /SYSTEM修飾子も/NOSYSTEM修飾子も省略し,/FILES修飾子だけを指定した場合には, システム内で現在オープンされている,すべてのファイルの名前が表示されます。

この修飾子は,/FILES修飾子と同時に指定されている場合にだけ有効です。 詳細は,/FILES修飾子の説明を参照してください。

/WINDOWS

ボリューム上でオープンされているファイルについて,ウィンドウ数と, すべてのウィンドウのサイズの合計を表示します。 ファイル名,対応するプロセス名,プロセス識別子(PID)も表示されます。 表示される情報の中でCという英字は, ファイルがカテドラル・ウィンドウ(セグメント化されたウィンドウ) によりオープンされていることを示します。

/WRAP
/NOWRAP (省略時の設定)

/PAGE=SAVE修飾子とともに使用し, 画面の幅を越える行をラップするかどうかを指定します。 /WRAP修飾子を指定した場合,はみ出す部分は次行に表示されます。

/NOWRAP修飾子を指定した場合, はみ出した部分は左右にスクロールしながら見ることができます。

  1. $ SHOW DEVICES
    Device         Device      Err.    Volume        Free  Trans Mount
     Name          Status     Count     Label       Blocks Count Count
    DBA0:          Online mnt     0  VMS             47088   115     1
    DBA1:          Online mnt     0  USERPACK1       45216     2     1
    DBA2:          Online mnt     3  DOCUMENT         8068    20     1
    DBA5:          Online mnt     0  MASTERP         28668     1     1
    DBA6:          Online         0
    DBA7:          Online mnt     0  PROJECT        110547     1     1
    DMA0:          Online         0
    DLA0:          Online         0
    DYA0:          Online         0
    DYA1:          Online         0
    DRA3:          Online mnt     0  RES26APR        29317     1     1
    
    この例では,SHOW DEVICESコマンドは,システムの各装置の次の情報を表示します。

    • 装置名

    • 装置の状態と属性

      状態は,装置がオンラインにあるかどうかを示します。 属性は,装置が割り当てられているか,スプールされているか, ボリュームがマウントされているか, または外部ボリュームがマウントされているかどうかを示します。

    • エラー回数

    • ボリューム・ラベル(ディスクとテープ・ボリュームのみ)

    • ボリュームの空きブロック数

    • トランザクション回数

    • ボリュームに発行されたマウント要求数(ディスク装置のみ)

  2. $ SHOW DEVICE/FULL DKB0:
    
    Disk $DKB0:, device type RZ56, is online, mounted, file-oriented
        device, shareable, error logging is enabled.
    
    Error count                   0  Operations completed            392750
    Owner process                ""  Owner UIC                        [1,4]
    Owner process ID       00000000  Dev Prot           S:RWPL,O:RWPL,G:R,W
    Reference count             317  Default buffer size                512
    Total blocks            1299174  Sectors per track                   54
    Total cylinders            1604  Tracks per cylinder                 15
    
    Volume label      "SYSTEM_DISK"  Relative volume number               0
    Cluster size                  3  Transaction count                  278
    Free blocks              367632  Maximum files allowed           162396
    Extend quantity               5  Mount count                          1
    Mount status             System  Cache name      "$DKB0:XQPCACHE"
    Extent cache size            64  Maximum blocks in extent cache   36763
    File ID cache size           64  Blocks currently in extent cache 36258
    Quota cache size              0  Maximum buffers in FCP cache       210
    Volume owner UIC          [1,1]  Vol Prot   S:RWCD,O:RWCD,G:RWCD,W:RWCD
    
    Volume status:  ODS-2, subject to mount verification, protected subsystems
         enabled, file high-water marking, write-through caching enabled.
    
    この例のSHOW DEVICESコマンドは, RZ56装置DKB0の状態をすべてリストするように要求します。

  3. $ SHOW DEVICES/REBUILD_STATUS
    
    Device Name             Rebuild needed?
    
    ADU15$DKA300:           Information unavailable
    EDIV$DKA300:            Information unavailable
    EMUL$DKB200:            No
    EMUL$DKB300:            No
    EMUL$DKB500:            Yes
    FTA0:                   Not applicable
    OPA0:                   Not applicable
    
    この例では,EMUL$DKB500装置にマウントされたボリュームは, リビルドする必要があります。

  4. $ SHOW DEVICES/FULL NODE2$
    Disk NODE2$DUA0:, device type RA81, is online, mounted,
    error logging enabled
     Error count                0  Operations completed           24195
     Owner UIC           [11,177]  Owner process name
     Owner process ID    20200000  Dev Prot S:RWPL,O:RWPL,G:RWPL,W:RWPL
     Reference count           16  Default buffer size              512
     Volume label       VMSDOCLIB  Relative volume no.                0
     Cluster size               3  Transaction count                 17
     Free blocks           525447  Maximum files allowed         111384
     Extend quantity            5  Mount count                        1
     Volume status         System  ACP process name
     Caching disabled
    Volume is subject to mount verification, file high-water marking
    
    Disk NODE2$DUA1:,device type RA81,is online,error logging enabled
     Error count                0  Operations completed               0
     Owner UIC              [0,0]  Owner process name
     Owner process ID    20200000  Dev Prot S:RWED,O:RWED,G:RWED,W:RWED
     Reference count            0  Default buffer size              512
       .
       .
       .
    
    この例では,ユーザはOpenVMS Clusterの NODE2上の各装置についての情報をすべて表示するように要求しました。 ここでは,最初の2つの装置(マウントされた装置とマウントされていない装置) の情報だけが表示されています。

  5. $ SHOW DEVICE $1$DKB1:/FULL
    
    Disk $1$DKB1: (VMSRMS), device type RRD40, is online, allocated,
    deallocate on dismount,mounted,software write-locked,file-oriented
    device, shareable, served to cluster via MSCP Server
    
    Error count                 0  Operations completed              15
    Owner process        "_FTA5:"  Owner UIC                      [1,4]
    Owner process ID     2020005D  Dev Prot         S:RWPL,O:RWPL,G:R,W
    Reference count             2  Default buffer size              512
    Total blocks              256  Sectors per track                 32
    Total cylinders             1  Tracks per cylinder                8
    Allocation class            1
    
    Volume label       "VOLUME_1"  Relative volume number            64
    Cluster size                0  Transaction count                  1
    Free blocks                 0  Maximum files allowed              0
    Extend quantity             0  Mount count                        1
    Mount status          Process  ACP process name          "DAD2CACP"
    
    Volume status:  ISO 9660.
    Members of this volume set are $1$DKB7: (rvn 64), $1$DKB4: (rvn 8),
    $1$DKB1: (rvn 1), $1$DKB12: (rvn 4096), $1$DKB16: (rvn 65535),
    $1$DKB6: (rvn 32).
    
    この例では,ユーザは, ISO 9660の部分的にマウントされたボリューム・セットのすべての情報を要求しています。 ボリュームの状態は,メディア形式がISO 9660であることを示し, ボリューム・セット・リストは, 現在マウントされているメンバのリストを示しています。

  6. $ SHOW DEVICES MUA1/FULL
    
    Magtape $4$MUA1: (HSC70), device type TA79, is online, device is
     equipped with a stacker/loader, file-oriented device, available
     to cluster, error logging is enabled.
    
     Error count              0  Operations completed                 0
     Owner process           ""  Owner UIC                     [SYSTEM]
     Owner process ID  00000000  Dev Prot           S:RWPL,O:RWPL,G:R,W
     Reference count          0  Default buffer size               2048
     Density               1600  Format                       Normal-11
     Host name          "HSC70"  Host type, avail             HS70, yes
     Allocation class         4
    
    Volume status:  no-unload on dismount, odd parity.
    
    この例では,ユーザはテープ装置MUA0のすべての情報を表示するように指定しています。

  7. $ SHOW DEVICE/FULL $1$DKA221
    
    Disk $1$DKA221: (HSC952), device type RZ29, is online, mounted,
        file-oriented device, shareable, available to cluster, error
        logging is enable.
    
     Error count               0  Operations completed               6509  
     Owner process            ""  Owner UIC                      [SYSTEM]
     Owner process ID   00000000  Dev Prot            S:RWPL,O:RWPL,G:R,W
     Reference count         108  Default buffer size                 512
     Current preferred CPU Id  1  Fastpath                              1
     Total blocks        8380080  Sectors per track                     4
     Total cylinders       65470  Tracks per cylinders                 32
     Host name          "HSC952"  Host type, avail              HS95, yes
     Allocation class          1
    
     Volume label   "GALAXY_X6L5" Relative volume number                0
     Cluster size              4  Transaction count                   302
     Free blocks         4691760  Maximum files allowed            838008
     Extend quantity           5  Mount count                           2
     Mount status         System  Cache name        "_$1$DKA221:XQPCACHE"
     Extent cache size        64  Maximum blocks in extent cache   469176
     Quota cache size          0  Maximum buffers in FCP cache       1734
     Volume owner UIC      [1,1]  Vol Prot    S:RWCD,O:RWCD,G:RWCD,W:RWCD
    
    Volume Status:  ODS-2, subject to mount verification, protected
        subsystems enabled, file high-water marking, write-through
        caching enabled.
    Volime is also mounted on MEAD.
    
    このディスクは,Fast PathポートPNA0を経由してI/Oを実行する装置です。 このディスクに対してFast Pathが有効に設定されており, そのFast PathポートPNA0に対応付けられた優先CPUであるCPU 1上でI/Oが処理されます。

    /FULL修飾子は,Fast Path装置についての付加的な情報も表示します。 Fast Path装置は,クラス装置あるいはポート装置のいずれかです。 クラス装置の例はHSCディスクであり,ポート装置の例はCIです。 Fast Pathクラス装置およびポートの両方について,Fast Pathが有効であり, その装置が割り当てられている現在のCPU IDを表示します。 さらに,Fast Pathポートについては,ユーザが設定した優先CPUが存在している場合は, そのポートのユーザ設定優先CPUも表示します。

    現在の優先CPUおよびユーザ優先CPUは, DCLコマンドのSET DEVICES/PREFERRED_CPUあるいは$QIOを使用することで, 設定することができます。

    I/O性能を向上させるためのFast Path機能の使用についての詳細は, 『OpenVMS I/O User's Reference Manual』を参照してください。

  8. $ SHOW DEVICE/FULL PNA0
    Device PNA0:, device type CIXCD, is online, shareable, error logging
        is enabled.
    
     Error count                 0  Operations completed              0
     Owner process              ""  Owner UIC                  [SYSTEM]
     Owner process ID     00000000  Dev Prot          S:RWPL,O:RWPL,G,W
     Reference count             0  Default buffer size               0
     Current preferred CPU Id    1  FastPath                          1
    
    この例では,ポートPNA0がCPU 1に割り当てられ, Fast Pathが有効に設定されていることを示しています。

  9. $ SHOW DEVICE/FULL PNA0
    Device PNA0:, device type CIXCD, is online, shareable, error logging
    is enabled.
    
     Error count                 0  Operations completed              0
     Owner process              ""  Owner UIC                  [SYSTEM]
     Owner process ID     00000000  Dev Prot          S:RWPL,O:RWPL,G,W
     Reference count             0  Default buffer size               0
     Current preferred CPU Id    1  FastPath                          1
     User preferred CPU Id       2
    
    この例では,ユーザによるFast Path割り当てを示しています。

    通常,ユーザ優先CPU IDは現在の優先CPU IDに一致します。 上記の例でこれらが一致していない理由は,CPU 2が停止しているためです。 ポートは以前にCPU 2に割り当てられていました。 しかし,CPU 2が停止した際に, オペレーティング・システムがポート割り当てをCPU 2からCPU 1に移動しました。

    CPU 2が起動していた場合は, オペレーティング・システムはその装置をユーザ優先CPUに割り当てていたことでしょう。


SHOW DEVICES/SERVED

現ノード上で, 大容量記憶制御プロトコル(MSCP)サーバによって制御されている装置に関する情報を表示します。 /SERVED修飾子は必須です。

フォーマット

     SHOW DEVICES/SERVED 

説明

SHOW DEVICES/SERVEDコマンドは, MSCPサーバとそれがサービスする装置についての情報を表示します。 この情報は,主にシステム管理者が使用します。 テープ・サーバがロードされていない場合にユーザが SHOW DEVICE/SERVEDコマンドを実行すると,次のメッセージが表示されます。
     %SHOW-E-TMSCPNOTLD, TMSCP-Server code not loaded

修飾子

/ALL

この修飾子は,次に示されているすべての修飾子 (ただし/OUTPUT修飾子を除く)によって表示される情報を表示します。

/COUNT

終了した転送操作の数を,転送のサイズによって並べ換えて表示します。 また,MSCPサーバが開始してから実行されたMSCP操作の回数を表示します。

/EXACT

/PAGE=SAVEおよび/SEARCH修飾子とともに使用し, 大文字と小文字を区別した文字列検索を指定します。 この場合,検索文字列は二重引用符で囲まなければなりません。

/SEARCH修飾子を指定せずに/EXACT修飾子を指定した場合, "Findキー" (E1)を押すと文字列検索が有効になります。

/HIGHLIGHT[=キーワード]

/PAGE=SAVEおよび/SEARCH修飾子とともに使用し, 一致した検索文字列の強調表示方法を指定します。 一致した検索文字列があった場合は,行全体が強調されます。 キーワードには,BOLD, BLINK, REVERSE,およびUNDERLINEを指定できます。 省略時の設定はBOLDです。

/HOST

MSCPに制御されているオンライン状態の装置を持つ,プロセッサ名を表示します。 SYSGEN(System Generationユーティリティ)のMSCP/HOSTコマンドは, OpenVMS Cluster内で一度にMSCPサーバに対して接続できるホスト数を決定します。

/OUTPUT=[ファイル指定]

ターミナルへの出力を,指定したファイルに出力します。 ファイルを指定しなかった場合や,この修飾子を使用しなかった場合には, SYS$OUTPUTに出力されます。

/PAGE[=キーワード]
/NOPAGE (省略時の設定)

画面上への装置情報の表示を制御します。

次のキーワードを指定できます。

CLEAR_SCREEN ページモードで表示(毎回画面を消去する)
SCROLL スクロールモードで表示(毎回画面を消去しない)
SAVE[=n] nページ分の履歴を保持する(前ページに戻ること等が可能)

/PAGE=SAVE修飾子を指定すると最大5画面(最大255カラムまで)分の履歴を保存できます。 ページャ内では以下のキーを使って画面の移動などができます。

キー・シーケンス 説明
Up arrow key, Ctrl/B 1行スクロールアップ
Down arrow key 1行スクロールダウン
Left arrow key 1カラム左シフト
Right arrow key 1カラム右シフト
Find (E1) 文字列検索を起動
Insert Here (E2) 半画面右シフト
Remove (E3) 半画面左シフト
Select (E4) 80/132カラム切替え
Prev Screen (E5) 前ページに移動
Next Screen (E6), Return, Enter, Space 次ページに移動
F10, Ctrl/Z 終了(ユーティリティによっては異なる)
Help (F15) ヘルプ・テキストを表示
Do (F16) 最新(現在)画面と(履歴内で)最古画面の切り替え
Ctrl/W 再表示

/PAGE修飾子は/OUTPUT修飾子とは同時に使用できません。

/RESOURCE

MSCPサーバの制御する装置への入出力要求を処理するときに, MSCPサーバが使用できる資源に関する情報を表示します。

MSCP サーバを開始するために SYSGEN の MSCP コマンドでMSCP_BUFFER, MSCP_CREDITS,MSCP_LOAD,MSCP_SERVE_ALL などの SYSGEN パラメータを使用することで, これらの資源を使用できるようになります。

詳細については, 『OpenVMS Cluster Systems』あるいは SYSGEN のオンライン・ヘルプを参照してください。

/SEARCH="検索文字列"

/PAGE=SAVE修飾子とともに使用し,表示される情報内で検索したい文字列を指定します。 文字列にスペース文字等を入れたい場合は, 検索文字列は二重引用符で囲まなければなりません。

情報が表示されている時にFind(E1)キーを押すと, 検索文字列を動的に変更することができます。この場合は,引用符は必要ありません。

  1. $ SHOW DEVICES/SERVED
           MSCP-Served Devices on BHAK 28-MAY-1998 13:48:01.32
    
                                                 Queue Requests
    Device:          Status   Total Size     Current    Max    Hosts
        11$DUA8      Online      2376
    153           0      2        6
        11$DUA9       Avail      2376153           0      0        0
        11$DUA10     Online      2376153           0      2        8
        11$DUA11     Online      2376153           0      2        7
        11$DUA13     Online      2376153           0      2        7
        11$DUA14      Avail      2376153           0      0        0
        11$DUA16      Avail      2376153           0      0        0
        11$DUS16      Avail      2376153           0      1        0
        11$DUA17      Avail      2376153           0      0        0
        11$DUA18     Online      2376153           0      1        4
        11$DUA19     Online      2376153           0      4        7
        11$DUA20     Online      2376153           0      1        7
        11$DUA21     Online      2376153           0     17       12
    
    SHOW DEVICES/SERVEDコマンドの出力例を示しています。 第1カラムはMSCPサーバの管理する装置を,第2カラムはその装置の状態を, 第3カラムはその装置の総サイズをブロック単位で示しています。

    第4カラム(Queue Requests)はその装置に対する,現在の待ちI/O要求数, および現在までの待ちI/O要求数の最大値です。 最後のカラムは,その装置がオンライン状態となっているノードの数です。

  2. $ SHOW DEVICES/SERVED/COUNT
           MSCP-Served Devices on BHAK 28-MAY-1998 13:49:52.41
      .
      .
      .
    Request Count:
         0-7:   951154      32-39:     2168        88-103:     1618
        8-15:   197224      40-55:     2543       104-127:      189
       16-23:   137707      56-71:     8343
       24-31:      982      72-87:      141
    
    Operations Count:
       ABORT            0   ERASE          22772   READ       1042206
       ACCESS           0   FLUSH              0   REPLACE          0
       AVAILABLE      611   GET COM STS        0   SET CTL CHR    176
       CMP CTL DAT      0   GET UNT STS  4026024   SET UNT CHR   3630
       CMP HST DAT      0   ONLINE           427   WRITE       259953
       Total      5355799
    
    SHOW DEVICES/SERVED/COUNTコマンドの出力例を示しています。 コロン(:)の左側にあるハイフン(-)で区切られた数字はI/O要求のページ数です。 コロンの右側にあるのは,MSCPサーバの処理した要求数です。

    次の Operations Countというラベルの付いた表示は, MSCPサーバが処理したMSCP操作の回数です。 この例では,set-controller- characteristics(SET CTL CHR)操作を10回実行し, set-unit- characteristics(SET UNT CHR)操作は行っていません。

  3. $ SHOW DEVICES/SERVED/RESOURCE
           MSCP-Served Devices on BHAK 28-MAY-1998 13:51:32.01
      .
      .
      .
    Resources:         Total      Free      In Use
        Buffer Area:     400       400           0
        I/O Packets:       0         0
    
                     Current   Maximum
        Buffer Wait:       0         0
    
    SHOW DEVICES/RESOURCEコマンドの出力例を示しています。 Totalカラムは,バッファ領域のサイズ(ページ数)と MSCPサーバが使用するために確保されているI/O要求パケット数の総数を示します。 Freeカラムは, バッファ領域の空きサイズ(ページ数)とI/O要求パケット数の空き数を示しています。

    In Useカラムは,バッファ領域内で使用中のページ数を示しています。

    Buffer Waitというラベルのついた行は, バッファ領域の確保待ちをしているI/O要求数と,その数の今までの最大値です。

  4. $ SHOW DEVICES/SERVED/HOST
           MSCP-Served Devices on BHAK 28-MAY-1998 13:54:41.99
      .
      .
      .
                                               Queue Requests
    Host:            Time of Connection      Current    Max   Devices
        IPL31     25-MAY-1998 21:44:06.44          0      1         0
        DELAND    25-MAY-1998 21:44:09.98          0      1         0
        HEAVEN    25-MAY-1998 22:03:15.67          0      7        10
        VIVA      26-MAY-1998 09:44:11.96          0      1         0
      .
      .
      .
    
    SHOW DEVICES/SERVED/HOSTコマンドの出力例を示しています。 第1カラムは,MSCPサーバに接続したクラス・ドライバ持つホスト名, 次のカラムはその接続時刻を示しています。

    Queue Requestsカラムは,装置で現在実行中しているI/O要求の値, 一度に処理したI/O要求の最大値, およびそのホストでオン・ライン状態にある装置の数です。

  5. $ SHOW DEVICES/SERVED
           MSCP-Served Devices on HEN  3-JAN-1998 09:09:08.49
                                             Queue Requests
    Device:         Status   Total Size    Current   Max  Hosts
       254$DJB1      Avail            0          0     0      0
       254$DUA2     Online      1216665          0     0      1
       254$DUA4006   Avail            0          0     0      0
    
          TMSCP-Served Devices on HEN  3-JAN-1998 09:09:08.74
                                             Queue Requests
    Device:         Status    Position     Current   Max  Hosts
       90$MUA7       Avail            0          0     0      0
       90$MUA8       Avail            0          0     0      0
       90$MUA50     Online         3804          0     0      0
    
    これはMSCPサーバとTMSCPサーバ装置の両方を接続しているノードからの SHOW DEVICES/SERVEDコマンドの出力例を示しています。 MSCPサーバディスク装置の第3カラムは,ディスク装置のサイズを示しています。 TMSCPサーバの同じカラムには各テープの位置を示してします。


SHOW DISPLAY

DECwindowsアプリケーションからの出力が表示されるノードを表示します。

フォーマット

     SHOW DISPLAY  [表示装置] 

パラメータ

表示装置

SET DISPLAYコマンドで指定した装置を指定します。同一セッションで, 出力先を複数の装置に設定している場合は,それらの装置を指す論理名を指定できます。 SHOW DISPLAYコマンドを使用する際,この論理名をパラメータに指定できます。

このパラメータを省略すると,論理名DECW$DISPLAYが使用されます。

説明

DECwindowsでは, 次に示すタスクを実行するアプリケーションをネットワーク経由で実行することができます。

遠隔プロセッサでアプリケーションを実行しそれをローカルに表示できると, タスクに応じて適切なコンピュータを使用できるようになります。 省略時の設定では,ローカルのワークステーションで動作するアプリケーションは, ローカルのワークステーションに表示されます。

アプリケーションの出力を他のワークステーションへダイレクトするには, SET DISPLAYコマンドを使用します。SHOW DISPLAYコマンドを使用すると, これらのアプリケーションの出力がどこに表示されるかがわかります。

以下に,SHOW DISPLAYコマンドの出力例を示します。

         Device:    WSA2:
         Node:      0
         Transport: LOCAL
         Server:    0
         Screen:    0

Deviceは,ユーザのワークステーション装置です。 SET DISPLAY/CREATEコマンドを使用するたびに, 新しいWSAn装置が作成されます。 Nodeは,アプリケーションの出力が表示されるネットワーク・システムです。 ローカル・ノードでアプリケーションを実行し表示している場合,Nodeは0になります。 これは,ローカル・ノードの標準簡略表記です。 Transportは,アプリケーション(クライアント)とサーバ間で情報をやりとりする, メカニズム(DECnetまたはLOCALなど)のことです。 サーバは,ユーザからの入力をアプリケーションへ送り, アプリケーションからの出力をディスプレイへ送ります。ServerとScreenは0です。

DECwindowsワークステーションでは,セッション・マネージャが, DECwindowsプロセス(DECtermなど) が使用する省略時のワークステーション装置を作成します。 SET HOSTコマンドを使用して遠隔ノードに接続する場合は, そのプロセスに対してワークステーション装置は作成されず, DECW$DISPLAYは定義されません。 SET DISPLAY/CREATEコマンドを使用して, 具体的に新しい表示装置を作成しなければなりません。

DECW$DISPLAYの定義が存在しない場合にSHOW DISPLAYコマンドを入力すると,エ ラーになります。

詳細は,SET DISPLAYコマンドの説明を参照してください。

  1. $ SHOW DISPLAY
      Device:     WSA1:
      Node:       0
      Transport:  LOCAL
      Server:     0
      Screen:     0
    
    $ SET DISPLAY/CREATE/NODE=ZEPHYR
    $ SHOW DISPLAY
      Device:     WSA2:
      Node:       ZEPHYR
      Transport:  DECNET
      Server:     0
      Screen:     0
    $ SPAWN/NOWAIT/INPUT=NL: RUN SYS$SYSTEM:DECW$CLOCK
    
    この例でユーザは, ここではノード0で参照されるワークステーションにログインしています ( 0は自ノードを参照する標準略記法です)。DECwindows Clockを起動し, その出力を他のワークステーションZEPHYRに表示しようとしています。

    ここでは,ZEPHYRでの表示が許可されていると仮定します。 SET DISPLAYコマンドでアプリケーションの出力をZEPHYRに変更します。 SHOW DISPLAYコマンドを実行すると,出力先を確認することができます。 その後,Clockを起動します。 SET DISPLAY/CREATEコマンドで, 新しい表示装置WSA2が作成されることに注意してください。


SHOW ENTRY

バッチ・ジョブ,プリント・ジョブ, または指定されたジョブ・エントリに関する情報を表示します。

キューへの読み込み(R)アクセス権が必要です。

フォーマット

     SHOW ENTRY  [エントリ番号[,...]],[ジョブ名[,...]] 

パラメータ

エントリ番号[,...]

ジョブ・エントリ番号を指定します。エントリ番号もジョブ名も指定しない場合には, ユーザのジョブ(または,/USER_NAME修飾子で指定されたユーザのジョブ)が, すべて表示されます。

ジョブ名[,...]

表示するジョブ名を指定します。ワイルドカード文字(*と%)が使用できます。 エントリ番号もジョブ名も指定しない場合には,ユーザ自身のジョブ(または, /USER_NAME修飾子で指定されたユーザのジョブ)が,すべて表示されます。

説明

SHOW ENTRYコマンドは,ユーザのバッチ・ジョブ,およびプリント・ジョブ, または特定のジョブ・エントリについての情報を表示します。

表示される情報は,エントリ番号,ジョブ名,所有者, ジョブのブロック・サイズ(プリント・ジョブの場合),およびジョブの状態です。 ジョブが登録されているキューの名前,状態,およびタイプも表示されます。

ユーザ自身のバッチ・ジョブおよびプリント・ジョブについての情報だけが必要な場合は, SHOW QUEUEコマンドよりSHOW ENTRYコマンドの方が適しています。 SHOW QUEUEコマンドは, このコマンドを発行したユーザのジョブがこれらのキューに入っているどうかに関係なくキュー情報を表示するので, 表示の中からジョブを探さなければなりません。 これに対しSHOW ENTRYコマンドは,このコマンドを発行したユーザのジョブ (または/USER_NAME修飾子で指定したユーザが所有するジョブ) についての情報だけを表示します。/USER_NAME修飾子を指定しないと, このコマンドを発行したユーザのジョブについての情報だけが表示されます。

修飾子

/BATCH

バッチ・ジョブのみを表示します。

/BRIEF (省略時の設定)

各ジョブに対して,エントリ番号,ジョブ名,ユーザ名, ブロック・サイズ(プリント・ジョブのみ),ジョブ状態,キュー名, キュー状態,およびキュー・タイプを表示します。 /FULL修飾子と/FILES修飾子は,/BRIEF修飾子に優先します。

詳細な情報を表示したい場合は,/FULL修飾子を指定してください。

/BY_JOB_STATUS[=(キーワード,...)]

指定された状態のジョブのみを表示します。 次に示すキーワードのいずれか1つを指定してください。

EXECUTING 次の状態のジョブを表示します。

ABORTING STALLED
EXECUTING STARTING
PRINTING SUSPENDED
PROCESSING

ABORTINGは強制終了中のジョブ, STALLEDやSUSPENDEDは何らかの原因によって停止中であるが, その原因が解決されれば継続されるジョブ, PROCESSINGやPRINTINGは現在実行中であるジョブ, STARTINGは初期化中のジョブを表します。

HOLDING 保留状態のジョブ。ジョブが無期限にキューに保持されていることを示します。
PENDING 待ち状態のジョブ。ジョブが実行の順番待ちをしている状態を示します。
RETAINED 実行後もキューに保持されているジョブ。 ジョブは完了しているが,キューに残っている状態を示します。
TIMED_RELEASE 指定時刻まで保留されているジョブ。 指定時刻に実行するために,キューに保留されている状態を示します。

キーワードを指定しないと,すべてのジョブの状態が表示されます。

/DEVICE[=(キーワード,...)]

指定されたキュー・タイプのプリント・ジョブのみを表示します。 キュー・タイプには,次のキーワードを指定します。

PRINTER プリント・キューのジョブ
SERVER サーバ・キューのジョブ
TERMINAL ターミナル・キューのジョブ

キーワードを指定しないと,プリント・キュー,サーバ・キュー, ターミナル・キュー内のすべてのジョブが表示されます。

/EXACT

/PAGE=SAVEおよび/SEARCH修飾子とともに使用し, 大文字と小文字を区別した文字列検索を指定します。 この場合,検索文字列は二重引用符で囲まなければなりません。

/SEARCH修飾子を指定せずに/EXACT修飾子を指定した場合, "Findキー"(E1)を押すと文字列検索が有効になります。

/FILES

各ジョブの各ファイルに対する,完全なファイル指定のリストを付加して表示します。 /FILES修飾子は,/BRIEF修飾子に優先します。

/FULL

各ジョブに対して,エントリ番号,ジョブ名,ユーザ名,ジョブ状態, それぞれのジョブに関係するファイルの完全な指定,登録日時, ジョブに対する設定,キュー名,キュー状態,およびキュー・タイプを表示します。

/FULL修飾子は,/BRIEF修飾子より優先されます。

/GENERIC

汎用キュー内のジョブのみを表示します。汎用キューは,特定のタイプのジョブ (バッチやライン・プリンタのジョブなど)を保持し,実行キューにダイレクトします。

/HIGHLIGHT[=キーワード]

/PAGE=SAVEおよび/SEARCH修飾子とともに使用し, 一致した検索文字列の強調表示方法を指定します。 一致した検索文字列があった場合は,行全体が強調されます。 キーワードには,BOLD, BLINK, REVERSE,およびUNDERLINEを指定できます。 省略時の設定はBOLDです。

/OUTPUT[=ファイル指定]
/NOOUTPUT

SHOW ENTRYコマンドの出力先を指定します。 省略時には,SYS$OUTPUT(通常は使用しているターミナル)へ出力されます。 ファイルへ出力するには,/OUTPUT修飾子を使用してファイルを指定してください。

ファイル指定には,ワイルドカード文字は使用できません。 部分的にファイルを指定した場合(たとえば,ディレクトリだけ)には, ファイル名にはSHOW,ファイル・タイプにはLIS が使用されます。

/NOOUTPUT修飾子を指定した場合は,何も出力されません。

/PAGE[=キーワード]
/NOPAGE (省略時の設定)

コマンド出力の画面表示をページャを介して行います。

次のキーワードを指定できます。

CLEAR_SCREEN ページモードで表示(毎回画面を消去する)
SCROLL スクロールモードで表示(毎回画面を消去しない)
SAVE[=n] nページ分の履歴を保持する(前ページに戻ること等が可能)

/PAGE=SAVE修飾子を指定すると最大5画面(最大255カラムまで)分の履歴を保存できます。 ページャ内では以下のキーを使って画面の移動などができます。

キー・シーケンス 説明
Up arrow key, Ctrl/B 1行スクロールアップ
Down arrow key 1行スクロールダウン
Left arrow key 1カラム左シフト
Right arrow key 1カラム右シフト
Find (E1) 文字列検索を起動
Insert Here (E2) 半画面右シフト
Remove (E3) 半画面左シフト
Select (E4) 80/132カラム切替え
Prev Screen (E5) 前ページに移動
Next Screen (E6), Return, Enter, Space 次ページに移動
F10, Ctrl/Z 終了(ユーティリティによっては異なる)
Help (F15) ヘルプ・テキストを表示
Do (F16) 最新(現在)画面と(履歴内で)最古画面の切り替え
Ctrl/W 再表示

/PAGE修飾子は/OUTPUT修飾子とは同時に使用できません。

/SEARCH="検索文字列"

/PAGE=SAVE修飾子とともに使用し,表示される情報内で検索したい文字列を指定します。 文字列にスペース文字等を入れたい場合は, 検索文字列は二重引用符で囲まなければなりません。

情報が表示されている時にFind(E1)キーを押すと, 検索文字列を動的に変更することができます。この場合は,引用符は必要ありません。

/USER_NAME=ユーザ名

指定されたユーザのジョブのみを表示します。/USER_NAME修飾子を指定しない場合は, このコマンドを発行したユーザのジョブのみが表示されます。 ユーザ名は,11〜12文字の英数字です。

/WRAP
/NOWRAP (省略時の設定)

/PAGE=SAVE修飾子とともに使用し, 画面の幅を越える行をラップするかどうかを指定します。 /WRAP修飾子を指定した場合,はみ出す部分は次行に表示されます。

/NOWRAP修飾子を指定した場合, はみ出した部分は左右にスクロールしながら見ることができます。

  1. $ SHOW ENTRY/BY_JOB_STATUS=RETAINED
    Entry    Jobname       Username    Blocks      Status
    --    ---       ---    --      --
      422    FORECAST      JONES                   Retained on completion
             On stopped generic batch queue CLUSTER_BATCH
             Completed 21-DEC-1998 16:18 on queue NODE_BATCH
    
    終了後も保持されているジョブ・エントリを表示します。

  2. $ SHOW ENTRY/FULL S*
    Entry     Jobname      Username    Blocks     Status
    --     ---      ---    --     --
      625     STAFF        JAMES          112     Pending (queue stopped)
              On stopped printer queue LN01$PRINT
              Submitted 19-DEC-1998 12:14 /FORM=LN01$PORTRAIT
              (stock=DEFAULT) /NOTIFY /PRIORITY=100
              File: _DBA1:[JAMES]STAFF.DIS;3
    
      629     SEARCH         JAMES          94      Printing
              On printer queue LINE$PRINT
              Submitted  19-DEC-1998 12:16 /FORM=DEFAULT /NOTIFY
              /PRIORITY=100 /COPIES=2 /NOFEED /PASSALL
              File: _DBA1:[JAMES.DAILY]SEARCH.TXT;2 (printing copy 2)
    
    この例では,全キュー内でユーザJAMESが所持しており, Sという文字で始まるジョブの名エントリを表示します。 /FULL修飾子が指定されているので,登録情報,完全なファイル指定, ジョブの設定も表示されます。

    エントリ629は,/COPIES, /NOFEED,および/PASSALL修飾子を指定していたことが わかります。 /NOFEED修飾子は,自動改頁を禁止します。/PASALL修飾子は, プリント・シンビオントによる書式処理(改頁や改行文字を含む)を禁止します。

  3. $ SUBMIT ASSIGNMENTS.COM
    Job ASSIGNMENTS.COM (queue SYS$BATCH, entry 199) pending
       .
       .
       .
    $ SHOW ENTRY 199/FULL
    Entry    Jobname       Username     Status
    --    ---       ---     --
      199    ASSIGNMENTS   JONES        Executing
             Submitted 19-DEC-1998 08:36 /KEEP /NOLOG/ NOPRINT
             /PRIORITY=100
             File: DUA2:[JONES]ASSIGNMENTS.COM;34
    
    ユーザJONESがASSIGNMENTS.COMをバッチ・キューに登録しています。 キューを指定していないため,このジョブは汎用キューSYS$BATCHに登録され, 待ち状態になっています。 他の操作を行った後で,ジョブ状態を調べ実行中であることを確認しています。 ジョブが汎用キューから実行キューに移されて実行されていますが, 実行キュー名がわからなくてもジョブの状態は確認できます。 エントリ番号を省略すると,すべてのジョブが表示されます。


SHOW ERROR

エラーが発生したすべての装置について,そのエラー回数を表示します。

フォーマット

     SHOW ERROR 

修飾子

/EXACT

/PAGE=SAVEおよび/SEARCH修飾子とともに使用し, 大文字と小文字を区別した文字列検索を指定します。 この場合,検索文字列は二重引用符で囲まなければなりません。

/SEARCH修飾子を指定せずに/EXACT修飾子を指定した場合, "Findキー" (E1)を押すと文字列検索が有効になります。

/FULL

エラーが発生しなかった装置も含めて, すべての装置のエラー回数を表示します(エラー回数は,0または0以上の値です)。

/HIGHLIGHT[=キーワード]

/PAGE=SAVEおよび/SEARCH修飾子とともに使用し, 一致した検索文字列の強調表示方法を指定します。 一致した検索文字列があった場合は,行全体が強調されます。 キーワードには,BOLD, BLINK, REVERSE,およびUNDERLINEを指定できます。 省略時の設定はBOLDです。

/OUTPUT[=ファイル指定]
/OUTPUT=SYS$OUTPUT (省略時の設定)

コマンドの出力先のファイルを指定します。 省略時には,論理名SYS$OUTPUT が割り当てられた装置に出力されます。

/OUTPUT修飾子に部分的なファイル指定(たとえばディレクトリだけ)を指定した場合には, SHOWという省略時のファイル名と,LISという省略時のファイル・タイプが使用されます。 ファイル指定をするときに,ワイルドカード文字は使用できません。

/NOOUTPUT修飾子を指定した場合は,何も出力されません。

/PAGE[=キーワード]
/NOPAGE (省略時の設定)

コマンド出力の画面表示をページャを介して行います。

次のキーワードを指定できます。

CLEAR_SCREEN ページモードで表示(毎回画面を消去する)
SCROLL スクロールモードで表示(毎回画面を消去しない)
SAVE[=n] nページ分の履歴を保持する(前ページに戻ること等が可能)

/PAGE=SAVE修飾子を指定すると最大5画面(最大255カラムまで)分の履歴を保存できます。 ページャ内では以下のキーを使って画面の移動などができます。

キー・シーケンス 説明
Up arrow key, Ctrl/B 1行スクロールアップ
Down arrow key 1行スクロールダウン
Left arrow key 1カラム左シフト
Right arrow key 1カラム右シフト
Find (E1) 文字列検索を起動
Insert Here (E2) 半画面右シフト
Remove (E3) 半画面左シフト
Select (E4) 80/132カラム切替え
Prev Screen (E5) 前ページに移動
Next Screen (E6), Return, Enter, Space 次ページに移動
F10, Ctrl/Z 終了(ユーティリティによっては異なる)
Help (F15) ヘルプ・テキストを表示
Do (F16) 最新(現在)画面と(履歴内で)最古画面の切り替え
Ctrl/W 再表示

/PAGE修飾子は/OUTPUT修飾子とは同時に使用できません。

/SEARCH="検索文字列"

/PAGE=SAVE修飾子とともに使用し,表示される情報内で検索したい文字列を指定します。 文字列にスペース文字等を入れたい場合は, 検索文字列は二重引用符で囲まなければなりません。

情報が表示されている時にFind(E1)キーを押すと, 検索文字列を動的に変更することができます。この場合は,引用符は必要ありません。

/WRAP
/NOWRAP (省略時の設定)

/PAGE=SAVE修飾子とともに使用し, 画面の幅を越える行をラップするかどうかを指定します。 /WRAP修飾子を指定した場合,はみ出す部分は次行に表示されます。

/NOWRAP修飾子を指定した場合, はみ出した部分は左右にスクロールしながら見ることができます。

  1. $ SHOW ERROR
    Device  Error Count
    CPU:         2
    MEMORY:      1
    DBB1:        9
    
    エラーが発生したすべての装置のエラー回数を表示します。


SHOW INTRUSION

侵入データベースの内容を表示します。

SECURITY特権が必要です。

フォーマット

     SHOW INTRUSION 

説明

OpenVMSシステムは,さまざまな失敗の理由 (無効パスワード,失効アカウント,不明な利用者名) による特定のソースからのログイン失敗についての情報を, 侵入データベースに保管します。機密保護管理者は, SHOW INTRUSIONコマンドを使用して侵入データベースの内容を表示すると, 不法侵入の可能性を特定できます。

侵入データベースのエントリの形式は,次のとおりです。

     Intrusion    Type    Count    Expiration    Source

各エントリのフィールドには,次の情報が提供されます。

フィールド 説明
Intrusion 侵入のクラス。OpenVMSシステムの回避処置は,侵入のクラスに依存します。
Type ログイン失敗回数のしきい値で定義した侵入の重大度
Count 特定のソースに関連したログイン失敗回数
Expiration OpenVMSがログイン失敗をカウントしなくなる絶対時刻。 システム・パラメータLGI_BRK_TMOは, OpenVMSシステムがログイン失敗を追跡する時間を制御します。
Source ログイン失敗のソース。 このフィールドが提供する情報は,侵入のクラスに依存します。

侵入データベースでは, オペレーティング・システムがソースに従ってログイン失敗を分類します。 システム侵入には,次の4つのクラスがあります。

侵入クラス 説明
NETWORK 有効なユーザ名を使用した遠隔ノードからのログイン失敗
TERMINAL ある端末からのログイン失敗
TERM_USER 有効なユーザ名を使用したある端末からのログイン失敗
USERNAME 独立プロセスを作成しようとするログイン失敗

侵入のクラスにより,エントリのソース・フィールドに入る情報のタイプが決まります。 ソース・フィールドに入る情報は,次の形式のいずれかです。

侵入クラス 形式
NETWORK ノード::ユーザ名
TERMINAL 端末:
TERM_USER 端末:ユーザ名
USERNAME ユーザ名

機密保護管理者が取ることができる回避処置のタイプは, 提供された情報のタイプに基づきます。この情報の使用方法についての詳細は, 『OpenVMS Guide to System Security』を参照してください。

侵入データベースには, 容疑者および侵入者という2つのレベルの侵入エントリがあります。 エントリの重大度は,エントリのタイプ・フィールドに表示されます。 特定のソースに関連したログイン失敗が発生すると, OpenVMSシステムはログイン失敗を容疑者と分類します。 同じソースからの後続のログイン失敗がカウントされます。 ログイン失敗回数は,エントリのカウント・フィールドに表示されます。 ログイン失敗のカウントを停止する絶対時刻は, エントリの満了フィールドに表示されます。 ログイン失敗回数がシステム・パラメータLGI_BRK_LIMで指定された回数を超えると, エントリは侵入者に分類されます。ただし,LGI_BRK_LIMパラメータを0に設定すると, 最初のログイン失敗は侵入者に分類されません。 結果は,LGI_BRK_LIMパラメータを1に設定した場合と同じです。

エントリが侵入者に分類されると,OpenVMSシステムは, その特定のソースからのすべてのログインを禁止して,回避処置を取ります。

回避処置の存続時間は,システム・パラメータLGI_HID_TIMによって決まります。 回避処置を終了する絶対時刻は,エントリの満了フィールドに表示されます。

侵入の検出,防止,および回避処置についての詳細は, 『OpenVMS Guide to System Security』を参照してください。

侵入データベースのエントリがユーザのエラーによるもので, 侵入の試みが原因でないと判断した場合は,DELETE/INTRUSIONコマンドを使用すると, 侵入データベースからエントリを削除できます。 詳細は,DELETE/INTRUSIONコマンドを参照してください。

修飾子

/OLD

VAXシステムでは,旧版のカーネルモードの侵入データベースの内容を表示します。 旧版のデータベースは,バージョン6.1以前のOpenVMS VAXで使用されていたものです。 ただし,アプリケーションの中には, 侵入データベース・アクセス用のシステム・サービスを使用せず, この旧版のデータベースを参照しているものがあるため,引き続き更新されています。 アプリケーションによって直接旧版データベースに(のみ)追加されたレコードは /OLD修飾子を指定しないかぎり検索できません。

/OUTPUT[=ファイル指定]

SHOW INTRUSIONコマンドからの出力を,修飾子で指定されるファイルに出力します。 省略時の設定では,コマンドからの出力はSYS$OUTPUTに表示されます。

/TYPE=キーワード

侵入データベースから表示される情報のタイプを選択します。 指定できるキーワードは,次のとおりです。

ALL すべての侵入エントリ。省略時には,すべてのエントリが表示されます。
SUSPECT すでに発生しているが, 侵入者として識別するのに必要なしきいには達していない, ログイン失敗に対するエントリ。
INTRUDER ログイン失敗の発生頻度が非常に高く,回避対策が必要とされるエントリ。

  1. $ SHOW INTRUSION/OUTPUT=INTRUDER.LIS
    
    このコマンドは,侵入データベースに現在含まれているすべてのエントリを, INTRUDER.LISというファイルに出力します。

  2. $ SHOW INTRUSION/TYPE=INTRUDER
    
    Intrusion   Type      Count    Expiration    Source
    TERMINAL    INTRUDER    9      10:29:39.16   AV34C2/LC-1-15:
    NETWORK     INTRUDER    7      10:47:53.12   NODE22::SMITH
    
    このSHOW INTRUSIONコマンドは, 現在の侵入データベースに含まれているすべての INTRUDERエントリを表示します。


SHOW KEY

DEFINE/KEYコマンドによって作成されたキー定義を表示します。

フォーマット

     SHOW KEY  [キー名] 

パラメータ

キー名

定義を表示したいキーの名前を指定します。 指定できるキー名については,DEFINE/KEYコマンドを参照してください。

説明

DEFINE/KEYコマンドを使用してキーパッド・キーを定義した場合, SHOW KEYコマンドを使用してキー定義を表示できます。 SHOW KEYコマンドで/DIRECTORY修飾子を指定すると, キー定義を作成したすべての状態の名前をリストできます。 キー状態を変更するには,SET KEYコマンドを使用します。

修飾子

/ALL

現在の状態(または/STATE修飾子で指定された状態)における, すべてのキー定義を表示します。 /ALL修飾子を使用した場合には,キー名を指定できません。

/BRIEF (省略時の設定)
/NOBRIEF

キー定義と状態だけを表示することを要求します。 /BRIEF修飾子と/NOFULL修飾子は同じです。

/DIRECTORY

キーが定義されている,すべての状態の名前を表示することを指定します。 キー定義に状態を指定しない場合には,SHOW KEY/DIRECTORYコマンドは, 状態としてDEFAULTの値を表示します。

/DIRECTORY修飾子は, SHOW KEYコマンドの他の修飾子とともに使用することはできません。

/FULL
/NOFULL (省略時の設定)

キー定義に関係するすべての情報を表示します。 省略した場合には,定義の状態と定義自体が表示されます。 /FULL修飾子と/NOBRIEF修飾子は同じです。

/STATE=(状態名[,...])
/NOSTATE

指定した状態のキー定義を表示します。 状態名を1つしか指定しない場合には,括弧を省略できます。 状態名は,任意の英数字文字列です。 状態名は,DEFINE/KEYコマンドによって作成されます。

/STATE修飾子を省略する場合や,/NOSTATE修飾子を使用する場合には, 現在の状態のキー定義が表示されます。

  1. $ DEFINE/KEY/TERMINATE PF1 "ATTACH BOB"
    %DCL-I-DEFKEY, DEFAULT key PF1 has been defined
    $ SHOW KEY PF1
    DEFAULT keypad definitions:
      PF1 = "ATTACH BOB"
    $ SHOW KEY/FULL PF1
    DEFAULT keypad definitions:
      PF1 = "ATTACH BOB"  (noecho,terminate,noerase,nolock)
    
    この例は,PF1キーの定義と状態を標準形式で表示しています。 SHOW KEY/FULLコマンドは,キー定義の全情報を表示します。


SHOW LICENSE

現在のノードに登録され,機能しているソフトウェア製品のライセンスを表示します。 予約(RESERVEリスト)として知られる,ライセンスに付帯している名前も表示されます。 SHOW LICENSEコマンドは, その時点でシステム・メモリにロードされているライセンスを表示します。 ディスク上のライセンス・データベースの情報を見たい場合は, ライセンス管理ユーティリティ(LMF)の LICENSE LISTコマンドを使用してください。

フォーマット

     SHOW LICENSE  [製品名[,...]] 

パラメータ

製品名

ソフトウエア製品のライセンス名を指定します。 ワイルドカード文字(*と%)も使用できます。 製品名を指定しなかった場合には,アクティブなすべてのライセンス情報を表示します。 製品名パラメータは,/UNIT_REQUIREMANTS修飾子と同時に指定できません。

説明

SHOW LICENSEは, 現在のノードでアクティブなソフトウェア製品ライセンスを表示します。 アクティブなライセンスとは,LICENSEデータベースに登録され, かつシステム・メモリにロードされたライセンスのことです。 ソフトウェア製品ライセンスを登録しアクティブにするには, ライセンス管理ユーティリティ(LICENSE)または VMSLICENSE.COM を使用します。 一部のライセンスは,製品のインストレーション中に自動的に登録されます。

このユーティリティについての詳細は, 『OpenVMS License Management Utility Manual』を参照してください。

LICENSEデータベースに登録されたライセンスを表示するには, LICENSE LISTコマンドを使用します。

修飾子

/BEFORE

/TERMINATION_DATEおよび/RELEASE_DATE修飾子とともに使用します。 この2つの修飾子に指定された時刻より前のライセンスのみを表示します。

/BEFORE修飾子は,/SINCE修飾子とは同時に指定できません。

/BRIEF (省略時の設定)

簡略形式でライセンス情報を表示します。 詳しいライセンス情報を表示するには,/FULL修飾子を使用します。

/CLUSTER

/UNIT_REQUIREMENTS修飾子とともに使用して, OpenVMS Cluster内の全ノードのライセンス・ユニット要求値を表示します。

/EXACT

/PAGE=SAVEおよび/SEARCH修飾子とともに使用し, 大文字と小文字を区別した文字列検索を指定します。 この場合,検索文字列は二重引用符で囲まなければなりません。

/SEARCH修飾子を指定せずに/EXACT修飾子を指定した場合, "Findキー" (E1)を押すと文字列検索が有効になります。

/FULL

完全な形式でライセンス情報を表示します。 製品登録キー(PAK)と予約リストが表示されます。

/HIGHLIGHT[=キーワード]

/PAGE=SAVEおよび/SEARCH修飾子とともに使用し, 一致した検索文字列の強調表示方法を指定します。 一致した検索文字列があった場合は,行全体が強調されます。 キーワードには,BOLD, BLINK, REVERSE,およびUNDERLINEを指定できます。 省略時の設定はBOLDです。

/OUTPUT[=ファイル指定]
/NOOUTPUT

SHOW LICENSEコマンドの出力先を指定します。 省略時の設定では,SYS$OUTPUT(通常は使用しているターミナル)へ出力されます。 ファイルへ出力するには,/OUTPUT修飾子を使用してファイルを指定してください。

ファイル指定には,ワイルドカード文字は使用できません。 部分的なファイル指定(たとえば,ディレクトリだけ)をした場合には, ファイル名にはSHOW,ファイル・タイプにはLISが使用されます。

/NOOUTPUT修飾子を指定した場合は,何も出力されません。

/PAGE[=キーワード]
/NOPAGE (省略時の設定)

コマンド出力の画面表示をページャを介して行います。

次のキーワードを指定できます。

CLEAR_SCREEN ページモードで表示(毎回画面を消去する)
SCROLL スクロールモードで表示(毎回画面を消去しない)
SAVE[=n] nページ分の履歴を保持する(前ページに戻ること等が可能)

/PAGE=SAVE修飾子を指定すると最大5画面(最大255カラムまで)分の履歴を保存できます。 ページャ内では以下のキーを使って画面の移動などができます。

キー・シーケンス 説明
Up arrow key, Ctrl/B 1行スクロールアップ
Down arrow key 1行スクロールダウン
Left arrow key 1カラム左シフト
Right arrow key 1カラム右シフト
Find (E1) 文字列検索を起動
Insert Here (E2) 半画面右シフト
Remove (E3) 半画面左シフト
Select (E4) 80/132カラム切替え
Prev Screen (E5) 前ページに移動
Next Screen (E6), Return, Enter, Space 次ページに移動
F10, Ctrl/Z 終了(ユーティリティによっては異なる)
Help (F15) ヘルプ・テキストを表示
Do (F16) 最新(現在)画面と(履歴内で)最古画面の切り替え
Ctrl/W 再表示

/PAGE修飾子は/OUTPUT修飾子とは同時に使用できません。

/PRODUCER=製作者名

指定した製作者に供給されたソフトウェア製品のライセンスを表示します。 製作者名パラメータに,ワイルドカード文字(*および%)も使用できます。 /UNIT_REQUIREMENT修飾子と同時に指定することはできません。

/RELEASE_DATE=[日時]

リリース日を選択基準にしてライセンスを表示します。

/SEARCH="検索文字列"

/PAGE=SAVE修飾子とともに使用し,表示される情報内で検索したい文字列を指定します。 文字列にスペース文字等を入れたい場合は, 検索文字列は二重引用符で囲まなければなりません。

情報が表示されている時にFind(E1)キーを押すと, 検索文字列を動的に変更することができます。この場合は,引用符は必要ありません。

/SINCE(省略時の設定)

/TERMINATION_DATEおよび/RELEASE_DATE修飾子とともに使用します。 この2つの修飾子に指定された時刻より前のライセンスのみを表示します。

/SINCE修飾子は,/BEFORE修飾子と同時に指定できません。

/TERMINATION_DATE=日付時刻

満了日を選択基準にしてライセンスを表示します。

/UNIT_REQUIREMENTS

ライセンス・ユニット要求テーブル(LURT)内の情報を表示します。 /UNIT_REQUIREMENTS修飾子は,製品名パラメータ, /BRIEF修飾子, および/PRODUCER修飾子と同時に指定できません。

/USAGE

各ライセンスの,現在のロード数,割り当て数,空き数, およびライセンス・タイプを表示します。 /FULL修飾子を指定すると,ライセンスを使用しているPID,プロセス名, ノード名,およびユーザ名等を含んだ情報を表示します。 グループ内のユーザやグループ外のユーザの情報を表示するには, ぞれぞれGROUP, WORLD特権が必要です。

OpenVMS Cluster環境で1製品に対して複数のライセンスを登録している場合は, SHOW LICENSE/USAGEコマンドを実行したノードにロードされたライセンスのみ表示できます。 他のライセンスを表示するには,それがロードされたノードからコマンドを実行するか, またはSYSMANユーティリティを使用します。

OpenVMS Cluster環境で表示される情報は,ローカル・ライセンスに限られます。 たとえば,VAXとAlphaのアベイラビリティ・ライセンスは, LMFによって別ライセンスとして扱われます。 VAXとAlphaが混在するOpenVMS Clusterを構成している場合は, ローカル・システムのアベイラビリティ・ライセンスのみ表示されます。 DEC Cをクラスタの全ノードにインストールしているとすると, VAXノードからはVAXノードで使用されているライセンスは表示されますが, Alphaノードで使用されているライセンスは表示されません。

使用状況に関する情報は,無制限ライセンス(ユニット値0)には適用されません。 クラスタ全体の情報も,個人使用のものやNO_SHAREのものには適用されません。 詳細は『OpenVMS License Management Utility Manual』を参照してください。

/WARNING_INTERVAL=日数
NOWARNING_INTERVAL

指定日数以内に満了するライセンス数を警告するメッセージを表示します。 省略時には,30日間です。

/WRAP
/NOWRAP (省略時の設定)

/PAGE=SAVE修飾子とともに使用し, 画面の幅を越える行をラップするかどうかを指定します。 /WRAP修飾子を指定した場合,はみ出す部分は次行に表示されます。

/NOWRAP修飾子を指定した場合, はみ出した部分は左右にスクロールしながら見ることができます。

  1. $ SHOW LICENSE/FULL
    
    Active licenses on node WTPOOH:
    
    DVNETEND
           Producer: DEC
           Units: 0
           Version:  0.0
           Date:  (none)
           Termination Date: (none)
           Availability: E (System Integrated Products)
           Activity:  0
           MOD_UNITS
    
    VAX-VMS
           Producer: DEC
           Units: 0
           Version:  0.0
           Date:  (none)
           Termination Date: (none)
           Availability: A (VMS Capacity)
           Activity:  0
           MOD_UNITS
           NO_SHARE
    
    このSHOW LICENSEコマンドは, WTPOOHという現在のノード上で有効なすべてのライセンスを表示しています。

  2. $ SHOW LICENSE/BRIEF
    
    Active licenses on node WTPOOH:
    
    - Product ID --   -- Rating -- - Version -
    Product    Producer   Units Avail Activ Version Release Termination
    DVNETEND   DEC            0  E     0      0.0  (none)   (none)
    VAX-VMS    DEC            0  A     0      0.0  (none)   (none)
    
    このSHOW LICENSEコマンドは, WTPOOHという現在のノード上で有効なすべてのライセンスを簡略形式で表示しています。

  3. $ SHOW LICENSE/OUTPUT=SYS$LOGIN:ACTIVE_LICENSES_OCT30.DAT
    
    このSHOW LICENSEコマンドは,すべての有効なライセンスを, ファイル SYS$LOGIN:ACTIVE_LICENSE_OCT30.DATに出力します。

  4. $ SHOW LICENSE/FULL PERSONAL
    
    Active licenses on node PICCHU:
    
    PERSONAL
           Producer: DEC
           Units: 100
           Version: 0.0
           Release Date: (none)
           Termination Date: (none)
           Availability: 0
           Activity: 100
           RESERVE_UNITS
           Reserve: SMITH
    
    この例では,PERSONALという製品についての情報を表示しています。 SMITHという,ライセンスに付帯する予約リストが表示されています。

  5. $ SHOW LICENSE/TERM=10-JAN-2014 test0%
    
    Active licenses on node PICCHU:
    
    - Product ID --  -- Rating -- - Version -
    Product  Producer Units Avail Activ Version Release    Termination
    TEST01   DEC          0  A     0      0.0  (none)      (none)
    TEST02   DEC          0  B     0      0.0  10-JAN-2014 12-NOV-2014
    TEST03   DEC          0  C     0      0.0  30-DEC-2014 (none)
    TEST04   DEC          0  D     0      0.0  (none)      25-AUG-2015
    TEST05   DEC          0  E     0      0.0  14-NOV-2016 14-AUG-2016
    
    $ SHOW LICENSE/RELEASE=10-JAN-2014/SINCE test0%
    
    Active licenses on node PICCHU:
    
    - Product ID --  -- Rating -- - Version -
    Product  Producer Units Avail Activ Version Release    Termination
    TEST02   DEC          0  B     0      0.0  10-JAN-2014 12-NOV-2014
    TEST03   DEC          0  C     0      0.0  30-DEC-2014 (none)
    TEST05   DEC          0  E     0      0.0  14-NOV-2016 14-AUG-2016
    
    $ SHOW LICENSE/RELEASE=10-JAN-2014/BEFORE test0%
    
    Active licenses on node PICCHU:
    
    - Product ID --  -- Rating -- - Version -
    Product  Producer Units Avail Activ Version Release    Termination
    TEST01   DEC          0  A     0      0.0  (none)      (none)
    TEST04   DEC          0  D     0      0.0  (none)      25-AUG-2015
    
    これら上記の例は,それぞれ/TERMINATION_DATA, /RELEASE_DATE, /SINCE, および /BEFORE修飾子を指定した例です。

  6. $ SHOW LICENSE/UNIT_REQUIREMENTS
    VMS/LMF Charge Information for node PICCHU
    This is a VAX 6000-420, hardware model type 160
    
    Type: A, Units Required: 93      (VMS Capacity)
    Type: B, * Not Permitted *       (VMS Server)
    Type: C, * Not Permitted *       (VMS Concurrent User)
    Type: D, * Not Permitted *       (VMS Workstation)
    Type: E, Units Required: 400     (System Integrated Products)
    Type: F, Units Required: 1200    (Layered Products)
    Type: G, * Not Permitted *       (VMS Reserved)
    Type: H, * Not Permitted *       (Alpha Layered Products)
    Type: I, Units Required: 1200    (Layered Products)
    
    この例は,/UNIT_REQUIREMENTS修飾子を指定して, ライセンス・ユニット要求テーブル(License Unit Requirement Table [LURT]) の情報の出力を示しています。

  7. $ SHOW LICENSE/WARNING_INTERVAL=8000 test0%
    Active licenses on node PICCHU:
    
    - Product ID --  -- Rating -- - Version -
    Product  Producer Units Avail Activ Version Release    Termination
    TEST01   DEC          0  A     0      0.0  (none)      (none)
    TEST02   DEC          0  B     0      0.0  10-JAN-2014 12-NOV-2014
    TEST03   DEC          0  C     0      0.0  30-DEC-2014 (none)
    TEST04   DEC          0  D     0      0.0  (none)      25-AUG-2015
    TEST05   DEC          0  E     0      0.0  14-NOV-2016 14-AUG-2016
    %SHOW-I-TERMIMM, 3 licenses will terminate in 8000 days
    
    この例は,/WARNING_INTERVAL修飾子を指定して, 8000日以内に期限切れになる,3つのライセンスを表示しています。

  8. $ SHOW LICENSE/USAGE/FULL DECWRITE-USER
    
    View of loaded licenses from node SLTG24   29-DEC-1998 13:36:22.23
    
    ACTIVITY license DECWRITE-USER usage information:
    Pid        Process Name      Units   Username        Node
    416000E6   MACAHAY             100   MACAHAY         SLTG24
    416000E7   MACAHIGH            100   MACAHIGH        SLTG24
    416000E8   ALICE               100   ALICE           SLTG24
    416000E9   MORGEN              100   MORGEN          SLTG24
    416000F1   ANGEL               100   ANGEL           SLTG24
    416000F2   ANGEL_1             100   ANGEL           SLTG24
    Units loaded: 2000   Units allocated: 600   Units available: 1400
    
    DECwriteのアクティビティ・ライセンスの使用情報を表示しています。 各々のライセンス割り当てに対して,PID,プロセス名,ノード名, ユーザ名が表示されています。 Unitsカラムには割り当てユニット数を,最終行にはロード・ユニット数, 割り当てユニット数,空きユニット数を表示しています。

  9. $ SHOW LICENSE/USAGE/FULL TEST_PER
    
    View of loaded licenses from node: SLTG24   30-DEC-1998 15:45:59
    
    PERSONAL USE license DEC TEST_PER usage information:
    Units   Reserved for:
      100   UNCLE
      100   AUNT
      100   NEPHEW
      100   NIECE
    Units loaded: 600   Units reserved: 400   Units available: 200
    
    この例は個人使用のライセンスを示しています。 DEC TEST_PERは100ユニットずつの6つの予約に対して十分なユニットがあります。 ライセンス・データベース(LDB)には4つの予約のみ登録されています。 ライセンス管理者があと2つ分の予約を追加する場合は,次のコマンドを実行します。
         $ LICENSE MODIFY TEST_PER/RESERVE=(NAME, ANOTHER_NAME)/ADD
         $ LICENSE UNLOAD TEST_PER
         $ LICENSE LOAD TEST_PER
    

    DEC TEST_PERをクラスタ環境で使用している場合は, SYSMANを使用してアンロードとロードを行います。

  10. $ SHOW LICENSE/USAGE/FULL TEST_CAP
    
    View of loaded licenses from node: SLTG24   30-DEC-1998 15:45:59
    
    Availability license DEC TEST_CAP usage information:
    Units   Node
       10   SLTG24
       10   SLTG43
      600   TORN8O
      600   LTNUP
    Units loaded: 620   Units allocated: 1220   Units available: ***
    
    この例では,割り当てユニット数がロード数を越え, 空き数が「***」で表示されています。

    空き数が「***」で表示されていても,通常は警報は発せられません。 ディスク上のライセンス・データベース(LDB)が更新された後, クラスタ内の全ノードのメモリ内のデータが更新されるまでの間に, このような状況が発生します。 ノードSLTG24は,最新のLDB情報を受け取っていないだけです。

    DEC TEST_PERに関して,メモリ内のライセンス・データを更新するには, 次のコマンドを実行します。

         $ LICENSE UNLOAD TEST_CAP
         $ LICENSE LOAD TEST_CAP
    

    これ以降はSHOW LICENSE/USAGEコマンドを実行しても,「***」は表示されません。 ただしクラスタ内で複数のデータベースを使用している場合は, 『OpenVMS License Management Utility Manual』 のライセンス・データベースの説明を参照してください。

  11. $ SHOW LICENSE/UNIT_REQUIREMENT/CLUSTER
    
    VMS/LMF Cluster License Unit Requirements Information 24-DEC-1998
      14:05:51.65
    
    Node        A     B     C     D     E     F     G     H     I
    
    KARBO       -     -     -   100    50    10    -     -     10
    JENJON      -     -     -   100    50    10    -     -     10
    HELENA    143     -     -     -   600  2400    -     -   2400
    SHAKTI      -     -     -   100    50    10    -     -     10
    
    Total Cluster Unit Requirements
    Type: A, Units Required: 143     (VMS Capacity)
    Type: B, * Not Permitted *       (VMS Server)
    Type: C, * Not Permitted *       (VMS Concurrent User)
    Type: D, Units Required: 300     (VMS Workstation)
    Type: E, Units Required: 750     (System Integrated Products)
    Type: F, Units Required: 2430    (Layered Products)
    Type: G, * Not Permitted *       (VMS Reserved)
    Type: H, * Not Permitted *       (Alpha Layered Products)
    Type: I, Units Required: 2430    (Layered Products)
    
    この例は,クラスタ内の各ノードで, 各ライセンス・タイプ(A, B等)に対して必要なユニット数を示しています。 「***」が表示されているノードがあれば,そのノードはブート中です。


SHOW LOGICAL

指定された論理名について,等価文字列,変換レベル, および論理名テーブルを表示します。SHOW LOGICALコマンドは,反復変換を実行します。

論理名が登録されている論理名テーブルに対して, 読み込み(R)アクセス権が必要です。

フォーマット

     SHOW LOGICAL  [論理名[:][,...]] 

パラメータ

論理名[:][,...]

等価文字列を表示する1つまたは複数の論理名を指定します。 ワイルドカード文字(*と%)が使用できますが,この場合には反復変換は行われません。

論理名は,システムが指定している回数(9回から11回)まで反復変換されます。 つまり,変換によって求められた等価文字列が, それもまた論理名であるかどうかがチェックされます。

説明

SHOW LOGICALコマンドは,論理名を表示します。

論理名LNM$DCL_LOGICALには,論理名テーブルのリストと,その検索順序が入っています。 LNM$DCL_LOGICALを再定義しない限り,プロセス・テーブル, ジョブ・テーブル,グループ・テーブル,およびシステム・テーブルが, この順序で検索されます。 SHOW LOGICAL/TABLE=LNM$DIRECTORIES LNM$DCL_LOGICALコマンドを実行すると, プロセスでのDCL_LOGICALの定義を確認できます。

論理名を指定すると,その変換が表示されます。論理名を指定しない場合は, 論理名LNM$DCL_LOGICALで定義されたテーブル内のすべての論理名が表示されます。

検索したいテーブルを指定できます。テーブルを指定しない場合は,論理名 LNM$DCL_LOGICAL によって指定されたテーブルが検索されます。

SHOW LOGICALコマンドは,反復変換を実行します。 論理名に2つ以上の変換がある場合は, 次のレベルに進む前に,そのレベルのすべての変換が表示されます。 指定した論理名の最初の変換のみを表示するには, SHOW TRANSLATIONコマンドを使用します。

SHOW LOGICALコマンドはイメージを実行し, 現在のイメージ(存在する場合)を終了させます。 現在のイメージを終了したくない場合は,(コマンド・インタプリタに組み込まれた) SHOW TRANSLATIONコマンドを使用してください。

SHOW LOGICALコマンドは,制御文字をピリオド(.)に置き換えて表示します。

修飾子

/ACCESS_MODE=モード

指定されたアクセス・モード, およびそれより内部のアクセス・モードで定義されている論理名を表示します。 アクセス・モードの指定には,USER_MODE,SUPERVISOR_MODE,EXECUTIVE_MODE, または KERNEL_MODE のキーワードのうち,いずれか1つを指定します。

この修飾子の省略時の値は,USER_MODEです。 したがって,省略時には4つのすべてのアクセス・モード内の定義が表示されます。

/ALL (省略時の設定)

指定された論理名テーブルに登録されている, すべての論理名を表示することを指定します。 /PROCESS修飾子,/JOB修飾子,/GROUP修飾子,/SYSTEM修飾子, または /TABLE修飾子を入力しない場合には,LNM$DCL_LOGICAL という論理名によって指定される論理名テーブル内のすべての論理名が表示されます。

/DESCENDANTS
/NODESCENDANTS (省略時の設定)

指定された論理名テーブルと, それに従属する論理名テーブルに登録されている論理名を表示します。 従属するテーブルは,CREATE/NAME_TABLEコマンドで, /PARENT_TABLE修飾子にその親テーブルを指定することにより作成されます。 /DESCENDANTS修飾子を指定する場合には, /TABLE修飾子も同時に指定しなければなりません。

/EXACT

/PAGE=SAVE および /SEARCH修飾子とともに使用し, 大文字と小文字を区別した文字列検索を指定します。 この場合,検索文字列は二重引用符で囲まなければなりません。

/SEARCH修飾子を指定せずに/EXACT修飾子を指定した場合, "Findキー" (E1)を押すと文字列検索が有効になります。

/FULL

各論理名のアクセス・モード,属性,等価名, および論理名テーブルについての詳しい情報を表示します。

/GROUP

グループ論理名テーブルだけを検索することを示します。 /GROUP修飾子は,/TABLE=LNM$GROUP修飾子と同じです。 /GROUP修飾子を指定して論理名を指定しない場合には, グループ論理名テーブルのすべての論理名が表示されます。

/HIGHLIGHT[=キーワード]

/PAGE=SAVEおよび/SEARCH修飾子とともに使用し, 一致した検索文字列の強調表示方法を指定します。 一致した検索文字列があった場合は,行全体が強調されます。 キーワードには,BOLD, BLINK, REVERSE,および UNDERLINE を指定できます。 省略時の設定は BOLD です。

/JOB

ジョブ論理名テーブルだけを検索することを示します。 /JOB修飾子は,/TABLE=LNM$JOB修飾子と同じです。 /JOB修飾子を指定して論理名を指定しない場合には, ジョブ論理名テーブルのすべての論理名が表示されます。

/OUTPUT[=ファイル指定]
/NOOUTPUT

SHOW LOGICALコマンドの出力先を指定します。この修飾子を指定しなかった場合には, SYS$OUTPUTの装置(通常は使用しているターミナル)へ出力されます。 ファイルへ出力するには,/OUTPUT修飾子を使用してファイルを指定してください。

ファイル指定にワイルドカード文字を使用することはできません。 部分的なファイル指定(たとえば,ディレクトリだけ)を指定した場合には, SHOWという省略時のファイル名と, LISという省略時のファイル・タイプが使用されます。

/NOOUTPUT修飾子を指定した場合は,何も出力されません。

/PAGE[=キーワード]
/NOPAGE (省略時の設定)

コマンド出力の画面表示をページャを介して行います。

次のキーワードを指定できます。

CLEAR_SCREEN ページモードで表示(毎回画面を消去する)
SCROLL スクロールモードで表示(毎回画面を消去しない)
SAVE[=n] nページ分の履歴を保持する(前ページに戻ること等が可能)

/PAGE=SAVE修飾子を指定すると最大5画面(最大255カラムまで)分の履歴を保存できます。 ページャ内では以下のキーを使って画面の移動などができます。

キー・シーケンス 説明
Up arrow key, Ctrl/B 1行スクロールアップ
Down arrow key 1行スクロールダウン
Left arrow key 1カラム左シフト
Right arrow key 1カラム右シフト
Find (E1) 文字列検索を起動
Insert Here (E2) 半画面右シフト
Remove (E3) 半画面左シフト
Select (E4) 80/132カラム切替え
Prev Screen (E5) 前ページに移動
Next Screen (E6), Return, Enter, Space 次ページに移動
F10, Ctrl/Z 終了(ユーティリティによっては異なる)
Help (F15) ヘルプ・テキストを表示
Do (F16) 最新(現在)画面と(履歴内で)最古画面の切り替え
Ctrl/W 再表示

/PAGE修飾子は/OUTPUT修飾子とは同時に使用できません。

/PROCESS

プロセス論理名テーブルだけを検索することを示します。 /PROCESS修飾子は,/TABLE=LNM$PROCESS修飾子と同じです。 /PROCESS修飾子を指定して論理名を指定しない場合には, プロセス論理名テーブルのすべての論理名が表示されます。

/SEARCH="検索文字列"

/PAGE=SAVE修飾子とともに使用し,表示される情報内で検索したい文字列を指定します。 文字列にスペース文字等を入れたい場合は,検索文字列は二重引用符で囲まなければなりません。

情報が表示されている時にFind(E1)キーを押すと, 検索文字列を動的に変更することができます。この場合は,引用符は必要ありません。

/STRUCTURE
/NOSTRUCTURE (省略時の設定)

現プロセスからアクセスできる, すべての論理名テーブルの"階層構造"を表示するかどうかを指定します。 表示される情報には,2つの論理名ディレクトリ・テーブル(プロセスとシステム)と, これらのディレクトリ・テーブルに登録されているすべての論理名テーブルが含まれます。 従属論理名テーブルは,それぞれの親テーブルの下に示されます。

/STRUCTURE修飾子を指定する場合は,他の修飾子は指定できません (ただし /ACCESS_MODE修飾子,/FULL修飾子,および /OUTPUT修飾子を除きます)。

/SYSTEM

システム論理名テーブルだけを検索することを示します。 /SYSTEM修飾子は,/TABLE=LNM$SYSTEM修飾子と同じです。 /SYSTEM修飾子を指定して論理名を指定しない場合には, システム論理名テーブルのすべての論理名が表示されます。

/TABLE=(名前[,...])

検索する論理名テーブルを指定します。 テーブルを1つだけ指定する場合には,括弧を省略できます。 ワイルドカード文字(*と%)が使用できます。 ワイルドカード文字の入った名前は,論理名テーブル名の検索に使用されます。 ワイルドカード文字のない名前は, 論理名テーブル名と論理名テーブル検索リストのどちらか適切なものとして扱われます。

/TABLE修飾子は以下を指定するのに使用できます。

複数のテーブルに変換される論理名でテーブルを指定した場合には,各テーブルが, 指定された順に検索されます。 たとえば,SHOW LOGICAL /TABLE=LNM$FILE_DEVを指定し, LNM$FILE_DEV が LNM$PROCESS,LNM$JOB,LNM$GROUP, および LNM$SYSTEM と等しいと定義されている場合には,プロセス論理名テーブル, ジョブ論理名テーブル,グループ論理名テーブル,およびシステム論理名テーブルが, この順序で検索されます。

/TABLE修飾子を指定しない場合には, 省略時の設定により /TABLE=LNM$DCL_LOGICAL が使用されます。

/WRAP
/NOWRAP (省略時の設定)

/PAGE=SAVE修飾子とともに使用し, 画面の幅を越える行をラップするかどうかを指定します。 /WRAP修飾子を指定した場合,はみ出す部分は次行に表示されます。

/NOWRAP修飾子を指定した場合, はみ出した部分は左右にスクロールしながら見ることができます。

  1. $ SHOW LOGICAL/PROCESS
    (LNM$PROCESS_TABLE)
      "SYS$COMMAND" = "_TTB4:"
      "SYS$DISK" = "WORK6:"
      "SYS$DISK" = "WORK6:"
      "SYS$ERROR" = "_TTB4:"
      "SYS$INPUT" = "_TTB4:"
      "SYS$LOGIN" = "WORK6:[ODONNELL]"
      "SYS$LOGIN_DEVICE" = "WORK6:"
      "SYS$OUTPUT" = "_TTB4:"
      "SYS$OUTPUT" = "DBA2:"
      "SYS$SCRATCH" = "WORK6:[ODONNELL]"
    
    このSHOW LOGICALコマンドは,すべてのプロセス論理名とその等価名を表示します (/TABLE=LNM$PROCESSは,/PROCESS修飾子を指定した場合と同じ情報を表示します)。

  2. $ SHOW LOGICAL INFILE
      "INFILE" = "WORK6:[LOGAN]PAYROLL.EXE" (LNM$PROCESS_TABLE)
    
    このSHOW LOGICALコマンドは,INFILEという論理名の等価名を表示します。 応答により,この論理名がプロセス論理名テーブルに登録されていることがわかります。

  3. $ SHOW LOGICAL/GROUP
       .
       .
       .
    
    このSHOW LOGICALコマンドは, すべてのグループ論理名テーブルとその等価名を表示します (/TABLE=LNM$GROUPは,/GROUPと同じ情報を表示します)。

  4. $ SHOW LOGICAL/TABLE=SYSTEM  SYS$LIBRARY
      "SYS$LIBRARY" = "SYS$SYSROOT:[SYSLIB]" (LNM$SYSTEM_TABLE)
                    = "DOCD$:[SYSC.SYSLIB]"
    
    この例のSHOW LOGICALコマンドは,システム論理名テーブルに登録されている論理名 SYS$LIBRARY の等価名を表示します。この例では SYS$LIBRARY はシステム・テーブルに定義されており,2つの等価名を持っています。

  5. $ SHOW LOGICAL/TABLE=LNM$GROUP/TABLE=LNM$SYSTEM SYS$DISK
      "SYS$DISK" = "ZZZ3:" (LNM$SYSTEM_TABLE)
    
    この例では矛盾する修飾子(/TABLE=LNM$GROUPと/TABLE=LNM$SYSTEM)が指定されています。 このような場合は,最後に指定した修飾子が有効となり, システム論理名テーブルで見つかったSYS$DISKが表示されています。

  6. $ SHOW LOGICAL/TABLE=LNM$PROCESS_DIRECTORY
    
    プロセス・ディレクトリ・テーブルに登録されている論理名を表示します。 この論理名は,論理名テーブル,またはそれに反復変換される論理名です。


SHOW MEMORY

メモリに関連するシステム資源の可用性と使用状況を表示します。

フォーマット

     SHOW MEMORY 

説明

SHOW MEMORYコマンドから提供される情報は,システムの性能を向上させるために, 特定のシステム・メモリ資源を変更すべきかどうかの決定に有用です。 システム・メモリ資源とは,次のとおりです。
物理メモリ
プロセス・エントリ・スロットおよびバランス・スロット
非ページングおよびページング動的メモリ
ページング・ファイルおよびスワップ・ファイルの領域

SHOW MEMORYコマンドを実行すると,表示がSYS$OUTPUTに書き込まれます。 指定した修飾子に応じて,表示には次のメモリ資源統計情報が示されます。


物理メモリの使用状況
不良ページ・リスト
OpenVMSシステムに割り当てられたページ数
スロットの使用状況
動的メモリの使用状況(バイト数)
ページング・ファイルの使用状況(ブロック数)
動的メモリ
コードとデータ用の粒度ヒント領域(Alphaのみ)
仮想入出力キャッシュ機能(VAXのみ)

表示される各項目についての詳細は,例を参照してください。

修飾子

/ALL (省略時の設定)

得られるすべての情報,つまり,/FILES修飾子,/PHYSICAL_PAGES修飾子, /POOL修飾子,および/SLOTS修飾子によって表示される情報を表示します。

/BUFFER_OBJECTS (Alpha のみ)

バッファ・オブジェクトによって使用されているシステム・リソースについての情報を表示します。

/CACHE

仮想I/Oキャッシュ機能についての情報を表示します。 キャッシュ機能情報は,SHOW MEMORY または SHOW MEMORY/CACHE/FULLコマンドの表示の一部として表示されます。

/EXACT

/PAGE=SAVEおよび/SEARCH修飾子とともに使用し, 大文字と小文字を区別した文字列検索を指定します。 この場合,検索文字列は二重引用符で囲まなければなりません。

/SEARCH修飾子を指定せずに/EXACT修飾子を指定した場合, "Findキー" (E1)を押すと文字列検索が有効になります。

/FILES

現在インストールされている, 各ページング・ファイルとスワップ・ファイルの使用状況に関する情報を表示します。

/FULL

/POOL修飾子または/FILES修飾子とともに使用された場合に,各プール領域と, 現在インストールされているページング・ファイルおよびスワップ・ファイルに関する追加情報を表示します。 /FILES修飾子または/POOL修飾子が明示的に指定されていない場合には, この修飾子は無視されます。/CACHE修飾子とともに使用した場合には, 仮想I/Oキャッシュ機能の使用状況に関する追加情報を表示します。

/GH_REGIONS

OpenVMS Alphaで,確立された粒度ヒント領域(GHR)についての情報を表示します。 これらの領域について,領域サイズ,フリー・メモリの量,使用中のメモリ量, 領域から解放されたメモリ量の情報を表示します。 粒度ヒント領域の情報は,SHOW MEMORY, SHOW MEMORY/ALL, SHOW MEMORY/FULLの各コマンドによる表示の一部としても表示されます。

/HIGHLIGHT[=キーワード]

/PAGE=SAVEおよび/SEARCH修飾子とともに使用し, 一致した検索文字列の強調表示方法を指定します。 一致した検索文字列があった場合は,行全体が強調されます。 キーワードには,BOLD, BLINK, REVERSE,および UNDERLINE を指定できます。 省略時の設定は BOLD です。

/OUTPUT[=ファイル指定]
/NOOUTPUT

コマンドの出力先を制御します。この修飾子を指定しなかった場合や, /OUTPUT修飾子だけを指定してファイル指定を省略した場合には,出力は, 論理名SYS$OUTPUTが割り当てられている, 現在のプロセスにおける省略時の出力ストリーム,または装置に出力されます。

/OUTPUT修飾子に部分的なファイル指定(たとえば,ディレクトリだけ) を指定した場合には,SHOWという省略時のファイル名と, LIS という省略時のファイル・タイプが使用されます。 ファイル指定をするときには,ワイルドカード文字は使用できません。

/NOOUTPUT修飾子を指定した場合は,何も出力されません。

/PAGE[=キーワード]
/NOPAGE (省略時の設定)

コマンド出力の画面表示をページャを介して行います。

次のキーワードを指定できます。

CLEAR_SCREEN ページモードで表示(毎回画面を消去する)
SCROLL スクロールモードで表示(毎回画面を消去しない)
SAVE[=n] nページ分の履歴を保持する(前ページに戻ること等が可能)

/PAGE=SAVE修飾子を指定すると最大5画面(最大255カラムまで)分の履歴を保存できます。 ページャ内では以下のキーを使って画面の移動などができます。

キー・シーケンス 説明
Up arrow key, Ctrl/B 1行スクロールアップ
Down arrow key 1行スクロールダウン
Left arrow key 1カラム左シフト
Right arrow key 1カラム右シフト
Find (E1) 文字列検索を起動
Insert Here (E2) 半画面右シフト
Remove (E3) 半画面左シフト
Select (E4) 80/132カラム切替え
Prev Screen (E5) 前ページに移動
Next Screen (E6), Return, Enter, Space 次ページに移動
F10, Ctrl/Z 終了(ユーティリティによっては異なる)
Help (F15) ヘルプ・テキストを表示
Do (F16) 最新(現在)画面と(履歴内で)最古画面の切り替え
Ctrl/W 再表示

/PAGE修飾子は/OUTPUT修飾子とは同時に使用できません。

/PHYSICAL_PAGES

物理メモリのサイズと, 未使用ページおよび変更ページのページ数に関する情報を表示します。

/POOL

各動的メモリ(プール)領域の使用状況に関する情報を表示します。この中には, 未使用領域のサイズと各領域の最大連続ブロックのサイズも含まれています。

/RESERVED (Alpha のみ)

メモリ予約についての情報を表示します。

/SEARCH="検索文字列"

/PAGE=SAVE修飾子とともに使用し,表示される情報内で検索したい文字列を指定します。 文字列にスペース文字等を入れたい場合は, 検索文字列は二重引用符で囲まなければなりません。

情報が表示されている時にFind(E1)キーを押すと, 検索文字列を動的に変更することができます。この場合は,引用符は必要ありません。

/SLOTS

パーティション制御ブロック(PCB)ベクター・スロットとバランス・スロットの可用性に関する情報を表示します。

/WRAP
/NOWRAP (省略時の設定)

/PAGE=SAVE修飾子とともに使用し, 画面の幅を越える行をラップするかどうかを指定します。 /WRAP修飾子を指定した場合,はみ出す部分は次行に表示されます。

/NOWRAP修飾子を指定した場合, はみ出した部分は左右にスクロールしながら見ることができます。

  1. $ SHOW MEMORY
    
                 System Memory Resources on  3-NOV-1998 10:14:45.68
    
    Physical Memory Usage (pages):   Total    Free    In Use   Modified
      Main Memory (24.00Mb)          49152   16390     31056       1706
    
    Virtual I/O Cache Usage (pages): Total    Free    In Use    Maximum
                                      9232       0      9232      18055
    
    Slot Usage (slots):              Total    Free  Resident    Swapped
      Process Entry Slots               26       3        21          2
      Balance Set Slots                 23       1        21          1
    
    Dynamic Memory Usage (bytes):    Total    Free    In Use    Largest
      Nonpaged Dynamic Memory       462336    8304    454032       4608
      Paged Dynamic Memory          348672  117120    231552     114976
    
    Paging File Usage (pages):                 Free  Reservable   Total
      DISK$DKA300:[SYS0.SYSEXE]PAGEFILE.SYS   46514       -3239   50000
    
    Of the physical pages in use, 5162 pages are permanently allocated
      to VMS.
    
    このコマンドは,確保可能なページを示しています。 ここで,確保可能なページは負の値であり, ある程度のページファイルを追加した方がよいことを示します。

  2. $ SHOW MEMORY/CACHE/FULL
    
                System Memory Resources on 3-NOV-1998 18:36:12.79
    Virtual I/O Cache
    Total Size (pages)  【1】   2422    Read IO Count         【6】     9577
    Free Pages          【2】   18      Read Hit Count        【7】     5651
    Pages in Use        【3】   2404    Read Hit Rate         【8】     59%
    Maximum Size (SPTEs)【4】   11432   Write IO Count        【9】     2743
    Files Retained      【5】   99      IO Bypassing the Cache【10】    88
    

    注意
    VAXシステムでの,SHOW MEMORY/CACHE/FULLコマンドの出力例です。 AlphaシステムでSHOW MEMORY /CACHE/FULLコマンドを実行した場合と, 少し出力が異なります。


    仮想I/Oキャッシュの使用状況(ページ数)

    VAX上の仮想I/Oキャッシュ機能の使用状況を示します。

    【1】Total size 仮想I/Oキャッシュが現在制御している, システム・メモリ・ページの総数を表示します。
    【2】Free pages キャッシュ・データを含まない仮想I/Oキャッシュが制御する, ページ数を表示します。
    【3】Pages in use 有効なキャッシュ・データを含む仮想I/Oキャッシュが制御する, ページ数を表示します。
    【4】Maximum Size キャッシュの最大サイズを示します。
    【5】Files retained キャッシュの有効なデータを持っているため,クローズされたものの, ファイル・システム制御情報が保持されているファイル数を示します。
    【6】Read I/O count 仮想I/Oキャッシュが確認した読み込みI/Oの総数を表示します。
    【7】Read hit count データがキャッシュになかったため, 物理的なI/Oがなかった読み込みI/Oの総数を表示します。
    【8】Read hit rate 読み込み回数,および読み込みI/O回数の割合を表示します。
    【9】Write IO count キャッシュが確認した書き込みI/Oの総数を示します。
    【10】IO bypassing 何らかの理由により,キャッシュによる要求, または更新を行わなかった,I/O の回数を表示します。

  3. $ SHOW MEMORY/PHYSICAL_PAGES
    
                  System Memory Resources on  3-NOV-1998 16:11:30.76
    Physical Memory Usage (pages):  Total【1】 Free【2】 In Use【3】 Modified【4】
    Main Memory (32.00Mb)           65536     44233       20955           308
    
    Of the physical pages in use, 10970 pages are permanently allocated
      to VMS.
    

    物理メモリの使用状況

    物理メモリの使用状況を示します。

    【1】Total システムで汎用的に使用できる物理メモリ・ページ数を表示します。 共用メモリ・グローバル・セクション,メールボックス, および共通イベント・ブロックのために使用されるマルチポート・メモリ・ページは, この数字に含まれていません (マルチポート・メモリ・ページは, 一部のVAXシステムに存在します)。
    【2】Free 未使用ページ・リスト上のページ数を表示します。
    【3】In Use 現在使用されているページ数を表示します。ここに表示される数字は, 使用可能ページの総数から,未使用ページ数,変更ページ数, および不良ページ・リストのページ数の合計を引いた数字です。
    【4】Modified 変更ページ・リスト上のページ数を表示します。

    不良ページ・リスト

    不良ページ・リストの内容を示します。


    注意
    不良ページ・リストにページがある場合のみ表示されます。


    Total 不良ページ・リストのページ数を表示します。
    Dynamic システムのブート後,検出されたメモリ・エラー数を表示します。
    I/O Errors ページ・フォルト処理中に検出されたエラー数を表示します。
    Static ブート時のスキャン中に検出されたメモリ・エラー数を表示します。

    省略時の設定では, ブート時のスキャンではシングル・ビットのエラーもダブル・ビットのエラーも, ページを削除します。

    OpenVMSに割り当てられたページ

    SHOW MEMORYコマンドを実行すると,物理メモリの使用状況と, OpenVMSシステムに永久的に割り当てられているページ数が表示されます。 このページ数には非ページング・エグゼクティブ・コードおよびデータ, PFNデータベース,非ページング動的メモリ,割り込みスタック, およびシステム・ページ・テーブルが含まれます。

  4. $ SHOW MEMORY/SLOTS
    
                  System Memory Resources on 3-NOV-1998 16:11:35.31
    Slot Usage (slots):       Total【1】 Free【2】 Resident【3】 Swapped【4】
    Process Entry Slots          75        28            46            1
    Balance Set Slots            70        26            44            0
    

    スロットの使用状況

    プロセス・エントリ・スロット, およびバランス・セット・スロットの使用状況を表示します。

    【1】Total システムのブートストラップ時に永久的に割り当てられたプロセス・エントリ・スロット数 (システム・パラメータMAXPROCESSCNTの値), およびバランス・セット・スロット(システム・パラメータBALSETCNTの値) 数を表示します。
    【2】Free 現在使用可能なスロット数を表示します。
    【3】Resident メモリ常駐プロセスが現在使用しているスロット数を表示します。 使用中のバランス・セット・スロット数が, 使用中のプロセス・エントリ・スロット数より大きくなることはありません。これは, SWAPPER および NULLプロセスはプロセス・エントリ・スロットを持っていますが, バランス・セット・スロットは必要ないからです。
    【4】Swapped スワップアウトされたプロセスが使用したスロット数を表示します。 プロセス・エントリ・スロットの場合,この数字には, 部分的にスワップアウトされたプロセスも含まれます。 バランス・セット・スロットの場合,この数字には, プロセス自体はスワップアウトされたがプロセス・ヘッダが常駐しているプロセスも含まれます。

  5. $ SHOW MEMORY/POOL
    
                  System Memory Resources on  5-DEC-1998 03:59:35.29
    
    Dynamic Memory Usage (bytes):     Total【1】    Free【2】 In Use【3】 Largest【4】
      Nonpaged Dynamic Memory      24993792     23511872     1481920     23363776
      Bus Addressable Memory         131072       114688       16384       114688
      Paged Dynamic Memory          5799936      3530784     2269152      3530176
      Lock Manager Dynamic Memory   1048576       254976      793600
    

    動的メモリ使用状況(バイト数)

    可変的なサイズ・ブロックを割り当てる,非ページング・プール領域, およびページング・プール領域を表示します。

    【1】Total 各領域のために確保しているバイト総数を表示します。
    【2】Free 各動的メモリ領域の未使用領域総量を表示します。
    【3】In Use 各領域に対して現在割り当てられている領域量を表示します。 この数字は,確保されているバイト総数から未使用バイト数を引いた数字です。
    【4】Largest 各領域中の,最大の連続ブロックのサイズを表示します。 ページング・プール領域の場合,この数字は, 割り当てることのできる最大ブロック数です。 非ページング・プール領域の場合,この数字よりも大きな割り当て要求があると, (他の制約により禁止されていなければ)非ページング・プール領域が増えます。 ロック・マネージャのすべての項目は同一サイズであるため, この属性はロック・マネージャには適用されません。

  6. $ SHOW MEMORY/FILES
    
                  System Memory Resources on  3-NOV-1998 16:11:45.83
    Paging File Usage (blocks):                   Free【2】 Reservable【3】 Total【4】
     DISK$VMS02APR1:[SYS2.SYSEXE]SWAPFILE.SYS【1】 256             256       4096
     DISK$VMS02APR1:[SYS2.SYSEXE]PAGEFILE.SYS     7613            6912       8192
    

    ページング・ファイルの使用状況(ページ数)

    ページング・ファイルおよびスワッピング・ファイルの使用状況を示します。

    【1】Name 各スワッピング・ファイル, またはページング・ファイルの完全なファイル指定を表示します。 一次ページング・ファイル名,(存在する場合は)一次スワッピング・ファイルの名前, およびブートストラップ操作によりインストールされたファイルの名前が表示されます。 SHOW MEMORYコマンドを発行したプロセスに読み込み(R)アクセス権がある場合には, SYSGENユーティリティによりインストールされた二次ページング・ファイル, または二次スワップ・ファイルの名前も表示されます。 SHOW MEMORYコマンドを発行したプロセスが, これらのファイルへの読み込み(R)アクセス権を持っていない場合は, これらのファイル名は表示されませんが使用状況の統計情報は表示されます。
    【2】Free 現在インストールされている各ページング・ファイル, およびスワッピング・ファイルの未使用ブロック数を表示します。 未使用ブロックとは,ファイルで物理的に割り当てられるブロックです。
    【3】Reservable 現在インストールされている各ページング・ファイル, およびスワッピング・ファイル中の,予約可能なブロック数を表示します。 予約可能ブロックとは,将来物理的に割り当てるために, プロセスが論理的に要求するブロックです。 負の値は,実際に予約可能なブロック数以上のブロック数が予約されることを示します。 負の値が表示されても,すぐには問題ありません。ただし物理メモリが不足すると, 実際に予約可能なブロック数以上のブロック数が予約されることがあります。
    【4】Total 各ページング・ファイルおよびスワッピング・ファイルのサイズの合計を表示します。

    プール領域またはページング・ファイルの使用状況を表示する時に, SHOW MEMORYコマンドに /FULL修飾子を指定すると,より詳しい情報が表示されます。

  7. $ SHOW MEMORY/POOL/FULL
    
                  System Memory Resources on  5-DEC-1998 03:59:35.29
    
    Nonpaged Dynamic Memory                   (Lists + Variable)
     Current Size (bytes)    【1】 24993792  Current Size (pagelets) 【1】  48816
     Initial Size (NPAGEDYN) 【2】 24993792  Initial Size (pagelets) 【2】  48816
     Maximum Size (NPAGEVIR) 【3】499998720  Maximum Size (pagelets) 【3】 976560
     Free Space (bytes)      【4】 22230144  Space in Use (bytes)    【5】2763648
     Largest Variable Block  【6】 19676672  Smallest Variable Block 【7】   2176
     Number of Free Blocks   【8】    38334  Free Blocks LEQU 64 Byte【9】      0
    Free Blocks on Lookasides【16】   38330  Lookaside Space (bytes)      2537472
    Bus Addressable Memory                    (Lists + Variable)
     Current Size (bytes)    【1】   131072  Current Size (pagelets) 【1】    256
     Initial Size (NPAGEDYN) 【2】   131072  Initial Size (pagelets) 【2】    256
     Free Space (bytes)      【4】   114688  Space in Use (bytes)    【5】  16384
     Largest Variable Block  【6】   114688  Smallest Variable Block 【7】 114688
     Number of Free Blocks   【8】        1  Free Blocks LEQU 64 Byte【9】      0
    Free Blocks on Lookasides【16】       0  Lookaside Space (bytes)            0
    Paged Dynamic Memory
     Current Size (PAGEDYN)  【1】  5799936  Current Size (pagelets) 【1】  11328
     Free Space (bytes)      【4】  3518288  Space in Use (bytes)    【5】2281648
     Largest Variable Block  【6】  3517584  Smallest Variable Block 【7】     16
     Number of Free Blocks   【8】       25  Free Blocks LEQU 64 Byte【9】     23
    Lock Manager Dynamic Memory
     Current Size (Mbytes)   【1】    13.85  Current Size (pages)    【1】    1774
     Free Space (Mbytes)     【4】    10.06  Hits                    【12】  54050
     Space In Use            【5】     3.79  Misses                  【13】   1664
     Number of Empty Pages   【10】      26  Expansions              【14】   1792
     Number of Free Packets  【11】   41244  Packet Size             【15】    256
    

    動的メモリ

    可変的なサイズ・ブロックから構成される動的メモリ領域の使用状況を示します。

    【1】Current Size 各動的メモリ領域の現在のサイズを表示します。 Alphaの場合は,512バイトのページレット単位で,VAXの場合は, バイトおよびページ単位で表示します。 ロック・マネージャについての表示では,単位はメガバイトです。
    【2】Initial Size 非ページング動的メモリの初期サイズ, およびそのサイズを制御するシステム・パラメータ名(NPAGEDYN)を表示します。
    【3】Maximum Size 非ページング動的メモリの最大サイズ, およびそのサイズを制御するシステム・パラメータ名(NPAGEVIR)を表示します。
    【4】Free Space 各動的メモリ領域の未使用領域量を表示します。
    【5】Space in Use 各領域から現在割り当てられている領域量を表示します。
    【6】Largest Block 各プール領域中の最大連続領域のサイズを表示します。
    【7】Smallest Block 各プール領域中の最小ホール(未使用ブロック)のサイズを表示します。
    【8】Free Blocks 各プール領域の未使用ブロック総数を表示します。 このサイズは,プールの断片化の目安になります。
    【9】Blocks LEQU 64 64バイト以下の未使用領域ブロック数を表示します。 このような小さな空きブロックに割り当てが行われることはほとんどありませんので, この値もプールの断片化の目安になります。
    【10】Empty Pages パケットが割り当てられていないページ数を表示します。
    【11】Free Packets 未使用のパケット総数を表示します。 この数は, 一部が使用されているページの空きパケットと全Empty Pagesのパケットの合計です。
    【12】Hits パケット割り当ての総数を表示します。
    【13】Misses 要求されたパケット数を使用することができなかったために, 実行されなかったパケット割り当て要求の総数を表示します。 1つのミスにより, ダイナミック・メモリが1ページ拡張されてパケット割り当て要求を実行するようにします。
    【14】Expansions パケット割り当て要求を実行するために ダイナミック・メモリを1ページ拡張した回数の総数を表示します。
    【15】Packet Size 256バイトのパケット・サイズを表示します。 これは, ロック・マネージャがロック・ブロック・データ構造 あるいはリソース・ブロック・データ構造のいずれかを保持するために使用されます。
    【16】Lookasides Free Blocks システムがあらかじめ割り当てて 'lookaside lists'に置いているメモリ・パケットの総数を表示します。 パケットの正しいサイズが'lookaside lists' に置かれている場合は, 直ちに効率的に割り当てることができますが, 以降は別のサイズのパケットの一部として使用することはできません。 'lookaside lists' のパケットが超過した場合は, 別のサイズを割り当てることができない原因となります。

  8. $ SHOW MEMORY/FILES/FULL
    
                  System Memory Resources on  17-DEC-1998 16:11:55.49
    DISK$VMS02APR1:[SYS0.SYSEXE]SWAPFILE.SYS【1】
    
    Free Blocks【2】              256  Reservable Blocks【3】             256
    Total Size (blocks)【4】     4096  Paging File Number【5】              1
    Swapping Usage (processes)【6】 0  Paging Usage (processes)【7】        0
    This file is used exclusively for swapping. 【8】
    
    DISK$VMS02APR1:[SYS0.SYSEXE]PAGEFILE.SYS【1】
    Free Blocks【2】             7611  Reservable Blocks【3】            6912
    Total Size (blocks)【4】     8192  Paging File Number【5】              5
    Swapping Usage (processes)【6】 0  Paging Usage (processes)【7】        0
    This file can be used for either paging or swapping. 【8】
    

    ページング・ファイルの使用状況

    ページング・ファイルおよびスワッピング・ファイルの使用状況を示します。

    【1】File Name 各ページング・ファイル, およびスワッピング・ファイルの完全ファイル指定を表示します。 ファイルへの読み込み(R)アクセス権がないと,ファイル名は表示されません。
    【2】Free Blocks 現在インストールされている各ページング・ファイル, およびスワッピンング・ファイルの未使用ブロック数を表示します。 未使用ブロックとは,ファイルで物理的に割り当てられるブロックです。
    【3】Reservable Blocks 現在インストールされている各ページング・ファイル, およびスワッピング・ファイル中の予約可能ブロック数を表示します。 予約可能ブロックとは,将来物理的に割り当てるために, プロセスが論理的に要求するブロックです。 負の値は,実際に予約可能なブロック数以上のブロック数が予約されることを示します。 負の値が表示されても,すぐには問題ありません。ただし物理メモリが不足すると, 実際に予約可能なブロック数以上のブロック数が予約されることがあります。
    【4】Total Size 各ページング・ファイル, およびスワッピング・ファイルのサイズの合計を表示します。
    【5】File Number インストール時に各ページング・ファイルおよびスワッピング・ファイルに割り当てられた, 内部的なページング・ファイル・インデックスを表示します。
    【6】Swapping Usage スワップのために現在割り当てられているプロセス数を表示します。 スワップ・ファイルの割り当てにより,プロセスの寿命が決まります。
    【7】Paging Usage 現在このファイルにページングしているプロセス数を表示します。 プロセスが作成されそのファイルにページングを開始すると, ページング・ファイルが割り当てられます。 最後の2つの情報は,GROUPおよびWORLD特権を持つ場合のみ表示されます。 つまり,これらの特権を持たないプロセスは, プロセス自身およびサブプロセスのページング・ファイルとスワッピング・ファイルの割り当てを行うだけです。 GROUP特権を持つプロセスは, 同一グループ内のすべてのプロセスのこの情報が得られます。 WORLD特権を持つプロセスだけが, システム全体での正確なページング・ファイルおよびスワッピング・ファイルの情報を得ることができます。
    【8】File Usage ファイルがスワッピングのために排他的に使用されているか, ページングとスワッピングの両方のために使用されているを示すテキスト行が表示されます。


SHOW NETWORK

ノードに登録されたネットワーク・サービスに関する情報を表示します。

フォーマット

     SHOW NETWORK  [ネットワーク・サービス] 

パラメータ

ネットワーク・サービス

情報を表示するネットワーク・サービスを指定します。サービスを指定しない場合は, 現在ローカル・ノードに登録されているすべてのサービスに関する情報が表示されます。

説明

SHOW NETWORKコマンドは, OpenVMSシステムで使用できるネットワーク・サービスについての情報を表示します。

修飾子

/FULL

指定されたネットワーク・サービスのすべての情報を表示します。

/OLD

DECnet Phase IVを実行している場合には, OpenVMS Version 7.0より前のSHOW NETWORKコマンドの動作を保持します。 ローカル・ノードがルーティング・ノードの場合には, /OLD修飾子はルーティング情報を提供します。

/OUTPUT[=ファイル指定]
/NOOUTPUT

コマンドの出力先を制御します。/OUTPUT修飾子を指定しなかったり, 修飾子にファイル指定をしなかった場合には,論理名SYS$OUTPUTで示される, 現在のプロセスの省略時の出力ストリームまたは装置に出力されます。

/OUTPUT修飾子に部分的なファイル指定(たとえば,ディレクトリのみ) を指定した場合には,省略時設定としてファイル名にSHOWを, ファイル・タイプにLISを使用します。 ファイル指定には,ワイルドカード文字は使用できません。

/NOOUTPUT修飾子を指定した場合は,何も出力されません。

  1. $ SHOW NETWORK
    
    Product: DECnet           Node: GALENA         Addresss(es): 19.129
    
    ローカル・ノードに現在登録されているすべてのネットワーク・サービスと, ノード名,およびノード・アドレスを表示します。

  2. $ SHOW NETWORK/FULL
    The following network service is available at this time:
    
    Product:  DECNET       Manufacturer:  Digital Equipment Corporation
    Node:  ZOOMAN           Address(es):  19.215
    Network Type:  DNA IV  Interface(s):  net 0
      
    Node Volatile Characteristics as of 21-NOV-1998 10:36:09
    
    Executor node = 19.215 (ZOOMAN)
    
    Identification           = DECnet for OpenVMS Alpha V6.2
    Management version       = V4.0.0
    Incoming timer           = 45
    Outgoing timer           = 60
    Incoming Proxy           = Enabled
    Outgoing Proxy           = Enabled
    NSP version              = V4.1.0
    Maximum links            = 32
    Delay factor             = 80
    Delay weight             = 5
    Inactivity timer         = 60
    Retransmit factor        = 10
    Routing version          = V2.0.0
    Type                     = nonrouting IV
    Routing timer            = 600
    Broadcast routing timer  = 180
    Maximum address          = 1023
    Maximum circuits         = 16
    Maximum cost             = 1022
    Maximum hops             = 30
    Maximum visits           = 63
    Maximum area             = 63
    Max broadcast nonrouters = 64
    Max broadcast routers    = 32
    Maximum path splits      = 1
    Area maximum cost        = 1022
    Area maximum hops        = 30
    Maximum buffers          = 100
    Buffer size              = 576
    Default access           = incoming and outgoing
    Pipeline quota           = 4032
    Alias maximum links      = 32
    Path split policy        = Normal
    Maximum Declared Objects = 31
    
    Known Link Volatile Summary as of 21-NOV-1998 10:36:10
    
       Link       Node       PID     Process   Remote link  Remote user
    
      8201   19.117        20200094  REMACP          25330  JONES
      8200   19.129        20200094  REMACP          24711  SMITH
    
    Node Counters as of 21-NOV-1998 10:36:10
    
    Executor node = 19.215 (ZOOMAN)
    
               3  Maximum logical links active
               0  Aged packet loss
               0  Node unreachable packet loss
               0  Node out-of-range packet loss
               0  Oversized packet loss
               0  Packet format error
               0  Partial routing update loss
               0  Verification reject
    
    $
    
    このコマンドは,ローカル・ノードに現在登録されている, すべてのネットワーク・サービスに関する全情報を表示しています。


SHOW PRINTER

プリンタの現在の設定を表示します。

フォーマット

     SHOW PRINTER  装置名[:] 

パラメータ

装置名[:]

設定を表示するプリンタの名前を指定します。

説明

SHOW PRINTERコマンドは,指定したプリンタに現在定義されている設定を表示します。 次のような設定があります。

プリンタ・タイプ
ページ幅
ページ長
行終了タイプ
改ページ
大文字/小文字
文字変換
自動改行

プリンタの設定は,SET PRINTERコマンドで行います。 SET PRINTERコマンドを使用するには,OPER (オペレータ)特権が必要です。

修飾子

/OUTPUT[=ファイル指定]
/NOOUTPUT

コマンドの出力先を指定します。 省略時には,SYS$OUTPUT(通常は,使用しているターミナル)へ出力されます。 ファイルへ出力するには,/OUTPUT修飾子を使用してファイルを指定してください。

ファイル指定には,ワイルドカード文字は使用できません。 /OUTPUT修飾子に部分的なファイル指定(たとえば,ディレクトリだけ)を指定した場合, SHOWという省略時のファイル名と, LISという省略時のファイル・タイプが使用されます。

/NOOUTPUT修飾子を指定した場合は,何も出力されません。

  1. $ SHOW PRINTER LPA0:
    Printer LPA0:, device type LP11, is online, allocated, spooled
    Error count                 0  Operations completed             880
    Owner process "SYMBIONT_0001"  Owner UIC                      [0,0]
    Owner process ID     21C0008D  Dev Prot S:RWLP,O:RWLP,G:RWLP,W:RWLP
    Reference count             2  Default buffer size              132
    Page width                132  Page Length                       66
    No Carriage_return    Formfeed        Lowercase
    No Passall            No Wrap         Printall
    No Fallback
    Intermediate device: STAR$DBA1:
    Associated queue: LN01$PRINT
    
    この例は,プリンタLPA0の設定を表示しています。


SHOW PROCESS

プロセスと,そのサブプロセスに関する情報を表示します。

同一グループ内のプロセスを表示するにはGROUP特権が, 他のグループのプロセスを表示するにはWORLD特権がそれぞれ必要です。

フォーマット

     SHOW PROCESS  [[ノード名::]プロセス名] 

パラメータ

ノード名::

指定したプロセスが実行されているノードの名前を指定します。 ノード名は,最大6文字の英数字です。

現在のプロセスが実行されている, OpenVMS Cluster内のノード名を指定しなければなりません。

プロセス名

情報を表示するプロセスの名前を指定します。プロセス名は,15文字までの英数字です。

指定されたプロセスは, 現在のプロセスと同じグループ番号を持っていなければなりません。

説明

SHOW PROCESSコマンドは,プロセスおよびそのサブプロセスについての情報を表示します。 修飾子を入力しないと,次の情報の一部しか表示されません。 時刻
プロセス端末
ユーザ名および利用者識別コード(UIC)
ノード名
プロセス名およびプロセス識別番号(PID)
優先順位
省略時のディレクトリ
割り当てられた装置
カーネル・スレッド数

ローカル・プロセス名は,遠隔プロセス名に似ていることがあります。 たとえば ATHENS::SMITH と指定すると, システムはローカル・ノードで ATHENS::SMITH というプロセスをチェックしてから, ノードATHENS で SMITH というプロセスをチェックします。

/IDENTIFICATION=pid修飾子を指定して,プロセス名を指定することもできます。 /IDENTIFICATION修飾子とプロセス名パラメータを同時に使用すると, 修飾子がパラメータを上書きします。 プロセス名パラメータも/IDENTIFICATION修飾子も指定しない場合は, 現在のプロセスについての情報が表示されます。

GROUPまたはWORLD特権がある場合は, 本人以外のプロセスについての情報を表示できます。 GROUP特権では,グループ内の他のプロセスを見ることができます。 WORLD特権では,グループ外部のプロセスを見ることができます。 グループ外部のプロセスを見るには, /IDENTIFICATION修飾子を使用しなければなりません。

修飾子

/ACCOUNTING

プロセスで使用された資源を表示します。

/ALL

基本的な情報に加え,以下を表示します。
会計情報
動的メモリの使用状況
特権
クォータ
シェルビング
サブプロセス

/CONTINUOUS

OpenVMS Cluster環境で, 連続的に更新されたローカル・プロセスに関する情報を表示します。 クラスタ内の他のノード上のプロセスに対して, /CONTINUOUS修飾子を指定することはできません。

連続モードで表示中にTキーを押すと, プロセスを修飾するスレッドの情報を表示できます。 複数のスレッドがある場合は,繰り返しTキーを押してください。

連続モードで表示中にVキーを押すと, プロセスの仮想アドレス空間内でのページ・マップを表示できます。

マップに表示される各文字は,ページのタイプを示します。 現在のプログラム・カウンタがそのページ内に存在する場合には, ページ・タイプはアットマーク(@)によって示されます。 ワーキング・セット内にロックされているページはL,グローバル・ページは, Gで示されます。 ワーキング・セット内の他の有効ページは,アスタリスク(*)で示されます。

コマンドを終了するには,Eキーを押します。 最初の表示に戻るには,スペースを押します。

/CONTINUOUS修飾子は,/OUTPUT修飾子と同時に使用できません。

/DUMP

SET PROCESS/DUMPコマンドによって設定あるいはクリアされた, イメージ・ダンプの設定を表示します。

/EXACT

/PAGE=SAVEおよび/SEARCH修飾子とともに使用し, 大文字と小文字を区別した文字列検索を指定します。 この場合,検索文字列は二重引用符で囲まなければなりません。

/SEARCH修飾子を指定せずに/EXACT修飾子を指定した場合, "Findキー" (E1)を押すと文字列検索が有効になります。

/HIGHLIGHT[=キーワード]

/PAGE=SAVEおよび/SEARCH修飾子とともに使用し, 一致した検索文字列の強調表示方法を指定します。 一致した検索文字列があった場合は,行全体が強調されます。 キーワードには,BOLD, BLINK, REVERSE,およびUNDERLINEを指定できます。 省略時の設定はBOLDです。

/IDENTIFICATION=pid

自分以外のプロセスを指定する場合には,GROUPまたはWORLD特権が必要です。

情報を表示するプロセスの,プロセス識別番号(PID)を指定します。 PIDは,プロセスが生成されるときに,システムから割り当てられます。 PIDを指定する場合には,先行する0を省略できます。

/IDENTIFICATION修飾子を指定した場合,プロセス名パラメータに優先されます。 さらに,/MEMORY修飾子する場合には, PIDの値は現在のプロセスのPIDでなければなりません。

/INTERVAL=n

/CONTINUOUS修飾子とともに使用し,指定秒間隔で表示を更新します。

/MEMORY

プロセスの,動的メモリ領域に関する使用状況を表示します。 /MEMORY修飾子は,現在のプロセスに対してのみ指定できます。

/OUTPUT[=ファイル指定]
/NOOUTPUT

コマンドの出力先を指定します。 省略時には,SYS$OUTPUT(通常は使用しているターミナル)へ出力されます。 ファイルへ出力するには,/OUTPUT修飾子を使用してファイルを指定してください。

ファイル指定には,ワイルドカード文字は使用できません。 /OUTPUT修飾子に部分的なファイル指定(たとえば,ディレクトリだけ)を指定した場合, SHOWという省略時のファイル名と,LISという省略時のファイル・タイプが使用されます。

/NOOUTPUT修飾子を指定した場合は,何も出力されません。

/OUTPUT修飾子は,/CONTINUOUS修飾子と同時に指定できません。

/PAGE[=キーワード]
/NOPAGE (省略時の設定)

コマンド出力の画面表示をページャを介して行います。

次のキーワードを指定できます。

CLEAR_SCREEN ページモードで表示(毎回画面を消去する)
SCROLL スクロールモードで表示(毎回画面を消去しない)
SAVE[=n] nページ分の履歴を保持する(前ページに戻ること等が可能)

/PAGE=SAVE修飾子を指定すると最大5画面(最大255カラムまで)分の履歴を保存できます。 ページャ内では以下のキーを使って画面の移動などができます。

キー・シーケンス 説明
Up arrow key, Ctrl/B 1行スクロールアップ
Down arrow key 1行スクロールダウン
Left arrow key 1カラム左シフト
Right arrow key 1カラム右シフト
Find (E1) 文字列検索を起動
Insert Here (E2) 半画面右シフト
Remove (E3) 半画面左シフト
Select (E4) 80/132カラム切替え
Prev Screen (E5) 前ページに移動
Next Screen (E6), Return, Enter, Space 次ページに移動
F10, Ctrl/Z 終了(ユーティリティによっては異なる)
Help (F15) ヘルプ・テキストを表示
Do (F16) 最新(現在)画面と(履歴内で)最古画面の切り替え
Ctrl/W 再表示

/PAGE修飾子は/OUTPUT修飾子とは同時に使用できません。

/PRIVILEGES

プロセスの持つ特権とプロセス・ライトを表示します。 特権だけを表示する場合は,/NORIGHT修飾子も指定してください。 プロセス特権を有効にするには,SET PROCESS/PRIVILEGESコマンドを使用します。

/QUOTAS

それぞれの資源について,プロセスの現在のクォータ値または限界値を表示します。 クォータ値は,サブプロセスの作成による減少分も含まれた値です。 限界値は,プロセス作成時の値です。

/RIGHTS (省略時の設定)
/NORIGHTS

指定したプロセスの,現在のプロセス・ライトを表示します。 プロセス・ライトを表示しないためには,/NORIGHT修飾子を使用します。

/SEARCH="検索文字列"

/PAGE=SAVE修飾子とともに使用し,表示される情報内で検索したい文字列を指定します。 文字列にスペース文字等を入れたい場合は, 検索文字列は二重引用符で囲まなければなりません。

情報が表示されている時にFind(E1)キーを押すと, 検索文字列を動的に変更することができます。この場合は,引用符は必要ありません。

/SHELVING

プロセスが自動的にファイルをアンシェルブするかどうかを表示します。

/SUBPROCESSES

現在のプロセスが所有しているサブプロセス名を,階層構造の上から順に表示します。

/WRAP
/NOWRAP (省略時の設定)

/PAGE=SAVE修飾子とともに使用し, 画面の幅を越える行をラップするかどうかを指定します。 /WRAP修飾子を指定した場合,はみ出す部分は次行に表示されます。

/NOWRAP修飾子を指定した場合, はみ出した部分は左右にスクロールしながら見ることができます。

  1. $ SHOW PROCESS OCALA::MALIK
    
     14-DEC-1998 15:35:19.39  User: MALIK   Process ID: 28200364
                              Node: OCALA   Process name: MALIK
    Terminal:        RTA5:
    User identifier: [VMS,MALIK]
    Base  priority:   4
    Default file spec: WORK5:[MALIK]
    Devices allocated: RTA5:
    
    MALIKというユーザが,SHOW PROCESSコマンドを実行した例です。 ノードOCALA上のプロセスについて,以下のような簡単な情報を表示しています。
    SHOW PROCESSコマンドの入力された日時
    ユーザ名
    プロセス識別番号(PID)
    ノード名
    プロセス名
    論理名SYS$INPUTに割り当てられた装置名
    利用者識別コード(UIC)
    基本の実行優先順位
    省略時の装置(同じノード上のプロセスに対してのみ)
    省略時のディレクトリ(現在のプロセスに対してのみ)
    プロセスに割り当てられた装置,およびマウントされているボリューム

  2. $ SHOW PROCESS/ACCOUNTING
     14-DEC-1998 14:48:01.31   User: MALIK  Process ID:   28200364
                               Node: OCALA  Process name: "MALIK"
    
     Accounting information:
      Buffered I/O count:      4878  Peak working set size:      844
      Direct I/O count:        1284  Peak virtual size:         1176
      Page faults:             6100  Mounted volumes:              0
      Images activated:          22
      Elapsed CPU time:      0 00:01:20.51
      Connect time:          0 04:06:03.75
    
    このSHOW PROCESSコマンドは,プロセスの会計情報を表示しています。 Peak working set sizeとPeak virtual sizeの値は, VAX上では512バイトのページ数であり,Alpha上ではページレット数です。

  3. $ SHOW PROCESS/PRIVILEGES
    
     14-DEC-1998 14:59:28.53  User: MALIK   Process ID:    28200364
                              Node: OCALA   Process name: "MALIK"
    
     Process privileges:
      GROUP                may affect other processes in same group
      TMPMBX               may create temporary mailbox
      NETMBX               may create network device
    
     Process rights identifiers:
      INTERACTIVE
      DIALUP
    
    プロセスの現在の特権を表示しています。

  4. $ SHOW PROCESS/QUOTAS
    
     14-DEC-1998 15:00:28.79   User: MALIK  Process ID:    28200364
                               Node: OCALA  Process name:  "MALIK"
    
     Process Quotas:
     Account name: VMS
      CPU limit:                    Infinite  Direct I/O limit:       6
      Buffered I/O byte count quota:   17904  Buffered I/O limit:     6
      Timer queue entry quota:            10  Open file quota:       31
      Paging file quota:               24945  Subprocess quota:       8
      Default page fault cluster:         64  AST limit:             14
      Enqueue quota:                      30  Shared file limit:      9
      Max detached processes:             11  Max active jobs:       14
    
    この例は,クォータ値と限界値を表示しています。Paging file quotaの値は, VAX上では512バイトのページ数であり,Alpha上ではページレット数です。

  5. $ SHOW PROCESS/SUBPROCESSES
    
     14-DEC-1998 15:44:59.39  User: MALIK  Process ID:   28200364
                              Node: OCALA  Process name: "MALIK_1"
    
     Processes in this tree:
    
     MALIK
       MALIK_1 (*)
         MALIK_2
    
    現在のプロセス・ツリーを表示しています。 現在のプロセスはアスタリスク(*)で示されます。 現在のプロセスの親プロセス,およびサブプロセスが示されています。

  6. $ SHOW PROCESS/CONTINUOUS FRED
    
                               Process FRED                    12:26:53
    
        State               CUR            Working set              269
    
        Cur/base priority   8/4            Virtual memory          1713
    
        Current PC          7FFEE07E       CPU time         00:00:13.82
    
        Current PSL         03C00000       Direct I/O               246
    
        Current user SP     7FF785A4       Buffered I/O             646
    
        PID                 226006C0       Page faults             3417
    
        UIC                 [VMS,FRED]     Event flags         C8000007
                                                               C0000000
        SYS$SYSROOT:[SYSEXE]SHOW.EXE
    
    この例では/CONTINUOUS修飾子を指定しているので, プロセスFREDに関する情報は連続的に更新されます。 VAXではVirtual memoryが,AlphaではVirtual pagesが表示されます。 いずれも,CPU固有のページ数として使用される仮想メモリを示します。 Working setの値も,CPU固有のページ数です。

  7. $ SHOW PROCESS/MEMORY
    
     14-DEC-1998 14:59:04.48   User: MALIK  Process ID:   28200364
                               Node: OCALA  Process Name: "MALIK"
    
     Process Dynamic Memory Area
         Current Size (bytes)   25600   Current Total Size (pages)   50
         Free Space (bytes)     22698   Space in Use (bytes)       2902
         Size of Largest Block  22496   Size of Smallest Block       15
         Number of Free Blocks      7   Free Blocks LEQU 32 Bytes     3
    
    現在のプロセスMALIKの,動的メモリ領域の使用状況を表示しています。

    Current size 各動的メモリ領域の現在のサイズを,VAXではバイトおよびページ単位で, Alphaでは512バイトのページレット単位で示します。
    Free space 各動的メモリ領域の空き領域を示します。
    Space in use 各領域から現在割り当てられている領域を示します。
    Largest block 各プール領域の,最大連続領域のサイズを示します。
    Smallest block 各プール領域の,最小空きブロックのサイズを示します。
    Free blocks 各プール領域の,空きブロックの総数を示します。 プール断片化のめやすになります。
    Blocks LEQU 32 (VAXの場合) Blocks LEQU 64 (Alphaの場合) VAXでは32バイト以下の,Alphaでは64バイト以下の,空きブロック数を示します。 このような小さな空きブロックに割り当てが行われることはほとんどありませんので, この値も断片化のめやすになります。

  8. $ SHOW PROCESS OCALA::MALIK
     14-DEC-1998 15:35:19.39  User: MALIK   Process ID: 28200364
                              Node: OCALA   Process name: MALIK
    Terminal:          RTA5:
    User identifier:   [VMS,MALIK]
    Base  priority:    4
    Default file spec: WORK5:[MALIK]
    Devices allocated: RTA5:
    
    ノードOCALAのプロセスMALIKの情報の基本的な概略が表示されています。

  9. $ SHOW PROCESS/SHELVING SMITH
    
    15-JUNE-1998  10:07:25.11   User: SMITH       Process ID:  20206A50
                                Node: BANANA      Process name: "SMITH"
    
    Auto-unshelve: on
    
    このSHOW PROCESSコマンドは, プロセスSMITHが自動的にファイルをアンシェルブすることを示しています。

  10. $ SHOW PROCESS/DUMP SMITH
    
    31-DEC-1998 10:38:32.48   User: SMITH        Process ID:   20C0011B
                              Node: AAAAAA       Process name: "_RTA1:"
    
    Image Dump: on
    
    この例のSHOW PROCESSコマンドは,回復不能なエラーによりイメージが終了した時, プロセスSMITHによりSYS$LOGIN:(イメージ名).DMPというファイル(ここで, イメージ名はファイル名と同一)にアドレス空間の内容が書き込まれることを示します。


SHOW PROTECTION

現在のファイル保護設定を表示します。これはターミナル・セッション, またはバッチ・ジョブで作成される,すべての新しいファイルに適用されます。

フォーマット

     SHOW PROTECTION 

説明

ターミナル・セッションまたはバッチ・ジョブ中に作成される, すべての新しいファイルに適用される現在の省略時のファイル保護を表示します。 SET PROTECTION/DEFAULTコマンドを使用すると, 任意の時点で省略時の保護を変更できます。

特定のファイルの現在の保護を確認するには, DIRECTOR/PROTECTIONコマンドを使用します。

  1. $ SHOW PROTECTION
      SYSTEM=RWED, OWNER=RWED, GROUP=RE, WORLD=NO ACCESS
    $ SET PROTECTION=(GROUP:RWED,WORLD:RE)/DEFAULT
    $ SHOW PROTECTION
      SYSTEM=RWED, OWNER=RWED, GROUP=RWED, WORLD=RE
    
    最初のSHOW PROTECTIONコマンドは, 現在の省略時におけるファイル保護設定の表示を要求しています。 次のSET PROTECTION/DEFAULTコマンドは, 同じグループの他のユーザに適用されるファイル・アクセスと, その他のシステム・ユーザに適用されるファイル・アクセスを変更します。 次のSHOW PROTECTIONコマンドは,変更後の省略時ファイル保護設定を表示しています。


SHOW QUEUE

キューおよびキューに登録されているジョブに関する情報を表示します。

ジョブに対する読み込み(R)アクセス権が必要です。

フォーマット

     SHOW QUEUE  [キュー名] 

パラメータ

キュー名

キューの名前を指定します。 キュー名には,ワイルドカード文字(*と%)を使用できます。 キュー名パラメータの省略時の設定は,アスタリスク(*)です。 キュー名を省略すると,すべてのキューに関する情報が表示されます。

説明

SHOW QUEUEコマンドは,バッチ・キューのおよび出力キューの名前, タイプ,状態,および属性を表示します。 またキューに入っているジョブについての情報も表示します。 修飾子を指定せずにSHOW QUEUEコマンドを入力すると,OpenVMSシステムは, 指定したすべてのキューの名前,タイプ,状態, およびそれらのキューに入っているジョブについての情報をリストします。 SHOW QUEUEコマンドは,/BRIEF修飾子を省略時の設定と仮定します。

OpenVMS Clusterでは,SHOW QUEUEコマンドは, クラスタで使用できるすべてのキューについての情報を表示します。

キューについての情報, またはキューに入っているジョブの完全なリストが必要な場合は, SHOW QUEUEコマンドを使用します。 特定のジョブに関する情報が必要な場合は,SHOW ENTRYコマンドを使用してください。

修飾子

/ALL_JOBS

指定されたキューに登録されている,すべてのジョブを表示します。 ジョブ情報を表示するには,そのジョブに対して読み込み(R)アクセス権が必要です。

/BATCH

バッチ・キューと,そのキューに登録されているジョブについて表示します。

/BRIEF (省略時の設定)

キューおよびキューに登録されているジョブに関する,簡単な情報を表示します。 情報には,キュー名,キュー・タイプ,キューの状態が含まれます。 表示されるジョブについては,そのエントリ番号,ジョブ名,ユーザ名, ジョブ状態を表示します。/FULLおよび/FILES修飾子は,/BRIEF修飾子に優先されます。

/BY_JOB_STATUS=(キーワード・リスト)

指定された状態のジョブを含むキューだけを表示します。 省略時には,ユーザの所有するジョブだけが表示されます。 状態として,次のキーワードを指定できます。

EXECUTING 次の状態のジョブを表示します。

ABORTING   STALLED
EXECUTING   STARTING
PRINTING   SUSPENDED
PROCESSING    

ABORTINGは強制終了中のジョブ, STALLED や SUSPENDED は何らかの原因によって停止中であるが, その原因が解決されれば継続されるジョブ, PROCESSING や PRINTING は現在実行中であるジョブ, STARTING は初期化中のジョブを表します。

HOLDING 保留状態のジョブ。ジョブが無期限にキューに保持されていることを示します。
PENDING 待ち状態のジョブ。ジョブが実行の順番待ちをしている状態を示します。
RETAINED 実行後もキューに保持されているジョブ。 ジョブは完了しているが,キューに残っている状態を示します。
TIMED_RELEASE 指定時刻まで保留されているジョブ。 指定時刻に実行するために,キューに保留されている状態を示します。

この修飾子にキーワードを指定しない場合は, 実際にジョブが登録されているキューだけが表示されます。

/DEVICE[=(キーワード・リスト)]

指定されたキュー・タイプのキューと,その中のジョブを表示します。

キュー・タイプには,次のキーワードを指定します。

PRINTER プリント・キューのジョブ
SERVER サーバ・キューのジョブ
TERMINAL ターミナル・キューのジョブ

キーワードを指定しないと,プリント・キュー,サーバ・キュー, ターミナル・キュー内のすべてのジョブが表示されます。

/EXACT

/PAGE=SAVEおよび/SEARCH修飾子とともに使用し, 大文字と小文字を区別した文字列検索を指定します。 この場合,検索文字列は二重引用符で囲まなければなりません。

/SEARCH修飾子を指定せずに/EXACT修飾子を指定した場合, "Findキー" (E1)を押すと文字列検索が有効になります。

/FILES

それぞれのジョブに関連したファイルのリストを表示します。 /FILES修飾子は,/BRIEF修飾子に優先されます。

/FULL

キュー,およびそのキューに登録されているジョブ, そのジョブに関連したファイルに関する情報が,すべて表示されます。 /FULL修飾子は,/BRIEF修飾子に優先されます。

/GENERIC

汎用キュー,およびそのキューに登録されているジョブを表示します。 汎用キューは,実行キューではありません。 これは,特定タイプ(たとえば,ライン・プリンタ・ジョブ)のジョブを保持し, それを実行キューにダイレクトします。

/HIGHLIGHT[=キーワード]

/PAGE=SAVEおよび/SEARCH修飾子とともに使用し, 一致した検索文字列の強調表示方法を指定します。 一致した検索文字列があった場合は,行全体が強調されます。 キーワードには,BOLD, BLINK, REVERSE,および UNDERLINE を指定できます。 省略時の設定はBOLDです。

/OUTPUT[=ファイル指定]
/NOOUTPUT

コマンドの出力先を指定します。 省略時には,SYS$OUTPUT(通常は使用しているターミナル)へ出力されます。 ファイルへ出力するには,/OUTPUT修飾子を使用してファイルを指定してください。

ファイル指定には,ワイルドカード文字は使用できません。 部分的にファイルを指定した場合(たとえば,ディレクトリだけ)には, ファイル名にはSHOW,ファイル・タイプにはLIS が使用されます。

/NOOUTPUT修飾子を指定した場合は,何も出力されません。

/PAGE[=キーワード]
/NOPAGE (省略時の設定)

コマンド出力の画面表示をページャを介して行います。

次のキーワードを指定できます。

CLEAR_SCREEN ページモードで表示(毎回画面を消去する)
SCROLL スクロールモードで表示(毎回画面を消去しない)
SAVE[=n] nページ分の履歴を保持する(前ページに戻ること等が可能)

/PAGE=SAVE修飾子を指定すると最大5画面(最大255カラムまで)分の履歴を保存できます。 ページャ内では以下のキーを使って画面の移動などができます。

キー・シーケンス 説明
Up arrow key, Ctrl/B 1行スクロールアップ
Down arrow key 1行スクロールダウン
Left arrow key 1カラム左シフト
Right arrow key 1カラム右シフト
Find (E1) 文字列検索を起動
Insert Here (E2) 半画面右シフト
Remove (E3) 半画面左シフト
Select (E4) 80/132カラム切替え
Prev Screen (E5) 前ページに移動
Next Screen (E6), Return, Enter, Space 次ページに移動
F10, Ctrl/Z 終了(ユーティリティによっては異なる)
Help (F15) ヘルプ・テキストを表示
Do (F16) 最新(現在)画面と(履歴内で)最古画面の切り替え
Ctrl/W 再表示

/PAGE修飾子は/OUTPUT修飾子とは同時に使用できません。

/SEARCH="検索文字列"

/PAGE=SAVE修飾子とともに使用し,表示される情報内で検索したい文字列を指定します。 文字列にスペース文字等を入れたい場合は, 検索文字列は二重引用符で囲まなければなりません。

情報が表示されている時にFind(E1)キーを押すと, 検索文字列を動的に変更することができます。この場合は,引用符は必要ありません。

/SUMMARY

各キューについて,その実行中のジョブ,実行待ち状態のジョブ,保留中のジョブ, タイムド・リリース状態のジョブ,保持状態のジョブの総数を表示します。 出力キューでは,待ち状態のジョブの総ブロック数も表示します。

/WRAP
/NOWRAP (省略時の設定)

/PAGE=SAVE修飾子とともに使用し, 画面の幅を越える行をラップするかどうかを指定します。 /WRAP修飾子を指定した場合,はみ出す部分は次行に表示されます。

/NOWRAP修飾子を指定した場合, はみ出した部分は左右にスクロールしながら見ることができます。

  1. $ SHOW QUEUE/ALL/BY_JOB_STATUS=pending
    
    Printer queue KLEE$LCA0, stopped, mounted form DEFAULT
      /BASE_PRIORITY=4 /DEFAULT=(FEED,FORM=ELITE (stock=DEFAULT))
      /OWNER=[SYSTEM] /PROTECTION=(S:M,O:D,G:R,W:S)
    
      Entry     Jobname         Username        Blocks  Status
      -----     -------         --------        ------  ------
       2045     APPLICA         MARTIN             102  Pending
    
    Batch queue SYS_TEX, available, on NODE22::
      /BASE_PRIORITY=3 /JOB_LIMIT=25 /OWNER=[SYSTEM]
      /PROTECTION=(S:M,O:D,G:R,W:S)
    
      Entry     Jobname         Username                Status
      -----     -------         --------                ------
       1388     CHAPTER1.JOB    MARTIN                  Pending
    
    Generic batch queue CLUSTER_BATCH
      /GENERIC=(HMSCMS_BATCH,NODE22_BATCH) /OWNER=[SYSTEM]
      /PROTECTION=(S:M,O:D,G:R,W:S)
    
      Entry     Jobname         Username                Status
      -----     -------         --------                ------
        936     no privilege                            Pending
       .
       .
       .
    
    このSHOW QUEUEコマンドは,待ち状態のジョブを持つキューだけを表示しています。 /ALL修飾子で,待ち状態のジョブをすべての表示するようにしています。 エントリ936のジョブ情報は表示されていないことに注意してください。 自分と同じグループのすべてのジョブを表示するには,GROUP特権が必要です。 また,すべてのグループのすべてのジョブを表示するには,OPER特権が必要です。

  2. $ SHOW QUEUE/FULL ARMADA*
    
    Batch queue ARMADA_BATCH, idle, on ARMADA::
      /AUTO_START_ON=(ARMADA::) /BASE_PRIORITY=3 /JOB_LIMIT=3
      /OWNER=[SYSTEM] /PROTECTION=(S:M,O:D,G:R,W:S)
    
    Printer queue ARMADA$PRINT, stopped, on ARMADA::LPA0,
     mounted form DEFAULT
      /BASE_PRIORITY=4 /DEFAULT=(FEED,FORM=ELITE (stock=DEFAULT))
      /OWNER=[SYSTEM] /PROTECTION=(S:E,O:D,G:R,W:W)
    
      Entry  Jobname         Username     Blocks  Status
      -----  -------         --------     ------  ------
        605  SET             TELLER          140  Pending (queue stopped)
             Submitted 21-DEC-1998 16:14 /FORM=ELITE (stock=DEFAULT)
             /PRIORITY=200
             File: _$5$DUA1:[TELLER]SET.CLD;5
    
        606  CLOSE           TELLER          140  Pending (queue stopped)
             Submitted 21-DEC-1998 16:16 /FORM=DEFAULT /PRIORITY=200
             File: _$5$DUA1:[TELLER]CLOSE.TXT;2
    
    Printer queue ARMADA$PRINTER_1, idle, on ARMADA::TTA3,
     mounted form DEFAULT
      <Printer queue on node ARMADA for a LN03R printer>
      /BASE_PRIORITY=4 /DEFAULT=(FEED,FORM=DEFAULT) /LIBRARY=SMU$DEVCTL
      Lowercase /OWNER=[SYSTEM] /PROCESSOR=CPS$SMB
      /PROTECTION=(S:M,O:D,G:R,W:S) /SEPARATE=(FLAG)
    
    このSHOW QUEUEコマンドは, コマンドを発行したユーザの現在のすべてのジョブ・エントリに関する情報を表示します。 キューに関する完全な情報,それらのキュー内のジョブ, ジョブに関係するファイルについて表示されます。

  3. $ SHOW QUEUE/SUMMARY
    
    Batch queue HMSCMS_BATCH, available, on HMSCMS::
    
        Job summary:  1 executing,  5 holding
    
    Server queue NM$QUE01, available, on NODE22::, mounted form DEFAULT
    
        Job summary:  2 executing
    
    Generic server queue NM$QUEUE
    
        Job summary:  1 timed release
    
    Batch queue PIZZA_BATCH, idle, on PIZZA::
    
        Job summary:  queue is empty
    
    Batch queue NODE22_BATCH, available, on NODE22::
    
        Job summary:  1 executing,  1 timed release
    
    Printer queue ARMADA$PRINT, stopped, on ARMADA::LPA0, mounted
      form DEFAULT
    
        Job summary:  8 pending (565 blocks)
    
    Terminal queue ALLBQ, stopped, on KATYA::TTA2, mounted form DEFAULT
    
        Job summary:  2 pending (445 blocks)
       .
       .
       .
    
    このSHOW QUEUEコマンドは,すべてのキューと, そのキューに登録されているジョブの総数を表示します。

  4. $ SHOW QUEUE DOC$LN03
    
    Server queue DOC$LN03, stopped, on NEWTON::, mounted form DEFAULT
    
     Entry  Jobname   Username  Blocks  Status
     --  ---   ---  --  --
       436  DOCPLAN   HERSHEY        8  Retained until 11-JAN-1998 16:56
          %JBC-F-JOBABORT, job aborted during execution
            Completed  11-JAN-1998 15:56 on queue DOC$LN03
    
    この表示には,保持ジョブが終了した日時と,それを実行したキューが含まれています。 ジョブをキューに保持する条件を指定するためには,PRINT,SUBMIT, または SET ENTRYコマンドに /RETAIN修飾子を指定します。 この例では,ジョブの終了後1時間の間,ジョブを保持するように設定しています。 キューのジョブ保持ポリシーによって,16時56分にジョブがキューから削除されます (/RETAIN修飾子についての詳細は, PRINTSUBMIT,または SET ENTRYコマンドの説明を参照してください)。


SHOW QUEUE/CHARACTERISTICS

システム対して定義されたキュー属性情報を表示します。 属性は,バッチや出力キューのユーザ定義の属性(たとえば,インクの色など)です。

フォーマット

     SHOW QUEUE/CHARACTERISTICS

     [属性名] 

パラメータ

属性名

属性の名前を指定します。属性名パラメータには,ワイルドカード文字を使用できます。 属性名パラメータの省略時の値は,アスタリスク(*)です。したがって, 属性名が指定されなかった場合には,すべての属性に関する情報が表示されます。

属性名は,DEFINE/CHARACTERISTICコマンドで作成します。INITIALIZE /QUEUE, SET QUEUE, START/QUEUEの各コマンドに/CHARACTERISTICS修飾子を指定すると, 作成した属性名をキューに設定できます。また,PRINT,SUBMIT, SET ENTRY の各コマンドに /CHARACTERISTICS修飾子を指定すれば, 特定のジョブに対して設定することもできます。

説明

SHOW QUEUE/CHARACTERISTICSコマンドは, システムに定義された属性名および属性の数を表示します。 特定のキューに関連した属性を調べるには, SHOW QUEUEコマンドに /FULL修飾子を指定します。

修飾子

/OUTPUT[=ファイル指定]
/NOOUTPUT

コマンドの出力先を指定します。 省略時には,SYS$OUTPUT(通常は使用しているターミナル)へ出力されます。 ファイルへ出力するには,/OUTPUT修飾子を使用してファイルを指定してください。

ファイル指定にワイルドカード文字は使用できません。 部分的なファイル指定(たとえば,ディレクトリだけ)を指定した場合, SHOWという省略時のファイル名と, LISという省略時のファイル・タイプが使用されます。

/NOOUTPUT修飾子を指定した場合は,何も出力されません。

  1. $ SHOW QUEUE/CHARACTERISTICS
    Characteristic name                  Number
    -------------------                  ------
    BLUEINK                                   6
    BROWNINK                                 25
    COLOR_CHART                               1
    REDINK                                    0
    TEXMAC_JOB                                2
    
    このSHOW QUEUE/CHARACTERISTICコマンドは, システムで定義されたすべての属性を表示します。

  2. $ SHOW QUEUE/CHARACTERISTICS *INK
    Characteristic name                  Number
    -------------------                  ------
    BLUEINK                                   6
    BROWNINK                                 25
    REDINK                                    0
    
    この SHOW QUEUE/CHARACTERISTICコマンドは, 文字列INKで終わる属性名とその番号を表示します。


SHOW QUEUE/FORM

システムで定義されたフォームの情報を表示します。 フォームは,プリント・ジョブで使用する用紙のサイズとタイプ, およびテキストのレイアウトを定義します。

フォーマット

     SHOW QUEUE/FORM  [フォーム名] 

パラメータ

フォーム名

フォームの名前を指定します。ワイルドカード文字(*と%)を使用できます。 フォーム名パラメータの省略時の値はアスタリスク(*)で, システムのすべてのフォームについて表示されます。

説明

SHOW QUEUE/FORMコマンドは,システムに定義されたフォームの名前と数を表示します。 フォームの属性を表示するには,/FULL修飾子を使用します。

システムで使用できるフォームを調べるには,SHOW QUEUE/FORMコマンドを使用します。 1つまたは複数のキューで使用できるフォームを調べるには, SHOW QUEUEコマンドに /FULL修飾子を指定します。

フォーム名は,DEFINE/FORMコマンドで作成します。 プリント・ジョブ用に特定のフォームを指定するには, PRINTコマンドまたはSET ENTRYコマンドで/FORM修飾子を使用します。 フォームをキューに割り当てるには,INITIALIZE/QUEUE,SET QUEUE, または START/QUEUEコマンドを使用します。

修飾子

/BRIEF (省略時の設定)

システム上のフォームに関して,簡単な情報を表示します。 フォーム名,フォーム番号,簡単な説明が表示されます。

/FULL

システム上のフォームに関する,すべての情報を表示します。 情報には,用紙サイズとマージン設定が含まれます。

/OUTPUT[=ファイル指定]
/NOOUTPUT

コマンドの出力先を指定します。 省略時には,SYS$OUTPUT(通常は使用しているターミナル)へ出力されます。 ファイルへ出力するには,/OUTPUT修飾子を使用してファイルを指定してください。

ファイル指定にワイルドカード文字は使用することはできません。 部分的なファイル指定(たとえば,ディレクトリだけ)を指定した場合は, SHOWという省略時のファイル名と, LISという省略時のファイル・タイプが使用されます。

/NOOUTPUT修飾子を指定した場合は,何も出力されません。

  1. $ SHOW QUEUE/FORM DEFAULT
    Form name                         Number   Description
    ---------                         ------   -----------
    DEFAULT                                0   System-defined default
    
    このSHOW QUEUE/FORMコマンドは,省略時のフォームを表示します。

  2. $ SHOW QUEUE/FORM LN01*
    Form name                            Number   Description
    ---------                            ------   -----------
    LN01_LANDSCAPE (stock=DEFAULT)        105   132 by 66 (landscape)
    LN01_LANDSCAPE_INDENTED (stock=DEFAULT)
                                          107   132 by 65 (landscape)
    LN01_PORTRAIT (stock=DEFAULT)         106   80 by 60 (portrait)
    
    このSHOW QUEUE/FORMコマンドは,文字列LN01で始まるすべてのフォーム名を, ストックも含めて表示します。 フォーム名,フォームごとのストック,フォーム番号,フォームの概要が表示されます。

  3. $ SHOW QUEUE/FORM/FULL
    Form name                     Number   Description
    ---------                     ------   -----------
    132_51_STD (stock=DEFAULT)       102   132 by 51 (standard short)
        /LENGTH=51 /MARGIN=(BOTTOM=6)/STOCK=DEFAULT /TRUNCATE
        /WIDTH=132
    40_66_STD (stock=DEFAULT)        103   40 by 66 (standard labels)
        /LENGTH=66 /MARGIN=(BOTTOM=6)/STOCK=DEFAULT /WIDTH=40
    BLUE_PAPER_STOCK (stock=DIGITAL_8X11_STOCK1412TEA)
                                   22222 blue paper, DEC order# 22222
        /LENGTH=66 /MARGIN=(BOTTOM=6)/STOCK=DIGITAL_8X11_STOCK1412TEA
        /TRUNCATE  /WIDTH=80
    DEFAULT                            0   System-defined default
        /LENGTH=66 /MARGIN=(BOTTOM=6)/STOCK=DEFAULT /TRUNCATE
        /WIDTH=132
    LN01_LANDSCAPE (stock=DEFAULT)   105   132 by 66 (landscape)
        /LENGTH=66 /STOCK=DEFAULT /WIDTH=132
    LN01_LANDSCAPE_INDENTED (stock=DEFAULT)
                                     107   132 by 65 (landscape)
        /LENGTH=65 /SETUP=(LN01_TOP_MARGIN_150) /STOCK=DEFAULT
        /WIDTH=132
    LN01_PORTRAIT (stock=DEFAULT)    106   80 by 60 (portrait)
        /LENGTH=60 /SETUP=(LN01_PORTRAIT) /STOCK=DEFAULT /WIDTH=80
    
    MEMO (stock=DEFAULT)             110   LN03 indented memo format
        /LENGTH=64 /MARGIN=(TOP=2,LEFT=5) /STOCK=DEFAULT /TRUNCATE
        /WIDTH=80
    
    このSHOW QUEUE/FORMコマンドは, すべてのフォーム・タイプとストックの名前を表示します。 /FULL修飾子を指定しているので, 各フォーム・タイプのイメージ・サイズも表示されます。


SHOW QUEUE/MANAGERS

キューマネージャの情報を表示します。

フォーマット

     SHOW QUEUE/MANAGERS  [キュー・マネージャ名] 

パラメータ

キュー・マネージャ名

情報を表示したいキュー・マネージャの名前を指定します。 ワイルドカード文字(*と%)も使用できます。省略時の設定はアスタリスク(*)です。 したがって,キュー・マネージャを指定しないと, すべてのキュー・マネージャの情報が表示されます。

説明

SHOW QUEUE/MANAGERSコマンドは, システムまたはOpenVMS Cluster上のキュー・マネージャに関する情報を表示します。 コマンドは,省略時の設定として/BRIEF修飾子を仮定し, キュー・マネージャごとに名前,状態, およびプロセス・ノード名を含む1行の説明を表示します。 /FULL修飾子は,次の情報を表示します。

キュー・マネージャ・プロセスが動作していない場合, そのキュー・マネージャに対して現在の記憶位置ノード名は表示されません。

キュー・マネージャの状態は,次のいずれかです。

状態 説明
Start pending キュー・マネージャ・プロセスは起動しているが, 実行できるノードがクラスタに入るのを待機中。
Starting START/QUEUE/MANAGERコマンド, またはクラスタ内の他のノードからのフェールオーバの結果,起動中。
Running 実行中。
Failing over クラスタ内の別のノードへフェールオーバ中。
Stopping 停止中。
Stopped 停止中。START/QUEUE/MANAGERコマンドを実行するまで起動しない。

修飾子

/BRIEF

システムまたはクラスタ内のキュー・マネージャに関する情報を, 1行の簡略形式で表示します。 キュー・マネージャ名,状態,実行するノードが含まれます。 省略時の設定は /BRIEFです。

/FULL

システムまたはクラスタ内のキュー・マネージャに関する全情報を表示します。 /FULL修飾子は,/BRIEF修飾子に優先します。

  1. $ SHOW QUEUE/MANAGERS/FULL
    
    Master file:  SYS$COMMON:[SYSEXE]QMAN$MASTER.DAT;
    
    Queue manager BATCHQ_MANAGER, running, on BBBBBB::
      /ON=(BBBBBB, AAAAAA, CCCCCC, EEEEEE, *)
      Database location:  DISK1:[QUEUES]
    
    Queue manager PRINTQ_MANAGER, starting, on AAAAAA::
      /ON=(AAAAAA, BBBBBB, CCCCCC, EEEEEE, *)
      Database location:  DISK2:[QUEUES]
    
    Queue manager SYS$QUEUE_MANAGER, running, on FFFFFF::
      /ON=(FFFFFF, EEEEEE, CCCCCC, BBBBBB, AAAAAA, *)
      Database location:  DISK1:[QUEUES]
    
    Queue manager TRANSFER_MANAGER, stopped
      /ON=(AAAAAA, BBBBBB, EEEEEE)
      Database location:  DISK1:[TRANSFER]
    
    このSHOW QUEUE/MANAGERS/FULLコマンドは, システムまたはクラスタ内のすべてのキュー・マネージャの全情報を表示します。

  2. $ SHOW QUEUE/MANAGERS
    
    Queue manager BATCHQ_MANAGER, running, on BBBBBB::
    
    Queue manager PRINTQ_MANAGER, starting, on AAAAAA::
    
    Queue manager SYS$QUEUE_MANAGER, running, on FFFFFF::
    
    Queue manager TRANSFER_MANAGER, stopped
    
    このSHOW QUEUE/MANAGERSコマンドは,キュー・マネージャの情報を簡略表示します。 /BRIEFは省略時の設定なので,指定されていません。

  3. $ SHOW QUEUE/MANAGERS/FULL SYS$QUEUE_MANAGER
    
    Master file:  SYS$COMMON:[SYSEXE]QMAN$MASTER.DAT;
    
    Queue manager SYS$QUEUE_MANAGER, running, on FFFFFF::
      /ON=(FFFFFF, EEEEEE, CCCCCC, BBBBBB, AAAAAA, *)
      Database location:  DISK1:[QUEUES]
    
    このSHOW QUEUE/MANAGERS/FULL SYS$QUEUE_MANAGERコマンドは, 指定したキュー・マネージャに関する情報を表示しています。


SHOW QUOTA

特定のディスク上で特定のユーザに対して使用が許可されている, 現在のディスク・クォータを表示します。 このコマンドが表示する情報には,使用可能な領域のサイズと, 許可されている超過量も含まれます。

他のユーザのクォータを表示するには, クォータ・ファイルに対する読み込み(R)アクセス権が必要です。

フォーマット

     SHOW QUOTA 

説明

SHOW QUOTAコマンドは, 特定のディスク上で特定のユーザに対するディスク・クォータを表示します。 使用済みクォータ,許可クォータ,使用可能クォータが,ブロック数で表示されます。 許可されている超過値も表示されます。

修飾子

/DISK[=装置名[:]]

クォータ値を表示するディスクを指定します。省略時の設定では, 現在の省略時のディスク(論理名SYS$DISK)についての情報が表示されます。

/USER=uic または識別子

どのユーザのクォータを表示するか指定します。 省略時の設定では,現在のユーザに対するクォータが表示されます。

  1. $ SHOW QUOTA
    User [360,010] has 2780 blocks used, 7220 available,
    of 10000 authorized and permitted overdraft of 500 blocks on DISK$
    
    このSHOW QUOTAコマンドは,現在のユーザに対して,現在の省略時のディスク上での, 使用可能なディスク領域のサイズ,使用済みのディスク領域のサイズ, 未使用のディスク領域のサイズを表示します。 この例では,許可されている超過量は500ブロックです。

  2. $ SHOW QUOTA /USER=[360,007]/DISK=XXX1:
    %SYSTEM-F-NODISKQUOTA, no disk quota entry for this UIC
    
    このSHOW QUOTAコマンドは, [360,007]というUICを持つユーザに対しては, XXX1という装置にはディスク・クォータが割り当てられていないことを示しています。

  3. $ SHOW QUOTA /USER=[360,111]
    User [360,111] has 27305 blocks used, 2305 OVERDRAWN,
    of 25000 authorized and permitted overdraft of 4000 blocks on DISK$
    
    このSHOW QUOTAコマンドは,クォータを超過したユーザを示しています。


SHOW RMS_DEFAULT

マルチブロック数,マルチバッファ数,ネットワーク転送サイズ, プロローグ・レベル,拡張サイズの,現在の省略時の値を表示します。

フォーマット

     SHOW RMS_DEFAULT 

説明

SHOW RMS_DEFAULTコマンドは,省略時のマルチバッファ数,マルチブロック数, ネットワーク・ブロック数,プロローグ・レベルおよび拡張サイズなど, OpenVMSレコード管理サービス(RMS)がファイル操作に使用する情報を表示します。 これらの値は,現在のプロセス・レベルとシステム・レベルの両方で提供されます。

SHOW RMS_DEFAULTコマンドは,順編成ファイルの3つのクラス (ディスク,磁気テープ,ユニット・レコード)の値を含め, ファイル・タイプごとのマルチバッファ数値をリストします。

修飾子

/OUTPUT[=ファイル指定]
/NOOUTPUT

コマンドの出力先を指定します。省略時の設定はSYS$OUTPUTです。 ファイル指定にワイルドカード文字は使用できません。 /OUTPUT修飾子に,部分的なファイル指定(たとえば,ディレクトリだけ) を指定した場合は,SHOWという省略時のファイル名と, LISという省略時のファイル・タイプが使用されます。

/NOOUTPUT修飾子を指定した場合は,何も出力されません。

  1. $ SHOW RMS_DEFAULT
            MULTI- |               MULTIBUFFER COUNTS            | NETWORK
            BLOCK  | Indexed Relative         Sequential         | BLOCK
            COUNT  |                  Disk  Magtape  Unit Record | COUNT
    Process   0    |    0        0      0      0         0       |   0
    System   16    |    0        0      0      0         0       |   8
    
             Prolog    Extend Quantity
    Process    0              0
    System     0              0
    
    このSHOW RMS_DEFAULTコマンドは,システム・マルチブロック数が16であり, ネットワーク・ブロック数が8であることを示しています。 これらの値は典型的な値です。


SHOW SECURITY

保護オブジェクトの名前,クラス,およびプロファイルを表示します。

フォーマット

     SHOW SECURITY  オブジェクト名 

パラメータ

オブジェクト名

機密保護プロファイルを表示したいオブジェクトを指定します。 オブジェクト・クラスがSECURITY_CLASSの場合は, 全機密保護クラス・オブジェクトが表示されます。 (明示的/暗黙指定に関わらず)オブジェクト・クラスがFILEの場合は, ワイルドカード文字が使用できます。 ただし,この他(FILEまたはSECURITY_CLASS以外)のクラスでは, ワイルドカード文字は使用できません。

説明

SHOW SECURITYコマンドは,保護オブジェクトの名前,クラス, およびプロファイルを表示します。 プロファイルには,アクセス制御リスト(ACL),保護コード, および保護オブジェクトの所有者が含まれます。 SECURITY_CLASSオブジェクトの場合,SHOW SECURITYは, 新しいオブジェクトのプロファイルの基礎になるすべてのテンプレート・プロファイルを表示します。

/CLASS修飾子は,オブジェクト名がメンバーとして属するクラスを指定します。 クラスがDEVICEであり,オブジェクトが(ボリュームが外部ボリュームでなく) Files-11としてマウントされているディスク装置である場合, 装置プロファイルおよびボリューム・プロファイルの両方が表示されます。

/CLASS以外のすべての修飾子は,ファイルだけに適用されます。

保護オブジェクトについての詳細は, 『OpenVMS Guide to System Security』を参照してください。

修飾子

/BACKUP

/BEFORE修飾子または/SINCE修飾子で指定された時刻値を変更します。 /BACKUP修飾子は,最新のバックアップ日をもとにファイルを選択します。 省略時の設定では,SHOW SECURITYコマンドは, ファイルの作成日によってファイルを選択します。

/BEFORE[=時刻]

指定した時刻以前の日付けのファイルだけを選択します。 時刻には絶対時刻,または絶対時刻とデルタ時間の組み合わせを指定できます。 またBOOT,LOGIN,TODAY (省略時の設定),TOMORROW, YESTERDAYというキーワードのいずれか1つを指定することもできます。 ファイル選択の基準として使用する時刻の属性は,/BEFORE修飾子とともに /CREATED, または /MODIFIED修飾子を指定します。/CREATED修飾子が省略時の設定です。

時刻指定についての詳細は,『OpenVMSユーザーズ・マニュアル』 またはオンライン・ヘルプの DCL_Tips トピック (Date_Time サブトピック) を参照してください。

/BY_OWNER[=uic]

ファイル所有者の利用者識別コード(UIC)が, 指定した所有者UICと一致する場合にだけ,そのファイルを選択します。 UICを指定しない場合には,現在のプロセスのUICが省略時の値として使用されます。

UICは,『OpenVMS Guide to System Security』に説明されている, 標準的なUIC形式を使用して指定します。

/CLASS=クラス

プロファイルを表示するオブジェクトのクラスを指定します。 省略時の設定はFILEクラスです。指定可能なクラスのキーワードを次に示します。

CAPABILITY
COMMON_EVENT_CLUSTER
DEVICE
FILE
GROUP_GLOBAL_SECTION
ICC_ASSOCIATION
LOGICAL_NAME_TABLE
QUEUE
RESOURCE_DOMAIN
SECURITY_CLASS
SYSTEM_GLOBAL_SECTION
VOLUME

/CREATED

/BEFORE修飾子または/SINCE修飾子で指定された時刻値を変更します。 /CREATED修飾子は,作成日をもとにファイルを選択します。 省略時の設定では,SHOW SECURITYコマンドは, ファイルの作成日によってファイルを選択します。

/EXCLUDE=(ファイル指定[,...])

指定したファイルを,SHOW SECURITY操作の対象から除外します。 ディレクトリは指定できますが,装置は指定できません。 また,特定のバージョンを指定するために, 相対バージョン番号も指定することはできません。

/EXPIRED

/BEFORE修飾子または/SINCE修飾子で指定された時刻値を変更します。 /EXPIRED修飾子は,満了日をもとにファイルを選択します (満了日は,SET FILE/EXPIRATION_DATEコマンドで設定されます)。 省略時の設定では,ファイルの作成日によってファイルが選択されます。

/MODIFIED

/BEFORE修飾子または/SINCE修飾子で指定された時刻値を変更します。 /MODIFIED修飾子は,最後に変更された日付をもとにファイルを選択します。 省略時の設定では,ファイルの作成日によってファイルが選択されます。

/SINCE[=時刻]

指定した時刻以後の日付のファイルを選択します。 時刻には,絶対時刻,または絶対時刻とデルタ時間の組み合わせを指定できます。 またBOOT,LOGIN,TODAY (省略時の設定),TOMORROW, YESTERDAYというキーワードのいずれか1つを指定することもできます。 ファイル選択の基準として使用する時刻の属性は,/SINCE修飾子とともに /CREATED,または /MODIFIED修飾子で指定します。 /CREATED修飾子は省略時の設定です。

時刻指定についての詳細は,『OpenVMSユーザーズ・マニュアル』 またはオンライン・ヘルプの DCL_Tips トピック (Date_Time サブトピック) を参照してください。

  1. $  SHOW SECURITY LNM$SYSTEM_TABLE /CLASS=LOGICAL_NAME_TABLE
    
    LNM$SYSTEM_TABLE object of class LOGICAL_NAME_TABLE
    
         Owner: [SYSTEM]
         Protection: (System: RWC, Owner: RWC, Group: R, World: R)
         Access Control List:
              (IDENTIFIER=[USER,SVENSEN],ACCESS=CONTROL)
    
    この例は,オブジェクトの機密エレメントを表示する典型的な例です。 論理名テーブル(LNM$SYSTEM_TABLE)が,機密エレメント所有者,保護コード, ACLとともに表示されています。

  2. $ SHOW SECURITY/CLASS=DEVICE $99$DUA22
    
    _$99$DUA22: object of class DEVICE
      Owner: [SALES,TSUTTER]
      Protection: (System: RWPL, Owner: RWPL, Group: R, World)
      Access Control List: <empty>
    
    RES17SEP object of class VOLUME
      Owner: [FEAST,FY93]
      Protection: (System: RWCD, Owner: RWCD, Group: RWCD, World: RWCD)
      Access Control List: <empty>
    
    $ SHOW DEVICE $99$DUA22
    
    Device              Device    Error    Volume      Free  Trans Mnt
     Name               Status    Count     Label     Blocks Count Cnt
    $99$DUA22:  (KUDOS) Mounted       0  RES17SEP     649904     1   2
    
    この例は,ディスクの機密プロファイルを表示しています。 ディスク$99$DUA22の情報とともに, マウントされているボリュームRES127SEPの情報も表示されています。 次の SHOW DEVICEコマンドでボリュームがマウントされていることを確認しています。

  3. $  SHOW SECURITY LOGICAL_NAME_TABLE /CLASS=SECURITY_CLASS
    
    LOGICAL_NAME_TABLE object of class SECURITY_CLASS
    
         Owner: [SYSTEM]
         Protection: (System: RWCD, Owner: RWCD, Group: R, World: R)
         Access Control List: <empty>
    
      Template: GROUP
    
         Owner: [SYSTEM]
         Protection: (System: RWCD, Owner: R, Group: R, World: R)
         Access Control List: <empty>
    
      Template: JOB
    
         Owner: [SYSTEM]
         Protection: (System: RWCD, Owner: RWCD, Group, World)
         Access Control List: <empty>
    
      Template: DEFAULT
    
         Owner: [SYSTEM]
         Protection: (System: RW, Owner: RW, Group: R, World: R)
         Access Control List: <empty>
    
    この例は,機密クラス・オブジェクトの特殊な例を示しています。 機密クラス・オブジェクトLOGICAL_NAME_TABLE が機密プロファイルとともに表示され, さらに3つのテンプレートが表示されています。

  4. $  SHOW SECURITY * /CLASS=SECURITY_CLASS
    
    SECURITY_CLASS object of class SECURITY_CLASS
         Owner: [SYSTEM]
         Protection: (System: RWCD, Owner: RWCD, Group: R, World: R)
         Access Control List:  <empty>
    
    LOGICAL_NAME_TABLE object of class SECURITY_CLASS
         Owner: [SYSTEM]
         Protection: (System: RWCD, Owner: RWCD, Group: R, World: R)
         Access Control List:  <empty>
    
                   .
                   .
                   .
    
    この例は,現在登録されているすべての機密クラスを表示しています。 アスタリスク(*)が使用されているので,他のワイルドカード文字は使用できません。 機密クラスの機密プロファイルが表示されています。 ただし,テンプレートは表示されません。


SHOW STATUS

プロセスの現在の状態を表示します。

フォーマット

     SHOW STATUS 

説明

SHOW STATUSコマンドは,現在のプロセスが実行中かどうか確認します。 SHOW STATUSの情報により,プロセスにCPU時間が異常にかかっていないか, オープンしているファイルが多すぎないか, ページ・フォルトが多すぎないかもわかります。次の情報が表示されます。

SHOW STATUSで表示される情報は,Ctrl/T機能で表示される情報と似ています (詳細はSET CONTROLコマンドを参照してください)。

  1. $ SHOW STATUS
    Status on 14-DEC-1998 12:56:48.68    Elapsed CPU :   0 00:00:55.02
    Buff. I/O :    5117    Cur. ws. :    300        Open files :     1
    Dir. I/O :      458    Phys. Mem. :  162        Page Faults : 8323
    
    このSHOW STATUSコマンドは,現在のプロセス状態を表示しています。


SHOW SYMBOL

指定されたシンボルの値を表示します。

フォーマット

     SHOW SYMBOL  [シンボル名] 

パラメータ

シンボル名

値を表示するシンボルの名前を指定します。 /ALL修飾子を指定する場合には,シンボル名は指定できません。 ワイルドカード文字(*と%)を使用できます。

説明

SHOW SYMBOLコマンドは,いくつかのシンボル・テーブルで, 指定したシンボル名を検索します。 まず,現在のコマンド・レベルのローカル・シンボル・テーブルが検索されます。 次に,先行するコマンド・レベルのローカル・シンボル・テーブルが検索されます。 最後に,グローバル・シンボル・テーブルが検索されます。 SHOW SYMBOLコマンドは,最初に一致したシンボル名を表示します。

/LOCALおよび/GLOBAL修飾子は,検索順序を上書きします。

修飾子

/ALL

(/LOCALまたは/GLOBAL修飾子により)指定されたシンボル・テーブルの, すべてのシンボルの現在の値を表示します。 /ALL修飾子を指定し,/LOCAL修飾子も/GLOBAL修飾子も指定しない場合には, SHOW SYMBOLコマンドは, 現在のコマンド・レベルにおけるローカル・シンボル・テーブルの内容を表示します。

/GLOBAL

指定されたシンボル名を, グローバル・シンボル・テーブルだけから検索することを指定します。 /ALL修飾子と/GLOBAL修飾子の両方を指定した場合には, グローバル・シンボル・テーブルのすべての内容が表示されます。

/LOCAL

指定されたシンボル名を, 現在のコマンド・レベルにおけるローカル・シンボル・テーブルだけから検索することを指定します。 /ALL修飾子と/LOCAL修飾子の両方を指定した場合には, 現在のコマンド・レベルにおける, ローカル・シンボル・テーブルのすべての内容が表示されます。

/LOG (省略時の設定)
/NOLOG

シンボル値が切り捨てられた場合に,情報メッセージを表示するかどうかを指定します。 値が255文字を越える場合には,255文字に切り捨てられます。

  1. $ SHOW SYMBOL PURGE
      PURGE = "PURGE/KEEP=2"
    
    この例では,PURGEというシンボル名の現在の値を表示しています。 コマンド・インタプリタは, まず現在のコマンド・レベルのローカル・シンボル・テーブルを検索し, 次にその前のコマンド・レベルのローカル・シンボル・テーブルを検索し, そして最後にグローバル・シンボル・テーブルを検索します。等号記号(=)1つは, このPURGEというシンボル名がローカル・シンボルであることを示しています。

  2. $ SHOW SYMBOL/GLOBAL/ALL
      TIME == "SHOW TIME"
      LOG == "@LOG"
      $RESTART == "FALSE"
      $SEVERITY == "1"
      $STATUS == "%X00000001"
    
    この例では,グローバル・シンボル・テーブルに定義されている, すべてのシンボルを表示します。 システムが管理している$RESTART,$STATUS,$SEVERITYというシンボルも表示されます。

  3. $ SHOW SYMBOL/LOCAL TIME
    %DCL-W-UNDSYM, undefined symbol
    
    この例では,ローカル・シンボル・テーブルからTIMEというシンボルを検索しています。 応答は,TIMEに値が与えられていないことを示しています。


SHOW SYSTEM

現在のプロセスの情報を表示します。

フォーマット

     SHOW SYSTEM 

説明

SHOW SYSTEMコマンドは,システムのプロセスについて次の情報を表示します。 時刻
プロセスの名前とID
処理状態
優先順位
プロセス入出力(I/O)総数
累積プロセッサ使用時間
累積ページ・フォルト数
物理メモリ使用量
プロセスのタイプ

マシンがマルチプロセッサかどうかも,チェックされます。 次の条件を満たす場合は,マシンはマルチプロセッサと見なされます。

マシンがマルチプロセッサである場合, SHOW SYSTEMコマンドにはマルチプロセッシング環境に関する情報が含まれます。 各プロセスの現在の実行状態(CURシンボルで示される)から, どのプロセッサで実行中かがわかります。 これは,CURシンボルの横の数値で示されます。

SHOW SYSTEMコマンドは,システムの処理を停止させずに, システム上のプロセスをチェックします。 つまり,SHOW SYSTEMコマンドが表示するデータを収集する間に, プロセス情報が変化することがあります。 その結果,SHOW SYSTEMコマンドの表示は一貫性が欠けることがあります。 たとえば,同じCPUでCUR状態をスケジューリングする 2つのプロセスが表示されることがあります。

修飾子

/BATCH (省略時の設定)
/NOBATCH

ローカル・システムに存在するバッチ・ジョブを表示します。 /CLUSTER修飾子と同時に指定された場合は, OpenVMS Cluster内のすべてのバッチ・ジョブを表示します。 /NOBATCH修飾子を指定すると,すべてのバッチ・ジョブが表示から除外されます。

/CLUSTER

OpenVMS Cluster内のノード上の,すべての指定されたプロセスを表示します。

/EXACT

/PAGE=SAVEおよび/SEARCH修飾子とともに使用し, 大文字と小文字を区別した文字列検索を指定します。 この場合,検索文字列は二重引用付で囲まなければなりません。

/SEARCH修飾子を指定せずに/EXACT修飾子を指定した場合, "Findキー"(E1)を押すと文字列検索が有効になります。

/FULL

省略時の情報の他に,利用者識別コード(UIC),プロセッサ・タイプ, およびプロセスのサイズを表示します。UICは,プロセス名の下に表示されます。

/HEADING
/NOHEADING

システムの出力の上に見出しを表示します。 /NOHEADING修飾子を指定した場合は,見出しは表示から除外されます。

/HIGHLIGHT[=キーワード]

/PAGE=SAVEおよび/SEARCH修飾子とともに使用し, 一致した検索文字列の強調表示方法を指定します。 一致した検索文字列があった場合は,行全体が強調されます。 キーワードには,BOLD, BLINK, REVERSE,およびUNDERLINEを指定できます。 省略時の設定はBOLDです。

/IDENT=pid

指定したプロセス識別番号(PID)を持つ,システム上のすべてのプロセスを表示します。

/INTERACTIVE
/NOINTERACTIVE

すべての会話型プロセスを表示します。/NOINTERACTIVE修飾子を指定した場合は, すべての会話型プロセスが表示から除外されます。

/MULTITHREAD

ローカル・システムのマルチスレッド・プロセスを表示します。 /FULL 修飾子とともに使用した場合, /MULTITHREAD修飾子はマルチスレッド・プロセス内の各カーネル・スレッドの情報を表示します。

カーネル・スレッドについての詳細は, 『OpenVMS Programming Concepts Manual』を参照してください。

/NETWORK
/NONETWORK

すべてのネットワーク・プロセスを表示します。/NONETWORK修飾子を指定した場合は, すべてのネットワーク・プロセスが表示から除外されます。

/NODE[=(ノード名,...)]

指定ノード上の全プロセスを表示します。 /NODE修飾子にノード名を指定しなかった場合は, OpenVMS Clusterのローカル・ノード上の全プロセスを表示します。

/OUTPUT[=ファイル指定]
/NOOUTPUT

コマンドの出力先を指定します。 省略時には,SYS$OUTPUT(通常は使用しているターミナル)へ出力されます。 ファイルへ出力するには,/OUTPUT修飾子を指定してファイルを指定してください。

ファイル指定にワイルドカード文字は使用できません。 部分的なファイル指定(たとえば,ディレクトリだけ)を指定した場合, SHOWという省略時のファイル名と, LISという省略時のファイル・タイプが使用されます。

/NOOUTPUT修飾子を指定した場合は,何も出力されません。

/OWNER_UIC=uic

指定した利用者識別コード(UIC)持つ,システム上のすべてのプロセスを表示します。

/PAGE[=キーワード]
/NOPAGE (省略時の設定)

コマンド出力の画面表示をページャを介して行います。

次のキーワードを指定できます。

CLEAR_SCREEN ページモードで表示(毎回画面を消去する)
SCROLL スクロールモードで表示(毎回画面を消去しない)
SAVE[=n] nページ分の履歴を保持する(前ページに戻ること等が可能)

/PAGE=SAVE修飾子を指定すると最大5画面(最大255カラムまで)分の履歴を保存できます。 ページャ内では以下のキーを使って画面の移動などができます。

キー・シーケンス 説明
Up arrow key, Ctrl/B 1行スクロールアップ
Down arrow key 1行スクロールダウン
Left arrow key 1カラム左シフト
Right arrow key 1カラム右シフト
Find (E1) 文字列検索を起動
Insert Here (E2) 半画面右シフト
Remove (E3) 半画面左シフト
Select (E4) 80/132カラム切替え
Prev Screen (E5) 前ページに移動
Next Screen (E6), Return, Enter, Space 次ページに移動
F10, Ctrl/Z 終了(ユーティリティによっては異なる)
Help (F15) ヘルプ・テキストを表示
Do (F16) 最新(現在)画面と(履歴内で)最古画面の切り替え
Ctrl/W 再表示

/PAGE修飾子は/OUTPUT修飾子とは同時に使用できません。

/PROCESS[=プロセス名] (省略時の設定)
/NOPROCESS

システム上のすべての指定されたプロセスを表示します。 /PROCESS修飾子でプロセス名を指定しなかった場合は, すべてのプロセスが表示されます。

/CLUSTER修飾子とともに/NOPROCESS修飾子を使用した場合は, クラスタ上で使用可能な1つあるいは複数のノードが, それぞれの稼動時間とオペレーティング・システムのバージョンとともに表示されます。

プロセス名の中に,ワイルドカード文字のアスタリスク(*)およびパーセント記号(%) を使用することができます。

/SEARCH="検索文字列"

/PAGE=SAVE修飾子とともに使用し,表示される情報内で検索したい文字列を指定します。 文字列にスペース文字等を入れたい場合は, 検索文字列は二重引用付で囲まなければなりません。

情報が表示されている時にFind(E1)キーを押すと, 検索文字列を動的に変更することができます。この場合は,引用付は必要ありません。

/STATE=プロセス状態

指定したプロセス状態のすべてのプロセスを表示します。 プロセス状態名の中に,アスタリスク(*) およびパーセント記号(%)ワイルドカード文字を使用することができます。 次のプロセス状態名が使用できます。

CEF (Common event flag wait) COLPG (Collided page wait)
COM (Computable) COMO (Computable but outswapped)
CUR (Current) FPG (Free pagewait)
HIB (Hibernating) HIBO (Hibernating and outswapped)
LEF (Local event flag wait) LEFO (Local event flag wait and outswapped)
MUTEX [1] (Miscellaneous wait) PFW (Page fault wait)
PSXFR (POSIX fork wait) RWAST (AST wait)
RWBRK (Waiting for BROADCAST to finish) RWCAP (CPU capability required)
RWCLU (Cluster transition wait) RWCSV (Cluster server)
RWIMG (Image activation lock) RWLCK (Lock ID database)
RWMBX (Mailbox full) RWMPB (Modified page writer busy)
RWMPE (Modified page list empty) RWNPG (Nonpaged pool)
RWPAG (Paged pool) RWPFF (Page file full)
RWQUO (Pooled quota) RWSCS (SCS wait)
RWSWP (Swapfile spacelist empty) SUSP (Suspended)
SUSPO (Suspended and outswapped)  
[1] RW*が出力されない場合は,MUTEXが出力されます。

/SUBPROCESS
/NOSUBPROCESS

システム上のすべてのサブプロセスを表示します。 /NOSUBPROCESS修飾子を使用した場合は, すべてのサブプロセスが表示から除外されます。

/WRAP
/NOWRAP (省略時の設定)

/PAGE=SAVE修飾子とともに使用し, 画面の幅を越える行をラップするかどうかを指定します。 /WRAP修飾子を指定した場合,はみ出す部分は次行に表示されます。

/NOWRAP修飾子を指定した場合, はみ出した部分は左右にスクロールしながら見ることができます。

  1. $ SHOW SYSTEM
    OpenVMS V7.2 on node KRYPTN 14-DEC-1998 17:45:47:78 Uptime 2 21:53:59
      Pid    Process Name State  Pri    I/O       CPU   Page flts Pages
    27400201 SWAPPER        HIB   16      0  0 00:29:52.05     0    0
    27401E03 DOCBUILD       LEF    4  37530  0 00:05:47.62 96421  601
    27402604 BATCH_789      LEF    4   3106  0 00:00:48.67  4909 2636 B
    27401C05 BATCH_60       LEF    6    248  0 00:00:06.83  1439 1556 B
    27400207 ERRFMT         HIB    8   6332  0 00:00:41.83    89  229
    27400208 CACHE_SERVER   HIB   16   2235  0 00:00:05.85    67  202
    27400209 CLUSTER_SERVER HIB    8   4625  0 00:22:13.28   157  448
    2740020C JOB_CONTROL    HIB   10 270920  0 01:07:47.88  5163 1384
    2740020D CONFIGURE      HIB    9    125  0 00:00:00.53   104  264
      .
      .
      .
    27400E8D Sir Lancelot   LEF    5    226  0 00:00:07.87  4560  697
    2740049A Guenevere      LEF    4    160  0 00:00:02.69   534  477
    27401EA0 BATCH_523      CUR 4  4  17470  0 03:25:49.67  8128 5616 B
    274026AF GAWAIN         CUR 6  4  14045  0 00:02:03.24 20032  397
    274016D5 GAHERIS        LEF    6    427  0 00:00:09.28  5275 1384
    27401ED6 knight_1       HIB    5    935  0 00:00:10.17  3029 2204 S
    274012D7 BATCH_689      LEF    4  49216  0 00:14:18.36  7021 3470 B
    274032D9 DECW$MAIL      LEF    4   2626  0 00:00:51.19  4328 3087 B
    274018E3 SERVER_0021    LEF    6    519  0 00:00:07.07  1500  389 N
    274016E8 NMAIL_0008     HIB    4  10955  0 00:00:55.73  5652  151
    274034EA MORDRED        LEF    4   2132  0 00:00:23.85  5318  452
    274022EB S. Whiplash    CUR 6  4    492  0 00:00:12.15  5181  459
    274018EF DwMail         LEF    5 121386  0 00:28:00.97  7233 4094
    27401AF0 EMACS$RTA43    LEF    4  14727  0 00:03:56.54  8411 4224 S
    27400CF4 TRISTRAM       HIB    5  25104  0 00:06:07.76 37407 1923
    274020F5 Morgan         LEF    7  14726  0 00:02:10.74 34262 1669
    27400CF6 mr. mike       LEF    9  40637  0 00:05:15.63 18454  463
    
    この例では,システム内の全プロセスを表示しています。

    ここで表示されている情報は,以下を含んでいます。

  2. $ SHOW SYSTEM /CLUSTER
    OpenVMS V7.2 on node ALPES 14-DEC-1998 09:09:58.61 Uptime 2 2:27:11
    Pid       Process Name   State  Pri I/O       CPU   Page flts Pages
    31E00041  SWAPPER        HIB    16    0  0 00:00:02.42      0     0
    31E00047  CACHE_SERVER   HIB    16   58  0 00:00:00.26     80    36
    31E00048  CLUSTER_SERVER CUR     9  156  0 00:00:58.15   1168    90
    31E00049  OPCOM          HIB     7 8007  0 00:00:33.46   5506   305
    31E0004A  AUDIT_SERVER   HIB     9  651  0 00:00:21.17   2267    22
    31E0004B  JOB_CONTROL    HIB    10 1030  0 00:00:11.02    795   202
       .
       .
       .
    
    この例のSHOW SYSTEMコマンドは,Alphaシステムから発行され, クラスタの全ノード内の全プロセスを表示しています。

  3. $ SHOW SYSTEM /NODE=EON
    OpenVMS V7.2 on node EON 14-DEC-1998 09:19:15.33  Uptime 2 02:29:07
    Pid       Process Name   State  Pri I/O      CPU    Page flts Pages
    36200041  SWAPPER        HIB    16    0  0 00:00:12.03      0    0
    36200046  ERRFMT         HIB     8  263  0 00:00:05.89    152   87
    36200047  CACHE_SERVER   CUR    16    9  0 00:00:00.26     80   51
    36200048  CLUSTER_SERVER CUR     8   94  0 00:00:30.07    340   68
    36200049  OPCOM          HIB     6 2188  0 00:02:01.04   1999  177
    3620004A  AUDIT_SERVER   HIB    10  346  0 00:00:10.42   1707   72
       .
       .
       .
    
    この例のSHOW SYSTEMコマンドはVAXシステムから発行され, ノードEON上の全プロセスを表示しています。

  4. $ SHOW SYSTEM/NOPROCESS/CLUSTER/FULL
    OpenVMS V7.2 on node AAAAAA MAY 12, 1998 10:29 AM Uptime 3 16:37:39
            DEC 3000 Model 500
    
    OpenVMS V7.0 on node BBBBBB MAY 12, 1998 10:29 AM Uptime 3 12:42:56
            DEC 4000 Model 610
    
    OpenVMS V6.2 on node CCCCCC MAY 12, 1998 10:29 AM Uptime 3 16:26:52
            MicroVAX 3400 Series
    
    OpenVMS V7.1 on node DDDDDD MAY 12, 1998 10:29 AM Uptime 3 16:41:35
            DEC 4000 Model 610
    
    OpenVMS V7.2 on node EEEEEE MAY 12, 1998 10:29 AM Uptime 3 16:26:10
            VAXstation 3100/GPX
    
    この例では,クラスタ上で使用可能なノードの個々の稼動時間, およびオペレーティング・システムのバージョンのみを表示しています。 これは,/NOPROCESS修飾子がプロセスの表示を禁止するからです。 また,/FULL修飾子は,システムが動作しているハードウェアのタイプも表示します。

  5. $ SHOW SYSTEM/PROCESS=S*
    OpenVMS V7.2 on node AAAAAA MAY 12, 1998 10:30 AM Uptime 3 12:43:55
      Pid    Process Name  State   Pri  I/O      CPU    Page flts Pages
    20C00101 SWAPPER         HIB    16    0  0 00:00:00.05      0     0
    20C0010E SHADOW_SERVER   HIB     6    7  0 00:00:00.03     32     4
    20C0010F SECURITY_SERVER HIB    10   35  0 00:00:02.16    292   323
    20C00110 SMISERVER       HIB     9   67  0 00:00:00.20    152   131
    20C0011A SMITH           CUR 0   4   63  0 00:00:00.29    538    55
    
    この例は,文字Sで始まるプロセスのみを表示しています。

  6. $ SHOW SYSTEM/NOHEADING/OUTPUT=SYSPROC.DAT
    20C00101 SWAPPER         HIB    16    0  0 00:00:00.05      0     0
    20C00105 CONFIGURE       HIB    10   24  0 00:02:00.86     41    21
    20C00107 IPCACP          HIB    10    9  0 00:00:00.04     33    43
    20C00108 ERRFMT          HIB     7 3583  0 00:00:04.31     50    61
    20C00109 CACHE_SERVER    HIB    16    3  0 00:00:00.02     27    35
    20C0010A CLUSTER_SERVER  HIB    10   11  0 00:00:00.10     59    75
    
    この例は,/OUTPUT修飾子を用いてヘッダ情報を表示せずに, システム・プロセスの表示情報をSYSPROC.DATファイルに書き込んでいます。 このようにして,/NOHEADING修飾子がヘッダ情報の表示を禁止するため, 処理のためにデータ・ファイルを作成することができます。

  7. $ SHOW SYSTEM/IDENT=20C0010D/FULL
    OpenVMS V7.2 on node AAAAAA MAY 12, 1998 10:35 AM Uptime 3 12:48:19
            DEC 4000 Model 610
      Pid    Process Name State  Pri   I/O      CPU    Page flts  Pages
    20C0010D JOB_CONTROL   HIB    10    41  0 00:00:00.25     51     66
             [SYSTEM]                                             528Kb
    
    この例は,PID番号を指定してシステム・プロセスを表示しています。

  8. $ SHOW SYSTEM/OWNER=SMITH
    OpenVMS V7.2 on node AAAAAA MAY 12, 1998 10:34 AM Uptime 3 12:47:37
      Pid    Process Name State  Pri   I/O      CPU    Page flts  Pages
    20C00119 DECW$TE_0119  LEF     6   334  0 00:00:01.00    975    657
    20C0011A SMITH         LEF     8    63  0 00:00:00.29    538     55
    20C0011B _RTA1:        CUR 0   4   554  0 00:00:01.72   1771     70
    
    この例は,ユーザSMITHが所有するプロセスを表示しています。

  9. $ SHOW SYSTEM/STATE=L*
    OpenVMS V7.2 on node AAAAAA MAY 12, 1998 10:36 AM Uptime 3 12:49:46
      Pid    Process Name State  Pri   I/O      CPU    Page flts  Pages
    20C00119 DECW$TE_0119  LEF     6   334  0 00:00:01.00    975    657
    20C0011A SMITH         LEF     8    63  0 00:00:00.29    538     55
    
    この例は,文字Lで始まるプロセス状態のプロセスを表示しています。

  10. $ SHOW SYSTEM/MULTITHREAD
    OpenVMS V7.2 on node ZIMBER 30-OCT-1998 11:34:11.51 Uptim  8 20:21:31
      Pid    Process Name    State Pri  I/O      CPU    Page flts  Pages
    0000008C SECURITY_SERVER HIB    11  131  0 00:55:25.25   4370   194 M
    
    $ SHOW SYSTEM/MULTITHREAD/FULL
    OpenVMS V7.2 on node ZIMBER 30-OCT-1998 11:34:13.98 Uptime 8 20:21:34
            AlphaStation 400 4/233
      Pid    Process Name    State Pri  I/O      CPU    Page flts  Pages
    0000008C SECURITY_SERVER HIB    11  131  0 00:55:25.26   4370   194 M
    0000010C                 HIB    11
             [SYSTEM]                                              1552kb
    
    この例は, /MULTITHREAD修飾子および/MULTITHREADと/FULL修飾子を組み合わせた場合の結果を示します。


SHOW TERMINAL

指定したターミナルの現在の属性を表示します。 各属性は,SET TERMINALコマンドで指定したオプションに対応しています。

フォーマット

     SHOW TERMINAL  [装置名[:]] 

パラメータ

装置名[:]

属性を表示するターミナルの名前を指定します。 省略時には,使用中のターミナル(論理名SYS$COMMAND)の属性を表示します。

説明

SHOW TERMINALコマンドは,端末の速度,幅,行数,グラフィック, および装置タイプなどの端末設定情報を表示します。

SHOW TERMINALコマンドは,端末のフォールバック属性が有効になっていても, それを表示しないことに注意してください。 Terminal Fallback機能(TFF)を許可すると,Terminal Fallback機能(TFU)を起動して, SHOW TERMINAL/FALLBACKサブコマンドを実行できます。 詳細は,『OpenVMS Terminal Fallback Utility Manual』を参照してください。

修飾子

/BRIEF

ターミナル属性として,より共通に使われるサブセットを表示します。

/FULL (省略時の設定)

すべてのターミナル属性を表示します。

/OUTPUT[=ファイル指定]
/NOOUTPUT

コマンドの出力先を指定します。この修飾子を指定しなかった場合や, /OUTPUT修飾子だけを指定してファイル指定を省略した場合には, 出力は論理名SYS$OUTPUTが割り当てられている, 現在のプロセスにおける省略時の出力ストリーム,または装置に出力されます。

/OUTPUT修飾子に部分的なファイル指定(たとえば,ディレクトリだけ) を指定した場合は,SHOWという省略時のファイル名と, LISという省略時のファイル・タイプが使用されます。 ファイル指定には,ワイルドカード文字を使用することはできません。

/NOOUTPUT修飾子を指定した場合は,どこにも出力されません。

/PERMANENT

LOG_IO(論理I/O)特権,またはPHY_IO(物理I/O)特権が必要です。

指定されたターミナルの永久属性を表示します。

  1. $ SHOW TERMINAL/BRIEF
    Terminal: _RTA1:      Device_Type: VT300_Series  Owner: _RTA1:
                                                  Username: SMITH
    
    Terminal Characteristics:
       Speed:   9600      Page:  62          Width: 80
       No Remote          Hostsync           TTsync
       No Modem           Broadcast          Wrap
       No Hangup          No Disconnect      Overstrike editing
       No Dialup          Application keypad Line Editing
    
    この例では,SHOW TERMINALコマンドは, より共通に使われるターミナル属性のサブセットを表示しています。

  2. $ SHOW TERMINAL/FULL
    Terminal: _TTE4:       Device_Type: VT102         Owner: FRANKLIN
    Physical Terminal: _LTA49
       Input:   9600      LFfill:  0      Width:  80      Parity: None
       Output:  9600      CRfill:  0      Page:   24
    Terminal Characteristics:
     Interactive        Echo               Type_ahead    No Escape
     No Hostsync        TTsync             Lowercase     Tab
     Wrap               Scope              No Remote     Eightbit
     Broadcast          No Readsync        No Form       Fulldup
     No Modem           No Local_echo      No Autobaud   Hangup
     No Brdcstmbx       No DMA             No Altypeahd  Set_speed
     Line Editing       Overstrike editing No Fallback   No Dialup
     No Secure server   No Disconnect      No Pasthru    No Syspassword
     No SIXEL Graphics  Soft Characters    Printer port  Numeric Keypad
     ANSI_CRT           No Regis           No Block_mode Advanced_video
     Edit_mode          DEC_CRT            DEC_CRT2      No DEC_CRT3
    
    この例のSHOW TERMINALコマンドは,この特定のターミナルの属性を表示します。 もし別のユーザに割り当てられたターミナルの値を表示している場合は, Input,Output,LFfill,CRfill,width,Page,およびParity値は示されません (次の例を参照してください)。

  3. $ SHOW TERMINAL/FULL
    Terminal: _RTA1:      Device_Type: VT300_Series  Owner: _RTA1:
                                                  Username: SMITH
    Remote Port Info: NODE12::SMITH
    
       Input:    9600     LFfill:  0      Width:  80      Parity: None
       Output:   9600     CRfill:  0      Page:   62
    
    Terminal Characteristics:
     Interactive        Echo             Type_ahead         No Escape
     Hostsync           TTsync           Lowercase          Tab
     Wrap               Scope            No Remote          Eightbit
     Broadcast          No Readsync      No Form            Fulldup
     No Modem           No Local_echo    No Autobaud        No Hangup
     No Brdcstmbx       No DMA           No Altypeahd       Set_speed
     No Commsync        Line Editing     Overstrike editing No Fallback
     No Dialup          No Secure server No Disconnect      No Pasthru
     No Syspassword     SIXEL Graphics   No Soft Characters Printer port
     Application keypad ANSI_CRT         Regis              No Block_mode
     Advanced_video     Edit_mode        DEC_CRT            DEC_CRT2
     DEC_CRT3           No DEC_CRT4      No DEC_CRT5        Ansi_Color
     VMS Style Input
    
    この例のSHOW TERMINALコマンドは,すべてのターミナル属性を表示しています。


SHOW TIME

現在の日付と時刻を表示します。

フォーマット

     SHOW [DAY]TIME 

  1. $ SHOW TIME
      14-DEC-1998 00:03:45
    
    このSHOW TIMEコマンドは,現在の日付と時刻を表示します。


SHOW TRANSLATION

指定された論理名を検索し,最初に検索された等価名を表示します。 検索する論理名テーブルを指定できます。

論理名テーブル内の論理名カタログを表示するには, 論理名テーブルに対する読み込み(R)アクセス権が必要です。

フォーマット

     SHOW TRANSLATION  論理名 

パラメータ

論理名

等価名を表示する論理名を指定します。

説明

SHOW TRANSLATIONコマンドは,指定された論理名を, 1つまたは複数の論理名テーブルで検索し,最初に一致したものの等価名を返します。 検索したいテーブルを指定することができます。 テーブルを指定しない場合は, 論理名LNM$DCL_LOGICALで定義されたテーブルが検索されます。

論理名LNM$DCL_LOGICALには,論理名テーブルのリストとその検索順序が含まれます。 LNM$DCL_LOGICALを再定義しない限り,プロセス論理名テーブル, ジョブ論理名テーブル,グループ論理名テーブル,システム論理名テーブルが, この順序で検索されます。最初に一致したものが表示されます。 SHOW LOGICAL/TABLE=LNM$DIRECTORIES LNM$DCL_LOGICA Lコマンドを実行すると, LNM$DCL_LOGICALの現在の定義を確認できます。

テーブルに同じ名前を持つ2つ以上のエントリがあり, それぞれのモードが異なる場合は, 一番外側の(最も特権が少ない)モードを持つ名前の変換が返されます。

SHOW TRANSLATIONコマンドは,SHOW LOGICALコマンドに似ています。ただし, SHOW TRANSLATIONコマンドは,DCLコマンド・インタプリタ内部で実行されます。 これに対し,SHOW LOGICALコマンドは,イメージを呼び出します。 したがって,SHOW TRANSLATIONコマンドは現在のイメージを終了させません。 また,ユーザ・モード論理名を取り消しません。名前の反復変換も表示されません。

修飾子

/TABLE=名前

検索される論理名テーブルの名前を指定します。省略時の値は,LNM$DCL_LOGICALです。

複数の論理名テーブルに変換される論理名を使用して, 論理名テーブル名を指定した場合には,論理名に一致するものが見つかるまで, 各テーブルが指定された順に検索されます。

  1. $ SHOW TRANSLATION PAYROLL
    PAYROLL = DISK1:[ACCOUNTS.WORKING]FACTOR1.DAT;37 (LNM$PROCESS_TABLE)
    
    このSHOW TRANSLATIONコマンドは,論理名PAYROLLの等価名と, この論理名が検索された論理テーブル名を表示しています。 この例ではPAYROOLは,プロセス論理名テーブル LNM$PROCESS_TABLEから検索されています。

  2. $ DEFINE DISK  DBA1:
    $ DEFINE/GROUP DISK  DBA2:
    $ SHOW TRANSLATION DISK
      DISK = DBA1:(LNM$PROCESS_TABLE)
    
    このDEFINEコマンドは,DISKという論理名を, プロセス論理名テーブルとグループ論理名テーブルの両方に登録します。 そのあと,SHOW TRANSLATIONコマンドは, DISKという論理名に対応する等価名を表示します。 省略時の設定ではSHOW TRANSLATIONコマンドは,プロセス・テーブル, ジョブ・テーブル,グループ・テーブル, およびシステム・テーブルをこの順序で検索し,最初に検出された等価名を表示します。 この例では論理名DISKは, グループ論理名テーブルより前にプロセス論理名テーブル(LNM$PROCESS_TABLE) から検索され,その等価名が表示されています。

  3. $ RUN ORION
    [Ctrl/Y]
    
    $ SHOW TRANSLATION TERMINAL
      TERMINAL = _TTT3: (LNM$PROCESS_TABLE)
    $ CONTINUE
    
    このRUNコマンドは,ORION.EXEというイメージを実行します。 CTRL/Yによってイメージに割り込みをかけたあとで, SHOW TRANSLATIONコマンドで論理名の割当てを表示します。 CONTINUEコマンドは,イメージの実行を再開します。

  4. $ SHOW TRANSLATION/TABLE=LNM$SYSTEM USER
      USER = "DBA2:"  (LNM$SYSTEM_TABLE)
    
    この例では,USERという論理名の等価名を表示します。 論理名テーブルが指定されているので, 論理名テーブルの省略時の検索順序にはしたがわず, 指定されたLNM$SYSTEMという論理名テーブルだけが検索されます。 LNM$SYSTEMは,システム論理名テーブルです。

  5. $ DEFINE/TABLE=LNM$PROCESS_DIRECTORY MYPROC -
    _$ TEST_TABLE, LNM$PROCESS
    $ SHOW TRANSLATION/TABLE=MYPROC FILER
      FILER = "[SMITH.FILER]"   (TEST_TABLE)
    
    この例では,検索したい論理名テーブルのリストを,論理名MYPROCに割り当てています。 まず,ユーザが定義したTEST_TABLEという論理名テーブルを検索し, 次にプロセス論理名テーブルLMN$PROCESSを検索するよう指定しています。 論理名MYPROCは,プロセス・ディレクトリ・テーブルである LNM$PROCESS_DIRECTORY に登録されます。 MYPROC論理名テーブル内で論理名FILERを検索すると, TEST_TABLE と LNM$PROCESS がこの順に検索されます。 最初に一致したものが表示されます。


SHOW USERS

会話型,サブプロセス,バッチ型ユーザのユーザ名, ノード名(OpenVMS Cluster環境の場合)を表示します。

フォーマット

     SHOW USERS  [ユーザ名] 

パラメータ

ユーザ名

情報を表示したいユーザを指定します。ワイルド・カード文字(*と%)も使用できます。 文字列を指定した場合は,指定した文字列から始まるユーザ名を持つ, すべてのユーザが表示されます。たとえば, MARという文字列を指定した場合は,MARで始まるすべてのユーザ名が表示されます。 指定した文字列に相当するユーザがいなかった場合には, プロセスが発見できなかったことを表す情報メッセージが表示されます。

このパラメータを省略した場合には,すべての会話型,サブプロセス, バッチ型のユーザのリストが表示されます。

修飾子

/BATCH
/NOBATCH

OpenVMS Cluster内のすべてのバッチ型ユーザを表示します。 特定のノード上のユーザのみを表示したい場合は, /NODE修飾子を同時に指定してください。 /NOBATCH修飾子を指定した場合は,すべてのバッチ・ユーザが表示から除外されます。

/CLUSTER

OpenVMS Cluster内のすべてのノード上の指定したユーザを表示します。

/EXACT

/PAGE=SAVEおよび/SEARCH修飾子とともに使用し, 大文字と小文字を区別した文字列検索を指定します。 この場合,検索文字列は二重引用符で囲まなければなりません。

/SEARCH修飾子を指定せずに/EXACT修飾子を指定した場合, "Findキー" (E1)を押すと文字列検索が有効になります。

/FULL

すべての会話型,サブプロセス,バッチ型ユーザについて,そのユーザ名,ノード名, プロセス名,プロセス識別子(PID),ターミナル名(仮想および物理の両方), およびポート情報を表示します。

/HEADING (省略時の設定)
/NOHEADING

システムの出力の上にヘッダ行を表示します。 /NOHEADING修飾子を指定した場合は,ヘッダ行が表示から除外されます。

/HIGHLIGHT[=キーワード]

/PAGE=SAVE および /SEARCH修飾子とともに使用し, 一致した検索文字列の強調表示方法を指定します。 一致した検索文字列があった場合は,行全体が強調されます。 キーワードには,BOLD, BLINK, REVERSE,およびUNDERLINEを指定できます。 省略時の設定はBOLDです。

/INTERACTIVE
/NOINTERACTIVE

OpenVMS Cluster内のすべての会話型プロセスのユーザを表示します。 特定のノード上のユーザのみを表示したい場合は, /NODE修飾子を同時に指定してください。/NOINTERACTIVE修飾子を指定した場合は, OpenVMS Cluster環境のユーザによって保持されたすべての会話型プロセスが, 表示から除外されます。

/NETWORK
/NONETWORK

OpenVMS Cluster内のすべてのネットワーク型ユーザを表示します。 特定のノード上のユーザのみを表示したい場合は, /NODE修飾子を同時に指定してください。/NONETWORK修飾子を指定した場合は, OpenVMS Cluster環境内のすべてのネットワーク・ユーザが表示から除外されます。

/NODE[=(ノード名,...)]

指定ノード上のすべての会話型,サブプロセス,バッチ型のユーザを表示します。 /NODE修飾子にノード名を指定しない場合は,ローカル・ノードのユーザが表示されます。

/OUTPUT[=ファイル指定]
/NOOUTPUT

コマンドの出力先を指定します。 省略時には,SYS$OUTPUT(通常は使用しているターミナル)へ出力されます。 ファイルへ出力するには,/OUTPUT修飾子を使用してファイルを指定してください。

ファイル指定にワイルドカード文字は使用できません。 部分的なファイル指定(たとえば,ディレクトリだけ)を指定した場合は, SHOWという省略時のファイル名と, LISという省略時のファイル・タイプが使用されます。

/NOOUTPUT修飾子を指定した場合は,何も出力されません。

/PAGE[=キーワード]
/NOPAGE (省略時の設定)

コマンド出力の画面表示をページャを介して行います。

次のキーワードを指定できます。

CLEAR_SCREEN ページモードで表示(毎回画面を消去する)
SCROLL スクロールモードで表示(毎回画面を消去しない)
SAVE[=n] nページ分の履歴を保持する(前ページに戻ること等が可能)

/PAGE=SAVE修飾子を指定すると最大5画面(最大255カラムまで)分の履歴を保存できます。 ページャ内では以下のキーを使って画面の移動などができます。

キー・シーケンス 説明
Up arrow key, Ctrl/B 1行スクロールアップ
Down arrow key 1行スクロールダウン
Left arrow key 1カラム左シフト
Right arrow key 1カラム右シフト
Find (E1) 文字列検索を起動
Insert Here (E2) 半画面右シフト
Remove (E3) 半画面左シフト
Select (E4) 80/132カラム切替え
Prev Screen (E5) 前ページに移動
Next Screen (E6), Return, Enter, Space 次ページに移動
F10, Ctrl/Z 終了(ユーティリティによっては異なる)
Help (F15) ヘルプ・テキストを表示
Do (F16) 最新(現在)画面と(履歴内で)最古画面の切り替え
Ctrl/W 再表示

/PAGE修飾子は/OUTPUT修飾子とは同時に使用できません。

/SEARCH="検索文字列"

/PAGE=SAVE修飾子とともに使用し,表示される情報内で検索したい文字列を指定します。 文字列にスペース文字等を入れたい場合は, 検索文字列は二重引用符で囲まなければなりません。

情報が表示されている時にFind(E1)キーを押すと, 検索文字列を動的に変更することができます。この場合は,引用符は必要ありません。

/SUBPROCESS
/NOSUBPROCESS

OpenVMS Cluster環境のすべてのサブプロセスのユーザを表示します。 特定のノード上のユーザのみを表示したい場合は, /NODE修飾子を同時に指定してください。/NOSUBPROCESS修飾子を使用した場合は, OpenVMS Cluster環境内のすべてのサブプロセスのユーザが表示から除外されます。

/WRAP
/NOWRAP (省略時の設定)

/PAGE=SAVE修飾子とともに使用し, 画面の幅を越える行をラップするかどうかを指定します。 /WRAP修飾子を指定した場合,はみ出す部分は次行に表示されます。

/NOWRAP修飾子を指定した場合, はみ出した部分は左右にスクロールしながら見ることができます。

  1. $ SHOW USERS
          OpenVMS User Processes at MAY 12, 1998 10:37 AM
        Total number of users = 3,  number of processes = 14
    
     Username     Node     Interactive  Subprocess   Batch
     S_SKONETSKI BBBBBB            1
     WISNIEWSKI  XXXXXX            4         2
     HIBBITS     AAAAAA            1         4
     VAXMAN      AAAAAA            2
    
    このSHOW USERSコマンドは,現在システムに存在するすべての会話型, バッチ型,サブプロセス型ユーザのユーザ名とノード名を表示します。

  2. $ SHOW USERS/NOHEADING/OUTPUT=SYSUSERS.DAT
    $ TYPE SYSUSERS.DAT
     S_SKINETSKI BBBBBB            1
     WISNIEWSKI  XXXXXX            4         2
     HIBBITS     AAAAAA            1         4
     VAXMAN      AAAAAA            2
    
    この例のSHOW USERSコマンドは,現在システムに存在するすべての会話型, サブプロセス型,およびバッチ型のユーザのユーザ名およびノード名を表示します。 ただし,/NOHEADING修飾子を指定しているので,ヘッダ・テキストは表示されません。 /OUTPUT修飾子を使用すると, 出力をがファイルに書き込まれるので後で処理やレビューを行うことができます。

  3. $ SHOW USERS *LES*
          OpenVMS User Processes at MAY 12, 1998 10:41 AM
        Total number of users = 3,  number of processes = 10
    
     Username     Node     Interactive  Subprocess   Batch
     THALES      MILETS            -         -          1
     PRAXITELES  LESBOS            5         2
     PERICLES    ISLAND            1
    
    この例では,ユーザ名に文字列LESを含む, すべてのユーザのユーザ名とノード名を表示しています。

  4. $ SHOW USERS/FULL/NODE=AAAAAA
          OpenVMS User Processes at JUNE 9, 1998 02:23 PM
        Total number of users = 3,  number of processes = 3
    
     Username    Node   Process Name    PID     Terminal
     DJONES     AAAAAA  Aaaaaa_fta2:  2180012D  FTA2:
     MJOHNSON   AAAAAA  MJOHNSON      2180011E  RTA1: (JJJJJ::MJOHNSON)
     SMITH      AAAAAA  SMITH         2180011A  FTA1:
    <LOGIN> B4B4    _WSA1         3100009F
    
    この例では,SHOW USERSコマンドは,システムAAAAAA上のすべての会話型, サブプロセス型,およびバッチ型ユーザについて,ユーザ名,ローカル・ノード, プロセス名,プロセス識別番号(PID),およびポート情報を表示しています。 ユーザ名の<LOGIN> は,誰かがログイン・プロセスの中にいることを示しています。

  5. $ SHOW USERS /NODE=(AAAAAA,BBBBBB,MMMMMM)
          OpenVMS User Processes at JUNE 9, 1998 02:23 PM
        Total number of users = 5,  number of processes = 7
    
     Username   Node   Process Name    PID     Terminal
     BRICKLEY  BBBBBB  BRICKLEY      21E0009E  RTA1: (CBREEZ::BRICKLEY)
     DCLDCT    MMMMMM  Mmmmmm_rta1:  2020015D  RTA1: (MMMMMM::DJOHNSON)
     DJOHNSON  AAAAAA  Aaaaaa_fta2:  2180012D  FTA2:
     DJOHNSON  MMMMMM  Mmmmmm_fta1:  2020013E  FTA1:
     DJOHNSON  MMMMMM  Mmmmmm_rta3:  20200184  RTA3: (DDRSND::DJOHNSON)
     JONES     AAAAAA  JONES         2180011E  RTA1: (IVOK::JONES)
     SMITH     AAAAAA  SMITH         2180011A  FTA1:
    
    このSHOW USERSコマンドは,ノードAAAAAA, BBBBBB, および MMMMMM に存在するすべての会話型,バッチ型, サブプロセス型ユーザのユーザ名とノード名を表示しています。


SHOW WORKING_SET

Alpha上では,現在のプロセスに割り当てられている,ワーキング・セットの下限値, クォータ値,超過値(ページレット単位およびCPU固有のページ単位)を表示します。

VAX上では,現在のプロセスに割り当てられている,ワーキング・セットの下限値, クォータ値,超過値(ページ単位)を表示します。

フォーマット

     SHOW WORKING_SET 

修飾子

/OUTPUT[=ファイル指定]
/NOOUTPUT

コマンドの出力先を指定します。この修飾子を指定しなかった場合や, /OUTPUT修飾子だけを指定してファイル指定を省略した場合には, 出力は論理名SYS$OUTPUT割り当てられている, 現在のプロセスにおける省略時の出力ストリーム,または装置に出力されます。

/OUTPUT修飾子に, 部分的なファイル指定(たとえば,ディレクトリだけ)を指定した場合, SHOWという省略時のファイル名と, LISという省略時のファイル・タイプが使用されます。 ファイル指定には,ワイルドカード文字は使用できません。

/NOOUTPUT修飾子を指定した場合は,どこにも出力されません。

  1. $ SHOW WORKING_SET
    Working Set (pagelets)  /Limit= 2000  /Quota= 4000 /Extent= 6000
    Adjustment enabled  Authorized Quota= 4000  Authorized Extent= 6000
    
    Working Set (8Kb pages) /Limit= 125   /Quota= 250  /Extent= 375
                        Authorized Quota= 250  Authorized Extent= 375
    
    この例は,Alpha上でのSET WORKING_SETコマンドを示しています。 プロセスのワーキング・セット下限値は2000ページレット(125ページ), クォータは4000ページレット(250ページ)であり, 現在のクォータは許可されている値(4000ページレット,つまり250ページ) になっています。また, 現在のプロセスのワーキング・セット超過値には 6000ページレット(375ページ)であり, 現在の超過値も許可された値(6000ページレット,つまり375ページ)になっています。 1ページレットは,512バイトです。

  2. $ SHOW WORKING_SET
    Working Set      /Limit= 180   /Quota= 350           /Extent=1200
    Adjustment enabled  Authorized Quota= 350  Authorized Extent=1200
    
    この例は,VAX上でのSHOW WORKING_SETコマンドを示しています。 現在のプロセスのワーキング・セット下限値は180ページであり,クォータ値は, 許可されている上限値と同じである350ページであることを示しています。 現在のプロセスのワークキング・セット超過値は1200ページで, これは許可されている超過値と同じです。VAX上での1ページは,512バイトです。


SHOW ZONE

VAXftシステムの現在の状態を表示します。 SHOW ZONEコマンドについての詳細は,VAXftシステムのマニュアルを参照してください。

このコマンドは,VAXftシステム上でのみ有効です。

フォーマット

     SHOW ZONE  [ゾーン識別子] 


SORT

Sort/Mergeユーティリティを起動します。 Sort/Mergeユーティリティはファイル中のレコードを特定の順序に並べ替えます。 この時,レコードを並べ替えて新しいファイルを作成するか, または並べ替えたレコードにアクセスできるアドレスを含むファイルを作成します。

Sort/Mergeユーティリティについての詳細は, 『OpenVMSユーザーズ・マニュアル』またはオンライン・ヘルプを参照してください。

フォーマット

     SORT  入力ファイル指定[,...] 出力ファイル指定 


SPAWN

現在のプロセスのサブプロセスを生成します。 現在のプロセス・コンテキストの一部が,サブプロセスにコピーされます。

サブプロセスを作成するためには, RESOURCE_WAIT状態でなければなりません。 また,TMPMBX(一時的メールボックス)または PRMMBX(パーマネント・メールボックス)特権が必要です。 SPAWNコマンドは,ターミナル属性を操作しません。 ターミナルがメールボックスに関係付けられている場合は, SPAWN および ATTACHコマンドは使用できません。

フォーマット

     SPAWN  [コマンド文字列] 

パラメータ

コマンド文字列

作成されたサブプロセスのコンテキストで実行する, 132文字以内のコマンド文字列を指定します。 コマンドが終了するとサブプロセスは終了し,制御は親プロセスに戻ります。 /INPUT修飾子とコマンド文字列の両方を指定した場合は, 指定したコマンド文字列が実行されたあと, /INPUT修飾子の指定からコマンドが入力されます。

説明

SPAWNコマンドは,現在のプロセスから次の属性をコピーして, 現在のプロセスのサブプロセスを作成します。

プロセスの現在のコマンド・テーブルなどの一部の属性は, コピーされないことに注意してください。

サブプロセスの作成時には,オープンされたプロセス・パーマネント・ファイル, およびイメージまたはプロシージャは,親プロセスからコピーされません。 サブプロセスは,コマンド・レベル0 (現在のプロンプトを持つDCLレベル) に設定されます。

/PROCESS修飾子を指定しない場合は,このサブプロセスの名前は, 親プロセスと同じ基本名および一意な番号から構成されます。たとえば, 親プロセス名がSKONETSKIの場合は,サブプロセス名は,SKONETSKI_1,SKONETSKI_2などになります。

コンテキストが別にコピーされるので, 親プロセスのLOGIN.COMファイルはサブプロセスに対しては実行されません。 そのため,サブプロセス初期化が速くなります。/WAIT修飾子が有効な場合は, サブプロセスが終了する,またはATTACHコマンド経由で制御が親プロセスに戻るまで, 親プロセスはハイバネート状態になります。

次の場合は, 複数のプロセスが同時に同じ入力ストリームまたは出力ストリームを使用しようとします。

サブプロセスを終了し親プロセスに戻るには, LOGOUTコマンドを使用する必要があります。ATTACHコマンドを使用すると, 親プロセスを含めたサブプロセス階層構造の別のプロセスに, 端末の制御を移すことができます。SHOW PROCESS/SUBPROCESSESコマンドは, サブプロセス階層構造内のプロセスを表示し,現在のプロセスをポイントします。


注意
サブプロセスの階層構造はSPAWNコマンドを使用して設定できるため, 階層構造内のプロセスを終了させる場合は注意してください。 プロセスを終了させると, 階層構造内のそのポイントより下にあるすべてのサブプロセスが自動的に終了します。

SPAWNコマンドに使用する修飾子は,コマンド動詞の直後に指定しなければなりません。 コマンド文字列パラメータは,最後の修飾子の後から始まり, コマンド行の最後まで続きます。

修飾子

/CARRIAGE_CONTROL
/NOCARRIAGE_CONTROL

サブプロセスのプロンプト文字列の前で,改行するかどうかを指定します。 省略時の設定では,SPAWNコマンドは親プロセスの現在の設定をコピーします。

/CLI=CLIファイル指定
/NOCLI

サブプロセスが使用する,代替のコマンド言語インタプリタ(CLI)の名前を指定します。 省略時のCLIは,親プロセスのCLIと同じです(SYSUAFに定義されています)。 /CLI修飾子を指定した場合には,親プロセスの属性がサブプロセスにコピーされます。

指定するCLIはSYS$SYSTEMに存在しなければならず, ファイル・タイプはEXEでなければなりません。

/INPUT=ファイル指定

作成されたサブプロセスで実行される, 1つまたは複数のDCLコマンドを含んだ入力ファイルを指定します。 省略時のファイル・タイプはCOMです。ファイル指定に, アスタリスク(*)およびパーセント記号(%)のワイルドカード文字は使用できません。 入力ファイルの処理が終了すると,サブプロセスは終了します。 コマンド文字列と/INPUT修飾子の両方が指定された場合には, コマンド文字列が処理されたあとで,/INPUT修飾子で得られるコマンドが処理されます。 どちらも指定されない場合は,SYS$INPUTが使用されます (この場合SPAWN/NOWAITコマンドは, 親プロセスで実行中のイメージを終了させるために押したCtrl/Yでも終了します)。

/INPUT修飾子に, レコード単位で処理されないプロセス・パーマネント・ファイル(NRO PPF) は指定できません。/INPUT修飾子の値として, このようなファイルを指定した場合には,エラー・メッセージが表示されます。

暗黙の入力としてNRO PPFが使用される場合(つまり,/INPUT修飾子が指定されておらず, SYS$INPUTがNRO PPFの場合)には,SPAWNコマンドは正常終了となります。 次の表を参照してください。

プロセス・タイプ SYS$INPUT 暗黙の入力
会話型モード NRO PPF SYS$COMMAND
非会話モード NRO PPF 空装置
任意 任意 SYS$INPUT

SYS$INPUTがターミナルの場合には, 対応するターミナル・メールボックスを持つことはできません。

/KEYPAD (省略時の設定)
/NOKEYPAD

キーパッド・キー定義と現在のキーパッド状態を, 親プロセスからサブプロセスにコピーするかどうかを指定します。 省略時の設定では,DEFINE/KEYコマンド, またはSET KEYコマンドによってキー定義や状態が設定されていると, これらの設定はサブプロセスにコピーされます。 キー設定をコピーしないようにするには,/NOKEYPAD修飾子を使用します。

/LOG (省略時の設定)
/NOLOG

プロセス間での制御の受け渡しを示すメッセージとともに, 割り当てられたサブプロセス名を表示するかどうか指定します。

/LOGICAL_NAMES (省略時の設定)
/NOLOGICAL_NAMES

システムが, プロセス論理名と論理名テーブルをサブプロセスにコピーするかどうかを指定します。 省略時の設定では,すべてのプロセス論理名とプロセス論理名テーブルが, サブプロセスにコピーされます。この場合,CONFINE属性が指定されているものと, エグゼクティブ・モードまたはカーネル・モードで作成されたものを除きます。

/NOTIFY
/NONOTIFY (省略時の設定)

サブプロセスが,正常終了または異常終了したことを示すメッセージを, ユーザがログインしているターミナルに表示するかどうか指定します。 この修飾子は,/NOWAIT修飾子を指定している場合のみ有効です。 また,SPAWNコマンドが非会話型モードのプロセス内で実行される場合には, /NOTIFY修飾子を指定できません。

/NOTIFY修飾子を指定したことで表示されるメッセージは, DCLメッセージであると解釈されます。 したがって,SET BROADCAST=NODCLが有効な場合には, このような通知メッセージはすべて出力されません。

/OUTPUT=ファイル指定

SPAWN操作からの出力を,指定されたファイルに書き込みます。 ファイル指定にアスタリスク(*)およびパーセント記号(%) のワイルドカード文字は使用できません。(/NOWAIT修飾子を使用している場合には, /OUTPUT修飾子に対してSYS$COMMANDを指定してはなりません。 親プロセスとサブプロセスの両方の出力が,同時にターミナル上に表示されます。)

注意
/OUTPUT修飾子のファイル指定引数に,既存のファイルのバージョン番号を指定すると, 既存のファイルは新しい出力に置き換えられます。


/OUTPUT修飾子に, レコード単位で処理されないプロセス・パーマネント・ファイル(NRO PPF) は指定できません。/OUTPUT修飾子の値としてこのようなファイルを指定した場合には, エラー・メッセージが表示されます。

暗黙の出力としてNRO PPFが使用された場合には,SPAWNコマンドは正常終了します。 次の表を参照してください。

プロセス・タイプ SYS$OUTPUT 暗黙の出力
任意のタイプ NRO PPF 親プロセスに対して,メールボックスが送信するレコーは, 現在のSYS$OUTPUT装置に書き込まれる。
任意のタイプ 他の任意のファイル SYS$OUTPUT

/OUTPUT修飾子を省略した場合には,出力は現在のSYS$OUTPUT装置に送られます。

/PRIVILEGES={CURRENT|AUTHORIZED}

親プロセスの現在の特権,または認められている特権を, 認められている特権として継承するかどうかを指定します。 省略時の設定は/PRIVILEGES=CURRENTです。/PRIVILEGES=AUTHORIZEDを指定すると, 親プロセスで認められているすべての特権が継承されます。

/PROCESS=サブプロセス名

作成されるサブプロセスの名前を指定します。/PROCESS修飾子を省略した場合には, 親プロセスの名前と一意な番号から構成される,一意なプロセス名が与えられます。 省略時のサブプロセス名の形式は,ユーザ名_nです。 既存のプロセス名を指定した場合には,エラー・メッセージが表示されます。 /LOG修飾子を指定している場合には, サブプロセスに割り当てられた名前が表示されます。

/PROMPT[=文字列]

DCLがサブプロセスで使用するプロンプト文字列を指定します。 省略時の設定では,親プロセスの現在のプロンプト文字列です。

文字列には,複数の文字を指定できます。 文字列の中では,すべてのASCII文字を使用できます。 文字列にスペースや特殊文字,小文字が含まれる場合は, 文字列を引用符(" ")で囲まなければなりません。 文字列を引用符で囲まなかった場合には,文字は自動的に大文字に変換され, 先行するスペースと後続のスペースは削除されます。

/PROMPT修飾子に文字列を指定しないと, DCLの省略時のプロンプト文字列であるドル記号($)が使用されます。

/SYMBOLS (省略時の設定)
/NOSYMBOLS

システムが, DCLのグローバル・シンボルとローカル・シンボルをサブプロセスに渡すかどうかを指定します。 ただし,$RESTART,$SEVERITY,および$STATUSというシンボルは, サブプロセスに渡されることはありません。

/TABLE=コマンド・テーブル

サブプロセスが使用する,代替コマンド・テーブルの名前を指定します。

/TRUSTED
/NOTRUSTED

SPAWNコマンドの入力が, トラステッド・コマンド・プロシージャから行われることを指定します。 キャプティブ・アカウントからはSPAWNコマンドは使用できません。/TRUSTED修飾子は, トラステッド・コマンド・プロシージャであるキャプティブ・コマンド・プロシージャから, SPAWN操作を実行する方法を提供します。 詳細は,『OpenVMS Guide to System Security』を参照してください。

/WAIT (省略時の設定)
/NOWAIT

親プロセスへのコマンド入力を, SPAWNで作成されたサブプロセスの終了まで待つかどうかを制御します。 /NOWAIT修飾子を指定した場合には,指定されたサブプロセスが実行されている間も, 新しいコマンドを入力できます。親プロセスとサブプロセスからの出力が, 同時にターミナルに表示されることがないように, /OUTPUT修飾子と /NOWAIT修飾子を使用します。

/NOWAIT修飾子を指定した場合は, サブプロセスの入力も出力も親プロセスと共用されます。 入力装置がターミナルの場合には,Ctrl/TやCtrl/Yなどの制御文字は, 入力装置を共用するすべてのサブプロセスに影響を与えます。 たとえば,Ctrl/Yは,このようなすべてのサブプロセスに割り込みをかけます。

この問題を回避するためには,/INPUT=NL:を指定します。

  1. $ RUN MYPROG
          .
          .
          .
    
    $ [Ctrl/Y]
    $ SPAWN MAIL
    %DCL-S-SPAWNED, process SKONETSKI_1 spawned
    %DCL-S-ATTACHED, terminal now attached to process SKONETSKI_1
    MAIL> READ
       .
       .
       .
    MAIL> EXIT
    %DCL-S-RETURNED, control returned to process SKONETSKI
    $ CONTINUE
    
    この例のSPAWNコマンドは,現在実行中のプログラムを終了させることなく, OpenVMS の Mailユーティリティ(MAIL)を起動させています。 MAILの終了後,制御は親プロセスに戻ります。


START/CPU

1つまたは複数の指定された副プロセッサ (および対応するすべてのベクタ・プロセッサ)を起動します。/CPU修飾子は必須です。

OpenVMSマルチプロセッシング・システムにだけ適用できます。 CMKRNL(カーネルのモード変更)特権が必要です。

フォーマット

     START/CPU  [cpu-id[,...]] 

パラメータ

cpu-id[,...]

OpenVMSマルチプロセッシング・システムでのプロセッサのIDを表す値(10進数) を指定します。VAX 6000システムまたはAlpha 7000システムでは, プロセッサのバックプレーンにあるスロット番号がCPU IDです。 CPU IDと/ALL修飾子のいずれも指定しない場合,START/CPUコマンドは, 使用可能なプロセッサを1つ選択して,マルチプロセッシング・システムに追加します。

説明

START/CPUコマンドは, OpenVMSマルチプロセッシング・システムに含まれる副プロセッサを起動します。

START/CPUコマンドを実行できるのは,SHOW CPUコマンドで状態が STOPPED または TIMOUT と表示されるプロセッサだけです。 それ以外のプロセッサに対して START/CPUコマンドを実行しても無効です。

修飾子

/ALL

システム内で使用可能なプロセッサをすべて選択して, マルチプロセッシング・システムに追加します。

/DEFAULT_CAPABILITIES

特定のCPUに対して以前に有効だった(ユーザおよびシステムでの)機能を削除し, グローバル初期化変数SCH$GL_DEFAULT_CPU_CAPの値に再度初期化します。

通常,CPUをシャットダウンして(再ブートではなく)再起動しても, ダウンタイムはユーザにもわかり,ユーザの機能は有効です。 CPUユーザ機能ビットは,CPUの最初のブート時に SCH$GL_DEFAULT_CPU CAPで初期化されます。ただしシステム機能ビットは, SCH$GL_DEFAULT_CPU_CAPから省略時の設定に再度初期化されます。

しかしCPUは,既知の整合性のある状態に戻さなければならないことがあります。 /DEFAULT_CAPABILITIES修飾子は,CPUの初期ブートストラップと同様の処理を行います。

  1. $ START/CPU
    
    この例でSTART/CPUコマンドは,現在アクティブでないプロセッサのセットから, 使用可能なプロセッサを1つ選択します。選択されたプロセッサの初期化が終了すると, システムのアクティブなプロセッサのセットの一部となり, プロセスのスケジューリングや実行ができるようになります。

  2. $ START/CPU 4,7
    
    この例でSTART/CPUコマンドは, CPU ID 4および7のプロセッサが現在使用可能でアクティブでない場合に, それらを選択します。選択されたプロセッサの初期化が終了すると, システムのアクティブなプロセッサのセットの一部となり, プロセスのスケジューリングや実行ができるようになります。

  3. $ START/CPU/ALL
    
    この例でSTART/CPU/ALLコマンドは, 使用可能でアクティブでない残りのプロセッサをすべて選択します。 選択されたプロセッサの初期化が終了すると, システムのアクティブなプロセッサのセットの一部となり, プロセスのスケジューリングや実行ができるようになります。


START/NETWORK

ローカル・ノードで指定したネットワーク・サービスを開始または再開します。 /NETWORK修飾子は必須です。

フォーマット

     START/NETWORK  ネットワーク・サービス 

パラメータ

ネットワーク・サービス

開始または再開させたいネットワーク・サービス名を指定します。

説明

START/NETWORKコマンドを実行すると, ローカル・ノードでネットワーク・サービスの実行が開始します。

ネットワークを一時停止させるには,STOP/NETWORKコマンドを使用します。

  1. $ START/NETWORK  DECnet
    
    このコマンドは,DECnetネットワーク・サービスを開始させます。


START/QUEUE

指定したキューを初期化した後に,起動または再起動します。 このコマンドを使用すれば,指定したキューのオプションも変更できます。 /QUEUE修飾子は必須です。

キューへの管理(M)アクセス権が必要です。

フォーマット

     START/QUEUE  キュー名[:] 

パラメータ

キュー名[:]

起動または再起動するキュー名を指定します。

説明

START/QUEUEコマンドは,終了または一時停止していたキューを再起動します。 START/QUEUEコマンドを使用する場合は, その前にINITIALIZE/QUEUEコマンドを使用してキューを作成しなければなりません。 キューの作成と起動を同時に行うには,INITIALIZE/QUEUE/STARTコマンドを使用します。

指定したキューが自動起動キューである場合,START/QUEUEコマンドは, そのキューの自動起動を有効にします。 自動起動キューを実行できるすべてのノードに対して ENABLE AUTOSTART/QUEUESコマンドで自動起動を有効にすると, キューはジョブの処理を開始します。

INITIALIZE/QUEUEコマンドで使用できるほとんどの修飾子は, START/QUEUEコマンドでも指定できます。START/QUEUE修飾子の省略時の設定は, キューを初期化する時に指定した修飾子によって異なります。 たとえば,INITIALIZE/QUEUE での /JOB_LIMIT の省略時の設定の値は1です。 ただし,変更するキューをジョブの制限値を3にして初期化した場合, START/QUEUEコマンドで/JOB_LIMIT修飾子を指定しなければ, そのキューのジョブの制限値は3のままになります。

START/QUEUEコマンドの修飾子で指定した値またはオプションは, キューを初期化する時に指定した修飾子の値またはオプションを上書きします。

START/QUEUEコマンドを実行したときに指定したキューが実行中である場合, システムはエラー・メッセージを返します。 実行中のキューのオプションを変更するには,SET QUEUEコマンドを使用します。 SET QUEUEコマンドで変更できないキュー・オプションを変更する場合は, 次の手順に従ってください。

  1. STOP/QUEUE/NEXTコマンドでキューを終了します。

  2. START/QUEUEコマンドまたはINITIALIZE/QUEUE/STARTコマンドに, 希望するオプションに合わせて適切な修飾子を指定してキューを再起動します。

/TOP_OF_FILE,/BACKWARD,/FORWARD,/SEARCH,/ALIGN,および/NEXT修飾子は, 一時停止状態の出力実行キューを再起動する場合にだけ有効です。 これらの修飾子は,終了しているキューやバッチ・キューには適用されません。 /NEXTを除く5つの修飾子のうち2つ以上を指定した場合, プリント・シンビオントは,次の順序でこれらの修飾子を処理します。

  1. /TOP_OF_FILE

  2. /BACKWARD

  3. /FORWARD

  4. /SEARCH

  5. /ALIGN

修飾子

/ALIGN[=(オプション[,...])]

アラインメント・ページをプリントして,プリント用紙の位置調整を行いやすくします。 この修飾子は,一時停止状態の出力実行キューを再起動する場合にだけ使用します。

位置調整が終了した後,START/QUEUEコマンドを再入力してキューを再起動するまで, キューは一時停止状態になります。プリントは,位置調整を始めた箇所から再開します。 つまり,位置調整のためにプリントしたページの分あともどりします。

使用可能なオプションは,次のとおりです。

MASK 英文字をxに,数字を9に置き換えて,入力データをマスクするように指定します。 英数字以外の文字はマスクされません。 マスク文字を使用すると,機密情報がそのままプリントされないようにできます。 MASKオプションを省略した場合は,データは変更されずにそのままプリントされます。
n プリントするラインメント・ページ数を指定します。nの値は1〜20です。 省略時の設定では,1ページ分のアラインメント・データがプリントされます。

/AUTOSTART_ON=(ノード::[装置][,...])

キューを自動起動実行キューとして指定し,キューを置くことができるノード, またはノードと装置を指定します。 出力キューには,ノードおよび装置の両方を指定しなければなりません。 バッチ・キューの場合は,ノードだけを指定します。

OpenVMS Clusterでは,キューが実行できる2つ以上のノード(またはノードと装置)を, ノードがキューを要求する優先順序で指定できます。 これによって,キューを実行しているノードがクラスタから離れると, 別のノードにそのキューをフェールオーバできます。

自動起動キューの場合,START/QUEUEコマンドは,キューの自動起動を有効にします。 自動起動キューを実行できるノードに対して ENABLE AUTOSTART/QUEUESコマンドを実行すると,キューはジョブの処理を開始します。

この修飾子は,/ON修飾子または/GENERIC修飾子と同時に使用できません。 ただし,/ON修飾子を指定して既に作成または起動してあったキューに対しては, /AUTOSTART_ON修飾子を指定できます。これを実行すると, /ONオプションを無効にして,キューは自動起動キューになります。

自動起動キューについての詳細は,『OpenVMSシステム管理者マニュアル』 のキューの管理に関する章を参照してください。

/BACKWARD=n

現在のページよりnページ前からプリント・キューを再起動します。 nの省略時の設定の値は1です。 ページ値を省略すると,プリントは現在のページの上端から再開します。 この修飾子は,一時停止状態の出力実行キューを再起動する場合にだけ使用します。

注意
START/QUEUE/BACKWARD=nコマンドを使用してプリント・ジョブを再起動する場合, そのプリント・ジョブが Fortranキャリッジ制御を使用し, /NOFEED修飾子を指定していると,予期しない結果になる可能性があります。 特に次のような結果になります。

  • 再起動したジョブのページの位置設定が正しくない可能性があります。 出力がnで指定したページの上端から開始されない可能性があります。

  • プリント・ジョブが無意味な情報の後に出力される可能性があります。


/BASE_PRIORITY=n

バッチ実行キューからジョブが開始されるプロセスの,基本優先順位を指定します。 省略時の設定では,この修飾子を省略すると, システム生成時にDEFPRIによって設定された基本優先順位と同じ優先順位(通常は4) でジョブが開始されます。基本優先順位指定子には,0〜15の整数値を指定できます。

/BLOCK_LIMIT=([下限,]上限)
/NOBLOCK_LIMIT

出力実行キューで処理できるプリント・ジョブ・サイズを制限します。 この修飾子を使用すると,ジョブのサイズによって特定のプリンタを予約できます。 パラメータは,最低1つ指定しなければなりません。

下限パラメータは, プリント・ジョブに対してキューが受け付ける最小のブロック数を示す10進数です。 下限値より少ないブロック数のプリント・ジョブがキューに登録されると, キューのブロック制限値が変更されるまでジョブは待ち状態になります。ジョブは, キューのブロックの下限値がジョブのブロック数以下に減少された後に処理されます。

上限パラメータは, プリント・ジョブに対してキューが受け付ける最大のブロック数を示す10進数です。 この値を超えるプリント・ジョブがキューに登録されている場合, キューのブロック制限値が変更されるまでジョブは待ち状態になります。 ジョブは, キューのブロックの上限値がジョブのブロック数以上に増加された後に処理されます。

ジョブの上限値だけを指定する場合は,括弧を省略できます。 たとえば,/BLOCK_LIMIT=1000は, キューの中で 1000以下のブロックを持つジョブだけが処理されます。 ジョブの下限値だけを指定するには,空文字列("")を使用して, 上限の指定子を示さなければなりません。たとえば,/BLOCK_LIMIT=(500,"")は, キューの中で 500以上のブロックを持つジョブはすべて処理されます。 下限および上限の両方を指定することもできます。たとえば, /BLOCK_LIMIT=(200,2000)は,キューの中で200未満のブロックを持つジョブと, 2001以上のブロックを持つジョブは処理されないことを意味します。

/NOBLOCK_LIMIT修飾子は, /BLOCK_LIMIT修飾子を指定してこのキューに設定していた前の設定を取り消します。

/CHARACTERISTICS=(属性[,...])
/NOCHARACTERISTICS

実行キューでジョブを処理するための属性を,1つまたは複数指定します。 ジョブに指定した属性のすべてをキューが備えていない場合, ジョブは待ち状態のままになります。 属性を1つだけ指定する場合は,括弧を省略できます。 /CHARACTERISTICS修飾子を指定するたびに,その前に設定された属性はすべて取り消されます。 この修飾子で指定した属性だけが,キューに設定されます。

キューの属性は,それぞれのシステムによって異なります。 属性パラメータは,0〜127の値,または DEFINE/CHARACTERISTICコマンドを使用して定義した属性名になります。

/NOCHARACTERISTICS修飾子は, /CHARACTERISTICS修飾子を指定してこのキューに設定していた前の設定をすべて取り消します。

/CLOSE

PRINTまたはSUBMITコマンドによって,あるいはREQUEUE操作の結果として, ジョブがキューに登録されないようにします。 ジョブを登録可能するには,/OPEN修飾子を使用します。 キューが新しいジョブ・エントリを受け付けるか否かは, キューの状態(一時停止,終了,または止められている)とは関係ありません。 キューがクローズ状態の場合,実行中のジョブは継続されます。 キューですでに待ち状態のジョブは,引き続き実行待ちになります。

/CPUDEFAULT=時間

バッチ実行キューのジョブに対する省略時の設定のCPU時間制限値を定義します。 時間には,デルタ時間,0,INFINITE,またはNONEを指定できます。 デルタ時間には,最高497日まで指定できます。

キューに時間制限値CPUMAXIMUMが指定されていない場合や, 利用者登録ファイル(UAF)に設定された値がCPU時間制限値に NONEを指定している場合は,値0またはキーワードINFINITEを使用すると, CPU時間の制限をなくすことができます。NONEを指定すると, UAFまたはSUBMITコマンドで指定した値(指定している場合) がCPU時間値の省略時の設定になります。CPU時間値は, システム・パラメータPQL_MCPULMで指定した値以上でなければなりません。

デルタ時間の指定についての説明は,『OpenVMSユーザーズ・マニュアル』, またはオンライン・ヘルプの DCL_Tips トピック (Date_Time サブトピック) を参照してください。 CPU時間制限値の指定についての詳細は,INITIALIZE/QUEUEコマンドの CPU Time Limit Specifications and Actionsの表を参照してください。

/CPUMAXIMUM=時間

このバッチ実行キューにあるすべてのジョブに対して, 省略時の設定のCPU時間制限値を定義します。 時間には,デルタ時間,0,INFINITE,またはNONEを指定できます。 デルタ時間には,最高497日まで指定できます。

キューに時間制限値CPUMAXIMUMが指定されていない場合や, UAFで設定した値が CPU時間制限値にNONEを指定している場合は, 値0またはキーワードINFINITEを使用すると, CPU時間の制限をなくすことができます。 NONEを指定すると,UAFまたはSUBMITコマンドで指定した値(指定している場合)が CPU時間値の省略時の設定になります。 CPU時間値は, システム・パラメータPQL_MCPULMで指定した値以上でなければなりません。この時間は, /CPUMAXIMUM修飾子を使用して設定したCPU時間制限を超えることはできません。 デルタ時間の指定についての詳細は,『OpenVMSユーザーズ・マニュアル』, またはオンライン・ヘルプの DCL_Tips トピック (Date_Time サブトピック) を参照してください。 CPU時間制限値の指定についての詳細は,INITIALIZE/QUEUEコマンドの CPU Time Limit Specifications and Actionsの表を参照してください。

/DEFAULT=(オプション[,...])
/NODEFAULT

PRINTコマンドの特定のオプションの省略時の値を設定します。 省略時の設定の値は,オプションのリストで指定します。 オプションを1つだけ指定する場合は,括弧を省略できます。 /DEFAULT識別子を使用してキューのオプションを設定した 後は,PRINTコマンドにそのオプションを指定する必要はありません。 PRINTコマンドでこれらのオプションを指定すると, PRINTコマンドを使用して指定した値は, /DEFAULT修飾子を使用してキューに設定した値を無効にします。

/DEFAULT修飾子および/GENERIC修飾子は同時に指定できません。

使用可能なオプションは,次のとおりです。

[NO]BURST[=キーワード] バースト・ページのバーを含む2つのファイル・フラグ・ページを, 出力の前にプリントするかどうかを制御します。値ALL(省略時の値)を指定すると, バースト・ページは,ジョブの各ファイルの前にプリントされます。 値ONEを指定すると,バースト・ページは, ジョブの最初のファイルの前に1度プリントされます。
[NO]FEED ページの最後で,自動的に改ページを行うかどうかを指定します。
[NO]FLAG[=キーワード] ファイル・フラグ・ページを,出力の前にプリントするかどうかを制御します。 値ALL(省略時の設定)を指定すると,フラグ・ページは, ジョブの各ファイルの前にプリントされます。値ONEを指定すると,フラグ・ページは, ジョブの最初のファイルの前に1度プリントされます。
FORM=タイプ 出力実行キューの省略時のプリント形式を指定します。 プリント形式を明示的に定義しないでジョブをキューに登録すると, このプリント形式がジョブの処理に使用されます。 FORMキーワードによるプリント形式タイプが明示的に指定されていない場合, システムは,プリント形式"DEFAULT"をキューに割り当てます。 /FORM_MOUNTED修飾子の説明も参照してください。
[NO]TRAILER[=keyword] 出力に続けてファイル・トレーラ・ページをプリントするかどうかを制御します。 値ALL(省略時の設定)を指定すると,トレーラ・ページは, ジョブの各ファイルの後にプリントされます。値ONEを指定すると, トレーラ・ページは,ジョブのファイルの最後に1度プリントされます。

ファイルにBURSTオプションを指定すると,[NO]FLAGオプションは, ファイルの前にプリントされる2つのフラグ・ページに対して, フラグ・ページの追加または削除を行いません。 必須のキュー・オプションの設定についての詳細は, /SEPARATE修飾子の説明を参照してください。 省略時のキュー・オプションの設定についての詳細は, 『OpenVMSシステム管理者マニュアル』を参照してください。

/DESCRIPTION=文字列
/NODESCRIPTION

オペレータからのキューについての情報を提供するための, 最大255文字の文字列を指定します。

文字列中に英小文字,ブランク,またはその他の英数字以外(スペースを含む) の文字列が含まれる場合は,文字列全体を二重引用符(" ")で囲みます。

/NODESCRIPTION修飾子は,そのキューに関連する説明をすべて削除します。

/DISABLE_SWAPPING
/NODISABLE_SWAPPING

キューから実行するバッチ・ジョブのメモリへのスワップ・イン, およびメモリからのスワップ・アウトできるかどうかを指定します。

/ENABLE_GENERIC
/NOENABLE_GENERIC

/GENERIC修飾子にキューの名前を指定していない汎用キューに登録されたファイルを, このキューに移してよいかどうかを指定します。 詳細は,/GENERIC修飾子の説明を参照してください。

/FORM_MOUNTED=タイプ

出力実行キュー用にマウントされたプリント形式を指定します。

プリント形式タイプを明示的に指定しない場合, システムは,"DEFAULT" のプリント形式をキューに割り当てます。

マウントされたプリント形式のストックが省略時の設定のプリント形式のストックに一致しない場合は, /DEFAULT=FORM修飾子に示されるように, プリント形式を明示的に定義しないでこのキューに登録されたジョブはすべて待ち状態になります。 そしてその状態は,このキューのマウントされたプリント形式のストックが, ジョブに対応したプリント形式のストックと一致するまで続きます。

プリント形式を明示的に指定してジョブがキューに登録され, 明示的なプリント形式のストックがマウントされたプリント形式のストックと一致しない場合は, このジョブは待ち状態になります。 そしてその状態は,このキューのマウントされたプリント形式のストックが, ジョブに対応したプリント形式のストックと一致するまで続きます。

プリント形式のタイプを指定するには, DEFINE/FORMコマンドで定義した数値またはプリント形式名を使用します。 プリント形式のタイプは,それぞれのシステムによって異なります。 /FORM_MOUNTED修飾子と/GENERIC修飾子は同時に使用できません。

/FORWARD=n

現在処理中のジョブで現在のファイルのプリントを再開する前に, 指定したページ数だけ用紙を送ります。省略時の設定の値は1です。 ページ値を省略すると,プリントは次のページの上端から再開します。 この修飾子は,一時停止状態の出力実行キューを再起動する場合にだけ使用します。

/GENERIC[=(キュー名[,...])]
/NOGENERIC

汎用キューを指定します。 このキューに置かれたジョブを互換性のある実行キューへ移動して処理できることも指定します。 /GENERIC修飾子には,ターゲット・キューとして, 既にある実行キューの名前(複数可)を指定することができます。 汎用バッチ・キューの場合は,これらのターゲット・キューは, バッチ実行キューでなければなりません。汎用出力キューの場合は, これらのターゲット・キューは,出力実行キューでなければなりませんが, どのようなタイプ(プリンタ,サーバ,または端末)でもかまいません。たとえば, 汎用出力キューのターゲットにプリント・キューと端末キューといった種類の違う出力キューを指定したとしても, 両方にジョブを転送できます。

汎用キューのターゲット・ノードのリストを変更するには, /GENERIC修飾子を使用します。 キューは,INITIALIZE/QUEUE/GENERICコマンドを使用して, 汎用キューとして初期化されていなければなりません。

/GENERIC修飾子を使用してターゲット実行キューを指定しない場合,ジョブは, /ENABLE_GENERIC修飾子で初期化されていて,かつ, 汎用キューと同じタイプ(バッチまたは出力)の実行キューのすべてに移動できます。

キューを汎用バッチ・キューまたは出力キューとして定義するには, /GENERIC修飾子と同時に,/BATCH修飾子または/DEVICE修飾子を使用します。 汎用キューを作成する際に, /BATCH修飾子および/DEVICE修飾子のいずれも指定しないと,省略時の設定により, キューは汎用プリント・キューになります。

/JOB_LIMIT=n

キューから同時に実行できるバッチ・ジョブの数を指定します。 0〜255の値を指定します。

/LIBRARY=ファイル名
/NOLIBRARY

装置制御ライブラリのファイル名を指定します。出力実行キューを初期化する場合には, /LIBRARY修飾子を使用すると,代わりの装置制御ライブラリを指定できます。 /LIBRARY修飾子のパラメータには,ファイル名だけを指定することができます。 システムは常に,そのファイルがSYS$LIBRARYに置かれていて, そのファイル・タイプがTLBであると仮定します。

/NEXT

現在中断されているプリント・ジョブを強制終了して, キューにある最初の待ち状態のジョブから処理を開始します。 この修飾子は,一時停止状態の出力実行キューを再起動する場合にだけ使用します。

/NO_INITIAL_FF
/NONO_INITIAL_FF (省略時の設定)

キューを起動する時に, プリンタ・デバイスにフォーム・フィードを送るかどうかを指定します。 初期フォーム・フィードを抑止するには,/NI_INITIAL_FF修飾子を指定します。

/NONO_INITIAL_FF修飾子を指定すると,出力装置にフォーム・フィードが送られ, 紙の一番上から印刷が開始されます。

/ON=[ノード::]装置[:] (プリンタ,端末,サーバ・キュー)
/ON=ノード:: (バッチ・キュー)

この実行キューを置くノードまたは装置,あるいはその両方を指定します。 バッチ実行キューの場合は,ノード名だけを指定できます。 出力実行キューの場合は,ノード名と装置名の両方を指定できます。

ノード名はVAXclusterシステムだけで使用されます。このノード名は, キューが実行されるVAXコンピュータのシステム・パラメータSCSNODE によって指定されたノード名と一致していなければなりません。

/ON修飾子は,/AUTOSTART_ON修飾子または/GENERIC修飾子と同時に使用できません。 ただし,/AUTOSTART_ON修飾子を使用して,既に作成または起動していたキューには, /ON修飾子を指定できます。これを行うと,/AUTOSTART_ON修飾子が変更され, キューが非自動起動キューになります。

/OPEN

PRINTまたはSUBMITコマンドによって,あるいはREQUEUE操作の結果として, ジョブをキューに登録できます。 ジョブがキューに登録されないようにするには,/CLOSE修飾子を使用します。 キューが新しいジョブ・エントリを受け付けるか否かは, キューの状態(一時停止,終了,または止められている)とは関係ありません。

/OWNER_UIC=uic

そのキューへの管理(M)アクセス権が必要です。

キューの利用者識別コード(UIC)を変更します。『OpenVMSユーザーズ・マニュアル』 の説明に従って,標準形式を使用してUICを指定します。

/PROCESSOR=ファイル名
/NOPROCESSOR

キューが初期化されたファイルのファイル名を変更するには, OPER(オペレータ)特権が必要です。

出力実行キューに標準以外のプリント・シンビオントを指定できます。 /PROCESSOR修飾子のパラメータには, 任意の有効なファイル名を指定することができます。システムは, 装置およびディレクトリ名の SYS$SYSTEM とファイル・タイプEXEを追加します。 出力キューにこの修飾子を使用すると,実行するシンビオント・イメージは SYS$SYSTEM:filename.EXE になります。

省略時の設定では,SYS$SYSTEM:PRTSMB.EXE が, 出力実行キューに対応したシンビオント・イメージです。

/NOPROCESSOR修飾子を指定すると, /PROCESSOR修飾子を使用して設定した前の設定はすべて取り消され, SYS$SYSTEM:PRTSMB.EXEが使用されます。

/PROTECTION=(所有権[:アクセス],...)

OPER(オペレータ)特権, またはキューへの制御(C)および実行(E)アクセス権が必要です。

キューの保護を指定します。

保護コードを1つだけ指定する場合は,括弧を省略できます。

保護コードの指定についての詳細は,『OpenVMS Guide to System Security』 を参照してください。 利用者識別コードに基づいた保護によるキュー操作の制御についての詳細は, 『OpenVMSシステム管理者マニュアル』を参照してください。

/RECORD_BLOCKING
/NORECORD_BLOCKING

シンビオントが出力装置へ転送する出力レコードを連結(ブロック化) できるかどうかを決めます。 /NORECORD_BLOCKING修飾子を指定すると,シンビオントは, 入出力要求ごとに各レコードを出力装置に送信します。 標準のOpenVMSプリント・シンビオントの場合は,レコードをブロック化すれば, シングル・レコード・モードよりも性能を大幅に向上させることができます。

/RETAIN[=オプション]
/NORETAIN

ジョブを実行した後に,それらを保持状態でキューに保留します。 /NORETAIN修飾子を使用すると,そのキューを省略時の設定に再設定できます。 使用可能なオプションは,次のとおりです。

ALL 実行後,キューのジョブをすべて保留します。
ERROR 正常に終了できなかったジョブだけを保留します。

PRINT,SUBMIT,またはSET ENTRYコマンドに/RETAIN修飾子を指定すると, ジョブに対するジョブ保持オプションを要求できます。 ただし,キューに指定したジョブ保持オプションは, そのキューに要求されたすべてのジョブの保持オプションを無効にします。

/SCHEDULE=[NO]SIZE

出力キューで待ち状態にあるジョブが, ジョブのサイズに基づいてプリント・キューにスケジューリングされるかどうかを指定します。 /SCHEDULE=SIZE修飾子が有効な場合は, 小さいジョブから大きいジョブの順にプリントされます。 /SCHEDULE=NOSIZE修飾子が有効な場合には,ジョブはサイズに関係なく, キューに登録された順序でプリントされます。

キューのいずれかに待ち状態のジョブがあるときにこのコマンドを実行すると, その後のジョブの順序は予測できなくなります。

/SEARCH="検索文字列"

指定した文字列を含むページからプリントを再開するように指定します。 文字列の検索は順方向に行われ,現在のページの次のページから開始されます。 検索の間,連続するタブとスペースは単一のスペースとみなされ, 大文字小文字の区別はありません。 検索文字列には1〜63文字の文字列を指定します。 また,文字列全体を二重引用符(" ")で囲みます。 この修飾子は,一時停止状態の出力実行キューを再起動する場合にだけ使用します。

/SEPARATE=(オプション[,...])
/NOSEPARATE

出力実行キューに必須のキュー・オプションまたはジョブ区切りオプションを指定します。 ジョブ区切りオプションは,PRINTコマンドでは変更できません。

/SEPARATE修飾子と/GENERIC修飾子は同時に使用できません。

ジョブの区切りに関するオプション次のとおりです。

[NO]BURST バースト・ページのバーを含む2つのジョブ・フラグ・ページを, 各ジョブの先頭にプリントするかどうかを指定します。
[NO]FLAG ジョブのフラグ・ページを各ジョブの先頭にプリントするかどうかを指定します。
[NO]TRAILER ジョブのトレーラ・ページを各ジョブの末尾にプリントするかどうかを指定します。
[NO]RESET=(モジュール[,...]) このキューで使用するジョブ・リセット・シーケンスを装置制御ライブラリの中から指定します。 指定されたモジュールが装置制御ライブラリから取り出されて, 各ジョブの終わりに装置をリセットします。 リセット動作はファイル・トレーラの後とジョブ・コントローラの前に行われます。 したがって,ジョブの区切りのためのページはすべて, 装置がリセット状態においてプリントされることになります。

/SEPARATE=BURSTを指定すると,[NO]FLAG区切りオプションは, ジョブの前にプリントされる2つのフラグ・ページに対して, フラグ・ページの追加(または削除)を行いません。

変更できるキュー・オプションの設定についての詳細は, /DEFAULT修飾子の説明を参照してください。

必須のキュー・オプションの指定についての詳細は, 『OpenVMSシステム管理者マニュアル』を参照してください。

/TOP_OF_FILE

出力実行キューが一時停止したときに処理中であったファイルの先頭から, プリントを再開します。 この修飾子は,一時停止状態の出力実行キューを再起動する場合にだけ使用します。

/WSDEFAULT=n

バッチ・ジョブに対して,ワーキング・セットの省略時の設定の値, つまりジョブが使用できる物理ページ数の省略時の設定の値を定義します。 この修飾子を指定すると,UAFに指定された値は使用されず,修飾子の値が使用されます。

この修飾子は,出力実行キューにも指定できます。 その場合,シンビオント・プロセスが作成されるときに,/WSDEFAULT修飾子が, 実行キューのシンビオント・プロセスに対するワーキング・セットの省略時の値を設定します。

Alphaシステムの場合はページレット単位(1ページレットは512バイト)で, VAXの場合はページ単位(1ページは512バイト)で,nの値を指定します。 オペレーティング・システムは,この値は,内部でページ単位に切り上げられるため (1ページの大きさは,CPUによって異なることがあります),Alphaシステムでは, 実際に使用できる物理メモリの量は指定したものより大きくなることがあります。

値0またはNONEを指定すると,UAFまたはSUBMITコマンドで指定した値がワーキング・ セットの省略時の設定の値になります。

ワーキング・セットの省略時の設定によるバッチ・ジョブの影響についての詳細は, 表 18-8を参照してください。

/WSEXTENT=n

バッチ・ジョブに対して,ワーキング・セット超過値, つまりジョブが使用できる物理メモリの最大値を定義します。 ジョブは,システムに未使用ページが余っている場合にだけ, 物理メモリの最大値を使用します。この修飾子を指定すると, UAFに指定された値は使用されず,修飾子の値が使用されます。

この修飾子は,出力実行キューにも指定できます。 その場合,シンビオント・プロセスが作成されるときに,/WSEXTENT修飾子が, 出力実行キューのシンビオント・プロセスに対するワーキング・セットの省略時の値を設定します。

Alphaシステムの場合はページレット単位(1ページレットは512バイト)で, VAXシステムの場合はページ単位(1ページは512バイト)で,nの値を指定します。 オペレーティング・システムは,この値は,内部でページ単位に切り上げられるため (1ページの大きさは,CPUによって異なることがあります),Alphaシステムでは, 実際に使用できる物理メモリの量は指定したものより大きくなることがあります。

値0またはNONEを指定すると,UAFまたは SUBMITコマンドで指定した値がワーキング・セットの省略時の設定の値になります。

ワーキング・セット超過値によるバッチ・ジョブの影響についての詳細は, 表 18-8を参照してください。

/WSQUOTA=n

バッチ・ジョブに対して,ワーキング・セット制限値, つまりジョブに対して保証される物理メモリの量を定義します。 この修飾子を指定すると, UAFに指定された値は使用されず,修飾子の値が使用されます。

この修飾子は,出力実行キューにも指定できます。 その場合,シンビオント・プロセスが作成されるときに,/WSQUOTA修飾子が, 出力実行キューのシンビオント・プロセスに対するワーキング・セットの省略時の値を設定します。

OpenVMS Alphaの場合はページレット単位(1ページレットは512バイト)で, OpenVMS VAXの場合はページ単位(1ページは512バイト)で,nの値を指定します。 オペレーティング・システムは,この値は,内部でページ単位に切り上げられるため (1ページの大きさはCPUによって異なることがあります),Alphaシステムでは, 実際に使用できる物理メモリ量は指定したものより大きくなる可能性があります。

値0またはNONEを指定すると,UAFまたはSUBMITコマンドで指定した値 (指定している場合)がワーキング・セット制限値の省略時の設定になります。

ワーキング・セットの省略時の設定の値,ワーキング・セット制限値, およびワーキング・セット超過値は, UAFシステムの各ユーザ・レコードに含まれています。キュー中の各ジョブに対して, またはすべてのジョブに対して,ワーキング・セット値を指定できます。 ワーキング・セット・サイズとワーキング・セット制限値を含むさまざまな組み合わせの指定, およびその処理を, 表 18-8に示します。

表 18-8 ワーキング・セットの省略時の設定,超過値,および制限値の決定

SUBMITコマンドによって指定される値 キューに指定される値 処理
No No UAF値を使用します。
No Yes キューの値を使用します。
Yes Yes 2つの値のうち小さい方を使用します。
Yes No 指定した値とUAFを比較して,小さい方を使用します。

  1. $ STOP/QUEUE  LPA0
    $ START/QUEUE/TOP_OF_FILE  LPA0
    
    この例でSTOP/QUEUEコマンドは, プリント・キューLPA0で現在実行中のジョブを中断して, そのキューを一時停止状態にします。 START/QUEUEコマンドは,そのキューを一時停止状態から解除します。 /TOP_OF_FILE修飾子を指定しているので,中断されたジョブは, 割り込まれた箇所ではなくファイルの先頭からプリントを再開します。

  2. $ INITIALIZE/QUEUE  LPA0
       .
       .
       .
    $ START/QUEUE/DEFAULT=FLAG  LPA0
    
    この例でINITIALIZE/QUEUEコマンドは,LPA0という名前のキューを初期化します。 その後,START/QUEUEコマンドを使用して,このキューを起動します。 /DEFAULT修飾子を指定しているので, 各ジョブのそれぞれのファイルの先頭にフラグ・ページが付きます。

  3. $ START/QUEUE/DEFAULT=FORM=LN01_PORTRAIT LN01_PRINT
    
    この例でSTART/QUEUEコマンドは,省略時の設定のプリント形式LN01_PORTRAITで LN01_PRINTキューを再起動します。

  4. $ INITIALIZE/QUEUE/START/GENERIC=(A,B)  MYQUEUE
    .
    .  [new printers X and Y are brought in at a later date]
    .
    $ STOP/QUEUE/NEXT MYQUEUE
    $ START/QUEUE/GENERIC=(X,Y) MYQUEUE
    
    この例では,汎用キュー用のターゲット・ノードのリストを変更します。 なお,このキューは,以前に汎用キューとして初期化されています。


START/QUEUE/MANAGER

クラスタ全体のキュー・マネージャを起動し, キュー・マネージャのキュー・データベース・ファイルをオープンします。 /QUEUE修飾子はオプションですが,/MANAGER修飾子は必須です。

省略時の設定では,このコマンドは省略時のキュー・マネージャ (SYS$QUEUE_MANAGER)に影響を与えます。 省略時のキュー・マネージャ以外のキュー・マネージャを起動するには, /NAME_OF_MANAGER修飾子を指定します。

詳細は,『OpenVMSシステム管理者マニュアル』 のキュー・マネージャに関する章を参照してください。

OPER(オペレータ)およびSYSNAM(システム論理名)特権が必要です。

フォーマット

     START/QUEUE/MANAGER  [ディレクトリ指定] 

パラメータ

ディレクトリ指定

システム・キューと, キュー・データベースのジャーナル・ファイルを含むディレクトリを指定します。 キュー・ファイルのファイル・タイプはQMAN$QUEUESで, これにはキュー定義が含まれています。 ジャーナル・ファイルのファイル・タイプは QMAN$JOURNAL で, これにはジョブおよびその他の情報が含まれています。 システムが予期せずに停止した場合は, キュー・マネージャはジャーナル・ファイル内のジョブおよびその他の情報を使用して, 最後の既知状態に戻ります。 これらのファイルは,同一ディレクトリ内になければなりません。

キュー・ファイルおよびジャーナル・ファイルの, 省略時の位置はSYS$COMMON:[SYSEXE]です。 これ以外の位置を指定する場合は, オプションのディレクトリ指定パラメータを指定します。 ディレクトリ指定には, 少なくとも装置名とディレクトリ名は指定しなければなりません。 アスタリスク(*)およびパーセント記号(%)ワイルドカード文字は使用できません。

ここで指定するディレクトリは, キュー・マネージャを実行するすべてのノードで使用できなければいけません。 ディレクトリ指定が隠し論理名の場合は, クラスタ内のすべてのノードで同様に定義されていなければなりません。

キュー・ファイルととジャーナル・ファイルの位置は, キュー・データベースのマスタ・ファイルに格納されます。 後続の START/QUEUE/MANAGERコマンドでは, ディレクトリ位置を再度指定する必要はありません。

キュー・データベース・ファルの位置の変更についての詳細は, 『OpenVMS システム管理者マニュアル』 のキュー・マネージャに関する章を参照してください。

説明

START/QUEUE/MANAGERコマンドは,次のように使用します。

キュー・マネージャが省略時の位置以外の位置にあり, 複数のシステム・ディスクを持つOpenVMS Cluster環境の場合は, 論理名QMAN$MASTERを定義する必要があります。 詳細は,『OpenVMSシステム管理者マニュアル』 のキュー・マネージャとキュー・データベースに関する章を参照してください。

START/QUEUE/MANAGERコマンドを入力してもキュー・マネージャが起動しない場合は, 次のメッセージが表示されます。

     %JBC-E-QMANNOTSTARTED, queue manager could not be started

このメッセージが表示された場合は,オペレータ・ログ・ファイル SYS$MANAGER:OPERATOR.LOGを探してください (またはオペレータのコンソールを見てください)。 これには,問題についての情報に対してファシリティ QUEUE_MANAGE および JOB_CONTROL からのメッセージが含まれています。 たとえば,次のコマンドを入力します。

     $ SEARCH SYS$MANAGER:OPERATOR.LOG /WINDOW=5 QUEUE_MANAGE,JOB_CONTROL

修飾子

/ADD

既存のキュー・データベースに, キュー・マネージャを作成して追加することを指定します。 既存のキュー・マネージャを指定した場合は,この要求は無視されます。

/NAME_OF_MANAGER=名前

省略時の設定以外のキュー・マネージャを作成します。 31文字までの論理名を指定します。 ここで指定した名前は,キュー・マネージャ・プロセスの識別子, および管理するデータベースの一部として使用されます。

/NEW_VERSION
/NONEW_VERSION (省略時の設定)

キュー・データベースの新しい(空の)バージョンを指定します。 キュー・システムを最初に作成し起動する時は,この修飾子は必須です。

この修飾子で既存のキュー・データベースを指定した場合は, 既存のマスタ・ファイルとキュー・ファイルは, キュー・データベースの新しいマスタ・ファイルとキュー・ファイルに置き換えられます。 ただし,既存のキュー・データベースのジャーナル・ファイルは削除されます。 ジョブおよびその他の情報は失われます。

/ON=(ノード[,...])

OpenVMS Cluster環境において, クラスタ全体で有効なキュー・マネージャを実行するノードを指定します。 省略時のノード・リストは,アスタリスク(*)です。 キュー・マネージャを実行しているノードがクラスタからはずされた場合は, キュー・マネージャは, クラスタ内の使用可能なノードに自動的にフェールオーバできます。 ただし,キュー・マネージャを実行するノードに順序を指定したり, キュー・マネージャを実行するノードを制限したい場合は, /ON修飾子を指定する必要があります。

ユーザが指定したノード・リストは,キュー・データベースに格納されます。 START/QUEUE/MANAGERコマンドが入力されても, /NEW_VERSION修飾子や /ON修飾子が指定されない場合は, キュー・データベースに格納された/ONリストは変更されません。

可用性を高めるために, ノード・リストの最後にはアスタリスク(*)を指定してください。 これにより,リストに指定されていない他のノードでも, 任意の順序でキュー・マネージャを実行することができます。 ノード・リストの最後にアスタリスク(*)を指定しない場合は, リストに指定したノードが使用可能な時のみ, キュー・マネージャはフェールオーバできます。 ただしキュー・マネージャを実行するノードを制限したい場合はアスタリスク(*) は使用できません。 ノード名の一部に,アスタリスク(*)ワイルドカード文字を使用することはできません。

(/ON修飾子の有無に関わらず)START/QUEUE/MANAGERコマンドを入力すると, ジョブ・コントローラは,現在または以前に /ON修飾子でキュー・マネージャ・ノードが指定されたかどうかを確認します。 ノードを指定していて, リストの最初のノード以外のノードでキュー・マネージャが実行されている場合は, キュー・マネージャ・プロセスは現在のノードから移動し, リストで最初の使用可能なノードで再起動されます。この間も,キューは停止しません。 システムへのすべての要求(たとえばPRINT,SUBMIT,SHOW ENTRY要求)は, 正常に終了します。

  1. $ START/QUEUE/MANAGER/NEW_VERSION
    $ SHOW QUEUE
    %JBC-E-NOSUCHQUE, no such queue
    
    この例の START/QUEUE/MANAGERコマンドは,キュー・マネージャを起動し, 省略時の位置SYS$COMMON:[SYSEXE] にキュー・ファイルとジャーナル・ファイルを作成します。 キュー・マネージャを実行できるノード・リストには, 省略時の値であるアスタリスク(*)を使用しているので, キュー・マネージャはクラスタ内で使用可能な他のノードへフェールオーバすることができます。

    /NAME_OF_MANAGER修飾子が指定されていないので, このコマンドは省略時のキュー・マネージャ SYS$QUEUE_MANAGER を起動します。

    SYS$COMMON:[SYSEXE]の位置,および /ON修飾子に指定したアスタリスクは, キュー・データベースに格納されます。 新しく作成したキュー・データベースには,キューやジョブはありません。 SHOW QUEUEコマンドは,このクラスタではキューが定義されていないことを示します。

  2. $ START/QUEUE/MANAGER/NEW_VERSION -
    _$ /ON=(SATURN,VENUS,NEPTUN,*) DUA5:[SYSQUE]
    
    この例のSTART/QUEUE/MANAGERコマンドは, クラスタ全体でアクセスできるディスク・ボリュームDUA5上の, ディレクトリSYSQUEにキュー・ファイルとジャーナル・ファイルを作成します。 START/QUEUE/MANAGERコマンドを入力する前に, ディスクをマウントしておかなければなりません。

    /ON修飾子は, キュー・マネージャを最初にノードSATURNで実行することを指定しています。 SATURNがクラスタからはずされた場合は, キュー・マネージャはVENUSにフェールオーバしようとします。 VENUSが使用できない場合は,キュー・マネージャは NEPTUNにフェールオーバしようとします。NEPTUNも使用できない場合は, キュー・マネージャはクラスタ内の使用可能な任意のノードにフェールオーバします。

  3. $ START/QUEUE/MANAGER/NEW_VERSION -
    _$ /ON=(SATURN,VENUS,NEPTUN,*) DUA5:[SYSQUE])
       .
       .
       .
    $ START/QUEUE/MANAGER
    
    この例のSTART/QUEUE/MANAGERコマンドは, 前出の例で示すようにキュー・データベースを作成します。 キュー・マネージャがノードSATURNで起動されたと仮定します。

    SATURNがクラスタから削除されると, キュー・マネージャはノードVENUSにフェールオーバします。 SATURNが再度クラスタに追加された場合は, この例の2番目の START/QUEUE/MANAGERコマンドを入力して, キュー・マネージャをSATURNに移動させます。

    2番目のSTART/QUEUE/MANAGERコマンドでは,DUA5:[SYSQUE]パラメータや, /ON修飾子でノード・リストを指定しません。これは, キュー・データベースには,以前に指定したこれらの情報が格納されているからです。 キュー・マネージャは, データベースに格納されている位置のキュー・ファイルやジャーナル・ファイルを使用します。 最初のSTART/QUEUE/MANAGERにより格納された/ONリストは,変更されません。

  4. $ START/QUEUE/MANAGER DUA4:[SYSQUE]
    %JBC-E-QMANNOTSTARTED, queue manager could not be started
    $ SEARCH SYS$MANAGER:OPERATOR.LOG /WINDOW=5 QUEUE_MANAGE,JOB_CONTROL
    %%%%%%%%%%%  OPCOM  14-DEC-1998 18:55:18.23  %%%%%%%%%%%
    Message from user QUEUE_MANAGE on QMUNGR
    %QMAN-E-OPENERR, error opening DUA4:[SYSQUE]SYS$QUEUE_MANAGER.QMAN$QUEUES;
    
    %%%%%%%%%%%  OPCOM  14-DEC-1998 18:55:18.29  %%%%%%%%%%%
    Message from user QUEUE_MANAGE on QMUNGR
    -RMS-F-DEV, error in device name or inappropriate device type for operation
    
    %%%%%%%%%%%  OPCOM  14-DEC-1998 18:55:18.31  %%%%%%%%%%%
    Message from user QUEUE_MANAGE on QMUNGR
    -SYSTEM-W-NOSUCHDEV, no such device available
    $ START/QUEUE/MANAGER DUA5:[SYSQUE]
    
    この例の最初の START/QUEUE/MANAGERコマンドは, キュー・ファイルおよびジャーナル・ファイルの位置として装置DUA4を指定します。 キュー・マネージャが起動されないことを示すエラー・メッセージが表示されます。 SEARCHコマンドでメッセージを含むオペレータ・ログ・ファイルを検索し, 装置DUA4は存在しないことが分かりました。 2番目のSTART/QUEUE/MANAGERコマンドは,正しい装置名DUA5を指定しています。


START/ZONE

実行中のVAXftシステムにゾーンを追加します。 START/ZONEコマンドについての詳細は,VAXftシステムのドキュメントを参照してください。

VAXftシステムに対してのみ適用されます。 CMKRNL(モードをカーネルに変更)特権が必要です。

フォーマット

     START/ZONE 


STOP

コマンド,イメージ,コマンド・プロシージャ, Ctrl/Yによって割り込まれたコマンド・プロシージャ,独立プロセス, または独立サブプロセスの実行を終了します。

同じグループ内の他のプロセスを終了するには,GROUP特権が必要です。 グループ外のプロセスを終了するには,WORLD特権が必要です。

フォーマット

     STOP  [プロセス名] 

パラメータ

プロセス名

削除したいプロセスと同じグループに属していなければなりません。

削除するプロセス名を指定します。プロセス名には,1〜15文字の英数字を指定します。 プロセス名にスペース文字や小文字が含まれている場合は, プロセス名全体を二重引用符(" ")で囲みます。

指定した利用者識別コード(UIC)のグループ番号は, 現在のプロセスと同じでなければなりません。 プロセス名パラメータを使用して, グループ外のプロセスを終了することはできません。 グループ外のプロセスを終了するには, /IDENTIFICATION=pid修飾子を使用する必要があります。

プロセス名は,/IDENTIFICATION修飾子と同時に指定することはできません。 /IDENTIFICATION修飾子を使用すると,プロセス名は無視されます。 STOPコマンドに,プロセス名パラメータと /IDENTIFICATION修飾子のどちらも指定しない場合は, 現在のプロセスで実行しているイメージが終了します。

説明

STOPコマンドを実行すると,現在実行中のイメージは異常終了します。 現在実行中のイメージが終了処理ルーチンを宣言している場合, それらには制御が渡りません。終了処理ルーチンが実行されるようにするには, EXITコマンドを使用してイメージを終了します。

Ctrl/Yを使用してあるイメージに割り込み, RUNコマンドで別のイメージを実行した場合,割り込まれたイメージは終了します。 ただし,この場合は,終了処理ルーチンが実行された後に次のイメージが実行されます。

STOPコマンドが,(バッチ・ジョブなど)非会話型プロセスから実行された場合, そのプロセスは終了します。

Ctrl/Yを押してコマンド・プロシージャに割り込んだ後にSTOPコマンドを実行するか, またはコマンド・プロシージャ内でSTOPコマンドを実行した場合は, すべてのコマンド・レベルがスタック解除され, 制御はコマンド・レベル0 ($プロンプトを表示するDCLレベル)に戻ります。

プロセス名またはプロセス識別(PID)コードを指定すると,STOPコマンドは, 指定したプロセス内で現在実行中のイメージを終了し,そのプロセスを削除します。 プロセスが非会話型の場合,削除は通知されず, そのジョブのログ・ファイルも出力されません。

修飾子

/IDENTIFICATION=pid

システムによって割り当てられたプロセス識別(PID)コードを指定します。 RUNコマンドを使用してプロセスを作成する場合に,RUNコマンドは, 新しく作成したプロセスのPIDコードを表示します。 この/IDENTIFICATION修飾子は, プロセス名パラメータの代わりに使用することもできます。

PIDコードを指定する場合に,先行の0は省略できます。

  1. $ RUN MYPROG
       .
       .
       .
    [Ctrl/Y]
    
    Interrupt
    $ STOP
    
    この例でRUNコマンドは,MYPROGイメージの実行を開始します。 次に,Ctrl/Yがこの実行に割り込みます。 その後,STOPコマンドがこのイメージを終了させます。

  2. $ @TESTALL
       .
       .
       .
    
    [Ctrl/Y]
    
    Interrupt
    $ STOP
    
    この例で@(実行プロシージャ)コマンドは, コマンド・プロシージャTESTALL.COMを実行します。 次に,Ctrl/Yがこのプロシージャに割り込みます。 その後,STOPコマンドが,DCLコマンド・インタプリタに制御を戻します。

  3. $ RUN/PROCESS_NAME=LIBRA  LIBRA
    %RUN-S-PROC_ID, identification of created process is 0013340D
       .
       .
       .
    $ STOP LIBRA
    
    この例でRUNコマンドは, LIBRAという名前のサブプロセスを作成してLIBRA.EXEイメージを実行します。 その後,STOPコマンドがイメージを終了してプロセスを削除します。

  4. $  ON ERROR THEN STOP
       .
       .
       .
    
    コマンド・プロシージャ内では,ONコマンドを使用して, コマンドまたはプログラムの実行中にエラーが発生した場合の省略時の動作を設定します。 STOPコマンドは,コマンド・レベルをすべて終了します。 このONコマンドがあるコマンド・プロシージャ内で実行され, それが既に別のプロシージャの中からも実行されている場合, 制御は,外側のプロシージャではなくDCLコマンド・レベル0に戻ります。


STOP/CPU

1つまたは複数の指定された副プロセッサ (および対応するすべてのベクタ・プロセッサ)を終了します。/CPU修飾子は必須です。

OpenVMSマルチプロセッシング・システムにだけ適用できます。 CMKRNL(カーネルのモード変更)特権が必要です。

フォーマット

     STOP/CPU  [cpu-id[,...]] 

パラメータ

cpu-id[,...]

OpenVMSマルチプロセッシング・システムでのプロセッサのIDを表す値(10進数) を指定します。VAX 6000システムまたは Alpha 7000システムでは, プロセッサのバックプレーンにあるスロット番号がCPU IDです。 CPU IDを指定しない場合,STOP/CPUコマンドは, 現在アクティブなセットにあるプロセッサを1つ選択して終了します。

説明

STOP/CPUコマンドは, OpenVMSマルチプロセッシング・システムのアクティブなセットから副プロセッサを削除します。 STOP/CPUコマンドを実行したときに副プロセッサがプロセスを実行していない場合, 副プロセッサはSTOPPED状態になります。 STOP/CPUコマンドを実行したときに,副プロセッサがプロセスを実行している場合, 副プロセッサは現在のプロセスの実行を続けます。 そして,次のプロセスがスケジュールされようとした時に, 副プロセッサはSTOPPED状態になります。

OpenVMSオペレーティング・システムは, STOP/CPUコマンドの対象として指定したプロセッサに対して一連のチェックを実行します。 この結果,あるプロセッサがシステムの機能に不可欠であるために, プロセッサの終了が許可されない場合があります。 このような場合は,通常,システムのプロセスに, 終了しようとするプロセッサでしか実行できないものがあるはずです。 これは,SHOW CPU/FULLコマンドを実行すれば判別できます。 チェック・メカニズムをバイパスしたい特別な場合には, STOP/CPUコマンドで /OVERRIDE_CHECKS修飾子を使用します。

STOP/CPUコマンドを実行したときに, このコマンドのオブジェクト・プロセッサがすでに STOPPED状態にある場合, このコマンドは無効です。

修飾子

/ALL

システムのアクティブなセットにある選択可能な副プロセッサをすべて終了します。

/OVERRIDE_CHECKS

指定されたプロセッサをアクティブなセットから削除するのが適切かどうかを判別する一連のチェックをバイパスするよう, STOP/CPUコマンドに指示します。

  1. $ STOP/CPU
    
    この例でSTOP/CPUコマンドは,プロセッサを1つ選択して, マルチプロセッシング・システムのアクティブなセットから削除します。

  2. $ STOP/CPU 4,7
    
    この例でSTOP/CPUコマンドは,CPU ID 4および7のプロセッサを選択し, マルチプロセッシング・システムのアクティブなセットから削除します。

  3. $ STOP/CPU/OVERRIDE_CHECKS 8
    
    この例でSTOP/CPU/OVERRIDE_CHECKSコマンドは, CPU ID 8のプロセッサを無条件に終了し, マルチプロセッシング・システムのアクティブなセットから削除します。

  4. $ STOP/CPU/ALL
    
    この例でSTOP/CPU/ALLコマンドは, アクティブなセットに含まれる適切な副プロセッサをすべて終了し, マルチプロセッシング・システムから削除します。


STOP/NETWORK

ローカル・ノード上で指定したネットワーク・サービスを停止させます。 /NETWOEK修飾子は必須です。

フォーマット

     STOP/NETWORK  ネットワーク・サービス 

パラメータ

ネットワーク・サービス

停止させたいネットワーク・サービス名を指定します。

説明

STOP/NETWORKコマンドを実行すると, ローカル・ノードで実行中の指定したネットワーク・サービスが停止します。

START/NETWORKコマンドを実行すると, ネットワークの一時停止を解除し再度ネットワークを使用することができます。

  1. $ STOP/NETWORK DECnet
    
    この例のSTOP/NETWORKコマンドは,現在使用中のネットワーク・サービスを停止します。


STOP/QUEUE

指定した実行キューを一時停止させます。キューで現在処理中のジョブはすべて, キューが START/QUEUEコマンドで再起動されるまで中断され, 新しいジョブは開始されません。/QUEUE修飾子は必須です。

そのキューへの管理(M)アクセス権が必要です。

フォーマット

     STOP/QUEUE  キュー名[:] 

パラメータ

キュー名[:]

一時停止させたいキューの名前を指定します。

説明

STOP/QUEUEコマンドは,指定したキューを一時停止させます。 キューで現在処理中のジョブはすべて中断されます。 新しく開始されるジョブはありません。

キューの一時停止状態を解除するには,START/QUEUEコマンドを使用します。 キューを再起動する場合,/BACKWARD,/FORWARD,/SEARCH, または /TOP_OF_FILE修飾子を使用して, 中断したのと異なる点でプリント・ジョブを再起動しない限り, 実行されていたジョブはすべて,中断された点から再開されます。

キューの終了方法については,次の各コマンドを参照してください。

STOP/QUEUE/ABORT
STOP/QUEUE/ENTRY
STOP/QUEUE/MANAGER/CLUSTER
STOP/QUEUE/NEXT
STOP/QUEUE/REQUEUE
STOP/QUEUE/RESET
STOP/QUEUES/ON_NODE

  1. $ STOP/QUEUE LPA0
    
    この例でSTOP/QUEUEコマンドは, LPA0キューにある現在処理中のプリント・ジョブを中断して, そのキューを一時停止状態にします。

  2. $ STOP/QUEUE JADE_PRINT
    $ START/QUEUE/TOP_OF_FILE JADE_PRINT
    
    この例でSTOP/QUEUEコマンドは, プリント・キューJADE_PRINTにあって現在プリントを実行しているジョブを中断して, そのキューを一時停止状態にします。 START/QUEUEコマンドは,キューを一時停止した状態から解除します。 /TOP_OF_FILE修飾子によって,中断されたジョブは, 割り込まれた所ではなくファイルの先頭からプリントを再開します。


STOP/QUEUE/ABORT

出力キューでプリント中または処理中のジョブを強制終了してキューから削除し, そのキューで待ち状態にある最初のジョブから処理を開始します。 /QUEUE修飾子は省略できますが,/ABORT修飾子は必須です。

現在処理中のジョブへの削除(D)アクセス権が必要です。

フォーマット

     STOP/QUEUE/ABORT  キュー名[:] 

パラメータ

キュー名[:]

強制終了するジョブを含むキューの名前を指定します。

説明

プリント・ジョブを強制終了する場合は, 現在プリント中のページは最後までプリントされます。 その後,そのプリント・ジョブがキューから削除されます。 ジョブの最後にトレーラ・ページを出力するように, 出力キューが設定されている場合は, 現在のページのプリントが終了した後にトレーラ・ページがプリントされます。 バッチ・ジョブを強制終了する方法については, STOP/QUEUE/ENTRYコマンドの説明を参照してください。

現在処理中のプリント・ジョブを強制終了し,キューから削除するには, STOP/QUEUE/ABORTコマンドを使用します。 出力キューが処理できるジョブは一度に1つのみなので, /ABORT修飾子にジョブのエントリ番号は指定しません。

キューで現在実行中のバッチ・ジョブ(1つまたは複数)を強制終了し, キューから削除するには,STOP/QUEUE/ENTRYコマンドを使用します。 バッチ・ジョブを終了するには,ジョブのエントリ番号を指定する必要があります。 これは,バッチ・キューはプリント・キューと異なり, 同時に2つ以上のジョブを実行できるためです。 STOP/QUEUE/ENTRYコマンドを使用して, 現在プリント中または処理中のプリント・ジョブを強制終了して, キューから削除することもできます。

バッチ・ジョブまたはプリント・ジョブを終了し,キューに再登録するには, STOP/QUEUE/REQUEUEコマンドを使用します。 すでにキューに登録されて実行待ちの状態にあるエントリを削除するには, DELETE/ENTRYコマンドを使用します。


注意
正常に動作しないキューに対して, 誤ってSTOP/QUEUE/ABORTコマンドを実行した場合は, STOP/QUEUE/RESETコマンドを実行して,でキューを正しい順序で終了します。

  1. $ STOP/QUEUE/ABORT LPA0
    
    この例では,LPA0キューで現在処理中のプリント・ジョブを強制終了します。 プリント・シンビオントは, キューで待ち状態にある最初のジョブから処理を開始します。 プリンタに何も問題がなければ, 現在プリント中のファイルのページが最後までプリントされます。 ジョブの最後にトレーラ・ページを出力するようにプリント・キューが設定されている場合は, 現在のページのプリントが終了した後にトレーラ・ページがプリントされます。

    バッチ・キューを終了するには,エントリ番号を指定する必要があります。 バッチ・ジョブを強制終了するには,STOP/QUEUE/ENTRYコマンドを使用します。


STOP/QUEUE/ENTRY

バッチ・キューで実行中,または出力キューでプリント中の, 1つまたは複数のジョブを強制終了してキューから削除し, キューで待ち状態にある最初のジョブから処理を開始します。 /QUEUE修飾子は省略できますが,/ENTRY修飾子は必須です。

指定したジョブへの削除(D)アクセス権が必要です。

フォーマット

     STOP/QUEUE/ENTRY =(エントリ番号[,...]) [キュー名[:]] 

パラメータ

エントリ番号[,...]

削除するジョブのエントリ番号(またはエントリ番号のリスト)を指定します。 エントリ番号を1つだけ指定する場合は,括弧を省略できます。 キュー名を指定しない場合は,複数のキューからエントリを削除できます。

システムは, システム内のキューに登録されたそれぞれのプリント・ジョブおよびバッチ・ジョブに, 一意なエントリ番号を割り当てます。 省略時の設定では,PRINTおよびSUBMITコマンドは, 処理するジョブのキュー登録に成功した場合に,エントリ番号を表示します。 これらのコマンドは, 最後にキューに登録されたジョブのエントリ番号を反映させるために, $ENTRYローカル・シンボルを作成したり更新したりします。 SHOW ENTRYまたはSHOW QUEUEコマンドを実行すると, ジョブのエントリ番号を確認できます。

キュー名[:]

強制終了したいジョブを含むキューの名前を指定します。キュー名には, ジョブが登録されたキューとジョブが実行されるキューのどちらも指定できます。 キュー名パラメータは,省略できます。 しかし,キュー名を指定すると,OpenVMSシステムは, エントリを終了して削除する前に,そのエントリがキューにあるかを確認します。

説明

バッチ・ジョブを強制終了する場合に,システムは, オープンされたファイルをすべてクローズし,ログ・ファイルにメッセージを送って, 順序正しくジョブを終了しようとします。 プリント・ジョブを強制終了する方法については, STOP/QUEUE/ABORTコマンドの説明を参照してください。

キューで現在実行中のバッチ・ジョブ(1つまたは複数)を強制終了し, キューから削除するには,STOP/QUEUE/ENTRYコマンドを使用します。 バッチ・ジョブを終了するには,ジョブのエントリ番号を指定する必要があります。 これは,バッチ・キューはプリント・キューと異なり, 同時に2つ以上のジョブを実行できるためです。STOP/QUEUE/ENTRYコマンドを使用して, 現在プリント中または処理中のプリント・ジョブを強制終了して, キューから削除することもできます。

バッチ・ジョブまたはプリント・ジョブを終了し,キューに再登録するには, STOP/QUEUE/REQUEUEコマンドを使用します。 すでにキューに登録されて実行待ちの状態にあるエントリを削除するには, DELETE/ENTRYコマンドを使用します。


注意
正常に動作しないキューに対して, 誤って STOP/QUEUE/ENTRYコマンドを実行した場合は, STOP/QUEUE/RESETコマンドを実行して,キューを正しい順序で終了します。

  1. $ STOP/QUEUE/ENTRY=365 SYS$BATCH
    
    この例でSTOP/QUEUE/ENTRYコマンドは, SYS$BATCHキューで現在実行中のバッチ・ジョブ番号365のジョブを強制終了して, キューで待ち状態にある最初のジョブから処理を開始します。


STOP/QUEUE/MANAGER/CLUSTER

スタンドアロン・ノードまたは OpenVMS Cluster上にあるキュー・マネージャをシャットダウンします。 /QUEUE修飾子は省略できます。ただし,スタンドアロン・システムの場合も VMSclusterの場合も,/MANAGERおよび/CLUSTER修飾子は必須です。 省略時の設定では,このコマンドを実行すると, 省略時の設定のキュー・マネージャSYS$QUEUE_MANAGERをシャットダウンします。 SYS$QUEUE_MANAGER以外のキュー・マネージャをシャットダウンするには, /NAME_OF_MANAGER修飾子を使用して指定します。

OPER(オペレータ)特権およびSYSNAM(システム論理名)特権が必要です。

フォーマット

     STOP/QUEUE/MANAGER/CLUSTER 

説明

STOP/QUEUE/MANAGER/CLUSTERコマンドを実行すると,キュー・マネージャによって, スタンドアロン・ノードまたはクラスタ上のすべてのノードで次の操作が行われます。

いったんSTOP/QUEUE/MANAGER/CLUSTERコマンドを実行すると, シャットダウンされたキュー・マネージャ・プロセスは終了状態のままになります。 そして,キュー登録システムへの要求は, DCLコマンドSTART/QUEUE/MANAGERを実行するまで受け付けられません。

修飾子

/NAME_OF_MANAGER=名前

終了するキュー・マネージャ・プロセスの名前を指定します。 /NAME_OF_MANAGER修飾子を省略すると, 省略時の設定のキュー・マネージャ名SYS$QUEUE_MANAGERが使用されます。 詳細は,『OpenVMSシステム管理者マニュアル』 のキュー・マネージャに関する章を参照してください。

  1. $ STOP/QUEUE/MANAGER/CLUSTER
    
    この例でSTOP/QUEUE/MANAGER/CLUSTERコマンドは, キュー・マネージャ・プロセス SYS$QUEUE_MANAGER を停止します。 このプロセスは終了状態のままになり,SYS$QUEUE_MANAGERへの要求は, START/QUEUE/MANAGERコマンドを実行するまで受け付けられません。

    /NAME_OF_MANAGER修飾子が指定されていないため,このコマンドで終了するのは, 省略時の設定のキュー・マネージャSYS$QUEUE_MANAGERです。


STOP/QUEUE/NEXT

実行中のジョブの処理がすべて終了した後で,指定したキューを終了します。 新しく開始されるジョブはありません。

/QUEUE修飾子は省略できますが,/NEXT修飾子は必須です。

キューへの管理(M)アクセス権が必要です。

フォーマット

    STOP/QUEUE/NEXT  キュー名[:] 

パラメータ

キュー名[:]

終了させるキューの名前を指定します。

説明

STOP/QUEUE/NEXTコマンドは,現在処理中のジョブがすべて実行されてから, キューを終了します。新しく開始されるジョブはありません。

キューの割り当ての解除,削除,またはマージを行う場合は,その前に STOP/QUEUE/NEXTコマンドを実行してください。 これは,STOP/QUEUE/NEXTコマンドによって,キューを変更する前に, 現在実行中のすべてのジョブの処理を終了できるためです。 プリント装置の保守を実行する必要がある場合も, このコマンドを使用してキューを終了することができます。 キューを再起動するには,START/QUEUEコマンドを使用します。

自動起動キューの場合,STOP/QUEUE/NEXTコマンドはキューを終了して, 自動起動を無効にするため,キューが自動的に起動することはありません。 このため,プリント装置が予定した保守を実行する必要がある場合には, このコマンドを使用して,自動起動キューが誤って再起動しないようにできます。 キューの自動起動を再度有効にするには,START/QUEUEコマンドを使用します。

  1. $ STOP/QUEUE/NEXT LASER_PRINT
    
    この例でSTOP/QUEUE/NEXTコマンドは,LASER_PRINTキューを終了する準備をします。 現在プリント中のジョブは完了しますが,新しいジョブの開始は許可されません。 現在処理中のジョブが完了すると,キューが終了します。

    LASER_PRINTが自動起動キューの場合は, START/QUEUEコマンドを実行するまで自動的に起動することはありません。

  2. $ STOP/QUEUE/NEXT BATCH_1
    $ SHOW QUEUE/ALL BATCH_1
    Batch queue BATCH_1, stopped, on JADE::
    $ DELETE/QUEUE BATCH_1
    
    この例では,BATCH_1バッチ・キューを削除する方法を示します。 はじめに STOP/QUEUE/NEXTコマンドを実行して, キューにある現在処理中のジョブが終了した後にキューを終了します。 次に,SHOW QUEUE/ALLコマンドを実行して, キューに待ち状態のジョブがないことを確認します。 画面には,待ち状態のジョブがないと表示されています。 最後に,DELETE/QUEUEコマンドを実行して,BATCH_1キューを削除します。


STOP/QUEUE/REQUEUE

指定したキューの現在処理中のジョブを終了し, それらを後で処理するようにキューに再登録します。 キューは終了せずに,キューにある最初の待ち状態のジョブから処理が開始されます。 /QUEUE修飾子は省略できますが,/REQUEUE修飾子は必須です。 バッチ・ジョブをキューに再登録するには,/ENTRY修飾子が必要です。

現在のジョブまたは指定されたジョブへの削除(D)アクセス権が必要です。

フォーマット

  STOP/QUEUE/REQUEUE [=キュー名]キュー名[:]

  STOP/QUEUE/REQUEUE [=キュー名] /ENTRY=(エントリ番号[,...])キュー名[:] 

パラメータ

キュー名[:]

終了するジョブを含むキュー名を指定します。 /REQUEUE修飾子のパラメータにキュー名を指定すると, ジョブはそのキューへ再登録されます。 指定しない場合,ジョブは現在のキューに再登録されます。

エントリ番号[,...]

キューに再登録するジョブのエントリ番号(またはエントリ番号のリスト)を指定します。 エントリ番号を1つだけ指定する場合は,括弧を省略できます。

システムは, システム内のキューに登録されたそれぞれのプリント・ジョブおよびバッチ・ジョブに, 一意なエントリ番号を割り当てます。 省略時の設定では,PRINTおよびSUBMITコマンドは, 処理するジョブのキュー登録に成功した場合に,エントリ番号を表示します。 これらのコマンドは, 最後にキューに登録されたジョブのエントリ番号を反映させるために, $ENTRYローカル・シンボルを作成したり更新したりします。 SHOW ENTRYまたはSHOW QUEUEコマンドを実行すると, ジョブのエントリ番号を確認することができます。

説明

STOP/QUEUE/REQUEUEコマンドは,システムにジョブを後で処理するため, または指定のキューで処理するため再登録します。プリント・シンビオントが, プリント・ジョブについてのチェック・ポイント情報をジョブ・コントローラに送信していた場合には, プリント・ジョブが再開される前にSET ENTRY/NOCHECKPOINTコマンドを実行しない限り, プリント・ジョブは,記録された最後のチェック・ポイントから再開されます。 バッチ・ジョブは通常,先頭から再開されます。 ただし,SET RESTART_VALUEコマンドを指定したバッチ・ジョブは, 正常終了しなかった部分だけを実行します。

現在処理中のプリント・ジョブをキューに再登録しないで終了するには, STOP/QUEUE/ABORTコマンドを使用します。 現在処理中のバッチ・ジョブをキューに再登録しないで終了するには, STOP/QUEUE/ENTRYコマンドを使用します。STOP/QUEUE/ENTRYコマンドは, プリント・ジョブをキューに再登録しないで終了する場合にも使用できます。 キューに登録されていて,実行または処理を待機しているエントリを削除する場合は, DELETE/ENTRYコマンドを使用します。


注意
正常に動作しないキューに対して, 誤ってSTOP/QUEUE/REQUEUEコマンドを実行した場合は, STOP/QUEUE /RESETコマンドを実行して,キューを正しい順序で終了します。

修飾子

/ENTRY=(エントリ番号[,...])

強制終了する1つまたは複数のジョブのエントリ番号を指定します。 エントリ番号を1つだけ指定する場合は,括弧を省略できます。

システムは, システム内のキューに登録されたそれぞれのプリント・ジョブおよびバッチ・ジョブに, 一意なエントリ番号を割り当てます。 省略時の設定では,PRINTおよびSUBMITコマンドは, 処理するジョブのキュー登録に成功した場合に,エントリ番号を表示します。 これらのコマンドは, 最後にキューに登録されたジョブのエントリ番号を反映させるために, $ENTRYローカル・シンボルを作成したり更新したりします。 SHOW ENTRYまたはSHOW QUEUEコマンドを実行すると, ジョブのエントリ番号を確認することができます。

バッチ・ジョブに対してSTOP/QUEUE/REQUEUEコマンドを発行する場合は, /ENTRY修飾子を指定しなければなりません。指定するエントリ番号は, 実行しているジョブのエントリ番号と一致していなければなりません。

/HOLD

強制終了した1つまたは複数のジョブを保留状態にします。 SET ENTRY/RELEASEまたは SET ENTRY/NOHOLDコマンドを使用して, 後から保留状態を解除することができます。

/PRIORITY=n

優先順位の値をシステム・パラメータMAXQUEPRIの値より大きくするためには, OPER(オペレータ)またはALTPRI(特権の変更)の特権が必要です。

キューに再登録された1つまたは複数のジョブの優先順位を変更します。 パラメータnには,0〜255までの値を指定します。 nパラメータの省略時の値は, 1つまたは複数のジョブが終了したときに持っていた優先順位の値と同じです。

通常,/PRIORITY修飾子は, 1つまたは複数のジョブの優先順位を下げるために使用されます。 ジョブの優先順位を下げると,指定されたジョブは, キューに他のジョブが含まれないときに実行されます。 優先順位をMAXQUEPRIの値より低く設定する場合,特権は不要です。

/REQUEUE=[キュー名]

現在のジョブを再登録するキューを指定します。 キュー名パラメータを指定しない場合, ジョブは現在処理中のキューに再登録されます。

  1. $ STOP/QUEUE/REQUEUE=LPB0 LPA0
    
    この例では,LPA0キューで現在処理中のプリント・ジョブが終了させられ, LPB0キューに再登録されます。プリント・シンビオントによって, プリント・ジョブについてのチェック・ポイント情報がジョブ・コントローラに送信されていた場合, プリントは,LPB0の記録されている最後のチェック・ポイントから再開されます。

  2. $ STOP/QUEUE/REQUEUE/HOLD LPA0
       .
       .
       .
    $SET/ ENTRY/ 254/RELEASE
    
    この例では,LPA0の現在のプリント・ジョブが中断され,保留状態に置かれます。 後から,SET ENTRYコマンドに/RELEASE修飾子を指定して実行すると, ジョブは保留状態から解除され,LPA0キューからプリントされるように, 再度スケジューリングされます。プリント・シンビオントによって, プリント・ジョブについてのチェック・ポイント情報がジョブ・コントローラに送信されていた場合, プリントは,最後のチェック・ポイントから再開されます。

  3. $ STOP/QUEUE/REQUEUE/ENTRY=758 SYS$BATCH
    
    この例では,ジョブ番号が758のバッチ・ジョブが終了し, SYS$BATCHキューに再登録されて後から処理されます。 このバッチ・ジョブが適切な SET RESTART_VALUEコマンドを指定してプログラムされている場合, 正常終了した部分は再実行されません。


STOP/QUEUE/RESET

キューを終了させ,制御をシステムに戻します。 再起動していないジョブはただちに強制終了されます。

/QUEUE修飾子はオプションですが,/RESET修飾子は指定しなければなりません。

キューへの管理(M)アクセス権が必要です。

フォーマット

     STOP/QUEUE/RESET  キュー名[:] 

パラメータ

キュー名[:]

リセットしたいキューの名前を指定します。

説明

STOP/QUEUE/RESETコマンドを実行すると,システムがコマンドを受け取るとすぐに, そのキューは終了します。 キュー・マネージャは実行中のジョブを終了するよう要求しますが, ジョブの終了を待たず,これらのジョブは強制終了またはキューに再登録されます。 再起動できる現在実行中のジョブは,キューに再登録され処理されます。 再起動できない現在実行中のジョブは強制終了されるので, 再度キューに登録しなければなりません。 省略時の設定では,プリント・ジョブは再起動できます。 SUBMIT/RESTARTコマンドを使用していれば,バッチ・ジョブは再起動できます。 キューを再起動させるには,START/QUEUEコマンドを使用します。

自動起動キューの場合, STOP/QUEUE/RESETコマンドはキューを終了させ自動機能を無効にし, 自動的に起動させることはできなくなります。 そのため,プリンティング・デバイスに故障があり修理する時には, このコマンドを使用して自動起動キューが自動的に起動しないようにします。 自動機能キューを再度有効にするには,START/QUEUEコマンドを使用します。

  1. $ INITIALIZE/QUEUE/AUTOSTART_ON=MYNODE::LPAO/START LPA0
    $ENABLE AUTOSTART/QUEUES/ON_NODE=MYNODE
       .
       .
       .
    $STOP/QUEUE/RESET LPA0
    $START/QUEUE LPA0
    
    この例のINITIALIZE/QUEUEコマンドは, LPA0という名前の自動起動出力キューを作成します。 /START修飾子が指定されているので,キューは自動起動キューになります。 ENABLE AUTOSTART/QUEUEコマンドによりキューは実行されます。

    プリンタLPA0::の用紙がなくなった場合を考えてみます。 STOP/QUEUE/RESETコマンドでキューLPA0を終了させます。 現在実行中のジョブは止められキューに再登録されます。 またSTOP/QUEUE/RESETコマンドは,キューの自動起動を無効にします。 そのためプリンタ用紙を補充している間に,キューが再起動することはありません。

    用紙を補充しプリンタがロードされたら, START/QUEUEコマンドを実行して自動起動を有効にします。 これにより,キュー・マネージャは自動的にキューを起動することができます。

  2. $ STOP/QUEUE/RESET TEXBATCH
    
    この例のSTOP/QUEUE/RESETコマンドは,バッチ・キューTEXBATCHを終了させます。 /RESTART修飾子を指定して登録した現在実行中のジョブは, キューが再起動するとキューに再登録され処理されます。 /RESTART修飾子を指定せずに登録した現在実行中のジョブは, ユーザがキューに再登録する必要があります。


STOP/QUEUES/ON_NODE

指定したノード上のすべてのキューを終了します。 このコマンドは,1つのコマンドだけでノードのキューをまとめて終了したい (たとえば,ノードをシャットダウンする前など)が, OpenVMS Cluster全体ではキュー・マネージャを終了したくない場合に使用すると便利です。

/QUEUES修飾子は省略できますが,/ON_NODE修飾子は必須です。

OPER(オペレータ)特権が必要です。

フォーマット

     STOP/QUEUES/ON_NODE[=ノード] 

説明

STOP/QUEUES/ON_NODEコマンドは, 次のタスクを実行するようにキュー・マネージャに通知します。

省略時の設定では,このコマンドは,コマンドを入力したノードに対して作用します。 異なるノードのキューを終了するには,/ON_NODE修飾子でノード名を指定します。

省略時の設定では,このコマンドは,省略時の設定のキュー・マネージャ SYS$QUEUE_MANAGERによって管理されている自動起動キューに作用します。 /NAME_OF_MANAGER修飾子を使用すると, (そのノードにある)別のキュー・マネージャの自動起動キューの自動起動を禁止します。

STOP/QUEUES/ON_NODEコマンドは,キュー・マネージャによって管理されている, 該当するノードのすべての自動起動と非自動機能の実行キューに作用します。 このコマンドによって終了した自動起動キューは自動起動が有効のままとなり, 作用されるノード,またはキューをフェールオーバできるノードで ENABLE AUTOSTARTコマンドが実行されると再起動します。 このコマンドによって終了した自動起動しないキューはそれぞれ, キュー名を指定したSTART/QUEUEコマンドで起動しなければなりません。

自動起動キューを使用している場合は, DISABLE AUTOSTART/QUEUESコマンドも実行します。 DISABLE AUTOSTART/QUEUESとSTOP/QUEUES/ON_NODEの関係についての詳細は, 『OpenVMSシステム管理者マニュアル』のキューに関する章の, システムをシャットダウンする前のキューの終了の節を参照してください。

STOP/QUEUES/ON_NODEコマンドは, シャットダウン・コマンド・プロシージャSYS$SYSTEM:SHUTDOWN.COMに含まれています。 SHUTDOWN.COMを使用しないでノードをシャットダウンする場合は, はじめにSTOP/QUEUES/ON_ NODEコマンドを実行します。 ノードをシャットダウンする前のキューの終了についての詳細は, 『OpenVMSシステム管理者マニュアル』のキューに関する章を参照してください。

修飾子

/NAME_OF_MANAGER=名前

キューを制御しているキュー・マネージャで終了させるものの名前を指定します。

/NAME_OF_MANAGER修飾子を省略すると, 省略時の設定のキュー・マネージャSYS$QUEUE_MANAGERが使用されます。 複数のキュー・マネージャについての詳細は,『OpenVMSシステム管理者マニュアル』 のキュー・マネージャに関する章を参照してください。

  1. $ STOP/QUEUES/ON_NODE
    
    この例でSTOP/QUEUES/ON_NODEコマンドは, コマンドを発行したノードのキューをすべて終了します。 自動起動機能は,このノードのすべての自動起動キューに対して禁止されます。

    だだし,キュー・マネージャ・プロセスは実行を続けて, OpenVMS Clusterにある他のノードの終了していないキューにある, 実行を要求されているジョブをスケジューリングします。

    /NAME_OF_MANAGER修飾子が指定されていないため,このコマンドは, 省略時の設定のキュー・マネージャSYS$QUEUE_MANAGER によって管理されるキューにだけ作用します。

  2. $INITIALIZE/QUEUE-
    _$/AUTOSTART_ON=(JADE::,RUBY::,OPAL::)/BATCH/START BATCH_1
    $ENABLE AUTOSTART/QUEUES/ON_NODE=JADE
    $ENABLE AUTOSTART/QUEUES/ON_NODE=RUBY
       .
       .
       .
    $ STOP/QUEUES/ON_NODE=JADE
    $ SHOW QUEUE BATCH_1
    Batch queue BATCH_1, idle, on RUBY::
    
    この例でINITIALIZE/QUEUEコマンドは,ノードJADE,RUBY, またはOPALで実行できる自動起動キューBATCH_1を作成します。 /START修飾子は,このキューの自動起動を有効にします。 最初のENABLE AUTOSTART/QUEUESコマンドは, ノードJADEにあるすべての自動起動キューの自動起動を有効にするため, そのノードでBATCH_1キューの処理が開始されます。 2番目のENABLE AUTOSTART/QUEUESコマンドは, ノードRUBYにあるすべての自動起動キューの自動起動を有効にします。

    後から,ノードJADEをクラスタから削除する場合を考えます。 この例で STOP/QUEUES/ON_NODEコマンドは, クラスタ全体のキュー・マネージャを終了させずに, ノードJADEのすべてのキューを終了します。これによって,自動起動キューBATCH_1は, フェールオーバ・リスト内で次に使用できるノードRUBYにフェールオーバします。 STOP QUEUES/ON_NODEコマンドが自動起動を禁止するため, 後からノードJADEで自動起動キューを実行するには,再ブート時にそのノードで ENABLE AUTOSTART/QUEUESコマンドを実行しなければなりません。

    /NAME_OF_MANAGER修飾子が指定されていないため,このコマンドは, 省略時の設定のキュー・マネージャSYS$QUEUE_MANAGER に管理されるキューにだけ作用します。


STOP/ZONE

実行中のVAXftシステムからゾーンを削除します。 STOP/ZONEコマンドについての詳細は, VAXftシステムのドキュメントを参照してください。

VAXftシステムに対してのみ適用されます。 CMKRNL(モードをカーネルに変更)特権が必要です。

フォーマット

     STOP/ZONE  ゾーン id 


SUBMIT

バッチ・キューに,1つまたは複数のコマンド・プロシージャを登録します。

キューに対する登録(S)アクセス権が必要です。

フォーマット

     SUBMIT  ファイル指定[,...] 

パラメータ

ファイル指定[,...]

1つまたは複数のコマンド・プロシージャのファイル名を指定します。 ワイルドカード文字(アスタリスク(*)とパーセンテージ記号(%))は, ディレクトリ指定,ファイル指定,ファイル・タイプ指定, およびバージョン番号フィールドに使用できます。 省略時のファイル・タイプは,前に指定したファイル・タイプになります。 前のファイル指定で明示的にファイル・タイプが指定されていない場合には, SUBMITコマンドは省略時のファイル・タイプとしてCOMを使用します。

複数のファイルを指定する場合には, ファイル指定をコンマ(,)またはプラス記号(+)で区切らなければなりません。

ファイル指定にノード名を含む場合には,/REMOTE修飾子を指定しなければなりません。

説明

SUBMITコマンドは,後で実行するために,指定ファイルをバッチ・キューに登録します。 省略時の設定では,キューはSYS$BATCHです。 単一のSUBMITコマンドでキューに登録されるすべてのファイルは, 1つのジョブとして連続的に処理されます。省略時のバッチ・ジョブの名前は, SUBMITコマンドで指定した最初のファイルの名前になります。

キュー内のバッチ・ジョブごとに,一意なエントリ番号が割り当てられます。 SUBMITコマンドを入力すると,省略時の設定で,ジョブ名,キュー名, エントリ番号,およびジョブの状態が表示されます。

SUBMITコマンドが正常終了すると, システムによりローカル・シンボル$ENTRYが自動的に作成または更新されます。 $ENTRYの値は,最後にキューに登録されたジョブのエントリ番号を表す文字列です。 後でジョブのエントリ番号を参照したい場合は, $ENTRYの値を別のシンボルに保存してください。

バッチ・ジョブをキューに登録すると, バッチ・ジョブを実行する前に新しいバージョンのファイルが作成されている場合でも, 登録されたバージョンのファイルが処理されます。また, キューに登録されたファイルと同じ名前と同じバージョン番号を持つ別のファイルで, 登録されたファイルを置き換えることはできません。

バッチ・キューに登録されたコマンド・プロシージャを実行すると, コマンドを実行するために独立プロセスが作成されます。 このプロセスは,所有者のディスクとディレクトリの省略時の設定, およびログイン時に所有者の会話型プロセスに与えられたものと同じ資源制限値と特権を受け取ります。

複数のプロシージャをキューに登録する場合, エラーまたは重大(致命的)エラー状態で終了するプロシージャがあると, ジョブはただちに終了します。

OpenVMS Cluster環境では, OpenVMS Cluster内のノード間でシステム時刻の差が変化することがあるので, SET TIME/CLUSTERコマンドを使用して定期的にクラスタの同期を保つ必要があります。 これによって, ジョブが指定時刻より少し前または後に実行を開始することがあります。 これは,バッチおよび印刷システムに組み込まれた冗長設計によって, クラスタ内の複数のジョブ・コントローラが, ジョブに対するタイマ非同期システム・トラップ(AST)を受信して, その実行をスケジューリングできるからです。

バッチ・ジョブの出力

省略時の設定では, バッチ・ジョブの各コマンド・プロシージャからのすべての出力はログ・ファイルに書き込まれます。 バッチ・ジョブが終了すると, SYS$PRINTで印刷するためにこのログ・ファイルはキューに登録されます。 省略時の設定では,このログ・ファイルは印刷後に削除されます。 STOP/QUEUE/ENTRY,STOP/IDENTIFICATION,または DELETE/ENTRYコマンドを使用してバッチ・ジョブを停止させると, ログ・ファイルは印刷用にキューに登録されません。

システムによるログ・ファイルの扱いを変更する方法については, /LOG_FILE,/PRINTER,および /KEEP修飾子の説明を参照してください。

修飾子

/AFTER=時刻
/NOAFTER

指定した時刻までジョブを保留状態にすることを要求します。 指定した時刻がすでに経過している場合には,ジョブは直ちに処理されます。

時刻には絶対時刻,または絶対時刻とデルタ時間の組み合わせを指定できます。 時刻の指定方法についての詳細は,『OpenVMSユーザーズ・マニュアル』 またはオンライン・ヘルプの DCL_Tips トピック (Date_Time サブトピック) を参照してください。

OpenVMS Cluster環境では,メンバ・システム間で時計の同期をとっていません。 このため,時刻を指定してバッチ・ジョブを実行しようとした場合, 実行開始時刻に多少の誤差が生じることがあります。 たとえば,SUBMIT/AFTER=TOMORROWでキューに登録したジョブは, そのホスト・システムの時計では23:58に実行を開始するかもしれません。

バッチ/プリント・システムに組み込まれた冗長性により, ジョブの実行開始時刻を通知する非同期システム・トラップ(AST) がクラスタ内のどのジョブ・コントローラでも受信可能なため, キューに登録したマシンとジョブが実行されるマシンが同じ場合にも, この問題は起こり得ます。 バッチ・ジョブが,処理終了後直ちに自分自身(バッチ・ジョブ) を翌日実行するように再登録している場合に,この問題はより顕著になります。 この場合,同じジョブがいくつも実行する可能性があります (これは,TOMORROWが数分後であるかも知れないからです)。

この問題を回避するためには, クラスタ内のシステム間の時計の誤差よりも大きな時間で待機させるような WAITコマンドを,SUBMITコマンドの前に入れておくことです。 各システムの時計の誤差を調べるには,SHOW TIMEコマンドを使用します。 クラスタ内の各システムの時計を同期させるには, SYSMANのCONFIGURATION SET TIMEコマンドを使用します。 SYSMANコマンドCONFIGURATION SET TIMEについての詳細は, 『OpenVMSシステム管理ユーティリティ・リファレンス・マニュアル』 を参照してください。

/BACKUP
/NOBACKUP

/BEFORE修飾子または/SINCE修飾子で指定された時刻値を変更します。 /BACKUP修飾子は,最新のバックアップ日をもとにファイルを選択します。 この修飾子は,同様に時刻属性によってファイルを選択する /CREATED修飾子, /EXPIRED修飾子,/MODIFIED修飾子とともに使用することはできません。 この4つの修飾子のいずれも指定されなかった場合には, 省略時の設定により/CREATED修飾子が使用されます。

/BEFORE[=時刻]
/NOBEFORE

指定した時刻以前の日付けのファイルだけを選択します。 時刻には絶対時刻,または絶対時刻とデルタ時間の組み合わせを指定できます。 またBOOT,LOGIN,TODAY(省略時の設定),TOMORROW, YESTERDAYというキーワードのいずれか1つを指定することもできます。 ファイル選択の基準として使用する時刻の属性は,/BEFORE修飾子とともに /BACKUP, /CREATED(省略時の設定), /EXPIRED,または/MODIFIEDのいずれかの修飾子で指定します。

時刻の指定方法についての詳細は,『OpenVMSユーザーズ・マニュアル』 またはオンライン・ヘルプの DCL_Tips トピック (Date_Time サブトピック) を参照してください。

/BY_OWNER[=利用者識別コード]
/NOBY_OWNER

ファイル所有者の利用者識別コード(UIC)が, 指定した所有者UICと一致する場合にだけ,そのファイルを選択します。 UICを指定しない場合には,現在のプロセスのUICが省略時の値として使用されます。

UICは,『OpenVMS Guide to System Security』に説明されている, 標準的なUIC形式を使用して指定します。

/CHARACTERISTICS=(属性[,...])

ジョブに対して必要な,1つまたは複数の属性の名前または番号を指定します。 属性でインクの色などを参照できます。 属性を1つだけ指定する場合には,括弧を省略できます。

属性番号の範囲は,0〜127までの数値です。 システム上でどの属性が定義されているかを調べるためには, SHOW QUEUE/CHARACTERSTICSコマンドを使用します。 また,特定のキューに対して使用できる属性を調べるには, SHOW QUEUE/FULLコマンドを使用します。

SUBMITコマンドに/CHARACTERISTICS修飾子を指定する場合,指定する属性はすべて, ジョブを実行するキューに対しても指定されていなければなりません。 つまり,ジョブの属性はキューの属性のサブセットでなければなりません。 そうでない場合には,次に示す条件のいずれかが満たされるまで, そのジョブは待ち状態のまま実行されません。

/CLI=ファイル名

ジョブを処理するときに使用する,コマンド言語インタプリタ(CLI)を指定します。 ファイル指定における装置名には SYS$SYSTEM:, ファイル・タイプには EXE(SYS$SYSTEM:ファイル名.EXE)が仮定されています。 省略時の設定では,利用者登録ファイル(UAF)に定義されているCLIが使用されます。

/CONFIRM
/NOCONFIRM (省略時の設定)

各ファイルをキューに登録する前に, そのファイルに対する操作の実行を確認するためのプロンプトを表示するかどうかを指定します。 システムがプロントを表示したら,次の応答のいずれかを入力します。

YES NO QUIT
TRUE FALSE Ctrl/Z
1 0 ALL
  [Return]  

単語による応答には,大文字と小文字を任意に組み合わせることができ, また1文字または複数の文字に短縮することもできます (たとえば,TRUE は T,TR,TRU に短縮することができます)。 ただし,応答は一意に認識できなければなりません。 肯定応答は,YES,TRUE,1です。否定応答は,NO,FALSE,0,<RET>です。 QUITまたはCTRL/Zは,その時点でコマンドの処理を中止することを示します。 ALLと応答すると,コマンドの処理は継続されますが, そのあとプロンプトは表示されなくなります。 上記に示されていない応答を入力すると,DCLはエラー・メッセージを出力し, 同じプロンプトが再度表示されます。

/CPUTIME=時間

バッチ・ジョブのCPU時間の上限値を定義します。 デルタ時間,0またはNONE,INFINITEというキーワードが指定できます。 ジョブが実行されるキューに対してCPUMAXIMUN値(上限値)が定義されている場合は, SUBMITコマンドで指定された値とキューの上限値とを比較して小さい方が使用されます。 ジョブが実行されるキューに対して上限値が定義されていない場合は, SUBMITコマンドで指定された値と利用者登録ファイル(UAF) に設定されている値とを比較して小さい方が使用されます。 キューに対して上限値が設定されておらず, 利用者登録ファイル(UAF)にCPU上限値としてNONEが設定されている場合は, 0またはキーワードINFINITEを指定するとCPU時間は無制限です。 NONEを指定すると,キューまたはUAFに設定された値になります。CPU時間は, システム・パラメータPQL_MCPULMの値よりも大きいか等しくなくてはなりません。 CPU時間の上限値の指定についての詳細は, INITIALIZE/QUEUEコマンドの表「CPU時間制限値と処理」を参照してください。

/CREATED (省略時の設定)
/NOCREATED

/BEFORE修飾子または/SINCE修飾子で指定された時刻値を変更します。 /CREATED修飾子は,作成日をもとにファイルを選択します。 この修飾子は,同様に時刻属性によってファイルを選択する /BACKUP修飾子, /EXPIRED修飾子,/MODIFIED修飾子とともに使用することはできません。 この4つの修飾子のいずれもが指定されなかった場合には, 省略時の設定により/CREATED修飾子が使用されます。

/DELETE
/NODELETE (省略時の設定)

位置修飾子

処理が終了したあと, コマンド・プロシージャ・ファイルを削除するかどうかを指定します。 SUBMITコマンドのコマンド名のあとに/DELETE修飾子を指定すると, ジョブに含まれるすべてのファイルが削除されます。 ファイル指定のあとに/DELETE修飾子を指定した場合には, 対応するファイルだけが処理後に削除されます。

/DELETE修飾子を使用するためには, ジョブをキューに登録したユーザの利用者識別コード(UIC)に対し, 入力ファイルの保護コードで削除(D)アクセスが許可されていなければなりません。 削除(D)アクセスが許可されていない, またはコマンド・パラメータ・リストの中のファイルが入力オープンできない場合には, コマンドの処理は中止されバッチ・ジョブは生成されません。

/EXCLUDE=(ファイル指定[,...])
/NOEXCLUDE

指定したファイル指定と一致するファイルを, SUBMIT操作から除外することを指定します。 ファイル指定にはディレクトリを含めることができますが, 装置を含めることはできません。ファイル指定には, ワイルドカード文字 (アスタリスク(*)とパーセント記号(%))を使用できます。 ファイルを1つだけ指定する場合には,括弧を省略できます。

/EXPIRED
/NOEXPIRED

/BEFORE修飾子または/SINCE修飾子で指定された時刻値を変更します。 /EXPIRED修飾子は,満了日をもとにファイルを選択します (満了日は,SET FILE/EXPIRATION_DATEコマンドで設定されます)。 この修飾子は,同様に時刻属性によってファイルを選択する /BACKUP修飾子, /CREATED修飾子,/MODIFIED修飾子とともに使用することはできません。 この4つの修飾子のいずれも指定されなかった場合には, 省略時の設定により /CREATED修飾子が使用されます。

/HOLD
/NOHOLD (省略時の設定)

ジョブを直ちに処理するかどうかを指定します。 /HOLD修飾子を指定した場合には,SET ENTRY/NOHOLDコマンド, またはSET ENTRY/RELEASEコマンドを使用してジョブを解放するまで, そのジョブは処理されません。

/IDENTIFY (省略時の設定)
/NOIDENTIFY

キューに登録された時に,ジョブ名,登録したキューの名前, ジョブ・エントリ番号,およびジョブ状態を表示するかどうかを指定します。

/KEEP
/NOKEEP

ログ・ファイルを印刷したあとで, そのログ・ファイルを削除するかどうかを指定します。 /NOPRINTER修飾子が使用されている場合を除き, 省略時には /NOKEEP修飾子が使用されます。

/LOG_FILE[=ファイル指定]
/NOLOG_FILE

ログ・ファイル名を指定します。ファイル指定には, ワイルドカード文字 (アスタリスク(*)とパーセンテージ記号(%))は使用できません。

/LOG_FILE修飾子を使用した場合, システムはバッチ・ジョブの出力を指定したファイルに書き込みます。 /NOLOG_FILE修飾子を使用した場合には,ログ・ファイルは作成されません。 省略時の設定では,UAFで論理名SYS$LOGINに定義されるディレクトリに, バッチ・ジョブ名と同じファイル名でファイル・タイプが LOGであるファイルが作成されます。

/LOG_FILE修飾子を使用すると,別の装置にログ・ファイルを書き込むことができます。 ファイル指定に含まれる論理名は, ジョブをキューに登録したプロセスのコンテキストで変換されます。 バッチ・ジョブを実行しているプロセスは, ログ・ファイルが存在する装置へのアクセス権を持っていなければなりません。

/LOG_FILE修飾子と/NAME修飾子を指定すると, /NAME修飾子で指定したファイルと同じファイル名を持ち, ファイル・タイプがLOGのファイルに,ログを書き込みます。 /LOG_FILE修飾子を省略する場合は, /NAME修飾子で使用したファイル名値は有効なファイル名でなければなりません。

/MODIFIED
/NOMODIFIED

/BEFORE修飾子または/SINCE修飾子で指定された時刻値を変更します。 /MODIFIED修飾子は,最後に変更された日付をもとにファイルを選択します。 この修飾子は,同様に時刻属性によってファイルを選択する /BACKUP修飾子, /CREATED修飾子,/EXPIRED修飾子とともに使用することはできません。 この4つの修飾子のいずれも指定されなかった場合には, 省略時の設定により /CREATED修飾子が使用されます。

/NAME=ジョブ名

ジョブ名を指定します (おそらくバッチ・ジョブ・ログ・ファイルのファイル名としても使用される文字列です)。 ジョブ名は,1〜39文字までの英数字です。 名前の中で英数字,アンダースコア(_),ドル記号($)以外の文字を使用する場合には, 名前を引用符(" ")で囲まなければなりません。 省略時のジョブ名は,ジョブの最初の(または唯一の)ファイルのファイル名です。

/LOG_FILE修飾子を省略している場合には, ジョブ名はファイル名として有効でなければなりません。 ジョブ名は,SHOW ENTRYまたはSHOW QUEUE /FULLコマンドによって表示されます。

/NOTE=テキスト

255バイト以内のメッセージ文字列を指定します。 このメッセージ文字列は,SHOW QUEUE/FULLコマンドの一部として表示され, ジョブに関する情報を示すのに使用できます。この修飾子に指定されたメッセージは, (ファイルが印刷された場合は)ログ・ファイルのフラグ・ページにも印刷されます。

/NOTIFY
/NONOTIFY (省略時の設定)

ジョブの正常終了または強制終了を示すメッセージを, ログインしているターミナルに表示するかどうかを指定します。

/PARAMETERS=(パラメータ[,...])

ジョブに対して, 最大8個までのパラメータをオプションとして指定します (これらのパラメータは,ジョブの各コマンド・プロシージャで, P1〜P8までのシンボル名に与えられる値を定義します)。 シンボルは,指定されたコマンド・プロシージャ内でだけ使用できます。

各パラメータはコンマ(,)で区切ります。 パラメータを1つだけ指定する場合には,括弧を省略できます。

スペースや特殊文字,小文字を含むパラメータを指定する場合には, パラメータを引用符で囲まなければなりません。 各パラメータは,1〜255バイトの長さです。

/PRINTER[=キュー名](省略時の設定)
/NOPRINTER

ジョブが終了したときに, ジョブ・ログ・ファイルを印刷するためにキューに登録するかどうかを指定します。 /PRINTER修飾子を使用すれば,特定のプリント・キューを指定できます。 省略時のプリント・キューはSYS$PRINTです。 /NOPRINTER修飾子を指定した場合は,/KEEP修飾子も指定されていると解釈されます。

バッチ・キューおよび出力キューが同じキュー・マネージャによって管理されている場合は, SUBMIT/PRINTERコマンドで指定されたキューが出力キューかどうか, またユーザが出力キューに対してアクセス権があるかどうかをチェックします。 SUBMITコマンドで指定されたバッチ・キュー,および /PRINTER修飾子により指定された出力キューが異なるキュー・マネージャによって管理されている場合は, これらのチェックは行われません。

バッチ・ジョブを登録する時に, ログ・ファイルに対して明示的に出力キューを指定する場合は, /PRINTER修飾子で指定するキューは出力キューであり, バッチ・キューでないことを確認してください。 また,出力キューに対してのアクセス権を持っているかも確認してください。

/PRIORITY=n

登録したキューのスケジューリング優先順位の最高値より大きな優先順位を設定するためには, OPER(オペレータ)特権,またはALTPRI(優先順位変更)特権が必要です。

指定したジョブの,同一キュー内の他のジョブと比較した, ジョブ・スケジューリングにおける優先順位を指定します。 優先順位の値は,0〜255までの範囲です。 このうち,0はもっとも低い優先順位であり,255は最高の優先順位です。

省略時の値は,システム・パラメータDEFQUEPRIの値です。 システム・パラメータ MAXQUEPRI の値より低い優先順位を設定する場合には, 特権は不要です。

/PRIORITY修飾子が,ジョブのプロセス優先順位に影響を与えることはありません。 プロセスの実行優先順位は, INITIALIZE/QUEUE/BASE_PRIORITYコマンドによって与えられる基本の優先順位属性によって決まります。

/QUEUE=キュー名[:]

ジョブを登録する,バッチ・ジョブ・キューの名前を指定します。 省略時のキューは SYS$BATCH です。

/REMOTE

指定した遠隔ノードのSYS$BATCHにジョブを登録します。 /REMOTE修飾子を指定した場合には, ノードの名前をファイル指定に含まなければなりません。

ローカル・ノードの場合と異なり,1つの SUBMIT/REMOTEコマンドによってキューに登録された複数のコマンド・プロシージャは, 別々のジョブであると解釈されます。

/REMOTE修飾子と同時に指定できるのは,次の修飾子だけです。

/BACKUP /BEFORE /BY_OWNER /CONFIRM
/CREATED /EXCLUDE /EXPIRED /MODIFIED
/RETAIN /SINCE   

/RESTART
/NORESTART (省略時の設定)

システム障害が発生したあと,またはSTOP/QUEUE/REQUEUEコマンドを実行したあとで, ジョブを再始動するかどうかを指定します。

/RETAIN=オプション

ジョブをキュー内に保持する状況を指定します。ジョブが保持された場合は, ジョブ終了後にSHOW QUEUEコマンドを用いてジョブの状態を確認できます。 保持しなかった場合は,ジョブ終了後にキューにはジョブの記録は残りません。

以下のオプションを指定します。


注意
SUBMITコマンドで/NORETAIN修飾子は使用できません (システム管理者はINITIALIZE/QUEUE, START/QUEUEや SET QUEUEコマンドで指定できます)が,/RETAIN=DEFAULTを指定できます。 この場合,キューの保持ポリシーに従ってジョブは保持されます。 システム管理者が,キューにジョブ保持を設定していなかった場合は, ジョブは保持されません。


ジョブ保持の仕掛け

ジョブ保持オプションは,ジョブ登録時の指定よりも実行キューの設定が優先されます。 ジョブを汎用キューに登録した場合には, 汎用キューの設定がジョブ登録時の設定に優先されます。

ジョブ保持設定は,汎用キューよりも実行キューの設定が優先されます。 ただし,ジョブの終了状態が実行キューの保持設定に合致しない場合は, 汎用キューの保持設定が適用されます。さらに, 汎用キューの設定とも合致しない場合には,ジョブ登録時の指定が適用されます。 実行キューに直接登録したジョブは,汎用キューの設定の影響を受けません。

ジョブは,実行キューの設定が適用されれば実行キュー内に, 汎用キューのものが適用されれば汎用キュー内に, ジョブ登録時の指定が適用されればその登録されたキュー内に保持されます。

次の例は,キュー・マネージャがどのようにしてジョブを保持するかを示しています。

/RETAIN=ALWAYS修飾子を指定して汎用キューにジョブを登録し, ジョブが正常終了したとします。

キュー・マネージャは, 最初にジョブの終了状態を実行キューの保持設定と比較します。 実行キューの保持設定が /RETAIN=ERROR(正常終了でない時のみ保持する) であるとすると,実行キューには保持されません。

次に,汎用キューの保持設定と比較します。 汎用キューには保持設定が無かったとすると,汎用キューにも保持されません。

最後に,ジョブを登録したキューの保持設定と比較します。 登録時の指定が/RETAIN=ALWAYSであるため, ジョブを登録したキュー(この場合には汎用キュー)に保持されます。

キューのタイプについてはINITIALIZE/QUEUEコマンドの説明を, 保持オプションについてはINITIALIZE/QUEUE, START/QUEUE,および SET QUEUEコマンドの説明を参照してください。

時限保持

UNTIL=時間オプションを使用すると, 必要な間だけジョブを保持しておくことができます。 これにより,ジョブを削除する手間が省けます。

たとえば次のコマンドでを入力すると, ジョブMYFILEは12月14日7時31分まで保持されますが,その後削除されます。

     $ SUBMIT/RETAIN=UNTIL=14-DEC-1994:07:31:0.0 MYFILE.COM

キューのジョブ保持ポリシーの設定によっては, ジョブはずっと保持されるかもしれません。これは, キューのジョブ保持ポリシーの設定が,ジョブ登録時の保持指定に優先されるためです。 システム管理者がキューに時限保持を設定することはできないので, キューの設定によって保持されたジョブが自動的に削除されることはありません。

/RETAIN=UNTIL=時間オプションを使用する場合は, 必ず時間を指定してください。ここで指定した時間はデルタ時間, 絶対時刻との組み合わせ,絶対時刻の順に解釈されます。 デルタ時間はジョブ終了時を起点とします。たとえば, SUBMIT/RETAIN=UNTIL="+3:00"と指定すれば,ジョブ終了後3時間保持されます。 時間の指定方法についての詳細は,『OpenVMSユーザーズ・マニュアル』 を参照してください。

/SINCE[=時刻]
/NOSINCE

指定した時刻以後の日付のファイルを選択します。 時刻には,絶対時刻,または絶対時刻とデルタ時間の組み合わせを指定できます。 またBOOT,LOGIN,TODAY (省略時の設定),TOMORROW, YESTERDAYというキーワードのいずれか1つを指定することもできます。 ファイル選択の基準として使用する時刻の属性は,/SINCE修飾子とともに /BACKUP, /CREATED(省略時の設定), /EXPIRED または /MODIFIED修飾子で指定します。

時刻指定についての詳細は,『OpenVMSユーザーズ・マニュアル』 またはオンライン・ヘルプのDCL_Tipsトピック(Date_Time サブトピック)を参照してください。

/STYLE=キーワード

表示するファイル名の書式を指定します。

この修飾子のキーワードはCONDENSEDおよびEXPANDEDです。 意味は次の表のとおりです。

キーワード 説明
CONDENSED
(省略時の設定)
ファイル名を255文字長の文字列に適合するように表示します。 このファイル名の場合,ファイル指定にDIDあるいはFID短縮形を含むことが可能です。
EXPANDED ファイル名をディスクに格納されているとおりに表示します。 このファイル名の場合,ファイル指定にDIDあるいはFID短縮形は含みません。

キーワードはCONDENSEDとEXPANDEDを同時に指定することはできません。 この修飾子は,確認が要求された場合に, 出力メッセージに表示されるファイル名の書式を表わしています。

EXPANDEDキーワードが指定されていない場合, ファイル・エラーはCONDENSEDファイル指定で表示されます。

詳細は『OpenVMS Extended File Specificationsの手引き』を参照してください。

/USER=ユーザ名

CMKRNL (カーネルへのモード変更)特権と,利用者登録ファイル(UAF) に対する読み取り(R)アクセス権および書き込み(W)アクセス権が必要です。

この修飾子を使用すると,他のユーザの代わりにジョブをキューに登録できます。 ジョブは,ここで指定したユーザがキューに登録したときと同じように実行されます。 また,ジョブはそのユーザのユーザ名とUICを使って実行され, 会計情報もそのユーザのアカウントに記録されます。 この修飾子を指定しなかった場合には,ユーザ指定は, コマンドを要求しているプロセスと同じになります。 ユーザ名として指定できるのは,システムに登録されているユーザ名だけです。 ユーザ名は,1〜12文字の英数字です。

/WSDEFAULT=n

バッチ・ジョブのワーキング・セットの省略時の値, つまりジョブの使用可能な物理ページ数の省略時の値を定義します。 キューに対して指定されているワーキング・セットの省略時の値が0以外の場合は, ジョブに対して指定された値とキューに設定されている値の小さい方が使用されます。 キューに対して指定されているワーキング・セットの省略時の値が0の場合は, ジョブに対して指定された値と利用者登録ファイル(UAF) に登録されている値の小さい方が使用されます。

OpenVMS Alphaでは512バイトのページレットの数で, OpenVMS VAXでは512バイトのページの数で,nを指定します。 OpenVMS Alphaでは, 指定された値よりも実際に割り当てられる物理メモリが大きくなるように, 最も近いそのCPU特有のページ値にこの値を切り上げます。 0またはNONEを指定した場合は, UAFの値またはキューに対して指定されている値が使用されます。 ワーキング・セットの省略時の値は, システム・パラメータPQL_MWSDEFAULT と WSMAX の範囲内でなければなりません。

/WSEXTENT=n

バッチ・ジョブのワーキング・セット超過値, つまりジョブが使用可能な物理ページの最大値を定義します。 ジョブは,システムが余分なフリー・ページを持っている場合にだけ, 物理メモリの最大値を使用します。 キューに対して設定されているワーキング・セット超過値が0以外の場合は, ジョブに対して指定された値とキューに設定されている値の小さい方が使用されます。 キューに対して設定されているワーキング・セット超過値が0の場合は, ジョブに対して指定された値と利用者登録ファイル(UAF) に登録されている値の小さい方が使用されます。

OpenVMS Alphaでは512バイトのページレットの数で, OpenVMS VAXでは512バイトのページの数で,nを指定します。 OpenVMS Alphaでは, 指定された値よりも実際に割り当てられる物理メモリが大きくなるように, 最も近いそのCPU特有のページ値にこの値を切り上げます。 0またはNONEを指定した場合は, UAFの値またはキューに対して指定されている値が使用されます。 ワーキング・セット超過値は, システム・パラメータPQL_MWSEXTENTとWSMAXの範囲内でなければなりません。

/WSQUOTA=n

バッチ・ジョブのワーキング・セット・クォータ値, つまりジョブに対して保証されている物理ページの値を定義します。 キューに対して指定されているワーキング・セット・クォータ値が0以外の場合は, ジョブに対して指定された値とキューに設定されている値の小さい方が使用されます。 キューに対して指定されているワーキング・セット・クォータ値が0の場合は, ジョブに対して指定された値と利用者登録ファイル(UAF) に登録されている値の小さい方が使用されます。

OpenVMS Alphaでは512バイトのページレットの数で, OpenVMS VAXでは512バイトのページの数で,nを指定します。 OpenVMS Alphaでは, 指定された値よりも実際に割り当てられる物理メモリが大きくなるように, 最も近いそのCPU特有のページ値にこの値を切り上げます。 0またはNONEを指定した場合は, UAFの値またはキューに対して指定されている値が使用されます。 ワーキング・セット・クォータ値は, システム・パラメータPQL_MWSQUOTAとWSMAXの範囲内でなければなりません。

  1. $ SUBMIT/AFTER=16:30 TRANSLATE
    Job TRANSLATE (queue SYS$BATCH, entry 1401) holding until 14-DEC-1998 16:30
    
    この例で,コマンド・プロシージャTRANSLATE.COMはSYS$BATCHに登録されます。 このコマンド・プロシージャは午後4字30分以降に実行されます。 正常に終了すると,ログ・ファイルTRANSLATE.LOGは印刷のためSYS$PRINTに登録され, その後削除されます。

  2. $ SUBMIT /PARAMETERS=(TXT,DOC,MEM) BACKUP, AVERAGE, RUNMASTER
      Job BACKUP (queue SYS$BATCH, entry 416) pending
    
    この例では,3つのコマンド・プロシージャを1つのジョブとして登録します。 ジョブには,3つのパラメータが与えられます。 P1にはTXT,P2にはDOC,またP3にはMEMという文字列がそれぞれ割り当てられています。 BACKUP.COMプロシージャが実行されたあと, AVERAGE.COMとRUNMASTER.COMというプロシージャが実行されます。

  3. $ SUBMIT/NAME=BATCH24/HOLD TESTALL
      Job BATCH24 (queue SYS$BATCH, entry 467) holding
    
    この例では,TESTALL.COMプロシージャをバッチ・ジョブとしてキューに登録し, あとで処理するためにそのジョブを保留状態にします。 このジョブは,SET QUEUE/ENTRY/RELEASEコマンドを実行するまで解放されません。 /NAME修飾子は,バッチ・ジョブをBATCH24として識別することを指定しています。

  4. $ SUBMIT TEST.COM
      Job TEST (queue SYS$BATCH, entry 493) pending
    $ BATCH_JOB = $ENTRY
       .
       .
       .
    $ DELETE/ENTRY='BATCH_JOB'
    
    この例では,キュー・ファイル中の特定のジョブを識別するために, シンボル$ENTRYが使用されています。このSUBMITコマンドは, コマンド・プロシージャTEST.COMを実行するためのバッチ・ジョブを作成し, ジョブのエントリ番号(この例では493) を表すローカル・シンボル$ENTRYを割り当てています。 2行目のコマンドは$ENTRYの値をローカル・シンボルBATCH_JOBに割り当て, 最後のコマンドはシンボルBATCH_JOBを使用してバッチ・ジョブを削除しています。

  5. $ DEFINE JUNE WORKZ:[JONES]ANNUAL_REPORT.COM
    $ SUBMIT JUNE
    Job ANNUAL_REPORT (queue SYS$BATCH, entry 229) started on ZOO_BATCH
    
    この例では,DEFINEコマンドで論理名JUNEをANNUAL_REPORT.COMに定義しています。 そして,この論理名を使用してANNUAL_REPORT.COMをバッチ・キューに登録しています。 ANNUAL_REPORT.COMがバッチ・キューに登録される前に,論理名JUNEは ANNUAL_REPORT.COMに展開されます。 また,ログ・ファイル名はJUNE.LOGではなく,ANNUAL_REPORT.COMになります。

    ジョブは汎用キューSYS$BATCHに登録されていますが, 実行キューZOO_BATCHで実行されている点に注意してください。


SUBROUTINE

コマンド・プロシージャ内のサブルーチンの開始を定義します。 SUBROUTINEコマンドは,サブルーチンで最初の実行可能文でなければなりません。 SUBROUTINEコマンドについての詳細は,CALLコマンドの説明を参照してください。

フォーマット

     SUBROUTINE 


SYNCHRONIZE

指定したジョブの実行が終了するまで,このコマンドを発行したプロセスを保留します。

指定したジョブへの削除(D)アクセス権が必要です。

フォーマット

     SYNCHRONIZE  [ジョブ名] 

パラメータ

ジョブ名

ジョブをキューに登録した時に定義されたジョブ名を指定します。 ユーザ名に対応するジョブ名だけを指定することができます。 ジョブは,そのジョブをキューに登録したプロセスのユーザ名に対応付けられます。

一意な名前を持たないジョブを指定するには, /ENTRY修飾子を使用してエントリ番号を指定します。 ジョブ名パラメータと/ENTRY修飾子の両方を指定すると, ジョブ名パラメータは無視されます。

ジョブ名パラメータを指定すると,SYNCHRONIZEコマンドは, SYS$BATCHキューを検索して指定された名前のジョブを探します。 SYS$BATCH以外のキューにあるジョブを指定するためには, /QUEUE修飾子を使用してキューの名前を指定しなければなりません。

説明

SYNCHRONIZEコマンドを使用すると, 指定したジョブの実行が終了するまでプロセスを待ち状態にして, ジョブを同期させることができます。 指定したジョブがシステムで現在処理中のジョブでない場合, SYNCHRONIZEコマンドは,エラー・メッセージを表示します。

SYNCHRONIZEコマンドで指定したジョブが終了すると, プロセスは待ち状態から解放されます。SYNCHRONIZEコマンドの終了状態は, ジョブの最後に実行されたコマンドの終了状態と同じです。 SYNCHRONIZEコマンドがコマンド・プロシージャの一部である場合に, 終了状態を確実に知るためには,SYNCHRONIZEコマンドの前にSET NOONコマンドを, SYNCHRONIZEコマンドの直後にSHOW SYMBOL $STATUSを記述します。

ジョブ名パラメータまたは/ENTRY修飾子のいずれかを指定しなければなりません。

修飾子

/ENTRY=エントリ番号

システムが割り当てたエントリ番号で,ジョブを識別します。

システムは, システム内のキューに登録されたプリント・ジョブおよびバッチ・ジョブに, 一意なエントリ番号を割り当てます。 省略時の設定では,PRINTおよびSUBMITコマンドは, 処理するジョブのキュー登録に成功した場合に,エントリ番号を表示します。 これらのコマンドはローカル・シンボル$ENTRYを作成または更新して, 最後にキューに登録されたジョブのエントリ番号を反映させます。 SHOW ENTRYまたはSHOW QUEUEコマンドを実行すると, ジョブのエントリ番号を確認することができます。 ジョブ名パラメータと/ENTRY修飾子の両方を指定した場合, ジョブ名パラメータは無視されます。

/QUEUE=キュー名[:]

ジョブを含んでいるキュー名を指定します。/QUEUE修飾子を使用する場合は, ジョブ名パラメータまたは/ENTRY修飾子のいずれかを指定しなければなりません。 ジョブ名パラメータを指定する場合,省略時の設定のキューはSYS$BATCHです。 /ENTRY修飾子を指定する場合は,省略時の設定のキューはありません。 汎用キューを指定すると,SYNCHRONIZEコマンドは, 汎用キュー内および汎用キューが対象とする実行キュー内でジョブを検索します。

  1. $ SUBMIT/NAME=PREP FORMAT/PARAMETERS=(SORT,PURGE)
      Job PREP (queue SYS$BATCH, entry 219) started on queue SYS$BATCH
    $ SUBMIT PHASER
      Job PHASER (queue SYS$BATCH, entry 223) started on queue SYS$BATCH
    
    この例で最初のSUBMITコマンドは, コマンド・プロシージャFORMAT.COMを実行するためにキューに登録し, そのジョブにPREPという名前をつけます。 2番目のSUBMITコマンドは,プロシージャPHASER.COMをキューに登録します。 PHASER.COMは次の行を含んでいます。
         $ SYNCHRONIZE PREP
    

    この行が処理される時,システムは,PREP という名前のジョブが省略時の設定のキューSYS$BATCH内にあるかどうか確認します。 プロシージャPHASER.COMは, ジョブPREPの実行が終了するまで強制的に待ち状態になります。

  2. $ SUBMIT/NAME=TIMER       COMP.COM
      Job TIMER (queue SYS$BATCH, entry 214) started on queue SYS$BATCH
    $ SYNCHRONIZE /ENTRY=214
    
    この例ではTIMERという名前のバッチ・ジョブがキューに登録されます。 その後 SYNCHRONIZEコマンドを会話形式で実行します。 これにより,エントリ番号214(TIMER)が終了するまで, 会話型プロセスは待ち状態になります。 SYNCHRONIZEコマンドが終了しプロセスが待ち状態から解放されるまで, SYNCHRONIZEコマンドを発行した端末セッションから他のコマンドを実行することはできません。

  3. $ SUBMIT/NAME=TIMER COMP.COM/QUEUE=BUILD_QUEUE
    $ SYNCHRONIZE/QUEUE=BUILD_QUEUE TIMER
    
    この例では,TIMERという名前のバッチ・ジョブが,キューBUILD_QUEUEに登録されます。 その後SYNCHRONIZEコマンドを会話形式で実行します。 TIMERという名前のジョブは省略時の設定のキューSYS$BATCH にないので, SYNCHRONIZEコマンドで/QUEUE修飾子を使用して, ジョブが存在するキューを指定します。


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