[ 前のページ ] [ 次のページ ] [ 目次 ] [ DOC Home ]

11 OpenVMS Galaxy Configurationユーティリティ

Galaxy Configurationユーティリティ(GCU)はDECwindows Motifアプリケーションであり, システム管理者はGCUを使用することで,1つのワークステーション・ ウィンドウからOpenVMS Galaxyシステムを構成し,管理することができます。

GCUを使用すると,システム管理者は次の操作を実行できます。

GCUはSYS$SYSTEMディレクトリにあり,このディレクトリには構成に関する情報を格納したファイルもいくつかあります。

GCUは次のファイルで構成されます。

SYS$SYSTEM:GCU.EXE GCU実行可能イメージ
SYS$MANAGER:GCU.DAT オプションのDECwindowsリソース・ファイル
SYS$MANAGER:GALAXY.GCR Galaxy構成ルールセット
SYS$MANAGER:GCU$ACTIONS.COM システム管理プロシージャ
SYS$MANAGER:xxx.GCM ユーザ定義構成モデル
SYS$HELP:GALAXY_ GUIDE.DECW$BOOK Bookreader形式のオンライン・ヘルプ

GCUはどのGalaxyインスタンスからも実行できます。システムでグラフィックス出力が直接サポートされない場合は,DECwindows ディスプレイを外部ワークステーションまたは適切な構成のPC に設定できます。しかし, GCUアプリケーション自体は,常にGalaxyシステム上で動作していなければなりません。

GCUが起動されると,リソース・ファイル(GCU.DAT)から検出したカスタマイゼーションがロードされます。 その後,Galaxy構成ルールセット(GALAXY.GCR) がロードされます。 ルールセット・ファイルには,GCU がさまざまなシステム・コンポーネントを表示する方法を指定する文(statement) が格納されており,ユーザが構成表示と会話する方法を管理するルールも含まれています。 ルールセット・ファイルの構造に精通しているか, またはCompaqのサービス・エンジニアから依頼された場合を除き, ユーザがルールセット・ファイルを変更することはありません。

GCU ディスプレイが表示可能になると,GCUはシステムが現在OpenVMS Galaxy として構成されているのか,Galaxy以外のプラットフォームでシングル・ インスタンスGalaxyとして構成されているのかを判断します。システムがGalaxy として構成されている場合は,GCUはアクティブGalaxy構成モデルを表示します。 メイン・ウィンドウにはGalaxyの構成が階層構造で表示されます。 システムが Galaxyとして構成されていない場合は,シングル・ インスタンスGalaxyを作成するかどうかが質問されます。GCUはどのAlpha システムでもシングル・インスタンスGalaxyを作成できますが,マルチインスタンスOpenVMS Galaxy 環境は,コンソール・コマンドとコンソール環境変数を使用して作成されることに注意してください。

Galaxy構成モデルが表示された後,ユーザはアクティブ・モデルと会話することができ, モデルをオフラインにして,後で使用するために特定の構成を定義することもできます。 この後の節では,これらの機能について詳しく説明します。

11.1 GCUの概略

GCUでは次の3種類の操作を実行できます。

ほとんどのGCU操作は,メインの監視ウィンドウおよびGalaxyコンポーネントを表す階層構造を中心にして行われます。 監視ウィンドウは非常に大きな空間への入口として機能します。 監視ウィンドウは,必要に応じて左右上下に移動したり, 拡大/縮小することができ,Galaxy構成全体またはその一部を監視することができます。 メイン・ツールバーには,ワークスペース・ ズーム操作を制御する複数のボタンが表示されます。ワークスペースのパン操作は, 水平スクロール・バーと垂直スクロール・バーで制御されます。 ワークスペースのスライドは,マウスの中央ボタンを押しながらワークスペースをドラッグすることで実行されます。 このためには3ボタン・ マウスを使用する必要があります。

さまざまなGCU操作はプルダウン・メニューやポップアップ・メニューから起動されます。 ファイルを開いたり閉じる操作,外部ツールを起動する操作などの全般的な操作は, メイン・メニュー・バー・エントリから実行できます。 各Galaxyコンポーネント固有の操作は,監視ウィンドウに表示されるコンポーネントの上でマウスの右ボタンをクリックしたときに表示されるポップアップ・ メニューを使用して行うことができます。

多くの操作に対する応答として,GCUは追加ダイアログ・ボックスを表示します。 このダイアログ・ボックスには情報,フォーム,エディタ,プロンプトなどが表示されます。 エラーや情報メッセージは,エラーの重大度やメッセージの重要性に応じて, ポップアップ・ダイアログ・ボックスに表示されるか, ウィンドウの下部のステータス・バーに表示されます。

11.1.1 Galaxy構成モデルの作成

GCUを使用すると,Galaxy構成モデルを作成でき,Alphaシステムでシングル・ インスタンスGalaxyを作成することもできます。

アクティブGalaxy構成モデルを表示しているときに,表示オブジェクト( コンポーネント)を直接操作すると,動作中の構成が変更されることがあります。 たとえば,CPUを現在の位置からドラッグして,別のインスタンス・ コンポーネントの上にドロップすると,管理アクション・プロシージャが起動され, 選択したCPUが新しいインスタンスに再割り当てされます。 場合によっては,このような操作が適切なこともありますが,コンポーネントごとに構成を変更するのではなく,Galaxy 全体を再構成しなければならないこともあります。 その場合は,オフラインのGalaxy構成モデルを作成する必要があります。

Galaxy構成モデルを作成するには,既存のモデル(通常はアクティブなモデル) を使用して,そのモデルを必要に応じて変更し,ファイルに保存します。

アクティブなGalaxy構成モデルの利用:

  1. ENGAGEボタンを押すと,モデルはDISENGAGED (設定が解除された状態) になります。ボタンは赤から白に変わり,押されない状態になるはずです。DISENGAGED 状態になると,すべてのCPUコンポーネントは赤になり, 割り当てられていない状態であることを示します。CPUがシャットダウンされたわけではないので, 驚かないでください。

  2. 各CPUを適切なインスタンスにドラッグ・アンド・ドロップして,CPU の割り当てを変更します。

  3. 割り当ての変更が終了したら,そのモデルに再設定することができ, 後で使用するためにモデルをファイルに保存することもできます。 モデルに再び設定すると,モデルがアクティブ・モデルから作成された場合も, ファイルに保存されているモデルの場合も,GCUはアクティブ・ システム構成をモデルから提案された構成と比較します。 その後,システムを新しいモデルに再割り当てするのに必要な管理アクションの概要を示します。 ユーザがそれらのアクションを承認すると,GCU は必要な管理アクションを実行し,作成されたモデルは,設定されているアクティブなモデルとして表示されます。

オフライン・モデルを作成するのは,大幅な構成の変更を自動化するためです。 たとえば,この手順に従えば,適切なGalaxy構成を表すモデルを必要に応じて作成しておき, 会話しながらそのモデルに設定することができます。

11.1.2 監視

GCUは1つのアクティブなGalaxy構成モデルを表示することができ,複数のオフラインGalaxy 構成モデルを表示することもできます。ロードされた各モデルは, ツールバーの[Model]メニューにアイテムとして表示されます。 適切なメニュー・アイテムをクリックすれば,モデルを切り換えることができます。

アクティブ・モデルは常にGLX$ACTIVE.GCMという名前です。アクティブ・ モデルが最初にロードされると,システムがシステム・ハードウェアをもとにモデルを確認する間, しばらくこの名前のファイルが存在します。

モデルが表示されると,必要に応じてズーム,パン,スライドによって, Galaxyコンポーネントを表示できます。ツールバーの左側のボタンを使用すれば, ズーム機能を制御できます。

次のズーム機能を利用できます。

Galactic zoom コンポーネント階層構造全体が監視ウィンドウに表示されるようにズームする。
Zoom 1:1 コンポーネントを通常のスケールにズームする。
Zoom to region 選択された表示領域だけを表示するようにズームする。
Zoom in 10パーセント拡大する。
Zoom out 10パーセント縮小する。

パン操作は,垂直スクロール・バーと水平スクロール・バーを使用して行います。 スライド操作はマウスの中央ボタンを押しながら,カーソルとイメージをドラッグ( スライド)させることで行います。

11.1.2.1 レイアウト管理

自動レイアウト機能はコンポーネントのレイアウトを管理します。自動レイアウト・ モードでレイアウトの表示を更新しなければならない場合は, ルート(一番上)コンポーネントを選択します。

現在のレイアウトを変更するには,[Windows]メニューから[Manual Layout]を選択します。手動レイアウト・モードでは,コンポーネントを自由にドラッグ・ アンド・ドロップすることができますが,わかりやすい構造を作成するようにしてください。 各コンポーネントは自動的なレイアウト制限に拘束されないため, 時間をかけて各チャートで各コンポーネントの配置を考慮する必要があります。 簡単に操作できるようにするために, マウスの右ボタンを任意のコンポーネントの上でクリックして,レイアウト・ サブツリーを選択すれば,階層構造のその場所より下の部分で, 自動的なレイアウト・アシスタンス機能が提供されます。

満足できるレイアウトが作成されたら,現在のモデルをファイルに保存して, 手動レイアウト情報を残しておかなければなりません。カスタム・レイアウトは, モデルが開かれるときに使用されます。自動レイアウト・モードを選択すると, 手動レイアウトはメモリ内のモデルから失われます。 また,CPUコンポーネントを表示上効果的な方法で再割り当てするには, インスタンス・レベルの下でサブツリー・レイアウト操作を実行しなければなりません。 この理由から,手動レイアウト操作は,コンポーネント階層構造のインスタンス・ レベルおよびコミュニティ・レベルに制限するのが適切です。

11.1.2.2 OpenVMS Galaxyチャート

GCUでは,チャートと呼ぶ6種類のモデルのサブセットが提供されます。

6種類のチャートは次のとおりです。

チャート名 表示の内容
Logical Structure 動的リソース割り当て
Physical Structure 変化しないハードウェアの関係
CPU Assignment CPU割り当ての単純な表示
Memory Assignment メモリ・サブシステム・コンポーネント
IOP Assignment I/Oモジュールの関係
Failover Targets プロセッサ・フェールオーバー割り当て

これらのチャートは,さまざまな種類のコンポーネントの表示を有効または無効に設定して, 関係するコンポーネントのサブセットの表示を提供することで作成されます。

各チャートには,そのチャート固有の機能があります。たとえば,CPU の再割り当てでは,インスタンス・コンポーネントが表示されていなければなりません。 インスタンスはPhysical StructureチャートやMemory Assignmentチャートに表示されないので,CPUの再割り当てはLogical StructureチャートおよびCPU Assignmentチャートでのみ実行できます。

チャートの詳細については,第11.4節を参照してください。

11.1.3 会話

アクティブGalaxy構成モデルを表示している間,システム・コンポーネントと直接会話することができます。 たとえば,CPUをあるインスタンスから別のインスタンスに再割り当てするには,CPU を適切なインスタンスにドラッグ・ アンド・ドロップします。GCUはその操作が有効であるかどうか確認し, 外部コマンド・アクションを実行して構成を変更します。設定されていないモデルとの会話は, 単にオフライン・モデルに対する描画操作であり, 稼動中のシステムには影響しません。

Galaxyコンポーネントと会話している間,GCUは誤った構成や不適切な管理アクションが実行されないように, 組み込みルールとユーザ定義ルールを適用します。 たとえば,プライマリCPUを再割り当てすることはできず,CPU をGalaxyインスタンス以外のコンポーネントに再割り当てすることもできません。 このような操作を実行すると,ステータス・バーにエラー・ メッセージが表示され,モデルは適切な構成に戻ります。実行しようとした操作が構成ルールのいずれかに違反する場合は, ステータス・バーに赤で表示されるエラー・ メッセージに,違反するルールが示されます。

マウスの右ボタンをクリックし,ポップアップ・メニューから[Parameters] を選択するか,メイン・ツールバーの[Components]メニューから[Parameters] を選択すると,選択したコンポーネントの詳細情報を表示できます。

[Galaxy]メニューの[Shutdown]または[Reboot]を使用すると,GCUは1つ以上のGalaxy インスタンスをシャットダウンまたは再ブートすることができます。 さまざまなシャットダウン・パラメータや再ブート・パラメータは,[Shutdown] ダイアログ・ボックスに入力できます。クラスタ接続されたGalaxy インスタンスを完全にシャットダウンするには,CLUSTER_ SHUTDOWNオプションを指定する必要があります。[Shutdown]ダイアログ・ ボックスでは,インスタンスの組み合わせまたはすべてのインスタンスを選択できます。GCU は"非常に賢明"なので,所有者のインスタンスを最後にシャットダウンします。

11.2 GCUによるOpenVMS Galaxyの管理

Galaxy Configurationユーティリティ(GCU)を使用してGalaxyシステムを管理する機能は, 管理操作に関係する各インスタンスの機能に応じて異なります。

GCUはGalaxyのどのインスタンスからも実行できます。しかし,Galaxyソフトウェア・ アーキテクチャでは,リソースの再割り当てのためにプッシュ・ モデルを実装しています。つまり,プロセッサを再割り当てするには, プロセッサを現在所有しているインスタンスで再割り当てコマンド機能を実行しなければなりません。GCU はこの必要条件を認識しており,1つ以上の通信パスを使用して, 再割り当て要求を所有者インスタンスに送信しようとします。DCL はこの必要条件を認識していないため,DCLを使用してリソースを再割り当てする場合は,SYSMAN を使用するか,または個別にログインした端末を使用して, 所有者インスタンスでコマンドを実行しなければなりません。

GCUでは,SYSMANとその基礎になっているSMI_Serverプロセスの使用が歓迎され,Galaxy の他のインスタンスにコマンド・パスが提供されます。しかし,SMI_Server では,コマンド環境が共通のセキュリティ・ドメイン内に存在するように, インスタンスはクラスタ内に存在していなければなりません。 しかし,Galaxyインスタンスはクラスタ接続されていない可能性があります。

SMI_Serverに適したコマンド・パスをシステムが提供できない場合は, GCUはDECnetタスク間通信を使用しようとします。このためには,参加するインスタンスがDECnet を実行していなければならず,参加する各Galaxy インスタンスはSYSTEMアカウントに対してプロキシを設定しておく必要があります。

11.2.1 独立インスタンス

1つ以上のインスタンスがGalaxy共用コミュニティのメンバにならないように,Galaxy システムを定義することができます。これを独立インスタンス と呼びます。独立インスタンスはGCUに認識されます。

これらの独立インスタンスもCPUの再割り当てに参加することができます。 独立インスタンスは共用メモリや関連サービスを利用できません。

11.2.2 分離されたインスタンス

インスタンスをクラスタ接続せず,プロキシ・アカウントを設定せず, DECnet機能も割り当てないことが可能です。このようなインスタンスを 分離されたインスタンスと呼びます。このようなインスタンスはGCU に認識され,CPUを再割り当てすることができます。分離されたインスタンスからリソースを再割り当てする場合は, 分離されたインスタンスのコンソールから行わなければなりません。

11.2.3 必要なPROXYアクセス

GCUが管理アクションを実行しなければならない場合は,最初にSYSMANユーティリティを使用しようとします。SYSMAN では,関係するインスタンスが同じクラスタ内に存在しなければなりません。 この条件が満たされない場合は,GCU はDECnetタスク間通信を使用しようとします。この機能を利用するには, 関係する各インスタンスにイーサネット装置,DECnet機能, ターゲット・インスタンスでの適切なプロキシ・アクセスが必要です。

たとえば,クラスタ接続されていない2インスタンス構成について考えてみましょう。 インスタンス0でGCUが実行されており,ユーザがCPUをインスタンス1 からインスタンス0に再割り当てしようとすると,実際の再割り当てコマンドはインスタンス1 で実行しなければなりません。このために, ファイルSYS$MANAGER:GCU$ACTIONS.COM内のGCUのアクション・プロシージャは, インスタンス1のSYSTEMアカウントに対してDECnetタスク間接続を確立しようとします。 このためには,インスタンス1に対して,インスタンス0 のSYSTEMアカウントへのプロキシ・アクセスが許可されている必要があります。 確立された接続を使用して,インスタンス0のアクション・ プロシージャは,パラメータをインスタンス1の対応するアクション・ プロシージャに渡し,そのアクション・プロシージャは操作をローカル操作として取り扱います。

GCUアクション・プロシージャは,それがシステム管理者によって使用されるものと想定します。 したがって,アクション・プロシージャ・ファイルSYS$MANAGER:GCU$ACTIONS.COM で,SYSTEMアカウントが使用されます。 相手のインスタンスのSYSTEMアカウントへのアクセスを許可するには,インスタンス1 でプロキシを設定しなければなりません。

プロキシ・アクセスを設定するには

  1. DCLプロンプトに対して,次のコマンドを入力します。
         $ SET DEFAULT SYS$SYSTEM
         $ RUN AUTHORIZE
    

  2. プロキシ処理がまだ有効に設定されていない場合は,次のコマンドを入力して有効にします。
         UAF> CREATE/PROXY
         UAF> ADD/PROXY instance::SYSTEM SYSTEM
         UAF> EXIT
    

instanceを,アクセスを許可しているインスタンスの名前に置き換えます。GCU を実行しているインスタンスから管理する各インスタンスに対して, これらの操作を実行します。たとえば,典型的な2インスタンスGalaxy で,インスタンス0でのみGCUを実行している場合は,インスタンス0 に対して,インスタンス1でのみプロキシ・アクセスを追加する必要があります。GCU をインスタンス1でも実行する予定がある場合は,インスタンス1 に対してインスタンス0でプロキシ・アクセスを追加する必要があります。3 インスタンスGalaxyシステムでは,制御する各インスタンスの各組み合わせに対して, プロキシ・アクセスを追加しなければなりません。 この理由から,GCUは常にインスタンス0から実行するようにしてください。

SYSTEMアカウントを使用する必要はありません。アカウントを変更するには, 関係する各インスタンスでSYS$MANAGER:GCU$ACTIONS.COMを変更する必要があります。 タスク間接続を設定する行を探し,SYSTEMアカウント名を適切な名前に変更します。

選択したアカウントにはOPER,SYSPRV,CMKRNL特権が必要です。また,このアカウントに対して自分のインスタンスへの必要なプロキシ・ アクセスを追加する必要もあります。

11.3 Galaxy構成モデル

GCUは完全にプログラミング可能な表示エンジンです。GCUは,ルールセットを使用して, システム・コンポーネントの動作や適切な属性に関する知識を取得します。 この特別な構成に関する知識を利用して,GCUはシステム・ コンポーネント間の関係を表すモデルを組み立てます。GCUは,コンソール・ ファームウェアが構築した構成モデルを解析することで,現在のシステム構造を解析します。 この構造はGalaxy構成ファイルと呼ばれ,メモリに格納され, 必要に応じてファームウェアおよびOpenVMSエグゼクティブ・ ルーチンで更新され,現在のシステム構成および状態が正確に反映されます。

GCUは構成ファイルのバイナリ表現を単純なASCII表現に変換し,拡張します。 この表現はオフライン・モデルとしてファイルに格納できます。GCU は後でオフライン・モデルを再ロードし,モデルに対応するようにシステム構成を変更できます。 アクティブ・モデルを表示している場合も,オフライン・ モデルを表示している場合も,現在の構成はいつでもオフラインGalaxy 構成モデル(.GCM)ファイルとして保存できます。

オフライン・モデルを現在のシステム構成として使用するには,モデルをロードし, そのモデルに設定しなければなりません。モデルに設定するには,[Engage] ボタンをクリックします。GCUは現在の構成ファイルをスキャンし, それをモデルと比較し,モデルに設定するのに必要な管理アクションの一覧を作成します。GCU はこの一覧を最終確認のために表示します。 ユーザが承認すると,GCUはアクションを実行し,現在のシステム構成および状態を反映するように, モデルは設定された状態になります。

モデルの設定を解除すると,GCUはただちにCPUとインスタンスをオフラインとしてマークします。 その後,モデルを自由に変更することができ,モデルを保存したり, モデルに再び設定することができます。通常,ビジネスにとって役立つことが証明されたモデルだけを若干数保存します。 これらのモデルは, システム管理者または適切な特権が与えられたユーザ,またはDCL コマンド・プロシージャを使用して設定することができます。

11.3.1 アクティブ・モデル

GCUは1つのアクティブ・モデルを管理します。このモデルは常にメモリ内の構成ファイルから作成されます。 構成ファイルはGalaxyコンソールまたはAlpha システムのファイル・ベースのシングル・インスタンスGalaxyから取得できます。 どこから取得した場合でも,コンソール・コールバックがファイルの保全性を管理します。GCU はGalaxyイベント・サービスを使用して, 構成がいつ変更されたかを判断します。構成が変更されると, GCUは構成ファイルを解析し,現在のシステムを反映するようにアクティブ・ モデルを更新します。アクティブ・モデルは,オフライン・モデルとして保存することを選択しない限り, ファイルに保存されません。通常, アクティブ・モデルは追加モデルを作成するための基礎になります。モデルを作成する場合, 必要に応じてオフライン・モデルに設定できるように, オンラインで作成するのが最適です。

11.3.2 オフライン・モデル

GCUはオフラインGalaxy構成モデルをいくつでもロードすることができ, それが特定のシステム・ハードウェア用に作成されたものである場合,自由に切り換えることができます。 モデルの表現は単純なASCIIデータ定義フォーマットです。

モデル・ファイルをASCII形式で編集する必要はありません。GCUモデルとルールセットはGalaxy 構成言語(GCL)と呼ぶ単純な言語に準拠しています。 この言語は新しいGalaxyの発展に伴って,必要に応じて進歩していくでしょう。 モデルとルールセット・ファイルを直接作成する場合は,このことに注意する必要があります。 モデルを誤って壊した場合は,いつでも別のモデルを作成できます。 ルールセットを壊した場合は,OpenVMS Galaxy Webサイトから別のルールセットをダウンロードする必要があります。

11.3.2.1 例:オフライン・モデルの作成

オフラインGalaxy構成モデルを作成するには

  1. Galaxyシステムをブートし,システム・アカウントにログインし,GCU を実行します。

  2. デフォルト設定で,GCUはアクティブ・モデルを表示します。

  3. [Engage]ボタンをクリックして(トグルします),アクティブ・ モデルを設定解除状態にします。

  4. システムにいくつかのセカンダリCPUがある場合は,一部のCPU を別のGalaxyインスタンスにドラッグ・アンド・ドロップします。

  5. [Model]メニューの[Save Model]を選択して,モデルを保存します。 モデルに適切な名前を付け,.GCM拡張子を付けます。モデル名はCPU の割り当てがわかるような名前にしておくと便利です。たとえば, インスタンス0に1つのCPUが割り当てられ,インスタンス1に7つのCPU が割り当てられているシステムの場合は,G1x7.GCMという名前を付け,2 つの各インスタンスに4つのCPUが割り当てられているシステムの場合は,G4x4.GCM という名前を付けておくとわかりやすいでしょう。 名前の付け方は任意ですが,必ず.GCM拡張子を付けてください。

    必要に応じて,モデルはいくつでも作成でき,保存できます。

オフライン・モデルに設定するには

  1. GCUを実行します。

  2. デフォルト設定で,GCUはアクティブ・モデルを表示します。 アクティブ・モデルは閉じることができ,そのままにしておくこともできます。

  3. [Model]メニューから[Open Model]を選択して,適切なモデルをロードします。

  4. 適切なモデルを探して選択し,[OK]をクリックします。モデルがロードされ, オフラインで表示され,設定解除状態になります。

  5. [Engage]ボタンをクリックして,再びモデルに設定します。

  6. GCUはモデルに設定するのに必要な管理アクションを表示します。 それらのアクションを承認する場合は,[OK]をクリックします。 GCUは管理アクションを実行し,モデルはアクティブで,設定されたモデルとして表示されます。

11.4 GCUチャートの使用

Galaxy構成ファイルには,かなり大量の構成データが格納されます。複雑なGalaxy 構成の場合は,ファイルが非常に大きくなる可能性があります。 GCUがシステムに関するすべての情報を表示した後,表示の内容は非常に複雑になります。 この問題を回避するために,GCUではGalaxyチャートを使用します。 チャートは単にさまざまなコンポーネント,装置,相互接続の表示を制御するためのマスクの集合です。 コンポーネント階層構造の中で, 各チャートには,そのチャートで指定されたコンポーネントだけが表示されます。 別のチャートを選択すると,別のコンポーネント・サブセットが表示されます。

デフォルト設定では,GCUは5つのあらかじめ構成されたチャートを使用します。 各チャートは,固有のコンポーネント関係を表示するように設計されています。 一部のGCUコマンド操作は,特定のチャートの内部でのみ実行できます。 たとえば,Physical Structureチャートの内部からCPUを再割り当てすることはできません。Physical Structure チャートには, Galaxyインスタンス・コンポーネントは表示されないので,CPUのドラッグ・ アンド・ドロップの宛先がありません。チャートはユーザが変更できるので,GCU ではそのメニューおよびコマンド操作を特定のチャートに制限していません。 場合によっては,適切なチャートを選択するのに役立つように,GCU は情報メッセージを表示します。

11.4.1 コンポーネントの識別と表示プロパティ

各コンポーネントには固有の識別子があります。この識別子は,CPU IDなどの場合は単純な連続番号であり,I/O アダプタの場合は物理バックプレーン・ スロット番号であり,メモリ装置の場合は物理アドレスです。GCU は各種類のコンポーネントに形状と色も割り当てます。可能な場合は, GCUはさらに動作中のシステムから収集した補足情報を利用して,各コンポーネントを区別します。

各コンポーネントの表示プロパティは,Galaxy構成ルールセット(SYS$MANAGER:GALAXY.GCR) の内部で割り当てられます。ウィンドウの色や表示テキストのスタイルなどの特定の表示プロパティをカスタマイズする場合を除き, このファイルは編集すべきではありません。

各コンポーネントに関して表示されるテキストもカスタマイズできます。 各種類のコンポーネントには,その外観,内容,相互関係を示す文がルールセットで割り当てられます。

1つの役立つ機能として,どのテキストを画面上で各コンポーネント・タイプに表示するかを選択する機能があります。 ルールセット内で装置宣言を使用すると, 表示テキスト文を構成するテキストとパラメータを指定できます。 現在のズーム係数で完全なテキストを表示できない場合は,この表示テキストのサブセットが表示されます。 このサブセットをニーモニックと呼びます。 ニーモニックは任意のテキストやパラメータを含むように変更できます。

11.4.2 Physical Structureチャート

Physical Structureチャートには,システム内の物理ハードウェアが表示されます。 チャートのルート(一番上)に表示される大きな長方形のコンポーネントは, 物理システム・キャビネット自体を表します。通常,ルートの下にモジュール, スロット,アレイ,アダプタなどの物理コンポーネントがあります。 表示されるコンポーネントの種類とコンポーネント階層構造の深さは, 各ハードウェア・プラットフォームのコンソール・ファームウェアで提供されるサポート・ レベルに応じて異なります。Alphaシステムのシングル・ インスタンスGalaxyを表示している場合は,コンポーネントの小さなサブセットだけが表示されます。 一般に,コンソール・ファームウェアは構成可能な装置レベル, 通常は第1レベルのI/Oアダプタまたはその少し下までのコンポーネントだけを表示します。GCU やGalaxyコンソール・ ファームウェアにとってすべての装置をマッピングすることが目標なのではなく,Galaxy 構成管理にとって関心のある装置だけをマッピングすることが必要なのです。

Physical Structureチャートは,システム内のコンポーネント全体を表示するのに役立ちます。 しかし,コンポーネントの論理パーティションは表示されません。

Physical Structureチャートでは次の操作が可能です。

11.4.2.1 ハードウェア・ルート

Physical Structureチャートの一番上のコンポーネントをハードウェア・ ルート(HW_Root)と呼びます。すべてのGalaxyシステムにハードウェア・ ルートが1つずつあります。これは,物理的に設置されているマシンであると考えると便利です。 物理装置の場所がコンポーネント階層構造にない場合は, ハードウェア・ルートの子として表示されます。子コンポーネントは, マシンがパーティション分割または論理的に定義されるときに,階層構造内の他の装置に割り当てることができます。


ヒント
自動レイアウト・モードに設定されている場合, どのチャートでもルート・インスタンスをクリックすると, 自動レイアウト操作が実行されます。

11.4.2.2 所有権オーバーレイ

[Windows]メニューから[Ownership Overlay]を選択すると,さまざまなコンポーネントの所有者の初期関係が表示されます。 これらの関係は,パワー・ サイクルの後,コンポーネントを所有するインスタンスを示します。 システムがブートされた後,マイグレート可能なコンポーネントは,所有者を動的に変更することができます。 初期所有権を変更するには,コンソール環境変数を変更しなければなりません。

所有権オーバーレイはPhysical StructureチャートとFailover Targetチャートでは無効です。

11.4.3 Logical Structureチャート

Logical Structureチャートには,Galaxyコミュニティとインスタンスが表示され,Galaxy を形成するすべての関係が最もわかりやすく示されます。 これらのコンポーネントの下に,現在所有しているさまざまな装置が表示されます。Logical Structure チャートとPhysical Structureチャートでは, 所有権に重要な違いがあります。Galaxyでは,パーティション分割, または動的に再構成できるリソースには2つの異なる"所有者"があります。

所有者とは,システムの電源がオンになった後,装置の電源がどこでオンになるかを記述するものです。 この値はバス・プローブ・プロシージャとGalaxy 環境変数の解釈時に,コンソール・ファームウェアによって判断されます。 所有者の値はコンソールの不揮発性メモリに格納されるので,パワー・ サイクルの後,復元することができます。

current_ownerは,特定の時点における装置の所有者を示します。たとえば,CPU はインスタンス間で自由に再割り当てすることができます。その場合,current_owner の値は変化しますが,ownerの値はlp_cpu_mask#環境変数によって設定された値のまま変化しません。

Logical Structureチャートには,current_ownerの関係が表示されます。 変化しない所有者の関係を表示するには,[Window]メニューから[Ownership Overlay] を選択します。

11.4.3.1 ソフトウェア・ルート

Logical Structureチャートの一番上のコンポーネントはソフトウェア・ ルート(SW_Root)です。すべてのGalaxyシステムにソフトウェア・ルートが1 つずつあります。物理装置に特定の所有者がない場合は,ソフトウェア・ ルートの子として表示されます。子コンポーネントは,マシンが論理的に定義されるときに, 階層構造内の他の装置に割り当てることができます。


ヒント
自動レイアウト・モードが設定されている場合, どのチャートでもルート・インスタンスをクリックすると, 自動レイアウト操作が実行されます。

11.4.3.2 未割り当てリソース

すべての装置をパーティションに割り当てずに,Galaxyパーティションを構成することができ,1 つ以上のパーティションを定義するだけで,初期化しないことも可能です。 どちらの場合も,システムのブート時に一部のハードウェアは未割り当ての状態になります。

コンソール・ファームウェアは,未割り当てリソースを次の方法で取り扱います。

システム・ブートの後,割り当てられていない装置はソフトウェア・ルート・ コンポーネントに割り当てられているものとして表示され,アクセスできなくなります。

11.4.3.3 コミュニティ・リソース

共用メモリなどのリソースは,共用コミュニティ内のすべてのインスタンスからアクセスできます。 したがって,共用メモリの場合,コミュニティ自体が所有者であると考えられます。

11.4.3.4 インスタンス・リソース

特定のインスタンスによって現在所有されているリソースや永久的に所有されているリソースは, インスタンス・コンポーネントの子として表示されます。

11.4.4 Memory Assignmentチャート

Memory Assignmentチャートは,Galaxyインスタンス間のメモリの割り当てとパーティションを示します。 このチャートには,ハードウェア・コンポーネント( アレイ,コントローラなど)とソフトウェア・コンポーネント( メモリ・フラグメント)の両方が表示されます。

現在のGalaxyファームウェアおよびオペレーティング・システム・ソフトウェアでは, メモリの動的な再構成はサポートされません。したがって, Memory Assignmentチャートには,Galaxyインスタンス間でコンソールによってメモリ・ アドレス空間がどのようにパーティション分割されているかが表示されます。 この情報はシステム・アプリケーションをデバッグする場合や, 可能な構成の変更方法を確認するときに役立ちます。

11.4.4.1 コンソール・フラグメント

コンソールには1つ以上の小さなメモリ・フラグメントが必要です。通常, コンソールは各パーティションの下位アドレスに約2 MBのメモリを割り当てます。 これはハードウェア・プラットフォームやファームウェアのリビジョンに応じて異なります。 さらに,一部のコンソールでは,メモリ・ ビットマップを格納するために,各パーティションの上位アドレス空間に小さなフラグメントを割り当てます。 コンソール・ファームウェアは適切なメモリ・ アライメントが行われるように,追加フラグメントを作成しなければならないことがあります。

11.4.4.2 プライベート・フラグメント

各Galaxyインスタンスは,OpenVMSをブートするために少なくとも64 MBのプライベート・ メモリ(コンソール・フラグメントを含む)を必要とします。 このメモリはシングル・フラグメントで構成することができ,コンソール・ ファームウェアは適切なメモリ・アライメントが行われるように, 追加プライベート・フラグメントを作成しなければならないこともあります。

11.4.4.3 共用メモリ・フラグメント

OpenVMS Galaxyを作成するには,少なくとも8 MBの共用メモリを割り当てなければなりません。 つまり,OpenVMS Galaxyにとって必要最低限のメモリは, 実際には72 MB (シングル・インスタンスのための64 MBと,共用メモリのための8 MB) です。

11.4.5 CPU Assignmentチャート

CPU Assignmentチャートには,Galaxyインスタンス間でCPUを再割り当てするのに必要な最小のコンポーネントが表示されます。 このチャートは非常に大きなGalaxy 構成を取り扱うときに便利です。

11.4.5.1 プライマリCPU

各プライマリCPUは六角形ではなく,楕円で表示されます。これは,プライマリCPU を再割り当てしたり,停止することができないことを示すためです。 プライマリCPUをドラッグ・アンド・ドロップしようとすると,GCU はステータス・バーにエラー・メッセージを表示し,操作を実行しません。

11.4.5.2 セカンダリCPU

セカンダリCPUは六角形で表示されます。セカンダリCPUは,Logical StructureチャートまたはCPU Assignmentチャートでインスタンス間で再割り当てすることができます。 その場合,CPUを適切なインスタンスにドラッグ・ アンド・ドロップします。現在所有しているインスタンスと同じインスタンスにCPU をドロップすると,CPUは停止され,再起動されます。

11.4.5.3 Fast PathおよびアフィニティされたCPU

Fast Pathを使用する装置に対応づけられたCPUを再割り当てすると,装置に対する対応づけは他のCPU に移動し,CPUの再割り当ては正常に完了します。CPU に現在,プロセス・アフィニティ割り当てがある場合,CPUを再割り当てすることはできません。

OpenVMS Fast Path機能の詳細については,『OpenVMS I/O User's Reference Manual 』を参照してください。

11.4.5.4 失われたCPU

セカンダリCPUは,まだブートされていないインスタンス(パーティション) に再割り当てすることができます。

同様に,Galaxy共用コミュニティのメンバとして構成されていないインスタンスにCPU を再割り当てすることができます。この場合,現在の所有者インスタンスからCPU をプッシュすることができますが,独立インスタンス( 個別のセキュリイティ・ドメイン)にログインし,CPUを現在の所有者に再割り当てしない限り, 元に戻すことはできません。

インスタンスがGalaxy共用コミュニティの一部であるのか,独立インスタンスであるのかとは無関係に, そのインスタンスはGalaxy構成ファイルに格納されます。 したがって,GCUはそのインスタンスを表示することができます。

11.4.6 IOP Assignmentチャート

IOP Assignmentチャートには,I/OモジュールとGalaxyインスタンスの現在の関係が表示されます。 使用しているハードウェア・プラットフォームに応じて,Alpha システム上のシングル・インスタンスGalaxyは,このチャートにI/O モジュールを表示しないことがあります。

11.4.7 Failover Targetチャート

Failover Targetチャートには,シャットダウンや障害が発生したときに, 各プロセッサが他のインスタンスに自動的にフェールオーバーする方法が表示されます。 さらに,このチャートには,各CPUのオートスタート・ フラグの状態も表示されます。

各インスタンスに対してフェールオーバー・オブジェクトの集合が表示され, フェールオーバー可能なCPUが示されます。デフォルト設定では,フェールオーバー関係は設定されず, すべてのオートスタート・フラグが設定されます。

特定のCPUの自動フェールオーバーを設定するには,CPUのフェールオーバー先のインスタンスに適切なフェールオーバー・ オブジェクトをドラッグ・ アンド・ドロップします。インスタンスが所有するすべてのCPUのフェールオーバー関係を設定するには,CPU のフェールオーバー・ターゲットとなるインスタンスの上にインスタンス・ オブジェクトをドラッグ・アンド・ ドロップします。

個々のフェールオーバー・ターゲットを消去するには,フェールオーバー・ オブジェクトを所有者インスタンスにドラッグ・アンド・ドロップします。 すべてのフェールオーバー関係を消去するには,インスタンス・オブジェクトを右クリックして,[Parameters & Commands] ダイアログ・ボックスを表示し,[Commands] ボタンをクリックし,["Clear ALL failover targets?"]をクリックし,[OK]をクリックします。

デフォルト設定では,フェールオーバー操作が発生すると,CPUがターゲット・ インスタンスに到着した後,自動的に起動されます。このオートスタート機能は, 各フェールオーバー・オブジェクトまたは各インスタンス・ オブジェクトに対して,[Parameters & Commands]ダイアログ・ボックスのオートスタート・ コマンドを使用して制御できます。Failover Targetチャートには,オートスタート・フラグの状態が表示されます。オートスタートがセットされている場合は, フェールオーバー・オブジェクトが緑で表示され, オートスタートがクリアされている場合は赤で表示されます。

フェールオーバーおよびオートスタート管理の現在の実装には,次の制限事項がありますので注意してください。

11.5 コンポーネント・パラメータの表示

各コンポーネントには表示可能なパラメータがあり,場合によっては変更することも可能です。 コンポーネントのパラメータを表示するには,カーソルを適切なコンポーネントの上に置き, マウスの右ボタンをクリックして, ポップアップ・メニューから[Parameters]を選択します。また,コンポーネントを選択し,[Components] メニューから[Parameters]を選択することもできます。

パラメータの単位が変換される場合,表示単位を変更すると,表示と, 現在表示されているパラメータ・ダイアログ・ボックスが更新されます。 他のパラメータはシステム・コンポーネントのスナップショットであり, 動的に更新されません。これらのパラメータを変更した場合は,[Parameters] ダイアログ・ボックスをいったん閉じて再び開くことで, 値を更新しなければなりません。

11.6 コンポーネント・コマンドの実行

コンポーネントの[Parameters]ダイアログ・ボックスには,コマンド・ページも表示されることがあります。 その場合は,ダイアログ・ボックスの上部に表示される[Commands] ボタンをクリックすることで,コマンドにアクセスできます。 大部分のコマンドは,トグル・ボタンをクリックして,[OK] または[Apply]ボタンをクリックすることで実行されます。また, 情報を入力しなければならないコマンドや,リストやオプション・メニューから値を選択しなければならないコマンドもあります。 複数のコマンドを選択すると, コマンドは上から下に順に実行されます。論理的に正しいコマンド・ シーケンスを選択してください。

11.7 GCUメニューのカスタマイズ

システム管理者はSYS$MANAGER:GCU$CUSTOM.GCRというファイルを作成することで,GCU メニューとメニュー・エントリを拡張し,カスタマイズできます。 このファイルには,次の例に示す形式のメニュー文だけを格納しなければなりません。GCU$CUSTOM.GCR ファイルはオプションです。このファイルはオペレーティング・ システムのアップグレード時に変更されません。

     FORMAT EXAMPLE:

       MENU "Menu-Name" "Entry-Name" Procedure-type "DCL-command"

           * Menu-Name - A quoted string representing the name of the
                         pulldown menu to add or extend.

           * Entry-Name - A quoted string representing the name of the
                         menu entry to add.

           * Procedure-type - A keyword describing the type of procedure
                         to invoke when the menu entry is selected.

             Valid Procedure-type keywords include:

             COMMAND_PROCEDURE - Executes a DCL command or command file.
             SUBPROC_PROCEDURE - Executes a DCL command in subprocess context.

           * DCL-command - A quoted string containing a DCL command statement
                          consisting of an individual command or invokation
                          of a command procedure.

他のインスタンスで実行するプロシージャを作成するには,GCUがSYS$MANAGER:GCU$ACTIONS.COMT で使用するものと同様のSYSMANまたはタスク間方式を利用するコマンド・ プロシージャを作成します。 GCU$ACTIONS.COMは拡張できますが,このファイルはオペレーティング・ システムのアップグレード時に変更される可能性があります。

       EXAMPLE MENU STATEMENTS (place in SYS$MANAGER:GCU$CUSTOM.GCR):

       // GCU$CUSTOM.GCR - GCU menu customizations
       // Note that the file must end with the END-OF-FILE statement.
       //
       MENU "Tools" "Availability Manager" SUBPROC_PROCEDURE
     "AVAIL/GROUP=DECamds"
       MENU "Tools" "Create DECterm" COMMAND_PROCEDURE  "CREATE/TERM/DETACH"
       MENU "DCL"   "Show CPU"       COMMAND_PROCEDURE  "SHOW CPU"
       MENU "DCL"   "Show Memory"    COMMAND_PROCEDURE  "SHOW MEMORY"
       MENU "DCL"   "Show System"    COMMAND_PROCEDURE  "SHOW SYSTEM"
       MENU "DCL"   "Show Cluster"   COMMAND_PROCEDURE  "SHOW CLUSTER"
       END-OF-FILE

11.8 DECamdsによるOpenVMS Galaxyの監視

DECamds availability manager softwareは,Galaxyシステムをリアルタイムで表示できる便利なツールです。DECamds はローカル・エリア・ネットワークにある1 台のワークステーションまたはPCからすべてのGalaxyインスタンスを監視できます。DECamds は,システムから可用性に関するデータを定期的に収集するカスタムOpenVMS ドライバ(RMDRIVER)を利用します。 この情報は,下位レベルのイーサネット・プロトコルを使用して, DECamdsクライアント・アプリケーションに戻されます。クライアント・ アプリケーションは,システムの可用性属性をさまざまな表示やグラフで示します。 さらに,DECamdsは,認識する多くの条件のいずれかを検出すると, そのことをユーザに通知し,その問題を解決するために一連のソリューション( フィックスと呼びます)を提供します。

各OpenVMSシステムにはDECamdsデータ・コレクタ(RMDRIVER)がインストールされています。 コネクタを有効にするには,SYSTARTUP_VMS.COMの内部でスタートアップ・ プロシージャを実行するか,監視する各Galaxyインスタンスで手動でスタートアップ・ プロシージャを実行しなければなりません。 データ・コレクタを起動するには,次のコマンドを使用します。

     $ @SYS$STARTUP:AMDS$STARTUP START or STOP

コレクタを起動する前に,Galaxyのグループ名を指定する必要があります。 その場合は,ファイルSYS$COMMON:[AMDS]AMDS$LOGICALS.COMを編集してください。 このファイルには,グループ名を宣言するための文が格納されています。 固有の名前を選択し,各Galaxyインスタンス上でこのファイルに同じグループ名が格納されるようにしてください。

OpenVMSエンジニアリング・グループは,DECamdsを使用するときに,各Galaxy インスタンスに対して,[System Overview]ウィンドウ,[Event Window],[CPU Summary]ウィンドウを表示すると便利なことに気付きました。 それぞれの要件に応じて,多くの追加ビューを監視できます。 DECamdsの詳細については,『DECamds Users Guide』を参照してください。

11.9 CPU Load Balancerプログラムの実行

OpenVMS Galaxy CPU Load BalancerプログラムはOpenVMS Galaxyにあるインスタンス内のCPU リソースを直接再割り当てする特権アプリケーションです。

GCUからこのプログラムを実行する方法については,付録 A を参照してください。

11.10 インスタンスの作成

OpenVMS Galaxyソフトウェア・アーキテクチャの現在の実装では,使用する予定のGalaxy インスタンスをあらかじめ定義しておく必要があります。 その場合はコンソール環境変数を使用します。Galaxy環境変数の詳細については, 本書の該当する節を参照してください。

11.11 インスタンスの破棄

Galaxyインスタンスを破棄するには,インスタンスをシャットダウンし, コンソール環境変数を使用してリソースを再割り当てし,必要に応じて新しいリソースを取得するインスタンスを再ブートします。

11.12 シャットダウンおよび再ブート・サイクル

CPUなどのリソースは,関係するインスタンスがブートされた後,動的に再割り当てすることができます。I/O モジュールなどの静的に割り当てられたリソースを再割り当てするには, 適切なコンソール・コマンドを実行した後, 関係するインスタンスをシャットダウンし,再ブートしなければなりません。

11.13 オンライン・モデルとオフライン・モデル

GCUでは,アクティブ(オンライン) Galaxy構成モデルまたは非アクティブ( オフライン) Galaxy構成モデルを表示し,会話することができます。構成表示がアクティブ・ システムのモデルを表す場合は,GCUは色とテキストを使用して,CPU とインスタンスの状態を表示します。構成モデルがこの方法で設定された場合は, ドラッグ・アンド・ドロップを使用してアクティブ・ システムと会話することができます。この操作モードを正しく表現すると, 「設定されているオンライン・モデルとの会話」になります。

GCUユーザは,設定が解除されているモデル,つまり複数のオフライン・ モデルと会話することもできます。オフライン・モデルはファイルに保存したり, ファイルからロードすることができます。また,オフライン・ モデルはアクティブ・オンライン・モデルから作成することもできます。 その場合は,アクティブ・オンライン・モデルが表示されているときに,[Engage] ボタンをクリックして,モデルの設定を解除します。[Engage] ボタンの表示状態の他に,GCUはCPUとインスタンスのオンライン属性とオフライン属性を, 色やテキストで示します。オフライン・モデルで指示されたドラッグ・ アンド・ドロップ操作は,単純な編集機能として解釈されます。 これらはモデルの内部構造を変更しますが,アクティブ・ システムには影響しません。

オフライン・モデルが設定されると,GCUはモデルの構造をアクティブ・ システムの構造と比較します。一致する場合は,オフライン・モデルに設定され, 新しいオンライン状態が色とテキストによって示されます。一致しない場合は,GCU は提案されたモデルと一致するようにアクティブ・システムを変更するために, どのような管理アクションが必要かを判断します。 判断した管理アクションの一覧をユーザに示し,そのアクションを実行してもよいかどうか質問します。 ユーザがアクションの実行を認めないと, モデルはオフラインおよび設定解除状態のままになります。ユーザがアクションを認めると,GCU は管理アクションを実行し,作成されたモデルはオンラインおよび設定状態のモデルとして表示されます。

11.14 GCUシステム・メッセージ


[ 前のページ ] [ 次のページ ] [ 目次 ] [ DOC Home ]