ロケールの名称は,言語(language),地域(テリトリ, territory),コードセット (codeset)から構成されます。一般的には次のような形式で表現されます。
language_territory.codeset
DEC漢字コードセットを使用した日本語ロケールの場合,言語名がja,テリトリが JP,コードセット名がdeckanjiであり,ロケール名はja_JP.deckanjiとなります。
OpenVMS XPG4ユーティリティで定義している日本語文字コードセットは次の4つです。
deckanji | DEC漢字コード(ASCIIまたはJIS ROMANを含む) |
sdeckanji | Super DEC漢字コード |
eucJP | 日本語EUC |
SJIS | Shift JIS |
OpenVMSは,これらの 4つの文字コードに対応する日本語ロケール・データ・ファイルを提供します。 各ロケールの名称は次の通りです。
ロケール名 | ファイル名 | 備考 |
---|---|---|
ja_JP.deckanji | JA_JP_DECKANJI.LOCALE | DEC漢字ロケール |
ja_JP.sdeckanji | JA_JP_SDECKANJI.LOCALE | Super DEC漢字ロケール |
ja_JP.eucJP | JA_JP_EUCJP.LOCALE | 日本語EUCロケール |
ja_JP.SJIS | JA_JP_SJIS.LOCALE | Shift JISロケール |
これらのファイルは,論理名SYS$I18N_LOCALEで指定されるディレクトリに置かれます。
- 注意
- 上記の日本語ロケール・データ・ファイルはオプショナル・セーブセット VMSI18N071をインストールすることで,システムに提供されます。 VMSI18N071セーブセットのインストレーションについては,日本語OpenVMSの 『インストレーション・ガイド』および『リリース・ノート』を参照してください。
ユーザが日本語ロケールを設定するには,論理名LANG,LC_ALL,あるいは LC_で始まる各ロケール・カテゴリを示す論理名に, 上記ロケール名のいずれかを指定します。たとえば,以下の例では SuperDEC漢字ロケールを設定しています。
$ DEFINE LANG "ja_JP.sdeckanji"
システム管理者がSYS$で始まる論理名を定義し, システムの省略時のロケールを設定することもできます。
OpenVMS V6.2では日本語文字コードについて次の変換テーブル・ファイルが SYS$I18N_ICONVに提供されます。
fromcodeset | tocodeset |
---|---|
DECKANJI | EUCJP |
DECKANJI | SDECKANJI |
DECKANJI | SJIS |
EUCJP | DECKANJI |
EUCJP | SDECKANJI |
EUCJP | SJIS |
SDECKANJI | DECKANJI |
SDECKANJI | EUCJP |
SDECKANJI | SJIS |
SJIS | DECKANJI |
SJIS | EUCJP |
SJIS | SDECKANJI |
OpenVMS V7.0では,上記に加えて次の変換テーブル・ファイルが提供されます。
fromcodeset | tocodeset |
---|---|
DECKANJI | ISO2022JP |
ISO2022JP | DECKANJI |
ISO2022JP | SDECKANJI |
SDECKANJI | ISO2022JP |
ICONVコマンドは,状態独立の1〜4バイトのコードセットをサポートします。 状態依存のコードセットはサポートしません。
- 注意
- 変換テーブル・ファイルはオプショナル・セーブセット VMSI18N071をインストールすることでシステムに提供されます。