日本語 Compaq DECwindows Motif for OpenVMS
リリース・ノート


前へ 次へ 目次 索引


2.7.3.4 ユーザ・フォント選択

V1.2

漢字端末エミュレータでは, [オプション]メニューのウィンドウ・ダイアログ・ボックスで利用可能なフォントを選択できるようになりました。省略時の拡大フォント,標準フォント,縮小フォントの代わりに,別のフォントを選ぶことができます。

[オプション]メニューのウィンドウ・ダイアログ・ボックスで省略時のフォントを選ぶか,テキスト入力領域にフォント名を入力してそのフォントを選択することができます。拡大フォント,標準フォント,縮小フォントのいずれかを選択し,トグル・ボタンの [その他] を選択した場合,漢字端末エミュレータはそのすぐ横にあるテキスト入力領域で指定されたフォントの位置を確認して使用します。フォント名の表記法,あるいは使用しているシステムで利用可能なフォントについての情報に関しては,システム管理者に問い合わせてください。

注意

漢字端末エミュレータでは,正しく動作しないフォントもあります。漢字端末エミュレータは文字セル・ターミナルをエミュレートしているので,フォントは各文字間隔が同数のピクセルで構成されている等幅のフォントであることを前提にしています。このためプロポーショナル・フォントを選択することもできますが,その結果を保証することはできません。

さらに,漢字端末エミュレータのフォントは26種の関連するフォント・ファミリとして提供されます。この中には太字,横倍画,縦横倍画,通常,縮小等の種類があります。また,漢字端末エミュレータには,線画文字および弊社技術文字セットなどの特殊文字が含まれています。漢字端末エミュレータのフォント・ファミリは,フォント名の表記法によって識別されます。

関連するすべてのフォント・ファミリ変形文字を持たないフォント,必要な特殊文字を含まないフォント,漢字端末エミュレータのフォント・ファミリの表記法に従わないフォント・ファミリでは,表示その他の面で望まれる結果が期待できない場合があります。

バージョン 6.1 以降の OpenVMS システムでは, VT330 フォントを使用できるようになりました。 VT330 フォントは, VT330 および VT340 端末で使用される 10x20 フォントをベースとしています。このフォントを使用可能なシステムでは,次のようにフォント名テキスト・フィールドにフォント名文字列を入力して使用してください。


    -DEC-VT330-*-*-*--20-*-*-*-c-*-*-* 

2.7.3.5 ローカル・エコー

V1.2

漢字端末エミュレータは,ローカル・エコー・モードをサポートするようになりました。 [オプション]メニューの[一般]ダイアログ・ボックスでローカル・エコーを選択することができます。この機能によって,ローカルに生成された文字シーケンスをすべて画面上にエコー表示させ,遠隔ホストに送信することができます。この機能は,入力された文字のエコーを返さないホストに接続する場合に有用です。

2.7.3.6 応答メッセージ

V1.2

応答メッセージを入力するためのユーザ・インタフェースが使用できるようになりました。応答メッセージ領域は,弊社のターミナルと互換性があります。

応答メッセージ領域は,最大30文字まで入力可能なバッファです。以前の弊社のターミナルでは,応答メッセージ領域はホスト・システムに対する識別のために使用されていました。新しい漢字端末エミュレータのウィンドウでは,どんな文字シーケンスでも,繰り返し使用するために応答メッセージ領域に保管しておくことができます。

応答メッセージ入力のための領域は, [オプション]メニューの[一般]ダイアログ・ボックスにあります。応答メッセージ領域をクリックして,テキストを入力します。制御文字を入力するには, "#" に続けて 2 桁の 16進数の ASCII コードを入力します。

たとえば,応答メッセージ領域に #0D を入力すると,漢字端末エミュレータはキャリッジ・リターンとして応答します。

"#" を2つ連続して "##" のように入力すると,"#" 記号が 1 つだけ送信されます。

"#" の後に,有効な 2 桁の 16進数の ASCII コード以外の文字や,もう 1つ "#" がある場合には, "#" 記号は通常のテキスト上の文字として扱われます。 ASCIIコードの一覧については,ASCIIコード表を参照してください。

応答メッセージのテキストを表示しないことも可能です。 [応答メッセージを隠す] ボタンを有効にすると,応答メッセージは表示されなくなります。 [応答メッセージを隠す] を無効にするには,応答メッセージ領域をクリックします。この操作によって,前回の応答メッセージは消去されます。

2.7.3.7 7ビット・プリンタのサポート

V1.2

漢字端末エミュレータでは, [オプション]メニューの[プリンタ]ダイアログ・ボックスで [7ビット・プリンタ]ボタンを選択した場合, 8ビット文字をサポートしていないプリンタで印刷できるように印刷用テキストに変更が加えられます。これには,CSI (Control Sequence Introducer) 文字列を変更して,単一の8ビットCSI文字ではなく Escape-Left Bracketフォーマット用に変更する処理が含まれます。

[8ビット・プリンタ]ボタンを選択した場合,漢字端末エミュレータで印刷時に 8 ビット文字を使用できるようになります。このモードでは, 8ビット文字の解釈ができない旧型プリンタでは問題が発生する可能性があります。

省略時の設定は8ビットです。

2.7.3.8 接続されたプリンタへの印刷

V1.1

ポート装置への画面印刷サービスを使用するには,そのポート装置に対する読み込みおよび書き込み特権が必要です。コントローラが装置に対するアクセスを必要とするため,装置を割り当てただけでは画面印刷を行うことはできません。その装置を WORLD:RW に設定してください。

たとえば, VAX 3100 のプリンタ・ポートを使用する場合は,特権アカウントから次のコマンドを入力するか,システム・スタートアップ・ファイルに含めておかなければなりません。


$ SET PROTECTION=WORLD:RW TTA3:/DEVICE

2.7.3.9 漢字端末エミュレータのグラフィックス

V1.1

次は,漢字端末エミュレータのグラフィックスに固有の情報です。

2.7.3.10 漢字端末エミュレータのリソース使用

V1.1

システムのリソースおよびクォータに許可された数よりも多くの端末ウィンドウを作成することはできません。前バージョンの漢字端末エミュレータでは,クォータを超えた場合に漢字端末エミュレータのコントローラ・プロセスがクラッシュし,すべての漢字端末エミュレータ・ウィンドウが消えてしまいました。本バージョンでは,リソースが不足した場合は,ダイアログ・ボックスが表示されて,これ以上は漢字端末エミュレータ・ウィンドウを増やせないことを示すメッセージが通知されます。

各漢字端末エミュレータ・ウィンドウのメモリ要求を減らして,新しい端末ウィンドウを作成するには, [表示]ダイアログ・ボックスの[保存行]の数を減らし,各漢字端末エミュレータ・ウィンドウの桁数を減らしてください。

リソースの上限に達した場合は,まずホスト・システム上で実行しているすべての漢字端末エミュレータ・ウィンドウからログ・アウトしないかぎり,端末ウィンドウの数を増やことはできません。

2.7.3.11 診断クラッシュ・ファイルおよびメッセージ

V1.1

致命的な重大度レベルの状態コードが返されると,漢字端末エミュレータは診断ファイルを作成します。漢字端末エミュレータが異常終了した場合は,ファイル DECTERM_ERROR.LOG がログイン・ディレクトリに作成されます。漢字端末エミュレータに問題が発生した場合は,弊社のサービス担当者にログ・ファイルのコピーを提出してください。問題がなくてもログ・ファイルが作成される場合があるので,ログ・ファイルが作成されたからといって問題が発生しているとはかぎりません。したがって,ログ・ファイルだけが単独で作成された場合は,問題が生じたとはいえません。

DECTERM_DIAG という論理名またはシンボルを定義することによって,追加レベルの診断メッセージを使用することができます。これを定義した場合,拡張された診断メッセージが漢字端末エミュレータによって表示されます。このモードは問題の診断にのみ使用してください。このモードでは,セッション・マネージャから新しい漢字端末エミュレータを作成するたびに,セッション・マネージャのメッセージ・ウィンドウが作成されます。

論理名 DECW$TERMINAL_OUTPUT をファイルを指すように定義して,通常の漢字端末エミュレータ診断を有効にすることもできます。

2.7.3.12 VT330 および VT340 端末エミュレータ

V1.0

漢字端末エミュレータには, ReGIS およびシクセル・グラフィックスなどの VT330 および VT340 シリーズ・ビデオ端末の機能のいくつかが組み込まれました。漢字端末エミュレータは,完全な VT330 および VT340 端末エミュレーション機能を提供するものではありません。

漢字端末エミュレータには次の制限があります。

2.7.3.13 CREATE/TERMINAL/DETACHED/PROCESS

V1.0

ユーザ名と同一のプロセス名を持つプロセスがシステム上で実行されている場合を除き,修飾子/PROCESS=procnam は,修飾子 /DETACHED とともに使用すると正常に機能しません。

この問題を避けるには,次のコマンド・プロシージャを使用してください。


$! CREATE_TERM_PROC.COM 
$! 
$! Invoke as SPAWN/NOWAIT @CREATE_TERM_PROC procname 
$! 
$ SET NOON 
$! 
$! Set Process name to username 
$! 
$ X = F$CONTEXT("PROCESS", PID, "PRCNAM", "''F$PROCESS()'","EQL") 
$ NAME = F$EDIT(F$GETJPI(X,"USERNAME"),"COLLAPSE") 
$ SET PROCESS/NAME="''NAME'" 
$ CREATE/TERMINAL/DETACHED/PROCESS="''P1'" 
$! 
$! Allow new process to RUN LOGINOUT before exiting subprocess 
$ WAIT 00:00:10 

修飾子 /PROCESS=procnam にすでに使用されているプロセス名を指定した場合,漢字端末エミュレータは作成されますが,漢字端末エミュレータ内部のプロセス作成に失敗します。この場合, DCL コマンドの CREATE/TERMINAL から次のエラー・メッセージが通知されます。


Duplicate process name 

2.7.3.14 ReGIS ロケータ・レポート

V1.0

漢字端末エミュレータが R(P(I))コマンドに応じて,あるいは複数の入力モードでReGIS ロケータ・レポートを送信し,そのロケータ位置がアドレス可能な領域を外れていた場合,漢字端末エミュレータは座標を省略してロケータ・レポートを送信します。たとえば,A キーを押すと次のレポートを生成します。


A[]<CR>, where <CR> is a carriage return (ASCII code 13). 

2.8 DECW$CDPLAYER

この節では,DECW$CDPLAYERアプリケーションについて説明します。

2.8.1 問題点と制限事項

DECW$CDPLAYERアプリケーションに関する既知の問題点と制限事項について,次に説明します。

2.8.1.1 必要な特権

V1.1

DECW$EXAMPLESディレクトリのDECW$CDPLAYERアプリケーションでは, PHY_IO および DIAGNOSE特権がないと, CD プレーヤのハードウェアを動作させることはできません。ユーザのプロセスまたはイメージのいずれかにこれらの特権が必要です。

2.9 電子メール

この節では,[電子メール]アプリケーションについて説明します。

2.9.1 修正事項

この項では,以前のバージョンではエラーになり,回避策が必要であった電子メール・アプリケーションの問題の解決について説明します。

2.9.1.1 別のウィンドウでテキストの選択中にフォルダ間でメッセージのドラッグができる

V1.2--6

漢字端末エミュレータ・ウィンドウなど,別のアプリケーション・ウィンドウでテキストの範囲を選択したのちに,電子メールで1つ以上のメール・メッセージをフォルダ間でドラッグできるようになりました。

以前のバージョンでは,このような動作を行うと,ユーザが電子メール・アプリケーションに戻り,強調表示されたメッセージを新しいフォルダにドラッグしようとすると,選択の競合が生じていました。この問題は解決されています。

2.9.1.2 DECnotesインタフェースから複数のメッセージが送信できる

V1.2--6

DECnotesインタフェースから電子メールへ複数のメール・メッセージを送信することができるようになりました。この動作を行っても,アクセス違反が生じることはありません。

2.9.1.3 新しいメールの受信時に Inbox の取出しが可能 (Alpha のみ)

V1.2--6

新しいメッセージの受信中に,Inbox からメッセージを選択して[取出し] メニューを使用することができます。この動作を行っても,アプリケーションはもうクラッシュしません。

2.9.1.4 [オプション/ウィンドウ/色の設定]が正しく表示される ( New Desktop のみ)

V1.2--6

以前のバージョンでは,電子メールの色を変更しようとすると, [ウィンドウ]ダイアログ・ボックスの下部に表示される 5つのウィンドウ色のオプションにアクセスすることができませんでした (黒の背景に黒のテキストで表示されていました)。この問題は解決され,現在では,すべてのオプションは適切なカラーで表示されます。

2.9.2 問題点と制限事項

この項では,電子メールのアプリケーションに関する既知の問題点と制限事項について説明します。

2.9.2.1 Display PostScript のサポートの終了

V1.2--6

DECwindows Motif の現在のバージョンでは Display PostScript がサポートされていないため,電子メールでは PostScript コードのみのメッセージの表示をサポートしていません。電子メールの以前のバージョンでは, PostScript を含むメール・メッセージがあることを検出すると, Display PostScript を使用してそのメッセージを表示していました。

現在では,電子メールで PostScript コードのみのメッセージを検出すると,次のエラー・メッセージを表示します。


[This PostScript® message cannot currently be displayed.] 

解決策としては,[ファイル] メニューで [Extract] オプションを使用し, ([Extract] ダイアログ・ボックスで [Include Header Information] の選択を解除して),取り出したファイルをプリントします。

2.9.2.2 ディレクトリ・ウィンドウからのメッセージのペースト

V1.2--4

電子メールでは,ユーザがMB1を使用してディレクトリ・ウィンドウで 1つ以上のメッセージを選択してから,漢字端末エミュレータなどの別のウィンドウでMB2をクリックすると,選択したメッセージ全部がこの別のウィンドウにペーストされます。選択したメッセージはディレクトリ・ウィンドウでは反転表示されていますが,別のウィンドウにペーストされたテキストは反転表示していません。


前へ 次へ 目次 索引