日本語 Compaq DECwindows Motif for OpenVMS
リリース・ノート


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3.3.1.4 DECW$EXAMPLESグローバル・シンボル移動時のDECW$UTILS グローバル・シンボルの定義

V1.2

DECwindows Motif Version 1.2 for OpenVMS では新しいシンボル DECW$UTILS が導入されました。通常 DECW$UTILS は DECW$EXAMPLESのサブディレクトリを指します。 DECW$EXAMPLES グローバル・シンボルを DECW$PRIVATE_APPS_SETUP.COMコマンド・プロシージャで定義して, DECwindows プログラム例が入っているディレクトリを変更する場合は, DECW$UTILSを定義して,ユーティリティのディレクトリも必ず変更するようにしてください。

たとえば,DECW$EXAMPLESとDECW$UTILSの両方を再定義するには,下記の各行をSYS$MANAGER:DECW$PRIVATE_APPS_SETUP.COMプロシージャに加えます。


$ DECW$EXAMPLES == "SYS$SYSROOT:[DECWEXAMPLES] 
$ DECW$UTILS == "SYS$SYSROOT:[DECWEXAMPLES.UTILS] 

注意

SYS$MANAGER:DECW$PRIVATE_APPS_SETUP.COMファイルが存在しない場合は, SYS$MANAGER:DECW$PRIVATE_APPS_SETUP.TEMPLATEファイルから作成してください。

ここで,次のコマンドでDECwindowsを再起動します。


$@SYS$MANAGER:DECW$STARTUP RESTART 

3.3.1.5 ログイン画面のカスタマイズ

V1.2

ログイン画面をカスタマイズするために,いくつかの新しいリソースが用意されています。ログイン画面をカスタマイズするには, SYS$MANAGERディレクトリ内にリソースを定義した DECW$LOGIN.DATという名前のファイルを作成してください。 SYS$MANAGER:DECW$LOGIN.DAT で定義されたリソースは, SYS$COMMON:[DECW$DEFAULTS.SYSTEM]DECW$LOGIN.DATファイルの弊社定義のリソースにマージされ,新しいログイン画面が作成されます。

DECW$LOGIN.DATリソース・ファイルは, DECW$SYSTEM_DEFAULTSではなく SYS$MANAGERに存在しなければなりません。これによって DECwindows Motif を新バージョンに更新する時に,カスタム・ファイルが重ね書きされないようになり,また,カスタム・ファイルが弊社提供のファイルで置き換えられることもありません。

3.3.1.5.1 Compaq ロゴおよびログイン画面カラーのカスタマイズ

表 3-3 のリソースを定義して, Compaq ロゴの位置と色,そして[セッション起動]画面の背景色を制御することができます。

表 3-3 Compaqロゴの移動およびログイン画面カラー変更のためのリソース
リソース 説明
rootColor 画面背景の色
logoColor Compaqロゴの色(省略時の設定は赤紫)
logoX Compaqロゴのx方向の位置(省略時の設定値は 0)
logoY Compaqロゴのy方向の位置(省略時の設定値は 75)
centerLogoX ブール; 真(省略時の設定)の場合, Compaqロゴは画面上で左右の中央に表示されます。

たとえば,Compaqロゴをx=100,y=600の位置に表示させるには, SYS$MANAGER:DECW$LOGIN.DATファイルに次のリソース定義を追加します。


decw$login.logoX: 100 
decw$login.logoY: 600 
decw$login.centerLogoX: false 

3.3.1.5.2 [セッション起動]ダイアログ・ボックスおよび[パスワード]ダイアログ・ボックスの位置の変更

表 3-4 のリソースを定義して, [セッション起動]ダイアログ・ボックスおよび[パスワード]ダイアログ・ボックスの位置を変更することができます。

表 3-4 [セッション起動]ダイアログ・ボックスおよび [パスワード]ダイアログ・ボックスの位置変更のためのリソース
リソース 説明
centerStartSessionX ブール; 真(省略時の設定)の場合, [セッション起動]ダイアログ・ボックスは左右の中央に表示されます。
centerStartSessionY ブール; 真(省略時の設定)の場合, [セッション起動]ダイアログ・ボックスは上下の中央に表示されます。
centerSetPasswordX ブール; 真(省略時の設定)の場合,有効期限が切れたパスワードのための[パスワード]ダイアログ・ボックスは,左右の中央に表示されます。
centerSetPasswordY ブール; 真(省略時の設定)の場合, [パスワード]ダイアログ・ボックスは,上下の中央に表示されます。

たとえば, [セッション起動]ダイアログ・ボックスをx=100,y=600の位置に表示させるには, SYS$MANAGER:DECW$LOGIN.DATファイルに次のリソース定義を追加します。


decw$login.centerStartSessionX: false 
decw$login.centerStartSessionY: false 
decw$login.HiddenShell.x: 100 
decw$login.HiddenShell.y: 600 

[パスワード]ダイアログ・ボックスをx=30,y=100の位置に表示させるには, SYS$MANAGER:DECW$LOGIN.DATファイルに次のリソース定義を追加します。


decw$login.centerSetPasswordX: false 
decw$login.centerSetPasswordY: false 
decw$login.SetPasswordShell.x: 30 
decw$login.SetPasswordShell.y: 100 

3.3.1.5.3 [セッション起動]ダイアログ・ボックスのノード名表示の無効化

[セッション起動]ダイアログ・ボックスにノード名を表示させないようにするには, SYS$MANAGER:DECW$LOGIN.DATファイルに次のリソース定義を追加します。


decw$login.displayNodeName: false 

3.3.1.6 カスタマイズしたログイン・ロゴの表示

V1.1

省略時の設定では, SYSTEM アカウント用の DECwindows Motifライセンスが登録されていない場合, DECwindowsはユーザが作成したログイン・ロゴを表示しません。これは, DECwindows Motif の個人用のライセンスを使用しているシステムで, DECwindows ユーザ・リストに SYSTEM が含まれていない場合に問題となります。

SYSTEMアカウント用の DECwindows Motifのライセンスがない場合は, SYS$MANAGER:DECW$PRIVATE_APPS_SETUP.COMファイルに次の定義を追加することにより,ユーザが作成したロゴを表示することができます。


$ DECW$LOGINLOGOSUB == "TRUE" 

注意

ファイルが存在しない場合は, SYS$MANAGER:DECW$PRIVATE_APPS_SETUP.TEMPLATE ファイルからコピーしてください。

セットアップ・ファイルを編集した後,次のコマンドを使用してDECwindows Motifを再起動してください。


$ @SYS$MANAGER:DECW$STARTUP RESTART

DECwindows Motif にログインした場合,ロゴ・プロセスは独立プロセスではなくサブプロセスとして起動されます。ライセンス・チェックは,ロゴ・プロセスがログイン・プロセスの子プロセスであることを確認し, X接続がオープンされます。

3.3.2 問題点と制限事項

DECwindows Motif環境のチューニングとカスタマイズに関する既知の問題点と制限事項について,次に説明します。

3.3.2.1 一部のグラフィックス・カードでシステムがハングする問題

V1.2--5

Powerstorm 4d20またはZLXp-E2グラフィックス・カードを装着したシステムで,多数のアプリケーション・ウィンドウを開いたとき,あるいは特定のCDAドキュメントを開いたときに,オペレーティング・システムがハングしたり,極端に動作が遅くなることがあります。システム・ハングがこの問題によるものかどうかを調べるには, [デスクトップ・ツール] の [エラーの監視] を使用してください。システム・ハングの原因がこの問題にある場合は,次のようなメッセージが表示されます。


-> RCV'D (pid nnnnnnnn): RCV'D (pid nnnnnnnn
%SYSTEM-F-EXBUFOBJLM, exceeded systemwide buffer object page limit (MAXBOBMEM) 
-> RCV'D (pid nnnnnnnn): RCV'D (pid nnnnnnnn
SYSTEM logged out at dd-mmm-yyyy hh:mm:ss

現時点では,開いているウィンドウ数を減らす以外にこの問題の解決策はありません (MAXBOBMEMの値を大きくしても問題は解決されません)。この問題が発生した際に,漢字端末エミュレータ・ウィンドウをフリーにして,システム再起動を実行することができる場合もあります。そうでない場合は,ハードウェア的な再ブートを実行する必要があります。

3.3.2.2 特定のキーマップでのパフォーマンスの問題

V1.2--5

Austrian-Germanキーマップ(AUSTRIAN_GERMAN_LK401AG_TW)使用時にパフォーマンスの問題が発生します。他のキーボードあるいは言語の変更の場合であっても,ユーザがキーボード・モディファイア・マップのmod4またはmod5エントリに Mode_switch モディファイアを設定するキーボード・マップ/言語のシーケンスを選択すると発生する可能性があります。この問題は, [キーボード・オプション]ポップアップ・メニューで Mode_switch モディファイアを使用するキーボード・マップをユーザが選択することによって発生します。

キーボード・モディファイア・マップのどこに Mode_switch モディファイアがあるかを調べるには,次のコマンドを使用してください。


$ XMODMAP :== $DECW$UTILS:XMODMAP.EXE 
$ XMODMAP 
xmodmap:  up to 3 keys per modifier, (keycodes in parentheses): 
 
shift       Shift_R (0xab),  Shift_L (0xae) 
lock        Caps_Lock (0xb0) 
control     Control_L (0xaf) 
mod1        Alt_L (0xac),  Alt_R (0xb2) 
mod2        Mode_switch (0xb1) 
mod3        Multi_key (0xad) 
mod4        Mode_switch (0x7a) 
mod5        Help (0x7c) 

解決策としては, DECW$UTILS:XMODMAP.EXEユーティリティを使用して,キーボード・マップを選択したあと,モディファイア・マッピングを変更します。

  1. XMODMAP に渡されるときに,現在のキーボード・モディファイア・マップを消去し, Mode_switch のマッピングをキーボード・モディファイア・マップ内の下位エントリに変更するファイルを作成します。


    clear shift 
    clear lock 
    clear control 
    clear mod1 
    clear mod2 
    clear mod3 
    clear mod4 
    clear mod5 
    add shift = Shift_R Shift_L 
    add lock = Caps_Lock 
    add control = Control_L 
    add mod1 = Alt_R Alt_L 
    add mod2 = Multi_key 
    add mod3 = Mode_switch 
    add mod5 = Help 
    

  2. 次のコマンドを使用して,このファイルをXMODMAPに渡します。


    $ XMODMAP :== $DECW$UTILS:XMODMAP.EXE 
    $ XMODMAP XMODMAPRC.DAT 
    

3.4 コンソール・ウィンドウ

この節では,コンソール・ウィンドウ・アプリケーションについて説明します。

3.4.1 変更および拡張

コンソール・ウィンドウ・アプリケーションに対して行われた変更および拡張について,次に説明します。

3.4.1.1 コンソール・メッセージの表示

V1.2--3

DECwindows Motif V1.2-3 for OpenVMSでは,コンソール・ウィンドウ・アプリケーションにコンソール・メッセージを表示する機能が用意されました。旧バージョンのDECwindows Motifでは,省略時の設定でコンソール・ウィンドウが表示されていました。

注意

DECwindows Motif V1.2-3 for OpenVMS 以降は,コンソール・メッセージ表示の新しい省略時の値は無効(DISABLE)に設定されます。 DECwindows Motifのこれまでのバージョンでは,省略時の値は有効(ENABLE)でした。この設定値については,以降の節で詳細に説明します。ユーザがコンソール通信用に代替コンソール・ポートを選択する場合, DECwindowsコンソール・ウィンドウは無効であり,コンソール・ブロードキャストは有効です。代替コンソール・ポートの選択についての詳細は,各ワークステーションのオーナーズ・ガイドを参照してください。

メッセージをどのように表示するかを指定するには,スタートアップ設定ファイルのSYS$MANAGER:DECW$PRIVATE_APPS_SETUP.COMでグローバル・シンボルDECW$CONSOLE_SELECTIONを定義します。 WINDOW, DISABLE, ENABLE のいずれかの値を入力してください。

SYS$MANAGER:DECW$PRIVATE_APPS_SETUP.COMファイルでグローバル・シンボルを定義する方法についての詳細は,『日本語 DECwindows Motif for OpenVMS 環境設定の手引き』を参照してください。

3.5 漢字端末エミュレータ

この節では,漢字端末エミュレータのシステム管理上の問題について説明します。

3.5.1 変更および拡張

漢字端末エミュレータ・アプリケーションの管理に影響を及ぼす変更および拡張について,次に説明します。

3.5.1.1 漢字端末エミュレータの論理名のサポート

V1.1

表 3-5 には,漢字端末エミュレータがサポートする論理名が記載されています。これらの論理名は,コントローラが参照できるように,使用する LOGIN.COM ファイルで定義しておかなければなりません。

表 3-5 漢字端末エミュレータがサポートする論理名
論理名 説明
DECTERM_DIAG 診断メッセージを可能にします。
DECTERM_SHOW_PARSING 構文解析どおりに文字を表示します。
DECTERM_CHECK_MEMORY 厳密なメモリ・チェックを可能にします。
FAKE_VM_REAL_FREE_OFF DECTERM_CHECK_MEMORY が定義された場合は,1 に設定しなければなりません。
DECW$DECTERM_ERROR エラー・ログ・ファイル名。省略時はDECTERM_ERROR.LOG。
DECW$DECTERM_OUTPUT 診断出力ファイル名。省略時は SYS$OUTPUT。
DECW$DECTERM_REGIS_CURSOR ReGIS に使用するカーソルを指定します。
DECW$TERMINAL_NODENAME コントローラが別の名前を見つけられないときに使用するノード名。
DECW$DECTERM_CTRL_SSRWAIT コントローラ用に SSRWAIT フラグを設定します。
DECW$DECTERM_CTRL_PSWAPM コントローラ用に PSWAPM クォータを設定します。
DECW$DECTERM_CTRL_WSEXTENT コントローラ用に WSEXTENT クォータを設定します。
DECW$DECTERM_CTRL_WSQUOTA コントローラ用に WSQUOTA クォータを設定します。
DECW$DECTERM_DISABLE_QUOTA_CHECKING クォータ・チェックをオフにします。
DECW$DECTERM_MEM_DIAG コントローラのクォータ計算を表示します。


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