日本語 Compaq OpenVMS Alpha
オペレーティング・システム
V7.3 インストレーション・ガイド


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注意

表のグローバル・ページの単位はページレット(512バイト)であることに 注意してください。また,インストールするのに必要なグローバル・ページの値は,システムのページ・サイズによって多少変わります。表はシステムのページ・サイズが8キロバイトのときの値を表しています。

日本語 Compaq OpenVMS Alpha V7.3 のインストールには,グローバル・ページの空きが 12,000 ページ,グローバル・セクションの空きが 63 セクション必要です。日本語 Compaq OpenVMS Alpha V7.3 のインストレーション・プロシージャは,グローバル・ページおよびグローバル・セクションの空きを調べ,その値が上の数字に満たない場合はインストレーションを中断します。

現在のシステムのグローバル・ページおよびグローバル・セクションの空きは,次のようにして調べることができます。


     $ WRITE SYS$OUTPUT F$GETSYI("FREE_GBLPAGES") 
     $ WRITE SYS$OUTPUT F$GETSYI("FREE_GBLSECTS") 

グローバル・ページ, およびグローバル・セクション の値は次のようにして変更することができます。

  1. SYS$SYSTEM:MODPARAMS.DAT に追加

    次の行をSYS$SYSTEM:MODPARAMS.DATに加えてください。


         GBLPAGES=<グローバル・ページの値(ページレット)> 
         GBLSECTIONS=<グローバル・セクションの値> 
    


    あるいは,次の行でもかまいません。


         ADD_GBLPAGES=<追加するグローバル・ページの値(ページレット)>
         ADD_GBLSECTIONS=<追加するグローバル・セクションの値>
    


  2. AUTOGENをかける
    次のように AUTOGEN を実行してください。


         $ @SYS$UPDATE:AUTOGEN GETDATA REBOOT NOFEEDBACK 
    


    システムがシャット・ダウンされリブートされます。グローバル・ページとグローバル・セクションの値は,SYS$SYSTEM:MODPARAMS.DAT に書かれた値に変更されます。

1.10 システム・ディスクのバックアップ

インストレーション中に問題が発生したときのために,あらかじめシステム・ディスクのバックアップをとっておくことをお勧めします。バックアップ実行の詳細については,『 Compaq OpenVMS システム管理者マニュアル』を参照してください。

1.11 日本語 Compaq OpenVMS Alpha V7.3 より前のバージョンからのアップグレード

日本語 Compaq OpenVMS Alpha V6.2,V7.0,V7.1,V7.2 または V 7.2-1 から日本語 Compaq OpenVMS Alpha V7.3 にアップグレードする場合は,必ず以下の手順で行うようにしてください。

  1. 日本語 Compaq DECwindows Motif のバージョンアップ

    日本語 Compaq DECwindows Motif を実行していない場合

    ワークステーションで日本語 Compaq DECwindows Motif を実行していない場合は,この作業は必要ありませんので 4 の作業へ進んでください。


    日本語 Compaq OpenVMS V7.3 でサポートされる日本語 Compaq DECwindows Motif のバージョンは V1.2-4 以上です。V1.2-4 より前のバージョンをお使いの場合は,あらかじめ V1.2-4 以上へのアップグレードを行ってください。
    なお日本語 Compaq OpenVMS 7.3 の CD-ROM には日本語 Compaq DECwindows Motif V1.2-6 が含まれていますので,V1.2-6 へのアップグレードをお勧めします。

  2. 日本語 Compaq DECwindows Motif 言語設定の変更

    ワークステーションで日本語 Compaq DECwindows Motif を実行していて,SYSTEM アカウントのセッション・マネージャの言語設定が「日本語」になっている場合は,「US English」に変更してください。

  3. 日本語 Compaq DECwindows Motif の削除

    Compaq OpenVMS のアップグレードと同時に Compaq DECwindows Motif のアップグレードを行う場合は,アップグレード作業の前に日本語 Compaq DECwindows Motif を削除しておく必要があります。詳しくは,日本語 Compaq DECwindows Motif V1.2-6 の『インストレーション・ガイド』を参照してください。

  4. 日本語 TCP/IP の削除

    日本語 TCP/IP を使用していない場合は,5 の作業へ進んでください。

    注意

    日本語 TCP/IP がインストールされている OpenVMS Alpha システムを OpenVMS Alpha バージョン 7.3 へバージョンアップする場合, TCP/IP を正常に動作させるために,必ず以下の手順に従ってバージョンアップを行ってください。

    この作業は日本語 TCP/IP のバージョン,およびバージョンアップ前の OpenVMS Alpha オペレーティング・システムのバージョンは関係ありません。また,バージョンアップ後の OpenVMS Alpha システム上で日本語 TCP/IP を使わない場合でも,作業は必要です。

  5. SYS$MANAGER:SYSTARTUP_VMS.COM の編集

    SYS$MANAGER:SYSTARTUP_VMS.COM をエディタで編集して,日本語 OpenVMS Alpha のスタートアップ・プロシージャの行を以下のようにコメント・アウトしてください。


    $! @SYS$STARTUP:JSY$STARTUP.COM 
    

    この作業を行わないと,後の作業で警告メッセージが表示されます。

  6. 標準版 Compaq OpenVMS Alpha V7.3 へのアップグレード

    標準版 Compaq OpenVMS Alpha V7.3 のキットを用いて,標準版 OpenVMS Alpha のアップグレードを行ってください。アップグレードの方法については『 Compaq OpenVMS Alpha Version V7.3 Upgrade and Installation Manual 』を参照してください。

    Compaq DECwindows Motif のアップグレードを行う場合は,ここで同時に行うことができます。

  7. XPG4ロケール・データ・ファイル・キットのインストール

    ロケール・データ・ファイル・キット VMSI18N073 をインストレーションを行ってください。インストレーションの手順は 第 1.5.2 項 を参照してください。

  8. 日本語 Compaq OpenVMS Alpha V7.3 へのアップグレード

    日本語 Compaq OpenVMS Alpha V7.3 のインストレーションを行ってください。以後の作業については, 第 2 章 " 日本語インストレーション " およびそれ以降の章を参照してください。

  9. 日本語 Compaq DECwindows Motif のインストレーション

    日本語 Compaq OpenVMS Alpha V7.3 でサポートされる日本語 Compaq DECwindows Motif のバージョンは V1.2-4 以上です。次の表に従って,必要な作業を決定してください。

    現在の日本語 Compaq DECwindows Motif のバージョン 日本語 Compaq OpenVMS Alpha V7.3 アップグレード前に必要な作業
    V1.2-4 より前 日本語 Compaq DECwindows Motif V1.2-4 以上のバージョンへのアップグレード
    V1.2-4 英語版 Compaq DECwindows V1.2-4 の 2000 年対応キット (ALPMOTF03_U4012.A) のインストールが必要です

    日本語 Compaq DECwindows V1.2-4 修正キットのインストールをお勧めします
    V1.2-5,V1.2-5A 英語版 Compaq DECwindows Motif V1.2-5 の修正キットのインストールが必要です
    V1.2-6 特別な作業は必要ありません


第 2 章
日本語インストレーション

この章では,日本語 Compaq OpenVMS Alpha オペレーティング・システム V7.3 のインストレーションの手順について説明します。

2.1 インストレーション

日本語 Compaq OpenVMS Alpha オペレーティング・システム V7.3 は,標準版 Compaq OpenVMS Alpha V7.3の POLYCENTER ソフトウェア・インストレーション・ユーテリティ (PCSI) プロシージャでインストールされます。キットのファイル名は DEC-AXPVMS-JVMS-V0703-1.PCSIです。

日本語 Compaq OpenVMS Alpha V7.3 をインストールする前に,『 Compaq OpenVMS システム管理者マニュアル』の「POLYCENTER Software Installation ユーティリティ」の項を参照してください。

さらに,日本語 Compaq OpenVMS Alpha V7.3 をインストールする前に,次のことを確認してください。

  1. 標準版 Compaq OpenVMS Alpha が V7.3 である

  2. XPG4 ロケール・データ・ファイルがインストールされている (詳細は, 第 1.5.2 項 を参照)

  3. 十分なディスク・スペースがある (詳細は, 第 1.8 節 を参照)

  4. システムに十分なグローバル・ページとグローバル・セクションがある (詳細は, 第 1.9 節 を参照)

  5. 日本語 Compaq OpenVMS Alpha V6.2,V7.0,V7.1,V7.2 または V 7.2-1 からのアップグレードの場合, 第 1.11 節 に示されている準備が終了している

2.2 インストレーションの手順

この節では,日本語 Compaq OpenVMS Alpha V7.3 のインストレーションの手順を説明します。

注意

日本語 Compaq OpenVMS Alpha V7.3 では,POLYCENTER ソフトウエア・インストレーション・ユーティリティを使用してインストールを行います。従来の VMSINSTAL ではインストールできませんのでご注意ください。

日本語 Compaq OpenVMS Alpha V7.3 をインストールするためには,システム・マネージャのアカウントにログインして,次のコマンドを入力し, POLYCENTER ユーティリティを実行します。


 
 $ PRODUCT INSTALL JVMS /SOURCE=device:[directory] 
 

ここで,device はキットの存在するデバイス, directory はキットの存在するディレクトリです。

source 修飾子を指定しなかった場合,POLYCENTER ユーティリティは論理名 PCSI$SOURCE で指定された場所を検索します。 source 修飾子も PCSI$SOURCE も指定しなかった場合は, POLYCENTER ユーティリティはデフォルト・ディレクトリを検索します。

キットを見つけると,POLYCENTER ユーティリティは以下のメッセージを表示します。


 The following product has been selected: 
     DEC AXPVMS JVMS V7.3                     Layered Product 
 
 Do you want to continue? [YES] 
 

ここでインストールされるキットが正しく日本語 Compaq OpenVMS Alpha V7.3 を示していることを確認してください。

YES と答えると,次のメッセージが表示されます。


 Configuration phase starting ... 
 
 You will be asked to choose options, if any, for each selected product and for 
 any products that may be installed to satisfy software dependency requirements. 
 
 DEC AXPVMS JVMS V7.3 
 
 Do you want the defaults for all options? [YES] 
 

ここでオプションの選択のための質問が表示されますが,日本語 Compaq OpenVMS Alpha V7.3 では選択可能なオプションはありませんので,YES と答えてください。


 Do you want to review the options? [NO] 
 

確認のために,選択したオプションを表示するかどうかの質問です。日本語 Compaq OpenVMS Alpha V7.3 では選択可能なオプションはありませんので, NO と答えてください。

以上の質問に答えると,日本語 Compaq OpenVMS Alpha V7.3 のインストレーションが開始されます。


 
 Execution phase starting ... 
 
 The following product will be installed to destination: 
     DEC AXPVMS JVMS V7.3                     DISK$ALPHASYS:[VMS$COMMON.] 
 
 Portion done: 0%...10%...20%...30%...40%...50%...60%...70%...80%...90%...100% 
 

ゲージが 100% に達すると,ファイルをシステムに転送する作業は完了です。以下のメッセージが表示され,IVP が実行されます。


 
The following product has been installed: 
    DEC AXPVMS JVMS V7.3                     Layered Product 
 
%PCSI-I-IVPEXECUTE, executing test procedure for DEC AXPVMS JVMS V7.3 ... 
 

IVPが正常に完了すると,以下のメッセージが表示され,インストレーションは完了です。


 %PCSI-I-IVPSUCCESS, test procedure completed successfully 
 
 DEC AXPVMS JVMS V7.3 
 
     This product requires the following SYSGEN parameters: 
         TTY_CLASSNAME value TT 
 
     This product requires the following SYSGEN parameters: 
         GBLPAGES add 12000 
 
     This product requires the following SYSGEN parameters: 
         GBLSECTIONS add 63 
                                  
     Insert the following lines in SYS$MANAGER:SYSTARTUP_VMS.COM: 
         @SYS$STARTUP:JSY$STARTUP.COM 
 $ 
 

POLYCENTER ユーティリティが終了したら,インストレーション後の作業を行い,システムをリブートしてください。

インストレーション後の作業については, 第 4 章 を参照してください。

また,インストレーションや IVP でエラーが起きたときは, 第 5 章 を参照して対処してください。


第 3 章
インストレーションの検証

この章では,日本語 Compaq OpenVMS Alpha オペレーティング・システムがうまくインストールされたかどうかを検証する方法について説明します。

3.1 インストレーション検証プロシージャ(IVP)

日本語 Compaq OpenVMS Alpha のキットには,日本語 Compaq OpenVMS Alpha が正しくインストールされたかどうか確認するための,インストレーション検証プロシージャ(IVP)が含まれています。 IVP (JSY$IVP.COM) は,SYS$TEST に置かれます。

IVP は,日本語 Compaq OpenVMS Alpha の主な14個のユーティリティについてのテストから構成されており,このコマンド・プロシージャが正常終了した場合は,日本語 Compaq OpenVMS Alpha が正しくインストールされたことを示します。

日本語 Compaq OpenVMS Alpha のインストレーション時に IVP の実行を指定すると, VMSINSTAL は,日本語 Compaq OpenVMS Alpha の各ユーティリティがインストールされた後に IVP を起動します。

また,日本語 Compaq OpenVMS Alpha のインストレーション後に PAK を登録しロードした後に,単独でIVPを実行することもできます。その場合には,次のように入力して IVP を起動します。ただし,この操作には SYSPRV 特権が必要です。


     $ @SYS$TEST:JSY$IVP.COM 

IVP は,日本語 Compaq OpenVMS Alpha の 14 個のユーティリティが,それぞれインストールされているかどうかを判断し,インストールされていたならば,そのユーティリティについてのテストを実行します。

各ユーティリティそれぞれについてのテストが終了した時点で,そのユーティリティに問題が発見された場合,エラー・メッセージが出力されます。そして,14 個のテストすべてが終了した後に,日本語 Compaq OpenVMS Alpha のインストレーションが成功したかどうかのメッセージが出力されます。エラー・メッセージはJSY$TEST:ERROR.DAT にも出力されます。

すべてのユーティリティについてのテストの実行ではなく,1つのユーティリティについてだけテストを実行することができます。その場合には,次のように入力してください。


     $ @JSY$TEST:IVP_SETUP.COM [ユーティリティ・テスト名] 

たとえば,KCODE ユーティリティの場合には,次のように入力します。


     $ @JSY$TEST:IVP_SETUP.COM IVP_KCODE 

上記の @SYS$TEST:JSY$IVP.COM は,すべてのユーティリティのテストを実行します。これらのユーティリティのユーティリティ・テスト名を実行する順番に示します。

IVP_CMGR
IVP_FIP
IVP_JCOBOL
IVP_JDICEDIT
IVP_JMAIL
IVP_JSORT
IVP_KANJIGEN
IVP_KCODE
IVP_KCONVERT
IVP_KINQUIRE
IVP_NCOBOL
IVP_TMH
IVP_XTPU
IVP_JSNA

ただし,テストはインストールされているユーティリティについてだけ実行されます。 IVP が正しく実行されるためには,JSY$TEST:F_[ ユーティリティ名].DAT が JSY$TEST に存在していなければなりません。もし,それらがないとエラー・メッセージが出力されます。また,ファイル F_NECESSARY.DAT も存在しなければなりません。

IVP の実行を途中で止めたい時は [Ctrl/Y] を押してください。

IVP が,正常に終了した場合の出力メッセージについては, 付録 C を参照してください。


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