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LAVC$FAILURE_ANALYSIS.MAR は SYS$EXAMPLES に格納されているサンプル・プログラムであり,このプログラムを編集して利用すれば,障害のあるネットワーク・コンポーネントを検出し,切り分けるのに役立ちます。このプログラムを実行すると,障害分析を実行するルーチンに対して,クラスタ通信ネットワークの物理的な説明情報が提供されます。
D.4.1 障害分析
ネットワーク障害分析プログラムを使用すると,障害のあるネットワーク・コンポーネントの検出と切り分けに必要な時間を短縮でき,その結果,クラスタの可用性を大幅に向上できます。
D.4.2 LAVC$FAILURE_ANALYSIS プログラムの動作方法
以下の表は,LAVC$FAILURE_ANALYSIS プログラムの動作方法を示しています。
ステップ | プログラムの動作 |
---|---|
1 | プログラムは障害が発生したチャネルをグループにまとめ,それをクラスタ・ネットワークの物理的な記述情報と比較する。 |
2 | プログラムは次に,障害が発生したチャネルに関連する,正常に動作していないネットワーク・コンポーネントのリストを作成し, OPCOM メッセージを使用して,コンポーネントの名前と, 1 つ以上のチャネル障害の原因の可能性を表示する。
ネットワーク障害分析でパスの一部 (複数のコンポーネントを含む) が動作していることを確認できない場合,プログラムは以下の操作を行う。
|
3 | コンポーネントが再び動作するようになったら,OPCOM は %LAVC-S-WORKING というメッセージを表示する。 |
D.5 Network Failure Analysis Program の使用
表 D-1 では,Network Failure Analysis Program を編集および使用するための手順について説明しています。
ステップ | 操作 | 関連項目 |
---|---|---|
1 | クラスタ通信ネットワーク固有の情報を収集し,記録する。 | 付録 D.5.1 項 |
2 | 収集した情報を含むように,LAVC$FAILURE_ANALYSIS.MAR のコピーを編集する。 | 付録 D.5.2 項 |
3 | プログラムのアセンブル,リンク,デバッグを行う。 | 付録 D.5.3 項 |
4 | データを提供したノードでのみプログラムが実行されるように,スタートアップ・ファイルを変更する。 | 付録 D.5.4 項 |
5 | ネットワーク障害分析を実行する予定の 1 つ以上のノードでプログラムを実行する。 | 付録 D.5.5 項 |
6 | MODPARAMS.DAT を変更して,非ページング・プール・パラメータの値を大きくする。 | 付録 D.5.6 項 |
7 | Local Area OpenVMS Cluster Network Failure Analysis Program をテストする。 | 付録 D.5.7 項 |
ネットワーク構成の物理的な記述を作成し,その記述を電子的な形式で LAVC$FAILURE_ANALYSIS.MAR プログラムに含むには, 表 D-2 に示した手順を実行します。
ステップ | 操作 | 説明 |
---|---|---|
1 | OpenVMS Cluster 通信ネットワークのダイアグラムを作成する。 | LAVC$FAILURE_ANALYSIS.MAR を変更するときに,この図を (電子的な形式で) プログラムに挿入する。この図は,クラスタの物理的なレイアウトを示すものであり,以下のコンポーネントを含んでいる。
大規模なクラスタの場合,ケーブルをトレースすることで,構成を確認しなければならないことがある。 |
2 | 図の中の各コンポーネントに固有のラベルを付ける。 | OpenVMS Cluster に多くのノードが含まれている場合,各ノード名を短縮形に置き換えなければならないことがある。短縮したノード名を利用すると,図を電子的な形式で LAVC$FAILURE_ANALYSIS.MAR に挿入するときに,領域を節約するのに役立つ。たとえば,ノード名 ASTRA の代わりに A を使用し,ASTRA ノードの 2 台の LAN アダプタを A1 および A2 として参照することができる。 |
3 | 各コンポーネントに対して以下の情報を指定する。
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DELNI インターコネクト,DEMPR リピータ,ケーブルなどのデバイスには,LAN アドレスは割り当てられない。 |
4 | 各コンポーネントを以下のカテゴリのいずれかに分類する。
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クラウド・コンポーネントは,LAN セグメント間の冗長ブリッジなどのように,ネットワーク内の 2 つの地点間に複数のパスが存在する場合にだけ必要である。上位レベルでは複数のパスが存在できるが,実際の操作では,このブリッジ構成では,一度に 1 つのパスだけしか存在できない。一般に,このブリッジの例はおそらく,アクティブ・ブリッジをコンポーネントとして表現し,スタンバイ・ブリッジを無視する方法の方がよりよく処理できる (アクティブ・ブリッジは,RBMS や DECelms などのネットワーク・モニタリング・ソフトウェアによって識別することができる)。デフォルト・ブリッジ・パラメータを使用すると,アクティブ・ブリッジの障害を指摘できる。 |
5 | ステップ 3 で指定したコンポーネント・ラベルを使用して, OpenVMS Cluster 通信ネットワーク内の各接続を記述する。 | |
6 | Network Failure Analysis Program を実行するノードまたはノード・グループを選択する。 | このプログラムは,LAVC$FAILURE_ANALYSIS.MAR を編集したときに物理記述に含まれていたノードだけで実行するようにしなければならない。あるノード上の Network Failure Analysis Program は,OpenVMS Cluster 内の他のシステムから独立して動作する。したがって, Network Failure Analysis Program を実行するには,通常はシャットダウンされないシステムを選択しなければならない。プログラムを実行するコンピュータとして,以下の属性を備えたシステムを選択すると適切である。
注意: 物理記述は,非ページング・プールにロードされ,すべての処理は IPL 8 で実行される。ネットワーク・パス内のネットワーク・コンポーネントの平均数が増加すると, CPU の利用率が増大する。また,ネットワーク・パスの総数が増加すると,CPU の利用率が増大する。 |
LAVC$FAILURE_ANALYSIS.MAR を編集するには,以下の操作を行います。
ステップ | 操作 |
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1 | 以下のファイルを SYS$EXAMPLES からローカル・ディレクトリにコピーする。
|
2 | OpenVMS Cluster ネットワーク・マップおよび他の情報を使用して,LAVC$FAILURE_ANALYSIS.MAR のコピーを編集する。 |
例 D-1 は, LAVC$FAILURE_ANALYSIS.MAR で編集する部分を示しています。
例 D-1 LAVC$FAILURE_ANALYSIS.MAR で編集する部分 |
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; *** Start edits here *** ; Edit 1. ; ; Define the hardware components needed to describe ; the physical configuration. ; NEW_COMPONENT SYSTEM NODE NEW_COMPONENT LAN_ADP ADAPTER NEW_COMPONENT DEMPR COMPONENT NEW_COMPONENT DELNI COMPONENT NEW_COMPONENT SEGMENT COMPONENT NEW_COMPONENT NET_CLOUD CLOUD ; Edit 2. ; ; Diagram of a multi-adapter local area OpenVMS Cluster ; ; ; Sa -------+---------------+---------------+---------------+------- ; | | | | ; | MPR_A | | ; | .----+----. | | ; | 1| 1| 1| | ; BrA ALPHA BETA DELTA BrB ; | 2| 2| 2| | ; | `----+----' | | ; | LNI_A | | ; | | | | ; Sb -------+---------------+---------------+---------------+------- ; ; ; Edit 3. ; ; Label Node Description ; ----- ------ ----------------------------------------------- SYSTEM A, ALPHA, < - MicroVAX II; In the Computer room>... LAN_ADP A1, , <XQA; ALPHA - MicroVAX II; Computer room>,... LAN_ADP A2, , <XQB; ALPHA - MicroVAX II; Computer room>,... SYSTEM B, BETA, < - MicroVAX 3500; In the Computer room>... LAN_ADP B1, , <XQA; BETA - MicroVAX 3500; Computer room>,... LAN_ADP B2, , <XQB; BETA - MicroVAX 3500; Computer room>,... SYSTEM D, DELTA, < - VAXstation II; In Dan's office>... LAN_ADP D1, , <XQA; DELTA - VAXstation II; Dan's office>,... LAN_ADP D2, , <XQB; DELTA - VAXstation II; Dan's office>,... ; Edit 4. ; ; Label each of the other network components. ; DEMPR MPR_A, , <Connected to segment A; In the Computer room> DELNI LNI_A, , <Connected to segment B; In the Computer room> SEGMENT Sa, , <Ethernet segment A> SEGMENT Sb, , <Ethernet segment B> NET_CLOUD BRIDGES, , <Bridging between ethernet segments A and B> ; Edit 5. ; ; Describe the network connections. ; CONNECTION Sa, MPR_A CONNECTION MPR_A, A1 CONNECTION A1, A CONNECTION MPR_A, B1 CONNECTION B1, B CONNECTION Sa, D1 CONNECTION D1, D CONNECTION Sa, BRIDGES CONNECTION Sb, BRIDGES CONNECTION Sb, LNI_A CONNECTION LNI_A, A2 CONNECTION A2, A CONNECTION LNI_A, B2 CONNECTION B2, B CONNECTION Sb, D2 CONNECTION D2, D .PAGE ; *** End of edits *** |
このプログラムで,Edit number は,ネットワークに関する情報を取り込むためにプログラムを編集する箇所を示しています。プログラムを以下のように編集します。
変更場所 | 操作 |
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Edit 1 | 構成に含まれる各コンポーネントのカテゴリを定義する。 付録 D.5.1 項 のステップ 5 の情報を利用する。以下の形式を使用する。
NEW_COMPONENT component_type category
例: 以下の例では,DEMPR リピータをコンポーネント・カテゴリの一部として定義する方法を示している。
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Edit 2 | 付録 D.5.1 項 のステップ 1 で描いたネットワーク・マップを挿入する。LAVC$FAILURE_ANALYSIS.MAR のこの部分にマップを挿入すると,マップの電子的なレコードが作成され,紙に書いた図の場合より簡単に検索と更新ができるようになる。 |
Edit 3 | OpenVMS Cluster の各ノードと LAN アダプタを指定する。各ノードに対して 1 行ずつ使用する。各行には以下の情報を指定しなければならない。各情報項目をカンマで区切って,情報の表を作成する。
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Edit 4 | 他の各ネットワーク・コンポーネントを指定する。各コンポーネントに対して 1 行を使用する。各行には以下の情報を指定しなければならない。
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Edit 5 | ネットワーク・コンポーネント間の接続を定義する。 CONNECTION マクロと,接続される 2 つのコンポーネントのラベルを使用する。以下の情報を指定する。
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関連項目: この操作手順の詳細については,ソース・モジュール SYS$EXAMPLES:LAVC$FAILURE_ANALYSIS.MAR を参照。 |
プログラムをアセンブルおよびリンクするには,以下のコマンド・プロシージャを使用します。
$ @LAVC$BUILD.COM LAVC$FAILURE_ANALYSIS.MAR |
パス記述でコンポーネント・ラベルをタイプミスすることによって発生するエラーなど,アセンブリ・エラーやリンク・エラーを修正するために必要な編集を行います。その後,プログラムをもう一度アセンブルします。
D.5.4 スタートアップ・ファイルの変更
LAVC$FAILURE_ANALYSIS.EXE プロシージャを実行する前に,データを提供したノードでのみプロシージャが実行されるように,スタートアップ・ファイルを変更します。
例: OMEGA ノードでプログラムを実行するには,以下の条件文を含むように,SYS$COMMON:[SYSMGR] のスタートアップ・ファイルを変更します。
$ If F$GETSYI ("nodename").EQS."OMEGA" $ THEN $ RUN SYS$MANAGER:LAVC$FAILURE_ANALYSIS.EXE $ ENDIF |
LAVC$FAILURE_ANALYSIS.EXE プログラムを実行するには,以下の操作を行います。
ステップ | 操作 |
---|---|
1 | PHY_IO 特権が与えられているアカウントを使用する。 |
2 | ネットワーク障害分析を実行する各ノードでプログラムを実行する。
$ RUN SYS$MANAGER:LAVC$FAILURE_ANALYSIS.EXE |
プログラムを実行した後,ネットワーク記述に必要な非ページング・プールの適切な量が表示される。この表示の形式は以下のとおりである。
Non-paged Pool Usage: ~ 10004 bytes |
ネットワーク障害分析を実行する各システムで, SYS$SPECIFIC:[SYSEXE]MODPARAMS.DAT ファイルに以下の行を追加します。ただし,value の代わりに,使用される非ページング・プールの値として表示された値を指定します。
ADD_NPAGEDYN = value ADD_NPAGEVIR = value |
MODPARAMS.DAT を変更した各システムで AUTOGEN を実行します。
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