Compaq OpenVMS
DCL ディクショナリ


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F$GETSYI

$GETSYI システム・サービスを呼び出し,ローカル・システム (デュアル・アーキテクチャの OpenVMS Cluster の場合は,ローカル・ノード) に関する状態情報と識別情報を戻します。

形式

F$GETSYI (項目 [,ノード名] [,クラスタ id])

戻り値


要求する項目に応じて,整数または文字列になります。

引数

項目

ローカル・ノード (使用しているシステムが OpenVMS Cluster の場合は, OpenVMS Cluster 内の他のノード)に関して報告される情報の種類を指定します。項目は,文字列式として指定します。

また,『Compaq OpenVMS システム管理ユーティリティ・リファレンス・マニュアル』に示すシステム・パラメータも指定することができます。

ノード名

情報が報告される OpenVMS Cluster のノードを指定します。ノードは,文字列式として指定します。ノード名に (*) や (%) のワイルド・カード文字は使用できません。

クラスタ id

情報が報告される,クラスタ・ノード識別番号を指定します

クラスタ内のすべてのノードの情報を取得するには, F$CSID レキシカル関数を使用して各クラスタ・システム識別番号を取得し, F$GETSYI の クラスタ id 引数を使用して各ノードの情報を集めます。


説明

F$GETSYI レキシカル関数は,$GETSYI システム・サービスを呼び出し, ローカル・システム (使用しているシステムがクラスタの一部である場合は,ローカル OpenVMS Cluster のノード) の状態および識別情報を戻します。 F$GETSYI 関数は,$GETSYI システム・サービスで指定できる項目の情報を戻します。 $GETSYI システム・サービスにつての詳細は,『OpenVMS System Services Reference Manual』を参照してください。

ノード名 または クラスタ id 引数を指定すると,情報を得るノードを指定することができます。ただし,これらの引数を同時に指定することはできません。

F$GETSYI レキシカル関数に指定できる項目を 表 DCLI-10 に示します。

表 DCLI-10 F$GETSYI 項目
項目 データ・
タイプ
戻される情報
ACTIVECPU_CNT 整数値 対称的マルチプロセッサ (SMP) システムの現在のブートでアクティブな CPU の数。
ARCHFLAG 文字列 システムのアーキテクチャ・フラグ。
ARCH_NAME 文字列 CPU アーキテクチャ名。 OpenVMS Alpha の場合は Alpha。OpenVMS VAX の場合は VAX。
ARCH_TYPE 整数値 CPU アーキテクチャのタイプ。 VAX の場合は1,Alpha の場合は2。
AVAILCPU_CNT 整数値 システムが承認した CPU 回数。
BOOTTIME 文字列 システムがブートされた時刻。
CHARACTER_EMULATED 文字列 文字列命令が CPU でエミュレートされた場合は TRUE, そうでない場合は FALSE を戻す。
++CONSOLE_VERSION 文字列 コンソール・ファームウェア・バージョン。
CONTIG_GBLPAGES 整数値 未使用で連続したグローバル・ページの総数。
CLUSTER_EVOTES 整数値 クラスタ内のボート(投票数)の総数。
CLUSTER_FSYSID 文字列 クラスタ(基本ノード)内でブートする最初のノードのシステム識別番号。 16進数を含む文字列を戻す。
CLUSTER_FTIME 文字列 クラスタで最初のノードがブートされた時刻。
CLUSTER_MEMBER 文字列 ノードがローカル・クラスタのメンバである場合は TRUE, そうでない場合は FALSEを戻す。
CLUSTER_NODES 整数値 クラスタ内のノード総数を整数で表す。
CLUSTER_QUORUM 整数値 クラスタのクォーラム総数。
CLUSTER_VOTES 整数値 クラスタ内の投票総数。
+CPU 整数値 VAX において, システム識別(SID)番号を表わすプロセッサ・タイプ。たとえば, 1は VAX-11/780 , 6は VAX 8530, VAX 8550, VAX 8700, または VAX 8800 を表す。
++CPUTYPE 整数値 Alpha において, ハードウェア再起動パラメータ・ブロック(HWRPB)に格納されるプロセッサ・タイプ。 2 は DECchip 21064 プロセッサを表す。
CWLOGICALS 論理型 クラスタ単位の論理名データベースがその CPU で初期化されたことを示すフラグ。
DECIMAL_EMULATED 文字列 10進数文字列の命令が CPU でエミュレートされている場合は TRUE, そうでない場合は FALSE を戻す。
DECNET_FULLNAME 文字列 DECnet Phase IV システムのノード名,またはDECnet/OSI システムの完全なノード名。
DECNET_VERSION 文字列 ローカル・システムにインストールされている DECnet パッケージの特定のバージョンおよび ECO レベルに関する情報を戻す。この項目は,次の形式の 16 進数を含んだ文字列を戻す。

  • バイト 0 = 顧客 ECO

  • バイト 1 = DECnet ECO

  • バイト 2 = DECnet フェーズ (Phase IV では 4,DECnet-Plus for OpenVMS では 5)

  • バイト 3 = 予約済み

Phase IV と DECnet-Plus for OpenVMS を区別するには,DECnet バージョンを含んでいるバイト (バイト 2) を使用する。

D_FLOAT_EMULATED 文字列 D 浮動少数点数の命令が CPU でエミュレートされている場合は TRUE, そうでない場合は FALSE を戻す。
ERRORLOGBUFFERS 整数値 エラー・ログ・バッファとして使用されるシステム・ページ数(VAX の場合),またはページレット数(Alpha の場合)。
F_FLOAT_EMULATED 文字列 F 浮動少数点数の命令が CPU でエミュレートされている場合は TRUE, そうでない場合は FALSE を戻す。
FREE_GBLPAGES 整数値 現在の未使用グローバル・ページ数。
FREE_GBLSECTS 整数値 現在の未使用グローバル・セクション・テーブル・エントリ数。
G_FLOAT_EMULATED 文字列 G 浮動少数点数の命令が CPU でエミュレートされている場合は TRUE, そうでない場合は FALSE を戻す。
++GH_RSRVPGCNT 整数値 Alpha において, システム・スタートアップ完了後, INSTALL ユーティリティで使用するために予約する粒度ヒントがカバーするページ数。
HW_MODEL 整数値 Alpha または VAX のモデル・タイプを示す整数値。整数値が 1023 より多きい場合は Alpha オペレーティング・システム, 小さい場合は VAX オペレーティング・システムを表す。
HW_NAME 文字列 Alpha または VAX のモデル名。
++ITB_ENTRIES 整数値 Alpha において, I ストリーム変換バッファ・エントリ数。これは,常駐コードに割り当てられる粒度ヒントをサポートする。
MEMSIZE 整数値 システム構成でのメモリのページ数。
MULTITHREAD 整数値 MULTITHREAD システム・パラメータの値。
NODENAME 文字列 ノード名(ダブルコロンは含まない)。
NODE_AREA 整数値 ターゲット・ノードの DECnet 領域。
NODE_CSID 文字列 指定したノードの CSID を,16進数を含む文字列で戻す。 CSID はシステム識別の形式。
NODE_EVOTES 整数値 ノードに割り当てた投票数。
NODE_HWVERS 文字列 指定したノードのハードウェア・バージョン。
NODE_NUMBER 整数値 指定したノードの DECnet 番号。
NODE_QUORUM 整数値 ノードが持つクォーラム。
NODE_SWINCARN 文字列 指定したノードのソフトウェア・インカーネーション番号。 16進数を含む文字列で戻す。
NODE_SWTYPE 文字列 指定したノードが使用するオペレーティング・システム・ソフトウェアのタイプ。
NODE_SWVERS 文字列 指定したノードのソフトウェア・バージョン。
NODE_SYSTEMID 文字列 指定したノードのシステム識別番号。16進数を含む文字列で戻される。
NODE_VOTES 整数値 ノードに割り当てた投票数。
PAGEFILE_FREE 整数値 現在インストールされているページング・ファイルの未使用ページ数。
PAGEFILE_PAGE 整数値 現在インストールされているページング・ファイルのページ数。
PAGE_SIZE 整数値 1 つの物理ページに含まれるバイト数。
++PALCODE_VERSION 文字列 Alpha システムでの PALCODE(特権アーキテクチャ・ライブラリ)のバージョン。
QUANTUM 整数値 他のプロセスが待ち状態の間, プロセスが受信ができる最大プロセッサ時間。
++RAD_CPUS 整数値 RAD と CPU のペアのコンマ区切りのリストを戻す。リソース・アフィニティ・ドメイン (RAD) は AlphaServer GS160 システム上でのみサポートされている。
++RAD_MEMSIZE 整数値 RAD と PAGES のペアのコンマ区切りのリストを戻す。 AlphaServer GS160 システム上でのみサポート。
++RAD_MAX_RADS 整数値 このプラットフォーム上で使用可能な RADS の数の最大値を戻す。 AlphaServer GS160 システム上でのみサポートされ,値は (物理的に存在するクォド・ビルディング・ブロック (QBB) の数にかかわらず) つねに 8 である。
++RAD_SHMEMSIZE 整数値 RAD と PAGES のペアのコンマ区切りのリストを戻す。 AlphaServer GS160 システム上でのみサポート。
++REAL_CPUTYPE 文字列 システムの主 CPU の実際の CPU タイプ。
SCS_EXISTS 文字列 現在 OpenVMS ノードにシステム通信サブシステム(SCS)がロードされている場合は TRUE, そうでない場合は FALSE を戻す。
SID 整数値 システム識別番号。 Alpha において, 常に値が 256 である CPU 型フィールドを除いた,すべてのフィールドがゼロとなる値を戻す。
SWAPFILE_FREE 整数値 現在インストールされているスワッピング・ファイルの未使用のページ数。
SWAPFILE_PAGE 整数値 現在インストールされているスワッピング・ファイルのページ数。
SYSTEM_RIGHTS 文字列 ローカル・システムの権利リストの目次。遠隔システムを指定している場合は,空文字列("") が戻される。この項目は,コンマ(,) で区切られた識別子名のリストを戻す。
++SYSTYPE 整数値 Alpha において, ファミリまたはシステム・ハードウェア・プラットフォーム。たとえば,2 は DEC 4000, 3 は DEC 7000 または DEC 10000, 4 は DEC 3000 を表す。
USED_GBLPAGCNT 整数値 グローバル・ページ・テーブルで現在使用しているページ数。
USED_GBLPAGMAX 整数値 グローバル・ページ・テーブルでこれまでの最大使用ページ数。
VECTOR_EMULATOR 論理値 VAX ベクタ命令エミュレータ機能(VVIEF)の存在を示すフラグ。
VERSION 文字列 使用している OpenVMS のバージョン(8文字で残りを空白で埋める)。
VP_MASK 整数値 ベクタ共同プロセッサがあるプロセッサを示すマスク。
VP_NUMBER 整数値 システムのベクタ・プロセッサ数。


+VAX のみ
++Alpha のみ


#1

$ SYSID = F$GETSYI("SID")
$ SHOW SYMBOL SYSID
  SYSID = 19923201  Hex = 01300101 Octal = 000401

この例では, F$GETSYI 関数を使用して,システム識別レジスタの情報を戻す方法を示しています。 SID 引数は文字列リテラルなので,引用符 (" ") で囲まれています。 F$GETSYI 関数から戻される値は,SYSID シンボルに割り当てられます。ノードは指定されていないため,現在のノードに関する情報が戻されます。

#2

$ MEM = F$GETSYI("CLUSTER_MEMBER", "LONDON")
$ SHOW SYMBOL MEM
  MEM = "TRUE"

この例では,F$GETSYI 関数を使用して, LONDON ノードがローカル・クラスタのメンバーであるかどうかを調べています。戻り値 TRUE は,遠隔ノード LONDON がクラスタのメンバであることを示します。

#3

$ LIM = F$GETSYI("BJOBLIM")
$ SHOW SYMBOL LIM
  LIM = 16   Hex = 00000010  Octal = 00000000020

この例では, SYSGEN パラメータである BJOBLIM が, F$GETSYI 関数に対する引数として使用されています。この引数は,現在のシステムのバッチ・ジョブ制限値を戻します。

#4

$  DECNETVERS = F$GETSYI("DECNET_VERSION")
$ SHOW SYMBOL DECNETVERS
  DECNETVERS = "00050D01"
$ DECNETPHASE = F$INTEGER(F$EXTRACT(2,2,DECNETVERS))
$ SHOW SYMBOL DECNETPHASE
  DECNETPHASE = 5   Hex = 00000005  Octal = 00000000005

この例では,F$GETSYI の DECNET_VERSION 項目を使用して DECnet バージョンを戻す方法を示しています。

#5

$ RADCPU = F$GETSYI("RAD_CPUS")
$ SHOW SYMBOL RADCPU
  0,0,0,1,1,4,1,5

この例では,システム・パラメータである RAD_CPUS が,F$GETSYI 関数に対する引数として使用されています。この引数は,RAD と CPU のペアのコンマ区切りのリストを戻します。この例では,第 1 の RAD と CPU のペアは 0,0,第 2 のペアは 0,1 などとなっています。

このパラメータは AlphaServer GS160 システム上でのみサポートされています。


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