Compaq OpenVMS
V7.3 新機能説明書


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5.17 グローバル・シンボルと記憶位置を含む SDA READ コマンドの TCP/IP ファイル

表 5-6 は,VAX および Alpha の SDA READ コマンドのグローバル・シンボルが格納されている TCP/IP ファイルを示しています。

表 5-6 SDA で使用されるグローバル・シンボルとデータ構造を含むモジュール
ファイル 内容
TCPIP$NET_GLOBALS.STB TCP/IP インターネット・ドライバ,execlet,ACP データ構造のデータ構造定義が格納されている。
TCPIP$NFS_GLOBALS.STB TCP/IP NFS サーバのデータ構造定義が格納されている。
TCPIP$PROXY_GLOBALS.STB TCP/IP プロキシ execlet のデータ構造定義が格納されている。
TCPIP$PWIP_GLOBALS.STB TCP/IP PWIP ドライバと ACP データ構造のデータ構造定義が格納されている。
TCPIP$TN_GLOBALS.STB TCP/IP TELNET/RLOGIN サーバ・ドライバ・データ構造のデータ構造定義が格納されている。

これらのファイルは,TCP/IP サービスがインストールされている場合にだけ使用できます。これらのファイルは SYS$SYSTEM にあり, READ/EXEC コマンドの実行時には自動的に読み込まれません。

表 5-7 は,VAX SDA コマンドのエグゼクティブ・イメージ内のグローバル記憶位置を定義する TCP/IP ファイルを示しています。

表 5-7 エグゼクティブ・イメージ内のグローバル記憶位置を定義するモジュール
ファイル 内容
TCPIP$BGDRIVER.STB TCP/IP インターネット・ドライバ
TCPIP$INETACP.STB TCP/IP インターネット ACP
TCPIP$INTERNET_SERVICES.STB TCP/IP インターネット execlet
TCPIP$NFS_SERVICES.STB TCP/IP NFS サーバのためのシンボル
TCPIP$PROXY_SERVICES.STB TCP/IP プロキシ execlet のためのシンボル
TCPIP$PWIPACP.STB TCP/IP PWIP ACP
TCPIP$PWIPDRIVER.STB TCP/IP PWIP ドライバ
TCPIP$TNDRIVER.STB TCP/IP TELNET/RLOGIN サーバ・ドライバ

これらのファイルは,TCP/IP サービスがインストールされている場合にだけ使用できます。これらのファイルは SYS$SYSTEM にあり,READ/EXEC コマンドの実行時には自動的に読み込まれません。

詳細については,『OpenVMS VAX System Dump Analyzer Utility Manual』と『OpenVMS Alpha System Analysis Tools Manual』を参照してください。

5.18 Visual Threads バージョン 2.1 (Alpha)

Visual Threads は,マルチスレッド・アプリケーションのデバッグと分析のためのツールです。Visual Threads を使用すると,デッドロック,ミューテックス,スレッドの使用エラーなど,マルチスレッドに関連する一般的な問題を自動的に診断できます。また, Visual Threads を使用してアプリケーションのスレッド関連パフォーマンスを監視することもでき,ボトルネックやロック粒度の問題を突き止めるのに役立ちます。Visual Threads を使用すると,アプリケーションで特定の症状が示されない場合でも,アプリケーション内の問題領域を突き止めるのに役立ちます。

Visual Threads には次の機能があります。

これらの機能の詳細については,Visual Threads 製品のドキュメントを参照してください。標準版 OpenVMS Alpha CD-ROM の [VISUAL_THREADS_021] ディレクトリに格納されています。また,オンライン・ヘルプ・システムを利用して参照することもできます。


第 6 章
関連製品の新機能

ここでは,Compaq OpenVMS オペレーティング・システムの関連製品の新機能について説明します。OpenVMS 関連製品の一覧とディレクトリ情報については,標準版については『Guide to OpenVMS Version 7.3 CD-ROMs』を,日本語版については『日本語 Compaq OpenVMS V 7.3  コンパクト・ディスク・ユーザーズ・ガイド』を参照してください。

6.1 Availability Manager

OpenVMS バージョン 7.3 では, Availability Manager バージョン 1.4 が提供されます。 OpenVMS バージョン 7.3 のリリース後間もなく,次の Availability Manager Web サイトで Availability Manager バージョン 2.0 が発表されます。


http://www.openvms.compaq.com/openvms/products/availman/ 

バージョン 2.0 では,次の新機能が提供されます。

6.2 Compaq Advanced Server V7.3 for OpenVMS (Alpha)

Compaq Advanced Server for OpenVMS バージョン 7.3 は, Alpha システムでのみサポートされます。 OpenVMS Alpha バージョン 7.3 でサポートされる Advanced Server for OpenVMS はこのバージョンだけです。次の新機能が提供されます。

OpenVMS Alpha バージョン 7.3 で実行するには,Advanced Server for OpenVMS の以前のバージョン (バージョン 7.2 と 7.2A) をバージョン 7.3 にアップクレードする必要があります。Advanced Server for OpenVMS の現在のバージョンと以前のバージョンはどちらも,OpenVMS Alpha バージョン 7.2-1 で動作します。

Advanced Server for OpenVMS のインストールの方法については,キット・ドキュメンテーションに添付されている『Compaq Advanced Server for OpenVMS Server Installation and Configuration Guide』を参照してください。

OpenVMS Alpha バージョン 7.3 で Advanced Server V7.3 for OpenVMS にアクセスするには,新しい Advanced Server V7.3 ライセンス PAK: PWLMXXXCA07.03 を使用して,クライアントにライセンスを与えなければなりません。詳細については,『Compaq Advanced Server for OpenVMS Guide to Managing Advanced Server Licenses』を参照してください。

OpenVMS Alpha/VAX バージョン 7.3 システムでサポートされる PATHWORKS for OpenVMS (Advanced Server) 製品の最新リリースの情報については, 第 6.9 節 を参照してください。

6.3 Compaq DECwindows Motif for OpenVMS

OpenVMS VAX および OpenVMS Alpha 向けの Compaq DECwindows Motif for OpenVMS (DECwindows Motif) バージョン 1.2-6 キットが提供されるようになりました。 DECwindows Motif バージョン 1.2-6 はメンテナンス・リリースであり,大幅な変更と機能拡張が行われています。主な変更点はバッチ・スクロールの速度の向上,CDE (Common Desktop Environment) スクリーン・セーバのサポート,ロック機能の強化などであり,これらの変更は OSF/Motif,MIT X11 Release 5 (X11 R5) および Common Desktop Environment (CDE) 標準規格への準拠を強化し,これまでより効率的で柔軟性の高い DECwindows Motif 環境を提供することを目的にしています。このリリースで行われた変更,機能拡張,修正の詳細については,『Compaq DECwindows Motif for OpenVMS Release Notes』を参照してください。

6.4 Compaq DCE for OpenVMS

ここでは, Compaq Distributed Computing Environment (DCE) for OpenVMS バージョン 7.3 の拡張機能について説明します。

6.4.1 Compaq DCE Remote Procedure Call (RPC)

OpenVMS バージョン 7.2-1 以降,DCE RPC で NT Lan Manager セキュリティが完全に機能するようになりました。

6.4.2 新しいイーサネット・デバイスのサポート

DCE RPC がイーサネット・デバイスを認識しない場合,システム論理名 DCE$IEEE_802_DEVICE をイーサネット・デバイスのデバイス名になるように定義して,新しいデバイスを既知のデバイスのテーブルに追加することができます。

たとえば,1 台の DE500 イーサネット・デバイスを定義するには,論理名を次のように設定します。


$ DEFINE/SYSTEM DCE$IEEE_802_DEVICE EWA0 

6.4.3 DCE に関する詳細情報

Compaq DCE for OpenVMS の重要な情報については,『 Compaq OpenVMS V 7.3  リリース・ノート [翻訳版] 』を参照してください。

完全な DCE キットがインストールされている場合は,オンライン・ヘルプを利用して補足情報にアクセスできます。


$ HELP DCE 
$ HELP DCE$SETUP 
$ HELP DCE_CDS 
$ HELP DCE_DTS 
$ HELP DCE_IDL 
$ HELP DCE_RPC 
$ HELP DCE_SECURITY 
$ HELP DCE_THREADS 

また,次のドキュメントも参照できます。

6.5 DECram for OpenVMS バージョン 3.0 (Alpha)

DECram バージョン 3.0 は OpenVMS for Alpha プラットフォームだけをサポートします。このリリースでは次の新機能が追加されました。

DECram バージョン 3.0 とそのドキュメントは,標準版 OpenVMS Version 7.3 の CD-ROM の [.DECRAM_030] ディレクトリに格納されています。

6.6 Enterprise Capacity and Performance (ECP)

OpenVMS バージョン 7.3 以降,次の Enterprise Capacity and Performance (ECP) 管理ツールが無料で提供されるようになります。OpenVMS バージョン 6.2 以降で実行可能な有効なライセンスを保有しているお客様に対しては, ECP Data Collector for OpenVMS と ECP Performance Analyzer for OpenVMS が提供されます。これらの製品は次のアドレスの World Wide Web サイトから入手できます。


 http://www.openvms.compaq.com/openvms/system_management.html 

これらの製品のソフトウェア・サポート・サービスは別途販売されており,必要なサービスだけを利用できます。詳細については,弊社の担当者にお問い合わせください。

6.6.1 ECP Collector for OpenVMS バージョン 5.4

ECP Collector for OpenVMS バージョン 5.4 は, OpenVMS オペレーティング・システムでパフォーマンスおよびキャパシティ・プランニング・データを収集します。 OpenVMS データの収集には 3 つの主要な基準があります。それは,収集されるパフォーマンス・データの量,時間間隔,それに効率,つまりシステムに影響を与えるオーバーヘッドの量です。 ECP Collector for OpenVMS には次の機能があります。

エンタープライズ管理のニーズに対応できるように, ECP Collector for OpenVMS には,パフォーマンス・データにアクセスするためのインタフェースを提供する API も含まれています。このインタフェースは,データ・コレクタで生成された .CPC データ・ファイルの内容をカンマ区切りの ASCII ファイルに変換して,パフォーマンス分析やレポート・プログラムで使用できるようにします。

6.6.2 ECP Performance Analyzer for OpenVMS バージョン 5.4

Compaq の ECP Analyzer for OpenVMS バージョン 5.4 は Motif のもとで動作し, ECP Collector for OpenVMS データ・コレクタから提供されたデータを分析します。ECP Analyzer for OpenVMS はデータ・コレクタへのエントリ・ポイントを提供し,ユーザはサンプリング・レートを選択し,グラフィック形式でパフォーマンス・データを確認できます。この製品では,要求された時間間隔で,標準グラフに履歴情報が表示されます。 CPU,メモリ,I/O など,分析の必要なすべての一般的なパフォーマンス上の問題に対して,グラフが提供されます。 ECP Analyzer for OpenVMS では,データはグラフィック形式 (MOTIF ベース) と表形式のレポートとして提供されます。


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