Compaq OpenVMS
システム管理者マニュアル


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    MMJ アクセサリ

    表 8-7 は,コンパックが提供する DECconnect アクセサリの製品番号と説明です。

    表 8-7 DECconnect アクセサリ
    製品番号 説明
    BC16E-02
    BC16E-10
    BC16E-25
    BC16E-50
    BC16E-A0
    DEC-423 (EIA-423 に準拠) MMJ オフィス・ケーブル。各種サイズ対応
    H8571-C 25ピンオス EIA-232 = DEC-423 DECconnect アダプタ
    H8571-E DEC-423 DECconnect 25ピンアダプタ。ネジつき。
    H8571-J 9ピン MMJ アダプタ。 PC互換EIA-574 DB9 配線とともに使用
    H8572-00 MMJ ケーブル延長器。2つの BC16E ケーブルを直接接続
    H8575-A メス 25ピン DEC-423 DECconnect MMJ = EIA-232 汎用アダプタ。
    H8575-B メス 9ピン DEC-423 DECconnect プリンタ接続アダプタ。一部の MicroVAX コンソール・ポートの DB9 配線で使用される。
    H8584-AB 8ピン DIN = DEC-423 DECconnect アダプタ。各種 Apple 製コンピュータで最も使用される

  1. モデム制御タイプの選択
    モデムを装置に接続する際,ホスト・ポートとモデム間の配線を追加することができます。これらの配線は, モデム制御信号と呼ばれる信号を送るために使用されます。
    モデムをダイヤル・アウト用にローカル・ターミナルへ接続する際,モデム制御信号は特別に重要ではありません。モデムは,モデム制御信号を無視するように配線するか構成します。あるいは,配線をターミナルからモデムへのモデム制御信号を通過させるように設定します。
    モデムをコンピュータに接続する場合は,はるかに重要性が増します。ホスト・コンピュータはモデム制御信号を使用してモデムに入力電話コールを受け取るように指示するからです。モデム制御信号はこの他にも,モデムに受信があったこと,そのコールが終了したことをホストに知らせることができます。これらの信号により,モストとモデムは特定のイベントに対して適切な対応をすることができます。

    注意

    モデムによってモデム制御信号が使用されることに加え,ホストと他のシリアル・プリンタ等のシリアル装置間で装置状態を通信するためによく使用されます。モデムが使用するのと同様に,各種シリアル・プリンタもモデム制御信号を使用します。プリンタの電源がオンになっており出力を受け付け可能状態であること,あるいはプリンタが電源オフ状態かまたは何か出力を処理することができない状態であることをホストに伝えるなどのために使用します。


    表 8-8 は,装置がサポートすることができるモデム制御信号のタイプを説明します。

    表 8-8 装置がサポートするモデム制御信号のタイプ
    モデム制御のタイプ 説明
    モデム制御なし ホストとモデムは,ホストまたはモデムの状態を互いに通信することはできない。このポートのモデムを使用することはできるが,このタイプのポートはモデム用に推奨できない。

    さらにモデム制御なしでは,電話コールが切断されたことと, そしてホストが適切な対処(対応するユーザ・プロセスの中断またはログアウト)を行う必要があることを,モデムはホストに知らせることができない。 (機密保持問題については,手順 5を参照ください)。

    加えて,モデム制御なしでは,モデムはホストが応答可能であるかを知ることができないため,受信コールを常に応答できるようにモデムを設定あるいは配線しておく必要がある。(この2項目は,機密保持とモデム制御と密接な関係がある。)
    制限つきモデム制御 ホストとモデムは,他の装置の状態に基き,通信し,対処することができる。制限つきモデム制御はほとんどのアプリケーションにとって最善の選択肢である。
    完全モデム制御 ホストとモデムは通信することができ,広範な分量の制御情報,状態情報を送ることができます。ホストとモデムは両方とも,他の装置の状態に基いて対処を取ることができます。

    制限つきモデム制御では同じような機能があるが,この構成を大きく変更したものである。制限つきモデム制御では接続時の配線を少なくできる。このためこの方法は経済的な方法である。


    装置とモデムがサポートするモデム制御のタイプについては,装置のドキュメントを参照ください。参照した情報により,通信に必要な配線や配線接続の数が分かります。次の例は,モデム制御のタイプの種類と必要な配線を示しています。


    モデム・コマンドまたは専用配線ケーブルを使用し,モデム制御をサポートしていない装置とともにモデムを動作させることができます。しかし,この方法はホスト・システム上での一般的な使用には推奨できません。これは配線に潜在的に機密保持の問題があるためです。

  2. モデムが使用するコマンド・セットの決定
    コマンド・セットには,モデムに電話呼び出しをかけさせコマンド,呼び出しをする電話番号を求めるコマンド,モデムを構成するコマンドがあります。
    次にコマンド・セットの例を掲げます。


    コマンド・セットは,モデムと通信して電話番号をダイアルし,遠隔モデムと接続するなど,モデムに何かの対処を要求するものです。直接接続されたターミナルから直接にモデム・コマンドを入力することができ,あるいは SET HOST/DTE のように間接的にDCL コマンドでモデムを使用することもできます。

  3. ポートの構成
    モデムを OpenVMS コンピュータまたは DECserver のコネクタへ接続し終えたら次にポートを構成します。ポートの構成により,モデムを認識させ,正しくモデムが操作できるようになり,自動ボー・レート検出機能が有効になります。

    注意

    自動ボー・レート検出操作は通信の速度(ボー・レート)を検出します。 /AUTOBAUD 修飾子は必ずしも指定する必要はありません。ただし,自動ボー・レート検出機能が禁止されると,管理者がホスト・ターミナルまたは DECserver ポートとモデムの両方のボー・レートを同じ速度に設定する必要があります。


    入力するコマンドは OpenVMS ホスト・システムをしようしているか DECserver を使用しているかによって異なります。

  4. モデムによる機密保護
    ダイアル・イン回線により,遠隔サイトからの登録されていないユーザがシステムへのアクセスが可能になります。登録されていないユーザからシステムを安全に保つため,管理者は一貫した機密保護を行いシステムを良好に保ちユーザ・パスワード管理を行う必要があります。
    次のリストは,システムの機密保護を保つための方法を紹介しています。


    システムを登録されていないアクセスから守るこれらの方法,あるいはここに掲げられていない他の方法については詳しくは『OpenVMS Guide to System Security』を参照ください。

8.7.3 モデムのトラブルシューティング

シリアル・コミュニケーション問題,特にモデムに関する問題のトラブルシューティングにおいては,1つ1つのコンポーネント,配線,装置を1度に1つづつテストし,可能な限り問題の切りわけを行います。

表 8-9 に,一般的なトラブルシューティングのヒントを掲げています。ただし,これはすべてのヒントを掲げているわけではありません。シリアル回線-ブレイクアウト・ボックスなど基礎的なシリアル通信テスト装置は通信問題や配線問題を解決する手助けとなるでしょう。さらに手助けが必要な場合には,その部署のハードウェア・サポートの担当者に要請してください。

表 8-9 通信問題のトラブルシューティング
問題 考察
モデムが応答しない 呼び出している電話番号が正しいかどうか確認する。

モデムに電源がはいっているか確認する。

システムまたは装置に電源が入っており,動作中であるか確認する。

可能なら,モデムと入れ替えてターミナルを直接接続する。

ホストのモデム制御信号がでているか,正しく配線されているかを確認する。

SET TERMINAL, SET PORT コマンドまたはその他の適切なホスト・コマンドを使用して,ホスト装置がモデム用に正しく構成されているか,どうかを確認する。

配線を確認する。配線の破損,誤配線切断などがないか確認する。

コネクタが,外れていないか,破損していないか, 紛失していないか,ピンが折れ曲がっていないかを調べる。

電話故障 通常の電話受話器を使用し電話回線上で人間の音声の通話ができるかを試す。

電話回線上で関知される干渉,または他に何か障害の原因がないか。

モデムのインジケータ・ライトが点灯していない 電源の接続を確認する。

モデムのスイッチがオンになっているか確認する。

モデムがアプリケーションの自己診断テストをパスしているか確認する。

モデムを他のモデムと取り替えてみる。

応答なし,あるいはタイプの応答がおかしい モデムの状態ライトを確認し,送信ライン上に受信データを表示していないか,受信ライン上に送信データを表示していないか確認する。この場合,送信受信データの配線誤りが考えられる。シリアル・ケーブルとアダプタをストレートスルーあるいはクロスオーバのいずれにも配線できる。

信号線が交錯していないか確認する。

不適切な通信速度検出が行なわれていないか確認する。自動ボー・レート検出は不適切な通信速度を設定する場合がある。自動ボー・レート検出が許可されていないラインでは,適切な通信速度が設定されているか確認する。自動ボー・レート検出がサポートされているラインでは,データ送信と受信の双方の速度を確認する。

ポートに,自動ボー・レート検出が許可されているかどうか確認する。ポートとモデムが同じ通信速度で構成されているか確認する。

干渉または配線の接続断が起っていないか確認する。

配線に問題がないか確認する。

シリアル通信に干渉する可能性のあるあらゆる隣接する配線,電源,ビデオ信号を確認する。

8.8 プリンタの管理

プリンタの管理では,次の作業を行います。

作業 参照箇所
プリンタ特性の設定 第 8.8.1 項
プリンタのスプール指定 第 8.8.2.1 項
プリンタのスプール指定の解除 第 8.8.2.2 項
スプールした装置のテスト 第 8.8.2.3 項

8.8.1 プリンタ特性の設定

プリンタの特性は,プリンタ用のキューを開始する前に設定してください。 DCL コマンド SET PRINTER コマンドは,ライン・プリンタの特性を設定します。 SET TERMINAL コマンドは,ターミナルまたは LAT ポートに接続されたプリンタの特性を設定します。

さらに,プリンタのスプールは,スプールするプリンタ用のキューを開始する前に行ってください。プリンタのスプールについての詳細は, 第 8.8.2 項 を参照してください。

システムをブートするたびにプリンタ特性を設定する場合は,サイト別スタートアップ・コマンド・プロシージャにコマンドを登録します。システムの構成が簡単な場合は,SYSTARTUP_VMS.COM にコマンドを登録します。システムの構成が複雑で,たくさんのコマンドが必要な場合,別のコマンド・プロシージャ (PRINTER_SETUP.COM など) を作成し,そのコマンド・プロシージャを SYSTARTUP_VMS.COM から実行します。プリンタ設定コマンド・プロシージャの実行が終了すると,制御は SYSTARTUP_VMS.COM に戻ります。


次は,プリンタ特性を設定するコマンドをスタートアップ・コマンド・プロシージャに登録する例です。この例には,プリンタをスプールするコマンドも含まれています。このように,通常,プリンタ特性を設定するコマンドは,プリンタをスプールするコマンドと一緒に登録します。


$! Set up line printer devices 
$! 
$ SET PRINTER/PAGE=60/LOWERCASE/TRUNCATE LPA0: 
$ SET PRINTER/LA11/UPPERCASE/WRAP LPB0: 
$ SET DEVICE/SPOOLED=(LINE_PRINT,SYS$SYSDEVICE) LPA0: 
$ SET DEVICE/SPOOLED=(SYS$PRINT,SYS$SYSDEVICE) LPB0: 
$! 
$! Set up LAT printers 
$! 
$   SET TERMINAL LTA331:/SPEED=9600/DEVICE=LN03 - 
    /NOBROADCAST/NOECHO/HARDCOPY/NOTYPE_AHEAD/PERMANENT 
$   SET DEVICE LTA331:/SPOOLED=(MKTG$LN03_1,SYS$SYSDEVICE) 
$! 
$   SET TERMINAL LTA332:/DEVICE=LA210/PAGE=66  - 
    /NOBROADCAST/PERMANENT 
$   SET DEVICE LTA332:/SPOOLED=(LA210$PRINT,SYS$SYSDEVICE) 


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