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高速エラー・レポートを作成するには, /FSTERR 修飾子を指定します。次に例を示します。
$ DIAGNOSE/FSTERR |
高速エラー・レポートでは,さまざまなディスクおよびテープ装置のイベント・ログについて,エントリごとに 1 行ずつ報告されます。余分なイベント情報がないので,イベントの解析およびシステムのトラブルシューティングが簡単になります。次に例を示します。
$ DIAGNOSE/FSTERR [infile] |
例 20-5 に高速エラー・レポートの例を示します。
例 20-5 高速エラー (FSTERR) レポート形式 |
---|
Drive/ MSCP Physical HSC Volume Drive Name yymmdd hhmmss Entry Evnt LED LBN Cyl Hd Sec RA RP Serial ============= ============= ===== ==== === ======= ==== == === === == ====== LUKE$DUA070 921119 160754 3 00EB 255 70 71 V00717 LUKE$DUA070 921119 160754 4 00EB 255 70 71 V00717 HSC015$DUA028 910323 113204 5 00EB 70 51 V15039 HSC015$DUA028 910323 113204 6 00EB 71 51 V15039 BATES$DUA197 921118 002116 7 00EB 72 32 V17524 CHEWIE$DUA101 911205 114908 8 00EB 73 81 V 17 PMASON$DUA006 921207 165007 15 00EB 255 90 42 D23387 PMASON$DUA006 921207 165007 16 00EB 255 90 42 D23387 C3P0$DUA242 870218 060031 17 01AB 90 40 D48575 CHER$DU2132*901008 231053 18 00EB 92 81 D 2345 |
高速エラー・レポートには,弊社のサポート担当者がテープ装置またはディスク装置の問題を解決するのに必要な情報が入っています。
20.5.6 DECevent の制約
DECevent ユーティリティを使うときには,この項で説明する制約事項に注意してください。
ページ・ファイル・クォータを超えると,DECevent が終了し,システム・プロンプトが表示されます。このような場合には,最後のコマンドを実行してください。
DECevent は,ファイル名の検索リストとして定義された論理名を,入力とみなしません。次の例を参照してください。
$ DEFINE EVENT_LOG DISK1:[EVENTS]EVENT_LOG1.SYS,DISK1:EVENT_LOG.SYS $ DIAGNOSE/ANALYZE EVENT_LOG DECevent T1.0 FT2 _DIAGNOSE-FAT: Analyze - No files found ' event_log ' _DIAGNOSE-FAT: An error occurred while executing a command ruleset _DIAGNOSE-INF: No Error Messages to send in thread 1 |
DECevent は,ログ・ファイルを自動的にパージしません。次のように,必要に応じてファイルおよびディレクトリにバージョン制限を設定してください。
$ SET FILE/VERSION=3 DIA_ACTIVITY.LOG |
DECevent を実行するシステムをシャットダウンして再ブートすると, DECEVENT$STARTUP.COM は FMGPROFILE 論理名を定義しません。これにより,システム起動の呼び出しログ (SICL) の適切なログが,妨害されることがあります。これは,SICL メッセージ・テキストにあるカスタマ・プロファイル情報が失われるからです。
DIAGNOSE コマンドは,$SNDERR システム・サービスでログされたエラー・ログ・メッセージを認識しません。
20.6 オペレータ・ログ・ファイルの設定,管理,プリント
この節では,オペレータ・ログ・ファイルと,このファイルに記録される OPCOM メッセージについて説明し,次の表の作業手順を示します。これらの作業を行う場合は OPER 特権が必要になります。
作業 | 参照箇所 |
---|---|
オペレータ・ログ・ファイルの設定 | 第 20.6.3 項 |
オペレータ・ログ・ファイルの管理 | 第 20.6.4 項 |
オペレータ・ログ・ファイルのプリント | 第 20.6.5 項 |
オペレータ・ログ・ファイル (SYS$MANAGER:OPERATOR.LOG) には,システム・イベントと,オペレータ通信マネージャ (OPCOM) からオペレータ・ターミナルに送信されたユーザ要求が記録されます。記録は,すべてのオペレータ・ターミナルが使用不能になっている場合でも行われます。通常,OPCOM はシステムをブートすると起動します。OPCOM についての詳細は, 第 2.4 節 を参照してください。
オペレータ・ログ・ファイルにより,ハードウェアおよびソフトウェアの障害を予測してそれらを事前に防止したり,ディスクおよび磁気テープに対するユーザ要求を監視することもできます。オペレータ・ログ・ファイルを定期的に調べれば,今後障害につながる可能性がある問題を事前に見つけ,適切な処置をとることができます。
OPERATOR.LOG ファイル (または論理名 OPC$LOGFILE_NAME が指すファイル) のサイズとアクセスは,それが置かれているディスク装置のサイズとアクセスの制限を受けます。ディスク装置にログ・ファイルを書き込むだけの余裕がなかったり,他の方法での装置へのアクセスが制限されていたりすると,ログ・ファイルから記録が失われる可能性があります。
20.6.2 OPCOM メッセージについて
次の表に示す各項では,オペレータ・ログ・ファイルに含まれるメッセージの種類を説明します。
メッセージの種類 | 参照箇所 |
---|---|
初期化メッセージ | 第 20.6.2.1 項 |
装置状態を示すメッセージ | 第 20.6.2.2 項 |
ターミナルの使用可能または不能メッセージなったことを示すメッセージ | 第 20.6.2.3 項 |
ユーザ要求とオペレータ応答メッセージ | 第 20.6.2.4 項 |
ボリュームがマウントまたはディスマウントされたことを示すメッセージ | 第 20.6.2.5 項 |
システム・パラメータ・メッセージ | 第 20.6.2.6 項 |
機密保護アラーム・メッセージ | 第 20.6.2.7 項 |
第 20.6.2.8 項 に,オペレータ・ログ・ファイル内にある典型的なメッセージの例を示します。
20.6.2.1 初期化メッセージ
REPLY/LOG コマンドを入力すると,現在のオペレータ・ログ・ファイルがクローズし,代わりに新しいバージョンがオープンします。それ以後生成される OPCOM メッセージは,この新しいログ・ファイルに記録されるようになります。
新しいログ・ファイルを作成すると,その先頭には初期化メッセージが記録されます。初期化メッセージには,ログ・ファイルを初期化したオペレータとそのログ・ファイル指定が次の形式で示されます。
%%%%%%%%%%% %OPCOM, <dd-mmm-yyyy hh:mm:ss.cc> %%%%%%%%%%% Logfile has been initialized by operator <terminal-name> Logfile is <logfile-specification> |
%%%%%%%%%%% OPCOM, 19-APR-2000 12:29:24.52 %%%%%%%%%%% Logfile has been initialized by operator _MARS$VTA2: Logfile is HOMER::SYS$SYSMOND:[SYSMGT]OPERATOR.LOG;43 |
一部の入出力ドライバは,制御する装置の状態変化に関するメッセージを OPCOM に送信します。たとえば,ライン・プリンタがオフラインになった場合,明示的にオンライン状態に戻すまで,オペレータ・ログ・ファイルには OPCOM メッセージが定期的に記録されます。
オペレータ・ログ・ファイルに記録される装置状態メッセージの形式は次のとおりです。
%%%%%%%%%%%% OPCOM <dd-mmm-yyyy hh:mm:ss.cc> %%%%%%%%%%%% Device <装置名> is offline |
このメッセージは,カード・リーダ,ライン・プリンタ,磁気テープの場合に表示されます。
20.6.2.3 ターミナルの使用可能または不能メッセージ
次に,ターミナルをオペレータ・ターミナル (コンソール) として使用可能または使用不能にするコマンドの例を示し,それらのコマンドを実行したときにオペレータ・ログ・ファイルに記録されるメッセージについて説明します。
ターミナルをオペレータ・ターミナルとして指定する場合は,使用したいターミナルで REPLY/ENABLE と入力します。 OPCOM は次の形式のメッセージをオペレータ・ターミナルに表示し,同時にオペレータ・ログ・ファイルに記録して,この要求を確認します。
%%%%%%%%%%%% %OPCOM dd-mmm-yyyy hh:mm:ss.cc %%%%%%%%%%%% Operator <ターミナル名> has been enabled, username <ユーザ名> %%%%%%%%%%%% %OPCOM dd-mmm-yyyy hh:mm:ss.cc %%%%%%%%%%%% Operator status for operator <ターミナル名> <状態レポート> |
このメッセージはオペレータ・ターミナルとして使用可能になったターミナルを示し,そのターミナルが受け付けて応答できる要求をリストします。
また,REPLY/ENABLE=クラス・コマンドを入力すると,ターミナルを特定の機能のためのオペレータ・ターミナルとして指定することもできます。
たとえば,REPLY/ENABLE=TAPES コマンドを入力すると,OPCOM により,次のようなメッセージが表示されます。
%%%%%%%%%%%% %OPCOM 19-APR-2000 10:25:35.74 %%%%%%%%%%%% Operator _ROUND$OPA1: has been enabled, username SYSTEM %%%%%%%%%%%% %OPCOM 19-APR-2000 10:25:38.82 %%%%%%%%%%%% Operator status for operator _ROUND$OPA1: TAPES |
OPCOM は,このターミナルがオペレータ・ターミナルとして使用可能になったことを確認し,またこのターミナルがテープのマウントやディスマウントなど,磁気テープに関するイベントの要求と応答だけを扱うことのできるターミナルであることを示します。
オペレータ・ターミナルとして宣言されたターミナルは,そのオペレータがログアウトすると自動的に非オペレータ・ターミナルの状態になります。ログアウトしないでターミナルを通常の (非オペレータの) 状態に戻すためには,そのターミナルから REPLY/DISABLE コマンドを実行します。
OPCOM は,そのターミナルがオペレータ・ターミナルでなくなったことを確認するメッセージをターミナルに表示し,同時にオペレータ・ログ・ファイルに記録します。このメッセージは,ターミナルが非オペレータ状態に戻ったことと,その状態変化が行われた日時を次の形式で示します。
%%%%%%%%%%% %OPCOM <dd-mmm-yyyy hh:mm:ss.cc> %%%%%%%%%%% Operator <ターミナル名> has been disabled, username <ユーザ名> |
あるターミナルをオペレータ・ターミナルとして宣言したときにその機能の一部が使用できない場合は, OPCOM から状態メッセージが表示されます。状態メッセージは,該当するターミナルが受け取ったり応答したりできる要求を示します。形式は次のとおりです。
%%%%%%%%%%% %OPCOM <dd-mmm-yyyy hh:mm:ss.cc> %%%%%%%%%%% Operator status for operator <ターミナル名> <状態レポート> |
たとえば,ターミナルを,磁気テープおよびディスクに関連するメッセージ,および OPER10 というシステム固有の特殊なオペレータ・クラスのメッセージを受信するオペレータ・ターミナルとして定義し,後になって,テープに関連するメッセージの受信をやめる場合を考えてみます。REPLY/DISABLE=TAPES コマンドを実行すると, OPCOM から次のようなメッセージが返されます。
%%%%%%%%%%% %Opcom 19-APR-2000 09:23:45.32 %%%%%%%%%%% Operator status for operator TTA3 DISKS, OPER10 |
このメッセージは,TTA3 というターミナルが,ディスクに関するメッセージとオペレータ・クラス OPER10 へのメッセージを受信していること,および受信したメッセージに対して応答ができることを示しています。
20.6.2.4 ユーザ要求とオペレータ応答メッセージ
ユーザがオペレータと連絡をとるためには, REQUEST コマンドで /REPLY 修飾子あるいは /TO 修飾子のいずれかを指定します。これらの修飾子には次の働きがあります。
また,メッセージは,ユーザに対してどのように応答するかによっても異なってきます。
REQUEST/REPLY コマンドによってすべてのオペレータ・ターミナルが使用不能になると,OPCOM はそれ以後,ユーザからのすべての要求をログ・ファイルに記録しますが,オペレータの応答が行われないことを示すメッセージをユーザに返すことはありません。
オペレータ・ログ・ファイルに記録されるオペレータ応答は, REPLY/ENABLE,REPLY/DISABLE,REPLY/LOG の各コマンドに関連するものだけです。他のオペレータ応答は記録されません。
20.6.2.5 ボリュームがマウントまたはディスマウントされたことを示すメッセージ
オペレータ・ログ・ファイルに記録されるオペレータ・メッセージの多くは,おそらく次のようなボリュームのマウントとディスマウントに関するものです。
%%%%%%%%%%% OPCOM, 19-APR-2000 22:41:07.54 %%%%%%%%%%% message from user SYSTEM Volume "KLATU " dismounted, on physical device MTA0: 15-APR-2000 22:42:14.81, request 2 completed by operator OPA0 |
ユーザは適切な特権を持っていれば,システム・パラメータの以下の値を変更することができます。
値 | 説明 |
---|---|
現在値 | ディスク上の省略時のパラメータ・ファイルに格納されている値で,システムのブート時に使用される。 |
アクティブ値 | メモリに格納されている値で,システムの稼働時に使用される。 |
システムはブートするとき,現在値をメモリに読み込み,アクティブ値を作成します。アクティブ値と現在値は,どちらかを変更するまでは同じ値となります。
ユーザは,システム・パラメータのアクティブ値と現在値に以下の変更を加えることができます。
システム・パラメータを変更する場合は, 第 15.2 節 で説明したように,SYSGEN ではなく,できるだけ AUTOGEN または SYSMAN を使用してください。 |
OPCOM は,現在のシステム・パラメータに対して行われたすべての変更を, SYSGEN メッセージとしてログ・ファイルに記録します。形式は次のとおりです。
%%%%%%%%%%% %OPCOM <dd-mmm-yyyy hh:mm:ss.cc> %%%%%%%%%%% Message from user <ユーザ名> %SYSGEN-I-WRITExxx, <システム・モード> system parameters modified by process ID <プロセス id> into file <ファイル指定> |
%%%%%%%%%%% %OPCOM 3-JUN-2000 08:11:59.55 %%%%%%%%%%% Message from user D_PLUTO on ANASAT %SYSGEN-I-WRITECUR, CURRENT system parameters modified by process ID 0000020B into file SYS$UPDATE:[SYSTEM]UPDATESYS.PAR;2 |
このメッセージは,システム・パラメータの現在値が変更されていることを示しています。
DCL の SET MESSAGE コマンドを使って,システム・メッセージの形式を変更した場合,そのメッセージはログ・ファイルには示されません。 |
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