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SCROLL コマンドを使用すると,カラム・ヘッダを表示したままレポートをスクロールさせることができます。このコマンドにより,レポートをフィールド単位で水平方向に移動したり,行単位で垂直方向に移動することができます。垂直方向にスクロールする場合,カラム・ヘッダは固定されたままになります。
画面に複数のレポートが表示されている場合は,最初に SELECT コマンドを入力してスクロール対象のレポートを選択する必要があります。選択されたレポートは強調表示されます。
レポートをスクロールするためには,次のいずれかの方法を使用します。
Command> SET FUNCTION SCROLL |
このコマンドにより,矢印キーは次のように再定義される。
矢印キー | 対応するコマンド |
---|---|
上向き矢印 | SCROLL UP 1 |
下向き矢印 | SCROLL DOWN 1 |
右向き矢印 | SCROLL RIGHT 1 |
左向き矢印 | SCROLL LEFT 1 |
Command> SELECT SCS Command> SET FUNCTION SCROLL |
この例では,まず SCS レポートを選択して強調表示し,次に矢印キーをスクロール機能に設定します。詳細は,『Compaq OpenVMS システム管理ユーティリティ・リファレンス・マニュアル』の SET FUNCTION コマンドおよび SCROLL コマンドの説明を参照してください。
作業が終了したら,次のコマンドを入力して矢印キーの設定を元に戻しておきます。
Command> SET FUNCTION EDIT |
22.3.6 SHOW CLUSTER スタートアップ初期化ファイルの作成
スタートアップ初期化ファイルを作成して, SHOW CLUSTER の表示内容をカスタマイズすることができます。 SHOW CLUSTER を起動すると,最初にこのファイルが実行されます。 SHOW CLUSTER ユーティリティは元の省略時の表示内容から,このファイルの指定に従ってクラスおよびフィールドを追加または削除します。この結果の表示形式が,ユーザの表示形式になります。スタートアップ初期化ファイルの書式は次のとおりです。
! !Startup Initialization File ! ! INITIALIZE REMOVE MEMBERS ADD RP_REVISION,RP_TYPE,SYS_ID SET SCREEN=132 |
このスタートアップ・プロシージャ (スタートアップ初期化ファイル) を使用すると, SHOW CLUSTER は省略時の表示内容から MEMBERS の情報を削除ます。さらに,CIRCUITS クラスの RP_REVISION フィールドと RP_TYPE フィールド,および SYSTEMS クラスの SYS_ID フィールドを追加します。このプロシージャの最後の行により,画面の幅が 132 カラムに設定されます。
DEFINE SHOW_CLUSTER$INIT DEVA:[JONES]SHCINI |
SHOW CLUSTER はその起動時に SHOW_CLUSTER$INIT で定義されたファイルを検索する。この例では,SHOW CLUSTER は起動時に DEVA:[JONES]SHCINI.INI を探す。初期化ファイルが見つかると, SHOW CLUSTER は表示を開始する前にプロシージャを実行する。
SHOW_CLUSTER$INIT が定義されていない場合,または定義にディレクトリ指定が含まれていない場合は,SHOW CLUSTER は現在の省略時のディレクトリで SHOW_CLUSTER.INI と名付けられたファイルを探す。
Command> SAVE SHOW_CLUSTER$INIT.INI |
SHOW_CLUSTER$INIT.INI は必ず指定する。このファイル名を省略すると, SAVE コマンドは省略時の設定で .COM ファイルを作成するので, SHOW CLUSTER ユーティリティは初期化ファイルを見つけることができない。 SHOW CLUSTER ユーティリティは,初期化ファイルの検索時にタイプが .INI のファイルを探す。
SAVE コマンドによって作成されたファイルにコメントを加えて読みやすくすることができます。詳細は,『Compaq OpenVMS システム管理ユーティリティ・リファレンス・マニュアル』の SAVE コマンドの説明を参照してください。
SHOW CLUSTER ユーティリティを使用しないで,コマンド・プロシージャを作成するのと同じ方法で,初期化ファイルを作成することができます。その手順を次の項で説明します。
22.3.7 SHOW CLUSTER ユーティリティのコマンドを含むコマンド・プロシージャの使用
SHOW CLUSTER のコマンドを含むコマンド・プロシージャを作成することができます。そのようなファイルを使用すれば,会話形式でコマンドを入力しないで表示特性を変更することができます。 SHOW CLUSTER ユーティリティの連続表示セッション中にこのコマンド・プロシージャを使用して,たとえば出力をカスタマイズするための一連のコマンドを実行することができます。
次に,SHOW CLUSTER のコマンドを含むコマンド・プロシージャを作成するためのガイドラインを示します。
コマンド・プロシージャに EXIT コマンドを記述しないでください。プロシージャの最後にも記述することはできません。 EXIT コマンドがあると SHOW CLUSTER ユーティリティは終了し,レポートの内容を見る前にその内容が消去されます。 また,SHOW CLUSTER のコマンド・プロシージャをバッチ・ジョブから実行しないでください。 |
次に,レポートの表示項目をカスタマイズするコマンド・プロシージャの例を示します。
! ! Include only the node field from the default display; show votes ! and quorum for each node and for the cluster as a whole. ! INITIALIZE REMOVE SOFTWARE,STATUS ADD VOTES,QUORUM,CL_VOTES,CL_QUORUM |
このコマンド・プロシージャは,レポートから SOFTWARE フィールドと STATUS フィールドとを削除し,クラスタのクォーラムおよびボートに関する情報を示すフィールドを追加します。
SHOW CLUSTER の連続表示セッション中にコマンド・プロシージャを実行する場合は,プロシージャ実行コマンド(@) とともにプロシージャのファイル名を指定します。コマンド・プロシージャの省略時のファイル・タイプは .COM です。
SYSMOD.COM という名前のコマンド・プロシージャを実行します。
Command> @SYSMOD |
この例ではファイル・タイプが省略されているため,ファイル・タイプ .COM が使用されます。
コマンド・プロシージャの作成についての詳細は,『Compaq OpenVMS システム管理ユーティリティ・リファレンス・マニュアル』の SAVE コマンドの説明を参照してください。
22.4 SYSMAN ユーティリティと OpenVMS Cluster 管理について
SYSMAN では,次の 2 種類の方法で OpenVMS Cluster 管理をサポートしています。
SYSMAN のコマンドを使用するためには,適切な特権が必要になります。各コマンドについての詳細は,『Compaq OpenVMS システム管理ユーティリティ・リファレンス・マニュアル』を参照してください。
22.5 システム管理ユーティリティ (SYSMAN) による機密保護の管理
システム管理ユーティリティ (SYSMAN) の CONFIGURATION コマンドにより, OpenVMS Cluster システムの機密保護データを管理することができます。 表 22-4 に CONFIGURATION 関連のコマンドとそれらの機能をまとめます。
コマンド | 機能 |
---|---|
CONFIGURATION SET CLUSTER_AUTHORIZATION | ローカル・エリア・クラスタのグループ番号とパスワードを変更する。 |
CONFIGURATION SHOW CLUSTER_AUTHORIZATION | ローカル・エリア・クラスタのグループ番号とマルチキャスト・アドレスを表示する。 |
グループ番号は,クラスタ内のノードのグループを識別し,対応するイーサネット・アドレスは,メッセージをクラスタ内の全ノードに送信するために使用されます。 OpenVMS Cluster パスワードにより,クラスタ・メンバシップの統一性が保護されます。
CONFIGURATION SET CLUSTER_AUTHORIZATION コマンドを使うと, SYS$SYSTEM:CLUSTER_AUTHORIZE.DATに記録されているグループ番号とパスワードが変更されます。通常,CLUSTER_AUTHORIZE.DAT ファイル内のレコードを変更する必要はありません。
複数のシステム・ディスクがシステム構成に含まれている場合, SET ENVIRONMENT/CLUSTER コマンドによって環境がクラスタとして定義されていれば, SYSMAN は CLUSTER_AUTHORIZE.DAT の各コピーを自動的に更新します。
グループ番号およびパスワードのいずれかを変更した場合は,クラスタ全体を再ブートする必要があります。 |
機密保護上の理由から,クラスタのパスワードを表示することはできませんが, CONFIGURATION SHOW CLUSTER_AUTHORIZATION コマンドを使用すると,グループ番号およびグループ・マルチキャスト・アドレスを表示することができます。
SYSMAN> SET ENVIRONMENT/CLUSTER/NODE=NODE21 SYSMAN> SET PROFILE/PRIVILEGE=SYSPRV SYSMAN> CONFIGURATION SET CLUSTER_AUTHORIZATION/PASSWORD=GILLIAN %SYSMAN-I-CAFOLDGROUP, existing group will not be changed %SYSMAN-I-GRPNOCHG, Group number not changed SYSMAN-I-CAFREBOOT, cluster authorization file updated. The entire cluster should be rebooted. |
SYSMAN> CONFIGURATION SHOW CLUSTER_AUTHORIZATION Node NODE21: Cluster group number 65240 Multicast address: AB-00-04-01-F2-FF |
22.6 SYSMAN DO コマンドによる OpenVMS Cluster の管理
SYSMAN の DO コマンドを使用すると,現在の環境のすべてのノード上で, DCL コマンドおよびコマンド・プロシージャを実行することができます。このコマンドは, OpenVMS Cluster 内のノード上でシステム管理作業をルーチン化して行う場合に便利です。たとえば,次の作業が挙げられます。
各 DO コマンドは独立したプロセスとして実行されるため, DO コマンド相互間でプロセス・コンテキストが保持されることはありません。このため, DCL コマンドは必ず 1 つのコマンド文字列で表現します。また,入力データを必要とするプログラムを実行することはできません。
クラスタ環境において, SYSMAN はクラスタ内のすべてのノード上でコマンドを順次実行します。あるノード上で 1 つのコマンドの動作が完了するまで, SYSMAN は同じコマンドを次のノードに送信しません。コマンドを実行できないノードがあると,そのノードからエラー・メッセージが返されます。コマンドを送信した先のノードから特定の時間内に応答がないと, SYSMAN はエラー・メッセージを表示します。
OpenVMS VAX と OpenVMS Alpha の両方を実行しているデュアル・アーキテクチャの異質 OpenVMS Cluster では,DO コマンドを使用する場合に特別な処置が必要な場合があります。たとえば,それぞれのアーキテクチャにおいて異なる名前を持つイメージをインストールする場合は,VAX ノードおよび Alpha ノード用に論理名テーブルを作成すれば,DO コマンドを使用することができます。下記の例を参照してください。
DCL コマンドの中には MOUNT/CLUSTER や SET QUORUM/CLUSTER のように,クラスタ全体で動作するように設計されたものもあります。同様に,クラスタ単位の論理名や論理テーブルへの操作はクラスタ全体に操作されるように設計されています。環境がクラスタに設定されている場合には,このようなコマンドは SYSMAN の DO コマンドとともに使用しないようにしてください。 SPAWN コマンドを使って SYSMAN を一時的に終了させ, DCL でこれらのコマンドを使用する,またはクラスタ内部で環境を単一ノードに定義するという方法もあります。
SYSMAN> SET PROFILE/PRIVILEGES=(CMKRNL,SYSPRV)/DEFAULT=SYS$SYSTEM SYSMAN> DO INSTALL ADD/OPEN/SHARED WRKD$:[MAIN]STATSHR SYSMAN> DO MCR AUTHORIZE ADD JONES/PASSWORD=COLUMBINE - _SYSMAN> /DEVICE=WORK1/DIRECTORY=[JONES] |
SYSMAN>SET ENVIRONMENT/CLUSTER %SYSMAN-I-ENV, Current command environment: Clusterwide on local cluster Username SMITH will be used on nonlocal nodes SYSMAN> DO @SYS$STARTUP:XYZ_STARTUP |
$ CREATE/NAME_TABLE/PARENT=LNM$SYSTEM_DIRECTORY SYSMAN$NODE_TABLE $ DEFINE/TABLE=SYSMAN$NODE_TABLE AXP_NODES NODE21,NODE22,NODE23 $ DEFINE/TABLE=SYSMAN$NODE_TABLE VAX_NODES NODE24,NODE25,NODE26 $ RUN SYS$SYSTEM:SYSMAN SYSMAN> SET ENVIRONMENT/NODE=AXP_NODES %SYSMAN-I-ENV, current command environment: Individual nodes: NODE21,NODE22,NODE23 Username BOUCHARD will be used on nonlocal nodes SYSMAN> DO INSTALL REPLACE SYS$LIBRARY:DCLTABLES.EXE %SYSMAN-I-OUTPUT, command execution on node NODE21 %SYSMAN-I-OUTPUT, command execution on node NODE22 %SYSMAN-I-OUTPUT, command execution on node NODE23 SYSMAN> DO INSTALL REPLACE SYS$SYSTEM: DEC_FORTRAN.EXE %SYSMAN-I-OUTPUT, command execution on node NODE21 %SYSMAN-I-OUTPUT, command execution on node NODE22 %SYSMAN-I-OUTPUT, command execution on node NODE23 SYSMAN> SET ENVIRONMENT/NODE=VAX_NODES %SYSMAN-I-ENV, current command environment: Individual nodes: NODE24,NODE25,NODE26 Username BOUCHARD will be used on nonlocal nodes SYSMAN> DO INSTALL REPLACE SYS$LIBRARY:DCLTABLES.EXE %SYSMAN-I-OUTPUT, command execution on node NODE24 %SYSMAN-I-OUTPUT, command execution on node NODE25 %SYSMAN-I-OUTPUT, command execution on node NODE26 SYSMAN> DO INSTALL REPLACE SYS$SYSTEM:FORTRAN$MAIN.EXE %SYSMAN-I-OUTPUT, command execution on node NODE24 %SYSMAN-I-OUTPUT, command execution on node NODE25 %SYSMAN-I-OUTPUT, command execution on node NODE26 |
SYSMAN >SET ENVIRONMENT/CLUSTER %SYSMAN-I-ENV, Current command environment: Clusterwide on local cluster Username SMITH will be used on nonlocal nodes SYSMAN> DO SHOW DEVICE/FILES DISK2: %SYSMAN-I-OUTPUT, command execution on node NODE21 Files accessed on device $1$DIA2: (DISK2, NODE22) on 14-may-2000 15:44:06.05 Process name PID File name 00000000 [000000]INDEXF.SYS;1 %SYSMAN-I-OUTPUT, command execution on node NODE22 Files accessed on device $1$DIA2: (DISK2, NODE21) on 14-may-2000 15:44:26.93 Process name PID File name 00000000 [000000]INDEXF.SYS;1 %SYSMAN-I-OUTPUT, command execution on node NODE23 Files accessed on device $1$DIA2: (NODE21, NODE22) on 14-may-2000 15:45:01.43 Process name PID File name 00000000 [000000]INDEXF.SYS;1 %SYSMAN-I-OUTPUT, command execution on node NODE24 Files accessed on device $1$DIA2: (NODE22, NODE21) on 14-may-2000 15:44:31.30 Process name PID File name 00000000 [000000]INDEXF.SYS;1 Susan Scott 21400059 [SCOTT]DECW$SM.LOG;228 _FTA7: 214000DD [SCOTT]CARE_SDML.TPU$JOURNAL;1 %SYSMAN-I-OUTPUT, command execution on node NODE25 Files accessed on device $1$DIA2: (NODE21, NODE22) on 14-may-2000 15:44:35.50 Process name PID File name 00000000 [000000]INDEXF.SYS;1 DECW$SESSION 226000E6 [SNOW]DECW$SM.LOG;6 _FTA17: 2260009C [SNOW.MAIL]MAIL.MAI;1 SNOW_1 2260012F [SNOW.MAIL]MAIL.MAI;1 SNOW_2 22600142 [SNOW.MAIL]MAIL.MAI;1 SNOW_3 22600143 [SNOW.MAIL]MAIL.MAI;1 |
SYSMAN > SET ENVIRONMENT/NODE=(NODE21,NODE22) %SYSMAN-I-ENV, Current command environment: Clusterwide on local cluster Username SMITH will be used on nonlocal nodes SYSMAN> DO SHOW MEMORY %SYSMAN-I-OUTPUT, command execution on node NODE21 System Memory Resources on 14-may-2000 15:59:21.61 Physical Memory Usage (pages): Total Free In Use Modified Main Memory (64.00Mb) 131072 63955 65201 1916 Slot Usage (slots): Total Free Resident Swapped Process Entry Slots 360 296 64 0 Balance Set Slots 324 262 62 0 Fixed-Size Pool Areas (packets): Total Free In Use Size Small Packet (SRP) List 10568 1703 8865 128 I/O Request Packet (IRP) List 3752 925 2827 176 Large Packet (LRP) List 157 28 129 1856 Dynamic Memory Usage (bytes): Total Free In Use Largest Nonpaged Dynamic Memory 1300480 97120 1203360 60112 Paged Dynamic Memory 1524736 510496 1014240 505408 Paging File Usage (pages): Free Reservable Total DISK$MTWAIN_SYS:[SYS0.SYSEXE]SWAPFILE.SYS 10000 10000 10000 DISK$MTWAIN_SYS:[SYS0.SYSEXE]PAGEFILE.SYS 60502 -52278 100000 Of the physical pages in use, 19018 pages are permanently allocated to VMS. %SYSMAN-I-OUTPUT, command execution on node NODE22 System Memory Resources on 14-may-2000 15:59:42.65 Physical Memory Usage (pages): Total Free In Use Modified Main Memory (32.00Mb) 65536 44409 20461 666 Slot Usage (slots): Total Free Resident Swapped Process Entry Slots 240 216 24 0 Balance Set Slots 212 190 22 0 Fixed-Size Pool Areas (packets): Total Free In Use Size Small Packet (SRP) List 5080 2610 2470 128 I/O Request Packet (IRP) List 3101 1263 1838 176 Large Packet (LRP) List 87 60 27 1856 Dynamic Memory Usage (bytes): Total Free In Use Largest Nonpaged Dynamic Memory 1165312 156256 1009056 114432 Paged Dynamic Memory 1068032 357424 710608 352368 Paging File Usage (pages): Free Reservable Total DISK$MTWAIN_SYS:[SYS1.SYSEXE]SWAPFILE.SYS 10000 10000 10000 DISK$MTWAIN_SYS:[SYS1.SYSEXE]PAGEFILE.SYS 110591 68443 120000 Of the physical pages in use, 9056 pages are permanently allocated to VMS. |
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