Compq OpenVMS
システム管理ユーティリティ・リファレンス・マニュアル


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ATTACH

現在のプロセスから指定したプロセスに制御を転送します。 LATCP の ATTACH コマンドは,DCL の ATTACH コマンドと似ています。たとえば,DCL コマンド・レベルで DCL の SPAWN コマンドを入力すれば, DCL セッションを終了せずに LATCP サブプロセスを作成できます。 LATCP プロンプトで LATCP コマンドを実行した後,ATTACH コマンドを入力すれば DCL に戻ります。

形式

ATTACH [プロセス名]


パラメータ

プロセス名

制御を渡す親プロセスまたは生成するサブプロセスの名前を指定します。指定するプロセスは,すでに存在しており,現在のジョブの一部であり,同じ入力ストリームを現在のプロセスと共用しているものでなければなりません。

プロセス名は,15 文字以内の英数字です。指定したプロセスに接続できなかった場合,エラー・メッセージが表示されます。

/PID 修飾子を指定した場合,プロセス名パラメータは使用しないようにしてください。 /PID 修飾子を省略した場合には,プロセス名パラメータを使用してください。

プロセス・リストを表示するには, DCL の SHOW SYSTEM コマンドを使用します。


修飾子

/PID=プロセス識別子

ターミナル制御を取得するプロセスのプロセス識別子 (PID) を指定します。PID の中の先行する 0 は省略できます。 /PID 修飾子を指定した場合,プロセス名パラメータは使用しないようにしてください。 /PID 修飾子を省略した場合には,プロセス名パラメータを使用してください。

説明

ATTACH コマンドにより,使用中の入力ストリームを別のプロセスに接続し,あるプロセスから別のプロセスに制御を渡すことができます。たとえば次の例のように,LATCP から DCL コマンド・レベルに制御を変更できます。DCL コマンド・レベルにあるとき,ATTACH コマンドで戻るまでの間,LATCH はハイバネート状態にあります。

キャプティブ・アカウントにログインしているとき,このコマンドは使用できません。キャプティブ・アカウントは,システムへのユーザ・アクセスが制約されているアカウントです。キャプティブ・アカウントからは,DCL コマンド・レベルにアクセスできません。プロセス名と /PID 修飾子の両方を指定することはできません。



$ SET PROCESS/NAME="TOP_LEVEL"
$ SPAWN RUN SYS$SYSTEM:LATCP
LATCP> SHOW NODE/ALL
   .
   .
   .
LATCP> ATTACH "TOP_LEVEL"
$

DCL の SPAWN コマンドを入力して LATCP サブプロセスを作成し,ローカル・ノードが認識するすべてのノードの状態を LATCP で表示しています。次に,ATTACH コマンドで DCL コマンド・レベルに戻っています。

CREATE LINK

LAT データ・リンクを作成します。使用中のノードで使用したい,イーサネットや FDDI (Fiber Distributed Data Interface) のコントローラなどの LAN 装置への接続を確立します。このコマンドを使用するためには,OPER 特権が必要です。

形式

CREATE LINK リンク名


パラメータ

リンク名

LAT データ・リンクの名前を指定します。リンク名は,16 文字以内の ASCII 文字です。使用できる文字は,次のとおりです。

使用中のローカル・ノードには,最大 8 つのリンクを作成できます。ノードに定義されているリンク名のリストを表示するには, SHOW LINK コマンドを使用します。


修飾子

/DECNET (省略時の設定)

/NODECNET

/DECNET を指定すると,LAT プロトコルは LAN コントローラ起動時に DECnet データ・リンク・アドレスを使用します。 /NODECNET を指定すると,LAT プロトコルは LAN コントローラ起動時にハードウェア・アドレスを使用します。省略時の設定では,LAT プロトコルは DECnet データ・リンク・アドレスを使用します。

CREATE LINK コマンドで /DECNET 修飾子を使用したときに, "bat parameter value" というエラー・メッセージが表示された場合は, SCSSYSTEMID システム・パラメータが不正な値に設定されています。このパラメータの値を変更するには,次の式を使用します。


(1024 * a) + n 

この式の中で,a は DECnet のエリア,n は DECnet のコンピュータ番号を表します。この値が 1025 〜 65535 の範囲にないと,LAT プロトコルは起動できません。

/NODECNET 修飾子を使用すると,LAN 装置ドライバ・コードが,使用するアドレスを決定します。次に例を示します。

DECnet がシステム上に構成されている場合(またはシステムがクラスタの一部である場合),SCSSYSTEMID はゼロ以外の値を含んでいることがあります。これは,システムで同じ論理 LAN に 2 つ以上の LAN コントローラが接続されている場合にのみ問題となります。

たとえば,システムが FDDI コントローラとイーサネット・コントローラを持っている場合,FDDI コントローラに接続されている FDDI リングと,イーサネット・コントローラに接続されているイーサネット・セグメントが 10/100 LAN ブリッジ(FDDI---イーサネット)でブリッジされるようにサイトが構成されている可能性があります。この構成では,両方のコントローラ上で LAT を実行するのは不可能です。

このような構成では,SCSSYSTEMID が 0 でなければ, LAT と DECnet を同じコントローラ上で実行しなくてはなりません。そうしないと,まず DECnet が起動し,残りのコントローラ上での LAT のスタートアップが失敗します。これは,LAT のスタートアップが AA-00-04-00-xx-xx アドレス(DECnet LAN アドレス)を使用しようと試みるのに,データ・リンク層によって妨げられるために起こります。 DECnet がこのアドレスをすでに他のコントローラ上で使用しているために,LAT のスタートアップは失敗します(論理 LAN が 1 つしか存在しない場合は,すべてのデータ・リンク・アドレスが一意でなくてはなりません。この場合は,両方のコントローラが同じアドレスを使用しようと試みるため,アドレスの一意性が保たれません)。

次に示す,LAT リンクを作成するコマンドも,LAN ドライバが SCSSYSTEMID に基づくアドレスを使用しようと試みるために失敗します。


LATCP> CREATE LINK LAT$LINK_2 /NODECNET

SCSSYSTEMID が 0 に設定されている場合は,LAT と DECnet を異なるコントローラ上に構成することが可能になります。ただし,クラスタ環境では,SCSSYSTEMID は 0 には設定できません。

/DEVICE=装置名

LAT データ・リンクに対して, LAN コントローラ装置名 (XEB0 など) を指定します。1 つの LAN コントローラに設定できる LAT データ・リンクは,1 つだけです。 /DEVICE 修飾子なしで CREATE LINK コマンドを入力すると, LATCP は,LAT データ・リンク装置名リストの中で使用できるコントローラを捜します。LAT$DEVICE 論理名を定義して,省略時の装置名を指定するようにしてください。

/LOG

/NOLOG (省略時の設定)

リンクが作成されたことを確認するメッセージを表示することを指定します。省略時の設定では,メッセージは表示されません。

/STATE=オプション

リンクが使用可能かどうかを指定します。 次の 2 つのオプションがあります。

ON 作成したリンクを,実行中の LAT プロトコルで使用できることを指定する。
OFF 作成したリンクは使用できないことを指定する。

省略時の設定では,作成したリンクは使用できます (ON)。


説明

CREATE LINK コマンドは,イーサネット・コントローラや FDDI コントローラなどのローカル・エリア・ネットワーク (LAN) とノードとの間にリンク,すなわち接続を確立し,そのリンクに名前を設定します。1 つのノードに,最大 8 つの LAN リンクを設定できます。リンクごとに,専用の LAN コントローラと LAN ハードウェアが必要です。

このコマンドで明示的にリンクを作成せずに SET NODE/STATE=ON コマンドを入力した場合,リンクが自動的に作成されます。リンク名 LAT$LINK が設定され,最初の使用可能 LAN コントローラにリンクが割り当てられます。ここで,LAT$DEVICE が定義されている場合は,LAT$DEVICE に割り当てられます。リンクの追加にも, CREATE LINK コマンドを使用します。

リンクを作成するたびに,LAN コントローラ装置名を指定してください。

リンク特性を変更するには,SET LINK コマンドを使用します。



LATCP> CREATE LINK NETWORK_A /DEVICE=XEB0: /STATE=ON

NETWORK_A というイーサネット・リンクを作成し,イーサネット・コントローラ装置 XEB0 を割り当てています。このリンクは使用できます。

CREATE PORT

CREATE PORT コマンドは,ターミナル・サーバ上の遠隔装置に接続する論理ポートを,使用中のローカル・ノード上に作成します。また,特定のサービスに接続する論理ポートの作成にも使用できます。このサービスは,ターミナル・サーバに提供させることも,LAT 遠隔サービス・ノード上の 1 つ以上の専用ポートに対応づけることもできます。

このコマンドを使用するためには,OPER 特権が必要です。


形式

CREATE PORT [ポート名]


パラメータ

ポート名

LTAn: の形式でポート名を指定します。n は, 1 から 9999 の一意の番号です。指定したポートがすでに存在する場合,次のエラー・メッセージが出力されます。


%LAT-W-CMDERROR, error reported by command executor 
-SYSTEM-F-DUPLNAM, duplicate name 

ポート名を指定しない場合は,/LOGICAL 修飾子を指定してください。

注意

ポートを作成するときには,次の点に注意してください。

  • ポートを作成するときは,LTA 装置ではなく,論理名を指定してください。

  • DECserver への既存の LAT 接続が存在しない限り, DECserver ポートの特性を変更するために,DCL コマンドの SET TERMINAL と同時に CREATE PORT コマンドと SET PORT コマンドを使用することはできません。


修飾子

/APPLICATION

使用中のノード上の論理ポートがアプリケーション・ポートであることを指定します。ターミナル・サーバ上の遠隔装置 (通常はプリンタ),または別の LAT サービス・ノード上の専用ポートに接続するときに使用します。

省略時のポート・タイプは,APPLICATION です。

注意

省略時の設定では,LATCP は HANGUP ターミナル特性でアプリケーション LAT 装置を作成します。ただし,アプリケーション LAT 装置に NOHANGUP 特性を適用したい場合は,特定の LATCP コマンドと DCL コマンドを入力することになります。次に例を示します。


$ LCP :== $LATCP
$ LCP CREATE PORT LTA1234
$ LCP SET PORT LTA1234 /APPLICATION /NODE=terminal-server /PORT=server-port
$ SET TERMINAL LTA1234 /PERMANENT /NOHANGUP

SYS$MANAGER:LAT$SYSSTARTUP.COM ファイルに SET TERMINAL コマンドを挿入できることに注意してください(NOHANGUP 特性を必要とする各 LAT 装置ごとにコマンドを入力します)。

/DEDICATED

使用中のローカル・ノード上の論理ポートが アプリケーション・サービス専用であることを指定します。ターミナル・サーバのユーザ (または発信接続をサポートする別のノードのユーザ) がこのサービス名に対する接続を要求した場合,専用ポートに接続されます。アプリケーション・サービスのプログラミングについては,『OpenVMS I/O User's Reference Manual』を参照してください。

VMS ノード上に専用ポートを作成した後,作成したポートを SET PORT /SERVICE コマンドでサービスにマップします。

/LIMITED

/DEDICATED 修飾子で作成されたポートがアプリケーション・サービス専用になるのと同様の方法で,使用中のローカル・ノード上の論理ポートが特定のサービスに制限されることを指定します。 /LIMITED 修飾子を使用して作成されたポートは,アプリケーション・プログラムではなく,システム・ログイン・イメージ (LOGINOUT.EXE) によって制御されます。制限されたサービスに接続し,制限ポートに割り当てられている場合, Username:プロンプトが表示されます。

/LIMITED 修飾子を使用することにより,作成するポート数を制限し,ホスト・システムの特定のサービスにマップすることができます。ポートがすべて使用されると,それ以上このサービスに接続することはできません (ターミナル・サーバは,"service in use" メッセージを受信します) 。

/LOG

/NOLOG (省略時の設定)

ポートが作成されたことを確認するメッセージを表示するかどうかを指定します。省略時の設定では,メッセージは表示されません。

/LOGICAL=(NAME=論理名[,TABLE=テーブル][,MODE=モード)

作成したポートの実名に対応づける論理名を指定します。ポート名を指定しない場合は,論理名を指定しなければなりません。

注意

ポート作成特権があって論理名設定特権がない場合でも,ポートは作成されます。

TABLE キーワードには,次のいずれかのオプションを指定できます。

GROUP グループ論理名テーブルに論理名を格納する。 GRPNAM 特権または SYSPRV 特権が必要である。
JOB ジョブ単位の論理名テーブルに論理名を格納する。
PROCESS プロセス論理名テーブルに論理名を格納する。省略時値。
SYSTEM システム論理名テーブルに論理名を格納する。 SYSNAM 特権または SYSPRV 特権が必要である。

特定のテーブルの名前を指定することもできます。たとえば,LNM$PROCESS と指定した場合,PROCESS を指定したことと同じです。

MODE キーワードには,次のオプションもあります。

EXECUTIVE エグゼクティブ・モードの論理名を作成する。 SYSNAM 特権が必要である。
SUPERVISOR スーパバイザ・モードの論理名を作成する。
USER ユーザ・モードの論理名を作成する。

論理名に対応するアクセス・モードは,MODE キーワードで指定したアクセス・モードを持つ呼び出し側のアクセス・モードを最大化したものです。つまり,特権が最も低いモードが使用されます。

論理名が格納されているテーブルの特権より高い特権を持つアクセス・モードは,指定できません。ただし,SYSNAM 特権があるプロセスの場合,呼び出し側のアクセス・モードとは関係なく,指定したアクセス・モードが論理名に対応づけられます。

MODE キーワードを省略した場合,呼び出し側のアクセス・モードは論理名に対応づけられます。


説明

CREATE PORT コマンドは,ユーザのローカル・ノードに対して LAT 論理ポートを作成します。アプリケーション・ポートとして登録し,後でサーバ上の遠隔装置 (プリンタなど) にマップさせることも,遠隔 LAT サービス・ノード上の専用ポートにマップさせることもできます。例 1 を参照してください。

また,LAT サービス・ノード上の特殊サービスの専用ポートとすることもできます。例 2 を参照してください。

/LIMITED 修飾子を使用することにより,制限ポートとしてポートを作成することもできます。

ポートを作成した後,SET PORT コマンドでキューまたはサービスにそのポートをマップします。例 1 の説明を参照してください。通常,ポートの作成と設定は,システム固有の LAT スタートアップ・プロシージャ LAT$SYSTARTUP.COM で行います。詳細については,『Compaq OpenVMS システム管理者マニュアル』を参照してください。

注意

CREATE PORT LTA5001: /APPLICATION のように, CREATE PORT コマンドでアプリケーション・ポートを作成しようとした場合,次のようなエラー・メッセージが出力されることがあります。


%LAT-W-CMDERROR, error reported by command executor 
-SYSTEM-F-DUPLNAM, duplicate name 

作成しようとした LAT アプリケーション・ポートが,すでに別のアプリケーションで作成されているために発生したエラーです。 LTDRIVER との交信に LATCP のポート LATCP$MGMT_PORT を使用しているので,この別のアプリケーションは LATCP 自体であることが考えられます。

ポートの重複を防ぐ方法として,次の 2 つがあります。

  • SET NODE/DEVICE_SEED コマンドで,装置ユニット番号の下限を,アプリケーション・ポートとして使用しようとしている LTA 装置より低い番号に移動する。
    省略時の設定では,$ASSIGN システム・サービスが LTA0: に対して割り当てる LTA 装置ユニットのユニット番号は,1 から 9999 です。たとえば,LTA7000: 以降の LTA 装置はアプリケーション・ポートとして使用されていないことが判明している場合,次のコマンドを入力できます。


    LATCP> SET NODE/DEVICE_SEED=7000
    LATCP> CREATE PORT LTA5001:/APPLICATION
       .
       .
       .
    LATCP> CREATE PORT LTA5010:/APPLICATION      
    


    詳細については,SET NODE コマンドの /DEVICE_SEED 修飾子の項を参照してください。

  • LTA のアプリケーション・ポートや専用ポートを作成する前に, LATCP の SET NODE/STATE=ON コマンドを会話形式でまたはプログラムで実行する。
    前回の LATCP で作成した LATCP 管理ポート LATCP$MGMT_PORT はすべて削除されるので,LAT アプリケーション・ポートや新しく作成した専用ポートとの間に矛盾が生じる恐れはありません。
    詳細については,SET NODE コマンドの /STATE 修飾子の項を参照してください。


#1

LATCP>  CREATE PORT LTA22: /APPLICATION 
 

サービス・ノード上に LTA22: というアプリケーション・ポートを作成しています。このポートをターミナル・サーバ上の特定のプリンタに対応づけるには, SET PORT /NODE /PORT コマンドを使用します。また,ターミナル・サーバ上の複数のプリンタに対応づけるには, SET PORT /NODE /SERVICE コマンドを使用します。遠隔サービス・ノード上の専用ポートに対応づけることもできます。その場合は,SET PORT /NODE /SERVICE コマンドを使用し,遠隔ノード上の専用ポートに対応するアプリケーション・サービスを /SERVICE 修飾子で指定します。 SET PORT コマンドの使用例を参照してください。

#2

LATCP>  CREATE PORT LTA21: /DEDICATED

LTA21: というポートを作成しています。このポートは,一般的なタイムシェアリング・サービスではなく,特定のサービスを提供する専用ポートとして使用されます。


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