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MONITOR SYSTEM コマンドは,SYSTEM 統計クラスの監視を起動します。 SYSTEM 統計クラスは,他のクラスの項目の中で最も重要な項目を表示します。
MONITOR SYSTEM
/修飾子 [,...]
1 つ以上の修飾子。本章の「コマンド修飾子の説明」を参照してください。
/ALL
すべての統計項目 (現在,平均,最小,最大) を表示出力と要約出力に含めることを指定します。要約出力の場合,すべてのクラスについて,この修飾子が省略時の値です。要約出力以外の場合,CLUSTER,MODES,PROCESSES,STATES,SYSTEM, VECTOR を除くすべてのクラスについて,この修飾子が省略時の値です。/AVERAGE
平均統計のバー・グラフを表示出力と要約出力に含めることを指定します。/CURRENT
現在の統計のバー・グラフを表示出力と要約出力に含めることを指定します。この修飾子は,CLUSTER,MODES,STATES, SYSTEM,VECTOR の各クラスの省略時の値です。/MAXIMUM
最大統計のバー・グラフを表示出力と要約出力に含めることを指定します。/MINIMUM
最小統計のバー・グラフを表示出力と要約出力に含めることを指定します。
SYSTEM クラスは,他のクラスの統計の中で重要度が最も高い性能統計を収集して 1 つの表示に出力するため,システム管理者やユーザがシステム動作全体を把握するときに特に便利です。SYSTEM クラスのデータ項目は,次のとおりです。Interrupt Stack (VAXシステム) または Interrupt State (Alphaシステム)
MP Synchronization
Kernel Mode
Executive Mode
Supervisor Mode
User Mode
Compatibility Mode (VAX システムのみ)
Idle Time
Process Count
Page Fault Rate
Page Read I/O Rate
Free List Size
Modified List Size
Direct I/O Rate
Buffered I/O Rate次の 2 種類の形式を,クラス名修飾子で指定できます。
- /ALL 修飾子では,表形式
- /AVERAGE,/CURRENT,/MAXIMUM,/MINIMUM の修飾子では,バー・グラフ形式
これらの形式の例をこの項の最後に示します。 2 番目の例にあるバー・グラフでは,表形式とは異なる次のデータが表示されます。
- Idle Time 以外のすべての CPU プロセッサ・モードが, CPU Busy セグメントに表示される。
- ページ読み込み率が Page Fault セグメントに縦線で表示される。読み込み動作の原因となったページ・フォルトの全体量を目で確認できる (ハード・フォルト率)。ハード・フォルト率は,線の左側に表示される。
- CPU,ページ・フォルト,直接入出力,バッファード入出力の最終画面更新以降のトップ・ユーザが,4 つのセグメントに表示される。
OpenVMS バージョン 7.3 から,MONITOR SYSTEM バー・グラフ画面表示の割合 (Rate) フィールドが次のように増えました。
割合 (Rate) 名 これまでの割合 新しい割合 Page Fault 100 500 Hard Page Fault (Page Fault 表示の縦線) 100 500 Direct I/O 60 500 Free List Size K ブロック単位での表示 K,M,G のいずれかの (適切な) ブロック単位での表示 Mod (変更された) List Size 5 桁。K ブロック単位 8 桁。 K,M,G のいずれかの (適切な) ブロック単位 Buffered I/O 150 500
トップ・ユーザ・プロセスはすべて,表示間隔の始めと終わりまたは要約対象期間全体の始めと終わりの時点で,スワップ・インされていなければなりません。
下のバー・グラフ (トップ・ユーザ) とそれに対応する上のバー・グラフ (システム全体値) の対象統計と時間間隔が例 2 のように同じである場合,この 2 つのグラフを比較検討できます。次のような状況が該当します。
- SYSTEM クラスだけを監視している。つまり,他のクラス名を MONITOR コマンドで指定していない。
- CURRENT 統計が指定されている。
- /INTERVAL 値と /VIEWING_TIME 値が等しい。
上記以外の場合,トップ・ユーザ統計は必ず CURRENT ですが,システム全体統計は CURRENT,AVERAGE,MAXIMUM,MINIMUM のいずれでもあり得るので,比較作業を行う場合は注意してください。
トップ・ユーザの割合は,2 つの連続する画面表示間の時間間隔にもとづいて計算されますが,システム全体の割合は,収集間隔をもとに計算されます。1 つ以上のクラスを SYSTEM クラスと同時に監視する場合や /INTERVAL 値と /VIEWING_TIME 値が異なる場合には,両者の時間間隔が異なる可能性があります。
Free List Size と Modified List Size 以外の上限値は定数ですが,この 2 者の数値は個々のシステムの物理メモリ構成とシステム・パラメータによって異なります。Free List の上限値は, VMS に永久設定するページ数を引いた残りのページ数です。 バランス・セット・メモリとも呼ばれるこの数字は,プロセス,Free List,Modified List に使用できるページ数です。 Modified List の上限値は,MPW_HILIMIT システム・パラメータの値です。これらの上限値は,MONITOR 要求起動時に計算され,その後変更されることはありません。
#1 | |
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MONITOR> MONITOR SYSTEM/ALL
|
表形式による SYSTEM 表示です。
#2 | |
---|---|
MONITOR> MONITOR SYSTEM
|
バー・グラフ形式による SYSTEM 表示です。
MONITOR TIMER コマンドは,TIMER 統計クラスの監視を起動します。 TIMER 統計クラスは,OpenVMS エグゼクティブが処理するタイマ・キュー・エントリ (TQE) の割合です。 TQE とはユーザまたはシステムが行うタイマ要求を表すデータ構造のことです。
MONITOR TIMER
/修飾子 [,...]
1 つ以上の修飾子。本章の「コマンド修飾子の説明」を参照してください。
/ALL
すべての統計項目 (現在,平均,最小,最大) を表示出力と要約出力に含めることを指定します。要約出力の場合,すべてのクラスについて,この修飾子が省略時の値です。要約出力以外の場合,CLUSTER,MODES,PROCESSES,STATES,SYSTEM, VECTOR を除くすべてのクラスについて,この修飾子が省略時の値です。/AVERAGE
平均統計のバー・グラフを表示出力と要約出力に含めることを指定します。/CURRENT
現在の統計のバー・グラフを表示出力と要約出力に含めることを指定します。この修飾子は,CLUSTER,MODES,STATES, SYSTEM,VECTOR の各クラスの省略時の値です。/MAXIMUM
最大統計のバー・グラフを表示出力と要約出力に含めることを指定します。/MINIMUM
最小統計のバー・グラフを表示出力と要約出力に含めることを指定します。
TIMER クラスは,次のデータ項目から構成されます。これらのデータ項目は秒単位の割合として表示されます。
データ項目 説明 Total TQE Rate 1 秒間に処理された TQE の合計割合。この統計は,次の 3 種類の TQE 割合が組み合わされた合計である。 SYSUB TQE Rate 1 秒間に処理された SYSUB TQE の割合。これらのシステム・サブルーチン TQE は, OpenVMS オペレーティング・システムによるタイマ要求を表している。 Timer TQE Rate 1 秒間に処理されたタイマ TQE の割合。これらの TQE は, $SETIMR システム・サービスを介したユーザによるタイマ要求を表している。 Wakeup TQE Rate 1 秒間に処理されたウェイクアップ TQE の割合。これらの TQE は, $SCHDWK システム・サービスを介したユーザによるタイマ要求を表している。
#1 | |
---|---|
MONITOR> MONITOR TIMER
|
この例は,全体として比較的に低い TQE 処理を示しており,そのほとんどが OpenVMS によって要求されたものです。下の 3 つの割合を合計したものが,ほぼ先頭の割合になります。
MONITOR TRANSACTION コマンドは,TRANSACTION クラスの監視を起動します。 TRANSACTION クラスは,DECdtm サービスによるトランザクションの情報を表示します。
MONITOR TRANSACTION
/修飾子 [,...]
1 つ以上の修飾子。本章の「コマンド修飾子の説明」を参照してください。
/ALL
すべての統計項目 (現在,平均,最小,最大) を表示出力と要約出力に含めることを指定します。要約出力の場合,すべてのクラスについて,この修飾子が省略時の値です。要約出力以外の場合,CLUSTER,MODES,PROCESSES,STATES,SYSTEM, VECTOR を除くすべてのクラスについて,この修飾子が省略時の値です。/AVERAGE
平均統計のバー・グラフを表示出力と要約出力に含めることを指定します。/CURRENT
現在の統計のバー・グラフを表示出力と要約出力に含めることを指定します。この修飾子は,CLUSTER,MODES,STATES, SYSTEM,VECTOR の各クラスの省略時の値です。/MAXIMUM
最大統計のバー・グラフを表示出力と要約出力に含めることを指定します。/MINIMUM
最小統計のバー・グラフを表示出力と要約出力に含めることを指定します。
TRANSACTION クラスのデータ項目は,次のとおりです。
データ項目 説明 Start Rate ローカル・ノードで新しいトランザクションを起動する割合。 Prepare Rate ローカル・ノードのトランザクションが DECdtmサービスによって準備状態に設定される割合。 One-Phase Commit Rate ローカル・ノードのトランザクションが 1フェーズ・コミット操作を使用して終了する割合。この操作は,使用するシステム資源がかなり少なく,1つの資源マネージャだけがドランザクションに関与する場合に使用される。 Total Commit Rate ローカル・ノードのトランザクションがコミットされる割合。この値は1フェーズ・コミット・トランザクションと 2フェーズ・コミット・トランザクションの合計値である。 Abort Rate ローカル・ノードのトランザクションが強制終了される割合。 End Rate ローカル・ノードで起動されたトランザクションがコミットされる割合。 Remote Start Rate トランザクション分岐がローカル・ノードで起動される割合。 Remote Add Rate トランザクション分岐がローカル・ノードで追加される割合。 Completion Rate トランザクションが終了する割合。 秒単位の所要時間別に分類されます。終了率の分類は,次のとおり。
Completion Rate 0--1 0 〜 1 秒 (1 秒未満) で終了したトランザクションの数 Completion Rate 1--2 1 〜 2 秒で終了したトランザクションの数 Completion Rate 2--3 2 〜 3 秒で終了したトランザクションの数 Completion Rate 3--4 3 〜 4 秒で終了したトランザクションの数 Completion Rate 4--5 4 〜 5 秒で終了したトランザクションの数 Completion Rate 5+ 5 秒より多い時間を終了に要したトランザクションの数
0.5 秒で終了したトランザクションは,Completion Rate 0-1 のカテゴリに該当する。
#1 | |
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MONITOR> MONITOR TRANSACTION/ALL
|
ノード SAMPLE のすべてのトランザクションの状態を表示しています。
#2 | |
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MONITOR> MONITOR TRANSACTION/MAXIMUM
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ノード SAMPLE のすべてのトランザクションの最大統計値を表示しています。
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