Compq OpenVMS
システム管理ユーティリティ・リファレンス・マニュアル


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MONITOR VBS (VAX のみ)

VAX システムでは,MONITOR VBS コマンドは仮想バランス・スロット (VBS) の処理に関する情報を表示します。

形式

MONITOR VBS


説明

MONITOR VBS コマンドには,次のデータ項目があります。

データ項目 説明
RBS Fault Rate プロセスが仮想バランス・スロットから実バランス・スロット (RBS) にフォルトする割合。
CPU Utilization 仮想バランス・スロット機能をサポートするために,オペレーティング・システムが使用した CPU 時間 (1 秒間に 10 ミリ秒クロック・ティックの割合)

どのプロセスが最高の RBS フォルト率であるかを判断するには, MONITOR PROCESSES/TOPRBS コマンドを使用します。


#1

MONITOR> MONITOR VBS

                           OpenVMS Monitor Utility 
                         VIRTUAL BALANCE SLOT STATISTICS 
                                 on node SAMPLE 
                              29-APR-2000 12:43:28 
 
                                       CUR        AVE        MIN        MAX 
     RBS Fault Rate                   4.62       3.80       0.33       7.61 
     CPU Utilization                  0.99       0.24       0.00       0.99 
 

この例は VBS を表形式で表示します。

MONITOR VECTOR

MONITOR VECTOR コマンドは,現在設定されている各ベクタ・プロセッサに対して 1 つ以上のベクタ消費者をスケジューリングするときに要した 1 秒あたりの 10 ミリ秒クロック・ティック数を表示します。

形式

MONITOR VECTOR


コマンド修飾子

/修飾子 [,...]

1 つ以上の修飾子。本章の「コマンド修飾子の説明」を参照してください。

クラス名修飾子

/ALL

すべての統計項目 (現在,平均,最小,最大) を表示出力と要約出力に含めることを指定します。要約出力の場合,すべてのクラスについて,この修飾子が省略時の値です。要約出力以外の場合,CLUSTER,MODES,PROCESSES,STATES,SYSTEM, VECTOR を除くすべてのクラスについて,この修飾子が省略時の値です。

/AVERAGE

平均統計のバー・グラフを表示出力と要約出力に含めることを指定します。

/CURRENT

現在の統計のバー・グラフを表示出力と要約出力に含めることを指定します。この修飾子は,CLUSTER,MODES,STATES, SYSTEM,VECTOR の各クラスの省略時の値です。

/MAXIMUM

最大統計のバー・グラフを表示出力と要約出力に含めることを指定します。

/MINIMUM

最小統計のバー・グラフを表示出力と要約出力に含めることを指定します。

説明

MONITOR VECTOR コマンドは,システム内で現在設定されている各ベクタ・プロセッサに対して 1 つ以上のベクタ消費者をスケジューリングするときに要した 1 秒あたりの 10 ミリ秒クロック・ティック数を表示します。オペレーティング・システムがベクタ消費者をスケジューリングする対象は,"vector present" と定義されているプロセッサだけであるため,"vector absent" と定義されているプロセッサのベクタ CPU 時間を VECTOR クラスで表示されることはありません。

ベクタ消費者は,ベクタが存在するプロセッサのベクタ CPU とスカラ CPU のいずれかまたは両方を使用できます。このため, VECTOR クラスで出力されるベクタ CPU 時間は,ベクタ CPU の実際の使用量ではなく,ベクタ消費者がベクタ CPU とスカラ CPU の両方を予約した期間を意味します。

VECTOR クラスのデータ項目は Vector Scheduled Rate です。ベクタが存在する CPU それぞれに対してベクタ消費者がスケジューリングされている 1 秒あたりの 10 ミリ秒単位クロック・ティック数が表示されます。



MONITOR>  MONITOR VECTOR

                           OpenVMS Monitor Utility 
                          VECTOR PROCESSOR STATISTICS 
              +-----+             on node SAMPLE 
              | CUR |          12-JUN-2000  22:52:42 
              +-----+ 
 Vector Consumers Scheduled          0         25        50        75      100 
                                     + - - - - + - - - - + - - - - + - - - - -+ 
 Vector Present CPU ID  0          13|***** 
 Vector Absent  CPU ID  1            | 
 Vector Absent  CPU ID  2            | 
 Vector Present CPU ID  4          58|********************** 
                                     |         |         |         |          | 
                                     |         |         |         |          | 
                                     |         |         |         |          | 
                                     |         |         |         |          | 
                                     |         |         |         |          | 
                                     |         |         |         |          | 
                                     + - - - - + - - - - + - - - - + - - - - -+ 

CPU 0,CPU 4 という,ベクタが存在するプロセッサ 2 つが実装された多重処理システムの VECTOR クラス表示です。 1 秒あたりの 10 ミリ秒クロック・ティック数が示されています。最後の収集間隔において,ベクタ消費者は,CPU 0 に 1 秒あたり平均 13 ティック分スケジューリングされており,CPU 4 には 1 秒あたり平均 58 ティック分スケジューリングされています。

SET DEFAULT

SET DEFAULTコマンドはMONITORコマンドのコマンド修飾子,クラス名パラメータ,クラス名修飾子の省略時の値を設定します。SET DEFAULTコマンドでは,コマンド修飾子は指定したものだけが設定されますが,クラス名パラメータとクラス名修飾子はすべてが設定されます。修飾子とクラス名はすべて, MONITORコマンドの場合と同じです。

形式

SET DEFAULT [/修飾子[,...]] クラス名[,...] [/修飾子[,...]]


パラメータ

クラス名[,...]

1つ以上のクラス名を指定します。

コマンド修飾子

/修飾子[,...]

1 つ以上の修飾子。本章の「コマンド修飾子の説明」を参照してください。

クラス名修飾子

/修飾子 [,...]

1 つ以上のクラス名修飾子。

説明

コマンド修飾子とクラス名修飾子は,MONITOR クラス名   コマンドの修飾子と同じです。

#1

MONITOR> SET DEFAULT /INTERVAL=10 PAGE/AVERAGE+IO/MAXIMUM /NODE=(LARRY,MOE,CURLEY)

MONITOR コマンドの省略時のクラスとして PAGE と IO を選択し,統計表示間隔として 10 秒を指定しています。 PAGE クラスには AVERAGE 統計を表示し,IO クラスには MAXIMUM 統計を表示することを指定しています。さらに,LARRY,MOE,CURLEY の各ノードでデータを収集することを指定しています。以上の省略時の値を定義すれば,修飾子やパラメータを指定せずに MONITOR コマンドを実行できます。

SHOW DEFAULT

SHOW DEFAULT コマンドは,SET DEFAULT コマンドで設定した省略時の値を表示します。

形式

SHOW DEFAULT


パラメータ

なし

修飾子

なし

説明

SHOW DEFAULT コマンドにより,SET DEFAULT コマンドで設定した省略時の値をチェックできます。


MONITOR> SHOW DEFAULT

/BEGINNING = current time               /INTERVAL     = 10 
/ENDING    = indefinite                 /VIEWING_TIME = 10 
 
/FLUSH_INTERVAL = 300 
 
/NOINPUT 
 
/NORECORD 
 
/DISPLAY   = SYS$OUTPUT:.; 
 
/NOSUMMARY 
 
/NOFILENAME 
 
/NOCOMMENT 
 
Classes: 
 PAGE/AVERAGE              IO/MAXIMUM 
 
Nodes: 
 LARRY                     MOE                       CURLEY 

SET DEFAULT コマンドで指定した省略時の値を表示しています。


第 16 章
Point-to-Point ユーティリティ (PPPD)

16.1 PPPD について

Point-to-Point Protocol ユーティリティ (PPPD) は, OpenVMS Alpha ホスト・システムからポイント・ツー・ポイント・プロトコル (PPP) ネットワーク接続とそのリンク・パラメータを起動し,管理します。この章では,PPP 接続をサポートする PPPD コマンド,およびそのパラメータと修飾子を説明します。

PPP ドライバとそのプログラミング・インタフェースの詳細については, SYS$SYSROOT:[SYSHLP.EXAMPLES.PPPD.DOC] にあるファイル PPP_INTERFACES.TXT と PPP_INTERFACES.PS を参照してください。

16.2 PPPD 使用法の要約

Point-to-Point Protocol ユーティリティ (PPPD) では, OpenVMS Alpha ホストからポイント・ツー・ポイント・プロトコル (PPP) 準拠のネットワーク接続を起動し,制御して,その物理リンク・パラメータを定義できます。

具体的には,次の処理を実行できます。


形式

$ PPPD

コマンドを入力すると,ユーティリティから次のプロンプトが表示されます。


PPPD> 


使用法の要約

PPPD を起動した後,適切なコマンドを入力することで,PPPD 処理を実行できます。また,次のように,ユーティリティを起動するコマンドと同じ行に PPPD コマンドを 1 つ入力する方法もあります。


$ PPPD CONNECT TTAO:

PPPD ユーティリティを終了するには, PPPD> プロンプトに対して EXIT コマンドを入力するか,または Ctrl/Z を押します。どちらの方法でも制御は DCL コマンド・レベルに戻ります。

PPPD ユーティリティの詳細については, PPPD> プロンプトで HELP コマンドを入力してください。

16.3 PPPD のコマンド

この項では,PPPD のコマンドについて,例を挙げて説明します。 PPP 設定のカスタマイズが必要なときのために,コマンド修飾子が用意されています。ただし,ほとんどのユーザは省略時の設定で満足するでしょう。 表 16-1 は PPPD コマンドの機能をまとめたものです。

表 16-1 PPPD コマンドの要約
コマンド 機能
CONNECT 現在の物理ポートまたは指定された遠隔ポートを経由するネットワーク接続を確立する。
DIAL_OUT モデムでダイアルする,または外部装置にリンクする装置へのダイレクト・アクセスを許可する。
DISCONNECT ネットワーク接続を終了し,制御をターミナル・ドライバに戻す。
EXIT ユーティリティを終了し,DCL コマンド・プロンプト ($) に戻る。
HELP PPPD コマンドのヘルプ・テキストを表示する。
SET 指定されたターミナルの装置と回線属性を決定する。
SHOW 指定されたターミナルの装置と回線属性を表示する。

CONNECT

現在の物理ポートまたは指定された遠隔ポートにある装置へのネットワーク接続を確立します。

形式

CONNECT 装置名[:]


パラメータ

装置名[:]

省略可能。ネットワーク接続を中継する装置の名前を指定します。装置名の形式は ddcu であり,このうち,dd は装置コードを,c はコントローラの指定を, u はユニット番号を示します。 LAN 装置は,ユニット 0 の装置の名前を指定されます。たとえば,LAN 上の最初のターミナル装置は TTA0,2 番目の装置は TTB0 になります。

修飾子

なし。

説明

CONNECT コマンドは,現在の物理ポートまたは特定の遠隔ポートにある装置へのリンクまたは接続を作成します。このコマンドを入力すると,制御は PPP ドライバに渡り,一時的な着信ネットワーク・セッションが確立されます。セッションが切断されると,ホスト装置の制御はターミナル・デバイス・ドライバに戻ります。


PPPD> CONNECT TTA1:
%PPPD-I-CONNECTTERM, converting connection on device _TTA1: to a 
Point-to-Point connection

シリアル・ポート TTA1 に一時的なネットワーク接続を作成します。ポートは,シリアル接続のもう一方の終端でホストが起動する PPP セットアップ・ネゴシエーションを受け取る準備ができます。

DIAL_OUT

モデムにダイアルする,または外部装置にリンクする特定の物理装置へのアクセスを提供します。

形式

DIAL_OUT 装置名[:]


パラメータ

装置名[:]

ネットワーク接続を中継する装置の名前を指定します。装置名の形式は ddcu であり,このうち,dd は装置コードを,c はコントローラの指定を, u はユニット番号を示します。 LAN 装置は,ユニット 0 の装置の名前を指定されます。たとえば,LAN 上の最初のターミナル装置は TTA0,2 番目の装置は TTB0 になります。

修飾子

/BREAK=ブレーク文字

現在送信中のシグナルを中断するために使用できる文字シーケンスを指定します。シグナルを中断するには,Ctrl/ブレーク文字 を押します。ブレーク文字には,C,M,Q,S,Y 以外の @ 〜 Z の ASCII 文字を選ぶことができます。省略時のブレーク文字は ~ です。

/DISCONNECT=切断文字

DIAL_OUT モードを終了させるために使用できる文字シーケンスを指定します。呼び出しを切断するには,Ctrl/切断文字 を押します。切断文字には,C,M,Q,S,Y 以外の @ 〜 Z の ASCII 文字を選ぶことができます。省略時の切断文字は \ です。

/SWITCH=切り換え文字

回線を PPP モードに切り換えるために使用できる文字シーケンスを指定します。 PPP モードを有効にするには,Ctrl/切り換え文字 を押します。切り換え文字には,C,M,Q,S,Y 以外の @ 〜 Z の ASCII 文字を選ぶことができます。省略時の切り換え文字は @ です。

CONNECT コマンドと同様,この修飾子は回線を PPP モードに切り換えます。パケット・ネゴシエーションが失敗した場合, PPPD は終了し,回線はターミナル・モードのままになります。回線が /MODEM および /NOHANGUP に設定されている場合,無関係なデータになる可能性があり,インターネット・プロトコル (IP) の ASCII 表記のパケットがオープンになった回線で送信されます。


説明

DIAL_OUT コマンドは,特定の物理装置へのアクセスを,モデムへのダイアルまたは外部装置へのアクセスに指定します。


PPPD> DIAL_OUT TTA0:
Type control-~ to send a break, 
     control-\ to disconnect, 
 and control-@ to switch to a point-to-point connection. 
                                        
UNIVRS - Unauthorized access is prohibited 
Username:   SEBASTIAN
Password:   
 
   Welcome to OpenVMS (TM) Alpha Operating System, Version 7.3 on node UNIVRS 
    Last interactive login on Tuesday, AUGUST 13, 2000 02:39 PM 
    Last non-interactive login on Monday, AUGUST 12, 2000 02:16 PM 
 
$  PPPD CONNECT
%PPPD-I-CONNECTTERM, converting connection on device _TTB0: to a 
Point-to-Point connection
Ctrl-@ 
%PPPD-I-CONNECTTERM, converting connection on device _TTA1: to a 
Point-to-Point connection

この例では,ダイレクト・シリアル・リンクでの PPP の使用を示しています。

DISCONNECT

現在のネットワーク接続を終了させます。

形式

DISCONNECT 装置名[:]


パラメータ

装置名[:]

省略可能。ネットワーク接続を中継する装置の名前を指定します。装置名の形式は ddcu であり,このうち,dd は装置コードを,c はコントローラの指定を, u はユニット番号を示します。 LAN 装置は,ユニット 0 の装置の名前を指定されます。たとえば,LAN 上の最初のターミナル装置は TTA0,2 番目の装置は TTB0 になります。

修飾子

なし。

説明

DISCONNECT コマンドは,上位レベルのプロトコルの状態にかかわらず,ネットワークへの物理リンクを終了させます。物理装置は適切なターミナル・ドライバに戻り,上位レベルのプロトコルはハングアップ・イベントを受け取ります。多くの場合,このコマンドは,システムが一時停止した場合などにポート通信設定をクリアし,リセットするために使用されます。


PPPD> DISCONNECT TTA1:

この例のコマンドは,シリアル・ポート TTA1 を経由して確立された現在のネットワーク接続を終了させます。

注意

シリアル・ポートを切断するユーザは, ASNn: 装置を接続したときと同じ UIC を持っているか,または, SYSPRV 特権を持っている必要があります。


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